JP3504179B2 - 周波数変換回路 - Google Patents
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Description
機器で使用される周波数変換回路に係り、特に広帯域信
号を出力する周波数変換回路に関する。
では、受信信号を所定の周波数に変換するための周波数
変換回路が設けられる。比較的狭帯域の信号を扱う周波
数変換回路として、例えば、Ken Leong Fong, Chistoph
er Dennis Hull, and Robert G. Meyer著 、IEEE J.Sol
id-State Circuits, vol.32, No.8, AUGUST 1997, p.11
66, “A Class AB Monolithic Mixer for 900-MHz Appl
ications”(文献1)に記載の周波数変換回路が知られ
ている。
回路を示している。トランジスタQ101,Q102,
Q103は乗算回路を構成しており、トランジスタQ1
02,Q103のコレクタからRF(高周波)信号周波
数とLO(ローカル)信号周波数の差周波数の信号であ
るIF(中間周波数)信号が電流信号として出力され
る。この乗算回路の出力端子に接続された負荷回路に
は、負荷抵抗R100,R101,R102に加えて、
インダクタL101,L102とキャパシタC101,
C102からなる二つのLC並列共振回路が接続され、
これらに帯域通過フィルタの機能を持たせている。この
負荷回路は通常、伝送線路のインピーダンス(50Ω)
に整合をとるように設計される。
いて、PHS(パーソナルハンディホンシステム)やG
SM(global system for mobile communication)など
で使用される数百kHzの狭帯域の変調方式に対し、C
DMA(符号分割多元接続)やOFDM(直交周波数多
重)といった数MHzまたはそれ以上の広帯域の変調方
式が使用され始めている。このような広帯域の変調信号
を200MHz程度の周波数のIF信号に変換すると、
信号の比帯域が狭帯域の変調方式の場合に比べ一桁以上
大きくなる。
調方式の信号を周波数変換する用途に開発されたもので
あり、広帯域変調方式による比帯域の大きな信号を扱う
場合には、全ての信号帯域でインピーダンス整合をとる
ことができず、出力信号レベルが変動してしまう。図2
3におけるLC並列共振回路に外付けの素子を用いて高
いQ値を持たせた負荷回路で信号帯域を広くしようとす
ると、回路構成が複雑となり、外付け素子の数が多くな
ってしまうため、集積回路化による小型化および低価格
化の要求に反する。また、広帯域にわたりインピーダン
ス整合をとる手法として共振回路のQ値を下げる方法も
あるが、出力信号レベルが下がってしまい、S/Nが劣
化する。
がとれる周波数変換回路として、図24に示すように乗
算回路を構成するトランジスタQ102,Q103のコ
レクタから、電流源CS104,CS105を負荷とす
るトランジスタQ104,Q105によるエミッタフォ
ロワ回路からなる出力バッファ回路を介してIF出力を
取り出す構成が知られている。この周波数変換回路で
は、広い周波数領域にわたってインピーダンスマッチン
グをとることができる。また、変換利得はトランジスタ
Q101,Q102,Q103による変換トランスコン
ダクタンスと負荷抵抗R101,R102で決まり、容
易に大きな値が得られるので、出力信号レベルが十分に
確保される。
トランジスタQ102,Q103のコレクタからの出力
信号として、所望信号であるのIF信号成分のほかに、
レベルの大きなLO信号の周波数成分とその高調波の周
波数成分が不要信号成分として現れる。このようなレベ
ルの大きな不要信号成分は、次段の出力バッファ回路の
トランジスタQ104,Q105を飽和させてしまい、
その結果として所望信号を歪ませるという問題がある。
法として、ダブルバランスミキサが知られている。しか
し、ダブルバランスミキサでは、主にLO信号周波数の
2倍調波がミキサの負荷抵抗に流れる電流として現れ、
特にLO信号周波数が高い場合、この2倍調波成分が大
きくなり、図24の回路と同様の問題が生じる。
周波数変換回路では、広帯域の信号を周波数変換しよう
とすると、S/Nや歪特性が犠牲になるという問題があ
った。
消すべくなされたもので、高S/Nおよび低歪を確保し
つつ広帯域化を可能とした周波数変換回路を提供するこ
とを目的とする。
め、本発明の周波数変換回路は、高周波信号とローカル
信号とを乗算して両信号の周波数の差の周波数を持つ差
周波数信号を出力する乗算回路と、この乗算回路の出力
端子に接続された負荷回路と、乗算回路から出力される
差周波数信号を次段に出力する出力バッファ回路とを有
し、負荷回路のインピーダンス特性が差周波数信号の周
波数以外の少なくとも一つの不要信号周波数に一致した
ノッチ周波数を有することを特徴とする。
出力バッファ回路により高利得・広帯域化すると同時
に、負荷回路のインピーダンス特性に不要信号周波数で
ノッチ特性を持たせることにより、歪みの原因となる不
要信号周波数成分のみを取り除くことができ、優れた歪
み特性を実現できる。
路は具体的には乗算回路を構成するトランジスタのコレ
クタに接続された少なくとも一つの負荷抵抗と、該負荷
抵抗に並列に接続されたLC直列共振回路とにより構成
され、該LC直列共振回路の共振周波数を不要信号周波
数に一致させている。LC直列共振回路は、ボンディン
グワイヤのインダクタンスを含んでいてもよいし、オン
チップで構成されていてもよい。
とも最も大きな不要信号となるローカル信号の周波数に
一致したノッチ周波数を有することが望ましく、さらに
はローカル信号の周波数およびその高調波の周波数に一
致した複数のノッチ周波数を有することが望ましい。
れたキャパシタをさらに有してもよい。周波数変換回路
を実際に集積回路によって構成する場合、種々の寄生容
量成分により並列共振回路が形成される。ローカル信号
を主たる不要信号としてLC直列共振回路の共振周波数
をローカル信号周波数に選んだ場合、並列共振回路の並
列共振周波数が他の不要信号、例えばLO信号の高調波
周波数と等しいか、近い周波数になると、この高調波成
分が不要信号として周波数変換出力に現れ、歪み特性が
劣化する。
パシタを設け、このキャパシタの容量を適切に選んで並
列共振周波数が不要信号以外の周波数にシフトさせるこ
とにより、LC直列共振回路の共振周波数以外の周波数
の不要信号を除去することができ、さらなる低歪化が可
能となる。
ダンスが所望の信号帯域内での利得が実質的に一定とな
るように設定されていることが望ましく、さらに具体的
にはその入力部にトランスインピーダンス回路のような
入力インピーダンスを低下させる回路を有することが望
ましい。このようにして所望信号帯域で利得をほぼ一定
に保つことにより、出力信号の広帯域化および低歪み化
が可能となる。
施の形態を説明する。図1に、本発明に係る第1の実施
形態の周波数変換回路の基本構成を示す。この周波数変
換回路は、高周波(RF)信号とローカル(LO)信号
との乗算を行う乗算回路1と、この乗算回路1の二つの
出力端子に接続された負荷回路2および同じく乗算回路
1の二つの出力端子に接続された出力バッファ回路3か
ら構成される。ここで、本発明に従い負荷回路2のイン
ピーダンス特性(インピーダンスの周波数特性)は、少
なくとも一つの不要信号周波数に一致したノッチ周波数
を有するものとする。
りRF信号の周波数とLO信号の周波数との差周波数で
あるIF(中間周波数)信号成分のほかに、LO信号周
波数成分、LO信号周波数の高調波成分等が不要信号成
分として現れる。本実施形態の周波数変換回路では、こ
れらLO信号周波数成分やその高調波成分のようなレベ
ルの大きな不要信号成分が乗算回路1から出力されたと
しても、負荷回路2のインピーダンス特性に不要信号成
分の周波数に一致したノッチ周波数を持たせることによ
り、次段の出力バッファ回路3にこれらの不要信号成分
はほとんど伝達されなくなるようにできる。
路3の入力部が飽和することはなくなり、歪みが小さく
なる。また、不要信号成分を負荷回路2のノッチ特性に
よって除去するので、所望信号帯域においては負荷回路
2のインピーダンス特性を平坦にすることができる。
ダンス特性が所望信号帯域で平坦な特性を持ち、出力バ
ッファ回路のインピーダンス特性も平坦であることか
ら、この周波数変換回路は所望信号帯域において十分な
変換利得を有し、レベルが十分に大きくS/Nの高い出
力信号を得ることができる。
の具体例を説明する。図2において、乗算回路1はトラ
ンジスタQ1,Q2,Q3からなり、トランジスタQ1
のコレクタ端子はトランジスタQ2,Q3の共通エミッ
タ端子に接続され、トランジスタQ1のエミッタ端子は
接地される。トランジスタQ1のベース端子にRF信号
が入力され、トランジスタQ2,Q3のベース端子間に
LO信号が入力される。このような構成により、乗算回
路1の出力端子であるトランジスタQ2,Q3のコレク
タ端子から、主として乗算回路1の入力であるRF信号
とLO信号との差周波数の成分、つまりIF信号成分が
電流信号として出力される。
ら出力された電流信号は、負荷回路2内の負荷抵抗によ
って電流−電圧変換される。そして、トランジスタQ3
のコレクタ端子からの信号電流を電流−電圧変換した信
号が出力バッファ回路3に入力される。負荷回路2は、
この例ではトランジスタQ2,Q3のコレクタ端子と電
源Vccとの間にそれぞれ接続された負荷抵抗R1,R
2と、負荷抵抗R1に並列に接続されたインダクタL1
とキャパシタC1のLC直列共振回路と、負荷抵抗R2
に並列に接続されたインダクタL2とキャパシタC2の
LC直列共振回路からなる。
F信号成分のほかに、不要信号として主にLO信号の周
波数成分が含まれるが、負荷回路2におけるLC直列共
振回路の共振周波数をLO信号周波数に合わせることに
より、LO信号周波数成分を除去することができる。す
なわち、LC直列共振回路は共振周波数でインピーダン
スが極小値となるので、この共振周波数にLO信号周波
数を合わせれば、LO信号周波数での利得は0となっ
て、LO信号周波数成分は出力バッファ回路3に伝達さ
れなくなり、出力バッファ回路3のトランジスタQ4が
LO信号周波数成分により飽和することを防ぐことがで
きる。
な歪みを生じることがなくなり、周波数変換回路2から
LO信号周波数成分やその高調波成分のような不要信号
成分が出力されていても、出力バッファ回路3から低歪
みの所望信号成分が周波数変換出力として得られる。
ついて説明する。図3、図4に乗算回路1の他の構成例
を示す。
ンジスタQ1のベース端子とエミッタ端子間に直流バイ
アス電圧Vbを印加し、トランジスタQ2のエミッタ端
子にRF信号を入力するようにした例であり、図2中に
示した乗算回路と同様に、所望信号としてRF信号周波
数とLO信号周波数との差周波数の成分であるIF信号
成分が出力され、不要信号としてLO信号周波数とその
高調波成分が出力される。
1〜Q16と電流源CS10で構成される周知の平衡変
調器型乗算回路であり、RF信号は共通エミッタ端子に
電流源CS10が接続されているトランジスタQ11,
Q12のベース端子間に入力される。トランジスタQ1
1,Q12のコレクタ端子は、トランジスタQ13,Q
14の共通エミッタ端子およびトランジスタQ15,Q
16の共通エミッタ端子にそれぞれ接続されており、ト
ランジスタQ13,Q14のベース端子間およびトラン
ジスタQ15,Q15のベース端子間にそれぞれLO信
号が互いに逆相で入力される。
通コレクタ端子間とトランジスタQ14,Q16のコレ
クタ端子間から、所望信号としてRF信号周波数とLO
信号周波数との差周波数の成分であるIF信号成分が逆
相で出力される。また、この図4の乗算回路において
は、主にLO信号の2次高調波成分が不要信号として出
力される。
構成例を示す。図5の負荷回路では、負荷抵抗R1にイ
ンダクタL1とキャパシタC1からなるLC直列共振回
路が並列に接続され、図6の負荷回路では、抵抗R2に
インダクタL2とキャパシタC2からなるLC直列共振
回路が並列に接続されている。また、図7の負荷回路で
は、抵抗Rに並列にインダクタL1とキャパシタC1か
らなるLC直列共振回路およびインダクタL2とキャパ
シタC2からなるLC直列共振回路が接続されている。
これらの負荷回路は、いずれも一方の端子(入力端子I
N)が乗算回路1の出力端に接続され、他方の端子が電
源Vcc、つまりAC GNDに接続される。乗算回路
1の出力が差動となっている場合には、乗算回路1のそ
れぞれの出力(+側、−側)に上記のごとく負荷回路を
接続すればよい。ここで、二つの負荷回路は回路のバラ
ンスを考えると、同一であることが望ましい。また、二
つの負荷回路のAC GNDは共通であってもよいし、
別々であってもよい。
C1およびL2,C2は、例えば次式(1)(2)を満
たすように設定される。
号の角周波数、2ωLOはその2次高調波の角周波数で
あり、図5、図6に示す負荷回路のインピーダンス特性
は、それぞれ周波数fLO,2fLOにノッチ周波数を
有する。また、図7に示した負荷回路のインピーダンス
特性は図8に示すように、これら二つの周波数fLO,
2fLOにノッチ周波数を有する。
は、負荷抵抗とLC直列共振回路を並列接続しただけの
ものであり、簡易な構成で実現可能である。LC直列共
振回路のQ値が大きいか、またはLO信号周波数とIF
信号周波数が大きい場合、IF信号周波数において負荷
インピーダンスは負荷抵抗の大きさになり、IF信号周
波数帯域全域にわたって平坦な特性を得ることができ
る。
構成例を示す。負荷回路2に用いるLC直列共振回路
は、オフチップ(外付け)、オンチップのいずれでも構
成可能である。図9に示す負荷回路は、LC直列共振回
路をオフチップで構成した例であり、負荷抵抗R3と、
オフチップのインダクタL3(ボンディングワイヤのイ
ンダクタンスを含む)およびキャパシタC3のLC直列
共振回路からなる。
で構成する場合、インダクタL3およびキャパシタC3
共に、ボンディングワイヤのインダクタンスを含めて、
高いQ値の部品を使用できる。また、図9に示すように
LC直列共振回路の一方の端子をチップの外部に接地す
ることができるので、不要信号の同相成分、差動成分と
もに十分な抑圧効果が得られる。
路をオンチップで構成した例であり、負荷抵抗R4,R
5と、負荷抵抗R4に並列に接続されたインダクタL4
とキャパシタC4のLC直列共振回路と、負荷抵抗R5
に並列に接続されたインダクタL5とキャパシタC5の
LC直列共振回路をオンチップで構成している。負荷抵
抗R4とこれに並列に接続されたLC共振回路、および
負荷抵抗R5とこれに並列に接続されたLC直列共振回
路のそれぞれの一端は、乗算回路1の二つの出力端子に
接続され、他端はキャパシタンスCpのパッドを介して
集積回路の基板電位に接続されるとともに、インダクタ
ンスLbのボンディングワイヤを介して電源Vccに接
続され、AC GNDとされている。
を構成すると、共振回路のQ値が低くなるが、ボンディ
ングワイヤのインダクタンスLbの誤差が大きい場合な
どには、オフチップの共振回路の共振周波数を合わせ込
むのが難しいので、オンチップ共振回路の方がその共振
周波数を狙い目の周波数(LO信号周波数やその高調波
の周波数)に合わせ込むことが比較的容易になる。ま
た、不要信号が差動信号になっている場合は、LC共振
回路をオンチップのLCで構成しても、ボンディングワ
イヤのインダクタンスLpやパッドのキャパシタンスC
pの影響を受けることなく、不要信号の抑圧ができる。
路1から出力される不要信号が差動信号になっている場
合の構成例であり、いずれも二つの入力端子IN1,I
N2を有する。R6,R7,R8,R9は負荷抵抗であ
り、またインダクタL6,L7,L8,L9およびキャ
パシタC6,C7,C8,C9はLC直列共振回路を構
成している。LC直列共振回路は、入力端子IN1,I
N2間に接続される。これらの負荷回路においては、イ
ンダクタおよびキャパシタ共にオンチップ、オフチップ
いずれで構成することも可能である。また、LC直列共
振回路のインダクタおよびキャパシタのいずれか一方を
オンチップに、他方をオフチップにして構成してもよ
く、さらにオンチップ、オフチップのLC直列共振回路
を併用してもよい。
の構成例を示す。図14に示す出力バッファ回路では、
乗算回路1の二つの出力端子からのIF信号電圧を入力
し、これらをトランジスタQ4,Q5と電流源CS4,
CS5からなる二組のエミッタフォロワ回路により伝送
線路のインピーダンス、例えば50Ωにインピーダンス
変換して出力する。
回路1の一方の出力端子からのIF信号電圧をトランジ
スタQ8と負荷抵抗R10からなるエミッタ接地増幅器
により増幅し、さらにトランジスタQ5と電流源CS5
からなるエミッタフォロワ回路により伝送線路のインピ
ーダンス、例えば50Ωにインピーダンス変換して出力
する。
数の差周波数が小さい場合、またはLC直列共振回路の
Q値が小さい場合などには、図16に点線で示されるよ
うにIF信号帯域において負荷回路のインピーダンス特
性が平坦でなくなる場合がある。この結果、所望信号帯
域内で利得変動を生じてしまい、広帯域の信号を得るこ
とができなくなる。
小さくしたトランスインピーダンスアンプで出力バッフ
ァ回路3を構成することにより、乗算回路1の出力端子
から見たインピーダンス特性を図16の実線のようにす
ることができ、IF信号帯域で平坦な出力信号レベルを
得ることができる。このようなトランスインピーダンス
アンプ回路を入力部に備えた出力バッファ回路3の構成
例を図17、図18に示す。
ンジスタQ6と、トランジスタQ6のエミッタ端子に接
続された電流源CS6と、トランジスタQ6のコレクタ
端子とベース端子間に接続されたR11、およびトラン
ジスタQ6のコレクタ端子と電源Vccとの間に接続さ
れた抵抗R12によりトランスインピーダンスアンプ回
路が構成されている。このトランスインピーダンスアン
プ回路の出力は、トランジスタQ6のコレクタ端子から
取り出され、次段のトランジスタQ4のベース端子に入
力される。
におけるトランスインピーダンスアンプ回路の抵抗R1
1を除去し、代わってトランジスタQ6のベース端子に
直流バイアス電圧Vbを与えている。この場合も、トラ
ンスインピーダンスアンプ回路の出力はトランジスタQ
6のコレクタ端子から取り出され、次段のトランジスタ
Q4のベース端子に入力される。乗算回路1の出力が差
動になっている場合は、乗算回路1の二つの出力端子に
それぞれトランジスタインピーダンス回路を接続すれば
よい。ここで、二つのトランスインピーダンス回路は、
乗算回路のバランスを考えると、同一であることが望ま
しい。
回路は、いずれもトランスインピーダンスアンプ回路を
入力部に備えることにより、その入力インピーダンスを
負荷回路2の負荷抵抗よりも小さくすることが可能であ
り、乗算回路1の出力端子において図16の実線のよう
なインピーダンス特性を得ることができる。
ピーダンスは、図17の場合は抵抗R11の値、図18
図の場合は抵抗R12の値となるので、これらの抵抗値
を図16のインピーダンスRと等しくすれば、所望信号
のレベルを広帯域にわたって十分に得ることができ、ま
た不要信号は負荷回路2のノッチ特性により除去するこ
とができるため、余計な歪みを軽減することができる。
インピーダンス回路のようなインピーダンスを低下させ
る回路を付加することにより、所望信号帯域で利得を実
質的に一定に保ち、出力バッファ回路3で所望信号が歪
むのを避けることができ、低歪み化により有利となる。
他の実施形態について説明する。図2に示した周波数変
換回路において、実際の集積回路上ではトランジスタQ
3のコレクタ端子と基板間の寄生容量や配線の寄生容量
が存在し、これらの寄生容量を含めると負荷回路2は、
等価的に図19のように表わされる。ただし、図19で
は乗算回路1の二つの出力端子に接続された負荷抵抗R
1,R2とこれらに並列に接続されたLC直列共振回路
を構成するインダクタL1,L2およびキャパシタC
1,C2のうちの一方のみを考え、それぞれR,L,C
で表わしている。また、図19におけるCparasitic
は、上述した全ての寄生容量を表わしている。図19中
に示すLC直列共振回路のインピーダンスは、次式
(3)で表わされる。
ーダンスは、共振周波数f0(=1/2π√(LC))
よりも高い周波数では誘導性(虚数成分が正数)とな
る。このため、図19中のCparasiticのような寄生容
量成分があると、f0以上の周波数においては、図19
の回路は抵抗Rに並列にLC並列共振回路が接続された
ように見える。より具体的には、図19の回路のインピ
ーダンスは、次式(4)で与えられる。
C)で直列共振が起こり、この周波数でインピーダンス
0となるノッチが存在する。さらに、周波数f=f1=
f0√(1+C/Cparasitic)で並列共振が起こり、
この周波数ではインピーダンスか極大値Rとなる。
rasiticを考慮した周波数変換回路を示している。この
周波数変換回路において、負荷回路2中のLC直列共振
回路の共振周波数f0をLO信号周波数とした場合を考
える。この場合、負荷回路のインピーダンス特性におい
てLO信号周波数にノッチを設けることで、LO信号周
波数の不要信号は十分に抑圧される。
siticの存在によって、LO信号周波数(=直列共振周
波数)よりも高い周波数f1に並列共振点が存在するた
め、この並列共振周波数f1が他の不要信号、例えばL
O信号の高調波周波数と等しいか、もしくはこれに近い
周波数になると、LO信号の高調波成分が不要信号とし
て周波数変換出力に現れてしまい、歪み特性が劣化す
る。
実施形態に係る周波数変換回路であり、トランジスタQ
2,Q3のコレクタ端子と電源Vccとの間に、つまり
負荷抵抗R1,R2とそれぞれ並列にキャパシタC2
1,C22が接続されている。このようにすると、並列
共振周波数は次式(5)となる。
C1,C2の容量、C′は追加したキャパシタC21,
C22の容量である。すなわち、キャパシタC21,C
22を設けることにより、並列共振周波数はf1からf
2へとずれる。従って、この並列共振周波数f2がLO
信号の高調波成分などの不要信号以外の周波数となるよ
うにキャパシタC21,C22の容量を選ぶことによ
り、周波数変換出力に不要信号が現れることがなくな
り、歪み特性の劣化を防ぐことができる。
は、所望信号であるIF信号帯域に影響が現れない値に
選ばれる。具体的には、1/2πR・C21>>fI
F、1/2πR・C22>>fIFを満たすように、キ
ャパシタC21,C22の容量は選定される。これによ
り、IF信号帯域での広帯域特性は保たれる。
になる。図22は、図21中の負荷回路2のインピーダ
ンス特性を示しており、実線がキャパシタC21,C2
2挿入前の特性、破線がキャパシタC21,C22挿入
後の特性である。但し、ここではLO信号周波数成分以
外の第2の不要信号として、LO信号周波数の2次高調
波成分を仮定している。
1,C22を挿入することにより、LO信号周波数の2
次高調波成分(周波数2fLO)の抑圧比が改善され、
さらに3次以上の高調波成分の抑圧比も改善されてい
る。
利得でかつ低歪みの特性を維持しつつ広帯域の信号を出
力することが可能であって、しかも簡易な構成の周波数
変換回路を提供することができる。
基本構成を示す図
成例を示す図
路の他の構成例を示す図
路の他の構成例を示す図
路の他の構成例を示す図
路の他の構成例を示す図
路の他の構成例を示す図
示す図
路の他の構成例を示す図
回路の他の構成例を示す図
回路の他の構成例を示す図
回路の他の構成例を示す図
回路の他の構成例を示す図
バッファ回路の他の構成例を示す図
バッファ回路の他の構成例を示す図
説明するためのインピーダンス特性を示す図
バッファ回路の他の構成例を示す図
バッファ回路の他の構成例を示す図
図
変換回路の構成を示す図
路の構成を示す図
負荷回路のインピーダンス特性を示す図
Claims (8)
- 【請求項1】高周波信号とローカル信号とを乗算して両
信号の周波数の差の周波数を持つ差周波数信号を出力す
る乗算回路と、 前記乗算回路の出力端子に接続された負荷回路と、入力インピーダンスが所望の信号帯域内での利得が実質
的に一定となるように設定され、 前記乗算回路から出力
される前記差周波数信号を次段に出力する出力バッファ
回路とを具備し、 前記負荷回路のインピーダンス特性が前記差周波数信号
の周波数以外の少なくとも一つの不要信号周波数に一致
したノッチ周波数を有することを特徴とする周波数変換
回路。 - 【請求項2】前記負荷回路は、前記乗算回路を構成する
トランジスタのコレクタに接続された少なくとも一つの
負荷抵抗と、該負荷抵抗に並列に接続されたLC直列共
振回路とを有し、該LC直列共振回路の共振周波数が前
記不要信号周波数に一致していることを特徴とする請求
項1記載の周波数変換回路。 - 【請求項3】前記負荷回路は、前記負荷抵抗に並列に接
続されたキャパシタをさらに有することを特徴とする請
求項2記載の周波数変換回路。 - 【請求項4】前記負荷回路のインピーダンス特性は、少
なくとも前記ローカル信号の周波数に一致したノッチ周
波数を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
か1項記載の周波数変換回路。 - 【請求項5】前記負荷回路のインピーダンス特性は、前
記ローカル信号の周波数およびその高調波の周波数に一
致した複数のノッチ周波数を有することを特徴とする請
求項1乃至3のいずれか1項記載の周波数変換回路。 - 【請求項6】前記LC直列共振回路は、ボンディングワ
イヤのインダクタンスを含むことを特徴とする請求項2
記載の周波数変換回路。 - 【請求項7】前記LC共振回路は、オンチップで構成さ
れることを特徴とする請求項2記載の周波数変換回路。 - 【請求項8】前記出力バッファ回路は、入力部に入力イ
ンピーダンスを低下させる回路を有することを特徴とす
る請求項1記載の周波数変換回路。
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