JP2003137835A - (r)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸の製造方法 - Google Patents

(r)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸の製造方法

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JP2003137835A
JP2003137835A JP2001333291A JP2001333291A JP2003137835A JP 2003137835 A JP2003137835 A JP 2003137835A JP 2001333291 A JP2001333291 A JP 2001333291A JP 2001333291 A JP2001333291 A JP 2001333291A JP 2003137835 A JP2003137835 A JP 2003137835A
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hydroxy
phenylethyl
hexanoic acid
salt
phenyl
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JP2001333291A
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Masahide Tanaka
正英 田中
Kozo Matsui
浩三 松井
Nobushige Itaya
信重 板谷
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬品原料として有用な(R)−3−ヒドロ
キシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸を、ラセ
ミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキ
サン酸から、高い光学純度かつ比較的高い収率で、効率
的に製造できる製造方法を提供する。 【解決手段】 ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フ
ェニルエチル)ヘキサン酸を、(R)−N−パラヒドロ
キシベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルア
ミンを用いて光学分割することを特徴とする、(R)−
3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン
酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗HIV剤の有用
な合成中間体である(R)−3−ヒドロキシ−3−(2
−フェニルエチル)ヘキサン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年開発が進められている抗HIV剤と
して有用な、下記式
【0003】
【化1】
【0004】で表されるPNU−140690の有用な
合成中間体として、下記式
【0005】
【化2】
【0006】で表される3−ヒドロキシ−3−(2−フ
ェニルエチル)ヘキサン酸が知られている。この3−ヒ
ドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸は不
斉炭素を1個有し、(R)体および(S)体が存在し、
通常の方法で合成したものはラセミ体(ラセミ−3−ヒ
ドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸)で
ある。そのうち下記式
【0007】
【化3】
【0008】で表される(R)体((R)−3−ヒドロ
キシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸)が、上
記合成中間体として好適に使用される。
【0009】上記ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−
フェニルエチル)ヘキサン酸より(R)−3−ヒドロキ
シ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸を光学分割
する方法としては、従来、(−)−ノルエフェドリン
((1S,2S)−ノルエフェドリン)を用いる方法が
報告されている(J. Org. Chem., Vol.63, No.21, 199
8, 7348-7356)。しかしながらこの方法では、98%
e.e.以上の光学純度の(R)−3−ヒドロキシ−3
−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸を得るためには、
たとえば92%e.e.で得られた(−)−ノルエフェ
ドリンとの塩を2回再結晶することが必要であり、工業
的に非効率である。また上記報告の中では、フェニルグ
リシノール、エフェドリン、スパルテイン、α−メチル
ベンジルアミンといった一般的に用いられるアミンを用
いても、効果的な光学分割ができなかったことが記載さ
れており、高い光学純度の(R)−3−ヒドロキシ−3
−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸を、比較的高い収
率で効率的に得ることのできる方法が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたものであり、その目的とすると
ころは、医薬品原料として有用な(R)−3−ヒドロキ
シ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸を、ラセミ
−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサ
ン酸から、高い光学純度かつ比較的高い収率で、効率的
に製造できる製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、下記式
【0012】
【化4】
【0013】で表される(R)−N−パラヒドロキシベ
ンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミンを
使用することで、ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−
フェニルエチル)ヘキサン酸より、高い光学純度の
(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸を、従来よりも格段に効率的に、比較的高い
収率にて製造できることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
【0014】(1)ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2
−フェニルエチル)ヘキサン酸を、(R)−N−パラヒ
ドロキシベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチ
ルアミンを用いて光学分割することを特徴とする、
(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸の製造方法。 (2)(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエ
チル)ヘキサン酸と、(R)−N−パラヒドロキシベン
ジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミンとの
塩を、酢酸エチル、メタノール、2−プロパノール、エ
タノール、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、
アセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルエーテ
ル、ジメトキシエタンおよびテトラヒドロフランから選
ばれる1種または2種以上の溶媒(当該溶媒は、さらに
水を含んでいてもよい。)中で結晶化させることを特徴
とする、上記(1)に記載の方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明の製造方法は、ラセミ−3−ヒドロキシ−3−
(2−フェニルエチル)ヘキサン酸(以下、「当該ラセ
ミ−カルボン酸」ということがある。)から(R)−3
−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸
(以下、「当該(R)−カルボン酸」ということがあ
る。)を光学分割するのに、光学活性を有する、下記式
【0016】
【化5】
【0017】で表される(R)−N−パラヒドロキシベ
ンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン
(以下、「当該光学活性アミン」ということがある。)
を使用することを特徴とする。
【0018】このような本発明の製造方法によれば、上
記の当該光学活性アミンを使用することで、90%e.
e.以上(好ましくは93%e.e.以上、より好まし
くは98%e.e.以上)の光学純度の当該(R)−カ
ルボン酸の塩を30%以上(好ましくは40%以上)の
収率で得ることができる。このように、本発明の製造方
法では、従来の(−)−ノルエフェドリンを用いた
(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸の光学分割と比較して、同程度の光学純度を
有する(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエ
チル)ヘキサン酸の塩を、約1.3倍以上の収率で得る
ことができる。また後述するように、1回の再結晶を行
うだけで、99%e.e.以上の従来と比較して格段に
高い光学純度の当該(R)−カルボン酸の塩を70%以
上、好ましくは80%以上という比較的高い収率で得る
ことができる。このような本発明の製造方法によれば、
当該(R)−カルボン酸の製造において、従来と比較し
て、工業的な効率性が格段に向上される。
【0019】本発明の製造方法は、具体的には、当該ラ
セミ−カルボン酸と当該光学活性アミンとを溶媒中で混
合し結晶化(晶析)させることによって、当該(R)−
カルボン酸と当該光学活性アミンとの塩を得る。
【0020】当該ラセミ−カルボン酸と当該光学活性ア
ミンとは、より高い収率と光学純度を経済的に得るとい
った観点から、1:0.5〜1:1.4(モル比)とな
るように混合させるのが好ましく、1:0.6〜1:
0.8(モル比)となるように混合させるのがより好ま
しい。当該光学活性アミンの使用量が、当該ラセミ−カ
ルボン酸1モルに対して0.5モル未満であると、光学
純度は向上する傾向にあるが、収率が低下する傾向にあ
るため好ましくない。また当該光学活性アミンの使用量
が、当該ラセミ−カルボン酸1モルに対して1.4モル
を超えると、塩の濾過性が悪化する傾向にあることに加
え、収率、光学純度の面では特に変化がなく、経済的に
無駄な傾向にあるため好ましくない。
【0021】上記の当該ラセミ−カルボン酸と当該光学
活性アミンとの混合の際に使用される溶媒としては、例
えば酢酸エチル、メタノール、2−プロパノール、エタ
ノール、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、ア
セトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルエーテ
ル、ジメトキシエタンおよびテトラヒドロフランから選
ばれる1種または2種以上の溶媒が挙げられる。これら
溶媒は、水をさらに含有していてもよい。塩の収率、光
学純度、および安全性の観点からは、上記中でも特に、
酢酸エチル、メタノールおよび2−プロパノールから選
ばれる1種または2種以上の溶媒、あるいはこれらにさ
らに水を加えたものを使用するのが好ましい。上記溶媒
の使用量に特に制限はないが、より高い収率、より高い
光学純度で塩を得るためには、上記当該ラセミ−カルボ
ン酸1kgに対して5L〜15Lであるのが好ましく、
8L〜11Lであるのがより好ましい。溶媒の使用量が
上記当該ラセミ−カルボン酸1kgに対して5L未満で
あると、塩の生成時に加熱しても生じた塩を溶解させる
ことができず、光学純度が低下する傾向にあるため好ま
しくない。また溶媒の使用量が上記当該ラセミ−カルボ
ン酸1kgに対して15Lを超えると、塩の溶媒への溶
解量が増加し、収率が低下する傾向にあるため好ましく
ない。上記溶媒が混合溶媒である場合(水との混合物で
ある場合も含む)、従来公知の通常の任意の割合で混合
すればよい。
【0022】上述の当該ラセミ−カルボン酸と当該光学
活性アミンとの混合は、通常、溶媒に当該ラセミ−カル
ボン酸を予め溶解させた溶液に、当該光学活性アミンを
添加することによって行う。この添加後に溶液を攪拌す
ると塩が析出するので、通常、50℃〜100℃に昇温
攪拌して、塩を溶解させる。この昇温攪拌によっても塩
の溶解が不充分である場合には、塩が溶解するまでさら
に溶媒を加えてもよい。ここでさらに加える溶媒として
は、上述した溶媒と同様のものを使用すればよい。
【0023】当該(R)−カルボン酸と当該光学活性ア
ミンとの塩の結晶化は、たとえば、上記昇温攪拌の後、
塩が晶析するまで冷却して攪拌することにより行う。そ
の後、徐々に冷却していき、一定の温度(たとえば、2
5℃)でさらに攪拌した後、濾過して溶媒で洗浄して攪
拌することで、上述のごとき収率にて高い光学純度の当
該(R)−カルボン酸のアミン塩を得ることができる。
【0024】塩が充分析出するまで徐々に冷却して攪拌
する際、晶析温度は、通常、50℃以下、好ましくは0
℃〜30℃であり、攪拌時間は、通常、0.5時間〜2
0時間である。
【0025】濾過後洗浄に使用する溶媒としては、晶析
に用いた溶媒組成の溶媒が好ましい。なお、洗浄に使用
する溶媒の量は、特に限定されず、濾過物が充分洗浄で
きる程度であればよい。
【0026】また、本発明の製造方法は、室温(20
℃)〜50℃で当該光学活性アミンの溶液を当該ラセミ
−カルボン酸の溶液に徐々に加えることで塩析出を徐々
に行い、次いで徐冷することで実現されてもよい。この
ような方法を採ると、上記の方法と比較して、塩を一度
完全に溶かす必要がないため、使用する溶媒の量を削減
できるというような利点がある。
【0027】上記光学分割後に再結晶することによっ
て、さらに高い光学純度で当該(R)−カルボン酸のア
ミン塩を得ることができる。具体的には、上記光学分割
により得られた当該(R)−カルボン酸の塩を溶媒に混
合し、塩を溶解した後、徐々に冷却し、適当な温度で種
晶を加え、その後、徐々に冷却していき、一定の温度で
更に攪拌した後、濾過して溶媒で洗浄して乾燥すること
により、上記光学分割のみを行う場合よりもさらに高い
光学純度の上記当該(R)−カルボン酸のアミン塩を、
格段に高い収率にて得ることができる。本発明の製造方
法によれば、光学分割後に1回の再結晶を行うだけで、
格段に高い光学純度(99%e.e.以上、好ましくは
99.5%e.e.以上)の当該(R)−カルボン酸の
アミン塩を、比較的高い収率(70%以上、好ましくは
80%以上)で得ることができ、従来の(−)−ノルエ
フェドリンを用いた光学分割と比較して、工業的な効率
性が格段に向上される。
【0028】再結晶に際して、当該(R)−カルボン酸
の溶解に用いる溶媒としては、上記光学分割において当
該ラセミ−カルボン酸を溶解したのと同様のものを使用
でき、好ましい溶媒についても同様である。これらの溶
媒の本反応における使用量は、特に制限はないが、高い
収率および高い光学純度を得ることができる点から、当
該(R)−カルボン酸の塩1kgに対して8L〜25L
であるのが好ましく、12L〜25Lであるのがより好
ましい。上記溶媒の使用量が当該(R)−カルボン酸の
塩1kgに対して8L未満であると、塩が溶けにくくな
り、高い光学純度を得ることが困難になる、冷却時の攪
拌が困難になる傾向にあるため好ましくない。また上記
溶媒の使用量が当該(R)−カルボン酸の塩1kgに対
して25Lを超えると、溶解する塩の量が多くなり、収
率の低下を招く傾向にあるため好ましくない。
【0029】上記溶媒に当該(R)−カルボン酸の塩を
混合後、通常50℃〜100℃の温度範囲に昇温し、塩
を溶解させる。
【0030】当該(R)−カルボン酸の塩の溶解後、こ
の溶液を徐々に冷却し、適度な温度(たとえば、40℃
〜60℃)で種晶を加えて攪拌する。この攪拌の時間
は、通常、10分間〜5時間程度である。さらに、60
分間〜24時間かけて、通常、0℃〜40℃、好ましく
は0℃〜30℃まで徐々に冷却する。
【0031】その後、一定の温度(たとえば、20℃)
で更に攪拌し、濾過した後に溶媒で洗浄して乾燥する。
濾過洗浄に使用する溶媒としては、晶析に用いたのと同
様のものを用いるのが望ましい。
【0032】得られた当該(R)−カルボン酸のアミン
塩は、常法により、当該(R)−カルボン酸と、当該光
学活性アミンとに分解することができる。例えば、当該
(R)−カルボン酸のアミン塩を、有機溶媒(たとえ
ば、酢酸エチル)中で、たとえば苛性アルカリ水溶液、
炭酸アルカリ水溶液または重曹水にて分解し、さらに、
たとえば塩酸、硫酸などの無機酸を用いて水層を酸性と
して有機溶媒で抽出することにより当該(R)−カルボ
ン酸を得ることができる。この場合、当該光学活性アミ
ンは、有機溶媒層から得ることができる。また、当該
(R)−カルボン酸のアミン塩を、有機溶媒(たとえ
ば、トルエン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、
あるいはこれらとヘプタンとの混合溶媒)中、酸(たと
えば、塩酸、硫酸などの無機酸など)で分解し、当該有
機溶媒で抽出することにより、当該(R)−カルボン酸
を得てもよい。この場合、当該光学活性アミンは、上記
アミン塩の分解に使用した酸の塩として得ることができ
る。
【0033】上記のようにして、本発明の製造方法にて
得られた(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニル
エチル)ヘキサン酸は、抗HIV剤PNU−14069
0の合成中間体として、非常に有用であると考えられ
る。(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチ
ル)ヘキサン酸からPNU−140690への誘導は、
たとえば上記文献(J. Org. Chem., Vol.63, No.21, 19
98, 7348-7356)に記載のように行えばよい。
【0034】なお本発明の当該(R)−カルボン酸の製
造方法において原料となる当該ラセミ−カルボン酸は、
公知の化合物であり、従来公知の種々の方法によって得
られたものを好適に使用することができるが、本発明者
らが提案する以下の新規な方法によって得られたもので
あるのが好ましい。すなわち、まず非プロトン性有機
溶媒中、クロロトリメチルシランおよび銅化合物により
亜鉛を活性化させることで、本発明者らが新規に見出し
た活性化亜鉛を得、当該活性化亜鉛を使用して、ブロ
モ酢酸エチルと、1−フェニル−3−ヘキサノンとをレ
フォルマッキー反応させることによって、ラセミ−3−
ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸エ
チルを得、このラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−
フェニルエチル)ヘキサン酸エチルを苛性アルカリもし
くはその水溶液にて加水分解し、その後酸処理を行う、
というようにして、ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2
−フェニルエチル)ヘキサン酸を製造する。以下、上記
〜の各工程について簡単に説明する。
【0035】まずの工程では、非プロトン性有機溶媒
(たとえば、テトラヒドロフラン(THF)、トルエ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ベンゼン、キシレ
ンなど)に懸濁した亜鉛にクロロトリメチルシランを加
えた後、混合液に銅化合物(たとえば、塩化銅、臭化
銅、沃化銅、酢酸銅、アセチルアセトナート銅(II)
など)を加える、あるいは亜鉛と上記銅化合物を上記非
プロトン性有機溶媒に懸濁し、その混合物に対してクロ
ロトリメチルシランを滴下することによって、活性化亜
鉛を得る。当該の工程において、非プロトン性有機溶
媒は、亜鉛1gに対して3mL〜10mL使用するのが
好ましい。またクロロトリメチルシランは、亜鉛1モル
に対して0.01モル〜0.1モル使用するのが好まし
く、銅化合物は、亜鉛1モルに対して、0.005モル
〜0.05モル使用するのが好ましい。
【0036】の工程のレフォルマッキー反応は、たと
えば、溶媒(たとえば、THF、ジオキサン、ジメトキ
シエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類、もしくは上記エーテル類と上
記芳香族炭化水素類の混合溶媒など)中に、上記の工
程で得られた活性化亜鉛と1−フェニル−3−ヘキサノ
ンとを予め仕込んだ混合物に、ブロモ酢酸エチルを添加
する、あるいは上記溶媒中に予め仕込んだ活性化亜鉛に
1−フェニル−3−ヘキサノンとブロモ酢酸エチルとを
同時に添加することで実現される。上記レフォルマッキ
ー反応は、通常、25℃〜110℃の温度範囲内で行わ
れる。このようなレフォルマッキー反応を経て、ラセミ
−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサ
ン酸エチルを得る。当該の工程において、活性化亜鉛
は1−フェニル−3−ヘキサノン1モルに対して1モル
〜10モル用いるのが好ましく、またブロモ酢酸エチル
は1−フェニル−3−ヘキサノン1モルに対して1モル
〜5モル使用するのが好ましい。
【0037】続くの工程では、上記の工程で得られ
たラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチ
ル)ヘキサン酸エチルに、たとえば溶媒(THF、ジオ
キサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノー
ル、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール
類)中で、苛性アルカリ(苛性ソーダ、苛性カリウム)
もしくはその水溶液を作用させる。この反応は、通常、
15℃〜100℃の温度範囲内で行われる。その後、得
られた3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘ
キサン酸のアルカリ金属塩の溶液を酸性にする、という
処理を施して、本発明の製造方法において原料として使
用するラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエ
チル)ヘキサン酸(当該ラセミ−カルボン酸)を得る。
【0038】このような〜の工程を経ることで、従
来の一般的なラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェ
ニルエチル)ヘキサン酸の製造方法と比較して、高収率
で効率よく当該ラセミ−カルボン酸を得ることができ
る。したがって本発明の製造方法における原料をこのよ
うな工程を含有する方法にて得ることで、工業的な効率
がさらに向上される。この〜の工程を有する当該ラ
セミ−カルボン酸の合成方法は、参考例として後述す
る。
【0039】また本発明の製造方法で使用される(R)
−N−パラヒドロキシベンジル−α−フェニル−β−パ
ラトリルエチルアミンは、たとえば、既に特許第303
1048号において開示されている製造方法により得る
ことができる。その製造例についても、参考例として後
述する。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲
を何ら限定するものではない。参考例1 :ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチ
ル)ヘキサン酸の合成 活性化亜鉛の作成 亜鉛1.05g(16mmole)をTHF5mLに懸
濁させ、クロロトリメチルシラン0.15mL(1.2
mmole)を加えて室温(25℃)で15分間撹拌
し、さらに67℃で15分間加熱還流した。35℃に冷
却後、アセチルアセトナート銅(II)50mg(0.
19mmole)を加え、さらに30℃〜35℃で10
分攪拌して、活性化亜鉛を得た。 活性化亜鉛を用いたレフォルマッキー反応 上記で得られた活性化亜鉛のTHF懸濁液に1−フェ
ニル−3−ヘキサノン1.76g(10mmole)と
ブロモ酢酸エチル2.0g(12mmole)の混合物
を30℃〜40℃で50分間かけて滴下した。45℃〜
50℃で3.5時間攪拌後、反応液に10%塩酸を加え
て過剰の亜鉛を溶解した後、不溶物を濾去した。濾液を
分液後、有機層にトルエン10mLを加え、水、飽和重
曹水、飽和食塩水で洗浄後、有機層を硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル−ヘプタン(酢
酸エチル:ヘプタン=1:3))で精製した。得られた
精製物を、NMRにて分析し、ラセミ−3−ヒドロキシ
−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸エチルである
ことを確認した。ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチ
ル)ヘキサン酸の合成 上記で得られたラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−
フェニルエチル)ヘキサン酸エチル19.71g(7
4.6mmole)をメタノール40mLに溶解し、1
0%苛性ソーダ水38g(95mmole)を加えて2
5℃で4.5時間攪拌した。反応液に水20mL、トル
エン20mLを加え、分液した。水層を再度トルエン1
0mLで洗浄した後、水層を10%塩酸で酸性にし、ト
ルエンで抽出した(20mL×2)。酸性の水層を抽出
したトルエン層を合した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、
溶媒を留去すると、ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2
−フェニルエチル)ヘキサン酸が15.55g(88
%)得られた。
【0041】参考例2 :(R)−N−パラヒドロキシベンジル−α−フェニル
−β−パラトリルエチルアミンの合成 メタノール900mLと、パラヒドロキシベンズアルデ
ヒド190.6g(1.56mole)を仕込み、これ
に(R)−(−)−α−フェニル−β−パラトリルエチ
ルアミン330g(1.56mole)を添加した。1
時間加熱還流後、0℃に冷却し、生じたベンジリデン体
の結晶を濾取した(乾燥前の重量:504.8g)。結
晶をメタノール1.8Lに懸濁させ、10℃以下で水素
化ホウ素ナトリウム44.4g(1.17mole)を
固体で添加した。19℃〜24℃で2時間攪拌後、水9
00mLを加え、生じた(R)−N−パラヒドロキシベ
ンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミンの
結晶を濾取した。さらに水2Lで洗浄後、乾燥し、
(R)−N−パラヒドロキシベンジル−α−フェニル−
β−パラトリルエチルアミンを482.7g得た。収率
は、(R)−(−)−α−フェニル−β−パラトリルエ
チルアミンに対して97.4%であった。
【0042】実施例1 ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸(5.0g、純度:71%、純量:3.55
g、15.0mmole)の酢酸エチル(50mL)溶
液に(R)−N−パラヒドロキシベンジル−α−フェニ
ル−β−パラトリルエチルアミン(6.7g、21.2
mmole)を加え、70℃で溶解した。55℃に冷却
後、(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチ
ル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベンジル
−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩2mg
を加えた。同温度で5時間攪拌し、さらに25℃に冷却
後生じた結晶を濾取したところ、93%e.e.の光学
純度を有する(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェ
ニルエチル)ヘキサン酸のアミン塩を、3.95g(4
6.5%)得た。上記結晶の光学純度は、以下の方法で
決定した。得られた結晶の一部を酢酸エチルに懸濁し、
飽和重曹水を加え攪拌溶解した。水層を分液して取り、
10%塩酸で酸性とした後、トルエンで抽出した。トル
エン層にメタノールを加えた後、トリメチルシリルジア
ゾメタンを加えて室温(25℃)で攪拌後、溶液を濃縮
した。残渣を2−プロパノールに溶解し、HPLC(固
定相;ダイセルキラルセル OD、移動相;1.5%
2−プロパノール/ヘキサン)で分析した。
【0043】実施例2 ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸(4.84g、純度:71%、純量:3.4
4g、14.5mmole)の酢酸エチル(50mL)
溶液に(R)−N−パラヒドロキシベンジル−α−フェ
ニル−β−パラトリルエチルアミン(3.23g、9.
86mmole)を加え、70℃で溶解した。55℃に
冷却後、(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニル
エチル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベン
ジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩2
mgを加えた。同温度で5時間攪拌し、さらに25℃に
冷却後生じた結晶を濾取したところ、93%e.e.の
光学純度を有する(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−
フェニルエチル)ヘキサン酸のアミン塩を3.78g
(46.5%)得た。
【0044】実施例3 ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸(5.0g、純度:71.44%、純量:
3.57g、15.12mmole)と(R)−N−パ
ラヒドロキシベンジル−α−フェニル−β−パラトリル
エチルアミン(6.7g、21.1mmole)を、2
−プロパノール(40mL)に70℃で溶解させ、55
℃に冷却後、(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェ
ニルエチル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシ
ベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン
塩2mgを加え、25℃まで冷却した。冷却後、析出し
た結晶を濾取し、90.9%e.e.の光学純度を有す
る(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチ
ル)ヘキサン酸のアミン塩を4.32g(51.6%)
得た。
【0045】実施例4 ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸(5.0g、純度:71.44%、純量:
3.57g、15.12mmole)と(R)−N−パ
ラヒドロキシベンジル−α−フェニル−β−パラトリル
エチルアミン(2.35g、7.4mmole)を、2
−プロパノール(27mL)に50℃で溶解させ、同温
度で(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチ
ル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベンジル
−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩2mg
を加え、25℃まで冷却した。冷却後、析出した結晶を
濾取し、92.7%e.e.の光学純度を有する(R)
−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサ
ン酸のアミン塩を2.83g(33.8%)得た。
【0046】実施例5 ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸(5.0g、純度:71.44%、純量:
3.57g、15.12mmole)と(R)−N−パ
ラヒドロキシベンジル−α−フェニル−β−パラトリル
エチルアミン(2.35g、7.4mmole)を、酢
酸エチル(50mL)に70℃で溶解させ、55℃に冷
却後、(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエ
チル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベンジ
ル−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩2m
gを加え、25℃まで冷却した。冷却後、析出した結晶
を濾取し、95.6%e.e.の光学純度を有する
(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸のアミン塩を3.14g(37.5%)得
た。
【0047】実施例6 ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸(5.0g、純度:71%、純量:3.55
g、15.0mmole)をメチルイソブチルケトン
(30mL)とメタノール(2.5mL)からなる混合
溶媒(メチルイソブチルケトン−7.7v/v%メタノ
ール)に溶かし、(R)−N−パラヒドロキシベンジル
−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン(3.2
9g、10.4mmole)を加え、70℃で溶解させ
た。60℃に冷却後、(R)−3−ヒドロキシ−3−
(2−フェニルエチル)ヘキサン酸の(R)−N−パラ
ヒドロキシベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエ
チルアミン塩2mgを加え、5℃に冷却後生じた結晶を
濾取したところ、97.2%e.e.の光学純度を有す
る塩を3.83g(46.0%)得た。
【0048】実施例7 ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸(5.0g、純度:71%、純量:3.55
g、15.0mmole)をメチルイソブチルケトン
(25mL)とメタノール(5mL)からなる混合溶媒
(メチルイソブチルケトン−16.7v/v%メタノー
ル)に溶かし、(R)−N−パラヒドロキシベンジル−
α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン(3.29
g、10.4mmole)を加え、60℃で溶解させ
た。52℃に冷却後、(R)−3−ヒドロキシ−3−
(2−フェニルエチル)ヘキサン酸の(R)−N−パラ
ヒドロキシベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエ
チルアミン塩2mgを加え、5℃に冷却後生じた結晶を
濾取したところ、98.2%e.e.の光学純度を有す
る塩を3.31g(39.8%)得た。
【0049】実施例8 実施例2で得た93%e.e.の光学純度を有する
(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベンジル−α
−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩(1.0
g)を75℃で酢酸エチル(25mL)に溶解させた。
55℃に冷却後、(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−
フェニルエチル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロ
キシベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルア
ミン塩2mgを加え、溶液を25℃まで冷却し、生じた
塩を濾取したところ、99.7%e.e.の(R)−3
−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸
のアミン塩を0.71g(71%)得た。
【0050】実施例9 実施例2で得た93%e.e.の光学純度を有する
(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベンジル−α
−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩(2.20
g)を75℃で酢酸エチル(28mL)とメタノール
(1.5mL)の混合溶媒(酢酸エチル−5v/v%メ
タノール)に溶解した。得られた溶液を60℃に冷却
後、(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチ
ル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベンジル
−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩2mg
を加え、5℃まで冷却し、生じた塩を濾取したところ、
99.7%e.e.の塩を1.65g(75%)得た。
【0051】実施例10 実施例2で得た93%e.e.の光学純度を有する
(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベンジル−α
−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩(1.03
g)を70℃で酢酸エチル(10.8mL)とメタノー
ル(1.2mL)の混合溶媒(酢酸エチル−10v/v
%メタノール)に溶解した。得られた溶液を60℃に冷
却後、(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエ
チル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベンジ
ル−α−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩2m
gを加え、5℃まで冷却し、生じた塩を濾取したとこ
ろ、99.7%e.e.の塩を0.77g(75%)得
た。
【0052】沸点:145.5℃〜146.0℃ IRスペクトル(KBr):3271.4、2960.
8、1615.8、1538.5、1522.5、14
54.8、1389.0、1277.1、1214.
1、701.7cm-11 H−NMR(CDCl3)δ:0.95(3H,t,J
=7Hz),1.35−1.50(2H,m),1.6
2−1.65(2H,m),1.85−1.89(2
H,m),2.26(3H,s),2.54(2H,
s),2.71(2H,dd,J=6,12Hz),
3.05(1H,m),3.21−3.28(1H,
m),3.59(1H,d,J=13Hz),3.65
(1H,d,J=13Hz),4.03(1H,t,J
=7Hz),6.55(2H,d,J=8Hz),6.
86(4H,t,J=8Hz),6.97(2H,d,
J=8Hz),7.16−7.37(10H,m).
【0053】実施例11 実施例2で得た93%e.e.の光学純度を有する
(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)
ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロキシベンジル−α
−フェニル−β−パラトリルエチルアミン塩(1.20
g)を70℃で2−プロパノール(18mL)に溶解し
た。得られた溶液を50℃に冷却後、(R)−3−ヒド
ロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸の
(R)−N−パラヒドロキシベンジル−α−フェニル−
β−パラトリルエチルアミン塩2mgを加え、25℃ま
で冷却し、生じた塩を濾取したところ、99.8%e.
e.の塩を0.97g(80.8%)得た。
【0054】実施例12 実施例11で得た(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−
フェニルエチル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロ
キシベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルア
ミン塩(13.22g)を酢酸エチル(80mL)、水
(30mL)、重曹(4.43g)とともに45℃で攪
拌した。有機層を分液して除いた後、水層に10%塩酸
(19mL)を加え、トルエン(40mL)で抽出し
た。トルエン層を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、トルエンを留去したところ、(R)−3−ヒドロキ
シ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸が無色油状
物(5.31g、94%)として得られた。
【0055】
【外1】
【0056】(c=0.486、MeOH)
【0057】1H−NMR(CDCl3)δ:0.96
(3H,t,J=7Hz),1.35−1.47(2
H,m),1.60−1.64(2H,m),1.84
−1.89(2H,m),2.60(2H,s),2.
65−2.70(2H,m),7.17−7.20(3
H,m),7.26−7.30(2H,m).
【0058】実施例13 実施例11で得た(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−
フェニルエチル)ヘキサン酸の(R)−N−パラヒドロ
キシベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルア
ミン塩(0.2g)を、トルエン(2mL)に懸濁し、
10%塩酸(0.5mL)を加えて25℃で20分間攪
拌した。反応液を濾過した後、濾液を分取し、トルエン
層を濃縮すると、(R)−3−ヒドロキシ−3−(2−
フェニルエチル)ヘキサン酸80.7mg(95%)が
得られた。
【0059】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、医薬品原料として有用な(R)−3−ヒドロキ
シ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸を、ラセミ
−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサ
ン酸から、高い光学純度かつ比較的高い収率で、効率的
に製造できる製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板谷 信重 大阪市西淀川区歌島3丁目1番21号 住化 ファインケム株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC83 AD15 AD33 BB14 BB15 BB16 BB17 BB21 BJ50 BN10 BS10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラセミ−3−ヒドロキシ−3−(2−フ
    ェニルエチル)ヘキサン酸を、(R)−N−パラヒドロ
    キシベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルア
    ミンを用いて光学分割することを特徴とする、(R)−
    3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン
    酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 (R)−3−ヒドロキシ−3−(2−フ
    ェニルエチル)ヘキサン酸と、(R)−N−パラヒドロ
    キシベンジル−α−フェニル−β−パラトリルエチルア
    ミンとの塩を、酢酸エチル、メタノール、2−プロパノ
    ール、エタノール、アセトニトリル、メチルイソブチル
    ケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピ
    ルエーテル、ジメトキシエタンおよびテトラヒドロフラ
    ンから選ばれる1種または2種以上の溶媒(当該溶媒
    は、さらに水を含んでいてもよい。)中で結晶化させる
    ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008163041A (ja) * 2002-02-07 2008-07-17 Sumitomo Chemical Co Ltd ラセミ3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸エステルの製造方法
CN100448836C (zh) * 2005-06-03 2009-01-07 浙江中贝化工有限公司 一种抗艾滋病药物关键中间体的制备方法
CN107382698A (zh) * 2016-05-14 2017-11-24 深圳瀜新生物科技有限公司 一种用作神经保护剂的化合物的制备方法

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