JP2020072245A - ボンド磁石およびボンド磁石用コンパウンドの製造方法 - Google Patents

ボンド磁石およびボンド磁石用コンパウンドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】残留磁束密度(Br)の向上したボンド磁石およびボンド磁石用コンパウンドの製造方法を提供する。【解決手段】ボンド磁石用コンパウンドの製造方法は、平均粒径が10μm以下の磁性材料を、熱硬化性樹脂、および熱硬化性樹脂の当量に対する当量の比が2以上10以下である硬化剤により被覆して被覆物を得る被覆工程、被覆物を圧縮して造粒物を得る造粒工程、造粒物を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程、および粉砕物をシランカップリング剤で処理しボンド磁石用コンパウンドを得る表面処理工程を含み、造粒工程と粉砕工程の間に造粒物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、または、粉砕工程と表面処理工程との間に、粉砕物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ボンド磁石およびボンド磁石用コンパウンドの製造方法に関する。
特許文献1には、熱可塑性樹脂とSmFeN粒子を溶融混練後、圧縮成形してコンパウンドを作製し、射出成形するボンド磁石の製造方法が開示されている。粒径が小さい3μmのSmFeNを用いてボンド磁石を作製すると、射出成形時に粘度上昇が起こりボンド磁石の成形が困難となる。SmFeNの粒径を大きくして、樹脂中での流動性を上げて高充填することが考えられるが、異方性SmFeN粒子は単磁区粒径が3μm付近にあって(特許文献2)、3μmを大きく超えると単磁区でなくなり、保磁力が低下するという問題がある。
一方、特許文献3および4には、エポキシ樹脂により粒子同士を固めて造粒体を作製するボンド磁石の製造方法が開示されている。固体のエポキシ樹脂を使用すると、粒子が回転しにくくなるため、磁場中での成形時に高い配向性を得ることができず、磁性の低いボンド磁石しか得られない。これに対し、液体のエポキシ樹脂を使用すると、粒子の回転が容易で磁場中成形時に高度の配向が可能となり、磁性の高いボンド磁石を得ることができる。しかしながら、磁性材料と液体のエポキシ樹脂との混合物は水飴状のものであり、流動性に欠けるため、圧縮成形機への充填が困難で、工業的な実用性に乏しい。
特開2017−43804号公報 特開2004−115921号公報 特開2000−077220号公報 特開2001−068313号公報
本発明は、残留磁束密度(Br)の向上したボンド磁石およびボンド磁石用コンパウンドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかるボンド磁石用コンパウンドの製造方法は、
平均粒径が10μm以下の磁性材料を、熱硬化性樹脂、および熱硬化性樹脂の当量に対する当量の比が2以上10以下である硬化剤により被覆して被覆物を得る被覆工程、
前記被覆物を圧縮して造粒物を得る造粒工程、
前記造粒物を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程、および
前記粉砕物をシランカップリング剤で処理しボンド磁石用コンパウンドを得る表面処理工程を含み、
前記造粒工程と前記粉砕工程の間に前記造粒物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、または、前記粉砕工程と前記表面処理工程との間に、前記粉砕物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程を含む。
本発明の一態様にかかるボンド磁石の製造方法は、
平均粒径が10μm以下の磁性材料を、熱硬化性樹脂、および熱硬化性樹脂の当量に対する当量の比が2以上10以下である硬化剤により被覆して被覆物を得る被覆工程、
前記被覆物を圧縮して造粒物を得る造粒工程、
前記造粒物を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程、
前記粉砕物をシランカップリング剤で処理しボンド磁石用コンパウンドを得る表面処理工程、
前記造粒工程と前記粉砕工程の間に前記造粒物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、または、前記粉砕工程と前記表面処理工程との間に、前記粉砕物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、
得られたボンド磁石用コンパウンドを配向射出成形する射出成形工程、および、
着磁磁場25kOe以上で着磁する着磁工程を含む。
本発明の他の一態様にかかるボンド磁石は、
平均粒径が10μm以下の磁性材料、Si元素、熱硬化性樹脂および硬化剤に由来する硬化物、ならびに、熱可塑性樹脂を含む。
上記態様によれば、残留磁束密度の向上したボンド磁石用コンパウンドおよびボンド磁石の製造方法を提供することができる。
実施例1のボンド磁石の断面写真を示す図である。 比較例4のボンド磁石の断面写真を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための一例であり、本発明を以下のものに限定するものではない。なお、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明のボンド磁石用コンパウンドの製造方法は、
平均粒径が10μm以下の磁性材料を、熱硬化性樹脂、および熱硬化性樹脂の当量に対する当量の比が2以上10以下である硬化剤により被覆して被覆物を得る被覆工程、
前記被覆物を圧縮して造粒物を得る造粒工程、
前記造粒物を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程、および
前記粉砕物をシランカップリング剤で処理しボンド磁石用コンパウンドを得る表面処理工程を含み、
前記造粒工程と前記粉砕工程の間に前記造粒物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、または、前記粉砕工程と前記表面処理工程との間に、前記粉砕物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程を含むことを特徴とする。
被覆工程において熱硬化性樹脂および硬化剤の配合を熱硬化性樹脂の当量に対する硬化剤の当量の比を、従来は1付近とするところ、本件は2以上10以下の範囲とすることで熱硬化性樹脂の反応性基(例えばエポキシ樹脂の場合はグリジシル基)を硬化剤の反応性基(例えばDDSの場合はアミノ基)により十分に失活させることができ、以降の製造工程で生成する造粒物、粉砕物、硬化物、ボンド磁石用コンパウンドに対し適度な機械強度を持たせることができる。このため、熱硬化性樹脂の反応性基が十分失活したボンド磁石用コンパウンドと熱可塑性樹脂とを混錬して射出成形用コンパウンドを作製する場合、熱硬化性樹脂の反応性基と熱可塑性樹脂の反応性基(例えばナイロン12の場合はアミド基)とが反応しないので、得られた射出成形用コンパウンドを用いて射出成形する際においても粘度の上昇を抑制することができる。また、造粒物、粉砕物、硬化物、ボンド磁石用コンパウンドが適度な機械強度を有することにより、これらの一部が崩れて小粒子が生成することを抑制しつつ、ボンド磁石用コンパウンドの粒径を適度な範囲に調整することができる。このため射出成形する際において小粒子による粘度の上昇を抑制しつつ、最終のボンド磁石中の充填率を向上することができるので、残留磁束密度を向上することができる。さらに、射出成形用コンパウンドは、熱硬化性樹脂および硬化剤由来の硬化物を含んでいるが、射出成形時の圧力によりそれら硬化物に割れが生じ、樹脂と磁性材料の間に隙間ができるので、磁性材料が回転しやくなることで配向率が高くなり残留磁束密度が向上する。
被覆工程では、平均粒径が10μm以下の磁性材料を、熱硬化性樹脂および硬化剤により被覆して被覆物を得る。被覆方法は特に限定されず、磁性材料を、必要により有機溶媒に分散または溶解させた熱硬化性樹脂、硬化剤、さらには硬化促進剤をミキサーで撹拌することによって被覆する。有機溶媒としては特に限定されず、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等が使用できる。
磁性材料は特に限定されないが、SmFeN系、NdFeB系、SmCo系の希土類磁性材料が挙げられる。なかでも、耐熱性や、希少金属を含有しない点で、SmFeN系が好ましい。SmFeN系磁性材料としては、ThZn17型の結晶構造をもち、一般式がSmFe100−x−yで表される希土類金属Smと鉄Feと窒素Nからなる窒化物である。ここで、xは、8.1原子%以上10原子%以下、yは13.5原子%以上13.9原子%以下、残部が主としてFeとされることが好ましい。
SmFeN系磁性材料については、特開平11−189811号公報に開示された方法により製造できる。NdFeB系磁性材料については、国際公開2003/85147号公報に開示されたHDDR法により製造できる。SmCo系磁性材料については、特開平08−260083号公報に開示された方法により製造できる。また、磁性材料は、例えば特許文献1に示される方法よりシランカップリング剤で表面処理したものを用いることができる。
磁性材料の平均粒径は10μm以下であるが、6μm以下が好ましく、4μm以下がより好ましい。10μmを超えると、射出成形用コンパウンドの流動性が向上するため熱硬化性樹脂による造粒物の作製が不要となる。また、使用する磁性材料の粒径分布は、減磁特性の角型性の点から、単分散であることが好ましい。
熱硬化性樹脂は熱硬化するものであれば特に限定されず、たとえばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、アクリル樹脂、アリルカーボネート樹脂などが挙げられる。中でも機械特性と耐熱性の点でエポキシ樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、室温において液状のものもしくは溶媒に溶解して液状になる固体が好ましい。熱硬化性樹脂の含有量は、磁性材料100重量部に対して、0.15重量部以上0.65重量部以下が好ましく、0.3重量部以上0.37重量部以下がより好ましい。0.65重量部を超えると、ボンド磁石中の磁性材料の充填率が低下するため、残留磁束密度が低くなり、0.15重量部未満では、造粒物の強度が低下するため、射出成形に至る工程において粒径の小さい粒子が生成し、射出成形時の粘度の上昇の原因となる。
硬化剤は選択した熱硬化性樹脂を熱硬化するものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、たとえばアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリアミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、ポリメルカプタン樹脂系硬化剤、ポリスルフィド樹脂系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤などが挙げられる。アミン系硬化剤としては、ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
硬化剤の配合量は、熱硬化性樹脂の当量に対する硬化剤の当量の比にて調整される。熱硬化性樹脂の当量に対する硬化剤の当量の比は2以上10以下が好ましく、5以上7以下がより好ましい。当量比が10を超えると、熱硬化性樹脂の割合が減り、得られた造粒物の強度が不足し、2未満では、熱硬化性樹脂の反応性基に対する硬化剤の反応性基の比が小さいため、熱硬化性樹脂の反応性基が残留する。以降の工程にて熱可塑性樹脂と混合する場合に、熱可塑性樹脂の反応性基と残留した熱硬化性樹脂の反応性基が反応することにより、射出成形時に粘度上昇が起こりボンド磁石の成形が困難となる。ここで、熱硬化性樹脂種の当量とは1グラム当量の反応性基を含む樹脂のグラム数をいい、硬化剤種の当量とは、活性水素当量のことをいう。
磁性材料と熱硬化性樹脂と硬化剤の総量に対する、熱硬化性樹脂と硬化剤の総量は5.5体積%以上8.6体積%以下が好ましい。5.5体積%未満では、造粒物の強度が低下するため、射出成形に至る工程において粒径の小さい粒子が生成し、射出成形時の粘度の上昇の原因となる。8.6体積%を超えると、ボンド磁石中の磁性材料の充填率が低下するため、残留磁束密度が低くなる。
熱硬化性樹脂および硬化剤とともに、硬化促進剤を配合することもできる。硬化促進剤としては、たとえば、1,8ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、1,5ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル−4メチルイミダゾール、トリフェニルホスフィン、スルホニウム塩などが挙げられる。硬化促進剤の含有量は特に限定されないが、一般的には熱硬化性樹脂と硬化剤の総量に対して、0.01重量%以上10重量%以下を添加する。
造粒工程は、前記被覆物を圧縮して造粒物を得る。圧縮する方法は特に限定されず、圧縮造粒機などで、被覆物をロール等で圧縮した後、グラニュレータ等で粗砕、整粒して造粒物を得る。
粉砕工程では、前記造粒物を粉砕して粉砕物を得る。粉砕する方法は特に限定されず、サンプルミル、ボールミル、スタンプミル、乳鉢、ミキサー粉砕などを使用することができる。必要であれば、粉砕物を篩等で分級することもできる。粉砕物の平均粒径は1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。1000μmを超えると、射出成形用コンパウンドを作成する際の混練機によるせん断によりボンド磁石用コンパウンドが粉砕され、シランカップリングにより表面処理されていない新生面が生成する。これら新生面は熱可塑性樹脂となじみが悪いため射出成形時に粘度上昇が起こり、ボンド磁石が成形できなくなる。下限は特に限定されないが、30μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましく、45μm以上がさらに好ましい。30μm未満では、射出成形時に粘度上昇が起こり、ボンド磁石が成形できなくなる。
表面処理工程では、粉砕物をシランカップリング剤で表面処理することによりボンド磁石用コンパウンドを作製する。粉砕物をシランカップリング剤などで表面処理することにより、磁性材料と樹脂との結合性が高まるため、射出成形時の粘度の上昇を抑制することができる。
表面処理する方法は特に限定されないが、シランカップリング剤としては、一般式;X−Si−(OR)(ただし、Xは末端に極性基を有するアルキル基、Rは炭素数が1以上3以下のアルキル基であり、nは1以上3以下の整数)で表され、Xにおける極性基がアミノ基、ウレイド基、エポキシ基、チオール基、メタクリロキシ基を有するものが好ましい。熱可塑性樹脂としてナイロン樹脂を使用する場合、ナイロン樹脂との親和性が高いアミノ基をもつカップリング剤を使用するのが好ましく、特に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルトリエトキシシランを使用することが好ましい。
熱硬化性樹脂の熱硬化工程は、造粒工程と粉砕工程の間又は粉砕工程と表面処理工程の間に行う。中でも、粉砕処理により生じた造粒物表面の熱硬化性樹脂のひびを熱硬化することにより修復できるので、粉砕工程と表面処理工程の間に行うのが好ましい。熱硬化させる温度は使用する熱硬化性樹脂の特性に合わせて設定できるが、磁性材料の熱による磁気劣化を抑制し、熱硬化する点から60℃以上250℃以下が好ましく、180℃以上220℃以下がより好ましい。
得られたボンド磁石用コンパウンドは、熱可塑性樹脂と溶融混練して、射出成形用コンパウンドを作製する。溶融混練機は特に限定されないが、単軸スクリュー混練機、二軸スクリュー混練機、ミキシングロール、ニーダ、バンバリーミキサ、噛み合わせ型二軸スクリュー押出機、非噛み合わせ二軸スクリュー押出機等を用いることができる。溶融混練温度は特に限定されず、使用する熱可塑性樹脂の特性に応じて設定できるが、180℃以上250℃以下が好ましい。
熱可塑性樹脂は、射出成形可能な樹脂であれば特に限定されないが、たとえばナイロン樹脂(ポリアミド樹脂);ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン;ポリエステル;ポリカーボネート(PC);ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリアセタール(POM);液晶ポリマー(LCP)などが挙げられる。ナイロン樹脂としては、6ナイロン、11ナイロン、12ナイロンのようなポリラクタム類、6,6ナイロン、6,10ナイロン、6,12ナイロンのようなジカルボン酸とジアミンとの縮合物、6/6,6ナイロン、6/6,10ナイロン、6/12ナイロン、6/6,12ナイロン、6/6,10/6,10ナイロン、6/6,6/6,12ナイロン、6−ナイロン/ポリエーテルのような共重合ポリアミド類、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロンMXD6、芳香族ナイロン、非晶質ナイロン等が挙げられる。なかでも、吸水率の低さと成形性、機械強度との兼ね合いから、12ナイロンが好ましい。
磁性材料100重量部に対する熱可塑性樹脂は特に限定されないが、6.00重量部以上7.00重量部以下が好ましく、6.15重量部以上6.40重量部以下がより好ましい。7.00重量部を超えると、ボンド磁石中の磁性材料の充填率が低下するため、残留磁束密度が低くなり、6.00重量部未満では、射出成形時に粘度上昇が起こり、ボンド磁石が成形できなくなることがある。
熱可塑性樹脂とともに可塑剤を配合することもできる。可塑剤としては、たとえば、上野樹脂株式会社製のEHPB、CEPB、BA−16、NA−18等が挙げられる。可塑剤の配合量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して、1重量部以上50重量部以下が好ましい。
本実施形態のボンド磁石の製造方法は、
平均粒径が10μm以下の磁性材料を、熱硬化性樹脂、および熱硬化性樹脂の当量に対する当量の比が2以上10以下である硬化剤により被覆して被覆物を得る被覆工程、
前記被覆物を圧縮して造粒物を得る造粒工程、
前記造粒物を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程、
前記粉砕物をシランカップリング剤で処理しボンド磁石用コンパウンドを得る表面処理工程、
前記造粒工程と前記粉砕工程の間に前記造粒物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、または、前記粉砕工程と前記表面処理工程との間に、前記粉砕物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、
得られたボンド磁石用コンパウンドを配向射出成形する射出成形工程、および、
着磁磁場25kOe以上で着磁する着磁工程を含むことを特徴とする。
被覆工程、造粒工程、粉砕工程、表面処理工程、熱硬化工程は前述した通りである。
射出成形工程では、ボンド磁石用コンパウンドと熱可塑性樹脂とを溶融混練して得られた射出成形用コンパウンドを射出成形し、熱処理しながら配向磁場で磁化容易磁区を揃えることにより(配向工程)、配向した射出成形物を得る。射出成形機のシリンダー温度は、射出成形用コンパウンドが溶融する温度範囲であれば良く、磁性材料の熱による磁気劣化を抑制する点から250℃以下が好ましい。射出圧は溶融したコンパウンドが射出できる圧力であればよいが、例えば射出成形機のシリンダ−温度を250℃としφ10mmの高さ7mmのキャビィティーに射出成形する場合、成形性の観点より220MPa以下完充填できることが好ましい。配向工程における熱処理温度は、例えば50℃以上200℃以下が好ましく、80℃以上150℃以下がより好ましい。射出成形工程における配向磁場の大きさは、637kA/m(8kOe)以上、好ましくは718kA/m(9kOe)以上とすることができる。一方、配向磁場の上限は特に限定されないが、1511kA/m(19kOe)以下、好ましくは1194kA/m(15kOe)以下とすることができる。
着磁工程では、配向した射出成形物を着磁磁場で着磁することによりボンド磁石を得る。着磁方法としてパルス磁場発生方式、静磁場発生方式等が挙げられる。本発明の製造方法によって得られた射出成形物は、低着磁磁場でも充分に着磁し、高い着磁率を達成することができる。そのため、着磁工程における着磁磁場の大きさは、1990kA/m(25kOe)以上、好ましくは2785kA/m(35kOe)以上とすることができる。一方、着磁磁場の上限は特に限定されないが、4777kA/m(60kOe)以下、好ましくは3184kA/m(40kOe)以下とすることができる。
着磁工程の後に、着磁したボンド磁石を熱処理する工程を含むことが好ましい。熱処理することによって、ボンド磁石の機械的強度の低下率を抑制することができる。熱処理温度は90℃以上150℃以下が好ましく、100℃以上140℃以下がより好ましい。熱処理時間は50時間以上2000時間以下が好ましく、100時間以上1000時間以下がより好ましい。
本実施形態のボンド磁石は、平均粒径が10μm以下の磁性材料、Si元素、熱硬化性樹脂および硬化剤に由来する硬化物、ならびに、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする。
平均粒径が10μm以下の磁性材料、熱硬化性樹脂および硬化剤に由来する硬化物、ならびに、熱可塑性樹脂の説明については上述の通りである。また、Si元素は表面処理工程に由来するものであり、表面処理については上述の通りである。
ボンド磁石中の磁性材料の充填率は93重量%以上である。93重量%以上とすることで残留磁束密度が高くなる。また、磁性材料の充填率は残留磁束密度の点で64体積%以上が好ましい。
ボンド磁石の磁束の着磁率は98.5%以上であるが、99%以上が好ましい。98.5%以上とすることにより、残留磁束密度が高くなる。ここで、着磁率は、測定した残留磁束密度を、残留磁束密度の理論値で除することにより求められる。
ボンド磁石の残留磁束密度は、磁性材料がSmFeN系の場合、0.83テスラ以上が好ましく、0.84テスラ以上がより好ましい。0.83テスラ以上とすることで残留磁束密度が高くなる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例および比較例では、下記の材料を使用した。
磁性材料:SmFeN系磁性材料(平均粒子径3μm(粒径分布は単分散である)、磁性粉末単独の残留磁束密度Br=1.31T)
シランカップリング剤:Z−6011(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)
エポキシ樹脂:東レ・ダウ・コーニング株式会社製ビフェニルタイプ(エポキシ当量186g/eq)
硬化剤:DDS(ジアミノジフェニルスルホン)(活性水素当量62.0g/eq)
硬化促進剤:TPP(トリフェニルホスフィン)
可塑材:BA−16、上野製薬株式会社製
(実施例1)
被覆物の作製
SmFeN系磁性材料100重量部を、エチルシリケート1.875重量部およびシランカップリング剤0.4重量部で表面処理した。表面処理したSmFeN系磁性材料100重量部に対して、0.60重量部のエポキシ樹脂、0.44重量部の硬化剤、0.002重量部の硬化促進剤を、4重量部のアセトンに溶解混合して作製した混合溶液を、パンミキサーで撹拌中のSmFeN系磁性材料に滴下しながら混合撹拌し、エポキシ樹脂で被覆した被覆物を作製した。
ボンド磁石用コンパウンドの作製
作製した被覆物のアセトンができるだけ揮発しないように、ローラーコンパクタ―(株式会社栗本鐵工所製RCP−100)で造粒物を作製した。造粒物を、サンプルミル(株式会社ダイセル製)にて周波数10Hz条件下で粉砕し、目開き1000μmの篩にて分級し、粉砕物を得た。粉砕物を、棚段乾燥機にて窒素雰囲気下200℃で6時間硬化処理した。次に、硬化した粉砕物100重量部に対して前記シランカップリング剤を0.2重量部表面処理し、棚段乾燥機にて窒素雰囲気下120℃で5時間乾燥を施し、ボンド磁石用コンパウンドを作製した。
射出成形用コンパウンド
ボンド磁石用コンパウンド100重量部に対して、6.3重量部のポリアミド12を混合し、二軸混練機にて230℃環境下で溶融押出混練し、磁性材料の充填率93.17重量%(64.85体積%)の射出成形用コンパウンドを得た。
ボンド磁石の作製
射出成形用コンパウンドを、シリンダー温度250℃、金型温度90℃、配向磁場9kOe環境下で射出成形し、直径10mm高さ7mmのテストピース型のボンド磁石を得た。射出成形時の射出圧は165MPaであった。得られたボンド磁石は、空芯コイルにて60kOeの磁場で着磁し、BHトレーサーにて測定し、残留磁束密度(以下Br)は0.85Tであった。Br値は理論値0.85Tと同じ値であり、着磁率は100.0%であった。また得られたボンド磁石の断面SEM写真を図1に示す。図1より磁性材料と樹脂の間に隙間があることを確認できた。
(実施例2)
0.50重量部のエポキシ樹脂、0.55重量部の硬化剤、0.002重量部の硬化促進剤を、4重量部相当のアセトンに溶解混合した混合溶液を作製した以外は実施例1と同様に行い、磁性材料の充填率93.16重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は160MPaであり、残留磁束密度Brが0.85Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.85Tと同じ値であり、着磁率は100.0%であった。
(実施例3)
0.43重量部のエポキシ樹脂、0.63重量部の硬化剤、0.002重量部の硬化促進剤を、4重量部相当のアセトンに溶解混合した混合溶液を作製した以外は実施例1と同様に行い、磁性材料の充填率93.15重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は152MPaであり、残留磁束密度Brが0.85Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.85Tと同じ値であり、着磁率は100.0%であった。
(実施例4)
0.37重量部のエポキシ樹脂、0.69重量部の硬化剤、0.002重量部の硬化促進剤を、4重量部相当のアセトンに溶解混合した混合溶液を作製した以外は実施例1と同様に行い、磁性材料の充填率93.15重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は140MPaであり、残留磁束密度Brが0.85Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.85Tと同じ値であり、着磁率は100.0%であった。
(実施例5)
0.30重量部のエポキシ樹脂、0.78重量部の硬化剤、0.002重量部の硬化促進剤を、4重量部相当のアセトンに溶解混合した混合溶液を作製した以外は実施例1と同様に行い、磁性材料の充填率93.14重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は132MPaであり、残留磁束密度Brが0.85Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.85Tと同じ値であり、着磁率は100.0%であった。
(実施例6)
0.27重量部のエポキシ樹脂、0.81重量部の硬化剤、0.002重量部の硬化促進剤を、4重量部のアセトンに溶解混合した混合溶液を作製した以外は実施例1と同様に行い、磁性材料の充填率93.14重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は162MPaであり、残留磁束密度Brが0.85Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.85Tと同じ値であり、着磁率は100.0%であった。
(実施例7)
0.23重量部のエポキシ樹脂、0.85重量部の硬化剤、0.002重量部の硬化促進剤を、4重量部のアセトンに溶解混合した混合溶液を作製した以外は実施例1と同様に行い、磁性材料の充填率93.13重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は185MPaであり、残留磁束密度Brが0.85Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.85Tと同じ値であり、着磁率は100.0%であった。
(実施例8)
カップリング処理したボンド磁石用コンパウンド100重量部に対し4.4重量部のポリアミド12と1.9重量部の可塑剤を混合した樹脂混合粉を得た以外は実施例1と同様に行い、磁性材料の充填率93.17重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は100MPaであり、残留磁束密度Brが0.85Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.85Tと同じ値であり、着磁率は100.0%であった。
(比較例1)
SmFeN系磁性材料をエチルシリケートおよびシランカップリング剤で表面処理した。表面処理したSmFeN系磁性材料100重量部に対し、8.2重量部のポリアミド12を混合し、二軸混練機にて230℃で溶融押出混練し、磁性材料の充填率92.42重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は140MPaであり、残留磁束密度Brが0.81Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.81Tと同じ値であり、着磁率は100.0%であった。
(比較例2)
SmFeN系磁性材料をエチルシリケートおよびシランカップリング剤で表面処理した。表面処理したSmFeN系磁性材料100重量部に対し、7.8重量部のポリアミド12を混合し、二軸混練機にて230℃で溶融押出混練し、充填率92.76重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は220MPaであり、残留磁束密度Brが0.81Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.825Tより低い値であり、着磁率は98.1%であった。
(比較例3)
SmFeN系磁性材料をエチルシリケートおよびシランカップリング剤で表面処理した。表面処理したSmFeN系磁性材料100重量部に対し、7.5重量部のポリアミド12を混合し、二軸混練機にて230℃で溶融押出混練し、充填率93.02重量%の射出成形用のコンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、金型内に完充填できず、成形品を得ることができなかった。
(比較例4)
SmFeN系磁性材料をエチルシリケートおよびシランカップリング剤で表面処理した。表面処理したSmFeN系磁性材料100重量部に対し、5.1重量部のポリアミド12と、1.9重量部の可塑剤を混合し、二軸混練機にて230℃で溶融押出混練し、充填率93.46重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、射出圧は90MPaであり、残留磁束密度Br=0.825Tのボンド磁石を得た。Br値は理論値0.852Tより低い値を示し、着磁率は96.8%であった。また得られたボンド磁石の断面SEM写真を図2に示す。図2より磁性材料と樹脂の間に隙間があることを確認できなかった。
(比較例5)
0.75重量部のエポキシ樹脂、0.28重量部の硬化剤、0.002重量部の硬化促進剤を、4重量部相当のアセトンに溶解混合した混合溶液を作製した以外は実施例1と同様に行い、充填率93.18重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、金型内に完充填できず、成形品を得ることができなかった。
(比較例6)
0.67重量部のエポキシ樹脂、0.37重量部の硬化剤、0.002重量部の硬化促進剤を、4重量部のアセトンに溶解混合した混合溶液を使用した以外は実施例1と同様に行い、充填率93.18重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、金型内に完充填できず、成形品を得ることができなかった。
(比較例7)
実地例1において、ローラーコンパクタ―による造粒物を得る造粒工程を行わず、硬化処理したエポキシ樹脂被覆SmFeN系磁性材料粉を作製したこと以外は実施例1と同様に行い、充填率93.17重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、金型内に完充填できず、成形品を得ることができなかった。
(比較例8)
実地例1において、粉砕工程と分級工程を行わず、硬化処理したSmFeN系磁性造粒物を作製したこと以外は実施例1と同様に行い、充填率93.17重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、金型内に完充填できず、成形品を得ることができなかった。
(比較例9)
実地例1において、得られた硬化した粉砕物をシランカップリング剤で表面処理しなかったこと以外は実施例1と同様に行い、充填率93.17重量%の射出成形用コンパウンドを得た。実地例1と同様に射出成形したところ、金型内に完充填できず、成形品を得ることができなかった。
実施例1〜8および比較例1〜9の配合組成と、評価結果を表1に示す。
Figure 2020072245
実施例5および比較例1で作製したボンド磁石用コンパウンドを用い、実施例1に記載した方法で配向テストピース型のボンド磁石を射出成形し、着磁磁場の大きさを変化させて着磁した。着磁磁場強度と着磁率の実験結果を表2に示す。比較例1のボンド磁石用コンパウンドを射出成形すると、25kOeの着磁磁場では84%しか着磁しなかった。一方、実施例5の本願発明のボンド磁石用コンパウンドを射出成形すると、同じ25kOeの着磁磁場で95%も着磁した。
Figure 2020072245
実施例1および比較例1で作製したボンド磁石を、135℃に調温したオーブンに500時間入れ、大気暴露することで熱処理を行い、熱処理済みボンド磁石を得た。熱処理したボンド磁石について、多目的強度試験機を用いて曲げ強度を測定し、熱処理前の強度に対する低下率を算出した。評価結果を表3に示す。実施例1のボンド磁石は、比較例1のボンド磁石と比較して、熱処理を行っても曲げ強度が高く、曲げ強度の低下率も小さいことがわかった。
Figure 2020072245
本発明のボンド磁石用コンパウンドの製造方法によれば、残留磁束密度(Br)の向上したボンド磁石を製造することができる。得られたボンド磁石は、高い磁気特性を有することから、複合材料及びボンド磁石として、モーター等の用途に好適に適用することができる。
1:隙間


Claims (16)

  1. 平均粒径が10μm以下の磁性材料を、熱硬化性樹脂、および熱硬化性樹脂の当量に対する当量の比が2以上10以下である硬化剤により被覆して被覆物を得る被覆工程、
    前記被覆物を圧縮して造粒物を得る造粒工程、
    前記造粒物を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程、および
    前記粉砕物をシランカップリング剤で処理しボンド磁石用コンパウンドを得る表面処理工程を含み、
    前記造粒工程と前記粉砕工程の間に前記造粒物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、または、前記粉砕工程と前記表面処理工程との間に、前記粉砕物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程を含むボンド磁石用コンパウンドの製造方法。
  2. 前記被覆工程において、磁性材料100重量部に対し、熱硬化性樹脂を0.15重量部以上0.65重量部以下にて混合する請求項1に記載のボンド磁石用コンパウンドの製造方法。
  3. 前記粉砕工程と前記表面処理工程との間に、前記粉砕物を熱硬化する熱硬化工程を行う請求項1または2に記載のボンド磁石用コンパウンドの製造方法。
  4. 前記粉砕物の平均粒径が1000μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のボンド磁石用コンパウンドの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたボンド磁石用コンパウンド。
  6. 平均粒径が10μm以下の磁性材料を、熱硬化性樹脂、および熱硬化性樹脂の当量に対する当量の比が2以上10以下である硬化剤により被覆して被覆物を得る被覆工程、
    前記被覆物を圧縮して造粒物を得る造粒工程、
    前記造粒物を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程、
    前記粉砕物をシランカップリング剤で処理しボンド磁石用コンパウンドを得る表面処理工程、
    前記造粒工程と前記粉砕工程の間に前記造粒物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、または、前記粉砕工程と前記表面処理工程との間に、前記粉砕物を熱硬化して硬化物を得る熱硬化工程、
    得られたボンド磁石用コンパウンドを配向射出成形する射出成形工程、および、
    着磁磁場25kOe以上で着磁する着磁工程
    を含むボンド磁石の製造方法。
  7. 前記被覆工程において、磁性材料100重量部に対し、熱硬化性樹脂を0.15重量部以上0.65重量部以下にて混合する請求項6に記載のボンド磁石の製造方法。
  8. 前記粉砕工程と前記表面処理工程との間に、前記粉砕物を熱硬化する熱硬化工程を行う請求項6または7に記載のボンド磁石の製造方法。
  9. 前記粉砕物の平均粒径が1000μm以下である請求項6〜8のいずれか1項に記載のボンド磁石の製造方法。
  10. さらに、着磁工程の後に、着磁したボンド磁石を熱処理する工程を含む請求項6〜9のいずれか1項に記載のボンド磁石の製造方法。
  11. 平均粒径が10μm以下の磁性材料、Si元素、熱硬化性樹脂および硬化剤に由来する硬化物、ならびに、熱可塑性樹脂を含むボンド磁石。
  12. 前記磁性材料の充填率が93重量%以上である請求項11に記載のボンド磁石
  13. 着磁率が98.5%以上である請求項11または12に記載のボンド磁石。
  14. 前記磁性材料は、粒径分布が単分散のものである請求項11〜13のいずれか1項に記載のボンド磁石。
  15. 前記磁性材料がSm、FeおよびNを含む請求項11〜14のいずれか1項に記載のボンド磁石。
  16. 残留磁束密度が0.83テスラ以上である請求項11〜15のいずれか1項に記載のボンド磁石。


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