JP2667873B2 - 抗ウイルス化合物 - Google Patents

抗ウイルス化合物

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    • C07H19/16Purine radicals
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はある種の置換プリンアラビノシドおよびその
生理学上容認しうる誘導体、特にエステル類、ならびに
これらのある種のDNAウイルス性症患における使用に関
する。
水疱瘡および帯状ヘルペスを起こすバリセラー帯状疱
疹ウイルスはヘルペス科のDNAウイルスである。バリセ
ラ(水疱瘡)は免疫をもたない宿主にVZVにより生ずる
主要疾患であり、通常は子供の温和な病気で、発熱およ
びそう痒性発疹として現われる。帯状疱疹(帯状ヘルペ
ス)は、バリセラ−ゾスターウイルスにより以前に感染
したことのある成人に起こる病気の反復形である。この
感染の臨床的発現の特徴は、分布が片側で皮節に集中す
る神経痛と水胞性皮疹である。炎症が広がり髄膜が侵さ
れるようになると、麻痺または痙攣および昏睡を起こす
かもしれない。
免疫不全患者の場合、ウイルスが広がつてしばしば致
命的疾患となることがある。免疫不全の原因は、移植患
者や悪性新生物治療に用いた薬物、あるいはエイズのよ
うな病気で、後者は免疫系を破壊してこの病気に罹つて
いなければ危険ではない感染に対して犠牲者を無防備に
するに至る。
サイトメガロウイルス(CMV)はヘルペス科のもう一
つのウイルスである。小児期または成人初期で感染を受
けることがあり、胎児においては、子宮内感染が多分最
も普通の感染形であろう。しかし先天性感染の90%まで
は出生時に無症候である。妊娠中の母親の一次感染は生
れて来る子供にとつて一般に最大の危険をもたらすと考
えられるが、再活性化において胎児の感染は、通常は臨
床的に何も記さない。臨床的結果は、死亡および重症
(小頭症、肝脾腫大症、黄疸、精薄)から、発育不良、
肺や耳の感染の受け易さを経て明白な病状の欠如に至る
まで色々である。若い成人では、気付かずに通り越す
か、あるいは身体の接触から起こる腺熱様の病気として
現われることがある。VZV感染に対して述べたように、
免疫の弱まつた患者においては、休止ウイルスの再活性
化により同じく重大な感染が起こりうる。このような感
染の結果、網膜炎、肺炎、および胃腸の不調からの罹病
率と致死率が増加する。
プリン環の2位と6位に置換基が存在するという特徴
をもつた下記の幾つかのプリン−アラビノヌクレオシド
はヒトのウイルス感染、とりわけバリセラ帯状疱疹ウイ
ルス(VSV)またはサイトメガロウイルス(CMV)により
起こる感染に対して強力な活性をもつことがここに発見
された。
ある種の置換プリン−アラビノヌクレオシド、特に9
−β−D−アラビノフラノシル−6−メトキシ−9
プリン、9−β−D−アラビノフラノシル−6−ピロリ
ジノ−9−プリン、9−β−D−アラビノフラノシル
−6−メチルアミノ−9−プリン、および9−β−D
−アラビノフラノシル−6−ジメチルアミノ−9−プ
リン(これらのVZVおよびCMV感染における使用について
は後述)は既にJ.Org.Chem.27巻、3274〜9(1962);Ca
ncer Treatment Rep.60(10)、1567〜84(1976);Tetr
ahedron40(4)、709〜13(1984);Canada J.Biochem.
43(1)、1〜15(1965);J.Med.Chem.12、498〜504
(1969);J.Biol.Chem.251(13)、4055〜61(1976);A
nn.N.Y.Acad.Sci.284、81〜90(1977);ヨーロツパ特
許第002192号、米国特許第3666856号、米国特許第43716
13号、米国特許第3758684号明細書に記載されている。
このようにして、本発明の第一の面は、式(I): 〔式中、R1はハロゲン(例えば、塩素またはヨウ素)原
子、C1〜5アルコキシ基(例えば、メトキシまたはエ
トキシ)、ハロゲン置換C1〜5アルコキシ(例えば、
トリフルオロエトキシ)、アミノ基(これはC1〜5
ルキル(例えば、メチルまたはエチル)、1個以上のフ
ツ素原子により置換されたC1〜5アルキル(例えば、
2−フルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエチ
ル)、またはC3〜6シクロアルキル(例えば、シクロ
プロピル)によりモノ−またはジ−置換される)、ある
は4〜7炭素原子と任意に二重結合(例えば、ピロリジ
ノ)および(または)更に一つの窒素原子とを含有する
環のアミノ環員を表わし、R2は水素、ハロゲンまたはア
ミノを表わす〕を有する化合物、およびVZVまたはCMVに
より起こるヒトのウイルス性感染の治療または予防のた
めに生理学上容認しうるその誘導体を提供するものであ
る。
本発明はまた式(I)(式中、R2は水素、R1はメトキ
シ、ピペリジノ、またはピロリジノであり、R2がアミノ
であるときR1は塩素である)の化合物および医療に用い
るその製薬上容認しうる誘導体も包含する。
上記式(I)中、アルキル基(アルコキシ、アルキル
アミノまたはジアルキルアミノ基におけるアルキルを含
む)はメチル、エチルまたはプロピル基がよい。
式(I)で表わされる特に適当な化合物には、 (イ) R2が水素、 (ロ) R1がC1〜5アルコキシ、とりわけメトキシ、
または (ハ) R1がC1〜5アルキルアミノ、とりわけジメチ
ルアミノ、または (ニ) R1がハロゲン、とりわけヨード である化合物が包含される。
下記化合物はVZVまたはCMVに対する強力な抗ウイルス
活性を有するので、本発明に係る特に適当な化合物であ
る。
1) 9−β−D−アラビノフラノシル−6−メチルア
ミノ−9−プリン、 2) 9−β−D−アラビノフラノシル−6−ジメチル
アミノ−9−プリン、 3) 9−β−D−アラビノフラノシル−6−メトキシ
−9−プリン、 4) 9−β−D−アラビノフラノシル−6−エトキシ
−9−プリン、 5) 9−β−D−アラビノフラノシル−6−ヨード−
−プリン、 6) 9−β−D−アラビノフラノシル−2−アミノ−
6−ヨードプリン、 7) 9−β−D−アラビノフラノシル−6−ピロリジ
ノ−9−プリン、 8) 9−β−D−アラビノフラノシル−2−クロロ−
6−メチルアミノ−9−プリン、 9) 9−β−D−アリビノフラノシル−6−シクロプ
ロピルアミノ−9−プリン、 10)9−β−D−アラビノフラノシル−6−エチルメチ
ルアミノ−9−プリン、 11)9−β−D−アラビノフラノシル−2−アミノ−6
−メトキシ−9−プリン、 12)9−β−D−アラビノフラノシル−6−n−プロポ
キシ−9−プリン。
上記の番号を付けた化合物のうち、化合物2)、3)
および5)が特によい。本発明はまた式(I)の新規化
合物およびそれらの生理学上容認しうる誘導体、特に上
に掲げた化合物4)、5)、6)、8)、9)、10)、
11)および12)を包含する。
本発明の第二の面は、一般式I(a) 〔式中、R1はハロゲン(例えば、塩素またはヨウ素)原
子、C1〜5アルコキシ基(例えば、メトキシまたはエ
トキシ)、ハロゲン置換C1〜5アルコキシ(例えば、
トリフルオロエトキシ)、アミノ基(これはC1〜5
ルキル(例えば、メチルまたはエチル)、1個以上のフ
ツ素原子により置換されたC1〜5アルキル(例えば、
2−フルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエチ
ル)、またはC3〜6シクロアルキル(例えば、シクロ
プロピル)によつてモノ−またはジ置換される)、また
は4〜7炭素原子と任意に一つの二重結合(例えば、ピ
ロリジノ)および(または更に1個の窒素原子とを含む
環のアミノ環員を表わし、R2は水素、ハロゲン、または
アミノを表わすが、ただし、R2が水素であるときR1は塩
素、メトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチル
アミノ、ピペリジノまたはピロリジノを表わさず、また
R2がアミノであるときR1は塩素またはメチルアミノを表
わさないことを条件とする〕を有する新規化合物、なら
びに式I(a)中のR2が塩素、フツ素、水素またはアミ
ノであるときR1が塩素またはフツ素である式I(a)の
化合物の2′,3′,5′−トリアセテートおよびトリベン
ジル誘導体以外の生理学上容認しうる誘導体を提供する
ものである。
本発明は医療用の、とりわけVZVまたはCMVにより起こ
るヒトのウイルス性感染の治療に使用する式I(a)の
化合物を更に包含する。
本発明の更にもう一つの面は、式(I)で表わされる
化合物の製薬上容認しうる誘導体、即ち製薬上容認しう
るエーテル、塩、エステル、またはこのようなエステル
の塩、あるいはヒト被治療者に投与したとき、式(I)
の化合物またはその抗ウイルス活性代謝産物または残留
物を生じうる他の化合物を提供するものである。
式(I)の上記化合物の製薬上容認しうるエステル
は、経口投与後の被治療者の血漿中に高濃度の母体化合
物を与えることができるので特に好ましい。特に本発明
は、新規化合物の特に適当な一群として、アラビノ−糖
部分の2′−、3′−および(または)5′−ヒドロキ
シ基のエステル化により生ずる上記化合物3)の製薬上
容認しうるエステルを提供する。
式(I)の化合物の特に適当な誘導体の例として、ア
ラビノ−糖残基の2′−、3′−および5′−位のとこ
ろで置換されたモノ−、ジ−、またはトリ−エステルが
あげられる。
このような特に適当なエステルには、カルボン酸エス
テル〔エステル基の非カルボニル部分は直鎖または分枝
鎖アルキル(例えば、n−プロピル、t−ブチル、n−
ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチ
ル)、アルアルキル(例えば、ベンジル)、アリールオ
キシアルキル(例えば、フエノキシメチル)、任意にハ
ロゲン、C1〜4アルキルまたはC1〜4アルコキシ、
ニトロまたはアミノによつて置換されたアリール(例え
ば、フエニル)から選ばれる〕、スルホネートエステ
ル、例えばアルキルスルホニル、またはアルキルアリー
ルスルホニル(例えば、メタンスルホニルまたはトシル
スルホニル)、アミノ酸エステル(例えば、L−バリ
ル)、およびモノ−、ジ−、またはトリ−ホスフエート
エステルが含まれる。これらエステルの製薬上容認しう
る塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、NR4 +(式中、R
=H、またはC1〜6アルキル)、および酸付加塩が含
まれる。上記エステル基におけるアルキル基(アルコキ
シ基のアルキルを含めて)1から12炭素原子を含み、ア
リール基はフエニルがよい。
下記エステル及びエーテルは本発明に係る特に適当な
新規化合物である。
13. 9−(5−O−ベンゾイル−β−D−アラビノフ
ラノシル)−6−メトキシ−9−プリン 14. 6−メトキシ−9−〔5−O−(4−メチルフエ
ニルスルホニル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9
−プリン 15. 6−メトキシ−9−(5−O−メチルスルホニル
−β−D−アラビノフラノシル)−9−プリン 16. 9−(5−O−(4−メチルベンゾイル)−β−
D−アラビノフラノシル)−6−メトキシ−9−プリ
ン 17. 9−(5−O−(4−クロロベンゾイル)−β−
D−アラビノフラノシル)−6−メトキシ−9−プリ
ン 18. 9−(5−O−(4−メトキシベンゾイル)−β
−D−アラビノフラノシル)−6−メトキシ−9−プ
リン 19. 6−メトキシ−9−(5−O−フエニルアセチル
−β−D−アラビノフラノシル)−9−プリン 20. 6−メトキシ−9−(5−O−フエニルオキシア
セチル−β−D−アラビノフラノシル)−9−プリン 21. 6−メトキシ−9−(5−O−メトキシアセチル
−β−D−アラビノフラノシル)−9−プリン 22. 9−〔5−O−(4−ニトロベンゾイル)−β−
D−アラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9−プリ
ン 23. 6−メトキシ−9−(5−O−ペンタノイル−β
−D−アラビノフラノシル)−9−プリン 24. 9−〔5−O−(4−アミノベンゾイル)−β−
D−アラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9−プリ
ン 25. 6−メトキシ−9−(5−O−プロピオニル−β
−D−アラビノフラノシル)−9−プリン 26. 9−(5−O−ブタノイル−β−D−アラビノフ
ラノシル)−6−メトキシ−9−プリン 27. 9−〔5−O−(2,2−ジメチルプロピオニル)−
β−D−アラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9
プリン 28. 9−〔5−O−アセチル−β−D−アラビノフラ
ノシル)−6−メトキシ−9−プリン 29. 6−メトキシ−9−〔5−O−(2−メチルプロ
ピオニル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9−プ
リン 30. 6−メトキシ−9−〔2−O−(2,2−ジメチルプ
ロピオニル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9
プリン 31. 6−メトキシ−9−〔(2,3,5−トリ−O−アセチ
ル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9−プリン 32. 6−メトキシ−9−(2−O−ペンタノイル−β
−D−アラビノフラノシル)−9−プリン 33. 9−(2−O−ブタノイル−β−D−アラビノフ
ラノシル)−6−メトキシ−9−プリン 34. 6−メトキシ−9−〔2−O−(2−メチルプロ
ピオニル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9−プ
リン 35. 9−(3−O−ベンゾイル−β−D−アラビノフ
ラノシル)−6−メトキシ−9−プリン 36. 9−(2,3−アンヒドロ−β−D−リキソフラノシ
ル)−6−メトキシプリン 37. 6−メトキシ−9−〔(2−O−(4−メトキシ
ベンゾイル))−β−D−アラビノフラノシル〕−9
−プリン 38. 6−メトキシ−9−〔(2−O−(4−メチルベ
ンゾイル))−β−D−アラビノフラノシル〕−9
プリン 39. 9−〔2−O−(4−クロロベンゾイル)−β−
D−アラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9−プリ
ン 40. 6−メトキシ−9−〔3,5−O−(1,1,3,3−テト
ライソプロピル−1,3−ジシロキサン−1,3−ジイル)−
β−D−アラビノフラノシル〕−9−プリン 41. 6−メトキシ−9−〔2−O−(2−アミノベン
ゾイル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9−プリ
ン 42. 6−メトキシ−9−〔2−(4−メチルベンゾイ
ル)−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロ
キサン−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシ
ル〕−9−プリン 43. 6−メトキシ−9−〔2−(4−メトキシベンゾ
イル)−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシ
ロキサン−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシ
ル〕−9−プリン 44. 9−〔2−(4−クロロベンゾイル)−3,5−O−
(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジ
イル)−β−D−アラビノフラノシル〕−6−メトキシ
−9−プリン 45. 9−β−D−アラビノフラノシル−6−ジメチル
アミノ−9−プリンの5′−モノホスフエートエステ
ル 46. 6−メトキシプリンアラビノシド5′−モノホス
フエート 47. 6−メトキシプリンアラビノシド5′−トリホス
フエート 特に適当なものは上記化合物16、24、および32であ
る。
式(I)のプリンヌクレオシドおよびそれらの誘導体
を以後は本発明に係る化合物として、あるいは活性成分
と呼ぶことにする。
本発明の更に一つの特に好ましい面は、VZVまたはCMV
により起こるヒトのウイルス性感染の治療または予防用
の医薬の製造に本発明に係る化合物を使用する方法を提
供することである。
本発明はヒト被治療者におけるVZVまたはCMV感染の治
療または予防法を更に提供するもので、この方法は前記
ヒト被治療者に有効量の本発明に係る化合物を投与する
ことからなる。
上記方法は、哺乳動物の宿主細胞内のVZVまたはCMVウ
イルスの複製を抑制するもので、式(I)の化合物また
はその製薬上容認しうる誘導体のウイルス複製を抑制す
る有効量を感染細胞に適用することからなる。
本発明に従つて治療できるVZVおよびCMV感染により起
こる臨床的症状の例に上記症例が含まれる。
式(I)の化合物およびその製薬上容認しうる誘導体
(以後は集合的に活性成分と呼ぶ)は、治療すべき症状
に適した経路によつて投与でき、そして適当な経路には
経口、鼻、局所(口内および舌下を含む)、膣、および
非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、くも膜下、およ
び硬膜外を含む)が包含される。特に適当な経路は、例
えば受薬者の症状に応じて変えうることは明らかであろ
う。
上記の効用と適応症の各々に対する活性成分(前に定
義した通り)の必要量は幾つかの因子、例えば治療すべ
き症状の軽重および受薬者の本体によつて決まり、そし
て究極的には付添医師の裁量にある。しかし、一般にこ
れら効用と適応症の各々に対し、適当な有効量は受薬者
の体重1キログラム当り0.1から250mg/日の範囲、なる
べくは体重1キログラム当り0.1から100mg/日の範囲、
最も好ましくは体重1キログラム当り1から20mg/日の
範囲内にあり、最適用量は体重1キログラム当り約15mg
/日である(特に断らない限り、活性成分の全重量は式
(I)の母体化合物として計算し、その塩およびエステ
ルに対する数値は比例して増加させることになろう)。
望む用量は、1日中適当な間隔で二回、三回、四回また
はそれ以上の少用量として投与するのがよい。これら少
用量は単位用量形で、例えば単位剤形当り活性成分5か
ら1000mg、なるべくは20から500mg、最も好ましくは100
から400mgを含む剤形として投薬できる。
活性成分を単独で投与できるが、なるべくこれらを医
薬品製剤として与えるのがよい。本発明製剤は全に定義
した少なくとも1種の活性成分をその1種以上の容認し
うる担体および任意に他の治療成分と共に含有する。担
体は製剤中の他の成分と融和し、受薬者に対し有害でな
いという意味で「容認しうる」ものでなければならな
い。
製剤は経口、直腸、鼻、局所(口内および舌下を含
む)、膣、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮
内、くも膜下および硬膜外を含む)投与に適したものを
包含する。これら製剤は単位剤形で提供するのが便利で
あり、調剤の分野で周知の方法のいずれかで製造でき
る。このような方法は1種以上の付属成分を構成する担
体と活性成分とを一緒にする工程を含む。一般に製剤は
活性成分を液体担体または微粉砕した固体担体またはそ
の両方と一様にかつ均密に混合し、次に必要に応じ生成
分を成形することによりつくられる。
経口投与に適する本発明製剤は、各々が予定量の活性
成分を含む個々の単位、例えばカプセル、カシエまたは
錠剤として、散剤または顆粒剤として、水性液体または
非水性液体中の溶液または懸濁液として、あるいは水中
油型乳濁液または油中水型乳濁液として提供できる。活
性成分は大粒丸薬、舐剤またはペーストとして提供する
こともできる。
錠剤は、任意に1種以上の付属成分と共に圧縮または
成形することによりつくられる。圧縮錠剤は、粉末また
は顆粒といつた自由流動形とした活性成分を、結合剤
(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩
壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋
ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム)、界面活性または分散剤と任意に混合して適当な機
械で圧縮することによりつくることができる。成形錠剤
は粉末にした化合物を不活性液体希釈剤で加湿した混合
物を適当な機械で成形することによりつくられる。錠剤
は任意に被覆したり刻み目を付けることができ、また例
えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを種々な割合
で用いて望む放出速度を得ることにより活性成分を徐放
性とする処方も可能である。
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の感染に
対しては、活性成分を例えば0.075から20%w/w、好まし
くは0.2から15%w/w、最も好ましくは0.5から10%w/wの
量で含む局所軟膏またはクリームとして製剤を適用する
のがよい。軟膏に処方する場合、活性成分をパラフイン
性あるいは水混和性軟膏基剤いずれかと共に使用する。
他方、活性成分を水中油型クリーム基剤と共にクリーム
に処方することもできる。
必要に応じ、クリームの水相に、例えば少なくとも30
%w/wの多価アルコール、即ち2個以上の水酸基をもつ
アルコール、例えばプロピレングリコール、ブタン−1,
3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセリ
ン、およびポリエチレングリコールおよびその混合物を
含めることができる。局所用製剤は、皮膚その他の患部
を通して活性成分の吸収または浸透を増進させる化合物
を含むことが望ましい。このような皮膚浸透促進剤の例
としてジメチルスルホキシドおよび関連類似化合物があ
げられる。
本発明に係る乳濁系の油相は公知の成分から公知の仕
方で構成できる。この油相は単に乳化剤(別に、エマル
ジエントとしても知られる)だけからなることもできる
が、少なくとも1種の乳化剤と脂肪または油いずれかと
の混合物、あるいは脂肪と油の両方との混合物からなる
のが望ましい。なるべくは、親水性乳化剤を親油性乳化
剤(これは安定剤として作用する)と一緒に含めるのが
よい。また油および脂肪の両方を含めることも好まし
い。乳化剤(複数のこともある)は安定剤(複数のこと
もある)と一緒に、あるいは後者なしにいわゆる乳化性
ワツクスを構成し、そしてこのワツクスは油および(ま
たは)脂肪と共にいわゆる乳化性軟膏基剤を構成し、こ
のものはクリーム製剤の油分散相をなしている。
本発明に係る製剤への使用に適した乳化剤および乳化
安定剤の例として、Tween60、Span80、セトステアリル
アルコール、ミリスチルアルコール、グリセリルモノス
テアレート、およびラウリル硫酸ナトリウムがあげられ
る。
製剤に適した油または脂肪の選択は望む美容上の特性
の達成に基づくが、それは医薬エマルジヨン製剤に使用
されそうな大抵の油の中に活性成分が非常に溶けにくい
からである。従つて、クリームはべとつかず、汚れず、
そして洗浄できる製品でなければならないと同時にチユ
ーブその他の容器からの漏れを避けるために適当なコン
システンシイーをもたねばならない。直鎖または分枝
鎖、一塩基性または二塩基性アルキルエステル、例えば
ジ−イソアジペート、イソセチルステアレート、ヤシ油
脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、イソプロピ
ルミリステート、デシルオレエート、イソプロピルパル
ミテート、ブチルステアレート、2−エチルヘキシルパ
ルミテート、またはCrodamol CAPとして知られる分枝鎖
エステルの混合物を使用でき、最後にあげた三者が特に
適当なエステルである。これらは要求される性質によつ
て単独で用いることも、組み合わせて用いることもあ
る。別法として、高融点脂質、例えば白色軟質パラフイ
ンおよび(または)液体パラフインまたは他の鉱油も使
用できる。
目に局所投与するために適した製剤には点眼剤が含ま
れ、この場合活性成分を適当な担体、とりわけ活性成分
のための水性溶媒に溶かすか懸濁させる。活性成分はこ
のような製剤中に0.5から20%、好ましくは0.5から10
%、特に約1.5%w/wの濃度で存在するのがよい。
口内に局所投与するために適した製剤には、フレーバ
添加基剤、通常はシヨ糖およびアラビアガムまたはトラ
ガカントガム中に活性成分を含有するトローチ錠、不活
性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリン、またはシヨ
糖およびアラビアガム中に活性成分を含有する香錠、お
よび適当な液体担体中に活性成分を含有するうがい薬が
含まれる。
直腸投与用製剤は、例えばカカオ脂またはサリチレー
トからなる適当な基剤を用いた座剤として提供される。
担体が固体である鼻内投与に適した製剤には、例えば
20から500ミクロンの範囲内の粒径をもつ粗粉剤が含ま
れ、このものは鼻で扱う方法で、即ち粉剤の容器を鼻ま
で近づけて保持しそこから鼻道を通して迅速に吸入する
ことにより投与される。例えば、鼻スプレーまたは点鼻
剤として投与するため、担体が液体である適当な製剤に
は、活性成分の水溶液または油溶液が含まれる。
膣内投与に適した製剤は、活性成分に加えてこの分野
で適当であることが知られている担体を含むペツサリ
ー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フオーム
剤、またはスプレー製剤として提供される。
非経口投与に適した製剤には、水性および非水性無菌
注射溶液(酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および企図す
る受薬者の血液と等張の製剤を得るための溶質を含みう
る)および水性および非水性無菌懸濁液(これは懸濁剤
および濃化剤を含むことがある)が包含される。製剤は
単位用量または多回分用量の容器、例えば封入アンプル
およびビンに入れて提供でき、凍結乾燥した状態で貯蔵
できる。後者は使用直前に無菌液体担体、例えば注射用
水を加えるだけで済む。即座の注射溶液および懸濁液は
前述した種類の無菌散剤、顆粒、および錠剤から調製で
きる。
特に適当な単位用量製剤は活性成分の1日分を含むも
のあるいは前記のように1日単位量より少ない量を含む
もの、あるいはその適当な分割量を含むものである。
上に個々に述べた成分に加えて、本発明製剤は問題と
している製剤の型を顧慮してこの分野で普通の他の製剤
を含むことができ、例えば経口投与に適したものはフレ
ーバ付与剤を含みうる。
本発明はまた式I(a)の化合物またはその製薬上容
認しうる誘導体、とりわけエステルの製造法を提供する
もので、本法は (イ) 式(II) (式中、R1およびR2は前に定義した通りである)の化合
物を、式(III) 〔式中、Xはピリミジンまたはプリン塩基(式(II)の
化合物以外のもの)を表わす〕の化合物と反応させる
か、あるいは (ロ) 式(IV) (式中、Zは脱離基であり、R2は前に定義した通りであ
る)の化合物を、6位に必要な基を導入できる化合物と
反応させ、任意にその後、またはこれと同時に、生じた
化合物が式(I)の化合物である場合には、それを製薬
上容認しうる誘導体に変換し、あるいは生じた化合物が
製薬上容認しうる誘導体である場合には、それを異なつ
た製薬上容認しうる誘導体または式(I)の化合物に変
換することからなる。
方法イ)に関して、Xはウラシル塩基が有利である。
この反応は、例えば式IIおよび式IIIの化合物を、酵
素、例えばホスホリラーゼ酵素、例えばウリジンホスホ
リラーゼまたはプリンヌクレオシドホスホリラーゼで、
またはその混合物で、なるべくはリン散塩存在下5.0〜
9.0のpHで、15゜〜90℃、好ましくは40゜〜60℃の温度
で処理することにより行なうことができる。
方法ロ)に関して、この方法はReist E.J.等、J.Org.
Chem.27(1962)3274〜3279記載の手順に従つて実施で
きる。一つの便利な脱離基はハロゲン原子、例えば塩素
であり、そしてこの反法は、6位に必要な基を導入でき
る試剤、例えばR1がアルキルアミノまたはジアルキルア
ミノ基を表わす場合には適当なアミンを用いて、有機溶
媒、例えば無水メタノール中で行なうのが便利である。
式(I)の化合物の生理学上容認しうるエステルおよ
び塩類は、常法により製造できる。例えば、エステルは
母化合物を適当なハロゲン化アシルまたは無水物でエス
テル化することにより調製できる。別法として、エステ
ル類は適当な脱離基、例えばハロゲン化物を、適当なカ
ルボン酸で置換するか、または母化合物の適当なアンヒ
ドロヌクレオシドを適当なカルボン酸またはその塩で開
裂することによりつくることもできる。
下記の例により本発明を説明するが、如何なる場合で
も本発明を制限するものとみなすべきでない。
例 1 9−β−D−アラビノフラノシル−6−メチルアミノ−
9H−プリン 6−チオール−9−(β−D−アラビノフラノシル)
−9−プリン〔Reiet E.J.等、J.Org.Chem.27(196
2)3274〜3279〕(0.35ミリモル、100mg)と無水メタノ
ール5mlを混合し、水分から保護しつつ−10℃に冷却し
た。この懸濁液中に塩素ガスをおだやかに2分間通じ
た。生じた溶液を−10℃で5分間かきまぜ、次にこの冷
溶液中に乾燥窒素を15分間通じて過剰の塩素を除去し
た。反応混合物に40%メチルアミン水溶液2mlを加え、
次にこれをステンレス鋼ボンベ中115℃で4.5時間加熱し
た。ボンベを0℃に冷却し、内容物を蒸発乾固して表題
化合物を88%収率で得た。水から再結晶後の試料は201.
5〜202.5℃の融点を示した。
分析:C11H13N5O4に対し計算 計算値:C,47.0;H,5.38;N,24.9 実測値:C,47.2;H,5.72;N,25.2 例 2 9−β−D−アラビノフラノシル−6−ジメチルアミノ
プリン 6−ジメチルアミノプリン(Sigma Chemical Co.セン
トルイス,ミズーリ州)(6.4ミリモル、1.04g)とウラ
シルアラビノシド〔Torrence,P.F.等;J.Med.Chem.,22
(3)(1979)316〜319〕(8ミリモル、1.96g)とを
0.02%のアジ化カリウムを含むpH8.0の5mMリン酸カリウ
ム0.412中で混合する。精製プリンヌクレオシドホス
ホリラーゼ(3260単位)とウリジンホスホリラーゼ(81
0単位)を加え、溶液を35℃でかきまぜた。59日後、反
応物を凍結乾燥した。残留物を水250ml中に懸濁し、室
温で1時間かきまぜた。固体を濾別し、濾液を3℃で貯
蔵した。72時間後、沈殿を集め、以前のケーキと合わせ
た。これを95%エタノール/水100mlに加え、加熱沸騰
させ、濾過した。溶媒を真空下に除去し、残留物をBioR
ad P−2樹脂上30%n−プロノール/水(v/v)で、7.5
×90cmカラムを用いて一回、また5×90cmカラム上で更
に二回クロマトグラフイーを行なつた。この手順により
0.12gの6−ジメチルアミノプリン−9−β−D−アラ
ビノフラノシドを0.5水和物として得た。
分析:C12H17N5O40.5H2Oに対し計算 計算値:C,47.36;H,5.96;N,23.01 実測値:C,47.23;H,5.59;N,22.75 NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例 3 9−β−D−アラビノフラノシル−6−メトキシプリン 6−メトキシプリン(Sigma Chemical Co.セントルイ
ス,ミズーリ州)(6.6ミリモル、1g)、およびウラシ
ルアラビノシド〔Torrence,P.F.等、J.Med.Chem.22
(3)(1979)〕(10.1ミリモル、2.45g)を10%n−
プロパノール(v/v)を含む10mMリン酸カリウム(0.04
%アジ化カリウム溶液、pH7.8)575ml中に懸濁した。精
製ウリジンホスホリラーゼ(560国際単位)およびプリ
ンヌクレオシドホスホリラーゼ(10000国際単位)(Kre
niteky,T.A.等、Biochemistry、20、3615、1981および
米国特許第4,381,444号明細書)を加え、溶液を35℃で
かきまぜた。30日後、反応物を濾過した。濾液を水酸化
アンモニウムでpH10.5に調節し、Dowex−1−ホルメー
ト樹脂を含む2.5×7cmカラム上でクロマトグラフイーを
行なつた。樹脂を30%n−プロパノール/水(v/v)で
溶離した。生成物を含むフラクシヨンを合わせ、溶媒を
真空下で除去した。この残留物を30%n−プロパノール
/水(v/v)に溶かし、BioRad P−2カラム(7.5×90c
m)上でクロマトグラフイーを行なつた。生成物を含む
フラクシヨンを合わせ、凍結乾燥後、6−メトキシプリ
ン−9−β−D−アラビノフラノシド0.922gを2水和物
として得た。
分析:C11H14N6O5 2H2Oに対して計算 計算値:C,41.51;H,5.70;N,17.60 実測値:C,41.46;H,5.74;N.18.13 NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例 4 9−β−D−アラビノフラノシル−6−エトキシプリン 6−エトキシプリン(Sigma Chemical Co.セントルイ
ス、ミズーリ州)(3.05ミリモル、0.5g)およびウラシ
ルアラビノシド(6.09ミリモル、1.48g)をアジ化カリ
ウム0.04%を含むpH7.4の10mMリン酸カリウム溶液100ml
中に懸濁した。精製ウリジンホスホリラーゼ(6000国際
単位)とプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(8400国際
単位)(Krenitsky,T.A.等、Biochemistry20、3615、
1981および米国特許第4,381,444号明細書)を加え、懸
濁液を35℃でかきまぜた。168時間後、更に18000単位の
ウリジンホスホリラーゼと75,600単位のプリンヌクレオ
シドホスホリラーゼを加えた。7日後、反応物を濾過
し、濾液をDowex−1−水酸化物樹脂を含むカラム(2.5
×8cm)上でクロマトグラフイーを行なつた。カラムを9
0%メタノール/水(v/v)で溶離し、生成物を含むフラ
クシヨンを合わせ、溶媒を真空下で除いた。残留物を30
%n−プロパノール/水(v/v)に溶かし、BioRad P−
2(5×90cm)を含むカラムでクロマトグラフイーを行
なつた。生成物を30%n−プロパノール/水(v/v)で
溶離した。生成物を含むフラクシヨンを合わせ、溶媒を
真空下で除くことにより0.363gの6−エトキシプリン−
9−β−D−アラビノフラノシド(0.3水和物として分
析)を得た。
分析:C12H16N4O5 0.3H2Oに対して計算 計算値:C,47.78;H,5.55;N,18.57 実測値:C,47.99;H,5.54;N,18.40 NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例 5 9−β−D−アラビノフラノシル−6−ヨードプリン 6−ヨードプリン(Sigma Chemical Co.セントルイ
ス、ミズーリ州)(4ミリモル、1g)を1,2−ジメトキ
シエタン15mlに加熱して溶かした。0.04%のアジ化カリ
ウムを含むpH7.4の10mMリン酸カリウム溶液中にウラシ
ルアラビノシド(10.1ミリモル)を含む溶液50mlを加え
た。精製ウリジンホスホリラーゼ(6800国際単位)およ
びプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(12000国際単
位)を加え、反応物を35℃でかきまぜた。21日後、更に
4800単位のウリジンホスホリラーゼと20000単位のプリ
ンヌクレオシドホスホリラーゼを加えた。90日後、反応
物を濾過し、溶媒を真空下で除去した。残留物を水100m
lに溶かし、水蒸気で加熱し、次に濾過した。濾液をXAD
−2樹脂を含むカラム(5×35cm)上でクロマトグラフ
イーを行なつた。このカラムを水2で溶離し、その後
エタノール2で溶離した。生成物を含むフラクシヨン
を合わせ、溶媒を真空下で除去した。残留物を30%n−
プロパノール/水(v/v)に溶かし、BioRad P−2を含
むカラム(5×90cm)上でクロマトグラフイーを行なつ
た。生成物を30%n−プロパノール/水(v/v)で溶離
した。生成物を含むフラクシヨンを合わせ、溶媒を真空
下で除去した。残留物を30%n−プロパノール/水(v/
v)に溶かし、Sephadox G−10カラム(5×90cm)上で
クロマトグラフイーを行なつた。このカラムを30%n−
プロパノール/水(v/v)で溶離した。生成物を含むフ
ラクシヨンを合わせ、溶媒を真空下に除去後、0.253gの
6−ヨードプリン−9−β−D−アラビノフラノシド
(1.5水和物として分析)を得た。
分析:C10H11IN4O4・1.5H2Oに対して計算 計算値:C,29.65;H,3.48;N,13.85;I,31.32 実測値:C,29.43;H,3.53;N,13.66;I,31.20 NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例 6 9−β−D−アラビノフラノシル−2アミノ−6−ヨー
ドプリン 2−アミノ−6−ヨードプリン(Sigma Chemicals、
セントルイス、ミズーリ州)(25.5ミリモル、6.75g)
およびウラシルアラビノシド(61.9ミリモル、15.1g)
を、アジ化カリウム0.02%を含むpH6.9の10mMリン酸カ
リウム0.31中で合わせた。精製プリンヌクレオシドホ
スホリラーゼ(17000単位)およびウリジンホスホリラ
ーゼ(2000単位)を加え、溶液を37℃でかきまぜた。18
日後、更に5700単位のウリジンホスホリラーゼを加え
た。57日後、反応物を濾過し、濾液をXAD−2樹脂を含
むカラム(8×11cm)上でクロマトグラフイーを行なつ
た。生成物を次のようなエタノール/水(v/v)の段階
勾配:10%0.35、20%1、50%1、95%0.2で溶
離した。生成物を含むフラクシヨンを合わせ、エタノー
ルを真空で除去した。残留物を30%n−プロパノール/
水(v/v)に溶かし、BioRad P−2樹脂を含む7.5×90cm
カラムでクロマトグラフイーを行なつた。この手順によ
り1.1gの2−アミノ−6−ヨードプリン−9−β−D−
アラビノフラノシドを0.5水和物として得た。
分析:C10H12N5O4 0.5H2Oに対し計算 計算値:C,29.84;H,3.26;N,17.41 実測値:C,29.86;H,3.29;N,17.39 NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例 7 9−β−D−アラビノフラノシル−6−ピロリジノプリ
ン 6−ピロリジノプリン(Sigma Chemical Co.セントル
イス、ミズーリ州)(2.6ミリモル、0.5g)およびウラ
シルアラビノシド(5.29ミリモル、1.29g)を、アジ化
カリウム0.04%を含むpH7.4の10mMリン酸カリウム100ml
中に懸濁した。精製ウリジンホスホリラーゼ(6000国際
単位)とプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(8400国際
単位)〔Krenitsky,T.A.等、Biochemistry20 3615、
(1981)および米国特許第4,381,444号明細書〕を加
え、この懸濁液を35℃でかきまぜた。20日後、反応物を
濾過し、濾液をDowex−1−水酸化物樹脂を含むカラム
(2.5×8cm)でクロマトグラフイーを行なつた。生成物
をカラムから90%メタノール/水(v/v)で溶離した。
生成物を含むフラクシヨンを合わせ、溶媒を減圧下に除
去した。残留物を30%n−プロパノール/水(v/v)50m
lに溶かし、BioRad P−2カラム(5×90cm)でクロマ
トグラフイーを行なつた。生成物を30%n−プロパノー
ル/水(v/v)で溶離した。生成物を含むフラクシヨン
を合わせて溶媒を真空下で除去することにより0.573gの
6−ピロリジノプリン−9−β−D−アラビノフラノシ
ドを得た。
分析:C14H19N5O4に対し計算 計算値:C,52.33;H,5.96;N,21.79 実測値:C,52.60;H,6.09;N,21.51 NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例 8 9−β−D−アラビノフラノシル−2−クロロ−6−メ
チルアミノプリン 2,6−ジクロロ−2′,3′,5′−トリ−O−ベンジル
−9−(β−D−アラビノフラノシル)−プリン〔Kell
er,F.等、J.Org.Chem.,32、1644(1967);Montgomery,
J.A.およびHewson,K.J.,J.Med.Chem.12、498(1967)〕
(5.92g、10ミリモル)の、ベンゼン(ベンゼン10ml当
りメチルアミン0.6gの溶液35ml)中の溶液を、封じたボ
ンベ中室温に4日間保つた。ボンベを氷で十分よく冷却
し、開けて内容物を濾過することによりメチルアミン塩
酸塩を除去した。溶媒を真空で除いて油を得、これを同
規模で、しかし125℃で行なつた反応から得た油と一緒
にした。合計の重量は11.4gであつた。TLCはこのものが
出発原料、モノメチルおよびジメチルアミノ化合物の混
合物であることを示した。この油をアセトン30%および
シクロヘキサン70容量%を用いてシリカゲル285g上でク
ロマトグラフイーを行なつた。出発原料の下を移動する
成分(TLC、シリカゲル、アセトン:シクロヘキサン3:
7)を集め、溶媒を真空で除去した。収量:2−クロロ−
6−メチルアミノ−2′,3′,5′−トリ−O−ベンジル
−9−(β−D−アラビノフラノシル)プリン、油状物
として4.8g。このうち1.1gを2−メトキシエタノール40
mlに溶かし、これをPaar装置で前還元した塩化パラジウ
ム(0.87g)に加えた。これを50ポンド/インチで30分
間水素化するが、その水素雰囲気は最初の15分後に変化
した。セライト床を通して触媒を濾別し、メタノールで
洗浄した。濾液をDowex−1(HCO3)の添加により中和
した。樹脂を濾別し、メタノールで洗浄した。濾液を真
空で蒸発させ、残留物をクロロホルムとすりまぜた。粗
製生成物を熱水で洗浄し、熱メタノールに溶かし、濾過
し、冷却し、固体を集めた。沸騰水から結晶化させ生成
物を水和物として得た。
収量44.5mg、融点224〜225℃。
分析:C11H14N5O4Cl・H2Oに対し計算。
計算値:C,39.58;N,20.98;H,4.84 実測値:C,39.27;N,20.83;H,5.16 例 9 9−β−D−アラビノフラノシル−6−シクロプロピル
アミノプリン 6−シクロプロピルアミノプリン〔6−クロロプリン
(Sigma Chemicals、セントルイス、ミズーリ州)上の
塩素基をアセトニトリル中シクロプロピルアインで求核
置換することによりつくる〕(2.85ミリモル、0.5g)お
よびウラシルアラビノシド〔Torrence,P.E.等、J.Med.C
hem.,22(3)(1979)316〜319〕(5.71ミリモル、1.3
9g)をアジ化カリウム0.04%を含むpH7.4の10mMリン酸
カリウム100ml中に懸濁した。精製ウリジンホスホリラ
ーゼ(6000国際単位)とプリンヌクレオシドホスホリラ
ーゼ(8400国際単位)(Krenitsky等、Biochemistry20
3615、1981および米国特許第4,381,444号明細書)を
加え、懸濁液を35℃でかきまぜた。120時間後、反応物
を濾過し、濾液をDowex−1−水酸化物樹脂を含むカラ
ム(2.5×10cm)上でクロマトグラフイーを行なつた。
このカラムを90%エタノール/水(v/v)で溶離した。
生成物を含むフラクシヨンを合わせ、溶媒を真空下で除
いた。残留物を30%n−プロパノール/水(v/v)に溶
かし、BioRad P−2(5×90cm)でクロマトグラフイー
を行なつた。カラムを30%n−プロパノール/水(v/
v)で溶離した。この反応からの沈殿物を熱メタノール
から再結晶し、0.0352gの6−シクロプロピルアミノプ
リン−9−β−D−アラビノフラノシド−水和物として
分析される生成物を得た。再結晶から得た濾液を前記の
ようにBioRad P−2樹脂(5×90cm)上でクロマトグラ
フイーを行なつた。両カラムからのフラクシヨンを含む
生成物を合わせ、溶媒を真空で除いて0.342gの6−シク
ロプロピルアミノプリン−9−β−D−アラビノフラノ
シドを得た。このものは0.3分子のC3H8Oを含む0.8水和
物として分析された。
分析:C13H17N5O4 1H2Oに対し計算 計算値:C,48.00;H,5.89;N,21.53 実測値:C,48.05;H,5.89;N,21.55 NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例10 9−β−D−アラビノフラノシル−6−エチル(メチ
ル)アミノプリン 6−クロロプリン(Sigma Chemicals,セントルイス,
ミズーリ州)の塩素基をアセトニトリル中で6−エチル
(メチル)アミンにより求核置換することによつて6−
エチル(メチル)アミノプリンをつくつた。6−エチル
(メチル)アミノプリン(2.8ミリモル、0.5g)および
ウラシルアラビノシド(5.6ミリモル、1.38g)を、10%
のn−プロパノール(v/v)を含む10mMリン酸カリウ
ム、0.04%アジ化カリウム溶液(pH7.4)575mlに懸濁し
た。精製ウリジンホスホリラーゼ(6000国際単位)およ
びプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(8400国際単位)
(Krenitsky等、Biochemistry20 3615,1981および米国
特許第4,381,444号明細書)を加え、溶液を37℃でかき
まぜた。19日後、反応物を濾過し、濾液をDowex−1−
水酸化物樹脂を含む2.5×13cmカラムでクロマトグラフ
イーを行なつた。樹脂を90%メタノール/水(v/v)で
溶離した。生成物を含むフラクシヨンを合わせ、溶媒を
真空下で除去した。残留物を30%n−プロパノール/水
(v/v)に溶かし、BioRad P−2カラム(7.5×90cm)上
でクロマトグラフイーを行なつた。生成物を含むフラク
シヨンを合わせ、凍結乾燥後、0.680gの6−エチル(メ
チル)アミノプリン−9−β−D−アラビノフラノシド
を得た。
分析:C13H19N5O4に対し計算 計算値:C,50.48;H,6.19;N,22.64 実測値:C,50.36;H,6.25;N,22.52 NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例11 9−β−D−アラビノフラノシル−2−アミノ−6−メ
トキシプリン 2−アミノ−6−メトキシプリン〔2−アミノ−6−
クロロプリン(Sigma Chemicals,セントルイス,ミズー
リ州)の塩素基をテトラヒドロフラン中水素化ナトリウ
ムを用いてメタノールにより求核置換してつくる〕(6.
4ミリモル、1.05g)を10mMリン酸カリウムおよび7%n
−プロパノール(v/v)中ウラシルアラビノシド溶液
(7.04ミリモル、1.75g)35mlと混合した。pHを6.75に
調節した。精製プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(18
000単位)およびウリジンホスホリラーゼ(1020単位)
を加え、溶液を37℃でインキユベーシヨンした。26日
後、反応物を濾過し、濾液を濃水酸化アンモニウムでpH
10.5に調節した後、Dowex−1−ギ酸塩樹脂のカラム
(2×7cm)上でクロマトグラフイーを行なつた。カラ
ムを7%n−プロパノール/水(v/v)で溶離し、生成
物を含むフラクシヨンを合わせ、溶媒を真空で除去し
た。残留物を25mlの水で抽出し、遠沈により濾液を固体
から分離した。室温に放置すると上澄から2−アミノ−
6−メトキシプリン−9−β−D−アラビノフラノシド
の結晶を生じ、真空乾燥後、0.327gの生成物を得た。
分析:C11H15N5O5に対し計算 計算値:C,44.44;H,5.09;N,23.56 実測値:C,44.49;H,5.13;N,23.52 NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例12 9−β−D−アラビノフラノシル−6−n−プロポキシ
プリン 6−n−プロポキシプリン(5.6ミリモル、1g)(Sig
ma Chemicals,セントルイス,ミズーリ州)を10mMリン
酸カリウムおよび7%n−プロパノール(v/v)中ウラ
シルアラビノシド溶液545ml(10.1ミリモル)と混合し
た。精製ウリジンホスホリラーゼ(680国際単位)およ
びプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(12000国際単
位)を加え、反応物を35℃でかきまぜた。58日後反応物
を濾過し、濾液を3℃で20時間貯蔵した。生じた沈殿を
遠心により集め、30%n−プロパノール/水(v/v)に
溶かし、pHを濃水酸化アンモニウムで10.5に調節後、Do
wex−1−ギ酸塩樹脂のカラム(2.5×5cm)上でクロマ
トグラフイーを行なつた。カラムを30%n−プロパノー
ル/水(v/v)で溶離し、生成物を含むフラクシヨンを
合わせ、溶媒を真空で除いた。残留物をn−プロパノー
ルに溶かし、BioRad P−2を含むカラム(5×90cm)で
クロマトグラフイーを行なつた。カラムを30%n−プロ
パノール/水(v/v)で溶離した。生成物を含むフラク
シヨンを合わせ、溶媒を真空下に除去後、残留物を水に
溶かし、BioRad P−2を含むカラム(5×90cm)でクロ
マトグラフイーを行なつた。カラムを水で溶離した。生
成物を含むフラクシヨンを合わせ、凍結乾燥後、0.758g
の6−n−プロポキシプリン−9−β−D−アラビノフ
ラノシド(一水和物として分析)を得た。
分析:C13H18N4O51.0H2Oに対し計算 計算値:C,47.56;H,6.14;N,17.06 実測値:C,47.63;H,6.13;N,17.11 NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例13 9−(5−O−ベンゾイル−β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9H−プリン 例3から得た9−(β−D−アラビノフラノシル)−
6−メトキシ−9−プリン(0.283g、1.0ミリモル)
を無水ジメチルアセトアミド(5.0ml)に溶解し、4℃
に冷却し、塩化ベンゾイル(0.155g、1.1ミリモル)を
加えた。混合物をアルゴン下で24時間かきまぜ、室温ま
でゆつくり温めた。更にもう1.1当量の塩化ベンゾイル
を室温で加え、かきまぜを更に24時間続けた。氷水50ml
上に注いで反応を停止させ、CHCl3(3×30ml)で抽出
し、有機抽出液を乾燥した(MgSO4)。蒸発後の残留物
を、シリカゲル(25.0g、2.5×15cm)上でCHCl3からCHC
l3:アセトン/1:1までの段階勾配を用いてフラツシユク
ロマトグラフイーを行なうことにより精製した。生成物
を含むフラクシヨン(シリカゲル、CHCl3:アセトン/1:1
を用いたときRf0.21)を合わせ望む化合物92mgを得た。
融点202〜204℃、 分析:C18H18N4O6に対する計算値:C,55.96;H,4.70;N.14.
50。実測値:C,56.04;H,4.74;N,14.40。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例14 6−メトキシ−9−〔5−O−(4−メチルフエニルス
ルホニル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9H−プリ
ン 新しく再結晶した塩化4−トルエンスルホニル(0.31
2g、1.63ミリモル)および例3から得た9−(β−D−
アラビノフラノシル)−6−メトキシ−9H−プリン(0.
308g、1.09ミリモル)を無水アセトニトリル(25ml)に
懸濁し、氷浴中で3℃に冷却し、ピリジン(5.0ml)を
加えてヌクレオシドを溶かした。溶液をアルゴン下3℃
で1時間かきまぜてから、−15℃に42時間保つた。5%
NaHCO3(3ml)で反応を停止させ、約10mlまで蒸発さ
せ、次に95%エタノールと同時蒸発させた。残留物を最
小量のシリカゲルに吸収させ、CH2Cl2:MeOH(15:1)中
シリカゲルフラツシユカラム(25.0g、2.5×15cm)に加
えた。この溶媒(450ml)で、次にCH2Cl2:MeOH(10:1,5
50ml)で溶離することにより3種類のUV吸収性物質を得
た。Rf=0.42(シリカゲル、CH2Cl2:MeOH10:1)を有す
る物質を含むフラクシヨンを合わせ、三回の連続シリカ
ゲル分散用クロマトグラフイー板上で更に精製した。最
初CH2Cl2:MeOH(10:1)を用い、二番目の2枚の板では
アセトン:CH2Cl2(1:1)を用いることにより望む物質88
mgを透明ガラス状物質として得た。
融点177〜181℃、 分析:C18H20N4O7S・0.15H2Oに対する計算値:C,49.23;H,
4.66;N,12.76。実測値:C,49.28;H,4.71;N,12.71。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例15 6−メトキシ−9−(5−O−メチルスルホニル−β−
D−アラビノフラノシル)−9H−プリン 例3から得た9−(β−D−アラビノフラノシル)−
6−メトキシ−9H−プリン(0.600g、2.13ミリモル)を
乾燥アセトニトリル(40ml)中に懸濁し、無水ピリジン
(8ml)を加えた。フラスコを−3℃氷/塩浴中で冷却
し、塩化メタンスルホニル(0.16ml、2.13ミリモル)を
加えた。25分後、溶液をH2O(3ml)で希釈し、10mlに濃
縮し、次に温度を終始38℃以下に保ちつつエタノールを
数回添加して同時蒸発させた。残留ピリジンを真空ポン
プで除去した。この残留物をCH2Cl2:MeOH(15:1)中で
平衡させたシリカゲルフラツシユカラム(25.0g、2.5×
15cm)に適用した。このカラムを最初はこの溶媒150ml
で、次にCH2Cl2:MeOH(10:1、450ml)で溶離した。Rf=
0.34(シリカゲル、CH2Cl2:MeOH10:1)をもつ物質を含
むフラクシヨンから0.448gの生成物(57%)を白色フオ
ームとして得た。
融点177〜181℃(分解)、 分析:C12H16N4O7S・0.5H2Oに対する計算値:C,39.02;H,
4.64;N,15.17。実測値:C,39.02;H,4.66;N,15.08。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例16 9−〔5−O−(4−メチルベンゾイル)−β−D−ア
ラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9H−プリン 例3から得た9−(β−D−アラビノフラノシル)−
6−メトキシ−9−プリン(0.283g、1.0ミリモル)
を無水アセトニトリル(10.0ml)に懸濁し、ピリジン
(2.3ml)を加えて完全に溶解させ、続いて塩化4−メ
チル−ベンゾイル(0.170g、1.1ミリモル)を加えた。
混合物をアルゴン下で室温において24時間かきまぜ、イ
ソプロパノール(5ml)の添加により反応を停止させ、
蒸発乾固し、エタノール(2×10ml)と同時蒸発させ
た。次に残留物をシリカゲル(25.0g、2.5×15cm)上で
CHCl3からCHCl3:アセトン1:1までの段階勾配を用いてフ
ラツシユクロマトグラフイーを行なうことにより精製し
た。Rf=0.41(シリカゲル、CHCl3:アセトン/1:1)をも
つ生成物を含むフラクシヨンを合わせ132mgの望む化合
物を得た。
融点127〜128℃、 分析:C19H20N4O6・0.5H2Oに対する計算書:C,55.74;H,5.
17;N,13.69。実測値:C,55.48;H,5.36;N,13.64。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例17 9−〔5−O−(4−クロロベンゾイル)−β−D−ア
ラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9H−プリン 例3から得た9−(β−O−アラビノフラノシル)−
6−メトキシ−9H−プリン(0.283g、1.0ミリモル)を
無水アセトニトリル(10.0ml)に懸濁し、ピリジン(2.
3ml)を加えて完全に溶解させ、続いて塩化4−クロロ
ゾイル(0.193g、1.1ミリモル)を加える。混合物をア
ルゴン下室温で24時間かきまぜ、イソプロパノール(5m
l)を加えて反応を停止させ、蒸発乾固し、エタノール
(2×10ml)と同時蒸発させた。次に残留物をシリカゲ
ル(25.0g、2.5×15cm)上でCHCl3からCHCl3:アセトン
(1:1)までの段階勾配を用いてフラツシユクロマトグ
ラフイーを行なうことにより精製した。Rf0.37(シリカ
ゲル、CHCl3:アセトン1:1)をもつ生成物を含むフラク
シヨンを合わせ、望む化合物105mgを得た。
融点122〜124℃、 分析:C18H17ClN4O6・0.5H2Oに対する計算値:C,50.30;H,
4.22;N,13.04。実測値:C,50.20;H,4.28;N,12.94。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例18 9−〔5−O−(4−メトキシベンゾイル)−β−D−
アラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9H−プリン 例3から得た9−(β−D−アラビノフラノシル)−
6−メトキシ−9−プリン(0.283g、1.0ミリモル)
を無水アセトニトリル(10.0ml)に懸濁し、ピリジン
(2.3ml)を加えて完溶させ、続いて塩化4−メトキシ
ベンゾイル(1.1ミリモル)を加えた。混合物をアルゴ
ン下室温で24時間かきまぜ、イソプロパノール(5ml)
を加えて反応を停止させ、蒸発乾固し、続いてエタノー
ル(2×10ml)と同時蒸発させた。次に残留物をシリカ
ゲル(25.0g、2.5×15cm)上でCHCl3からCHCl3:アセト
ン(1:1)までの段階勾配を用いてフラツシユクロマト
グラフイーにより精製した。Rf0.30(シリカゲル、CHCl
3:アセトン1:1)をもつ生成物を含むフラクシヨンを合
わせ望む化合物110mgを得た。
融点195〜197℃、 分析:C19H20N4O7・0.25H2Oに対する計算値:C,54.22;H,
4.91;N,13.31。実測値:C,54.22;H,4.94;N,13.30。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例19 6−メトキシ−9−(5−O−フエニルアセチル−β−
D−アラビノフラノシル)−9H−プリン 例3から得た9−(β−D−アラビノフラノシル)−
6−メトキシ−9−プリン(0.300g、1.06ミリモル)
をアセトニトリル(25ml)中に懸濁し、続いて無水ピリ
ジン(5ml)を加えた。溶液を氷浴中で3℃に冷却し、
塩化フエニルアセチル(0.20ml、1.5ミリモル)を加え
た。3℃で1時間かきまぜた後、溶液を−15℃に40時間
冷却した。反応を5%NaHCO3(3ml)で停止させ、10ml
に濃縮し、次にエタノールを数回加えて蒸発させた。残
留物をCH2Cl2:MeOH(15:1)にとり、同じ溶媒で充填し
たシリカゲルフラツシユカラム(25.0g、2.5×15cm)に
適用し、この溶媒500ml、続いて(15:1)CH2Cl2:エタノ
ール(15:1、500ml)で溶離した。Rf=0.38(シリカ、1
0:1CH2Cl2:メタノール)をもつフラクシヨンから高Rf不
純物が混入した粗製生成物0.128gを得た。CH2Cl2:MeOH
(10:1)を用いた分取用層クロマトグラフイーおよびそ
れに続くアセトン:CH2Cl2(1:1)を用いる第二のプレー
トにより更に精製し、望みの生成物を白色フオームとし
て0.102gを得た。
融点74〜75℃、 分析:C19H20N4O6・0.1H2Oに対する計算値:C,56.74;H,5.
06;N,13.93。実測値:C,56.74;H,5.11;N,13.90。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例20 6−メトキシ−9−(5−O−フエニルオキシアセチル
−β−D−アラビノフラノシル)−9H−プリン 9−(β−D−アラビノフラノシル)−6−メトキシ
−9−プリン(例3から得る)(0.322g、1.14ミリモ
ル)を乾燥アセトニトリル(25ml)に懸濁し、次に無水
ピリジン(5ml)を加えた。溶液を氷浴中で3℃に冷却
し、塩化フエノキシアセチル(0.24ml、1.7ミリモル)
を加えた。3℃で2時間かきまぜた後、反応を5%NaHC
O3(2ml)で停止させ、10mlに濃縮し、エタノールを数
回加えながら蒸発させた。この残留物をCH2Cl2:エタノ
ール(15:1)中シリカゲル(25.0g、2.5×15cm)でフラ
ツシユクロマトグラフイーを行なうことにより精製し
た。この溶媒400mlで、続いて10:1CH2Cl2:メタノール
(500ml)、および9:1CH2Cl2:メタノール(300ml)で溶
離して粗製生成物0.213gを得た。この物質をメタノール
から再結晶して白色結晶物質0.101g(20%)を得た。
融点193〜195℃、 分析:C19H20N4O7・0.05H2Oに対する計算値:C,54.69;H,
4.85;N,13.43。実測値:C,54.69;H,4.89;N,13.40。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例21 6−メトキシ−9−(5−O−メトキシアセチル−β−
D−アラビノフラノシル)−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(0.300g、1.06ミリ
モル)をアセトニトリル(25ml)に懸濁し、続いて無水
ピリジン(5ml)を加えた。この溶液を氷/塩浴中で−
3℃に冷却し、塩化メトキシアセチル(0.10ml、1.1ミ
リモル)を加えた。氷/塩浴中で2時間かきまぜ後、5
%NaHCO3(2ml)で反応を停止させ、10mlに濃縮し、次
にエタノールを数回加えながら蒸発させた。残留物を1
0:1CH2Cl2:MeOH中で充填したシリカゲルフラツシユカラ
ム(25.0g、2.5×15cm)に適用した。この溶媒500mlに
続き9:1CH2Cl2:MeOH(300ml)で溶離して0.086gの粗製
生成物を得た。この物質をMeOHおよびH2Oから再晶して
0.035g(9.3%)の白色結晶を得た。
融点137〜139℃、 分析:C14H18N4O7・0.5H2Oに対する計算値:C,46.28;H,5.
27;N,15.42。実測値:C,46.33;H,5.27;N,15.37。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例22 9−〔5−O−(4−ニトロベンゾイル)−β−D−ア
ラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(0.283g、1.0ミリ
モル)を無水アセトニトリル(10.0ml)中に懸濁し、ピ
リジン(2.3ml)を加えて完溶し、続いて塩化4−ニト
ロベンゾイル(0.205g、1.1ミリモル)を加えた。混合
物を室温でアルゴン下に24時間かきまぜ、次にイソプロ
パノール(5ml)を加えて反応を停止させ、蒸発乾固
し、次にエタノール(2×10ml)と同時蒸発させた。次
に、残留物をシリカゲル(25.0g、2.5×15cm)上でCHCl
3からCHCl3:アセトン(1:1)までの段階勾配を用いてフ
ラツシユクロマトグラフイーにより精製した。Rf=0.37
(シリカゲル、CHCl3:アセトン1:1)をもつ生成物を含
むフラクシヨンを合わせ、望む化合物105mgを得た。
融点202〜203℃、 分析:C18H17N5O8に対する計算値:C,50.12;H,3.97;N,16.
24。実測値:C,50.21;H,4.02;N,16.16。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例23 6−メトキシ−9−(5−O−ペンタノイル−β−D−
アラビノフラノシル)−9H−プリン 例3から得られた9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(0.852g、3.01ミリ
モル)を、乾燥アセトニトリル75ml)に懸濁し、乾燥ピ
リジン(15ml)を加えた。溶液を氷/水浴中で冷却し、
塩化ペンタノイル(0.4ml、3.31ミリモル)を加えた。
2時間後、3mlのメタノールを加えて反応を停止させ、
蒸発させて透明粘稠油を得た。残留物をCHCl3からCHC
l3:MeOH(9:1)までの段階勾配を用いたシリカゲル上の
フラツシユクロマトグラフイーにより精製した。これに
より330mgの生成物を得たが、このものは対応する2′
−エステル(例32参照)および低Rfの未知物質が混入し
ていた。この残留物を、H2O70%:CH3CN30%中10mg/ml溶
液に調製し、注入体積1.0mlを用いた逆相分取HPLC(All
tech C18,10mm×25cm、粒径10ミクロン、溶媒は前と同
じ、4.0ml/分)により更に精製した。残留物をアセトン
と同時蒸発させ260mgの白色のもろいフオーム(24%)
を得た。
融点85〜95℃、 分析:C16H22N4O6・0.05(CH32CO・0.55H2Oに対する計
算値:C,51.16;H,6.22;N,14.78。実測値:C,50.98;H,6.0
3;N,14.63。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例24 9−〔5−O−(4−アミノベンゾイル−β−D−アラ
ビノフラノシル)〕−6−メトキシ−9H−プリン 例22から得られる9−〔5−O−(4−ニトロベンゾ
イル)−β−D−アラビノフラノシル〕−6−メトキシ
−9−プリン(0.350g、0.81ミリモル)をエタノール
(100.0ml)に懸濁し、10%パラジウム/炭素(0.100
g)を加えた。系の排気および水素充填を交互に繰り返
した後、反応物をParr装置中50ポンド/平方インチで3
時間振盪した。次にCeliteを通して混合物を濾過し、濾
液を蒸発乾固した。蒸発後の残留物をメタノールに懸濁
し、濾過して望む化合物を白色固体(0.285g、88%)と
して得た。
融点198〜200℃、 分析:C18H19N5O6・0.3H2Oに対する計算値:C,53.15;H,4.
86;N,17.22。実測値:C,52.96;H,4.64;N,17.07。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例25 6−メトキシ−9−(5−O−プロピオニル−β−D−
アラビノフランシル)−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(0.847g、3.0ミリ
モル)を無水アセトニトリル(30.0ml)に懸濁し、ピリ
ジン(9.0ml)を加えて完溶させた。5℃に冷却後、塩
化プロポニル(0.305g、3.3ミリモル)を加え、混合物
をアルゴン下に一晩かきまぜ、この間に13℃まで温め
た。イソプロパノール(5ml)で反応を停止させ、蒸発
乾固し、エタノール(2×10ml)と同時蒸発させ、残留
物をシリカゲル(25.0g、2.5×15cm)上でCHCl3からCHC
l3:アセトン(1:1)までの段階勾配を溶いてフラツシユ
クロマトグラフイーを行なうことにより精製した。Rf=
0.38(シリカゲル、CHCl3:アセトン/1:1)をもつ生成物
を含むフラクシヨンを合わせ、この物質をシリカゲル上
の中圧クロマトグラフイー(連結カラム、1.5×25.0cm
と1.5×100.0cm;CHCl3:アセトン3:1)により更に精製
し、望む化合物0.114gを白色固体として得た。
融点62〜64℃、 分析:C14H18N4O6・0.5CH3OHに対する計算値:C,50.68;H,
5.76;N,15.25。実測値:C,50.72;H,5.80;N,15.28。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例26 9−(5−O−ブタノイル−β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(0.847g、3.0ミリ
モル)を無水アセトニトリル(30.0ml)に懸濁し、ピリ
ジン(9.0ml)を加えて完溶させた。5℃に冷却後、塩
化ブチリル(0.352g、3.3ミリモル)を加え、混合物を
アルゴン下で一晩かきまぜ、この間に13℃まで温めた。
イソプロパノール(5ml)で反応を停止させ、蒸発乾固
し、エタノール(2×10ml)と同時蒸発させ、残留物を
シリカゲル(25.0g、2.5×15cm)上でCHCl3からCHCl3:
アセトン(1:1)までの段階勾配を用いてフラツシユク
ロマトグラフイーを行なうことにより精製した。この物
質をシリカゲル上の中圧クロマトグラフイー(連結カラ
ム、1.5×25.0cmおよび1.5×100.0cm;CHCl3:アセトン2:
1)により更に精製して望む化合物267mgを白色固体とし
て得た。
融点108〜110℃、 分析:C15H20N4O6に対する計算値:C,51.13;H,5.72;N,15.
90。実測値:C,51.21;H,5.73;N,15.81。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例27 9−〔5−O−(2,2−ジメチルプロピオニル)−β−
D−アラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(0.850g、3.01ミリ
モル)を乾燥アセトニトリル(75ml)中に懸濁し、無水
ピリジン(15ml)を加えた。溶液を氷浴中で3℃に冷却
し、塩化2,2−ジメチルプロピオニル(0.41ml、3.3ミリ
モル)を加えた。3℃で6時間かきまぜ後、反応をMeOH
(2ml)で停止させ、10mlに濃縮し、次にエタノールを
数回加えて同時蒸発させた。残留物をCH2Cl2:MeOH(10:
1)で充填したシリカゲルフラツシユカラム(20.0g、2.
5×12.0cm)に適用した。この溶媒300mlで溶離し、出発
原料0.464gおよび粗製生成物0.553gを得た。CH2Cl2から
CH2Cl2中MeOH(1:9)までの勾配で溶離するフラツシユ
クロマトグラフイー(シリカ、2.5×10.0cm)により更
に精製すると0.419g(38%)の透明ガラス状物質が得ら
れた。
融点73〜76℃、 分析:C16H22N4O6・0.5H2Oに対する計算値:C,51.19;H,6.
18;N,14.93。実測値:C,51.43;H,6.06;N,14.91。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例28 9−(5−O−アセチル−β−D−アラビノフラノシ
ル) 6−メトキシ−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(0.850g、3.01ミリ
モル)を乾燥アセトニトリル(75ml)中に懸濁し、続い
て無水ピリジン(15ml)を加えた。溶液を氷浴中で3℃
に冷却し、塩化アセチル(0.24ml、3.4ミリモル)を加
えた。氷/塩浴中で30分間かきまぜ後、メタノール(2m
l)で反応を停止させ、10mlに濃縮し、次にエタノール
を数回添加して蒸発させた。残留物を、CH2Cl2:MeOH(1
0:1、300ml)で溶離するシリカゲル(25.0g、2.5×15c
m)上のフラツシユクロマトグラフイーにより精製して
粗製生成物0.710gを得た。CH2Cl2:MeOH(15:1)で溶離
する二回目のカラム(25.0g、2.5×15cm)によつて0.61
0gの透明ガラス状物質を得たが、このものは依然少量の
高Rf不純物を含んでいた。この生成物を更に精製するた
めにCH2Cl2:MeOH(9:1)を用いた分取層クロマトグラフ
イーを行ない、次に板のかき取り分をCH2Cl2中フラツシ
ユカラム(20.0g、2.5×12cm)上に充填し、CH2Cl2中Me
OHの勾配で溶離することによつて望む生成物を白色フオ
ーム(0.308g、31%)として得た。
融点64〜67℃、 分析:C13H16N4O6・0.5H2Oに対する計算値:C,46.85;H,5.
14;N,16.81。実測値:C,47.04;H,5.12;N,16.72。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例29 6−メトキシ−9−〔5−O−(2−メチルプロビオニ
ル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(0.500g、1.77ミリ
モル)を乾燥アセトニトリル(25ml)に懸濁し、続いて
無水ピリジン(5ml)を加えた。溶液を氷浴中で3℃に
冷却し、塩化イソブチリル(0.21ml、2.0ミリモル)を
加えた。3℃で3時間かきまぜ後、反応をMeOH(2ml)
で停止させ、10mlに濃縮し、次にエタノールを数回添加
して同時蒸発させた。この残留物をCH2Cl2:MeOH(10:
1)中で詰めたシリカゲルフラツシユカラム(25.0g、2.
5×15cm)に適用した。この溶媒300mlで溶離して0.167g
の出発原料および0.221gの粗製生成物を得た。この生成
物を更に精製するためにCH2Cl2:MeOH(9:1)を用いる分
取層クロマトグラフイーを行ない、続いて板のけずり取
り部分をCH2Cl2で詰めたシリカゲルフラツシユカラム
(16.0g、2.5×10cm)上に充填した。このカラムをCH2C
l2中MeOHの勾配で溶離し、0.127gの透明ガラス状物質
(20%)を得た。
融点68〜71℃、 分析:C15H20N4O6・0.25H2O・0.05MeOHに対する計算値:
C,50.43;H,5.82;N,15.63。実測値:C,50.49;H,5.83;N,1
5.62。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例30 6−メトキシ−9−〔2−O−(2,2−ジメチルプロピ
オニル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9H−プリン 例3記載の9−(β−D−アラビノフラノシル)−6
−メトキシ−9−プリン(298.5mg、1.06ミリモ
ル)、4−ジメチルアミノピリジン(1mg、10μモ
ル)、アセトニトリル(20ml)、およびピリジン(5m
l)を温度計、アルゴン導入弁、マグネチツクスターラ
ー、コンデンサー、および加熱マントルを具えた三頚丸
底フラスコに加えた。トリメチル酢酸無水物(0.22ml、
1.06ミリモル)を加え、溶液を40℃に26時間加熱した。
この時点で水2mlを加えることにより反応を停止させ、
蒸発させて透明な油とした。この残留物をCHCl3からCHC
l3:MeOH(9:1)までの段階勾配を用いてシリカゲル上の
フラツシユクロマトグラフイーにより精製した。この物
質をCHCl3:MeOH(9:1)を用いた分取層クロマトグラフ
イーにより更に精製し、四塩化炭素およびアセトンと同
時蒸発させることにより90mgの白色のもろいフオームを
得た。
分析:C16H22N4O6・0.05(CH32CO・0.45CCl4に対する
計算値:C,45.47;H,5.13;N,12.78。実測値:C,45.67;H,5.
27;N,12.67。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例31 6−メトキシ−9−〔(2,3,5−トリ−O−アセチル)
−β−D−アラビノフラノシル〕−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(1.00g、3.57ミリ
モル)、4−ジメチルアミノピリジン(0.0098g、80μ
モル)、トリエチルアミン(0.59ml、4.2ミリモル)、
および無水アセトニトリル(52ml)を、温度計、アルゴ
ン入口、マグネチツクスターラー、およびドライアイス
/アセトン浴を具えた三頚丸底フラスコに加えた。この
乳状溶液を−20℃に冷却後、無水酢酸(2.4ml、25.4ミ
リモル)を加えた。溶液は直ちに透明に変つた。5分
後、MeOH(5ml)で反応を停止させ、蒸発させて透明粘
稠な油とした。CHCl3とMeOHの勾配を用いたシリカゲル
上のフラツシユクロマトグラフイーにより生成物を透明
粘稠な油として得た。この物質を最小量のアセトンに溶
かし、水で希釈し、凍結乾燥することにより1.03g(71
%)の生成物が白色粉末として単離された。
分析:C17H20N4O8に対する計算値:C,50.00;H,4.94;N,13.
72。実測値:C,49.80;H,5.09;N,13.50。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例32 6−メトキシ−9−(2−O−ペンタノイル−β−D−
アラビノフラノシル)−9H−プリン 方法1 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(283mg、1.0ミリモ
ル)、アセトニトリル(20ml)、およびピリジン(5m
l)を、温度計、アルゴン導入弁、およびマグネチツク
スターラーを具えた三頚丸底フラスコに加えた。吉草酸
無水物(0.2ml、1.0ミリモル)を加え、溶液を20℃で3
時間かきまぜた。反応を水(2ml)で停止させ、蒸発さ
せて透明油状物とし、次に、CHCl3からCHCl3:MeOH(9:
1)までの段階勾配を用いたシリカゲル上のフラツシユ
クロマトグラフイーにより精製した。これにより、110m
gの2′−エステルを得たが、このものは5′−エステ
ル(例23参照)、低Rf物質が混入していた。この物質を
シリカ上CHCl3:MeOH(9:1)を用いた分取層クロマトグ
ラフイーにより更に精製し、アセトンと同時蒸発させて
70mgの2′−エステルを透明ガラス状物質として得た。
分析:C16H22N4O6・0.5(CH32COに対する計算値:C,53.
16;H,6.37;N,14,17。実測値:C,52.89;H,6.37;N,13.96。
NMRおよび質量スペクトルはこの構造と一致した。
方法2 6−メトキシ−9−〔3,5−O−(1,1,3,3−テトライ
ソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−β−D−ア
ラビノフラノシル〕−9−プリン(2.5g、4.8ミリモ
ル)を、4−ジメチルアミノピリジン(0.06g、0.47ミ
リモル)と共に250ml丸底フラスコに加えた。乾燥アセ
トニトリル(30ml)およびトリエチルアミン(2.65ml)
を加え、定速滴下ロートにアセトニトリル(20ml)およ
び無水ペンタン酸(1.13ml、5.7ミリモル)を入れた。
反応混合物をアルゴン気流下に3℃の氷浴中で冷却し
た。無水ペンタン酸溶液を2時間にわたりゆつくり加え
た。次に、反応混合物をメタノール(10ml)で処理し、
減圧下で濃縮した。残留物をCHCl3(200ml)にとり、H2
O(2×50ml)で抽出した。合わせた水層をCHCl3(25m
l)で逆抽出し、合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、濾
過し、濃縮して3.44gの粗製生成物を得た。この粗製6
−メトキシ−9−〔2−O−ペンタノイル−3,5−O−
(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジ
イル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9−プリン
をテトラヒドロフラン(120ml)および水(3ml)に溶か
した。この溶液を氷浴中で3℃に冷却し、テトラヒドロ
フラン(6.0ml)中テトラブチルアンモニウムフツ化物
の1.0M溶液を加えた。1.5時間後、飽和塩化アンモニウ
ム溶液(2ml)を加え、反応混合物をクロロホルムで詰
めたシリカゲル洗浄カラム(5.0×8.0cm)に直接通し
た。このカラムをクロロホルム(200ml)で、次に1:1ア
セトン:クロロホルム(400ml)で溶離し、生成物を含
むフラクシヨンの全部を合わせて濃縮した。最終的な精
製はCHCl3中アセトンの段階勾配を用いて溶離するシリ
カゲルフラツシユカラム(5.0×15cm)で行ない、ペン
タン酸の混入した透明粘稠ガラス状物質1.17g(67%)
を得た。
分析:C16H22N4O6・0.2C5H10O2に対する計算値:C,52.79;
H,6.25;N,14.48。実測値:C,52.97;H,6.38;N,14.60。
例33 9−(2−O−ブタノイル−β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(283mg、1.0ミリモ
ル)、アセトニトリル(20ml)、および乾燥ピリジン
(5ml)を、温度計、アルゴン入口、マグネチツクスタ
ーラーを取付けて4℃に冷却した三頚丸底フラスコに加
えた。酪酸無水物(170μ、1.0ミリモル)を加え、溶
液をアルゴン下で5℃において6時間かきまぜた。この
時点で水2mlを加えることにより反応を停止させ、蒸発
して透明油状物を得た。反応混合物を、CHCl3から1:1CH
Cl3:アセトンまでの段階勾配を用いるフラツシユクロマ
トグラフイーにより精製した。この物質をシリカゲル上
9:1CHCl3:MeOHを用いる分取層クロマトグラフイーによ
り更に精製し、90mgの2′−エステルを透明な油として
得た。
分析:C15H20N4O6・0.3H2Oに対する計算値:C,50.36;H,5.
80;N,15.66。実測値:C,50.36,H,5.81;N,15.66。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例34 6−メトキシ−9−〔2−O−(2−メチルプロピオニ
ル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(290.0mg、1.03ミ
リモル)、アセトニトリル(20ml)、およびピリジン
(5ml)を、温度計、アルゴン入口、マグネチツクスタ
ーラー、コンデンサー、および加熱マントルを具えた三
頚丸底フラスコに加えた。イソ酪酸無水物(170μ、
1.0ミリモル)を加え、溶液を30℃に4時間加熱した。
この点で2μの水を加えて反応を停止させ、蒸発させ
て透明油状物を得た。この残留物をCHCl3からCHCl3:MeO
H(9:1)までの段階勾配を用いたシリカゲル上のフラツ
シユクロマトグラフイーにより精製した。Rf=0.54(シ
リカ、CHCl3:MeOH20:1)をもつ生成物を含むフラクシヨ
ンを、CHCl3:MeOH(9:1)を用いてシリカゲル上の分取
層クロマトグラフイーを行なうことにより更に精製し
た。これにより2′−エステル90.0mgが透明なガラス状
物質として得られた。
分析:C15H20N4O6・0.1C3H6Oに対する計算値:C,51.31;H,
5.80;N,15.64。実測値:C,51.41;H,5.81;N,15.72。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例35 9−(3−O−ベンゾイル−β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9H−プリン 9−(2,3−アンヒドロ−β−D−リキソフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(その製造について
は例36参照)(0.264g、1.0ミリモル)を無水エタノー
ル(20.0ml)に溶かし、加熱して還流させ、安息香酸ア
ンモニウム(0.209g、1.5ミリモル)をアルゴン下で加
えた。更に1.5ミリモルの安息香酸アンモニウムを24時
間および35時間で加えた。48時間還流後、反応物を蒸発
乾固した。蒸発後の残留物をCHCl3:アセトン/3:1を用い
るシリカゲル(25.0g、2.5×15cm)上のフラツシユクロ
マトグラフイーにより精製した。Rf0.52(シリカゲル、
CHCl3:アセトン/1:1)をもつ生成物を含むフラクシヨン
から望む化合物138mgを得た。
融点180〜182℃、 分析:C18H18N4O6に対する計算値:C,55.96;H,4.70;N,14.
50。実測値:C,55.90;H,4.71;N.14.44。
NMRおよび質量分析はこの構造と一致した。
例36 9−(2,3−アンヒドロ−β−D−リキソフラノシル)
−6−メトキシプリン トリフエニルホスフイン(5.902g、22.5ミリモル)を
1,4−ジオキサン(138ml)に溶かし、70℃に加温した。
これに例3から得た9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(4.234g、15.0ミリ
モル)を加え、混合物を10分間かきまぜ、1,4−ジオキ
サン(50ml)中ジエチルアゾジカルボキシレート(3.91
9g、22.5ミリモル)を10分間にわたり滴加した。反応物
を70℃で1時間かきまぜ、室温まで冷却し、蒸発させて
重い褐色油を得た。この物質を、CHCl3:アセトン(5:
1、3.6)およびCHCl3:アセトン(3:1、2.0)で溶離
するシリカ(188.0g、5.0×21.0cm)上のフラツシユク
ロマトグラフイーにより精製した。Rf=0.24(シリカ、
CHCl3:アセトン1:1)をもつ物質を含むフラクシヨンを
合わせ、蒸発乾固させた。この残留物をEtOAcで溶離す
るシリカ(250.0g、5.0×28.0cm)上のフラツシユクロ
マトグラフイーにより更に精製して望む物質を白色フオ
ームとして2.452g(62%)得た。
融点144〜145.5℃、 分析:C11H12N4O4・0.25C3H6O・0.05CHCl3に対する計算
値:C,49.78;H,4.80;N,19.68。実測値:C,49.80;H,4.95;
N,19.87。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例37 6−メトキシ−9−〔(2−O−(4−メトキシベンゾ
イル))−β−D−アラビノフラノシル〕−9H−プリン 6−メトキシ−9−〔2−(4−メトキシベンゾイ
ル)−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロ
キサン−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシ
ル〕−9−プリン(製造については下記の例43参照)
(0.86g、1.3ミリモル)をTHF(40ml)に溶かし、H2O
(1ml)を加えた。溶液を3℃に冷却し、THF(6.3ml)
中フツ化テトラブチルアンモニウムの1.0M溶液を加え
た。30分後、更に5mlのH2Oを加え、反応物を半分に濃縮
し、CH2Cl3で詰めたシリカゲルフラツシユカラム(25.0
g、2.5×15cm)上に直接通した。カラムをCH2Cl2(200m
l)で、次にCH2Cl2:MeOH(20:1、400ml)で溶離し、Rf
=0.20(シリカ、CH2Cl2:MeOH20:1)を有する物質を含
む全フラクシヨンを合わせ0.570gの白色フオームを得
た。最終的な精製はCHCl3で詰めたシリカゲルフラツシ
ユカラム(5.0×15cm)で行なつた。クロロホルム中ア
セトンの段階勾配を用いた溶離により0.325g(60%)の
生成物を白色フオームとして得た。
融点71〜75℃、 分析:C19H20N4O7・0.3CHCl3・0.25C3H6Oに対する計算
値:C,51.60;H,4.71;N,12.00。実測値:C,51.56;H,4.70;
N,11.95。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例38 6−メトキシ−9−〔(2−O−(4−メチルベンゾイ
ル))−β−D−アラビノフラノシル〕−9H−プリン 6−メトキシ−9−〔2−(4−メチルヘンゾイル)
−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサ
ン−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシル〕−
−プリン(製造については例42を参照)(0.85g、
1.3ミリモル)をTHF(40ml)および水(1ml)に溶かし
た。溶液を3℃に冷却し、THF(5.0ml)中フツ化テトラ
ブチルアンモニウムの1.0M溶液を加えた。30分後、更に
5mlのH2Oを加え、反応物の体積を半分に濃縮し、CH2Cl2
で詰めたシリカゲルフラツシユカラム(20.0g、2.5×12
cm)に直接通した。カラムをCH2Cl2(200ml)、次にCH2
Cl2:MeOH(15:1、400ml)で溶離し、Rf=0.20(シリ
カ、CH2Cl2:MeOH20:1)をもつ物質を含む全フラクシヨ
ンを合わせた。この粗製生成物をアセトン:CH2Cl2(1:
1)で詰めた第二のシリカゲルフラツシユカラム(25.0
g、2.5×18cm)に適用した。同じ溶媒で溶離して0.633g
の生成物を得、このものを分取層クロマトグラフイー
(シリカ、アセトン:CH2Cl21:1)およびフラツシユクロ
マトグラフイー(25.0g、2.5×15cm)により更に精製し
た。カラムをCHCl3中アセトンの段階勾配を用いて溶離
し、0.243g(47%)の透明ガラス状物質を得た。
融点69〜73℃、 分析:C19H20N4O6・0.4C3H6O・0.25CHCl3に対する計算
値:C,54.17;H,5.03;N,12.36。実測値:C,54.00;H,5.08;
N,12.30。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例39 9−〔2−O−(4−クロロベンゾイル)−β−D−ア
ラビノフラノシル〕−6−メトキシ−9H−プリン 9−〔2−(4−クロロベンゾイル)−3,5−O−
〔1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジ
イル)−β−D−アラビノフラノシル〕−6−メトキシ
−9−プリン(その製造については例44参照)(1.07
g、1.7ミリモル)をTHF(40ml)およびH2O(1ml)に溶
かした。溶液を3℃に冷却し、THF(4.5ml)中フツ化テ
トラブチルアンモニウムの1.0M溶液を加えた。30分後、
更に5mlのH2Oを加え、反応混合物をCH2Cl2中で詰めたシ
リカゲルフラツシユカラム(20.0g、2.5×12cm)に直接
通した。カラムをCH2Cl2(200ml)続いてCH2Cl2:MeOH
(20:1、400ml)で溶離し、Rf=0.20(シリカ、CH2Cl2:
MeOH20:1)を有する物質を含む全フラクシヨンを合わせ
た。粗製生成物をアセトン:CHCl3(1:1)で詰めたシリ
カゲルフラツシユカラム(30.0g、2.5×18cm)に適用し
た。同溶媒で溶離して0.269gの生成物を得、このものを
分取層クロマトグラフイー(シリカ、アセトン:CHCl32:
3)およびフラツシユクロマトグラフイー(25.0g、2.5
×15cm)により更に精製した。カラムをCHCl3中アセト
ンの段階勾配で溶離した。この生成物を無水エーテルに
とり、石油エーテル(40〜60℃)で沈殿させ、この沈殿
を凍結乾燥して0.082g(12%)の白色粉末を得た。
融点76〜81℃、 分析:C18H17N4O6Cl・1.20H2O.0.35C3H6Oに対する計算
値:C,49.45;H,4.68;N,12.11。実測値:C,49.78;H,4.38;
N,11.88。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例40 6−メトキシ−9−〔3,5−O−(1,2,3,3−テトライソ
プロピル−1,3−ジシロキサン−1,3−ジイル)−β−D
−アラビノフラノシル〕−9H−プリン 例3から得られる9−(β−D−アラビノフラノシ
ル)−6−メトキシ−9−プリン(1.0g、3.54ミリモ
ル)およびイミダゾール(0.965g、14.2ミリモル)を乾
燥ジメチルホルムアミド(10ml)に溶かし、溶液を3℃
に冷却した。次に、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライ
ソプロピルジシロキサン(1.35ml、3.90ミリモル)を加
え、混合物をアルゴン下で3時間かきまぜた。次に反応
混合物をH2O(1ml)で失活させ、減圧下に濃縮した。残
留物を酢酸エチル(150ml)とH2O(50ml)との間に分配
し、酢酸エチル層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、乾燥し
た。粗製生成物を酢酸エチルにとり、酢酸エチル中シリ
カゲル(25.0g、2.5×15cm)上のフラツシユクロマトグ
ラフイーにより精製した。Rf0.70(シリカ、酢酸エチ
ル)をもつフラクシヨンから1.48g(80%)の望む物質
を白色固体として得た。
UVmax:EtOH248.4nm NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例41 6−メトキシ−9−〔2−O−(2−アミノベンゾイ
ル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9H−プリン 例3からの9−(β−D−アラビノフラノシル)−6
−メトキシ−9−プリン(0.283g、1.0ミリモル)、
アセトニトリル(15ml)、イサト酸無水物(0.189g、1.
1ミリモル)、および重炭酸ナトリウム(84mg、1.0ミリ
モル)を、温度計、アルゴン導入弁、マグネチツクスタ
ーター、コンデンサーおよび加熱マントルを具えた三頚
丸底フラスコに加えた。懸濁系を3.5時間還流し、次に
更に1当量のイサト酸無水物を加えた。更に1時間還流
後、反応物を室温まで冷却し、濾過し、濾液を蒸発させ
てフオーム様無定形物質とした。この残留物をCHCl3
ら9:1CHCl3:MeOHまでの段階勾配を用いたシリカ上のフ
ラツシユクロマトグラフイーにより精製した。これによ
つて53.1mgの2′−エステルをもろいガラス状物質とし
て得た。
融点91〜93℃。
分析:C18H19N5O5・0.3H2O・0.2CH4Oに対する計算値:C,5
2.90;H,4.98;N,16.95。実測値:C,53.23;H,4.98;N,17.2
1。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例42 6−メトキシ−9−〔2−(4−メチルベンゾイル)−
3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン
−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9H
−プリン 例40から得られる6−メトキシ−9−〔3,5−O−
(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジ
イル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9−プリン
(1.0g、1.9ミリモル)を4−ジメチルアミノピリジン
(0.02g、0.16ミリモル)、アセトニトリル(25ml)、
およびトリエチルアミン(0.4ml)と共に100ml丸底フラ
スコに加え、溶液を氷浴中3℃に5分間冷却した。塩化
トルオイル(0.30ml、2.3ミリモル)を加え、混合物を
3℃で3時間かきまぜた。次に、更にトリエチルアミン
(0.5ml)および塩化トルオイル(0.5ml)を加え、混合
物を室温まで加温した。7時間後、混合物をメタノール
(2ml)で処理し、減圧下で濃縮し、残留物をCH2Cl2
シリカゲルフラツシユカラム(2.5×15cm)に適用し
た。カラムをCH2Cl2:MeOH(10:1、400ml)で溶離し、0.
90g(74%)の望む生成物を得た。
分析:C31H46N4O7Si2に対する計算値:C,57.92;H,7.21;N,
8.71。実測値:C,57.69;H,7.43;N,8.40。
NMRおよび質量分析は構造と一致した。
例43 6−メトキシ−9−〔2−(4−メトキシベンゾイル)
−3,5−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサ
ン−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシル)−9
H−プリン 例40から得られる6−メトキシ−9−〔3,5−O−
(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジ
イル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9−プリン
(1.0g、1.9ミリモル)を4−ジメチルアミノピリジン
(0.02g、0.16ミリモル)、アセトニトリル(25ml)、
およびトリエチルアミン(0.4ml)と共に100ml丸底フラ
スコに加え、続いて塩化アニソイル(0.35ml、2.5ミリ
モル)を入れた。室温で4時間後、反応混合物をメタノ
ール(2ml)で処理し、減圧下で濃縮した。残留物をCH2
Cl2:MeOH(20:1)中シリカゲルフラツシユカラム(25.0
g、2.5×15cm)に適用した。同溶媒で溶離し望む生成物
0.930g(74%)を得た。
分析:C31H46N4O8Si2・0.35H2Oに対する計算値:C,55.97;
H,7.98;N,8.42。実測値:C,56.02;H,7.01;N,8.32。
例44 9−〔2−(4−クロロベンゾイル)−3,5−O−(1,
1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイ
ル)−β−D−アラビノフラノシル)−6−メトキシ−
9H−プリン 例40から得られる6−メトキシ−9−〔3,5−O−
(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジ
イル)−β−D−アラビノフラノシル〕−9−プリン
(1.0g、1.9ミリモル)を、4−ジメチルアミノピリジ
ン(0.02g、0.16ミリモル)、アセトニトリル(25m
l)、およびトリエチルアミン(0.4ml)と共に、250ml
丸底フラスコに加え、溶液を氷浴中で3℃に5分間冷却
した。塩化4−クロロベンゾイル(0.31ml、2.5ミリモ
ル)を加え、反応混合物を氷浴から取り出した。室温で
8時間後、溶液をMeOH(3ml)で処理し、減圧下で濃縮
した。残留物をCH2Cl2にとり、同溶媒中シリカゲルフラ
ツシユカラム(25.0g、2.5×15cm)に適用した。カラム
をCH2Cl2(200ml)、次にCH2Cl2:MeOH(20:1、400ml)
で溶離し、1.05g(82%)の生成物を得た。このものは
薄層クラマトグラフイー(シリカ、CH2Cl2:MeOH20:1、R
f=0.44)によれば均質であつた。
分析:C30H43N4O7ClSi2に対する計算値:C,54.32;H,6.53;
N,8.45。実測値:C,54.48;H,6.72;N,8.28。
例45 9−β−D−アラビノフラノシル−6−ジメチルアミン
−9H−プリンの5′−モノホスフエートエステル バリセラゾスターウイルス(VZV)から得られるチミ
ジンキナーゼ(TK)で触媒したアデノシン5′−トリリ
ン酸(ATP)の末端リン酸基の、9−β−D−アラビノ
フラノシル−6−ジメチルアミン−9−プリンの5′
−OH基への転移により、9−β−D−アラビノフラノシ
ル−6−ジメチルアミン−9−プリンの5′−モノホ
スフエートエステルを合成した(Fyfe,Molecular Phar
mac 21 432,1982)。
pH7.5の0.02Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン−HCl緩衝液0.5mlへ、9−β−D−アラビノフラノシ
ル−6−ジメチルアミン−9H−プリン50ナノモル、ATP
(Sigma Chemicals,セントルイス,ミズーリ州)55ナノ
モル、MgCl255ナノモル、およびVZV TK0.005国際単位を
加えた。溶液を21℃で2.5時間インキユベーシヨンし、
次に「Centricon10」フイルター(Amicon Inc.,ダンバ
ース,ミネソタ州から得られる10K分子量カツトオフを
有するYM膜)を通して濾過してタンパク質を除去した。
この生成物は陰イオン交換薄層クロマトグラフイー上で
紫外吸収スポツト(これはモノホスフエートに典型的な
Rfで移動した)として特徴づけられた。
例46 6−メトキシプリンアラビノシド5′−モノホスフエー
ト ヌクレオシド、6−メトキシプリンアラビノシド、1.
5g(4.9ミリモル)をトリエチルホスフエート15mlおよ
びトリエチルアミン4.8mlに溶かした。この溶液を−10
℃に冷やした。かきまぜながら0.91mlのオキシ塩化リン
を加えた。10分後、更に0.3mlのオキシ塩化リンを加え
た。更に10分後、氷冷した水中0.5Mトリエチルアミン10
0mlを加えることにより反応を停止させた。上記試薬の
全部はAldrichから購入したものである。
最終反応混合物の成分をQAE−セフアデツクス(Pharm
acia)上のイオン交換クロマトグラフイーにより分離し
た。成分は50mM〜1Mの重炭酸アンモニウムの勾配を用い
て溶離した。6−メトキシプリン−アラビノシド5′−
モノホスフエートはカラムから溶離された物質の約10%
に過ぎなかつた。化合物から無機正リン酸塩を除去する
ために、BioRad AG−1×8樹脂上のイオン交換クロマ
トグラフイーを、100mM〜750mM重炭酸アンモニウムの段
階勾配と併用した。化合物を含むフラクシヨンをいつた
ん真空で蒸発させて過剰の重炭酸アンモニウムを除去
し、次に凍結乾燥した。
6−メトキシプリンアラビノシド5′−モノホスフエ
ートが収率3%(0.14ミリモル、50mg)で得られた。そ
のUVスペクトル(pH7において極大250nm、極小221nm)
および塩基/リン酸比(1.00/1.08)はこの化合物の構
造と一致した。このものはアルカリ性ホスフアターゼお
よび5′−ヌクレチオダーゼによりヌクレオシドに開裂
される。
例47 6−メトキシプリンアラビノシド5′−トリホスフエー
ト 例46から得られる6−メトキシプリンアラビノシド
5′−モノホスフエート(36mg、93μモル)を2mlのヘ
キサメチルホスホルアミドに溶かした。カルボニルジイ
ミダゾール(82mg、506μモル)を加え、混合物を室温
で2時間かきまぜた。メタノール(0.032ml、800μモ
ル)を加え、混合物を20分間かきまぜた。1.5mlのヘキ
サメチルホスホルアミドに溶かしておいたピロリン酸ト
リブチルアンモニウム(220mg、470μモル)(Sigma社
から入手)を加え、混合物を室温で18時間かきまぜた。
水50mlを加えることにより反応を停止させた。上記試薬
は特に断らない限りAldrichから購入した。5′−トリ
ホスフエートの精製は、50mM〜800mM重炭酸アンモニウ
ムの段階勾配を用いて溶離するQAEセフアデツクスA−2
5(Pharmacia)上のイオン交換クロマトグラフイーによ
り行なつた。化合物を含むフラクシヨンをいつたん真空
で蒸発させて過剰の重炭酸アンモニウムを除去し、次に
再び水に溶かし、−20℃で凍結乾燥した。
6−メトキシプリン アラビノシド 5′−トリホス
フエートが収率60%(57μモル、30mg)で得られた。そ
のUVスペクトル(pH7において極大250nm、極小223nm)
と塩基/リン酸比(1.00/3.10)はこの化合物の構造と
一致した。このものはアルカリ性ホスフアターゼにより
ヌクレオシドへ、またホスホジエステラーゼ1によりモ
ノホスフエートへ開裂される。
例48 6−ジメチルアミノ−9−(2−O−バレリル−β−D
−アラビノシル)−9H−プリン 6−ジメチルアミノ−9−(2−O−バレリル)−β
−D−アラビノシル−9H−プリン−6−ジメチルアミノ
プリンアラビノシド(0.501g,1.67mmole)を、20mlピリ
ジン及び20mlDMFに溶解した。溶液を4℃にし、5mlピリ
ジン及び5mlDMFに溶解したバレイツクアンハイドライド
(0.43ml、217mmole,Aldrich Chemical Co.,MilWaukee,
WI)をゆつくりと加えた。溶液を40℃にし、2時間後、
溶媒を真空下に除去した。得られる残査をフラツシユク
ロマトグラフイーに付し(シリカゲルカラム、4.8×20c
m、ジクロロメタン:メタノール=100:0、98:2、96:4、
94:6、92:8、90:10(V:V))、生成物を含む画分を集め
凍結乾燥して、6−ジメチルアミノ−9−(2−O−バ
レリル−β−D−アラビノシル)−9H−プリン0.195gを
得た(TLC、Rf=0.55(シリカゲル、9:1=ジクロロメタ
ン:メタノール)。
分析:C17H25N5O5・0.5H2Oに対する計算値:C,52.57;H,6.
57;N,18.03。実測値:C,52.61;H,6.77;N,17.99。
NMR及びマススペクトルは構造と一致していた。
例49 6−ジメチルアミノ−9−(2,3,5−トリアセチル−β
−D−アラビノシル)−9H−プリン 6−ジメチルアミノプリンアラビノシド(3.00g,10.0
mmole)を、20mlアセトニトリル及び45mlピリジンに溶
解し、4℃とした。アセチルクロライド(2.85ml,40.08
mmole,Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI)の7mlアセ
トニトリル溶液を反応混合物に滴下した。5時間後、45
℃以下で真空下に溶媒を除き、得られる残渣を高真空ポ
ンプ中に24時間置いた。乾燥した残渣をフラツシユクロ
マトグラフイーに付し(シリカゲルカラム、4.8×25c
m、ジクロロメタン:メタノール=9:1)、生成物を含む
画分を集め凍結乾燥して、6−ジメチルアミノ−9−
(2,3,5−トリアセチル−β−D−アラビノシル)−9H
−プリン0.445gを得た。TLC,Rf=0.61(シリカゲル,ジ
クロロメタン:メタノール=9:1) 分析:C18H23N5O7に対する計算値:C,51.30;H,5.50;N,16.
62。実測値:C,51.40;H,5.55;N,16.54。
NMR及びマススペクトルは構造と一致していた。
例50 錠剤製剤 成分をポビドン溶液で湿式粒化し、続いてステアリン
酸マグネシウムを加え、圧縮することにより下記製剤A
およびBを調製する。
製剤C mg/錠 活性成分 100 乳糖 200 デンプン 50 ポビドン、英国薬局方 5 ステアリン酸マグネシウム 359 上記成分(C)から湿式粒化とそれに続く圧縮により
錠剤を調製する。別の調製法では、ポビドン、英国薬局
法の代りにポリビニルピロリドンを用いることができ
る。
下記製剤DとEは混合した成分の直接圧縮によりつく
られる。製剤Eの乳糖は直接圧縮型のものである(Dair
y Crest−「Zeparox」)。
製剤D mg/カプセル 活性成分 250 前コ化デンプンNF15 150 400 製剤E mg/カプセル 活性成分 250 乳糖 150 Avicel 100 500 製剤F(徐放性製剤) 成分(下記)をポビドン溶液で湿式粒化し、次にステ
アリン酸マグネシウムを添加、圧縮することにより製剤
をつくる。
mg/錠 (イ) 活性成分 500 (ロ) ヒドロキシプロピルメチルセルロース (Methocel K4M Premium) 112 (ハ) 乳糖、英国薬局方 53 (ニ) ポビドン、英国薬局方 28 (ホ) ステアリン酸マグネシウム 700 薬物解放は約6〜8時間にわたつて起こり、12時間後
に終る。
例51 カプセル製剤 製剤 上記例50における製剤Dの成分を混合し、二部分硬質
ゼラチンカプセル中に詰めることによりカプセル製剤を
つくる。製剤B(下記)も同様にしてつくる。
製剤B mg/カプセル (イ) 活性成分 250 (ロ) 乳糖、英国薬局方 143 (ハ) デンプングリコール酸 ナトリウム 25 (ニ) ステアリン酸マグネシウム 420 製剤C mg/カプセル (イ) 活性成分 250 (ロ) Macrogol4000,英国薬局方 350 600 Macrogol4000(英国薬局方)を融解し、この融解物に
活性成分を分散させ、そして融解物を二部分硬質ゼラチ
ンカプセルに詰めることによりカプセルをつくる。
製剤D mg/カプセル 活性成分 250 レシチン 100 落花生油 100 450 活性成分をレシチンおよび落花生油中に分散させ、こ
の分散系を軟質弾性ゼラチンカプセル中に詰めることに
よりカプセルをつくる。
製剤E 徐放性カプセル 押出機を用いて成分イ、ロ、およびハを押し出し、次
に押出物を丸めて乾燥することにより下記の徐放性カプ
セル製剤をつくる。乾燥したペレツトを徐放性の膜
(ニ)で被覆し、二部分硬質ゼラチンカプセルに詰め
る。
mg/カプセル (イ) 活性成分 250 (ロ) ミクロクリスタリンセルロース 125 (ハ) 乳糖、英国薬局方 125 (ニ) エチルセルロース 13 513 例52 点眼液 活性成分 0.5 塩化ナトリウム、分析用品等 0.9g チオメルサール 0.001g 純水 100mlとする量 pH 7.5に調節 例53 注射製剤 活性成分 0.200g 発熱物質を含まない無菌リン酸塩緩衝液(pH9.0) 10ml
にする量 活性成分をリン酸塩緩衝液(35゜〜40℃)の大部分に
溶かし、次に所定体積まで補充し、無菌ミクロポアーフ
イルターを通して無菌10mlアンバーガラスびん(1型)
の中に濾過し、無菌のふたとオーバーシールで封じる。
例54 筋肉内注射剤 活性成分 0.20g ベンジルアルコール 0.10g Glycofurol75 1.45g 注射用水 3.00mlとするのに十分量 活性成分をGlycofurolに溶かす。次にベンジルアルコ
ールを加えて溶かし、水を加えて3mlとする。次に混合
物を無菌ミクロポアーフイルターを通して濾過し、無菌
の3mlアンバーガラスびん(1型)に封入する。
例55 シロツプ懸濁系 活性成分 0.25g ソルビトール溶液 1.50g グリセリン 2.00g 分散性セルロース 0.075g 安息香酸ナトリウム 0.005g フレーバ、ピーチ17.42.3169 0.0125ml 純水 5.00mlとする十分量 安息香酸ナトリウムを純水の一部に溶かしソルビトー
ル溶液を加える。活性成分を加えて分散させる。グリセ
リン中にシツクナー(分散性セルロース)を分散させ
る。これら二つの分散系を混合し、純水で必要体積にす
る。必要に応じ、懸濁系にせん断作用を与えることによ
り更に濃厚化が得られる。
例56 座剤 mg/座剤 活性成分(63μm) 250 硬質脂肪、英国薬局方(Witepsol H15−Dynamit NoBel) 1700 1950 *活性成分は、粒子の少なくとも90%が直径63μm以下
である粉末として使用。
Witepsol H15の五分の一を最高45℃でスチームジヤケ
ツト付パンで融かす。活性成分を200μmふるいでふる
いにかけ、融解基材へ、なめらかな分散系が得られるま
で、カツテイングヘツドを具えたシルバーソンを用いて
混合しながら加える。混合物を45℃に保ちつつ、残りの
Witepsol H15をこの懸濁系に加え、均質混合物が得られ
るようかきまぜる。この懸濁系全体を250μmステンレ
ス鋼ふるいに通過させ、絶えずかきまぜながら40℃まで
放冷する。38℃から40℃の温度でこの混合物の2.02gを
適当なプラスチツク型に入れる。座剤を室温まで放冷す
る。
4例57 ペツサリー mg/ペツサリー 活性成分(63μm) 250 無水デキストロース 380 バレイシヨデンプン 363 ステアリン酸マグネシウム 7 1000 上記成分を直接混合し、得られた混合物を直接圧縮す
ることによつてペツサリーをつくる。
例58 抗ウイルス毒性および生物有効性試験 抗バリセラーゾスターウイルス活性の測定 VZV(Oka株)の複製に及ぼす化合物の抑制効果をELIS
A法〔Berkowitz,F.E.およびLevin,M.J.(1985)。Antim
icrob.Agents and Chemother.28:207〜210〕により評価
した。この方法を次のように修正して用いた。薬物添加
前でなく薬物存在下に感染を開始した。未感染細胞(ヒ
ト二倍体線維芽細胞、株MRC−5)と薬物およびウイル
スを3日間インキユベーシヨンした後に、96−ウエル板
を200×gで5分間遠心してグルタルアルデヒド固定に
先立ち分離細胞を沈降させた。現在のELISA法は第二抗
体としてアルカリ性ホスフアターゼ抱合した抗ヒトIgG
を用いた。結合したアルカリ性ホスフアターゼによるp
−ニトロフエニルホスフエートの開裂速度は、他で記述
した方法(Tadepalli,S.M.Quinn,R.P.,およびAverett,
D.R.1986。Antimicrob.Agents and Chemother.29:93〜9
8)で測定した。ブランクの反応速度を得るために未感
染細胞を使用し、これをウイルスの存在で得た速度から
差引いた。この分析法は、くぼみ1個当り15から3600個
の感染粒子で最初に感染させた培養中の子孫ウイルスを
検出するのに適している。
未感染哺乳動物細胞の発育抑制の測定 D98細胞(ヒト)およびL細胞(ネズミ科動物)の発
育を抑制する候補化合物の可能性を、化合物の種々な希
釈液に標準数の細胞を3日間さらした後の細胞数の決定
により測定した〔Rideout,J.L.,Krenitsky,T.A.,Koszal
ka,G.W.,Cohn,N.K.,Chao,E.Y.,Elion,G.B.,Latter,V.
S.,およびWilliams,R.B.(1982),J.Med,Chem.25:1040
〜1044〕。次にこの細胞数を化合物欠如下で得た数と比
較した。細胞の計数は単層のトリプシン処理後直接粒子
を勘定するか、細胞によつて吸収された生体の着色量を
分光光度計で測定することにより行なつた。両方の方法
で同程度の結果を得た。
データの解析 対照値の50%を生ずる化合物の濃度(IC50)は、対照
値のパーセントに対する化合物濃度のlogのグラフから
直接内挿することにより、または同じアルゴリズムによ
りデータを解析するコンピュータープログラムから計算
した。これら計算には対照の20%から80%までの範囲内
のデータを用いた。
2匹のLong−Evansラツトを、例3の化合物10mg/kg、
あるいはモル相当量の例16、例24および例32の化合物の
胃挿入管による胃内投与で化合物投薬を行なつた。動物
を代謝ケージに収容し、投与後0〜24時間および24〜48
時間尿を採集した。これら尿を逆相HPLCにより分析し
た。結果を例3の化合物として48時間に尿中に回収され
た%用量として表わす。 用量% 3 4.9/2.5 16 11.7 24 7.9 32 15.9
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョージ ウォルター コスザルカ アメリカ合衆国ノース カロライナ州チ ャペル ヒル,プリーストリィ クリー ク ドライブ 117 (72)発明者 リンダ アディングトン ジョーンズ アメリカ合衆国ノース カロライナ州キ ャリィ,トラファルガー レーン 105 (72)発明者 デブロン ランドルフ アベレット アメリカ合衆国ノース カロライナ州ラ レイ,ロックモアー ドライブ 2608 (72)発明者 アラン レイ ムーアマン アメリカ合衆国ノース カロライナ州ダ ーハム,ハンツマン ドライブ 819

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 〔式中、R1はメトキシ基、R2は水素またはアミノ基を表
    わす〕を有する化合物、あるいはその生理学上容認しう
    る塩、エーテル、エステルまたは該エステルの塩を有効
    成分として含有するVZVにより起こるヒトウイルス感染
    の治療または予防用医薬製剤。
  2. 【請求項2】9−β−D−アラビノフラノシル−2−ア
    ミノ−6−メトキシ−9H−プリン、あるいはその生理学
    上容認しうる塩、エーテル、エステルまたは該エステル
    の塩。
  3. 【請求項3】9−β−D−アラビノフラノシル−2−ア
    ミノ−6−メトキシ−9H−プリン。
  4. 【請求項4】9−β−D−アラビノフラノシル−2−ア
    ミノ−6−メトキシ−9H−プリン、あるいはその生理学
    上容認しうる塩、エーテル、エステルまたは該エステル
    の塩を有効成分として含有するVZVにより起こるヒトウ
    イルス感染の治療または予防用医薬製剤。
  5. 【請求項5】有効成分が9−β−D−アラビノフラノシ
    ル−2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリンである請求
    項4の医薬製剤。
  6. 【請求項6】有効成分の5−1000mgを単位投与量として
    含有する単位投与形態にある請求項4または5の医薬製
    剤。
  7. 【請求項7】経口投与に適した請求項4から6のいずれ
    かの医薬製剤。
  8. 【請求項8】カプセル剤、カシエ剤または錠剤の形態に
    ある請求項4から7のいずれかに記載の医薬製剤。
  9. 【請求項9】次の化合物: 9−(5−O−(4−メチルベンゾイル)−β−D−ア
    ラビノフラノシル)−6−メトキシ−9H−プリン、9−
    (5−O−(4−アミノベンゾイル)−β−D−アラビ
    ノフラノシル)−6−メトキシ−9H−プリン、および6
    −メトキシ−9−(2−O−ペンタノイル−β−D−ア
    ラビノフラノシル)−9H−プリンから選ばれる、式
    (I)の化合物の生理学上容認しうるエステル。
  10. 【請求項10】9−β−D−アラビノフラノシル−2−
    アミノ−6−メトキシ−9H−プリン、あるいはその塩、
    エーテル、エステルまたは該エステルの塩の製造法であ
    って、 (a) 式(II): (式中、R1はメトキシ基、R2はアミノ基である)の化合
    物を式(III): 〔式中、Xはピリミジンまたはプリン塩基(式(II)の
    化合物以外のもの)を表わす〕の化合物と反応させる
    か、あるいは (b) 式(IV): (式中、Zは脱離基であり、R2はアミノ基である)の化
    合物を、6位にメトキシ基を導入できる化合物と反応さ
    せ、任意にその後あるいはこれと同時に、得られた化合
    物が9−β−D−アラビノフラノシル−2−アミノ−6
    −メトキシ−9H−プリンである場合には、これをその製
    薬上容認しうる塩、エーテル、エステルまたは該エステ
    ルの塩に変換し、あるいは得られた化合物が製薬上容認
    しうる塩、エーテル、エステルまたは該エステルの塩で
    ある場合には、これを9−β−D−アラビノフラノシル
    −2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリンの異なる製薬
    上容認しうる塩、エーテル、エステルまたは該エステル
    の塩に変換する、 のいずれかからなる上記方法。
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