JP3234838B2 - 2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸の製造方法 - Google Patents
2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,4,5−トリフル
オロ−3−ヒドロキシ安息香酸の新規な製造方法に関す
るものである。本発明によって提供される2,4,5−
トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸は高分子材料、
農薬、医薬、特にキノロンカルボン酸系抗菌剤における
原料として有用なものである。
オロ−3−ヒドロキシ安息香酸の新規な製造方法に関す
るものである。本発明によって提供される2,4,5−
トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸は高分子材料、
農薬、医薬、特にキノロンカルボン酸系抗菌剤における
原料として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロ
キシ安息香酸を製造する方法は、特開昭63−2644
0号、特開昭63−264439号、特開平1−268
662号、特開平3−127755号などに開示されて
いる。
キシ安息香酸を製造する方法は、特開昭63−2644
0号、特開昭63−264439号、特開平1−268
662号、特開平3−127755号などに開示されて
いる。
【0003】これらはいずれも3,4,5,6−テトラ
フルオロフタル酸をヒドロキシル化して、3,5,6−
トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を得、次いで脱
炭酸して2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安
息香酸を製造する方法である。
フルオロフタル酸をヒドロキシル化して、3,5,6−
トリフルオロ−4−ヒドロキシフタル酸を得、次いで脱
炭酸して2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安
息香酸を製造する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の合成ルートにお
いては、出発原料として3,4,5,6−テトラフルオ
ロフタル酸を用いてなるものであるが、本発明は出発原
料として3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリ
ル誘導体を用いて更に安価に容易に2,4,5−トリフ
ルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸を製造するための新規
な方法を提供することを目的とする。
いては、出発原料として3,4,5,6−テトラフルオ
ロフタル酸を用いてなるものであるが、本発明は出発原
料として3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリ
ル誘導体を用いて更に安価に容易に2,4,5−トリフ
ルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸を製造するための新規
な方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、原料とし
て、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルを
ヒドロキシル化して得られる3,5,6−トリフルオロ
−4−ヒドロキシフタロニトリルの加水分解及び脱炭酸
反応による2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ
安息香酸の製造方法について検討した結果、3,4,
5,6−テトラフルオロフタロニトリルをヒドロキシル
化する際に異性体である3−ヒドロキシ体が多く生成し
原料である3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシ
フタロニトリルを純度良く得ることができず、結局目的
物である2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安
息香酸を高収率で純度良く得ることができないという問
題点を有していることを知見した。
て、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルを
ヒドロキシル化して得られる3,5,6−トリフルオロ
−4−ヒドロキシフタロニトリルの加水分解及び脱炭酸
反応による2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ
安息香酸の製造方法について検討した結果、3,4,
5,6−テトラフルオロフタロニトリルをヒドロキシル
化する際に異性体である3−ヒドロキシ体が多く生成し
原料である3,5,6−トリフルオロ−4−ヒドロキシ
フタロニトリルを純度良く得ることができず、結局目的
物である2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安
息香酸を高収率で純度良く得ることができないという問
題点を有していることを知見した。
【0006】本発明者らは、さらに種々検討を加えた結
果、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルを
アルコキシ化すると3,5,6−トリフルオロ−4−ア
ルコキシフタロニトリルを選択的に得ることができ、し
かもこの化合物を出発原料として使用すれば、脱炭酸反
応、脱アルキル化反応、加水分解反応における各種中間
体を単離することなく、一段で2,4,5−トリフルオ
ロ−3−ヒドロキシ安息香酸を高収率かつ純度良く製造
できるという知見を得た。本発明はこのような知見に基
づき完成されたものである。
果、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルを
アルコキシ化すると3,5,6−トリフルオロ−4−ア
ルコキシフタロニトリルを選択的に得ることができ、し
かもこの化合物を出発原料として使用すれば、脱炭酸反
応、脱アルキル化反応、加水分解反応における各種中間
体を単離することなく、一段で2,4,5−トリフルオ
ロ−3−ヒドロキシ安息香酸を高収率かつ純度良く製造
できるという知見を得た。本発明はこのような知見に基
づき完成されたものである。
【0007】すなわち、本発明は3,5,6−トリフル
オロ−4−アルコキシフタロニトリルを硫酸水溶液中で
加熱することを特徴とする2,4,5−トリフルオロ−
3−ヒドロキシ安息香酸の製造方法である。
オロ−4−アルコキシフタロニトリルを硫酸水溶液中で
加熱することを特徴とする2,4,5−トリフルオロ−
3−ヒドロキシ安息香酸の製造方法である。
【0008】
【発明の具体的説明】本発明において原料として用いら
れる3,5,6−トリフルオロ−4−アルコキシフタロ
ニトリルは3,4,5,6−テトラフルオロフタロニト
リルから合成できる(有機合成化学会誌、第29巻第8
号(1971年)第792〜795頁、参照)。例え
ば、3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタロニ
トリルは低温下3,4,5,6−テトラフルオロフタロ
ニトリルを溶解したメタノ−ル溶液に水酸化カリウムを
溶解したメタノ−ル溶液を滴下することによって合成で
きる。また、水酸化カリウムの代わりに例えばトリエチ
ルアミン,フッ化カリウムのような塩基を用いても合成
できる。あるいは、メタノ−ルの代わりに例えばアセト
ニトリル、DMF、ニトロメタンを用いても合成でき
る。
れる3,5,6−トリフルオロ−4−アルコキシフタロ
ニトリルは3,4,5,6−テトラフルオロフタロニト
リルから合成できる(有機合成化学会誌、第29巻第8
号(1971年)第792〜795頁、参照)。例え
ば、3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタロニ
トリルは低温下3,4,5,6−テトラフルオロフタロ
ニトリルを溶解したメタノ−ル溶液に水酸化カリウムを
溶解したメタノ−ル溶液を滴下することによって合成で
きる。また、水酸化カリウムの代わりに例えばトリエチ
ルアミン,フッ化カリウムのような塩基を用いても合成
できる。あるいは、メタノ−ルの代わりに例えばアセト
ニトリル、DMF、ニトロメタンを用いても合成でき
る。
【0009】本発明の出発原料である3,5,6−トリ
フルオロ−4−アルコキシフタロニトリルとしては、
3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタロニトリ
ル、3,5,6−トリフルオロ−4−エトキシフタロニ
トリル、3,5,6−トリフルオロ−4−プロポキシフ
タロニトリル、3,5,6−トリフルオロ−4−ブトキ
シフタロニトリル等の低級アルコキシ基を有するフタロ
ニトリルが挙げられる。反応の簡便さ、目的物の収率の
観点からすれば、3,5,6−トリフルオロ−4−メト
キシフタロニトリルの使用が好ましい。
フルオロ−4−アルコキシフタロニトリルとしては、
3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタロニトリ
ル、3,5,6−トリフルオロ−4−エトキシフタロニ
トリル、3,5,6−トリフルオロ−4−プロポキシフ
タロニトリル、3,5,6−トリフルオロ−4−ブトキ
シフタロニトリル等の低級アルコキシ基を有するフタロ
ニトリルが挙げられる。反応の簡便さ、目的物の収率の
観点からすれば、3,5,6−トリフルオロ−4−メト
キシフタロニトリルの使用が好ましい。
【0010】本発明は硫酸水溶液中で3,5,6−トリ
フルオロ−4−アルコキシフタロニトリルの加水分解、
脱炭酸、脱アルキル化反応を一行程いわゆるワンポット
で行い、2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安
息香酸を製造する方法である。これによって生産工程が
簡略化できるので生産コストを安価にできる。
フルオロ−4−アルコキシフタロニトリルの加水分解、
脱炭酸、脱アルキル化反応を一行程いわゆるワンポット
で行い、2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安
息香酸を製造する方法である。これによって生産工程が
簡略化できるので生産コストを安価にできる。
【0011】本発明は、硫酸水溶液中で加熱させるが、
その際の硫酸濃度としては40〜80重量%の範囲、好
ましくは50〜70重量%の範囲で行うのが良い。硫酸
濃度が低すぎると特に脱アルキル化反応の反応速度が低
下するので好ましくない。硫酸濃度が高すぎると高沸点
化合物などが副生して2,4,5−トリフルオロ−3−
ヒドロキシ安息酸の純度が悪くなるので好ましくない。
その際の硫酸濃度としては40〜80重量%の範囲、好
ましくは50〜70重量%の範囲で行うのが良い。硫酸
濃度が低すぎると特に脱アルキル化反応の反応速度が低
下するので好ましくない。硫酸濃度が高すぎると高沸点
化合物などが副生して2,4,5−トリフルオロ−3−
ヒドロキシ安息酸の純度が悪くなるので好ましくない。
【0012】本発明においては反応温度は120〜17
0℃の範囲で行うのが好ましく、特に好ましくは130
〜150℃の範囲で行うのが良い。反応温度が高すぎる
と高沸点化合物等が副生して純度を落とし、また低すぎ
ると反応速度が低下するので好ましくない。本発明では
反応時間は5〜40時間の範囲で行うのが望ましい。硫
酸水溶液中での3,5,6−トリフルオロ−4−アルコ
キシフタロニトリルの濃度は生産性の観点より10〜5
0重量%の範囲が望ましい。
0℃の範囲で行うのが好ましく、特に好ましくは130
〜150℃の範囲で行うのが良い。反応温度が高すぎる
と高沸点化合物等が副生して純度を落とし、また低すぎ
ると反応速度が低下するので好ましくない。本発明では
反応時間は5〜40時間の範囲で行うのが望ましい。硫
酸水溶液中での3,5,6−トリフルオロ−4−アルコ
キシフタロニトリルの濃度は生産性の観点より10〜5
0重量%の範囲が望ましい。
【0013】本発明では反応途中で生成するアルコール
を系外に抜きながら反応することによってさらに収率良
く製造できる。その方法としては、常圧下あるいは減圧
下にて連続的に抜いても良いし不連続に抜いても良い。
連続的に抜き出す場合、反応終了時点までに抜き出すア
ルコールの量は3,5,6−トリフルオロ−4−アルコ
キシフロニトリルから2,4,5−トリフルオロ−3−
ヒドロキシ安息香酸への転化率100%の場合のアルコ
ールの理論生成量の30%以上でありこれを5〜40時
内に連続的に留出させるのが良い。その際に通常水も一
緒に留出させることもでき、これら留出した水の相当分
は硫酸濃度を保つために必要に応じて反応系に追加する
のが良い。また、不連続に抜き出す場合3,5,6−ト
リフルオロ−4−アルコキシフタロニトリルから2,
4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸への転
化率が100%の場合のアルコールの理論生成量の30
%以上に相当するアルコールの量を15〜40時間の間
に1〜数回反応途中で留出させ、引き続いて5〜20時
間反応するのが良い。その際、連続の場合と同様にアル
コールを留出させる際に水も一緒に留出させることがで
き、この時に留出した水の相当分は硫酸濃度を保つため
に必要に応じて反応系に追加するのが好ましい。
を系外に抜きながら反応することによってさらに収率良
く製造できる。その方法としては、常圧下あるいは減圧
下にて連続的に抜いても良いし不連続に抜いても良い。
連続的に抜き出す場合、反応終了時点までに抜き出すア
ルコールの量は3,5,6−トリフルオロ−4−アルコ
キシフロニトリルから2,4,5−トリフルオロ−3−
ヒドロキシ安息香酸への転化率100%の場合のアルコ
ールの理論生成量の30%以上でありこれを5〜40時
内に連続的に留出させるのが良い。その際に通常水も一
緒に留出させることもでき、これら留出した水の相当分
は硫酸濃度を保つために必要に応じて反応系に追加する
のが良い。また、不連続に抜き出す場合3,5,6−ト
リフルオロ−4−アルコキシフタロニトリルから2,
4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸への転
化率が100%の場合のアルコールの理論生成量の30
%以上に相当するアルコールの量を15〜40時間の間
に1〜数回反応途中で留出させ、引き続いて5〜20時
間反応するのが良い。その際、連続の場合と同様にアル
コールを留出させる際に水も一緒に留出させることがで
き、この時に留出した水の相当分は硫酸濃度を保つため
に必要に応じて反応系に追加するのが好ましい。
【0014】本発明においては脱アルキル化の反応が同
時に起こっているが本発明ではこれを促進するために通
常用いられる脱アルキル化剤を加えることができる。例
えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロ
酢酸等のルイス酸を挙げることができる。このようにし
て得られた反応物を冷却後、ろ過、場合によっては希釈
して抽出、また蒸発乾固等の方法により目的物を単離す
ることができる。
時に起こっているが本発明ではこれを促進するために通
常用いられる脱アルキル化剤を加えることができる。例
えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロ
酢酸等のルイス酸を挙げることができる。このようにし
て得られた反応物を冷却後、ろ過、場合によっては希釈
して抽出、また蒸発乾固等の方法により目的物を単離す
ることができる。
【0015】以下、本発明の製造方法について実施例に
より具体的に説明する。
より具体的に説明する。
【0016】
【実施例】実施例1 100mlの4ツ口フラスコに3,5,6−トリフルオ
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と70重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
40℃に30時間保った。冷却した後、水50gにあけ
酢酸エチルで抽出し水で洗浄後,乾燥、蒸発乾固し淡褐
色の2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香
酸4.1g(対3,5,6−トリフルオロ−4−メトキ
シフタロニトリル収率90%)を得た(GC−MASS
によりm/e192(M+)、純度90%)。
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と70重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
40℃に30時間保った。冷却した後、水50gにあけ
酢酸エチルで抽出し水で洗浄後,乾燥、蒸発乾固し淡褐
色の2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香
酸4.1g(対3,5,6−トリフルオロ−4−メトキ
シフタロニトリル収率90%)を得た(GC−MASS
によりm/e192(M+)、純度90%)。
【0017】実施例2 100mlの4ツ口フラスコに3,5,6−トリフルオ
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と55重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
30℃に40時間保った。冷却した後、水50gにあけ
酢酸エチルで抽出し水で洗浄後、乾燥、蒸発乾固し淡褐
色の2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香
酸4.1g(対3,5,6−トリフルオロ−4−メトキ
シフタロニトリル収率90%を得た(GC−MASSに
よりm/e192(M+)、純度89%)。
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と55重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
30℃に40時間保った。冷却した後、水50gにあけ
酢酸エチルで抽出し水で洗浄後、乾燥、蒸発乾固し淡褐
色の2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香
酸4.1g(対3,5,6−トリフルオロ−4−メトキ
シフタロニトリル収率90%を得た(GC−MASSに
よりm/e192(M+)、純度89%)。
【0018】実施例3 100mlの4ツ口フラスコに3,5,6−トリフルオ
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と60重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
40℃に30時間保った。冷却した後、水50gにあけ
酢酸エチルで抽出し水で洗浄後、乾燥、蒸発乾固し淡褐
色の2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香
酸4.1g(対3,5,6−トリフルオロ−4−メトキ
シフタロニトリル収率91%を得た(GC−MASSに
よりm/e192(M+)、純度91%)。
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と60重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
40℃に30時間保った。冷却した後、水50gにあけ
酢酸エチルで抽出し水で洗浄後、乾燥、蒸発乾固し淡褐
色の2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香
酸4.1g(対3,5,6−トリフルオロ−4−メトキ
シフタロニトリル収率91%を得た(GC−MASSに
よりm/e192(M+)、純度91%)。
【0019】実施例4 100mlの4ツ口フラスコに3,5,6−トリフルオ
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と70重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
40℃に15時間保った。さらに反応器を減圧にして1
40℃に保ちメタノ−ルおよび水を約3ml抜きだし
た。この中のメタノ−ル0.6mlは理論生成量の60
%に相当する。次いで、水2.4mlを加えた後140
℃で15時間反応させた。冷却後、水50gにあけ酢酸
エチルで抽出し水で洗浄後、乾燥、蒸発乾固し淡褐色の
2,4,5−トリフルオロ−3ヒドロキシ安息香酸4.
5g(対3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタ
ロニトリル収率97%)を得た(GC−MASSにより
m/e192(M+)、純度98.5%)。
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と70重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
40℃に15時間保った。さらに反応器を減圧にして1
40℃に保ちメタノ−ルおよび水を約3ml抜きだし
た。この中のメタノ−ル0.6mlは理論生成量の60
%に相当する。次いで、水2.4mlを加えた後140
℃で15時間反応させた。冷却後、水50gにあけ酢酸
エチルで抽出し水で洗浄後、乾燥、蒸発乾固し淡褐色の
2,4,5−トリフルオロ−3ヒドロキシ安息香酸4.
5g(対3,5,6−トリフルオロ−4−メトキシフタ
ロニトリル収率97%)を得た(GC−MASSにより
m/e192(M+)、純度98.5%)。
【0020】実施例5 100mlの4ツ口フラスコに3,5,6−トリフルオ
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と60重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
40℃に保ち反応しながら常圧でメタノ−ルと共に水を
連続的に抜きだし、その後15時間で合計3ml抜きだ
した。抜きだしたメタノ−ル−水混合溶液の中でメタノ
−ルは0.7mlであった。これは理論的に生成するメ
タノ−ルの78%に相当する。そこに水2.3mlを加
えてさらに5時間140℃の保ち冷却後、ろ過しその結
晶を水10gにあけ酢酸エチルで抽出し水で洗浄後、乾
燥、蒸発乾固し淡褐色の2,4,5−トリフルオロ−3
−ヒドロキシ安息香酸4.4g(対3,5,6−トリフ
ルオロ−4−メトキシフタロニトリル収率96%)を得
た(GC−MASSによりm/e192(M+)、純度98
%)。
ロ−4−メトキシフタロニトリル5g(23.6ミリモ
ル)と60重量%硫酸水溶液25gを仕込み、攪拌下1
40℃に保ち反応しながら常圧でメタノ−ルと共に水を
連続的に抜きだし、その後15時間で合計3ml抜きだ
した。抜きだしたメタノ−ル−水混合溶液の中でメタノ
−ルは0.7mlであった。これは理論的に生成するメ
タノ−ルの78%に相当する。そこに水2.3mlを加
えてさらに5時間140℃の保ち冷却後、ろ過しその結
晶を水10gにあけ酢酸エチルで抽出し水で洗浄後、乾
燥、蒸発乾固し淡褐色の2,4,5−トリフルオロ−3
−ヒドロキシ安息香酸4.4g(対3,5,6−トリフ
ルオロ−4−メトキシフタロニトリル収率96%)を得
た(GC−MASSによりm/e192(M+)、純度98
%)。
【0021】
【発明の効果】本発明の3,5,6−トリフルオロ−4
−アルコキシフタロニトリルを硫酸水溶液中で加熱する
ことを特徴とする2,4,5−トリフルオロ−3−ヒド
ロキシ安息香酸の製造方法によれば、3,5,6−トリ
フルオロ−4−アルコキシフタロニトリルの加水分解、
脱炭酸、脱アルキル化反応を一行程いわゆるワンポット
で行うことができるので、生産工程が簡略化でき、生産
コストを安価にできるという効果を奏する。また、本発
明の方法によれば、2,4,5−トリフルオロ−3−ヒ
ドロキシ安息香酸を高純度かつ高収率で製造することが
できる。
−アルコキシフタロニトリルを硫酸水溶液中で加熱する
ことを特徴とする2,4,5−トリフルオロ−3−ヒド
ロキシ安息香酸の製造方法によれば、3,5,6−トリ
フルオロ−4−アルコキシフタロニトリルの加水分解、
脱炭酸、脱アルキル化反応を一行程いわゆるワンポット
で行うことができるので、生産工程が簡略化でき、生産
コストを安価にできるという効果を奏する。また、本発
明の方法によれば、2,4,5−トリフルオロ−3−ヒ
ドロキシ安息香酸を高純度かつ高収率で製造することが
できる。
【0022】また、反応途中で生成するアルコールを系
外に抜きながら反応することによってさらに収率良く製
造できる。
外に抜きながら反応することによってさらに収率良く製
造できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−6235(JP,A) 特開 昭63−264440(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/08 C07C 65/03
Claims (2)
- 【請求項1】 3,5,6−トリフルオロ−4−アルコ
キシフタロニトリルを硫酸水溶液中で加熱することを特
徴とする2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安
息香酸の製造方法。 - 【請求項2】 生成したアルコールを反応系外に抜きな
がら反応させる請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03973893A JP3234838B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | 2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03973893A JP3234838B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | 2,4,5−トリフルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06256258A JPH06256258A (ja) | 1994-09-13 |
JP3234838B2 true JP3234838B2 (ja) | 2001-12-04 |
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