JP2002141751A - 集積回路実装用出力段付きミキサ回路 - Google Patents

集積回路実装用出力段付きミキサ回路

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JP2002141751A JP2001273951A JP2001273951A JP2002141751A JP 2002141751 A JP2002141751 A JP 2002141751A JP 2001273951 A JP2001273951 A JP 2001273951A JP 2001273951 A JP2001273951 A JP 2001273951A JP 2002141751 A JP2002141751 A JP 2002141751A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積回路上に完全実装可能な構成部品から構
成された新規の出力段を備えたダブルバランスドミキサ
を提供する。 【解決手段】 第1の中間ポート26と第2の中間ポー
ト28を有するダブルバランスドミキサ70の出力段5
0は、演算増幅器60と、インピーダンス58と、第1
および第2の電流源装置52,54を備えている。演算
増幅器60は第1の入力ポート62、第2の入力ポート
64およびIF出力ポート66を有し、インピーダンス
58は第1および第2の入力ポート62,64間に接続
されている。第1の電流源装置52は、相互に接続され
た第1の入力ポート62と第1の中間ポート26の両方
に接続された第1の端子を有している。第2の電流源装
置54は、相互に接続された第2の入力ポート64およ
び第2の中間ポート28の両方に接続された第2の端子
を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線通信装置に関
し、特に、無線通信装置内で無線周波数(RF)信号と
中間周波数(IF)信号との間で変換を行うために使用
される集積回路上のミキサ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】無線通信装置は現代生活の中のいたると
ころで見ることができる。最近、セルラー電話やその他
の種類の遠隔通信装置の利用が急増しているのに加え、
自動車分野などその他の分野においても無線通信装置の
利用が増加している。このような最近の無線通信装置の
利用急増の理由の一つは、集積回路技術の著しい向上が
無線通信装置に必要な電子部品のサイズと価格の大幅な
削減を可能にしたからである。例えば、電気部品のサイ
ズの削減によって製造者がより小型でより便利な送受器
を設計できるようになったことから、セルラー電話が大
いに実用化された。無線通信装置の製造者にとって、装
置の電気部品のサイズとコストをさらに削減することが
相変わらず命題となっている。特に、集積回路上に実装
不可能な回路素子を実装可能な回路素子に交換すること
が大きな目標となっている。
【0003】一般的な無線通信装置の主要部品はミキサ
回路であり、ミキサ回路は、大気中を移動して無線通信
装置に受信される無線周波数(RF)信号あるいはマイ
クロ波信号と無線通信装置によって処理される中間周波
数(IF)信号との間の周波数変換を可能にする。RF
信号からIF信号への変換処理は、所要のRF信号で搬
送された情報を他のRF信号で搬送され無線装置で受信
されるその他の全ての情報から分離するために極めて重
要である。従来のミキサ回路は、RF信号と局部発振器
回路が出力する局部発振器(LO)信号を乗算すること
によりRF信号をIF信号に変換する。この乗算処理に
よって、一般に、目的のIF信号を含む複数の信号が発
生するので、ミキサ回路は、通常、目的のIF信号だけ
を出力するように目的のIF信号以外の全ての信号を除
去する1つ以上のフィルタを備えている。
【0004】多くの無線通信装置内で採用されているミ
キサ回路の典型的な例はダブルバランスドミキサ(DB
M)である。図1の従来例に示すように、DBM10
は、RF入力ポート20、LO入力ポート22および電
源電圧ポート(Vref)24を備えている。RF入力ポー
ト20はアンテナ(図示せず)から2つのRF信号を受
け取る一方、LO入力ポート22は無線通信装置内部の
LO回路(図示せず)が発する2つのLO信号を受け取
る。2つのRF信号は、2つのLO信号と同様、互いに
反転している(すなわち、180度の位相差がある)。
一般に、アンテナとLO回路がそれぞれ出力する1つの
RF信号と1つのLO信号を互いに反転した一対のRF
信号と互いに反転した一対のLO信号とにそれぞれ変換
するため、バラン回路(図示せず)が採用されている。
DBM10は、RF入力ポート20とIF入力ポート2
2からそれぞれ供給されたRF信号とLO信号を効果的
に乗算することにより、一対の中間ポート26,28に
第1および第2の中間信号をそれぞれ発生させる。中間
ポート26,28の中間信号は、中間ポート26の第1
の中間信号のIF成分がハイ(high)状態のときは、中
間ポート28の第2の中間信号の成分がロー(low)で
あり、その逆もまた同様であるように、互いに反転した
IF成分を含んでいる。
【0005】以下、図1に基づいてDBM10の動作を
さらに説明する。DBM10は、中間ポート26,28
の2つの中間信号を処理してIF出力ポート40で出力
されるIF出力信号を引き出す出力段30を備えている
(あるいは、ミキサ回路次第では、出力段30に接続さ
れている)。図1に示すように、出力段30が第1のコ
イル34aと第2のコイル34bを有する変圧器32を
備えているとともに、第1のコイル34aと並列接続さ
れたコンデンサ36を備えていることは公知である。第
1のコイル34aとコンデンサ36の並列の組合せは2
つの中間ポート26,28の間に接続されている一方、
第2のコイル34bはアースとIF出力ポート40との
間に接続されている。第1のコイル34aの中間位置に
連結されたタップ38は、さらに電源電圧ポート(V+
39に接続されている。出力段30は中間ポート26,
28の第1および第2の中間信号のIF成分を合成もし
くは加算するように動作する。これにより、IF出力ポ
ート40に供給されたIF出力信号は、(変圧器32が
両コイル34a、34b間でほぼ1:1の変換比を有す
ると仮定して)中間ポート26,28の第1および第2
の中間信号のIF成分の約2倍の振幅を有する。例え
ば、中間ポート26の第1の中間信号のIF成分が最低
値である時、中間ポート28の第2の中間信号のIF成
分は最高値であって、IF出力ポート40のIF出力信
号は第1および第2の中間信号の各IF成分のピーク値
の2倍である。
【0006】中間ポート26,28の第1および第2の
中間信号からIF出力ポート40のIF出力信号を引き
出すことに加えて、出力段30はさらにいくつかの目的
を有している。第1に、出力段30は、電源電圧ポート
39からタップ38と第1のコイル34aを介してミキ
サ10の各中間ポート26,28に直流電力を供給す
る。直流電力は、ミキサ10にその動作のために適正な
バイアスをかけるとともにミキサの利得を求めるために
必要である。第2に、出力段30は、第1および第2の
中間ポート26,28とIF出力ポート40との間に所
要の交流インピーダンスを発生させる。交流インピーダ
ンスは、ミキサ10のミキシング動作によって生成され
た信号成分のうち目的のIF信号成分以外の他の信号成
分を除去することにより、目的のIF信号成分を他の信
号成分から分離する。第3に、出力段30の変圧器32
はミキサ10の残りの部分に対するIF出力ポート40
の緩衝になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図1に示す従来の出力
段30は第1および第2の中間信号を効果的にフィルタ
にかけてIF出力信号を生成するとともに、ミキサ10
への所要直流電力の供給と必要な緩衝を行うが、従来の
出力段の構成は集積回路上への実装の助けにはなってい
ない。特に、2個のコイル34a、34bを有する変圧
器32は、集積回路上に有効に実装させることができな
い。したがって、出力段30の少なくとも一部を集積回
路に接続される別々の回路素子から構成する必要がある
限り、従来のミキサ10は部分的にしか集積回路に統合
させることができない。その結果、従来のミキサ10の
サイズと価格は、出力段30全体が集積回路に実装可能
であったとしたらそうなる場合よりも大きくなってしま
う。
【0008】上述したように、無線通信装置の電子回路
系のサイズを削減することが総体的に望ましいとすれ
ば、さらには、特に、電子回路系のできる限り多くの部
分を集積回路上に実装することが望ましいとすれば、集
積回路上に完全実装可能な(もしくは、従来のミキサ1
0よりも少なくとも完全に近い実装可能性を有する)新
規のダブルバランスドミキサを構成できることが望まし
い。また、そのダブルバランスドミキサが集積回路上に
完全実装可能な(もしくは、従来の出力段30よりも完
全に近い実装可能性を有する)構成部品から構成された
新規の出力段を採用していれば特に望ましい。また、そ
の出力段が、その新規な構成にもかかわらず、従来のミ
キサの従来の出力段が行う上述の主要機能の全てを実行
することができればさらに望ましい。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、演算増幅器
と、インピーダンス素子と、一対の電流源装置を備え、
集積回路上に完全実装可能な新規の出力段を、従来のダ
ブルバランスドミキサ回路の従来の出力段と置換可能で
あることが分かった。この新規の出力段は、インピーダ
ンス素子によりダブルバランスドミキサの第1および第
2の中間信号から不要の信号成分を除去し、両中間信号
のIF成分を合成してIF出力信号を得る。さらに、一
対の電流源装置がミキサ回路の残りの部分に必要な直流
バイアスをかけ、演算増幅器がミキサ回路の残りの部分
に対するIF出力ポートの緩衝となる。
【0010】特に、本発明は、第1の中間ポートと第2
の中間ポートを有するダブルバランスドミキサの出力段
に関する。該出力段は、第1の入力ポート、第2の入力
ポートおよび中間周波出力ポートを有する演算増幅器
と、上記第1の入力ポートと上記第2の入力ポートとの
間に接続されたインピーダンスを備えている。上記出力
段は、さらに、相互に接続された上記第1の入力ポート
と上記第1の中間ポートの両方に接続された第1の端子
を有する第1の電流源装置と、相互に接続された上記第
2の入力ポートと上記第2の中間ポートの両方に接続さ
れた第2の端子を有する第2の電流源装置を備えてい
る。
【0011】さらに、本発明は、互いに反転した第1お
よび第2の無線周波数入力信号をそれぞれ受け取る第1
および第2のトランジスタと、上記第1のトランジスタ
に共に接続され、互いに反転した第1および第2の局部
発振器入力信号をそれぞれ受け取る第3および第4のト
ランジスタを備えたダブルバランスドミキサに関する。
該ダブルバランスドミキサは、共に上記第2のトランジ
スタに接続され上記第2および第1の局部発振器入力信
号をそれぞれ受け取る第5および第6のトランジスタを
さらに備えており、上記第3および第5のトランジスタ
は相互に接続されているとともに第1の中間ポートに接
続されており、上記第4および第6のトランジスタは相
互に接続されているとともに第2の中間ポートに接続さ
れている。さらに、上記ダブルバランスドミキサは、演
算増幅器と、該演算増幅器の第1の入力ポートと第2の
入力ポートの間に接続されたインピーダンスと、相互に
接続された上記第1の中間ポートと上記演算増幅器の第
1の入力ポートの両方に接続された第1の電流源装置
と、相互に接続された上記第2の中間ポートと上記演算
増幅器の第2の入力ポートの両方に接続された第2の電
流源装置とを備えた出力段も備えている。上記演算増幅
器は、無線周波数入力信号と局部発振器入力信号との間
の周波数の差に関連する中間周波数信号を出力する。
【0012】さらに、本発明は、無線周波数入力信号を
局部発振器入力信号と混合して互いに反転した中間周波
数成分を有する2つの中間信号を発生する混合手段を備
えたダブルバランスドミキサに関する。該ダブルバラン
スドミキサは、上記2つの中間信号を出力端子から供給
される1つの中間周波数出力信号に変換し、上記混合手
段にバイアスをかけ、上記2つの中間信号から不要な信
号成分を除去し、少なくとも1つの素子に対する上記出
力端子の緩衝となる手段をさらに備えている。
【0013】さらに、本発明は、無線周波数信号を中間
周波数信号に変換する方法に関する。この方法は出力段
を備えたダブルバランスドミキサを提供する工程を備
え、上記出力段は、演算増幅器と、インピーダンスと、
第1および第2の電流源装置を備えており、上記第1お
よび第2の電流源装置は、上記演算増幅器の第1および
第2の入力ポートにそれぞれ接続されているとともに上
記ダブルバランスドミキサの第1および第2の中間ポー
トにそれぞれ接続されている。上記演算増幅器の第1お
よび第2の入力ポートは、上記第1および第2の中間ポ
ートにもそれぞれ接続されている。この方法は、上記無
線周波数信号と局部発振器信号を上記ダブルバランスド
ミキサに供給する工程と、上記無線周波数信号と上記局
部発振器信号を混合して上記第1および第2の中間ポー
トで互いに反転した中間周波数成分を含んだ2つの中間
信号を得る工程をさらに備えている。さらに、上記の方
法は、上記2つの中間信号から目的の中間周波数範囲内
にない信号成分を除去する工程と、上記2つの中間信号
に応じて上記演算増幅器の中間周波出力ポートから上記
中間周波数信号を出力する工程も備えており、上記中間
周波出力ポートは上記演算増幅器により上記第1および
第2の中間ポートから緩衝されている。
【0014】
【発明の実施の形態】図2に、集積回路上に完全実装可
能な本発明にかかる新規のダブルバランスドミキサ70
を示す。このダブルバランスドミキサ70は、従来の出
力段30と置き換えられる後述の新規の出力段50を備
えていること以外は、図1に示す従来のミキサ10と同
様である。図2に示すように、ミキサ70は、無線周波
(以下、RFと称する)入力ポート20、局部発振器
(以下、LOと称する)入力ポート22および電源電圧
ポート(Vref)24に加えて、第1の中間ポート26と
第2の中間ポート28を備えている。また、ミキサ70
は第1の対のNPNバイポーラ接合トランジスタ12
a,12bを内蔵しており、それらのベースによってR
F入力ポート20が形成されている。すなわち、トラン
ジスタ12aは第1のRF入力信号を受け取る一方、ト
ランジスタ12bは第2のRF入力信号を受け取り、こ
れら2つのRF信号は互いに反転している。両トランジ
スタ12a,12bのエミッタはそれぞれ一対の同等の
抵抗器11a,11bを介してアースに接続されている
一方、両トランジスタのコレクタはそれぞれ第2の対の
NPNバイポーラ接合トランジスタ14a,14bのエ
ミッタに接続されている。これら第2の対のトランジス
タ14a,14bのベースは結合されて電源電圧ポート
24を形成している。
【0015】ミキサ70は、さらに4つのNPNバイポ
ーラ接合トランジスタ16a〜16dも備えており、こ
れらトランジスタのベースによってLO入力ポート22
が形成されている。これら4つのトランジスタ16a〜
16dは2対に構成されており、トランジスタ16aと
トランジスタ16bの両エミッタ同士およびトランジス
タ16cとトランジスタ16dの両エミッタ同士がそれ
ぞれ接続されている。トランジスタ16aとトランジス
タ16bの両エミッタはトランジスタ14aのコレクタ
にさらに接続されている一方、トランジスタ16cとト
ランジスタ16dの両エミッタはトランジスタ14bの
コレクタにさらに接続されている。トランジスタ16a
とトランジスタ16dの両ベースはLO入力ポート22
から第1のLO信号を入力する一方、トランジスタ16
bとトランジスタ16cの両ベースはLO入力ポート2
2から第2のLO信号を入力する。但し、第1のLO信
号と第2のLO信号は互いに反転している。トランジス
タ16a〜16dの全コレクタは交差状に接続されてお
り、具体的には、トランジスタ16aとトランジスタ1
6cの両コレクタが相互に接続されているとともに第1
の中間ポート26に接続されている一方、トランジスタ
16bとトランジスタ16dの両コレクタが相互に接続
されているとともに第2の中間ポート28に接続されて
いる。図示のように、ミキサ70はNPNバイポーラ接
合トランジスタのみを使用しているが、別の実施形態で
は、PNPバイポーラ接合トランジスタやMOSFET
等の別の種類のトランジスタ装置を代わりに使用するこ
とができる。上述のトランジスタ12〜16は全てが同
じ種類のトランジスタである必要はない。ミキサ70は
変形ギルバート型ミキサであるが、本発明はそれに加え
て別の種類のダブルバランスドミキサも一緒に使用する
ことができる。
【0016】ミキサ70は、RF入力ポート20のRF
信号とLO入力ポート22のLO信号を混合もしくは乗
算して第1および第2の中間ポート26,28に第1お
よび第2の中間信号をそれぞれ生成するよう動作する。
RF信号とLO信号が乗算されるのは、トランジスタ1
6a〜16dのベースに印加されたLO信号が時間とと
もに変化するにつれてこれらトランジスタがオンしたり
オフするからである。トランジスタ16a〜16dがオ
ン/オフ動作すると、トランジスタ16a〜16dのコ
レクタを流れる電流がRF信号とLO入力信号の周波数
を有する方形波との積を概算する。周波数領域では、こ
の結果得られた電流は目的のIF成分を含む様々な周波
数成分を含んでいる。目的の周波数成分以外の生成され
た周波数成分は、ミキサ70を適正に動作させるために
除去されなければならない。ミキサ70が中間ポート2
6,28で生成した第1および第2の中間信号は、それ
ぞれ、トランジスタ16aおよびトランジスタ16cの
両コレクタの電圧と、トランジスタ16bおよびトラン
ジスタ16dの両コレクタの電圧である。トランジスタ
12aとトランジスタ12bの両ベースに印加されたR
F信号は互いに反転しているので、第1および第2の中
間信号が互いに反転する。
【0017】図2に示すように、本発明では、ミキサ7
0が新規の出力段50を備えている。この出力段50
は、変圧器32を使用していない点で従来の出力段30
と異なっており、好ましくは、集積回路上に完全実装可
能な構成部品を使用する。特に、出力段50は、第1の
入力ポート62、第2の入力ポート64およびIF出力
ポート66を有する演算増幅器60に加え、第1および
第2の入力ポート62,64間に接続されたインピーダ
ンス(Z)58も備えている。さらに、出力段50は第
1の電流源装置(Ic1)52と第2の電流源装置(Ic2
54も備えている。第1の電流源装置52は、第1の入
力ポート62およびミキサ70の第1の中間ポート26
の両方と電源電圧ポート(V+)59との間に接続されて
いる。第2の電流源装置54は、第2の入力ポート64
およびミキサ70の第2の中間ポート28の両方と電源
電圧ポート(V+)59との間に接続されている。第1お
よび第2の電流源装置52,54は電源電圧ポート59
からミキサ70の第1および第2の中間ポート26,2
8にそれぞれ電流を駆動させるが、別の実施形態(例え
ば、ミキサ内部にPNPトランジスタを使用する実施形
態)では、中間ポートから(例えば、アースに向かっ
て)電流を追い出すことができる。
【0018】出力段50は、従来の出力段30が行う上
述した必要な機能の全てを実行する。第一に、出力段5
0は、第1および第2の中間ポート26,28に生じた
2つの中間信号のIF成分をIF出力ポート66で1つ
のIF出力信号に合成する。例えば、第1の中間ポート
26における第1の中間信号のIF成分がピーク点にあ
るとき、第2の中間ポート28における第2の中間信号
のIF成分は、両IF信号成分が互いに反転しているた
めに、谷底点にあり、したがって、演算増幅器60はI
F出力ポート66から正のピーク電流を出力する。反対
に、第1の中間信号のIF成分が谷底点にあるとき、第
2の中間信号のIF成分はピーク点にあって、演算増幅
器60はIF出力ポート66から負のピーク電流を出力
する。したがって、IF出力ポート66から演算増幅器
60が出力する電流は、中間ポート26,28における
中間信号のIF成分と同じ周波数で変化し、それによ
り、出力段50は2つの中間信号から1つのIF出力信
号を生成する。
【0019】さらに、出力段50は、演算増幅器60に
よって中間ポート26,28の中間信号をIF出力ポー
ト66から緩衝するとともに、中間信号から不要な信号
成分、すなわち、IF信号成分以外の信号成分を除去す
る。この信号成分除去はインピーダンス58の動作の結
果発生する。一実施形態では、インピーダンス58は、
中間周波数(例えば、10.7MHz)に同調され好ま
しくはQ値が高い従来のLC共振器を構成するコンデン
サ(図示せず)と並列接続されたインダクタである。そ
のようなLC共振器をインピーダンス58として使用す
れば、インピーダンスは中間信号のIF成分用の開回路
になると思われる。それと同時に、中間周波数以外の周
波数の信号成分がインピーダンスによって消散する。イ
ンピーダンス58は、本実施形態ではLC共振器である
が、他の素子から構成されていてもよい。LC共振器の
代わりに、他の様々なタイプの従来のフィルタ回路(例
えば、1つ以上の抵抗器とコンデンサを備えた高域フィ
ルタ回路等)を使用することも可能である。インピーダ
ンス58の個別の構成は、中間ポート26,28から出
力される他の中間信号成分と目的のIF信号との周波数
の比較に依る。例えば、目的のIF信号の周波数が他の
全ての大きな信号成分の周波数よりも低い場合、インピ
ーダンス58は高域フィルタとすることができる。
【0020】さらに、出力段50の電流源装置52,5
4は、ミキサ70の残りの部分に電力を供給する。すな
わち、電流源装置52,54は、中間ポート26,28
に、したがって、トランジスタ16a〜16dのコレク
タに直流電流を駆動させる。電流源装置52,54によ
って駆動される電流は互いに等しいので、ダブルバラン
スドミキサ70の両側には適正な直流バイアスがかけら
れる。ミキサ70に適正なバイアスをかけることに加え
て、電流源装置52,54は、トランジスタ16a〜1
6dに所望の利得を発生させる適正な交流インピーダン
スを生成する。各電流源装置52,54は、従来のよう
にして、例えば、一対の抵抗器(図示せず)を用いてバ
イアスがかけられたトランジスタから構成することがで
きる。
【0021】以上に述べたように、本実施形態のミキサ
70の出力段50は従来の出力段30が行う必要な機能
の全てを実行することができる。しかしながら、この出
力段50は、変圧器32を備えず、したがって、多数の
実施形態において集積回路上に完全実装可能であるとい
う点において、従来の出力段30に比較して有利であ
る。出力段50の一部の実施形態はインピーダンス58
の一部として1個の個別のインダクタを備えている(例
えば、そのさらに一部の実施形態では、インピーダンス
は上述のLC共振器である)が、そのような実施形態は
それでも変圧器32を有する従来の出力段30よりも少
ないスペースで済む。集積回路上に回路系を実装するこ
とによるスペースとコストの削減により、出力段50を
有するミキサ70は従来の出力段30を有するミキサ1
0よりも小型で安価になる。
【0022】当業者にとって、本発明の精神と範囲から
逸脱することなく様々な変形を行い得ることは明らかで
ある。例えば、出力段50は、図2に示すダブルバラン
スドミキサ回路以外のタイプのダブルバランスドミキサ
回路とともに使用することも可能である。また、出力段
50自体の構造も、例えば、図2とは逆方向に電流を駆
動させる電流源装置を使用することによって、別のタイ
プのダブルバランスドミキサ回路に適するように、そし
て、他の所望のインピーダンス特性をもたらすように変
形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の出力段を備え、無線通信装置内で使用可
能な従来のミキサを示す回路図。
【図2】本発明の一実施形態にかかる出力段を有する新
規なダブルバランスドミキサを示す回路図。
【符号の説明】
11a,11b 抵抗器 12a,12b 第1の対のNPNバイポーラ接合ト
ランジスタ 14a,14b 第2の対のNPNバイポーラ接合ト
ランジスタ 16a〜16d NPNバイポーラ接合トランジスタ 20 無線周波(RF)入力ポート 22 局部発振器(LO)入力ポート 24 電源電圧ポート(Vref) 26 第1の中間ポート 28 第2の中間ポート 50 出力段 52 第1の電流源装置(Ic1) 54 第2の電流源装置(Ic2) 58 インピーダンス(Z) 59 電源電圧ポート(V+) 60 演算増幅器 62 第1の入力ポート 64 第2の入力ポート 66 中間周波(IF)出力ポート 70 ダブルバランスドミキサ(DBM)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の中間ポートと第2の中間ポートを
    有するダブルバランスドミキサの出力段であって、 第1の入力ポート、第2の入力ポートおよび中間周波出
    力ポートを有する演算増幅器と、 上記第1の入力ポートと上記第2の入力ポートとの間に
    接続されたインピーダンスと、 相互に接続された上記第1の入力ポートと上記第1の中
    間ポートの両方に接続された第1の端子を有する第1の
    電流源装置と、 相互に接続された上記第2の入力ポートと上記第2の中
    間ポートの両方に接続された第2の端子を有する第2の
    電流源装置とを有する出力段を備えたミキサ回路。
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