JP2018196903A - 条鋼線材コイルの製造方法 - Google Patents

条鋼線材コイルの製造方法 Download PDF

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智巳 山本
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良太 清水
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Abstract

【課題】 巻取り後の条鋼線材の断面変形を抑制できる密巻きの条鋼線材コイルを製造する。【解決手段】圧延ライン10で連続圧延することにより得られた条鋼線材1を、冷却ライン20により冷却した後、巻取り機30で巻き取ることにより、条鋼線材コイル2を製造する。冷却ライン20は、間隔をおいて配置された複数の冷却部を備え、冷却部の間の区間が複数の冷却部間復熱部として提供され、最も下流側の位置する冷却部と巻取り機30との間の区間が、最終段復熱部として提供される。そして、巻き取り時の条鋼線材1の表面温度をA1変態点以下にする。巻取り機30はスプール31とその手前の整列機構32を有し、整列機構32により整列された条鋼線材1をスプール31に密巻きして条鋼線材コイル2を得る。【選択図】 図1

Description

本発明は、圧延により得られた条鋼線材を冷却した後、巻き取ってコイルにする方法に関する。
加熱されたビレットやブルーム等の鋼材を連続圧延して条鋼線材を得、この条鋼線材を冷却した後、巻き取ってコイルにする方法は周知である。このような条鋼線材コイルの製造に供されるシステムは、圧延ラインと冷却ラインと巻取り機とが圧延方向に沿って順に配置されている。冷却ラインは互いに離間した複数の冷却装置からなる。
特許文献1に開示されている圧延方法では、圧延ラインの最終仕上げ圧延機から送られてくる約1000℃の条鋼線材を、4段の冷却装置で冷却することにより段階的に冷却し、最終的に800℃を超える温度で巻取り機により巻き取るようになっている。
特許文献1は巻き取り装置の具体的な構成および条鋼線材の巻取り方法を開示していない。一般的には、圧延された条鋼線材を疎巻きにする。例えば、特許文献2等に示すように圧延された条鋼線材を支持台上に螺旋を描いて落とし込む。
特開2009−241133号公報 特開2005−246401号公報
上記のような疎巻きの条鋼線材コイルは、嵩張るとともに安定して保管することができず、保管や運搬の効率が悪かった。
そのため、保管や運搬の効率を高めるために、圧延された条鋼線材を密巻きコイルにして巻取ることが求められている。すなわち、巻取り機はスプールとスプールの手前の整列機構を備え、整列機構により条鋼線材を整列させながらスプールを回転させることにより、条鋼線材に張力を加えながら、条鋼線材をスプールに幾重にも密に巻き取る。
しかし、特許文献1のように800℃を超える熱間変形抵抗が小さい高温域で条鋼線材に張力を加えて条鋼線材を密巻きにすると、巻取り時の条鋼線材自身による締め付け力により断面変形が生じる。また、条鋼線材は巻取り後の温度低下に伴い[オーステナイト]から[フェライト+パーライト]へと体積膨張を伴う変態が生じるため、密巻きの条鋼線材の断面変形が助長されてしまう。さらに、条鋼線材の高温での巻取りは設備損傷の原因にもなり、設備損傷を食い止める対策も望まれている。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、圧延ラインで連続圧延することにより得られた条鋼線材を、上記圧延ラインの最終仕上げ圧延機の下流側に配置された冷却ラインにより冷却した後、上記冷却ラインの下流側に配置された巻取り機で巻き取ることにより、条鋼線材コイルを製造し、上記冷却ラインは、間隔をおいて配置された複数の冷却部を備え、上記複数の冷却部間の区間が複数の冷却部間復熱部として提供され、上記複数の冷却部のうち最も下流側に位置する冷却部と巻取り機との間の区間が、最終段復熱部として提供され、上記条鋼線材の表面温度を、上記冷却部を通過する度に低下させ、上記復熱部を通過する度に上記条鋼線材の内部熱により上昇させる条鋼線材コイルの製造方法において、
上記巻き取り時の上記条鋼線材の表面温度をA1変態点以下にし、上記巻取り機はスプールとその手前の整列機構を有し、上記整列機構により整列された上記条鋼線材を上記スプールに密巻きして上記条鋼線材コイルを得ることを特徴とする。
上記方法によれば、巻き取り時に条鋼線材の表面温度がA1変態点以下になっているので、条鋼線材を密巻きにしても条鋼線材の断面変形を抑制することができるとともに、高温にさらされることによる設備損傷を抑制できる。
好ましくは、上記巻き取り時の上記条鋼線材の表面温度を700℃以下にする。
上記方法によれば、高温にさらされることによる設備損傷をより一層抑制することができる。
好ましくは、上記複数の冷却部における上流側の冷却部で、上記条鋼線材の表面温度を上記冷却ラインにおける最低温度にする。
上記方法によれば、より確実に巻取り後の条鋼線材の断面変形を抑制しつつ、設備の保護ができる。
好ましくは、上記巻き取り時の上記条鋼棒材の表面温度と、上記冷却ラインにおける上記条鋼棒材の表面温度の最低値との差が、150℃以上である。
本発明によれば、巻取り後の条鋼線材の断面変形を抑制できる密巻きの条鋼線材コイルを製造することができるとともに設備損傷を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る条鋼線材コイルの製造システムを示す概略図である。 上記製造システムの巻取り機を示す概略図である。 上記巻取り機のスプールに密巻きされた条鋼線材コイルを模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、条鋼線材コイルを製造する製造システムは、圧延方向に沿って直線状に配置された圧延ライン10と、冷却ライン20と、巻取り機30とを備えている。
圧延ライン10は上流側から下流側に向かって順に配置された加熱炉11、粗列圧延機12、中間列圧延機13、仕上げ圧延機14、最終仕上げ圧延機15を有している。加熱炉11で加熱されたビレットまたはブルームは、粗列圧延機12、中間列圧延機13、仕上げ圧延機14、最終仕上げ圧延機15で連続圧延されて、段階的にその断面が減面され、最終仕上げ圧延機15から所望寸法の条鋼線材1となって出てくる。
冷却ライン20は、最終仕上げ圧延機15の出側(下流側)に配置された冷却装置群により構成されている。冷却装置群は、冷却ライン20に沿って間隔をおいて配置された7つ(複数)の冷却装置21〜27を有している。以下、これら冷却装置21〜27を、上流側から下流側に沿って順に1番目〜7番目の冷却装置と言う。これら冷却装置21〜27により最終仕上げ圧延機15から出てきた条鋼線材1は段階的に冷却され、巻取り機30に送られる。なお、各冷却装置21〜27において実際に冷却を行なう部位を、以下の説明において冷却部と言う。
図2に示すように巻取り機30は、スプール31と、このスプール31の直前に配置された整列機構32とを備えている。整列機構32の手前には、ピンチローラ35が配置されている。条鋼線材1がピンチローラ35に挟まれた状態でスプール31が図示しない駆動モータにより回転され、条鋼線材1にはピンチローラ35とスプール31との間で張力が作用するようにスプール31の回転が制御される。整列機構32はスプール31の回転に伴い、スプール31の軸方向に往復移動し、条鋼線材1を整列させる。これにより、条鋼線材1は図3に示すように層をなして密に巻かれ、条鋼線材コイル2が得られる。
スプール31に巻かれた条鋼線材コイル2は、製造ラインから外される。
冷却ライン20での条鋼線材1の冷却工程を概略的に説明する。条鋼線材1は冷却装置21〜27の各冷却部を通過する度に段階的に冷却される。条鋼線材1の表面温度は、中心部と比較して温度低下が大きい。条鋼線材1の表面温度は、上記復熱部を通過する過程では、中心部からの伝熱により急激に温度が上昇する(回復する)。このように、条鋼線材1の表面温度は冷却ライン20において変動しながら徐々に低下していく。
条鋼線材1の中心部の温度の低下は表面温度と比較して緩やかである。
最も下流側の復熱部では、条鋼線材1の表面温度が急激に上昇した後、緩やかに上昇を続け、中心温度は緩やかに低下する。その結果、条鋼線材1がスプール31で巻き取られる際に、中心温度と表面温度は略等しいか、その差が10℃程度以下となっている。
本発明では、巻取り機30のスプール31で巻き取られる際の条鋼線材1の表面温度を、A1変態点(727℃)以下にしている。これにより、巻取り時には少なくとも表面では[オーステナイト]から [フェライト+パーライト]への組織の変態が終了しており、
条鋼線材1に張力を作用させてスプール31に密巻きにしても条鋼線材1の断面変形を抑制することができる。
好ましくは、スプール31で巻き取られる際の条鋼線材1の表面温度を、700℃以下にしている。このように表面温度をA1変態点より十分に低くすることにより、条鋼線材1は巻取り時には略全領域で [フェライト+パーライト]への組織の変態が終了しており
、また条鋼線材1の変形抵抗も大きくなっており、条鋼線材1に張力を作用させてスプール31に密巻きにしても条鋼線材1の断面変形を確実に防ぐことができる。また、高温にさらされることによる設備損傷をより一層抑制でき、設備の保護もより一層確実となる。
上流側でやや強めに冷却することにより、冷却装置21〜27の複数の冷却部における上流側の冷却部で条鋼線材1の表面温度は冷却ライン20における最低温度になる。具体的には3番目の冷却部の出口で最低温度となる。最低温度は500℃以上が好ましい。なお、最低温度は、1番目または2番目の冷却部で実現させてもよい。
好ましくは、巻き取り時の条鋼棒材1の表面温度と、冷却ライン20において冷却中の条鋼棒材1の表面温度の最低値との差を、150℃以上とする。
本発明は、熱間圧延された条鋼線材を密巻きする方法に適用することができる。
1 条鋼線材
2 条鋼線材コイル
10 圧延ライン
15 最終仕上げ圧延機
20 冷却ライン
21〜27 冷却装置
30 巻取り機
31 スプール
32 整列機構

Claims (4)

  1. 圧延ラインで連続圧延することにより得られた条鋼線材を、上記圧延ラインの最終仕上げ圧延機の下流側に配置された冷却ラインにより冷却した後、上記冷却ラインの下流側に配置された巻取り機で巻き取ることにより、条鋼線材コイルを製造し、
    上記冷却ラインは、間隔をおいて配置された複数の冷却部を備え、上記複数の冷却部間の区間が複数の冷却部間復熱部として提供され、上記複数の冷却部のうち最も下流側に位置する冷却部と巻取り機との間の区間が、最終段復熱部として提供され、上記条鋼線材の表面温度を、上記冷却部を通過する度に低下させ、上記復熱部を通過する度に上記条鋼線材の内部熱により上昇させる条鋼線材コイルの製造方法において、
    上記巻き取り時の上記条鋼線材の表面温度をA1変態点以下にし、
    上記巻取り機はスプールとその手前の整列機構を有し、上記整列機構により整列された上記条鋼線材を上記スプールに密巻きして上記条鋼線材コイルを得ることを特徴とする条鋼線材コイルの製造方法。
  2. 上記巻き取り時の上記条鋼線材の表面温度を700℃以下にすることを特徴とする請求項1に記載の条鋼線材コイルの製造方法。
  3. 上記複数の冷却部における上流側の冷却部で、上記条鋼線材の表面温度を上記冷却ラインにおける最低温度にすることを特徴とする請求項1または2に記載の条鋼線材コイルの製造方法。
  4. 上記巻き取り時の上記条鋼棒材の表面温度と、上記冷却ラインにおける上記条鋼棒材の表面温度の最低値との差が、150℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の条鋼線材コイルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7526608B2 (ja) 2019-08-27 2024-08-01 トピー工業株式会社 条鋼線材コイルの製造方法

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