JP2010234998A - ドアウエザストリップの取付構造 - Google Patents

ドアウエザストリップの取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】車室内側への水漏れを防止するドアウエザストリップの取付構造を提供する。
【解決手段】ドアウエザストリップは、ドア2の周縁部に沿って取付けられる取付基部11と、中空シール部12及びサブシール部13とを備える。ドア2はドアサッシュ55の端がドアパネル51の内側に差し込まれて溶接されてなり、ドアウエザストリップは、かかる溶接部に対応し型成形部7を備える。型成形部7の中空シール部12は、ドア2の閉鎖時において、当該中空シール部12の突出方向先端71を外れた車内側壁部73がドア用開口部1aの周縁部に面で圧接する。型成形部7のうちベルトラインの上方のサブシール部13を有するサッシュ対応部と、下方のサブシール部13の存在しないパネル対応部42との区間には、中空シール部12の突出方向先端部位72において、中空シール部12の前記車内側壁部73よりも肉厚の大きな厚肉部74が形成される。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両のドアに取付けられるドアウエザストリップの取付構造に関するものである。
一般に、自動車等のボディに形成されたドア用開口部を開閉するドアの周縁部にはドアウエザストリップが取付けられる。ドアウエザストリップは、ドアの上辺部において、ドア周縁部に沿って設けられたドアサッシュのリテーナ部に取付けられる取付基部と、取付基部と一体形成され、中空部を有する中空シール部とを備えている。尚、ドアの下辺部においては、取付基部に複数のクリップが所定間隔で設けられ、それらのクリップによって取付基部がドアパネルの周縁部に取付けられている。また、ドアの上辺部においては、シール性の向上及び風切り音の抑制等を図るべく、中空シール部よりも車外側において取付基部の上部からドア外周側に向けて延出するサブシール部を備えたものも知られている。そして、ドアの閉鎖時には、ドアウエザストリップの中空シール部及びサブシール部が自動車ボディのドア用開口部の周縁部に圧接することによって、ドアと自動車ボディとの間がシールされる。
ところで、一般に、ドアウエザストリップのうちドアのベルトラインよりも下方のドアパネルに取付けられる部位に関しては、意匠性の向上等を図るべく、サブシール部が省略されている。すなわち、ドアウエザストリップは、ドアの窓部を区画するドアサッシュとドアパネルとの接続部位に対応して型成形部を備え、同該型成形部においてサブシール部の断面形状を徐々に変化させ、ベルトラインの直下からサブシール部を省略している。
しかしながら、型成形部のうちサブシール部が設けられていない部位に関しては、高圧洗車等に際し、ドアサッシュとドアパネルとの溶接部を介して、中空シール部に水が直撃するおそれがある。特に、型成形部に関しては、取付基部に対し、中空シール部の内側面等を成形するコア金型を抜き取るためのスリットを形成する必要があるため、これに起因して、型成形部の形状維持が困難なものとなる。従って、中空シール部に水が直撃すると、当該中空シール部が変形し、中空シール部と自動車ボディ(ドア用開口部の周縁部)との間から車室内側に水が浸入してしまうおそれがある。
また、例えば、ドアの閉鎖時において、中空シール部とドア用開口部の周縁部とを圧接させると、両者間に略三角形状の隙間が形成され、当該隙間が比較的大きい場合には、当該隙間を介して車室内側に水等が浸入し易くなってしまうおそれがある。
これに対し、中空シール部の内側にパッドを挿入し、中空シール部のシール力を高めるといった技術がある(例えば、特許文献1参照)。
実開平6−62314号公報
しかしながら、中空シール部の内側にパッドを挿入する場合、製造作業性の低下やコストアップを招くおそれがある上、中空シール部の反発力が大きくなりすぎて、ドアを閉め切る際に比較的大きな力を要してしまうおそれがある。また、中空シール部の内側にパッドを挿入したとしても、ドアの閉鎖時において中空シール部とドア用開口部の周縁部との間に形成される略三角形状の隙間を小さくすることはできず、依然として、サブシール部が設けられていない部位においては、かかる隙間を介して車室内側に水等が浸入してしまうことが懸念される。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ドアサッシュとドアパネルとの溶接部におけるシール性の向上を図り、車室内側への水漏れを防止することのできるドアウエザストリップの取付構造を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.車両のドアの周縁部に沿って取付けられる取付基部と、
前記取付基部と一体成形され、中空部を有してなる中空シール部と、
前記中空シール部よりも車外側において前記取付基部のドア外周側の部位から車外側に延出し、窓部を区画するドアサッシュ及びドアパネルの外周縁部の車内側面に当接する背面シール部と、
ドアの上辺部において前記中空シール部よりも車外側、かつ、前記背面シール部よりも車内側において前記取付基部からドア外周側に向けて延出するサブシール部とを備え、
前記ドアの閉鎖時には、前記中空シール部及び前記サブシール部が、車両本体に形成されたドア用開口部の周縁部に圧接して、前記車両本体と前記ドアとの間がシールされるドアウエザストリップの取付構造であって、
前記ドアは、前記ドアサッシュの端末部がドアパネルの内側に差し込まれて当該ドアパネルと溶接されてなり、
前記ドアウエザストリップは、前記ドアサッシュと前記ドアパネルとの溶接部に対応して配置されるコーナー部において型成形部を備え、
前記型成形部の前記中空シール部は、前記ドアの閉鎖時において、当該中空シール部の突出方向先端である頂部を外れた車内側の部位である車内側壁部がドア用開口部の周縁部に面で圧接し、
前記型成形部のうち、ベルトラインよりも下方に配置されるパネル対応部には前記サブシール部が存在しない構成であり、
少なくとも前記型成形部のうち、ベルトラインよりも上方に配置されて前記サブシール部が設けられたサッシュ対応部と、前記パネル対応部との境界部を跨ぐ区間には、前記頂部を含む前記中空シール部の突出方向先端部位において、当該先端部位を前記中空シール部の内側に膨出させることで、前記中空シール部の前記車内側壁部よりも肉厚の大きな厚肉部が形成されていることを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。
手段1によれば、型成形部の中空シール部の突出方向先端部位に厚肉部が形成されている。このため、中空シール部の先端部位の剛性が高められ、ドアの閉鎖時において中空シール部の車内側壁部をより強くドア用開口部の周縁部(車両本体)に圧接させることができる。さらに、中空シール部の先端部位に関しては、厚肉部が形成されていることから、当該中空シール部の先端部位が外側に膨らむようにして変形するといった事態を防止することができる。その一方で、車内側壁部に関しては、ドア用開口部の周縁部に圧接した際に比較的スムースに追従的に変形させ、面で当接させることができる。従って、中空シール部(中空シール部の先端部位と車内側壁部との境界部)とドア用開口部の周縁部との間に形成される略三角形状の隙間を極力小さくすることができ、かかる隙間を介して、車室内側に水等が浸入してしまうといった事態を防止することができる。
また、中空シール部の内側にパッドなどを挿入して中空シール部のシール力を高める場合に比べ、製造作業性の低下やコストアップを抑制することができる上、中空シール部の反発力が大きくなりすぎることに起因して、ドアを閉め切る際に比較的大きな力を要してしまうといったおそれを回避することができる。
さらに、中空シール部に厚肉部が形成されることで、中空シール部が水圧を受けても中空シール部が変形し難くなることから、中空シール部の変形に伴って背面シール部が傾倒するようにして変形し、背面シール部とドアサッシュ等との間のシール性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
加えて、厚肉部は、中空シール部の先端部位を中空シール部の内側に膨出させることで形成されていることから、例えば、中空シール部の外表面に突部を形成することで厚肉部を構成する場合のように、意匠性の低下を招いてしまうといったおそれを回避することができる。
尚、型成形部のうち、前記中空シール部に前記厚肉部が形成された区間の部位の前記背面シール部が、前記溶接部において、前記ドアサッシュと前記ドアパネルの外周縁部の車内側面とに一連に圧接されていることとしてもよい。この場合、背面シール部と前記溶接部との間に形成される隙間から車室内側に水が浸入するといった事態を極力抑制することができる。
手段2.前記厚肉部には凹部が形成されていることを特徴とする手段1に記載のドアウエザストリップの取付構造。
手段2によれば、厚肉部に凹部が形成されることにより、例えば、中空シール部の先端部位全域を一様に厚肉に構成した場合のように成形歪み等が生じてしまうといったおそれを抑制しつつ、中空シール部の先端部位の剛性を高めることができる。
尚、中空シール部の内側面には、中空シール部の周方向又は型成形部の長手方向に沿って延びる突条部が互いに所定間隔を隔てて複数設けられていることとしてもよい。また、中空シール部の内側面には、型成形部の長手方向に沿って所定間隔毎に略筒状の凸部が設けられていることとしてもよい。前者の構成を採用する場合、突条部が設けられた部位が厚肉部に相当し、後者の構成を採用する場合、凸部が設けられた部位が厚肉部に相当する。また、互いに隣り合う突条部(凸部)間の部位が凹部に相当する。
手段3.前記厚肉部は、前記型成形部の上端部又は上端部近傍にまで形成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のドアウエザストリップの取付構造。
手段3によれば、長手方向全域にわたり取付基部において中空シール部の内側面を形成するコア金型を抜き取るためのスリットが形成される型成形部の形状が維持され易くなる。従って、型成形部のシール性の向上を図ることができる。
リアドアが開状態にある自動車の斜視図である。 ドアウエザストリップの正面図である。 ドアウエザストリップを示す図2のJ−J線断面図である。 型成形部の正面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のK−K線断面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のL−L線断面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のM−M線断面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のN−N線断面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のO−O線断面図である。 中空シール部の内側面を示す模式斜視図である。 別の実施形態における中空シール部の内側面を示す模式斜視図である。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、車両としての自動車Mには、自動車ボディ1(車両本体)に形成されたドア用開口部1aを開閉する自動車ドア(図ではリアドア:以下、単に「ドア2」という)が設けられている。また、ドア2の外周縁には、ドア2の閉鎖時においてドア2とドア用開口部1aの周縁部との間をシールするドアウエザストリップ3が取着されている。加えて、ドア2には、ベルトラインに沿ってガラスウエザストリップ(ベルトラインモール9)が設けられている。
尚、詳しくは後述するが、ドア2は、インナパネル52とアウタパネル53とを具備し(図8等参照)、両パネル52、53間にドアガラスG等が装備されるドアパネル51と、ドア2の窓部Wを区画するドアサッシュ55(図3等参照)とを備え、ドアサッシュ55の後側の端末をドアパネル51の内側に差し込んで(図7参照)、当該ドアサッシュ55の端末とドアパネル51とを溶接することにより構成されている。
図2に示すように、ドアウエザストリップ3は、ドア2の上縁部に沿って配設される押出成形部4と、ドア2の前後の縦縁部及び下縁部に沿って配設される押出成形部5と、押出成形部4、5の端部同士を接続する型成形部(同図散点模様を付した部分)6、7とを備え、全体として略環状に構成されている。押出成形部4、5は、図示しない押出成形機により長尺状に形成される。また、型成形部6、7は、ドア2のコーナー部に配設され、隣接する押出成形部4、5の端部同士を接続するようにして所定の金型装置によって形成される。本実施形態では、ドアウエザストリップ3は、スポンジEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム)で構成されている。また、ドア2の上縁部の後側の部位は、後方に向けて下方傾斜する斜辺部となっている。
図3に示すように、押出成形部4は、ドア2の外周縁に沿って設けられたドアサッシュ55(詳しくは後述する断面略C字状のリテーナ部DR)に嵌合される取付基部11と、当該取付基部11の車内側で、かつドア2の外周側に突出形成され、内部に中空部12aを有してなる中空シール部12と、中空シール部12よりも車外側において取付基部11からドア2の外周側に延出したサブシール部13と、サブシール部13よりも車外側において該サブシール部13の根元部の取付基部11から車外側に延出した背面シール部14とを備えている。本実施形態では、押出成形により、取付基部11、中空シール部12、サブシール部13、及び背面シール部14がいずれも同じ材料で同時に成形される。そして、ドア2の閉鎖時に、中空シール部12及びサブシール部13が自動車ボディ1のドア用開口部1aの周縁部に圧接し、これにより、自動車ボディ1とドア2との間がシールされる。
取付基部11は、略平板状の底板部11aと、底板部11aの上面の車外側の部位からドア2の外周側に向けて延出する車外側側壁部11bと、車外側側壁部11bの略先端部と前記底板部11aの上面の車内側の部位とを連結するブリッジ部11cとを備えている。また、車外側側壁部11bと底板部11a、及び、ブリッジ部11cと底板部11aの各連接部は、底板部11aの両側辺部よりもそれぞれ内側(底板部11aの車内外方向中央部側)に位置しており、これによって、底板部11aには、ブリッジ部11cよりも車内側に位置する車内側片部21と、車外側側壁部11bよりも車外側に位置する車外側片部22とが形成されている。加えて、本実施形態では、中空シール部12は、車外側側壁部11bとブリッジ部11cとの連接部と、底板部11aとブリッジ部11cとの連接部とにかけて、車内側で、かつドア2の外周側に凸となるように湾曲形成されている。
また、図3に示すように、ドアサッシュ55は、断面略C字状のリテーナ部DRを備えており、リテーナ部DRは、ドアウエザストリップ3の取付基部11の底板部11aのうちドア2の内周側の面と対向する底壁部32と、底壁部32の車内側端縁から上方に延出し、先端側が車外側に折り曲げられた車内側係止部33と、底壁部32の車外側端縁から上方に延出し、先端側が車内側に折り曲げられた車外側係止部34とを備えている。尚、ドアサッシュ55は、車外側係止部34の先端縁から車外側係止部34のドア2の外周側に折り返して車外側に向けて延びる折返し部35と、折返し部35の車外側端縁からドア2の外周側に向けて延出する縦壁部36とを備えている。また、車内側係止部33及び車外側係止部34の各先端側の部位、及び折返し部35は、ドアウエザストリップ3の取付方向に対してほぼ直交する方向に延びている。尚、折返し部35は、ドアウエザストリップ3の取付状態において、背面シール部14よりもドア2の内周側に位置している。
そして、ドアウエザストリップ3の取付基部11の底板部11aが、ドアサッシュ55のリテーナ部DRの底壁部32、車内側係止部33、及び車外側係止部34の内側に嵌め込まれることで、取付基部11(底板部11a)の車内側片部21が車内側係止部33に係止され、車外側片部22が車外側係止部34に係止される。また、背面シール部14の先端部位が縦壁部36に当接する。
尚、押出成形部5についても、基本的に押出成形部4と同様の断面形状をなし、取付基部11、中空シール部12、背面シール部14等を備えている。但し、押出成形部5に関しては、サブシール部13が省略されている。
また、図8等に示すように、ドアパネル51においては、軽量化等の理由から、ドアサッシュ55に設けられたようなリテーナ部DRが省略されている。このため、ドアウエザストリップ3のうちドアパネル51に取付けられる部位に関しては、ドアウエザストリップ3の長手方向に沿って所定間隔毎に設けられたクリップが、インナパネル52のうち車外側に折り返された部位に形成された取付孔に嵌め込まれることでドア2に取付けられている(図示略)。また、ドアウエザストリップ3のうちドアパネル51に取付けられる部位に関しては、ドアパネル51に取付けられたドアウエザストリップ3よりも車外側において、インナパネル52がドア2の外周側に折り返されることで形成された縦壁部36に対し、背面シール部14の先端部位が圧接されている。
尚、ドア2の縦縁部に対応しては、雨水等はほぼ真下へ流れ、取付基部11とドアサッシュ55及びドアパネル51との間から車室内側へ浸入するおそれが少ないため、所定間隔をあけて間欠的に取付けられるクリップのみでもシール性は十分に確保される。
これに対し、ドア2の上縁部(及び斜辺部)に対応しては、クリップで固定するのみでは、ドアウエザストリップ3とドアサッシュ55との間のシール性を十分に確保することが難しい。このため、当該部位については、基本的に、上記のようにリテーナ部DRが設けられている。
さて、本実施形態では、図4の二点鎖線で示すX−X線の位置にベルトラインが設定されており、押出成形部4のうちドア2の斜辺部に配設される側の端末(後側の端末)と押出成形部5とを接続する型成形部7は、ベルトライン(ベルトラインモール9に対応する部位)を上下に跨ぐようにして配設されている。特に、本実施形態では、型成形部7のうちドア2の斜辺部に対応する部位(後方に向けて下方傾斜している部位)において、ベルトラインと交錯している。
また、本実施形態では、型成形部7の中空シール部12は、ドア2の閉鎖時において、当該中空シール部12の突出方向先端である頂部71を外れた車内側の部位である車内側壁部73がドア用開口部1aの周縁部に対して面で圧接する構成となっている。すなわち、型成形部7は中空シール部12が自動車ボディ1との圧接時に傾倒するようにして変形するベンディングタイプとなっている。
図5等に示すように、型成形部7のうち、ベルトラインよりも上方に設けられる部位(以下、サッシュ対応部41と称する)に関しては、基本的に押出成形部4と同様の断面形状を有しており、サッシュ対応部41には、押出成形部4のサブシール部13と連続して延びるサブシール部13が設けられている。
図9等に示すように、型成形部7のうち、ベルトラインよりも下方に設けられる部位(以下、パネル対応部42と称する)に関しては、基本的に押出成形部5と同様の断面形状をなしている。すなわち、パネル対応部42には、押出成形部5と同様にサブシール部13が省略されており、これによって、意匠性の向上が図られている。ちなみに、サッシュ対応部41とパネル対応部42との連結部においては、サブシール部13の断面形状が徐々に変化している。
さらに、型成形部7の取付基部11には、中空シール部12の内側面等を形成するコア金型を抜き出すためのスリット43が、型成形部7の長手方向略全域に形成されている。尚、同様の理由から、型成形部7に関しては、ブリッジ11cが省略されている。
また、図7に示すように、本実施形態では、ドアサッシュ55の後側の端末が、ベルトラインからドアパネル51の内側(インナパネル52とアウタパネル53との間)に差し込まれ、当該ドアサッシュ55の端末とドアパネル51とが溶接されている。
さらに、図6に示すように、ドアサッシュ55のうちドアパネル51との溶接部の近傍部位においては、ドアサッシュ55の後側の端末に向けて、車外側係止部34及び折返し部35の突出長が次第に短くなっている。加えて、ドアサッシュ55の後側の端末においては車内側係止部33についても省略されている。これにより、上記のように、ドアサッシュ55の後側の端末をドアパネル51の内側に差し込めるようになっている。
さて、型成形部7の中空シール部12は、前記頂部71を含む突出方向先端部位72において、ドア2の閉鎖時にドア用開口部1aの周縁部に圧接する前記車内側壁部73よりも肉厚の大きな厚肉部74を備えている。より詳しくは、図10に示すように、本実施形態では、中空シール部12の先端部位72から中空シール部12の内側(中空部12a側)に突出し、中空シール部12の周方向に沿って延びる突条部75が形成されており、当該突条部75の形成された部位が厚肉部74となっている。また、厚肉部74は、型成形部7の長手方向において所定間隔毎に形成されており、これによって、隣り合う厚肉部74の間には凹部76が形成されている。また、中空シール部12のうち、当該凹部76に対応する部位の肉厚は、車内側壁部73とほぼ同じ肉厚となっている。加えて、中空シール部12の車外側壁部77の肉厚は、車内側壁部73とほぼ同じ肉厚となっている。
また、厚肉部74の形成区間は、サブシール部13が設けられたサッシュ対応部41と、サブシール部13が設けられていないパネル対応部42とを跨ぐようにして設定されている。特に、本実施形態では、厚肉部74の形成区間が、型成形部7の上端部近傍位置にまで設定されている。そして、ドア2の閉鎖時においては、中空シール部12のうち、先端部位72よりも車内側に膨出している車内側壁部73がドア用開口部1aの周縁部と当接して追従的に変形し、かかる周縁部と面で圧接するとともに、厚肉部74が形成された先端部位72の車内側端縁がドア用開口部1aの周縁部に圧接する。加えて、本実施形態では、型成形部7のうち、中空シール部12に厚肉部74が形成された区間の部位の背面シール部14が、ドアサッシュ55とドアパネル51との溶接部において、ドアサッシュ55とドアパネル51とに一連に圧接されている。
尚、パネル対応部42は、その上端部については、接続の都合上、ドア2の車外側の面の後端縁近傍に配置されているが、下側の部位になるにつれ、次第にドア2内周側かつ車内側に配置されている。
また、型成形部7とは別の型成形部6については、基本的に押出成形部4と同様の断面形状をなし、取付基部11、中空シール部12、背面シール部14等を備えている。但し、型成形部6のうちドア2の前縦縁部に対応する部位に関しては、サブシール部13が省略されている。
以上詳述したように、本実施形態では、型成形部7の中空シール部12の突出方向先端部位72に厚肉部74が形成されている。このため、中空シール部12の先端部位72の剛性が高められ、ドア2の閉鎖時において中空シール部12の車内側壁部73をより強くドア用開口部1aの周縁部に圧接させることができる。さらに、中空シール部12の先端部位72に関しては、厚肉部74が形成されていることから、当該中空シール部12の先端部位72が外側に膨らむようにして変形するといった事態を防止することができる。その一方で、車内側壁部73に関しては、ドア用開口部1aの周縁部に圧接した際に比較的スムースに追従的に変形させ、面で当接させることができる。従って、中空シール部12(中空シール部12の先端部位72と車内側壁部73との境界部)とドア用開口部1aの周縁部との間に形成される略三角形状の隙間を極力小さくすることができ、かかる隙間を介して、車室内側に水等が浸入してしまうといった事態を防止することができる。
また、中空シール部12の内側にパッドなどを挿入して中空シール部12のシール力を高める場合に比べ、製造作業性の低下やコストアップを抑制することができる上、中空シール部12の反発力が大きくなりすぎることに起因して、ドア2を閉め切る際に比較的大きな力を要してしまうといったおそれを回避することができる。
さらに、中空シール部12に厚肉部74が形成されることで、中空シール部12が水圧を受けても中空シール部12が変形し難くなることから、中空シール部12の変形に伴って背面シール部14が傾倒するようにして変形し、背面シール部14とドアサッシュ55等との間のシール性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
また、厚肉部74は、中空シール部12の先端部位72から中空部12aの内側に突出する突条部75を形成することで構成されていることから、型成形部7と押出成形部4、5との間で中空シール部12の外表面形状が大きく変化してしまうといった事態を回避することができる。従って、例えば、中空シール部12の外表面に突条部を形成することで厚肉部74を構成する場合のように、意匠性の低下を招いてしまうといったおそれを回避することができる。
加えて、本実施形態では、型成形部7のうち、中空シール部12に厚肉部74が形成された区間の部位の背面シール部14が、ドアサッシュ55とドアパネル51との溶接部において、ドアサッシュ55とドアパネル51とに一連に圧接されている。このため、背面シール部14と前記溶接部との間に形成される隙間から車室内側に水が浸入するといった事態を極力抑制することができる。
また、本実施形態では、複数の厚肉部74が所定間隔を隔てて設けられていることにより、例えば、中空シール部12の先端部位72全域を一様に厚肉に構成した場合のように成形歪み等が生じてしまうといったおそれを抑制しつつ、中空シール部12の先端部位の剛性を高めることができる。
加えて、本実施形態では、厚肉部74は、型成形部7の上端部近傍にまで形成されている。このため、長手方向全域にわたり取付基部11においてスリット43が形成される型成形部7の形状が維持され易くなる。従って、型成形部7のシール性の向上を図ることができる。ちなみに、押出成形部4に関しては、取付基部11に対しコア金型を抜き取るためのスリット43を形成する必要がなく、ブリッジ部11cを設けることができる。このため、型成形部7に比べ、中空シール部12や背面シール部14等のシール力が高い。このため、型成形部7に比べ水が取付基部11側に浸入してしまうおそれが少なく、厚肉部74等を設けなくても十分にシール性が確保される。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、中空シール部12に対し、中空シール部12の周方向に沿って延びる突条部75が形成されることで厚肉部74が形成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。但し、先端部位72全体を厚肉にすると、成形歪み等が生じるおそれが高まるため、厚肉部74を所定間隔毎に設けたり、所定間隔毎に凹部76を形成したりすることが望ましい。例えば、図11に示すように、内側に凹部76を有する筒状の凸部81を、型成形部7の長手方向において所定間隔毎に設けることとしてもよい。この場合、中空シール部12のうち凸部81の形成部位が厚肉部74に相当する。また、例えば、突条部75を型成形部7の長手方向に沿って延びるように形成したり、突条部75を格子状に形成したりすることとしてもよい。
また、上記実施形態では特に言及していないが、「厚肉部74の形成された中空シール部12の外周面のうち、先端部位72と車内側壁部73との境界部は角張っている」こととしてもよい。この場合、ドア2の閉鎖時において、中空シール部12の先端部位72と車内側壁部73との境界部が丸みを帯びている場合に比べ、中空シール部12とドア用開口部1aの周縁部との間に略三角形状の隙間が形成されてしまうといった事態をより確実に防止することができる。また、「先端部位72の車内側の部位は、ドアの閉鎖時において、ドア用開口部1aの周縁部の当接部位に対して略直交する方向、又は、車内側に向けてドア2外周側に傾斜して延びていること」としてもよい。
(b)上記実施形態では、ドア2の斜縁部を含む上辺部に対応して1本の押出成形部4が設けられているが、ドア2のうち略水平方向に延びる上縁部に対応する押出成形部と、上縁部の後端部から下方傾斜して延びる斜縁部に対応する押出成形部と、両押出成形部を接続する型成形部とを設けることとしてもよい。当該ドアウエザストリップについても、上記構成を適用することも可能である。
また、上記実施形態では特に言及していないが、型成形部7の中空シール部12の厚肉部74は、型成形部7のうちドア2の後縁部に対応する部位にまで設けられていることとしてもよい。この場合、ドアウエザストリップ3が斜めに配設される部位において、ドアウエザストリップ3とドアサッシュ55との間を介して、水が上方から下方に抜け、車室内側に進入してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
(c)上記実施形態では、リアドアのドアウエザストリップ3について具体化したが、例えばフロントドア等その他のドアに取着されるドアウエザストリップにも適用することもできる。尚、一般に、フロントドアに関しては、ドアサッシュ55の前側の端縁がドアパネル51の内側に差し込まれ、ドアパネル51と溶接されているため、ドアサッシュ55の前側の端縁とドアパネル51との溶接部に取付けられる部位に関し、上記実施形態と同様の構成を採用することが望ましい。
また、上記実施形態では、ドアウエザストリップ3をEPDMにより構成しているが、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の他の素材により構成してもよい。さらに、上記実施形態では、取付基部11、中空シール部12、サブシール部13、及び背面シール部14がいずれも同一の材料で構成されているが、部分的に異なる材料を使用してもよい。例えば、中空シール部12、サブシール部13、及び背面シール部14をスポンジEPDMで構成し、取付基部11をソリッドEPDM又は微発泡のスポンジEPDMで構成することとしてもよい。
1…自動車ボディ、1a…ドア用開口部、2…ドア、3…ドアウエザストリップ、4,5…押出成形部、6,7…型成形部、11…取付基部、12…中空シール部、13…サブシール部、14…背面シール部、22…車外側係止片、41…サッシュ対応部、42…パネル対応部、51…ドアパネル、55…ドアサッシュ、71…頂部、72…先端部位、73…車内側壁部、74…厚肉部、76…凹部、DR…リテーナ部、G…ドアガラス、M…自動車、W…窓部。

Claims (3)

  1. 車両のドアの周縁部に沿って取付けられる取付基部と、
    前記取付基部と一体成形され、中空部を有してなる中空シール部と、
    前記中空シール部よりも車外側において前記取付基部のドア外周側の部位から車外側に延出し、窓部を区画するドアサッシュ及びドアパネルの外周縁部の車内側面に当接する背面シール部と、
    ドアの上辺部において前記中空シール部よりも車外側、かつ、前記背面シール部よりも車内側において前記取付基部からドア外周側に向けて延出するサブシール部とを備え、
    前記ドアの閉鎖時には、前記中空シール部及び前記サブシール部が、車両本体に形成されたドア用開口部の周縁部に圧接して、前記車両本体と前記ドアとの間がシールされるドアウエザストリップの取付構造であって、
    前記ドアは、前記ドアサッシュの端末部がドアパネルの内側に差し込まれて当該ドアパネルと溶接されてなり、
    前記ドアウエザストリップは、前記ドアサッシュと前記ドアパネルとの溶接部に対応して配置されるコーナー部において型成形部を備え、
    前記型成形部の前記中空シール部は、前記ドアの閉鎖時において、当該中空シール部の突出方向先端である頂部を外れた車内側の部位である車内側壁部がドア用開口部の周縁部に面で圧接し、
    前記型成形部のうち、ベルトラインよりも下方に配置されるパネル対応部には前記サブシール部が存在しない構成であり、
    少なくとも前記型成形部のうち、ベルトラインよりも上方に配置されて前記サブシール部が設けられたサッシュ対応部と、前記パネル対応部との境界部を跨ぐ区間には、前記頂部を含む前記中空シール部の突出方向先端部位において、当該先端部位を前記中空シール部の内側に膨出させることで、前記中空シール部の前記車内側壁部よりも肉厚の大きな厚肉部が形成されていることを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。
  2. 前記厚肉部には凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドアウエザストリップの取付構造。
  3. 前記厚肉部は、前記型成形部の上端部又は上端部近傍にまで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアウエザストリップの取付構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013107607A (ja) * 2011-11-24 2013-06-06 Toyota Motor Corp 車両用ドア構造
JP2017149345A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 豊田合成株式会社 ドアウエザストリップ
CN107150578A (zh) * 2017-03-17 2017-09-12 敏实汽车技术研发有限公司 一种汽车门框上条断面结构及其制造方法

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