JP2011127018A - 重合体組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オレフィン系重合体100重量部と、該オレフィン系重合体100重量部に対し、HLB値が4以下であるエステル0.01〜100重量部と、放出性活性化合物0.01〜200重量部とを含む重合体組成物。前記放出性活性化合物が、害虫防除剤および/または滑剤である重合体組成物。前記オレフィン系重合体が、密度が870〜980kg/m3、MFRが0.1〜20g/10minのエチレン−α−オレフィン共重合体である重合体組成物。
【選択図】なし
Description
したがって、長期間に渡って使用可能な成形体とするためには、重合体への飽和溶解量を超える量の活性化合物を配合した重合体組成物を用いる必要がある。しかしながら過飽和量の活性化合物を重合体に含有させた重合体組成物を用いて得られる成形体は、使用初期に多量に活性化合物がブリードしてしまい、所望の期間ブリード速度を維持できないことがあった。
すなわち、本発明は、オレフィン系重合体100重量部と、該オレフィン系重合体100重量部に対し、HLB値が4以下であるエステル0.01〜100重量部と、放出性活性化合物0.01〜200重量部とを含む重合体組成物である。
さらに本発明は、前記重合体組成物を成形して得られる成形体である。
本発明の重合体組成物には、必要に応じて、HLB値が4以下であるエステルおよび放出性活性化合物以外の添加剤を配合してもよい。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定を行った。
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、測定試料片は、JIS K6760−1995に記載のアニーリング低密度ポリエチレンの方法に従いアニーリングを行い測定に用いた。
(1)放出性活性化合物保持体の調整
放出性活性化合物として、害虫防除剤であるペルメトリン(住友化学社製 商品名エクスミン)を用いた。ペルメトリン51重量部に、酸化防止剤2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(以下、AO−1と記す。)1.5重量部を溶解させた。次に、ペルメトリンとAO−1との混合物52.5重量部と保持体である非晶性シリカ(鈴木油脂製 商品名多孔質シリカ)47.5重量部(ペルメトリン100重量部あたり93.1重量部)とを攪拌混合し、放出性活性化合物保持体を調製した。
オレフィン系重合体として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製 商品名:ハイゼックス440M;MFR=0.9g/10分、密度=948kg/m3)のペレット100重量部と、高圧法低密度ポリエチレン(住友化学社製 スミカセン G803)(以下、LDと記す。)のペレット9.8重量部とを混合した混合物を用いた(以下、オレフィン系重合体混合物と記す)。
オレフィン系重合体混合物100重量部と、該混合物オレフィン系重合体混合物100重量部に対し、酸化防止剤n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバスペシャルティケミカルズ社製 商品名Irganox1076を0.013重量部と、放出性活性化合物保持体4.4重量部と、HLB値が4以下であるエステルとしてミリスチン酸エチルエステル(HLB=3.4)1.4重量部とを、バンバリーミキサーを用いて、約150℃で溶融混練し、フィラメント成形用重合体組成物を調製した。
フィラメント成形用重合体組成物を、1mmφ−4穴ダイ付の20mmφ押出機を用いて、吐出量0.6kg/hr、ダイ設定温度200℃で押し出し、ライン速度14m/分で引き取り、加熱水槽に通して112m/分で引き取り延伸倍率を8倍延伸として、200デニールのモノフィラメントに成形した。
このモノフィラメントを23℃の恒温室において保管し、3,7,14,28日後に取り出し、アセトンを用いて表面を洗浄しブリード物を除去し、洗浄に用いたアセトンを窒素ブローにより留去させた後、内標準であるリン酸トリフェニル50ppmのエタノールを用いて再分散させ、ガスクロマトグラフィーによりペルメトリンブリード量を求めた。
ガスクロマトグラフィーは下記の条件で測定を行った。
注入量 1μl.
カラム キャピラリーカラム DB-1
(長さ 30m、内径 0.25 mm、膜厚 0.25 μm)
検出器 水素炎イオン検出器(FID)
気化室温度 265℃
検出器温度 265℃
カラム温度 初期50℃ 1分 後240℃まで20℃/minで昇温
内標準ピークに対するペルメトリンピークの比の検量線を作成し、ペルメトリンのブリード量を求めた。
ペルメトリンブリード量をモノフィラメント重量で除し、モノフィラメント重量あたりのブリード量とした。洗浄したモノフィラメントは再び23℃の恒温室において次の測定日まで保管した。3(または1)、7、14、28日目におけるブリード量を足し合わせたものを累積ペルメトリンブリード量とした。このようにして28日間の累積ペルメトリンブリード量を算出した。結果を表1に示した。
重合体組成物の調整時にミリスチン酸エチルエステルの代わりに、ステアリン酸亜鉛を用いた以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得た。該組成物を用いて実施例1と同様にモノフィラメントを製造し、ペルメトリンブリード量を測定した。結果を表1に示した。
重合体組成物の調整時にミリスチン酸エチルエステルの代わりに、ミリスチン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得た。該組成物を用いて実施例1と同様にモノフィラメントを製造し、ペルメトリンブリード量を測定した。結果を表1に示した。
重合体組成物の調整時にミリスチン酸エチルエステルの代わりに、パルミチン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得た。該組成物を用いて実施例1と同様にモノフィラメントを製造し、ペルメトリンブリード量を測定した。結果を表1に示した。
重合体組成物の調整時にミリスチン酸エチルエステルの代わりに、ステアリン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得た。該組成物を用いて実施例1と同様にモノフィラメントを製造し、ペルメトリンブリード量を測定した。結果を表1に示した。
重合体組成物の調整時にミリスチン酸エチルエステルの代わりに、ベヘン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得た。該組成物を用いて実施例1と同様にモノフィラメントを製造し、ペルメトリンブリード量を測定した。ブリード量の測定は1,7,14,28日後に行いこれらを足し上げ28日間累積ペルメトリンブリード量とした。結果を表1に示した。
重合体組成物の調整時にミリスチン酸エチルエステルの代わりに、モノステアリン酸グリセロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得た。該組成物を用いて実施例1と同様にモノフィラメントを製造し、ペルメトリンブリード量を測定した。結果を表1に示した。モノステアリン酸グリセロールのHLB値は4.4であった。
放出性活性化合物含有コンパウンドの調整時にミリスチン酸エチルエステルの代わりにジステアリン酸グリセロールとした以外は、実施例1と同様にして、モノフィラメントを作製しペルメトリンブリード量を測定した。この結果を表1に示した。ジステアリン酸グリセロールのHLB値は3.4であった。
Claims (11)
- オレフィン系重合体100重量部と、該オレフィン系重合体100重量部に対し、HLB値が4以下であるエステル0.01〜100重量部と、放出性活性化合物0.01〜200重量部とを含む重合体組成物。
- 前記放出性活性化合物が、害虫防除剤および/または滑剤である請求項1に記載の重合体組成物。
- 前記放出性活性化合物が、ピレスロイド系化合物である請求項2に記載の重合体組成物。
- 前記オレフィン系重合体がエチレン系重合体である請求項1−3いずれかに記載の重合体組成物。
- 前記エチレン系重合体がエチレン−α−オレフィン共重合体であり、その密度が870〜980kg/m3、MFRが0.1〜20g/10minである、請求項4に記載の重合体組成物。
- 請求項1〜5いずれかに記載の重合体組成物を成形して得られる成形体。
- 2倍以上に延伸されている請求項6に記載の成形体。
- フィラメントである請求項7に記載の成形体。
- 請求項8に記載のフィラメントから形成される蚊帳。
- オレフィン系重合体100重量部と、該オレフィン系重合体100重量部に対し、HLB値が4以下であるエステル0.01〜100重量部と、放出性活性化合物0.01〜200重量部とを含む重合体組成物を、2倍以上に延伸することを特徴とする成形体の製造方法
- フィラメントを製造する、請求項10に記載の製造方法。
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