JP2008304871A - 表示媒体、書込装置、及び表示装置 - Google Patents

表示媒体、書込装置、及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表示濃度の低下を抑制可能な表示媒体、書込装置、及び表示装置を提供する。
【解決手段】表示基板と背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて基板間を移動すると共に、第1の刺激の付与により凝集または分散する第1の粒子と、基板間に封入された分散媒と、表示基板の背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも第1の粒子が複数存在しうる第1の空間と、第1の空間と外部とを連通すると共に第1の粒子が通過し、該第1の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含み、少なくとも可視光領域の光を透過する中空構造体と、を備えた表示媒体、この表示媒体に書込む書込装、この表示媒体を備えた表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示媒体、書込装置、及び表示装置に関する。
従来から、繰り返し書き換えが可能なシート状の表示素子として、基板間に帯電した粒子を封入し、この粒子の基板間の移動を利用して表示を行う表示媒体が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4参照)。
特許文献1の技術によれば、一対の基板間に電気泳動粒子が移動可能な孔を有する多孔質層を設け、この基板間に電気泳動粒子を分散した分散媒を封入する。そして、この多孔質層を、電気泳動粒子とは異なる2色以上の色に着色した構造とし、電気泳動粒子の移動によって多孔質層を遮蔽された状態または解放された状態とすることにより、所定の着色部を視認させて多色表示を行っている。
また、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4の技術によれば、基板間に球状体を充填させて、この球状体の間を介して電気泳動粒子を移動させることで表示を行っている。この球状体は、電気泳動粒子の視認を妨げる遮蔽材として機能し、この球状体を電気泳動粒子とは異なる明度及び色彩を有した構成とすることで、背面基板側に移動した粒子が表示面側から視認されることを妨げてコントラストの低下を抑制すると共に、多色表示を可能としている。
このような表示媒体においては、基板間に電界が形成されると粒子が移動し、無電界時には粒子が移動しない事から、無電界時において画像が保持されるという画像保持性が特徴の一つとなっている。しかしながら、電界形成時に移動した粒子が無電界時においても移動する場合があり、画像保持性の低下が懸念されていた。
特開2005−156808号公報 特開2003―186062号公報 特開2001―242492号公報 特公昭50―152120号公報
本発明は、表示濃度の低下を抑制可能な表示媒体、書込装置、及び表示装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動すると共に、第1の刺激の付与により凝集または分散する第1の粒子と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第1の粒子が複数存在しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第1の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含み、少なくとも可視光領域の光を透過する中空構造体と、を備えた表示媒体である。
請求項2に係る発明は、前記連結孔は、隣接する前記第1の空間を更に連通することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項3に係る発明は、前記第1の刺激は、電界、光、及び熱の何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項4に係る発明は、前記連結孔の孔径は、前記第1の粒子の体積平均一次粒径に対して1.5倍以上150倍以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項5に係る発明は、前記第1の空間の径は、前記連結孔の孔径の1.2倍以上100倍以下である事を特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項6に係る発明は、前記中空構造体の前記第1の空間は、前記表示基板の面方向に規則的に配列されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項7に係る発明は、前記中空構造体の前記第1の空間が前記表示基板と前記基板との向かい合う方向に複数配列され、且つ前記連結孔は、隣接する前記第1の空間を連通していることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項8に係る発明は、前記中空構造体の前記第1の空間は、前記表示基板と前記背面基板との向かい合う方向に規則的に配列されて構成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示媒体である。
請求項9に係る発明は、前記表示基板と前記背面基板との間において前記中空構造体より前記背面基板側に配置され、前記第1の粒子が少なくとも前記表示基板と前記背面基板との向かい合う方向に通過する第1の孔を有すると共に前記第1の粒子とは異なる色を有する中間層を更に備えた事を特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項10に係る発明は、前記中間層は、複数の第3の粒子の集合体であることを特徴とする請求項9に記載の表示媒体である。
請求項11に係る発明は、前記中間層は、不織布であることを特徴とする請求項9に記載の表示媒体である。
請求項12に係る発明は、前記中間層は、白色であることを特徴とする請求項9〜請求項11の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項13に係る発明は、前記第1の粒子は、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が互いに異なると共に、互いに異なる色に着色された複数種類の粒子を含む事を特徴とする請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項14に係る発明は、前記背面基板の前記表示基板との対向面側に積層され、前記第1の粒子を拘束する機能を有する拘束層を更に備えた事を特徴とする請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の表示媒体。
請求項15に係る発明は、前記拘束層は、前記背面基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第1の粒子が複数存在しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第1の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体であることを特徴とする請求項14に記載の表示媒体である。
請求項16に係る発明は、少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動する第2の粒子と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも複数の前記第2の粒子を該第2の粒子と内壁との斥力によって該第2の粒子を凝集させて内部に保持しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第2の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、を備えた表示媒体である。
請求項17に係る発明は、前記連結孔は、隣接する前記第1の空間を更に連通することを特徴とする請求項16に記載の中空構造体である。
請求項18に係る発明は、前記連結孔の孔径は、前記第1の粒子の体積平均一次粒径に対して1.5倍以上150倍以下の範囲内であることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の表示媒体である。
請求項19に係る発明は、前記第1の空間の径は、前記連結孔の孔径の1.2倍以上100倍以下である事を特徴とする請求項16〜請求項18の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項20に係る発明は、前記中空構造体の前記第1の空間は、前記表示基板の面方向に規則的に配列されていることを特徴とする請求項16〜請求項19の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項21に係る発明は、前記中空構造体の前記第1の空間が前記表示基板と前記基板との向かい合う方向に複数配列され、且つ前記連結孔は、隣接する前記第1の空間を連通していることを特徴とする請求項16〜請求項20の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項22に係る発明は、前記中空構造体の前記第1の空間は、前記表示基板と前記背面基板との向かい合う方向に規則的に配列されて構成されていることを特徴とする請求項21に記載の表示媒体である。
請求項23に係る発明は、前記表示基板と前記背面基板との間において前記中空構造体より前記背面基板側に配置され、前記第1の粒子が少なくとも前記表示基板と前記背面基板との向かい合う方向に通過する第1の孔を有すると共に前記第1の粒子とは異なる色を有する中間層を更に備えた事を特徴とする請求項16〜請求項22の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項24に係る発明は、前記中間層は、複数の第3の粒子の集合体であることを特徴とする請求項23に記載の表示媒体である。
請求項25に係る発明は、前記中間層は、不織布であることを特徴とする請求項23に記載の表示媒体である。
請求項26に係る発明は、前記中間層は、白色であることを特徴とする請求項23〜請求項25の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項27に係る発明は、前記第2の粒子は、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が互いに異なると共に、互いに異なる色に着色された複数種類の粒子を含む事を特徴とする請求項16〜請求項26の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項28に係る発明は、前記背面基板の前記表示基板との対向面側に積層され、前記第1の粒子を拘束する機能を有する拘束層を更に備えた事を特徴とする請求項16〜請求項27の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項29に係る発明は、前記拘束層は、前記背面基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第2の粒子が複数存在しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第2の粒子が通過し、該第2の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体であることを特徴とする請求項28に記載の表示媒体である。
請求項30に係る発明は、少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動すると共に、第1の刺激の付与により凝集または分散する第1の粒子と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第1の粒子が複数存在しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第1の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、を備えた表示媒体の、前記表示基板と前記背面基板との基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記第1の刺激を付与する第1の刺激付与手段と、画像情報に応じて前記電圧印加手段及び前記第1の刺激付与手段を制御する制御手段と、を備えた書込装置である。
請求項31に係る発明は、画像情報を取得する取得手段を備え、前記制御手段は、該取得手段によって取得した画像情報に応じて前記電圧印加手段及び前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項30に記載の書込装置である。
請求項32に係る発明は、前記制御手段は、前記第1の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第1の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加するように前記電圧印加手段を制御した後に、前記第1の粒子が凝集する刺激を付与するように前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項30〜請求項31に記載の書込装置である。
請求項33に係る発明は、前記制御手段は、前記第1の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第1の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加するように前記電圧印加手段を制御する前に、前記第1の粒子が分散する刺激を付与するように前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項32に記載の書込装置である。
請求項34に係る発明は、前記第1の刺激は、電界であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定の電界を選択的に前記表示基板と前記背面基板との間に形成することを特徴とする請求項30〜請求項33の何れか1項に記載の書込装置である。
請求項35に係る発明は、前記第1の刺激は、光であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定波長領域の光を選択的に前記表示基板と前記背面基板との間に照射することを特徴とする請求項30〜請求項33の何れか1項に記載の書込装置である。
請求項36に係る発明は、前記第1の刺激は、熱であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定の温度に前記表示基板と前記背面基板との間を加熱することを特徴とする請求項30〜請求項33の何れか1項に記載の書込装置である。
請求項37に係る発明は、少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動すると共に、第1の刺激の付与により凝集または分散する第1の粒子と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第1の粒子が複数存在しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第1の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、を備えた表示媒体と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記第1の刺激を付与する第1の刺激付与手段と、画像情報に応じて前記電圧印加手段及び前記第1の刺激付与手段を制御する制御手段と、を備えた表示装置である。
請求項38に係る発明は、画像情報を取得する取得手段を備え、前記制御手段は、該取得手段によって取得した画像情報に応じて前記電圧印加手段及び前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項37に記載の表示装置である。
請求項39に係る発明は、前記制御手段は、前記第1の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第1の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加するように前記電圧印加手段を制御した後に、前記第1の粒子が凝集する刺激を付与するように前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項37または請求項38に記載の表示装置である。
請求項40に係る発明は、前記制御手段は、前記第1の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第1の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加するように前記電圧印加手段を制御する前に、前記第1の粒子が分散する刺激を付与するように前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項39に記載の表示装置である。
請求項41に係る発明は、前記第1の刺激は、電界であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定の電界を選択的に前記表示基板と前記背面基板との間に形成することを特徴とする請求項37〜請求項40の何れか1項に記載の表示装置である。
請求項42に係る発明は、前記第1の刺激は、光であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定波長領域の光を選択的に前記表示基板と前記背面基板との間に照射することを特徴とする請求項37〜請求項40の何れか1項に記載の表示装置である。
請求項43に係る発明は、前記第1の刺激は、熱であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定の温度に前記表示基板と前記背面基板との間を加熱することを特徴とする請求項37〜請求項40の何れか1項に記載の表示装置である。
請求項44に係る発明は、少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動する第2の粒子と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも複数の前記第2の粒子を該第2の粒子と内壁との斥力によって内部に保持しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第2の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、を備えた表示媒体の、前記表示基板と前記背面基板との基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、画像情報に応じて前記電圧印加手段を制御する制御手段と、を備えた書込装置である。
請求項45に係る発明は、画像情報を取得する取得手段を備え、前記制御手段は、該取得手段によって取得した画像情報に応じて前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項44に記載の書込装置である。
請求項46に係る発明は、前記制御手段は、前記第2の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第2の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加することを特徴とする請求項44または請求項45に記載の書込装置である。
請求項47に係る発明は、少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動する第2の粒子と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも複数の前記第2の粒子を該第2の粒子と内壁との斥力によって内部に保持しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第2の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、を備えた表示媒体と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、画像情報に応じて前記電圧印加手段を制御する制御手段と、を備えた表示装置である。
請求項48に係る発明は、画像情報を取得する取得手段を備え、前記制御手段は、該取得手段によって取得した画像情報に応じて前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項47に記載の表示装置である。
請求項49に係る発明は、前記制御手段は、前記第2の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第2の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加することを特徴とする請求項47または請求項48に記載の表示装置である。
本発明によれば、表示濃度の低下を抑制するという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る表示装置10は、表示媒体12と、書込装置13と、を含んで構成されている。
書込装置13は、電圧印加部14、画像情報取得部17、及び制御部16を含んで構成されている。電圧印加部14、及び画像情報取得部17は、制御部16に信号授受可能に接続されている。
なお、表示媒体12が本発明の表示媒体に相当し、表示装置10が本発明の表示装置に相当し、書込装置13が、本発明の書込装置に相当する。また、電圧印加部14が、本発明の表示装置及び書込装置の電圧印加手段、及び第1の刺激付与手段に相当する。
−表示媒体−
表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板18、表示基板18に間隙をもって対向する背面基板20、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板18と背面基板20との間を複数のセルに区画する間隙部材34、各セル内に封入された、分散媒42、中空構造体26、中間層38、及び第1の粒子36を含んで構成されている。
上記セルとは、表示基板18と、背面基板20と、間隙部材34と、によって囲まれた領域を示している。このセル内には、上記分散媒42が封入されている。この分散媒42中には、第1の粒子36(詳細後述)が複数分散されている。この複数の第1の粒子36は、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板18と背面基板20との間の分散媒42中を移動する。また、このセル内には、中間層38が設けられている(詳細後述)。
また、このセル内には、詳細は後述するが、中空構造体26が表示基板18の背面基板20に向かい合う方向側の面(対向面側)に積層されている。
なお、この表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材34を設け、各画素に対応するように1または複数のセルを形成することで、表示媒体12を、画素毎の色表示が可能となるように構成することができる。なお、本実施の形態では説明及び図面の簡単化のため、一つのセルに着目して示したものである。なお、本実施の形態において用いるそのほかの図、後述する第2の実施の形態、第3の実施の形態、及び第4の実施の形態における図2、図6〜図8、図11、及び図14についても同様に、説明及び図面の簡単化のため、一つのセルに着目して示した。
表示基板18は、支持基板22上に、表示電極24及び表面層25を順に積層して構成されている。背面基板20は、支持基板28上に、背面電極30及び表面層32を順に積層して構成されている。
上記支持基板22及び支持基板28としては、ガラスや、プラスチック、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
背面電極30及び表示電極24には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等を使用することができる。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用でき、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成できる。また、その厚さは、蒸着法、スパッタリング法によれば、通常100Å以上2000Åである。背面電極30及び表示電極24は、従来の液晶表示装置あるいはプリント基板のエッチング等従来公知の手段により、所望のパターン、例えば、マトリックス状、あるいはパッシブマトリックス駆動を可能とするストライプ状に形成することができる。
また、表示電極24を支持基板22に埋め込んでもよい。同じように、背面電極30を支持基板28に埋め込んでもよい。この場合、支持基板22及び支持基板28の材料が第1の粒子36の帯電特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、第1の粒子36の各粒子の組成等に応じて選択する。
なお、背面電極30及び表示電極24各々を表示基板18及び背面基板20と分離させて、表示媒体12の外部に配置してもよい。この場合、背面電極30と表示電極24との間に表示媒体12が挟まれた構成となり、背面電極30と表示電極24との間の電極間距離が大きくなって電界強度が小さくなるため、所望の電界強度が得られるように表示媒体12の支持基板22及び支持基板28の厚みや、支持基板22と支持基板28との基板間距離すなわち間隙部材34の長さを小さくする等の工夫が必要である。
なお、上記では、表示基板18と背面基板20の双方に電極(表示電極24及び背面電極30)を備える場合を説明したが、何れか一方にだけ設けるようにしてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を可能にするために、支持基板22及び支持基板28は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。配線の積層化及び部品実装が容易であることから、TFTは表示基板ではなく背面基板20に形成することが好ましい。
なお、表示媒体12を単純マトリクス駆動とすると、表示媒体12を備えた後述する表示装置10の構成を簡易な構成とすることができ、TFTを用いたアクティブマトリックス駆動とすると、単純マトリクス駆動に比べて表示速度を速くすることができる。
上記表示電極24及び背面電極30が、各々支持基板22及び支持基板28上に形成されている場合、表示電極24及び背面電極30の破損や、第1の粒子36の固着を招く電極間のリークの発生を防止するため、必要に応じて表示電極24及び背面電極30各々上に、誘電体膜として、表面層25及び表面層32を形成することが好ましい。
この表面層25及び表面層32を形成する材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。
また、上記した絶縁材料の他に、絶縁性(体積低効率が10Ω・cm以上)材料中に電荷輸送物質を含有させたものも、表面層25及び表面層32を構成する材料として使用できる。電荷輸送物質を表面層25及び表面層32を構成する材料に含有させることにより、第1の粒子36への電荷注入による粒子帯電性の向上や、第1の粒子36の帯電量が極度に大きくなった場合に第1の粒子36の電荷を漏洩させ、第1の粒子36の帯電量を安定させる。
電荷輸送物質としては、例えば、正孔輸送物質であるヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等が挙げられる。また、電子輸送物質であるフルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等も使用できる。さらに、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂を用いることもできる。
具体的には、ポリビニルカルバゾール、米国特許第4806443号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート等が挙げられる。誘電体膜は、粒子の帯電特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、粒子の組成等に応じて選択する。基板の一方である表示基板は光を透過する必要があるので、上記各材料のうち透明のものを使用することが好ましい。
―間隙部材―
表示基板18と背面基板20との間隙を保持するための間隙部材34は、表示基板18の透明性を損なわないように形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成することができる。
間隙部材34には、セル状のものと、粒子状のものがある。セル状のものとしては、例えば、網がある。網は入手が容易で安価であり、厚さも比較的均一であることから、安価な表示媒体12を製造する場合に有益である。網は微細な画像の表示には不向きであり、あまり解像度が必要とされない大型の画像表示装置に使用することが好ましい。また、他のセル状のスペーサとしては、エッチングやレーザー加工等によりマトリックス状に穴を開けたシートが挙げられ、このシートでは、網に比べ、厚さ、穴の形状、穴の大きさなどを容易に調整できる。このため、シートは微細な画像を表示するための画像表示媒体に使用し、コントラストをより向上させる。
間隙部材34は表示基板18及び背面基板20の何れか一方と一体化されてもよく、支持基板22または支持基板28をエッチング処理したり、レーザー加工したり、予め作製した型を使用し、プレス加工、印刷等によって、任意のサイズのセルパターンを有する支持基板22または支持基板28、及び間隙部材34を作製することができる。
この場合、間隙部材34は、表示基板18側、背面基板20側のいずれか、または双方に作製することができる。
間隙部材34は有色でも無色でもよいが、表示媒体12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないように無色透明であることが好ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等を使用することができる。
また、粒子状の間隙部材34は、透明であることが好ましく、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用できる。
−第1の粒子36−
本発明の表示媒体12の分散媒42中には、複数の第1の粒子36が封入されている。この第1の粒子36は、表示基板18と背面基板20との基板間に第1の粒子36に応じて予め定められた泳動用の電圧範囲(以下、泳動電圧範囲と称する)を超える電圧が印加されて表示基板18と背面基板20との基板間に所定の電界強度以上の電界が形成されることで、分散媒42中を移動する。
また、本実施の形態における第1の粒子36は、第1の刺激として、表示基板18と背面基板20との基板間に形成された電界の作用により凝集または分散する特性を有している。
表示媒体12における表示色の変化は、この分散媒42中の複数の第1の粒子36の分散媒42中の移動によって生じる。
まず、この第1の粒子36の分散媒42中における電界による移動について説明する。
この第1の粒子36には、上述のように、表示基板18と背面基板20との基板間を(分散媒42中を)移動するために必要な泳動電圧範囲が定められている。すなわち、上記第1の粒子36は、粒子が移動開始するために必要な電圧と移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和するまでの電圧範囲としての泳動電圧範囲を有している。
なお、上記電圧とは、表示基板18と背面基板20との基板間に印加される電圧を示している。
上記「表示濃度が飽和」したときの表示濃度は、表示媒体12の表示基板18側における色濃度を光学濃度(Optical Density=OD)の反射濃度計X-rite社の反射濃度計で測定しながら、表示基板18と背面基板20側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が増加する方向に除々に変化(印加電圧値を増加または減少)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧及び電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
すなわち、上記電圧範囲外の電圧が表示基板18と背面基板20との基板間に印加されているときには、表示媒体12の表示濃度に変化は現れず、上記泳動電圧範囲内の電圧が表示基板18と背面基板20との間に印加されると、第1の粒子36の移動により表示媒体12の表示濃度に変化が現れる。
この「表示媒体12の表示濃度に変化が現れた」状態とは、表示媒体12の表示電極24と背面電極30とに電圧を印加して、この電圧値を0Vから連続的に変化させ、表示濃度の変化を目視観察により評価を行って、変化が現れた状態を表す。また、この評価において表示濃度に変化が現れた状態とは、表示基板18の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定したところ、電圧印加前の濃度に対する濃度変化が、0.1以上の変化量であった状態を表す。
第1の粒子36の上記泳動電圧範囲を調整するためには、第1の粒子36を構成する粒子の平均帯電量、各粒子表面の分散媒に対する流動抵抗、平均磁気量(磁化の強さ)、粒子の体積平均一次粒径、及び粒子の形状係数の何れか1つまたは複数を調整すればよい。
なお、第1の粒子36は、上述のような粒子を移動させるために必要な電圧範囲を有さずに、どのような電圧を印加された場合であっても移動する構成であってもよいが、上述のように、電圧範囲を有する方が、表示画像のメモリー性があって、電力の消費無く画像を保存できるので望ましい形態である。
なお、本実施の形態においては、表示媒体12には、第1の粒子36、すなわち一色の粒子のみが封入されている場合を説明するが、このような形態に限られず、互いに色及び上記泳動電圧範囲の異なる複数種類の粒子が封入されていてもよい。この場合には、複数種の第1の粒子36の種類(各色)毎に、互いに上記説明した泳動電圧範囲が異なるように、第1の粒子36を予め調整すればよい。このようにすれば、特定の泳動電圧範囲の電圧を基板間に印加することによって、基板間において移動対象となる色の第1の粒子36粒子を選択的に移動させることができ、第1の粒子36の基板間の移動による多色表示が可能となる。
次に、本実施の形態における第1の粒子36の、第1の刺激としての電界の作用による凝集及び分散特性について説明する。
本実施の形態における第1の粒子36は、電界の作用により分散媒42中で凝集、または分散媒42中に分散した状態となる。
この第1の粒子36の電界の作用による分散媒42中の凝集及び分散は、第1の粒子36の、少なくとも分散媒42と接する面(表面)を構成する材料に電界を作用させることで、該表面を構成する材料の酸化還元反応により第1の粒子36の親水性を増大または疎水性を増大させることによって生じる。
このため、電界を作用させて第1の粒子36の表面を構成する材料が疎水性の分散媒42中で分散している状態で酸化あるいは還元反応を行い粒子が荷電状態になり親水性が上昇した場合には第1の粒子36は凝集する。逆に親水性の分散媒42中において荷電状態で分散している第1の粒子36に酸化あるいは還元反応を行い荷電状態を弱め疎水性が上昇した場合には第1の粒子36は凝集する。
この酸化還元反応を生じさせるために表示基板18と背面基板20との基板間に印加する電圧の電圧値及び電圧印加時間は、第1の粒子36の表面を構成する材料の酸化還元電位に応じて予め定めればよい。
第1の粒子36表面に電荷が存在する場合には対イオンおよび溶媒和による電気二重層が形成されている。電荷の種類、分散媒などの条件にもよるが、ある一定以上の高電圧を印加すると電気二重層のストリッピングが起こり粒子の表面電荷がむき出しになる結果、分散状態が不安定になるため凝集する。
上述のように、本実施の形態の表示媒体12に用いる第1の粒子36は、表示基板18と背面基板20との基板間に予め定められた泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動すると共に、第1の刺激として、表示基板18と背面基板20との基板間に形成された電界の作用により凝集または分散する特性を有している。
この第1の粒子36は、後述する中空構造体26の連結孔(詳細後述)及び中間層38の孔(詳細後述)を通過する大きさ、すなわちこれらの孔径未満の大きさであり、具体的には、第1の粒子36の体積平均一次粒径が10nm以上5000nm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50nm以上2000nm以下の範囲内、さらに好ましくは70nm以上1000nm以下の範囲内である。
ここで、体積平均一次粒径の測定方法としては、複数の第1の粒子36にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折、散乱光の強度分布パターンから平均粒径を測定する、レーザ回折散乱法を採用する。なお、測定は動的光散乱式粒径分布測定装置(LB−550、(株)堀場製作所)を用い、25℃で測定を行った。
この第1の粒子36の濃度(重量比)は、第一の粒子中の顔料濃度によっても変わるが、分散媒42に対して、1体積%以上70体積%以下の範囲に無いが好ましく、より好ましくは、2体積%以上50体積%以下の範囲内であり、より好ましくは、3体積%以上30体積%以下である。第1の粒子36の濃度が低すぎると、十分な色濃度が得られないという問題が生じる場合があり、濃度が高すぎると、凝集が起こったり、粘度上昇により表示速度の低下という問題が生じる場合がある。
上記特性(電界により分散媒42中を電気泳動する特性及び、電界刺激により凝集及び分散する特性)を有する第1の粒子36としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の絶縁性の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に絶縁性の着色剤を含有する粒子等が挙げられ、これらの粒子に特定の表面処理を施すことによって、上述のような電界刺激により分散状態または凝集状態となる第1の粒子36とする。
第1の粒子36の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
第1の粒子36の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤を挙げることができる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして例示することができる。
また、空気を内包した多孔質のスポンジ状粒子や中空粒子は白色粒子として使用できる。
第1の粒子36の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子を挙げることができる。
第1の粒子36の内部や表面には、必要に応じて、磁性材料を混合してもよい。磁性材料は必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料を使用する。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等、選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが好ましい。この光干渉薄膜とは、SiOやTiO等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
第1の粒子36の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、粒子の色に影響を与えないように、透明であることが好ましい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、及びアルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理することができる。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。同じように、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
この外添剤の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが好ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)2と、シランカップリング剤等のシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、粒子は一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量を多くすることができて、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性を制御でき、且つ付与できる帯電能も従来の酸化チタンのそれより顕著に改善することができる。
外添剤の一次粒子は、一般的には1nm以上1000nm以下であり、望ましくは2nm以上100nm以下であるが、これに限定されない。
外添剤と粒子の配合比は粒子の粒径と外添剤の粒径の兼ね合いから調整される。外添剤の添加量が多すぎると粒子表面から該外添剤の一部が遊離し、これが他方の粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる。一般的には、外添剤の量は、粒子100重量部に対して、0.1重量部以上70重量部以下、より望ましくは1重量部以上50重量部以下である。
外添剤は、複数種類の粒子の何れか1種にのみ添加してもよいし、複数種または全ての種類の粒子に添加してもよい。全ての粒子の表面に外添剤を添加する場合は、粒子表面に外添剤を衝撃力で打込んだり、粒子表面を加熱して外添剤を粒子表面に強固に固着したりすることが望ましい。これにより、外添剤が粒子から遊離し、異極性の外添剤が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な外添剤の凝集体を形成することが防止され、ひいては画質劣化が防止される。
また、さらに、上述のような電界刺激により分散状態または凝集状態となる第1の粒子36とするための表面処理としては、粒子表面を酸化還元活性な材料で修飾する。
この酸化還元活性な材料としては、フェロセン誘導体、コバルトセニウム、ルテニウムなどの金属錯体、遷移金属、フラーレン誘導体、ポルフィリン、拡大ポルフィリン、ピロール系化合物、フェノチアジン、ビオロゲン誘導体、フェノチアジン誘導体、チオフェン系化合物、アニリン系化合物、カルバゾール誘導体、テトラチアフルバレン誘導体、ジアミン系化合物、フタロシアニン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体等が挙げられる。
この粒子表面を酸化還元活性な材料で修飾する方法としては、カップリング剤等による活性基の導入やプラズマ放電やコロナ放電やX線照射などによる表面活性化等を用いればよい。
この第1の粒子36を作製する方法としては、従来公知のどの方法を用いてもよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料および帯電制御剤を所定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子を調製し、得られた粒子をその後分散媒に分散する方法が使用できる。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を粒子中に含有させた粒子を調製し、その後分散媒に分散して粒子分散液を作製してもよい。さらにまた、樹脂が可塑化可能で、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤および/または着色剤の分解点よりは低い温度で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤および分散媒の原材料を分散および混錬することができる適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて粒子を作製する。
そして、この作製した粒子の表面を、上記酸化還元活性な材料で修飾することによって、第1の粒子36を作製する。
さらにまた、分散および混練のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミル等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を好ましい温度範囲、例えば80〜160℃で分散および混練する方法が使用できる。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が好ましく用いられる。この方法によって粒子を作製するには、あらかじめ充分に流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中および冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断および/または、衝撃を発生させ粒子径を小さくする。そして、この作製した粒子の表面を、上記酸化還元活性な材料で修飾することによって、第1の粒子36を作製する。
セル中の全質量に対する第1の粒子36の含有量(重量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板18と背面基板20との基板間の距離)に応じて含有量を調整する。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くする。一般的には、0.01重量%以上50重量%以下である。
なお、表示媒体12における上記セルの大きさとしては、特に限定されないが、第1の粒子36の表示面内の偏りによる表示濃度むらを防止するために、通常、表示媒体12の表示基板18の板面方向の長さが10μm以上1mm以下程度である。
−分散媒−
分散媒42は、上記第1の粒子36の表面特性に応じて定まり、分散状態では分散媒42と第1の粒子36との親和性が高く、凝集状態では分散媒42と第1の粒子36との親和性が低くなる特性を有する液体が用いられ、バルク中に十分な電位勾配を与える理由から絶縁性液体であることが好ましい。
上記絶縁性液体として具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、ジククロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に使用できる。
また、下記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も、分散媒として好適に使用することができる。該体積抵抗値としては、103Ωcm以上であることが好ましく、より好ましくは107Ωcm〜1019Ωcmであり、さらに好ましくは1010cm〜1019Ωcmである。このような体積抵抗値とすることで、より効果的に、電極反応に起因する液体の電気分解による気泡の発生が抑制され、通電毎に粒子の電気泳動特性が損なわれることがなく、優れた繰り返し安定性を付与することができる。
なお、絶縁性液体には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加することができるが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるように添加することが好ましい。
また、絶縁性液体には、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加して使用できる。
イオン性、非イオン性の界面活性剤、親油性部と親水性部からなるブロックもしくはグラフト共重合体類、さらにまた環状、星状、樹状高分子(デンドリマー)等の高分子鎖骨格をもった 化合物、さらにはサリチル酸の金属錯体、カテコールの金属錯体、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体等より選ばれる化合物を用いることができる。
があげられる。
イオン性および非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下があげられる。ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01重量%以上、20重量%以下が好ましく、特に0.05重量%以上10重量%以下の範囲が好ましい。0.01重量%を下回ると、希望とする帯電制御効果が不充分であり、また20重量%を越えると、現像液の過度な電導度の上昇を引き起こし、使い難くなるからである。
また、分散媒42の粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることが粒子の移動速度、従って表示速度の観点から必須であり、0.1mPa・s以上5mPa・s以下であることが好ましく、0.1mPa・s以上2mPa・s以下であることが更に好ましい。
―中空構造体26―
次に、中空構造体26について説明する。
中空構造体26は、図2(A)に示すように、表示基板18の背面基板20との対向面側に少なくとも面方向に配列された第1の空間26Aと、第1の空間26Aと外部とを連通すると共に第1の粒子36が通過し該第一の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ第1の空間26Aの径より小さい孔径の連結孔26Bと、を含んで構成されている。
また、中空構造体26は、少なくとも可視光領域の光を透過する。第1の粒子36は、中空構造体26の連結孔26B及び第1の空間26Aを介して分散媒42中を電気泳動し、中空構造体26の内部または外部に配置される。
この中空構造体26に含まれる複数の第1の空間26Aは、図2(A)に示すように、表示基板18の背面基板20との対向面側において、少なくとも表示基板18の面方向に配列されている。この第1の空間26Aは、略球形であって、空間内に上記第1の粒子36を複数存在させうる大きさである。
なお、本実施の形態では、この中空構造体26内の複数の第1の空間26Aは、同じ大きさである場合を説明するが、異なる大きさであってもよい。
また、本実施の形態では、中空構造体26内の第1の空間26Aは、略球形であるとして説明するが、上記第1の粒子36を空間内に複数存在させうる形状及び大きさであればよく、球形であることに限られない。
連結孔26Bは、上述のように、少なくとも第1の空間26Aと中空構造体26の外部とを連通すると共に、第1の空間26A間を連通するように、各第1の空間26Aに1または複数設けられている。
なお、本実施の形態において、「中空構造体26の外部」とは、表示基板18と背面基板20との間の分散媒42の充填されている領域(セル)内における、中空構造体26によって占められている領域以外の領域である。
この連結孔26Bの孔径は、第1の空間26Aの径より小さく、第1の空間26Aの径の0.8倍以下であることが好ましく、0.5倍以下であることが更に好ましく、0.3倍以下であることが更に好ましい。
この連結孔26Bの孔径が第1の空間26Aの径の0.3倍以下であると、詳細は後述するが、複数の第1の粒子36が連結孔26Bを介して第1の空間26A内に到達し、第1の空間26A内で凝集したときに、連結孔26Bを介して外部へと移動することが抑制される。
また、連結孔26Bの孔径は、第1の粒子36が容易に通過可能な大きさである必要がある。このため、連結孔26Bの孔径は、第1の粒子36の体積平均一次粒径より大きく、第1の粒子36の体積平均一次粒径に対して1.5倍以上であることが好ましく、150倍以上であることが更に好ましい。
すなわち、連結孔26Bの孔径は、第1の粒子36の体積平均一次粒径より大きく、第1の空間26Aの径より小さくなるように調整されている。
ここで、上記連結孔26Bの孔径とは、連結孔26Bを構成する開口の向かい合う領域間の最小の距離を示している。この連結孔26Bの孔径は、本実施の形態では、中空構造体26中に存在する複数の連結孔26Bの内の任意の10個の連結孔26B各々について、各連結孔26Bを構成する開口の向かい合う領域間の距離の最小値を測定し、測定結果の平均値を連結孔26Bの孔径とした。
また、上記第1の空間26Aの径とは、第1の空間26Aを構成する内壁の向かい合う領域間の距離の最小値を示している。この第1の空間26Aの径は、本実施の形態では、中空構造体26中に存在する複数の第1の空間26Aの内の任意の10個の第1の空間26Aの各々について、各第1の空間26Aを構成する内壁における向かい合う領域間の距離の最小値を測定し、測定結果の平均値を第1の空間26Aの孔径とした。
上記第1の空間26Aを構成する内壁における向かい合う領域間の距離の最小値、及び連結孔26Bの孔径の各々は、走査電子顕微鏡(SEM、VE−9800、キーエンス社製)を用いて測定した。
なお、中空構造体26の空隙率は、40%以上95%以下の範囲内であることが好ましく、50%以上90%以下の範囲内であることが好ましい。
さらに、中空構造体26の厚み(表示基板18と背面基板20との向かい合う方向の長さ)は、セル深さや第1の粒子36の濃度や粒径にもよるが、の範囲内で有ることが好ましく、具体的には、0.5μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましい。
また、中空構造体26は、可視光領域の光を透過する。本実施の形態における「可視光領域の光を透過」とは、可視光領域の光の透過率が60%以上であることを示している。
中空構造体26と分散媒42との相互間の屈折率差は、例えば、0.01以上1以下程度とすることが良い。屈折率差が小さいと、中空構造体26の透明性が高まるため、光学特性の上から好ましい。
表示基板18と背面基板20との基板間に封入されている上記第1の粒子36は、第1の粒子36を電気泳動させる電界が基板間に形成されると基板間を移動して、中空構造体26内の連結孔26Bを介して第1の空間26A内に到る。
なお、本実施の形態では、第1の空間26Aは、さらに、表示基板18と背面基板20との基板の向かい合う方向に1層設けられている場合を説明するが、図2(B)に示すように、表示基板18の面方向に複数配列された構成を1層として、更に表示基板18と背面基板20との向かい合う方向に複数積層されていることが好ましい。
中空構造体26内の第1の空間26Aが、表示基板18の面方向に複数配列された構成を1層として、更に表示基板18と背面基板20との向かい合う方向に複数積層された構成である場合には、背面基板20側から表示基板18側に電気泳動した第1の粒子36は、中空構造体26の1または複数の連結孔26B及び複数の第1の空間26Aを介して、中空構造体26内の複数の第1の空間26A内の何れか内に到る。
第1の空間26Aが表示基板18と背面基板20との向かい合う方向に複数積層されていると、例えば、表示基板18側に到った第1の粒子36は、複数層の第1の空間26Aからなる中空構造体26の各層の第1の空間26A内に存在する。このため、1層の第1の空間26Aから構成された中空構造体26の各第1の空間26A内に第1の粒子36が存在する場合に比べて、複数層の第1の空間26Aから構成された中空構造体26の各層内の各第1の空間26A内に第1の粒子36が存在する方が、表示基板18と背面基板20との向かい合う方向により多数の第1の粒子36が積層されたような構成となり、表示媒体12が表示基板18側から視認されたときに、第1の粒子36による色をより濃く呈示することができる。また、単層である場合に比べてより濃度低下を抑制することができる。
上述のように、第1の粒子36の体積平均一次粒径より大きな孔径を有する連結孔26Bを介して、中空構造体26の内部へ入り込んだ第1の粒子36は、この連結孔26Bを介して第1の空間26A間を移動する。ここで、この連結孔26Bの孔径は、第1の空間26Aの径に比べて小さいことから、複数の第1の粒子36が同一の第1の空間26A内に入り込むと、第1の粒子36は第1の空間26A内に保持された状態となり、結果的に中空構造体26の内部に拘束された状態となる。
このため、中空構造体26は、第1の粒子36を内部に拘束する機能を有しているといえる。
なお、この中空構造体26が第1の粒子36を内部に拘束する機能は、連結孔26Bの径径が第1の粒子36の体積平均一次粒径に近い値であるほど大きくなる。
中空構造体26としては、大きさ(径)のそろった第1の空間26Aが規則的に表示基板18の面方向及び基板間の向かい合う方向に配列された逆オパール構造であってもよいし、大きさ(径)の異なる第1の空間26Aが不規則に配列された構造であってもよい。
本実施の形態の中空構造体26の作製方法としては、後述するコロイド結晶構造体の間隙に、例えば、めっき、シリカ材料の充填、高分子材料の充填、重合性モノマの含浸と重合、電解重合などにより被鋳型物質を充填し、その後、当該構造体を除去することで作製することができる。
なお、被鋳型物質の前駆体を被覆・充填した後、焼成などの処理を施し、被鋳型物質としてもよい。また、フェムト秒レーザ等の光造形技術を用いても良い。
この被鋳型物質としては、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料、ゾルゲルガラス、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリスチレン及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、セルロース誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアセタール系樹脂などが挙げられる。
コロイド結晶構造体は、コロイド粒子同士の斥力を利用して充填した非最密充填型構造体、コロイド粒子を密に充填した最密充填型構造体である。コロイド粒子としては、例えば体積平均一次粒径10nm以上1000nm以下の粒子で、シリカ粒子、ポリマー粒子(ポリスチレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルスルフォン、ナイロン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)、その他、酸化チタンなどの無機物粒子)がある。
このようなコロイド粒子は、例えば、乳化重合、懸濁重合、二段階鋳型重合、化学的気相反応法、電気炉加熱法、熱プラズマ法、レーザ加熱法、ガス中蒸発法、共沈法、均一沈殿法、化合物沈殿法、金属アルコキシド法、水熱合成法、ゾルゲル法、噴霧法、冷凍凍結法、硝酸塩分解法で作製することができる。また、コロイド結晶構造体は、コロイド粒子分散液を用いて基板上にコロイド粒子を重力沈降法や塗布乾燥法によって自己組織的に堆積させる方法、あるいは電場や磁場の作用によって基板上に堆積させる方法、さらにはコロイド粒子の分散液に基板を浸漬、引き上げて、基板上に形成させる方法によって作製することができる。
コロイド結晶構造体は厚さが1μm以上5mm以下、好ましくは1μm以上1mm以下であることがよい。
中空構造体26の作製方法としては、具体的には、例えば、図3に示すように、例えばシリカ粒子からなるコロイド結晶構造体29を作製し(図3(A))、その後、コロイド結晶構造体29の表面及び間隙(粒子間隙)に、フルフリルアルコール樹脂などの導電性物質前駆体を被覆・充填し、焼成することで、結果、導電性物質33として難黒鉛化炭素を充填する(図3(B))。そして、コロイド結晶構造体29を、フッ酸などによりエッチングして除去すると、コロイド結晶構造体29と同じ形状の第1の空間26Aが形成される(図3(C))。このようにして、導電性物質33からなるネガ型の中空構造体26を作製することができる。
中空構造体26の別の作製方法としては、例えば、以下の方法がある。疎水性溶媒に高分子を溶解させ、これを基板上にキャストし、この液膜上に湿度を含んだ気体をフローさせると液膜上にマイクロオーダー前後の水滴が結露し、この結露水滴が液膜上で自己組織化し充填される。経時的にまず高分子溶液中の溶媒が先に蒸発し充填された水滴のネガ構造を形成し。後に結露水が蒸発する結果、中空構造体26が形成される。
なお、中空構造体26の作製方法は、上記方法に限られるものではなく、上記の連結孔26B及び第1の空間26Aが設けられた構成の中空構造体で26が製造できればどのような方法を用いてもよい。
これらの作製方法のうち、上記の結露水滴の自己組織化を利用した方法を用いれば、表示基板18と背面基板20との基板の向かい合う方向に1層、すなわち、第1の空間26Aが表示基板18の面方向に向かって配列された中空構造体26を作製する方法として好ましい。
具体的には、高分子溶液たとえば1%ポリスチレン/ジクロロメタン溶液に湿度60%の気体を1分あたり0.5lでフローさせ結露水の自己組織化を利用することによって第1の空間26Aが1層設けられた構成の中空構造体26を作製することができる。
その他、微小な穴の開いたスペーサーを介した基板間に粒子分散溶液を加圧によりあるいは自然沈降により充填し、その後所望の材料で粒子間隙を充填し粒子をエッチングする方法を用いれば、任意の厚さ、面積が得られることから構成の中空構造体26を作製するのに適している。
表示媒体12の表示基板18と背面基板20との間の、表示基板18の背面基板20側に積層された中空構造体26より背面基板20側には、上述のように、中間層38が設けられている。
本実施の形態の表示媒体12における中間層38は、上記第1の粒子36が移動する孔を有すると共に、第1の粒子36とは異なる光学的反射特性を有している。
この中間層38に設けられている孔は、少なくとも表示媒体12に形成される電界勾配方向に通じる孔とされており、本実施の形態では、表示電極24と背面電極30とによって表示基板18と背面基板20との間に形成された電界勾配方向、すなわち表示基板18と背面基板20との向かい合う方向へ少なくとも通じる孔である。この中間層38の孔は、少なくとも第1の粒子36を構成する粒子が孔を通じて、表示基板18及び背面基板20の何れか一方の基板側から他方の基板側へと相互に移動する大きさに構成されている。
この中間層38が「第1の粒子36とは異なる光学的反射特性を有する」とは、第1の粒子36のみが分散している分散媒42と、孔内に分散媒42を浸透させた中空構造体26と、を対比して目視で観察した場合に、色相や明度、鮮度などにおいて、両者の差異が識別できる差異があることを意味している。
この中間層38は、第1の粒子36を遮蔽する機能を有していることが好ましい。ここで、本実施の形態における「隠蔽」とは、可視光に対して50%以下の透過率を示す場合を意味している。
このため、第1の粒子36が中間層38より表示基板18側にある場合には第1の粒子36の色が、第1の粒子36が中間層38より背面基板20側にある場合には、中間層38の色が表示媒体12に表示される。
この中間層38の色は、明るい白い背景で表示を行なうことができるとの理由から、白色であることが好ましく、白色度が30%以上であることが好ましく、40%以上であることが特に好ましい。
なお、この白色度は、白さの尺度をいい、具体的にはJIS−P8123に記載の方法に従い、ハンター白色度計やX−rite測色計を用いて測定した値である。
中間層38の厚みは、少なくとも第1の粒子36を構成する粒子の体積平均一次粒径以上であることが望ましい。中間層38の孔部分から、中間層38より背面基板20側に存在する第1の粒子36が観察される場合があるので、中間層38の厚みは、第1の粒子36の体積平均一次粒径の3倍以上であることがさらに望ましい。
中間層38の厚みは、具体的には、表示基板18と背面基板20との基板間の距離等にも依存するが、0.1μm以上5000μm以下であることが好ましく、1μm以上500μm以下であることが更に好ましい。
中間層38の厚みが0.1μm未満であると十分な発色性が得られないと言う問題が生じる場合があり、厚みが5000μmを超えると、電極間距離が大きくなり高い駆動電圧が必要になると言う問題がある。
中間層38の全領域の屈折率は、分散媒42の屈折率−0.2以上、分散媒42の屈折率+0.2以下の範囲内であることが好ましく、分散媒42の屈折率−0.05以上分散媒42の屈折率+0.05以下の範囲内であることがより好ましく、分散媒42の屈折率と同一であることが最も好ましい。
中間層38の屈折率が上記範囲内であれば、屈折率が上記範囲を外れる場合と比較して、中間層38に起因する光散乱をより抑制できるため、さらに彩度が高い鮮明な色表示を行うことができると考えられる。
屈折率は、レーザーによる測定器を用いる他、粒子に関しては、ベッケ線法、液浸法、波長ごとの減衰を測定する方法や、屈折臨界角を測定する方法などにより測定できる。
この中間層38の形態としては、上述のように、上記第1の粒子36が移動する孔を有すると共に、第1の粒子36とは異なる光学的反射特性を有すれば特に限定されず、酸化チタン、酸化亜鉛等の材料から構成される無機材料粒子や、メタクリル酸メチル樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の材料から構成される有機材料粒子などの粒子状の部材(以下、第3の粒子41と称して説明する)の集合体であってもよいし、樹脂シートや、不織布等を利用してもよい。
中間層38を、第3の粒子41の集合体として構成する場合において、この第3の粒子41の体積平均一次粒径は特に限定されるものではないが、この第3の粒子41の集合体からなる中間層38を表示基板18と背面基板20との間の領域に配置したときに、隣り合う第3の粒子41の間隙を、第1の粒子36が通過できる程度の体積平均一次粒径を有していることが望ましい。
このため、第3の粒子41の体積平均一次粒径は、第1の粒子36の体積平均一次粒径の10倍以上であることが望ましく、25倍以上であることが望ましい。第3の粒子41の体積平均一次粒径が、第1の粒子36の体積平均一次粒径の10倍未満では、中間層38を構成する複数の第3の粒子41間の隙間(孔)を介して第1の粒子36が通過することが困難となる場合がある。なお、第3の粒子41の体積平均一次粒径の上限は特に限定されないが、この第3の粒子41の集合体として中間層38を構成したときに、中間層38と表示基板18との間、及び中間層38と背面基板20との間に、第1の粒子36の体積平均一次粒径程度の隙間が形成されるように、第3の粒子41の充填率や積層させる層の数等に応じて調整すればよい。
なお、本実施の形態において、第3の粒子41の体積平均一次粒径は、上記第1の粒子36と同様にして測定した。
また、中間層38を、樹脂シートや不織布で構成する場合には、これらの樹脂シートや不織布を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリプロピレン、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素化樹脂等を適用することができる。特に望ましく適用できるのは、第1の粒子36が付着し難いので、ポリプロピレンおよびPTFE系樹脂である。中間層38を不織布で構成する場合には、これらの材料からなる繊維の集合体として構成すればよい。
この中間層38の空隙率としては50%以上80%以下であることが、第1の粒子36が通過する通過性能と、表示媒体12の高い発色性を両立させるとの理由から好ましい。
また、中間層38の孔の平均孔径は、第1の粒子36を構成する粒子が通過可能なサイズであれば特に限定されないが、第1の粒子36の平均粒径が、第1の粒子36の体積平均一次粒径の1.2倍以上10000倍以下の範囲内であることが好ましく、2倍以上1000倍以下の範囲内であることがより好ましい。
中間層38の孔の平均孔径が、第1の粒子36の体積平均一次粒径の1.2倍未満であると、第1の粒子36を構成する各粒子が孔を通って移動することが困難となる場合があり、10000倍を超えると、間隙が大きくなるため発色が低下すると言う問題が生じる場合がある。
また、中間層38が不織布で構成される場合には、不織布を構成する繊維の目付けは、第1の粒子36の通過率を良好にし、且つ表示媒体12の厚みを薄くするとの理由から、目付け20g/m以上100g/m以下の範囲が良く、20g/m以上50g/m以下の範囲がより良い。
また不織布を構成する繊維の径は、0.1μm以上20μm以下の範囲、望ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲にあることが、十分な表面積を確保し、かつ物理的強度を確保するとの理由から好ましい。
次に、本実施の形態の表示装置10及び書込装置13について説明する。
上述のように、表示装置10は、上記表示媒体12と、この表示媒体12に画像を表示するための書込装置13と、を含んで構成されている。
書込装置13は、で電圧印加部14と、制御部16と、画像情報取得部17と、を含んで構成されている。
電圧印加部14は、制御部16に信号授受可能に接続されるとともに、表示電極24及び背面電極30に電圧印加可能に接続されている。
画像情報取得部17は、表示装置10及び書込装置13の外部から表示媒体12に表示する画像を示す画像情報を取得する。画像情報取得部17としては、例えば、CD−R、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、MD、DVD等の画像記録媒体から該画像記録媒体に記録されている画像情報を読み取るための一般的な読取装置や、無線または有線通信網を介して画像情報を取得するための一般的な通信装置等を用いることができる。
制御部16は、画像情報取得部17が取得した画像情報に応じて電圧印加部14から表示媒体12に印加する電圧を制御する。制御部16は、CPU16A、ROM16B、RAM16C、及び図示を省略するハードディスク等を含むマイクロコンピュータで構成されている。このCPU16Aは、ROM16Bや図示を省略するハードディスク等に記憶されているプログラムに従って表示媒体12への画像表示を行う。
なお、表示媒体12は、書込装置13に対して着脱可能に設けられていてもよいし、書込装置13に電気的に接続された状態で固定化されていてもよい。
表示媒体12を書込装置13に対して着脱可能に設けることによって、表示媒体12の交換が可能となり、1台の書込装置13を用いて複数の表示媒体12への画像表示が可能となる。
以下に、本実施の形態における表示媒体12を備えた表示装置10の制御部16のCPU16Aで実行される処理を説明する。
制御部16のCPU16Aでは、図4に示す処理ルーチンによって示されるプログラムを制御部16内のROM16Bまたはハードディスク等から読み取ることによって、図4に示す処理を実行する。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、画像情報取得部17は、画像情報として、表示媒体12の特定の1つのセルに表示する画像の色を示す情報を取得するものとし、該画像情報に基づいた色を表示媒体12の対応する1つのセルに表示する場合を説明する。
なお、本実施の形態では、電気泳動電圧情報と、分散電圧情報と、凝集電圧情報と、が予めROM16Bに記憶されている。
電気泳動電圧情報は、表示媒体12に表示する色を示す色情報に対応して予め記憶されている。
この電気泳動電圧情報とは、表示媒体12に特定の色を表示するために表示基板18と背面基板20間に印加する電圧を示す情報であって、表示媒体12内の第1の粒子36が表示基板18と背面基板20との何れか一方の基板側から他方の基板側へ移動するための電圧の電圧値、電圧印加時間(以下、電気泳動時間と称する)、及び極性等を示す情報を含んでいる。この電気泳動電圧情報は、第1の粒子36の上記泳動電圧範囲、及び表示媒体12の構成等によって定まる。
なお、「極性」とは、表示電極24と背面電極30との何れを負極(マイナス極)とし、何れを正極(プラス極)として電圧を印加するかを示している。
また、分散電圧情報とは、第1の粒子36を分散媒42中で分散状態とするために必要な電圧の電圧値、電圧印加時間(以下、分散時間と称する)、及び極性等を示す情報である。この分散電圧情報は、第1の粒子36の表面を構成する材料の酸化還元電位や、第1の粒子36のその他の特性、及び表示媒体12の構成等によって定まる。
この分散時間とは、例えば、分散電圧情報に含まれる電圧値の電圧が表示電極24と背面電極30との間に印加されてから、この第1の粒子36が中空構造体26の連結孔26Bを通過可能な程度に分散状態となるまでに要する時間を示している。
また、凝集電圧情報とは、第1の粒子36を分散媒42中で凝集状態とするために必要な電圧の電圧値、電圧印加時間(以下、凝集時間と称する)、及び極性等を示す情報である。この凝集電圧情報は、第1の粒子36の表面を構成する材料の酸化還元電位や、第1の粒子36のその他の構成、及び表示媒体12の構成等によって定まる。
この凝集時間とは、例えば、凝集電圧情報に含まれる電圧値の電圧が表示電極24と背面電極30との間に印加されてから、この第1の粒子36が中空構造体26の第1の空間26A内で凝集して連結孔26Bを通過することが困難な程度に凝集状態となるまでに要する時間を示している。
なお、第1の粒子36のこれらの電気泳動電圧情報、凝集電圧情報、及び分散電圧情報は、予め表示媒体12毎に測定して、予めROM16Bに記憶すればよい。
制御部16のCPU16Aでは、所定時間毎に図4に示す処理ルーチンが実行されてステップ100へ進む。
ステップ100では、画像情報取得部17が画像情報を取得したか否かを判別し、否定されると本ルーチンを終了し、肯定されるとステップ102へ進む。
ステップ102では、ステップ100で取得した画像情報に含まれる色情報を読み取る。
次のステップ104では、上記ステップ102で読み取った色情報に対応する電気泳動電圧情報をROM16Aから読取り、次のステップ106では、分散電圧情報をROM16Bから読み取る。
次のステップ108では、上記ステップ106で読み取った分散電圧情報を電圧印加部14に出力する。分散電圧情報を受け付けた電圧印加部14は、分散電圧情報に示される電圧の電圧値、電気泳動時間、及び極性に基づいて、該電圧値の電圧を、該極性で、該電気泳動時間、表示電極24と背面電極30との間に印加する。
次のステップ110では、上記ステップ108で分散電圧情報を電圧印加部14へ出力してから、該分散電圧情報に含まれる分散時間が経過したか否かを判別し、肯定されるまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ112へ進む。
ステップ108〜ステップ110の処理によって、電圧印加部14から表示電極24及び背面電極30へ分散電圧情報に応じた電圧が印加されることにより、表示基板18と背面基板20との基板間に存在する第1の粒子36が分散媒42中で分散状態となる。
次のステップ112では、上記ステップ104で読み取った電気泳動電圧情報を電圧印加部14へ出力し、次のステップ114において、ステップ112の処理終了から上記ステップ112で電圧印加部14へ出力した電気泳動電圧情報に含まれる電気泳動時間が経過したか否かを判別し、肯定されるまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ116へ進む。
ステップ112〜ステップ114の処理によって、例えば、表示基板18側へ移動させるための電圧が表示電極24と背面電極30とに印加されて、分散媒42中で分散状態とされている第1の粒子36が第1の粒子36が表示基板18側に到り、中空構造体26の連結孔26Bを介して第1の空間26A内に到る。
ステップ116では、ROM16Bから粒子凝集電圧情報を読み取り、次のステップ118において、読み取った粒子凝集電圧情報を電圧印加部14へ出力する。
次のステップ120では、上記ステップ116で粒子凝集電圧情報を電圧印加部へ出力してから、該粒子凝集電圧情報に含まれる凝集時間が経過するまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ122へ進む。
ステップ122では、電圧印加部14へ表示媒体12への電圧印加停止を示す信号を出力した後に、本ルーチンを終了する。電圧印加停止を示す信号を受け付けた電圧印加部14は、表示媒体12への電圧印加を停止する。
例えば、図4に示す上記処理ルーチンの実行前には、第1の粒子36が背面基板20側に存在して(図5(A)参照)おり、且つ、上記ステップ100の処理で取得した画像情報に、第1の粒子36の色を示す色情報が含まれている場合には、上記ステップ102〜ステップ122の処理が行われることによって、背面基板20側に存在していた第1の粒子36は分散媒42中で分散状態とされた後に分散媒42中を電気泳動して、表示媒体12の中空構造体26の連結孔26Bを介して第1の空間26A内に到る図5(B)参照。
ここで、さらに、ステップ116〜ステップ120の処理が実行されることによって、第1の空間26A内に到達した第1の粒子36は、第1の粒子36同士を凝集させるための電圧が印加されることによって、中空構造体26の第1の空間26A内で凝集した状態となる(図5(C))参照。
図5(C)に示すように、第1の空間26A内で凝集した状態にある第1の粒子36は、第1の空間26A内では存在しうるが、この凝集体の径は、連結孔26Bの孔径に比べて大きい事から、連結孔26Bを介して移動することは困難となる。このため、凝集した状態にある第1の粒子36は該第1の空間26A内で凝集した状態で保持される。この状態で電圧印加部14による電圧印加が停止されても、第1の粒子36の凝集状態は保持される。
従って、表示媒体12の濃度変化を抑制することができる。
なお、反対に、上記ステップ100の処理で取得した画像情報に、表示媒体12の中間層38の色を示す色情報が含まれている場合には、上記ステップ102〜ステップ122の処理が行われることによって、例えば、図5(C)に示すように、表示基板18側に設けられた中空構造体26の第1の空間26A内で凝集していた第1の粒子36の凝集状態が解除されて分散状態された後に、分散媒42中を第1の空間26A及び連結孔26Bを介して中空構造体26の外部へと電気泳動し(図5(D)参照)、中間層38の孔を介して背面基板20側へと到る。これによって、表示基板18側から視認されたときには、中間層38の色が視認され、多色表示が可能となる。
なお、本実施の形態では、第1の粒子36として色が同じ1種類の粒子が表示基板18と背面基板20との間に封入されている場合を説明したが、第1の粒子36として、更に、互いに色及び電気泳動電圧範囲の異なる複数種類の粒子を基板間に封入してもよい。この場合には、表示媒体12に表示する色に応じた種類の第1の粒子36を移動させるための電圧を印加して、色の異なる第1の粒子36の組み合わせによる多色表示を実現してもよい。この場合には、目的とする色に応じた第1の粒子36を移動する電圧を示す電気泳動電圧情報を、対応する色情報に対応づけてROM16Bに予め記憶しておけばよい。
以上説明したように、本実施の形態の表示装置10及び書込装置13によれば、電界刺激により電気泳動し、且つ第1の刺激としての電界刺激により凝集状態または分散状態となる第1の粒子36を用い、電圧印加により第1の粒子36を分散状態とした後に、表示基板18側へ第1の粒子36が電気泳動する電圧を印加して第1の粒子36を中空構造体26の第1の空間26A内へ到達させ、更に、第1の粒子36を第1の空間26A内で凝集させる。
従って、表示媒体12の画像保持性の低下を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、表示媒体12内に中間層38が設けられている場合を説明したが、図6に示す表示媒体12Aのように、中間層38が設けられていない構成であってもよい。
図6に示す表示装置10Aは、表示媒体12Aと、書込装置13と、を含んで構成されている。表示媒体12Aは、表示基板18と、背面基板20と、間隙部材34と、分散媒42と、第1の粒子36と、中空構造体26と、を含んで構成されている。なお、表示装置10Aは、表示媒体12Aが上記説明した表示媒体12の構成の内の中間層38を含まない構成である以外は表示装置10と同一の構成であるため、同じ機能及び部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
また、本実施の形態では、表示媒体12の表示基板18側にのみ中空構造体26が設けられている場合を説明したが、図7に示すように、背面基板20側に更に第1の粒子36を拘束する拘束層31が設けられた構成であってもよい。
図7に示す表示装置10Bは、表示媒体12Bと、書込装置13と、を含んで構成されている。表示媒体12Bは、上記説明した表示媒体12の構成に、更に、拘束層31を含んだ構成であり、その他の構成は表示装置10、及び表示媒体12と同一構成であるため詳細な説明を省略する。
この拘束層31は、背面基板20の表示基板18との対向面側に積層されている。
拘束層31は、第1の粒子36を拘束するための層であって、基板間に形成された電界に応じて、第1の粒子36を拘束可能な構成であればよい。
なお、上記表示媒体12の構成とすることにより、画像保持性の低下を抑制することができ、また、濃度変動を抑制することができるので、必ずしも拘束層31を背面基板20側に更に設けなくてもよいが、このように背面基板20に拘束層31を設けた構成の表示媒体12B(図7参照)とすることによって、背面基板20に拘束層31が設けられていない表示媒体12に比べて、さらに画像保持性の低下を抑制することができる。
この拘束層31としては、上記特性を有する層であればそのような構成であってもよいが、例えば、拘束層31としては、上述のように中空構造体26と同一構成であってもよく、また、第1の粒子36を拘束するための表面処理がなされた層であってもよい。
この表面処理としては、例えば、背面基板20の分散媒42と接する側の表面を第1の粒子36とは異なる帯電極性で帯電する帯電処理を行うあるいは同じ極性で帯電させる、さらには、該背面基板20の該表面に、表面自由エネルギーや粘着性を制御する処理を施すなど、第1の粒子36と背面基板20の表面との作用力に応じて適宜選択される。
拘束層31の上記帯電処理は、例えば、第1の粒子36が正極に帯電している場合には、負極に帯電させる負帯電処理を行い、第1の粒子36が負極に帯電している場合には、正極に帯電させる正帯電処理を行うという電気的な作用を使うことが拘束力を高める上で好ましい。
具体的には、この帯電処理は、化学的な処理により行われることがよく、例えば、酸性基あるいは塩基性基で修飾されてなることがよい。具体的には、例えば、正帯電処理を施す場合、塩基性化合化合物を用いて処理を施すことがよく、負帯電処理を施す場合には、酸性化合物を用いて処理を施すことがよい。例えば、塩基性化合物により処理が行われると塩基性基(例えばNH )が表面に配置されて正に帯電される。一方、酸性化合物により処理が行われると、酸性基(例えばSO 、COO)が表面に配置されて負に帯電される。
正帯電処理を施すための塩基性化合物としては、例えば、以下のものを使用することができるが、これに限られるわけではない。
・polyallylamine hydrochloride
・poly(p−phenylene vinylene)
・poly(p−metylpyridinium vinylene)
・protonated poly(p−pyridyl vinylene)
・poly(2−N−methylpyridinium acetylene)
・γ−Aminopropyltriethoxysilane
・N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン
負帯電処理を施すための酸性化合物としては、例えば、以下のものを使用することができるが、これに限られるわけではない。
・sulfonated polyaniline
・poly(thiophene−3−acetic−acid)
・sulfonated polystyrene
・polyvinylsulfate potassium salt
・Poly−4−vinylbenzyl−(N,N−diethyl−N−methyl−)ammonium iodide
・カルボキシエチルシラントリオール
これらの化合物を用いて基板を処理するには、例えば次のようにして行うことが可能である。これらの化合物をメタノール、エタノール、IPAなどのアルコール、水、又はアルコールと水の混合液に0.01wt%以上10wt%以下となるように溶解し、その中に、基板を1分以上60分以下浸漬する。その後、アルコール、水、又はアルコールと水の混合液により基板に付着した過剰の液を洗い落とす。その後、100℃以上150℃以下で5分以上60分以下乾燥させることにより、基板の処理を行うことができる。化合物をアルコール、水、又はアルコールと水の混合液に溶解する際、塩酸、酢酸、アンモニア水等を0.01wt%以上10wt%以下添加することも有効である。
また、被処理面によっては、酸性化合物により処理を施したのち、塩基性化合物を処理することもできる。無論、その逆を行うことができる。さらには、上記のようなシランカップリング剤のほかにも、前記したような酸性基や塩基性基を持ったポリマーを使用し、表面にコートすることも望ましい。
その他にも拘束層31の表面処理としては、フッ素系化合物(例えばフッ素系置換基をもったシランカップリング剤など)、長鎖アルキル系化合物(例えば長鎖アルキル置換基をもったシランカップリング剤など)、フッ素系ポリマーなどの種々ポリマーなどを反応させる、あるいはコートすることも望ましい。
上記説明した拘束層31としては、画像保持性の観点から、上記説明した中空構造体26と同一構成であることがより望ましい。
上述の拘束層31を設けることによって、表示基板18と背面基板20との基板間に電界が形成されることで背面基板20側に到達した第1の粒子36を背面基板20側に拘束することができるので、さらに、表示媒体12の画像保持性の低下を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、表示基板18と背面基板20との間に泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動し、第1の刺激として表示基板18と背面基板20との間に形成された電界の作用により凝集または分散する特性を有する第1の粒子36を用いる場合を説明した。
本実施の形態では、表示基板18と背面基板20との間に泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動する点では第1の実施の形態で用いた第1の粒子36と同じ特性を有するが、中空構造体26の内壁と粒子表面との斥力によって中空構造体26の第1の空間26Aの内部に凝集された状態で保持される第2の粒子47を用いる場合を説明する。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る表示装置40は、図8に示すように、表示媒体45と、書込装置44と、を含んで構成されている。
書込装置44は、電圧印加部14、画像情報取得部17、及び制御部46を含んで構成されている。電圧印加部14、及び画像情報取得部17は、制御部46に信号授受可能に接続されている。
なお、表示媒体45が本発明の表示媒体に相当し、表示装置40が本発明の表示装置に相当し、書込装置44が、本発明の書込装置に相当する。また、電圧印加部14が、本発明の表示装置及び書込装置の電圧印加手段に相当する。
表示媒体45は、画像表示面とされる表示基板18、表示基板18に間隙をもって対向する背面基板20、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板18と背面基板20との間を複数のセルに区画する間隙部材34、各セル内に封入された、分散媒42、中空構造体26、中間層38、及び第2の粒子47を含んで構成されている。
表示媒体45の分散媒42中には、複数の第2の粒子47が封入されている。この第2の粒子47は、第1の実施の形態で説明した第1の粒子36と同様に、表示基板18と背面基板20との基板間に第2の粒子47に応じて予め定められた泳動用の電圧範囲(以下、泳動電圧範囲と称する)を超える電圧が印加されて表示基板18と背面基板20との基板間に所定の電界強度以上の電界が形成されることで、分散媒42中を移動する。
また、本実施の形態における第2の粒子47は、第1の刺激として、中空構造体26の第1の空間26A内に、中空構造体26と第2の粒子47との斥力によって凝集した状態で該第1の空間26A内に保持される特性を有している。
表示媒体45における表示色の変化は、この分散媒42中の複数の第2の粒子47の分散媒42中の移動によって生じる。
なお、この第2の粒子47の分散媒42中における電界による移動の原理、及び泳動電圧範囲の調整方法については、第1の実施の形態で説明した第1の粒子36と同じであるため詳細な説明を省略する。
なお、本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、表示媒体45には、第2の粒子47、すなわち一色の粒子のみが封入されている場合を説明するが、このような形態に限られず、互いに色及び上記泳動電圧範囲の異なる複数種類の粒子が封入されていてもよい。この場合には、複数種の第2の粒子47の種類(各色)毎に、互いに上記説明した泳動電圧範囲が異なるように、第2の粒子47を予め調整すればよい。このようにすれば、特定の泳動電圧範囲の電圧を基板間に印加することによって、基板間において移動対象となる色の第2の粒子47を選択的に移動させることができ、第2の粒子47の基板間の移動による多色表示が可能となる。
次に、本実施の形態における第2の粒子47の、中空構造体26の内壁との斥力による凝集特性について説明する。
本実施の形態における第2の粒子47は、中空構造体26の連結孔26Bを介して第1の空間26A内に到ると、この第1の空間26A内において、第1の空間26Aの内壁と第2の粒子47との斥力によって該第1の空間26A内で凝集し、該第1の空間26A内に保持された状態となる。
この第2の粒子47は、中空構造体26の連結孔26B及び中間層38の孔を通過する大きさ、すなわちこれらの孔径未満の大きさであり、具体的には、第2の粒子47の体積平均一次粒径が10nm以上5000nm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50nm以上2000nm以下の範囲内、さらに好ましくは70nm以上1000nm以下の範囲内である。
ここで、体積平均一次粒径の測定方法としては、上記第1の実施の形態で説明した第1の粒子36の体積平均一次粒径の測定と同様にして測定することができる。
この第2粒子47の濃度(重量比)は、第2の粒子中の顔料濃度によっても変わるが、分散媒42に対して、1体積%以上70体席%以下の範囲に無いが好ましく、より好ましくは、2体積%以上50体積%以下の範囲内であり、より好ましくは、3体積%以上30体積%以下である。第2の粒子47の濃度が低すぎると、十分な色濃度が得られないという問題が生じる場合があり、濃度が高すぎると、凝集が起こったり、粘度上昇により表示速度の低下という問題が生じる場合がある。
上記特性(電界により分散媒42中を電気泳動する特性及び、中空構造体26の内壁との斥力による凝集特性)を有する第2の粒子47としては、顔料粒子、顔料をカプセル化した粒子、顔料表面を官能基で修飾した粒子、顔料を樹脂中に含有させた粒子、染料粒子、染料をカプセル化した粒子、染料を樹脂中に含有させた粒子等が挙げられ、これらの粒子及び中空構造体26の内壁の何れか一方または双方に、特定の表面処理を施すことによって、上述のような中空構造体26の内壁との斥力による凝集特性を有する第2の粒子47とする。
この特定の表面処理としては、第2の粒子47を、中空構造体26の第1の空間26Aの内壁との間で斥力が生じるように構成するために、第2の粒子47の表面および中空構造体26の内壁表面を、例えば同電荷を担持させ静電反発するようにすればよい。
具体的には、例えば、高分子材料で中空構造体を作製しこれにコロナ放電処理を施すことでエレクトレット化し正電荷を帯電させ、一方、第2の粒子47の表面にアミノ基を修飾しこれを正電荷に帯電させることによって、第2の粒子47と第1の空間26Aの内壁との間で斥力を生じさせるように構成する。
また、中空構造体26の内壁(第1の空間26A及び連結孔26Bを構成する壁)に、表面処理を施すことによって、第2の粒子47との間で斥力が生じるように構成してもよい。
この場合には、カップリング剤によって例えばアミノ基を中空構造体26の内壁に修飾させ正電荷を帯電させ、同様に第2の粒子47の表面にアミノ基を修飾しこれを正電荷に帯電させればよい。いずれの場合においても正電荷同士、負電荷同士であれば斥力が生じる。
具体的には、第2の粒子47の表面を構成する材料に応じて、同電荷となる材料によって中空構造体26の内壁に表面処理を施せばよい。
この第2の粒子47を作製する方法としては、上記第1の実施の形態で説明した第1の粒子36と同様の方法を用いることができる。
セル中の全質量に対する第2の粒子47の含有量(重量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板18と背面基板20との基板間の距離)に応じて含有量を調整する。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くする。一般的には、0.01重量%以上50重量%以下である。
−分散媒−
分散媒42は、上記第2の粒子47および中空構造体26の特性に応じて定まり、両者の斥力を阻害しない特性を有する液体が用いられ、上記第1の実施の形態で挙げた分散媒42から選択して用いることができるが、これらの分散媒42の中から、非電解質の特性を有する分散媒42を用いる事が好ましく、第1の実施の形態と同様に絶縁性液体であることが好ましい。
次に、本実施の形態の表示装置40及び書込装置44について説明する。
上述のように、表示装置40は、上記表示媒体45と、この表示媒体45に画像を表示するための書込装置44と、を含んで構成されている。
書込装置44は、で電圧印加部14と、制御部46と、画像情報取得部17と、を含んで構成されている。
電圧印加部14は、制御部46に信号授受可能に接続されるとともに、表示電極24及び背面電極30に電圧印加可能に接続されている。
画像情報取得部17は、表示装置40及び書込装置44の外部から表示媒体45に表示する画像を示す画像情報を取得する。画像情報取得部17としては、例えば、CD−R、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、MD、DVD等の画像記録媒体から該画像記録媒体に記録されている画像情報を読み取るための一般的な読取装置や、無線または有線通信網を介して画像情報を取得するための一般的な通信装置等を用いることができる。
制御部46は、画像情報取得部17が取得した画像情報に応じて電圧印加部14から表示媒体45に印加する電圧を制御する。制御部46は、CPU46A、ROM46B、RAM46C、及び図示を省略するハードディスク等を含むマイクロコンピュータで構成されている。このCPU46Aは、ROM46Bや図示を省略するハードディスク等に記憶されているプログラムに従って表示媒体45への画像表示を行う。
なお、表示媒体45は、書込装置44に対して着脱可能に設けられていてもよいし、書込装置44に電気的に接続された状態で固定化されていてもよい。
表示媒体45を書込装置44に対して着脱可能に設けることによって、表示媒体45の交換が可能となり、1台の書込装置44を用いて複数の表示媒体45への画像表示が可能となる。
以下に、本実施の形態における表示媒体45を備えた表示装置40の制御部46のCPU46Aで実行される処理を説明する。
制御部46のCPU46Aでは、図9に示す処理ルーチンによって示されるプログラムを制御部46内のROM46Bまたはハードディスク等から読み取ることによって、図9に示す処理を実行する。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、画像情報取得部17は、画像情報として、表示媒体45の特定の1つのセルに表示する画像の色を示す情報を取得するものとし、該画像情報に基づいた色を表示媒体45の対応する1つのセルに表示する場合を説明する。
なお、本実施の形態では、電気泳動電圧情報を予めROM46Bに記憶しているとして説明する。
電気泳動電圧情報は、表示媒体45に表示する色を示す色情報に対応して予めROM46B記憶されている。
この電気泳動電圧情報とは、表示媒体45内の第2の粒子47が表示基板18と背面基板20との何れか一方の基板側から他方の基板側へ移動するための電圧の電圧値、電圧印加時間、及び極性等を示す情報であり、第2の粒子47の上記泳動電圧範囲と、表示媒体45の構成と、によって定まる。
なお、第2の粒子47のこれらの電気泳動電圧情報は、予め表示媒体45毎に測定して、予めROM46Bに記憶すればよい。
制御部46のCPU46Aでは、所定時間毎に図9に示す処理ルーチンが実行されてステップ200へ進む。
ステップ200では、画像情報取得部17が画像情報を取得したか否かを判別し、否定されると本ルーチンを終了し、肯定されるとステップ202へ進む。
ステップ202では、ステップ200で取得した画像情報に含まれる色情報を読み取る。
次のステップ204では、上記ステップ202で読み取った色情報に対応する電気泳動電圧情報をROM46Bから読取る。
次のステップ206では、上記ステップ204で読み取った電気泳動電圧情報を電圧印加部14へ出力し、次のステップ208において、ステップ206の処理終了から上記ステップ206で電圧印加部14へ出力した電気泳動電圧情報に含まれる電気泳動時間情報の電気泳動時間が経過したか否かを判別し、肯定されるまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ210へ進む。
上記ステップ206の処理によって、例えば、表示基板18側へ移動させるための電圧が表示電極24と背面電極30とに印加されて、第2の粒子47が表示基板18側に到り、中空構造体26の第1の空間26A内に到る。
ステップ210では、電圧印加部14へ電圧印加停止を示す信号を出力した後に、本ルーチンを終了する。
図9に示す上記ステップ200〜ステップ210の処理が実行されることによって、例えば、図9に示す上記処理ルーチンの実行前には、第2の粒子47が背面基板20側に存在して(図10(A)参照)おり、且つ、上記ステップ200の処理で取得した画像情報に、第2の粒子47の色を示す色情報が含まれている場合には、上記ステップ200〜ステップ210の処理が行われることによって、背面基板20側に存在していた第2の粒子47は分散媒42中で分散状態とされた後に分散媒42中を電気泳動して、表示媒体45の中空構造体26の連結孔26Bを介して第1の空間26A内に到る図10(B)参照。
この第1の空間26A内へと到達した第2の粒子47は、第1の空間26Aの内壁との斥力によって、連結孔26Bへと近づくより第1の空間26A内に存在する方が安定した状態となる。この第1の空間26Aの内壁と第2の粒子47との斥力により、第2の粒子47は第1の空間26A内で凝集した状態となる(図10(C)参照)。
図10(C)に示すように、第1の空間26A内で凝集した状態にある第2の粒子47は、第1の空間26A内では存在しうるが、第1の空間26Aの内壁との斥力により連結孔26Bに近づくことが困難な状態にある。また、この凝集体の径は、連結孔26Bの孔径に比べて大きい事から、連結孔26Bを介して移動することは困難となるため、第2の粒子47は、第1の空間26A内で凝集した状態で保持される。
従って、表示媒体45の濃度変化を抑制することができる。
なお、反対に、上記ステップ200の処理で取得した画像情報に、表示媒体45の中間層38の色を示す色情報が含まれている場合には、上記ステップ200〜ステップ210の処理が行われることによって、例えば、図10(C)に示すように、表示基板18側に設けられた中空構造体26の第1の空間26A内で凝集していた第2の粒子47の第1の空間26Aの内壁との斥力のポテンシャルエネルギーを超える背面基板20側に第2の粒子36Bを移動させるための電界が表示基板18と背面基板20との間に形成されると、第1の空間26A内に上記斥力により保持されていた第2の粒子47は、分散媒42中を第1の空間26A及び連結孔26Bを介して中空構造体26の外部へと電気泳動し(図10(D)参照)、中間層38の孔を介して背面基板20側へと到る。これによって、表示基板18側から視認されたときには、中間層38の色が視認され、多色表示が可能となる。
なお、本実施の形態では、第2の粒子47として色が同じ1種類の粒子が表示基板18と背面基板20との間に封入されている場合を説明したが、第2の粒子47として、更に、互いに色及び電気泳動電圧範囲の異なる複数種類の粒子を基板間に封入してもよい。この場合には、表示媒体45に表示する色に応じた種類の第2の粒子47を移動させるための電圧を印加して、色の異なる第2の粒子47の組み合わせによる多色表示を実現してもよい。
以上説明したように、本実施の形態の表示装置40及び書込装置44によれば、電界刺激により電気泳動し、中空構造体26の第1の空間26A内に、該第1の空間26Aの内壁との斥力により保持される第2の粒子47を用い、電圧印加により第2の粒子47を表示基板18側へ第2の粒子47が電気泳動する電圧を印加して、第2の粒子47を中空構造体26の第1の空間26A内へ到達させる。この第1の空間26A内に到達した第2の粒子47は、第1の空間26Aの内壁との斥力により第1の空間26A内で安定して存在し、連結孔26Bを介して中空構造体26の外部へと移動することが抑制される。従って、表示媒体45の画像保存性の低下を抑制することができる。
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、表示基板18と背面基板20との間に泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動し、第1の刺激として表示基板18と背面基板20との間に形成された電界の作用により凝集または分散する特性を有する第1の粒子36を用いる場合を説明した。
本実施の形態では、表示基板18と背面基板20との間に泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動し、第1の刺激として熱の作用により凝集または分散する特性を有する第1の粒子66を用いる場合を説明する。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る表示装置60は、図11に示すように、表示媒体62と、書込装置64と、を含んで構成されている。
書込装置64は、電圧印加部14、画像情報取得部17、及び制御部67を含んで構成されている。電圧印加部14、及び画像情報取得部17は、制御部67に信号授受可能に接続されている。
なお、表示媒体62が本発明の表示媒体に相当し、表示装置60が本発明の表示装置に相当し、書込装置64が、本発明の書込装置に相当する。また、電圧印加部14が、本発明の表示装置及び書込装置の電圧印加手段に相当する。
表示媒体62は、画像表示面とされる表示基板18、表示基板18に間隙をもって対向する背面基板20、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板18と背面基板20との間を複数のセルに区画する間隙部材34、各セル内に封入された、分散媒42、中空構造体26、中間層38、及び第1の粒子66を含んで構成されている。
また、表示媒体62の背面基板20の、表示基板18に向かい合う面とは反対側の面には、加熱部材68と、温度検知部69と、が設けられている。
加熱部材68は、表示基板18と背面基板20との間に熱を加えるための装置であって、一般的な、ヒータやペルチェ素子等を用いることができる。加熱部材68は、制御部67に信号授受可能に接続されており、制御部67による制御によって表示基板18と背面基板20との間を加熱、または加熱を解除する。また、他の加熱法としてレーザーや集光、超音波照射なども適宜使用できる。
温度検知部69は、表示基板18と背面基板20との間の温度を測定するための温度センサであって、一般的な温度センサを用いることができ、制御部67に信号授受可能に接続されている。
なお、図11に示す例では、温度検知部69は、加熱部材68上に設けられている場合を説明するが、表示基板18と背面基板20との間の温度を測定可能な位置に設けられていれば良く、このような位置に限られるものではなく、例えば、間隙部材34に設けられていても良い。
なお、本実施の形態では、加熱部材68は、表示媒体62と一体的に設けられている場合を説明するが、加熱部材68は、書込装置64に一体的に設けられた構成であってもよい。この場合には、表示媒体62が書込装置64に装着された状態において、加熱部材68が表示媒体62の表示基板18と背面基板20との間に熱を加える事が可能な位置に設けられていればよい。
また、同様に、温度検知部69についても、本実施の形態では、表示媒体62と一体的に構成されている場合を説明するが、温度検知部69は、書込装置64と一体的に設けられていても良い。
表示媒体62の分散媒42中には、複数の第1の粒子66が封入されている。この第1の粒子66は、第1の実施の形態で説明した第1の粒子66と同様に、表示基板18と背面基板20との基板間に第1の粒子66に応じて予め定められた泳動用の泳動電圧範囲を超える電圧が印加されて表示基板18と背面基板20との基板間に所定の電界強度以上の電界が形成されることで、分散媒42中を移動する。
また、本実施の形態における第1の粒子66は、第1の刺激として、所定温度以上の温度環境下に置かれると凝集し、所定温度未満の温度環境下におかれると分散媒42中に分散した状態となる特性を有している。
表示媒体62における表示色の変化は、この分散媒42中の複数の第1の粒子66の分散媒42中の移動によって生じる。
この第1の粒子66の分散媒42中における電界による移動、及び泳動電圧範囲の調整方法については、第1の実施の形態で説明した第1の粒子36と同一で有るため詳細な説明を省略する。
なお、本実施の形態においては、表示媒体62には、第1の粒子66、すなわち一色の粒子のみが封入されている場合を説明するが、このような形態に限られず、互いに色及び上記泳動電圧範囲の異なる複数種類の粒子が封入されていてもよい。この場合には、複数種の第1の粒子66の種類(各色)毎に、互いに上記説明した泳動電圧範囲が異なるように、第1の粒子66を予め調整すればよい。このようにすれば、特定の泳動電圧範囲の電圧を基板間に印加することによって、基板間において移動対象となる色の第1の粒子66を選択的に移動させることができ、第1の粒子66の基板間の移動による多色表示が可能となる。
次に、本実施の形態における第1の粒子66の、第1の刺激としての熱の作用による凝集及び分散特性について説明する。
本実施の形態における第1の粒子66は、熱の作用により分散媒42中で凝集、または分散媒42中に分散した状態となる。
この第1の粒子66の熱の作用による分散媒42中の凝集及び分散は、第1の粒子66の、少なくとも分散媒42と接する面(表面)を構成する材料が熱の作用によって所定温度以下の低温で分散媒42に溶解し、該所定温度以上の高温で第1の粒子66の表面に析出することによって生じる。
つまり、第1の粒子66の少なくとも表面を構成する材料を、所定温度、すなわち相転移温度を境に分散媒42中に溶解または析出する材料で構成することによって、所定温度以上の温度環境下では凝集し、所定温度未満の温度環境下では分散する第1の粒子66を調整する。
この第1の粒子66の分散及び凝集を生じさせるために表示基板18と背面基板20との基板間に加える熱の温度及び継続加熱時間は、第1の粒子66の表面を構成する材料の相転移温度や、分散媒42の種類等に応じて予め定めればよい。
上述のように、本実施の形態の表示媒体12に用いる第1の粒子66は、表示基板18と背面基板20との基板間に予め定められた泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動すると共に、第1の刺激として、表示基板18と背面基板20との基板間に形成された熱の作用により凝集または分散する特性を有している。
この第1の粒子66は、中空構造体26の連結孔26B及び中間層38の孔を通過する大きさ、すなわちこれらの孔径未満の大きさであり、具体的には、第1の粒子66の体積平均一次粒径が10nm以上5000nm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50nm以上2000nm以下の範囲内、さらに好ましくは70nm以上1000nm以下の範囲内である。
ここで、体積平均一次粒径の測定方法としては、第1の実施例で説明した方法と同じ方法であるため説明を省略する。
この第1の粒子66の濃度(重量比)は、第1の粒子66中の顔料濃度によっても変わるが、分散媒42に対して、1体積%以上70体積%以下の範囲に無いが好ましく、より好ましくは、2体積%以上50体積%以下の範囲内であり、より好ましくは、3体積%以上30体積%以下である。第1の粒子66の濃度が低すぎると、十分な色濃度が得られないという問題が生じる場合があり、濃度が高すぎると、凝集が起こったり、粘度上昇により表示速度の低下いう問題が生じる場合がある。
上記特性(電界により分散媒42中を電気泳動する特性及び、熱刺激により凝集及び分散する特性)を有する第1の粒子66としては、例えば、分散媒42中において加熱部材68の可変温度域に相点移転を有する高分子鎖を第1の粒子66の表面上に修飾することで、上述のような熱刺激により分散状態または凝集状態となる第1の粒子66とする。
この特定の表面処理としては、例えばカップリング剤等による活性基の導入やプラズマ放電やコロナ放電やX線照射などによる表面活性化により第1の粒子に所望の特性を有する官能基や高分子鎖を導入したり、所望の特性を有する材料でカプセル化すればよい。
例えば、プラズマ放電やコロナ放電やX線照射などによる表面活性化はほとんどの材料に適用することができ、感温性モノマー存在下で活性化表面を暴露することによって熱刺激により凝集及び分散する特性のこの第1の粒子36を得ることができる。電界により分散媒42中を電気泳動する特性を持たせるには感温性モノマーと電解質モノマーを共存させてもよく、段階的に修飾してもよく、あらかじめ粒子に帯電基を修飾しておいてもよい。
セル中の全質量に対する第1の粒子66の含有量(重量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板18と背面基板20との基板間の距離)に応じて含有量を調整する。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くする。一般的には、0.01重量%以上50重量%以下である。
なお、表示媒体62における上記セルの大きさとしては、特に限定されないが、第1の粒子66の表示面内の偏りによる表示濃度むらを防止するために、通常、表示媒体62の表示基板18の板面方向の長さが10μm以上1mm以下程度である。
−分散媒−
分散媒42は、上記第1の粒子66の表面材料の溶解性に応じて定まり、加熱部材68の可変温度域に第1の粒子66の表面材料の相点移転を有する液体が用いられ、上記第1の実施の形態で挙げた分散媒42から選択して用いることができるが、これらの分散媒42の中から系中の電位勾配を得るために非電解質液体であることが好ましい。
次に、本実施の形態の表示装置60及び書込装置64について説明する。
上述のように、表示装置60は、上記表示媒体62と、この表示媒体62に画像を表示するための書込装置64と、を含んで構成されている。
書込装置64は、で電圧印加部14と、制御部67と、画像情報取得部17と、を含んで構成されている。
電圧印加部14は、制御部67に信号授受可能に接続されるとともに、表示電極24及び背面電極30に電圧印加可能に接続されている。加熱部材68及び温度検知部69各々は、制御部67に信号授受可能に接続されている。
画像情報取得部17は、表示装置60及び書込装置64の外部から表示媒体62に表示する画像を示す画像情報を取得する。
制御部67は、画像情報取得部17が取得した画像情報に応じて電圧印加部14から表示媒体62に印加する電圧を制御する。制御部67は、CPU67A、ROM67B、RAM67C、及び図示を省略するハードディスク等を含むマイクロコンピュータで構成されている。このCPU67Aは、ROM67Bや図示を省略するハードディスク等に記憶されているプログラムに従って表示媒体62への画像表示を行う。
なお、表示媒体62は、書込装置64に対して着脱可能に設けられていてもよいし、書込装置64に電気的に接続された状態で固定化されていてもよい。
表示媒体62を書込装置64に対して着脱可能に設けることによって、表示媒体62の交換が可能となり、1台の書込装置64を用いて複数の表示媒体62への画像表示が可能となる。
以下に、本実施の形態における表示媒体62を備えた表示装置60の制御部67のCPU67Aで実行される処理を説明する。
制御部67のCPU67Aでは、図12に示す処理ルーチンによって示されるプログラムを制御部67内のROM67Bまたはハードディスク等から読み取ることによって、図12に示す処理を実行する。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、画像情報取得部17は、画像情報として、表示媒体62の特定の1つのセルに表示する画像の色を示す情報を取得するものとし、該画像情報に基づいた色を表示媒体62の対応する1つのセルに表示する場合を説明する。
以下に、本実施の形態における表示媒体62を備えた表示装置60の制御部67のCPU67Aで実行される処理を説明する。
制御部67のCPU67Aでは、図12に示す処理ルーチンによって示されるプログラムを制御部67内のROM67Bまたはハードディスク等から読み取ることによって、図12に示す処理を実行する。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、画像情報取得部17は、画像情報として、表示媒体62の特定の1つのセルに表示する画像の色を示す情報を取得するものとし、該画像情報に基づいた色を表示媒体62の対応する1つのセルに表示する場合を説明する。
また、本実施の形態では、電気泳動電圧情報と、分散温度情報と、凝集温度情報と、を予めROM67Bに記憶しているとして説明する。
電気泳動電圧情報は、表示媒体62に表示する色を示す色情報に対応して予め記憶されている。
この電気泳動電圧情報とは、表示媒体62内の第1の粒子66が表示基板18と背面基板20との何れか一方の基板側から他方の基板側へ移動するための電圧の電圧値、電圧印加時間(以下、電気泳動時間と称する)、及び極性等を示す情報であり、第1の粒子66の上記泳動電圧範囲と、表示媒体62の構成と、によって定まる。
また、分散温度情報とは、第1の粒子66を分散媒42中で分散状態とするために必要な温度、第1の粒子66が分散状態から凝集状態へと移行して目的とする凝集状態となるまでに必要な該温度の継続保持時間(以下、分散時間と称する)等を示す情報であり、第1の粒子66の表面を構成する材料の相転移温度や、分散媒42の種類、第1の粒子66のその他の特性、及び表示媒体62の構成等によって定まる。
また、凝集温度情報とは、第1の粒子66を分散媒42中で凝集状態とするために必要な温度、第1の粒子66が分散状態から凝集状態へと移行して目的とする凝集状態となるまでに必要な該温度の継続保持時間(以下、凝集時間と称する)等を示す情報であり、第1の粒子66の表面を構成する材料の相転移温度や、分散媒42の種類、第1の粒子66のその他の特性、及び表示媒体62の構成等によって定まる。
なお、第1の粒子66のこれらの電気泳動電圧情報、凝集温度情報、及び分散温度情報は、予め表示媒体62毎に測定して、予めROM67Bに記憶すればよい。
制御部67のCPU67Aでは、所定時間毎に図12に示す処理ルーチンが実行されてステップ300へ進む。
ステップ300では、画像情報取得部17が画像情報を取得したか否かを判別し、否定されると本ルーチンを終了し、肯定されるとステップ302へ進む。
ステップ302では、ステップ300で取得した画像情報に含まれる色情報を読み取る。
次のステップ304では、上記ステップ302で読み取った色情報に対応する電気泳動電圧情報をROM67Bから読取り、次のステップ306では、粒子分散温度情報をROM67Bから読み取る。
次のステップ308では、上記ステップ306で読み取った粒子分散温度情報を加熱部材68へ出力する。粒子分散温度情報を受け付けた加熱部材68は、粒子分散温度情報に応じた温度、及び分散時間に基づいて、該温度への発熱を開始する。
次のステップ310では、表示媒体62内の温度が、上記ステップ304で読み取った粒子分散温度情報の温度と同じ温度となったか否かを判別し、肯定されるまで否定判断を繰り返す。
このステップ310の判断は、温度検知部69から入力された温度情報と、上記ステップ304で読み取った粒子分散温度情報とが同じであるか否かを判別することによって判断する。なお、「同じであるか否か」とは、この温度検知部69から入力された温度情報が、上記ステップ304で読み取った粒子分散情報に含まれる温度情報に対して数%の誤差の範囲内で一致していればよく、完全な一致でなくてもよい。なお、この数%の値は、第1の粒子66の特性や表示媒体62の配置条件等に応じて予め定めればよい。
次のステップ312では、上記ステップ310で肯定されてから、該粒子分散温度情報に含まれる分散時間を経過したか否かを判別し、肯定されるまで否定判断を繰り返し、肯定されるとステップ314へ進む。
上記ステップ308〜ステップ312の処理によって、加熱部材68の加熱によって、表示基板18と背面基板20との間の領域が上記ステップ306で読み取った粒子分散温度情報に応じた温度へと加熱され、且つ、第1の粒子66が該温度へと加熱された環境下において分散状態となるまでこの加熱が継続される。
このため、上記ステップ308〜ステップ312の処理によって、表示基板18と背面基板20との基板間に存在する第1の粒子36が分散媒42中で分散状態となる。
次のステップ314では、上記ステップ304で読み取った電気泳動電圧情報を電圧印加部14へ出力する。
電気泳動電圧情報を受け付けた電圧印加部14は、受け付けた電気泳動電圧情報に含まれる電圧値の電圧を、該電気泳動電圧情報に含まれる極性で、該電気泳動電圧情報に含まれる泳動時間継続して表示電極24と背面電極30とへ印加する電圧印加を開始する。
次のステップ316では、ステップ314の処理終了から上記ステップ314で電圧印加部14へ出力した電気泳動電圧情報に含まれる電圧泳動時間が経過したか否かを判別し、肯定されるまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ318へ進む。
ステップ314〜ステップ316の処理によって、例えば、分散媒42中の第1の粒子36が分散状態とされた後に、表示基板18側へ移動させるための電圧が表示電極24と背面電極30とに印加されて、第1の粒子36が表示基板18側に到り、中空構造体26の第1の空間26A内に到る。
ステップ318では、ROM67Bから粒子凝集温度情報を読み取り、次のステップ320において、読み取った粒子凝集温度情報を、加熱部材68へ出力する。
粒子凝集温度情報を受け付けた加熱部材68は、受け付けた粒子凝集温度情報に含まれる温度情報の温度への加熱を凝集時間継続して行う処理を開始する。
次のステップ322では、表示媒体62の温度が上記ステップ318で読み取った凝集温度情報の温度と一致するまで否定判断を繰り返し、肯定されるとステップ324へ進む。ステップ322の判断は、温度検知部69から入力された温度情報が、上記ステップ318で読み取った凝集温度情報の温度と一致するか否かを判別することによって判断可能である。なお、この一致するか否かの判断は、完全一致を必ずしも指すものではなく、例えば、第1の粒子36の特性によって、凝集温度情報の温度の数%の範囲内等で一致していればよく、第1の粒子36の特性毎に定めればよい。
次のステップ324では、上記ステップ320で加熱指示信号を出力してから、上記ステップ318で読み取った凝集温度情報に含まれる凝集時間を経過するまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ326へ進む。
ステップ320〜ステップ324の処理によって、第1の粒子36が凝集状態となる。
次のステップ326では、電圧印加停止を示す信号を電圧印加部14へ出力した後に、本ルーチンを終了する。電圧印加停止を示す信号を受け付けた電圧印加部14は、表示電極24と背面電極30とへの電圧印加を停止する。
図12に示す上記ステップ300〜ステップ326の処理が実行されることによって、例えば、図12に示す上記処理ルーチンの実行前には、第1の粒子66が背面基板20側に存在して(図13(A)参照)おり、且つ、上記ステップ300の処理で取得した画像情報に、第1の粒子66の色を示す色情報が含まれている場合には、上記ステップ300〜ステップ326の処理が行われることによって、背面基板20側に存在していた第1の粒子66は分散媒42中で分散状態とされた後に分散媒42中を電気泳動して、表示媒体62の中空構造体26の連結孔26Bを介して第1の空間26A内に到る図13(B)参照。
そして、さらに、ステップ318〜ステップ324の処理が実行されることによって、第1の空間26A内に到達した第1の粒子66は、第1の粒子66同士を凝集させるための温度環境下におかれることによって、中空構造体26の第1の空間26A内で凝集した状態となる(図13(C))参照。
図13(C)に示すように、第1の空間26A内で凝集した状態にある第1の粒子66は、第1の空間26A内では存在しうるが、この凝集体の径は、連結孔26Bの孔径に比べて大きい事から、連結孔26Bを介して移動することは困難となるため、該第1の空間26A内で凝集した状態で保持される。この状態で電圧印加部14による電圧印加が停止されても、第1の粒子66の凝集状態は保持される。
従って、表示媒体62の濃度変化を抑制することができる。
なお、反対に、上記ステップ300の処理で取得した画像情報に、表示媒体62の中間層38の色を示す色情報が含まれている場合には、上記ステップ300〜ステップ326の処理が行われることによって、例えば、図13(C)に示すように、表示基板18側に設けられた中空構造体26の第1の空間26A内で凝集していた第1の粒子66は、凝集状態を解除されて分散状態とされた後に、分散媒42中を第1の空間26A及び連結孔26Bを介して中空構造体26の外部へと電気泳動し(図13(D)参照)、中間層38の孔を介して背面基板20側へと到る。これによって、表示基板18側から視認されたときには、中間層38の色が視認され、多色表示が可能となる。
なお、本実施の形態では、第1の粒子66として色が同じ1種類の粒子が表示基板18と背面基板20との間に封入されている場合を説明したが、第1の粒子66として、更に、互いに色及び電気泳動電圧範囲の異なる複数種類の粒子を基板間に封入してもよい。この場合には、表示媒体62に表示する色に応じた種類の第1の粒子66を移動させるための電圧を印加して、色の異なる第1の粒子66の組み合わせによる多色表示を実現してもよい。
以上説明したように、本実施の形態の表示装置60及び書込装置64によれば、電界刺激により電気泳動し、且つ第1の刺激としての熱刺激により凝集状態または分散状態となる第1の粒子66を用い、電圧印加により、第1の粒子66を分散状態とした後に表示基板18側へ第1の粒子66が電気泳動する電圧を印加して、第1の粒子66を中空構造体26の第1の空間26A内へ到達させた後に、第1の粒子66を第1の空間26A内で凝集させる。従って、表示媒体62の画像保持性の低下を抑制することができる。
(第4の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、表示基板18と背面基板20との間に泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動し、第1の刺激として表示基板18と背面基板20との間に形成された電界の作用により凝集または分散する特性を有する第1の粒子36を用いる場合を説明した。
本実施の形態では、表示基板18と背面基板20との間に泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動し、第1の刺激として表示基板18と背面基板20との間に照射された光の作用により凝集または分散する特性を有する第1の粒子76を用いる場合を説明する。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る表示装置70は、図14に示すように、表示媒体72と、書込装置74と、を含んで構成されている。
書込装置74は、電圧印加部14、画像情報取得部17、及び制御部77を含んで構成されている。電圧印加部14、及び画像情報取得部17は、制御部77に信号授受可能に接続されている。
なお、表示媒体72が本発明の表示媒体に相当し、表示装置70が本発明の表示装置に相当し、書込装置74が、本発明の書込装置に相当する。また、電圧印加部14が、本発明の表示装置及び書込装置の電圧印加手段に相当する。
表示媒体72は、画像表示面とされる表示基板18、表示基板18に間隙をもって対向する背面基板20、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板18と背面基板20との間を複数のセルに区画する間隙部材34、各セル内に封入された、分散媒42、中空構造体26、中間層38、及び第1の粒子76を含んで構成されている。
また、表示媒体72の背面基板20の、表示基板18に向かい合う面とは反対側の面には、光照射部78が設けられている。
光照射部78は、表示基板18と背面基板20との間に光を照射するための装置であって、制御部77に信号授受可能に接続されている。
光照射部78は、制御部77から入力された情報に基づいて、該情報に対応する特定の波長領域の光を選択的に表示基板18と背面基板20との間の領域に照射可能な装置であれば、どのような構成であってもよい。
なお、図示は、省略するが、表示媒体72には、光照射部78から照射された光の強度を測定するための光強度測定装置を設けても良い。この場合には、この光強度測定装置を制御部77に信号授受可能に接続すればよい。
なお、本実施の形態では、光照射部78は、表示媒体72と一体的に設けられている場合を説明するが、光照射部78は、書込装置74に一体的に設けられた構成であってもよい。この場合には、表示媒体72が書込装置74に装着された状態において、光照射部78が表示媒体72の表示基板18と背面基板20との間に光を照射することが可能な位置に設けられていればよい。
表示媒体62の分散媒42中には、複数の第1の粒子76が封入されている。この第1の粒子76は、第1の実施の形態で説明した第1の粒子76と同様に、表示基板18と背面基板20との基板間に第1の粒子76に応じて予め定められた泳動用の電圧範囲(以下、泳動電圧範囲と称する)を超える電圧が印加されて表示基板18と背面基板20との基板間に所定の電界強度以上の電界が形成されることで、分散媒42中を移動する。
また、本実施の形態における第1の粒子76は、第1の刺激として、所定の波長領域(以下、凝集波長領域と称する)の光を照射されると凝集し、凝集波長領域の範囲外の波長領域(以下、分散波長領域と称する)の光を照射されると分散媒42中に分散した状態となる特性を有している。
表示媒体62における表示色の変化は、この分散媒42中の複数の第1の粒子76の分散媒42中の移動によって生じる。
この第1の粒子76の分散媒42中における電界による移動、及び電圧範囲の調整方法については、第1の実施の形態で説明した第1の粒子36と同一であるため詳細な説明を省略する。
なお、本実施の形態においては、表示媒体72には、第1の粒子76、すなわち一色の粒子のみが封入されている場合を説明するが、このような形態に限られず、互いに色及び上記泳動電圧範囲の異なる複数種類の粒子が封入されていてもよい。この場合には、複数種の第1の粒子76の種類(各色)毎に、互いに上記説明した泳動電圧範囲が異なるように、第1の粒子76を予め調整すればよい。このようにすれば、特定の泳動電圧範囲の電圧を基板間に印加することによって、基板間において移動対象となる色の第1の粒子76粒子を選択的に移動させることができ、第1の粒子76の基板間の移動による多色表示が可能となる。
次に、本実施の形態における第1の粒子76の、第1の刺激としての光の作用による凝集及び分散特性について説明する。
本実施の形態における第1の粒子66は、凝集波長領域内の光を照射されることにより分散媒42中で凝集状態となり、凝集波長領域の範囲外である分散波長領域の光を照射されることにより分散媒42中に分散した状態となる。
この第1の粒子76の光の作用による分散媒42中の凝集及び分散は、第1の粒子76の、少なくとも分散媒42と接する面(表面)を構成する材料が特定の波長領域の光の作用によって分散媒42に溶解し、該波長領域とは異なる波長領域の光の作用によって第1の粒子76の表面に析出することによって生じる。
つまり、第1の粒子76の少なくとも表面を構成する材料を、照射する光の波長領域に応じて、分散媒42中に溶解または析出する材料で構成することによって、照射する光の波長を調整することで凝集または分散する第1の粒子76を調整する。
この第1の粒子76の分散及び凝集を生じさせるために表示基板18と背面基板20との基板間に加える光の波長領域及び該波長領域の光の照射時間は、第1の粒子76の表面を構成する材料の特性や、分散媒42の種類等に応じて予め定めればよい。
上述のように、本実施の形態の表示媒体72に用いる第1の粒子76は、表示基板18と背面基板20との基板間に予め定められた泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動すると共に、第1の刺激として、表示基板18と背面基板20との基板間に照射された光の作用により凝集または分散する特性を有している。
この第1の粒子76は、中空構造体26の連結孔26B及び中間層38の孔を通過する大きさ、すなわちこれらの孔径未満の大きさであり、具体的には、第1の粒子66の体積平均一次粒径が10nm以上5000nm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50nm以上2000nm以下の範囲内、さらに好ましくは70nm以上1000nm以下の範囲内である。
ここで、体積平均一次粒径の測定方法としては、第1の実施例で説明した方法と同じ方法であるため説明を省略する。
この第1の粒子76の濃度(重量比)は、第1の粒子76によっても変わるが、分散媒42に対して、1体積%以上70体積%以下の範囲に無いが好ましく、より好ましくは、2体積%以上50体積重量%以下の範囲内であり、より好ましくは、3体積%以上30体積%以下である。第1の粒子66の濃度が低すぎると、十分な色濃度が得られないという問題が生じる場合があり、濃度が高すぎると、凝集が起こったり、粘度上昇により表示速度の低下という問題が生じる場合がある。
上記特性(電界により分散媒42中を電気泳動する特性及び、光刺激により凝集及び分散する特性)を有する第1の粒子76としては、例えば、分散媒42中において光の照射により溶解度が変化する材料を第1の粒子66に適用することで、上述のような光刺激により分散状態または凝集状態となる第1の粒子76とする。
この特定の表面処理としては、第1の粒子76を、例えばカップリング剤等による活性基の導入やプラズマ放電やコロナ放電やX線照射などによる表面活性化により第1の粒子に所望の特性を有する官能基や高分子鎖を導入したり、所望の特性を有する材料でカプセル化すればよい。
具体的には、アゾベンゼン類、スピロピラン類、スピロオキサジン類、ジアリールエテン類、フルギド類、クロメン類などのフォトクロミック活性な材料を用いて第1の粒子76を作製する。
この第1の粒子76を作製する方法としては乳化重合法、懸濁重合法、膜乳化重合法、フォープフリー重合法、シード重合法、コア/シェル重合法、プラズマスプレー法、転動造粒法、押出し造粒法、圧縮造粒法、溶融造粒法、噴霧乾燥造粒法、流動層造粒法、破砕造粒法、攪拌造粒法、コーティング造粒法、液相造粒法、真空凍結造粒法などによって作製する。
セル中の全質量に対する第1の粒子76の含有量(重量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板18と背面基板20との基板間の距離)に応じて含有量を調整する。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くする。一般的には、0.01重量%以上50重量%以下である。
なお、表示媒体72における上記セルの大きさとしては、特に限定されないが、第1の粒子76の表示面内の偏りによる表示濃度むらを防止するために、通常、表示媒体72の表示基板18の板面方向の長さが10μm以上1mm以下程度である。
−分散媒−
分散媒42は、上記第1の粒子76を形成する材料に応じて定まり、光照射により第1の粒子76がフォトクロミック転位の前後で溶解度が大きく変化する特性を有する液体が用いられ、上記第1の実施の形態で挙げた分散媒42から系中の電位勾配を得るために非電解質液体であることが好ましい。
次に、本実施の形態の表示装置70及び書込装置74について説明する。
上述のように、表示装置70は、上記表示媒体72と、この表示媒体72に画像を表示するための書込装置74と、を含んで構成されている。
書込装置74は、で電圧印加部14と、制御部77と、画像情報取得部17と、を含んで構成されている。
電圧印加部14は、制御部77に信号授受可能に接続されるとともに、表示電極24及び背面電極30に電圧印加可能に接続されている。光照射部78は、制御部77に信号授受可能に接続されている。
画像情報取得部17は、表示装置70及び書込装置74の外部から表示媒体72に表示する画像を示す画像情報を取得する。
制御部77は、画像情報取得部17が取得した画像情報に応じて電圧印加部14から表示媒体72に印加する電圧を制御すると共に、光照射部78から表示媒体72内への光の照射を制御する。制御部77は、CPU77A、ROM77B、RAM77C、及び図示を省略するハードディスク等を含むマイクロコンピュータで構成されている。このCPU77Aは、ROM77Bや図示を省略するハードディスク等に記憶されているプログラムに従って表示媒体72への画像表示を行う。
なお、表示媒体72は、書込装置74に対して着脱可能に設けられていてもよいし、書込装置74に電気的に接続された状態で固定化されていてもよい。
表示媒体72を書込装置74に対して着脱可能に設けることによって、表示媒体72の交換が可能となり、1台の書込装置74を用いて複数の表示媒体72への画像表示が可能となる。
以下に、本実施の形態における表示媒体72を備えた表示装置70の制御部77のCPU77Aで実行される処理を説明する。
制御部77のCPU77Aでは、図15に示す処理ルーチンによって示されるプログラムを制御部77内のROM77Bまたはハードディスク等から読み取ることによって、図15に示す処理を実行する。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、画像情報取得部17は、画像情報として、表示媒体72の特定の1つのセルに表示する画像の色を示す情報を取得するものとし、該画像情報に基づいた色を表示媒体72の対応する1つのセルに表示する場合を説明する。
なお、本実施の形態では、電気泳動電圧情報を予めROM77Bに記憶しているとして説明する。
電気泳動電圧情報は、表示媒体72に表示する色を示す色情報に対応して予め記憶されている。
この電気泳動電圧情報とは、表示媒体72内の第1の粒子76が表示基板18と背面基板20との何れか一方の基板側から他方の基板側へ移動するための電圧の電圧値、電圧印加時間(以下、電気泳動時間と称する)、及び極性等を示す情報であり、第1の粒子76の上記泳動電圧範囲と、表示媒体72の構成と、によって定まる。
なお、第1の粒子76のこれらの電気泳動電圧情報は、予め表示媒体72毎に測定して、予めROM77Bに記憶すればよい。
また、本実施の形態では、分散光情報と、凝集光情報と、を予めROM77Bに記憶しているとして説明する。
この分散光情報とは、表示媒体72内の第1の粒子76を分散媒42中で分散させるために必要な光の波長領域(分散波長領域)を示す情報、及び該分散波長領域の光の照射時間等を示す情報である。
また、この凝集光情報とは、表示媒体72内の第1の粒子76を分散媒42中で凝集させるために必要な光の波長領域(凝集波長領域)を示す情報、及び該凝集波長領域の光の照射時間等を示す情報である。
これらの分散光情報及び凝集光情報は、第1の粒子76の表面を構成する材料の特性や、分散媒42の種類、及び表示媒体72の構成等によって定まる。
なお、第1の粒子76のこれらの凝集光情報及び分散光情報は、予め表示媒体72毎に測定して、予めROM77Bに記憶すればよい。
以下に、本実施の形態における表示媒体72を備えた表示装置70の制御部77のCPU77Aで実行される処理を説明する。
制御部77のCPU77Aでは、図15に示す処理ルーチンによって示されるプログラムを制御部77内のROM77Bまたはハードディスク等から読み取ることによって、図15に示す処理を実行する。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、画像情報取得部17は、画像情報として、表示媒体72の特定の1つのセルに表示する画像の色を示す情報を取得するものとし、該画像情報に基づいた色を表示媒体72の対応する1つのセルに表示する場合を説明する。
制御部77のCPU77Aでは、所定時間毎に図15に示す処理ルーチンが実行されてステップ400へ進む。
ステップ400では、画像情報取得部17が画像情報を取得したか否かを判別し、否定されると本ルーチンを終了し、肯定されるとステップ402へ進む。
ステップ402では、ステップ400で取得した画像情報に含まれる色情報を読み取る。
次のステップ404では、上記ステップ402で読み取った色情報に対応する電気泳動電圧情報をROM77Bから読取り、次のステップ406では、分散光情報をROM77Bから読み取る。
次のステップ408では、上記ステップ406で読み取った分散光情報を含む光照射指示信号を光照射部78へ出力する。光照射指示信号を受け付けた光照射部78は、分散光情報に含まれる光の波長領域を示す分散波長領域情報に応じた波長領域、及び継続照射時間情報に基づいて、該波長領域の光の表示基板18と背面基板20との間への照射を開始。
次のステップ410では、上記ステップ408で光照射指示信号を光照射部78へ出力してから、該ステップ408で出力した光照射指示信号の分散光情報に含まれる光照射時間を経過するまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ414へ進む。
ステップ400〜ステップ410の処理によって、表示媒体72内の第1の粒子76が分散媒42中で分散状態となる。
次のステップ414では、上記ステップ404で読み取った電気泳動電圧情報を電圧印加部14へ出力し、次のステップ416において、ステップ414の処理終了から上記ステップ414で電圧印加部14へ出力した電気泳動電圧情報に含まれる電気泳動時間を経過したか否かを判別し、肯定されるまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ418へ進む。
電気泳動電圧情報を受け付けた電圧印加部14は、受け付けた電気泳動電圧情報に含まれる電気泳動電圧値の電圧の表示電極24と背面電極30との間への印加を開始する。
ステップ414〜ステップ416の処理によって、例えば、表示基板18側へ移動させるための電圧が表示電極24と背面電極30とに印加されると、分散媒42中において分散状態とされた第1の粒子76は、第1の粒子76が表示基板18側に到り、中空構造体26の第1の空間26A内に到る。
ステップ418では、ROM77Bから凝集光情報を読み取り、次のステップ420において、読み取った凝集光情報を光照射部78へ出力する。
凝集光情報を受け付けた光照射部78は、受け付けた凝集光情報の凝集波長領域の波長領域の光を表示基板18と背面基板20との間に照射し始める。
次のステップ422では、上記ステップ420の処理において凝集光情報を光照射部78へ出力してから、上記ステップ420で光照射部78へ出力した凝集光情報に示される光照射継続時間を経過するまで否定判断を繰り返し、肯定されると、ステップ424へ進む。
ステップ424では、電圧印加停止を示す信号を電圧印加部14に出力した後に、本ルーチンを終了する。電圧印加停止を示す信号を受け付けた電圧印加部14は、表示媒体72への電圧印加を停止する。
図15に示す上記ステップ400〜ステップ424の処理が実行されることによって、例えば、図15に示す上記処理ルーチンの実行前には、第1の粒子76が背面基板20側に存在して(図16(A)参照)おり、且つ、上記ステップ400の処理で取得した画像情報に、第1の粒子76の色を示す色情報が含まれている場合には、上記ステップ400〜ステップ416の処理が行われることによって、背面基板20側に存在していた第1の粒子76は分散媒42中で分散状態とされた後に分散媒42中を電気泳動して、表示媒体72の中空構造体26の連結孔26Bを介して第1の空間26A内に到る図16(B)参照。
ここで、さらに、ステップ418〜ステップ422の処理が実行されることによって、第1の空間26A内に到達した第1の粒子76は、第1の粒子76同士を凝集させるための波長領域の光を照射されることによって、中空構造体26の第1の空間26A内で凝集した状態となる(図16(C))参照。
図16(C)に示すように、第1の空間26A内で凝集した状態にある第1の粒子76は、第1の空間26A内では存在しうるが、この凝集体の径は、連結孔26Bの孔径に比べて大きい事から、連結孔26Bを介して移動することは困難となるため、該第1の空間26A内で凝集した状態で保持される。この状態で電圧印加部14による電圧印加が停止されても、第1の粒子76の凝集状態は保持される。
従って、表示媒体72の濃度変化を抑制することができる。
なお、反対に、上記ステップ400の処理で取得した画像情報に、表示媒体72の中間層38の色を示す色情報が含まれている場合には、上記ステップ400〜ステップ424の処理が行われることによって、例えば、図16(C)に示すように、表示基板18側に設けられた中空構造体26の第1の空間26A内で凝集していた第1の粒子76の凝集状態が解除されて分散状態された後に、分散媒42中を第1の空間26A及び連結孔26Bを介して中空構造体26の外部へと電気泳動し(図16(D)参照)、中間層38の孔を介して背面基板20側へと到る。これによって、表示基板18側から視認されたときには、中間層38の色が視認され、多色表示が可能となる。
なお、本実施の形態では、第1の粒子76として色が同じ1種類の粒子が表示基板18と背面基板20との間に封入されている場合を説明したが、第1の粒子76として、更に、互いに色及び電気泳動電圧範囲の異なる複数種類の粒子を基板間に封入してもよい。この場合には、表示媒体12に表示する色に応じた種類の第1の粒子76を移動させるための電圧を印加して、色の異なる第1の粒子76の組み合わせによる多色表示を実現してもよい。
以上説明したように、本実施の形態の表示装置70及び書込装置74によれば、電界刺激により電気泳動し、且つ第1の刺激としての光刺激により凝集状態または分散状態となる第1の粒子76を用い、分散させるための特定波長領域の光照射により第1の粒子76を分散状態とした後に表示基板18側へ第1の粒子76が電気泳動する電圧を印加して、第1の粒子76を中空構造体26の第1の空間26A内へ到達させた後に、さらに凝集させるための特定波長の光照射により第1の粒子76を第1の空間26A内で凝集させることができる。従って、表示媒体72の表示濃度の低下を抑制することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、本実施例は、図1、図8、図11、図14各々に示す表示媒体と同様な構成のものを作製し、評価した。
(実施例1)
まず、図6に示す表示媒体12を作製し、評価した。すなわち、実施例1では、表示基板18と背面基板20との基板間に泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動し、且つ、第1の刺激として、表示基板18と背面基板20との基板間に形成された電界の作用により凝集または分散する特性を有する第1の粒子36が表示媒体12内に封入されている場合を説明する。
まず、表示基板18側に設けられた中空構造体26を以下の手法で作製した。
表示基板18及び背面基板20として、ITOガラス基板(5cm×10cm、厚み2mm)を1枚ずつ用意した。
次に、この表示基板18を、体積平均一次粒径3.0μmの単分散ポリスチレン粒子(商品名:5300A、Duke Scientific社製)のエタノール懸濁液に浸透させて、ディップコート法を用いて基板上(表示基板18のITO面)に約15μmのポリスチレン粒子からなる最密充填型コロイド結晶層を作製した。
この最密充填型コロイド結晶層を鋳型として、SiO粒子懸濁水溶液(SiO粒子の体積平均一次粒径6nm、濃度10重量%、商品名:カタロイド。触媒化成工業(株))をディップコート法により、当該構造体の粒子間隙に充填し、さらに500℃で1時間加熱することでポリスチレン粒子を分解させてコロイド結晶構造を消失させると共に、厚さ約15μmのシリカ多孔質体(ネガ型構造体)を得た。
得られたシリカ多孔質体(中空構造体26)を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、ポリスチレン粒子とほぼ同形状の空隙構造(第1の空間26Aに相当)が形成された多孔質体で、全ての孔が連結孔26Bを介して繋がっている事が観察された。この空隙構造を構成する孔、すなわち第1の空間26Aの長径は、3μm、空隙構造を構成する第1の空間26A間あるいは外部との間の連結孔26Bの長径は500nmであった。
また、この連結孔26Bは、このシリカ多孔質体(中空構造体26)の表面から内部まで連続した空間を形成していた。このシリカ多孔質体(中空構造体26)の膜厚から、この第1の空間26Aは約8層(周期)で構成されていると考えられる。
本実施例1の、表示基板18と背面基板20との基板間に泳動電圧範囲を超える電圧が印加されると分散媒42中を移動し、且つ、第1の刺激として、表示基板18と背面基板20との基板間に形成された電界の作用により凝集または分散する特性を有する第1の粒子36としては、下記粒子を用いた。
詳細には、ビニルフェロセン3gに、色材として体積平均一次粒径0.1μmの青色顔料(大日本インキ化学社製:マイクロカプセル化顔料、MC Cyan)8.0gを添加し、これらを攪拌混合したアセトニトリル/水混合溶液を調整し、プラズマ重合により表面にポリビニルフェロセンが修飾された顔料を得た。この表面にポリビニルフェロセンが修飾された顔料を第1の粒子36として用いた。
この第1の粒子36は負帯電状態で体積平均一次粒径は、100nmであった。この第1の粒子36を、分散媒42としてのシリコーンオイル中に分散させた分散液を用意した。なお、この分散液中の第1の粒子36の濃度は4体積%であった。
また、得られた第1の粒子36を分散媒42としてのシリコーンオイル中に分散させて後述する方法で表示媒体12を作製した後に、表示基板18と背面基板20との間に、 15Vの電圧を5秒印加した状態では第1の粒子36は分散媒42中において分散状態で分散媒42中を移動し、電圧を上昇させて(電圧印加時間を長くして??) 50V電圧印加したときに、第1の粒子36は分散媒42中で凝集した。
また、反対にこの凝集した状態から、表示基板18と背面基板20との間に−50V以上の電圧を2秒以上印加すると凝集状態が解除されて分散状態となることを確認した。
以上のことから、本実施例1では、中空構造体26の連結孔26Bの長径および中空構造体26の第1の空間26Aは、第1の粒子36の体積平均一次粒径(100nm)に対してそれぞれ30倍、5倍であった。
次に、中間層38として、酸化チタン粒子(体積平均一次粒径0.2μm)を60重量%で内部に分散した体積平均一次粒径10μmのポリメタクリル酸メチル粒子を利用し、背面基板20上に、このポリメタクリル酸メチル粒子をエタノールに5重量%で分散した分散液を塗布して、白色の粒子(第3の粒子41)からなる層を中間層38として形成した。この中間層38の厚みは、50μmであった。
次に、背面基板20に100μmの樹脂スペーサーを設けた後に、この樹脂スペーサーを介して、上記中空構造体26の形成された表示基板18を、中空構造体26と背面基板20のITO側の面とが向かい合うように重ねて、一部の開口部を残してサイドシールを行った。さらに開口部から減圧法によって、上記分散媒42に第1の粒子36を分散させた分散液を充填した後に、開口部をシールして評価用の表示媒体12Aを作製した。
この作製した表示媒体12の表示電極24と背面電極30に、表示電極24がマイナス極となるようにして10Vの直流電圧を15秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射濃度を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、0.3であった。
次に、この白色表示の状態から、表示電極24がプラス極となるようにして5Vの直流電圧を5秒印加したところ、表示媒体12は青色を呈した。このときの濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、1.5であった。また、このときの第1の粒子36の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内には存在するものの凝集はみられなかった。
さらに、50Vの直流電圧を10秒印加した後に、濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約1.5であった。なお、色は、青色のままであった。また、このときの第1の粒子36の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内において凝集していることが観察された。
これは、第1の刺激としての電圧の作用により、第1の粒子36の顔料表面のフェロセンが酸化されて、第1の空間26A内で凝集したためと考えられる。
この状態で、表示媒体12を温度25℃、湿度60%RH環境下に1週間以上放置した後に、再度X−rite社製X−rite404により濃度を測定したところ、約1.5であった。このため、濃度低下を抑制することができ、且つ、画像保持性を得る事ができたといえる。
さらに、上記1週間以上放置した表示媒体12に、表示電極24がマイナス極となるようにして50Vの直流電圧を20秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射濃度を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3であった。
以上のことから、濃度低下を抑制することができるとともに、多色表示の可能な表示媒体12が得られた事が確認できた。
(実施例2)
上記実施例1では、表示媒体12として、第1の空間26Aが多層からなる中空構造体26を用いた場合を示したが、本実施例2では、第1の空間26Aが1層からなる中空構造体26を用いた場合を示す。
なお、本実施例2では、実施例1で作製した中空構造体26に換えて、下記作製した中空構造体26を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体12を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。
本実施例2では、中空構造体26を以下の手法で作製した。
ジクロロメタンに1重量%のポリテトラフルオロエチレンを溶解し、これをITO基板上に展延した。この基板上に湿度60%の気体を1分あたり0.5lでフローさせた。基板上の溶液に結露が発生し白濁状態となり、その後ジクロロメタンが揮発しポリテトラフルオロエチレンが固化し白濁状態が緩和された。湿度気体のフローを止め、放置すると結露水が蒸発し白濁したフィルム状の中空構造体26が得られた。
得られた中空構造体26を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、実施例1で得られた中空構造体26の構造の繰り返し単位とほぼ同形状の空隙構造(第1の空間26Aに相当)が形成された多孔質体で、全ての孔が連結孔26Bを介して繋がっている事が観察された。この空隙構造を構成する孔、すなわち第1の空間26Aの長径は、4μm、空隙構造を構成する第1の空間26A間あるいは外部との間の連結孔26Bの長径は0.7nmであった。
この中空構造体26の断面のSEM観察から、この第1の空間26Aは単層で構成されていることが確認できた。
実施例2で作製した表示媒体12の表示電極24と背面電極30に、表示電極24がマイナス極となるようにして15Vの直流電圧を5秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射濃度を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3であった。
次に、この白色表示の状態から、表示電極24がプラス極となるようにして15Vの直流電圧を5秒印加したところ、表示媒体12は青色を呈した。このときの濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約1.4であった。また、このときの第1の粒子36の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内には存在するものの凝集はみられなかった。
さらに、50Vの直流電圧を10秒印加した後に、濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約1.4であった。なお、色は、青色のままであった。また、このときの第1の粒子36の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内において凝集していることが観察された。
これは、第1の刺激としての電圧の作用により、第1の粒子36の顔料表面のフェロセンが酸化されて、第1の空間26A内で凝集したためと考えられる。
この状態で、表示媒体12を温度25℃、湿度60%RH環境下に1週間以上放置した後に、再度X−rite社製X−rite404により濃度を測定したところ、約1.2であった。このため、濃度低下を抑制することができ、且つ、画像保持性を得る事ができたといえる。
さらに、上記1週間以上放置した表示媒体12に、表示電極24がマイナス極となるようにして50Vの直流電圧を15秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射率を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3であった。
以上のことから、濃度低下を抑制することができるとともに、多色表示の可能な表示媒体12が得られた事が確認できた。
なお、実施例1で作製した表示媒体12に比べて、実施例2で作製した表示媒体12は、青色を呈示させてから24時間以内の濃度には差は見られなかったものの、1週間以上放置した場合には、若干の濃度低下が見られた。このため、実施例2で作製した表示媒体12に比べて、実施例1で作製した表示媒体12の方が、より濃度低下を抑制することができたとえいる。
(実施例3)
上記実施例1では、表示媒体12として、1種類(1色)の第1の粒子36を用いた場合を説明したが、本実施例3では、複数種として2種類(2色)の第1の粒子36を用いた場合を示す。
なお、本実施例3では、実施例1で作製した第1の粒子36(本実施例ではC色粒子と称する)に加えて、さらに、黄色の第1の粒子36(Y色粒子と称する)を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体12を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。
Y色の第1の粒子36(Y色粒子)を、以下の方法で作製した。
詳細には、ビニルフェロセン3gに、色材として体積平均一次粒径0.1μmの青色顔料(大日本インキ化学社製:マイクロカプセル化顔料、MC Yellow)8.0gを添加し、これらを攪拌混合したアセトニトリル/水混合溶液を調整し、プラズマ重合により表面にポリビニルフェロセンが修飾された顔料を得た。この表面にポリビニルフェロセンが修飾された顔料をY色の第1の粒子36として用いた。
このY色粒子は、は負帯電状態で体積平均一次粒径は、100nmであった。また、ゼータ電位をゼータ電位計ELS−6000(大塚電子株式会社製)にて測定したところ、C色粒子より負に帯電していることが確認された。
実施例1で作製した第1の粒子36であるC色粒子と、実施例3で作製したY色粒子と、分散媒42としてのシリコーンオイル中に分散させた分散液を用意した。なお、この分散液中のC色粒子の濃度は3体積%であり、Y色粒子の濃度は3体積%であった。
また、得られたY色粒子を分散媒42としてのシリコーンオイル中に分散させて表示媒体12を作製した後に、表示基板18と背面基板20との間に、8Vの電圧を5秒印加した状態ではY色粒子は分散媒42中において分散状態で分散媒42中を移動し、電圧を上昇させて且つ電圧印加時間を長くして30V10秒以上の電圧印加を継続したときに、Y色粒子は分散媒42中で凝集した。
また、反対にこの凝集した状態から、表示基板18と背面基板20との間に−30V以上の電圧を20秒以上印加すると凝集状態が解除されて分散状態となることを確認した。
実施例3で作製した表示媒体12の表示電極24と背面電極30に、表示電極24がマイナス極となるようにして15Vの直流電圧を5秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射濃度を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3%であった。
次に、この白色表示の状態から、表示電極24がプラス極となるようにして8Vの直流電圧を5秒印加したところ、表示媒体12は黄色を呈した。このときの濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約1.5であった。また、このときのY色粒子の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内には存在するものの凝集はみられなかった。
さらに、30Vの直流電圧を10秒印加した後に−15Vに反転させ、濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約1.5であった。なお、色は、黄色のままであった。また、このときのC色粒子の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内において凝集していることが観察された。
次に、この青色表示の状態から、表示電極24がプラス極となるようにして15Vの直流電圧を5秒印加したところ、表示媒体12は緑色を呈した。このときの濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、Cが約1.5、Yが約1.4であった。また、このときのY色粒子の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内で凝集したままであり、C色粒子の状態をデジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて確認したところ、第1の空間26A内には存在するものの凝集はみられなかった。
さらに、50Vの直流電圧を10秒印加した後に、濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、Cが約1.5、Yが約1.4であった。なお、色は、緑色のままであった。また、このときのC色粒子及びY色粒子の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、双方の粒子ともに、中空構造体26の第1の空間26A内において凝集していることが観察された。
この状態で、表示媒体12を温度25℃、湿度60%RH環境下に1週間以上放置した後に、再度X−rite社製X−rite404により濃度を測定したところ、Cが約1.5、Yが約1.4であった。このため、濃度低下を抑制することができ、且つ、画像保持性を得る事ができたといえる。
さらに、上記1週間以上放置した表示媒体12に、表示電極24がマイナス極となるようにして−50Vの直流電圧を20秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射率を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3であった。
以上のことから、濃度低下を抑制することができるとともに、多色表示の可能な表示媒体12が得られた事が確認できた。
(実施例4)
上記実施例1では、電気刺激により凝集または分散する第1の粒子36が表示媒体12内に封入されている場合を説明したが、本実施例4では、この第1の粒子36に換えて、温度により凝集状態または分散状態となる第1の粒子66が表示媒体62内に封入されている場合を説明する。
なお、本実施例4では、実施例1で作製した第1の粒子36に換えて、下記作製した第1の粒子66を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体62を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。
本実施例4では、以下の方法で第1の粒子66を作製した。
N−イソプロピルアクリルアミド3gに、色材として体積平均1次粒径0.1μmの青色顔料(大日本インキ化学社製:マイクロカプセル化顔料、MC Blue 182−E)8.0gを添加し、これらを攪拌混合した水溶液を調整し、プラズマ重合により表面にポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)が修飾された顔料を得た。
この表面にポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)が修飾された顔料を、第1の粒子66として用いた。
なお、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)は水中で33℃の相転移温度を境に低温溶解/高温相分離の挙動をすることで知られている。ここで、得られた第1の粒子66も水中において低温(25℃)で分散状態となり、高温(40℃)で沈殿することを確認した。
この第1の粒子66は負帯電状態で体積平均一次粒径は、100nmであった。この第1の粒子66を、分散媒42としての水中に分散させた分散液を用意した。なお、この分散液中の第1の粒子66の濃度は4体積%であった。
実施例4で作製した表示媒体62を、25℃の環境下で、表示電極24と背面電極30に、表示電極24がマイナス極となるようにして5Vの直流電圧を5秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射濃度を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3であった。
次に、この白色表示の状態から、さらに、25℃の環境下で、表示電極24がプラス極となるようにして5Vの直流電圧を5秒印加したところ、表示媒体62は青色を呈した。このときの濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約1.4%であった。また、このときの第1の粒子66の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内には存在するものの凝集はみられなかった。
また、この青色は、約1分ほどで消色した。
次に、上記と同様にして、25℃の環境下で、表示電極24がプラス極となるようにして1.4Vの直流電圧を5秒印加したところ、表示媒体62は青色を呈した。ここで、さらに、温度を40℃に上昇させてこの40℃の温度環境下に表示媒体62を置いた後に電圧印加を解除したところ、表示媒体62は青色を呈したままであり、且つ、一週間以上放置しても、消色は見られなかった。
また、40℃の環境下に表示媒体62をおいた直後の濃度と、一週間放置後の濃度と、の各々をX−rite社製X−rite404により測定したところ、双方とも約1.4であり、濃度低下の抑制が図られていた。
以上のことから、濃度低下を抑制することができるとともに、多色表示の可能な表示媒体62が得られた事が確認できた。
(実施例5)
上記実施例1では、電気刺激により凝集または分散する第1の粒子36が表示媒体12内に封入されている場合を説明したが、本実施例5では、この第1の粒子36に換えて、光刺激により凝集状態または分散状態となる第1の粒子76が表示媒体72内に封入されている場合を説明する。
なお、本実施例5では、実施例1で作製した第1の粒子36に換えて、下記作製した第1の粒子76を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体72を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。
本実施例5では、以下の方法で第1の粒子76を作製した。
アクリルアミド1.5g、4−アクロイルアミノアゾベンゼン1.5g、色材として体積平均1次粒径0.1μmの青色顔料(大日本インキ化学社製:マイクロカプセル化顔料、MC Blue 182−E)8.0gを添加し、これらを攪拌混合した水溶液を調整し、プラズマ重合により表面にポリ(アクリルアミド−co−4−アクロイルアミノアゾベンゼンが修飾された顔料を得た。
この表面に4−アクロイルアミノアゾベンゼンが修飾された顔料を、第1の粒子76として用いた。
得られた第1の粒子76表面に修飾されたアゾベンゼン基は、366nmの光の照射されるとトランス−シス転位し、分散媒42であるシリコーンオイル中で凝集し、可視光領域の光を照射されると、シリコーンオイル中で分散した。
また、この第1の粒子76は、負極に帯電しており、体積平均一次粒径は110μmであった。この第1の粒子76を、分散媒42としてのシリコーンオイル中に分散させた分散液を用意した。なお、この分散液中の第1の粒子76の濃度は4体積%であった。
実施例5で作製した表示媒体72を、可視領域の光の照射される環境下で、表示電極24と背面電極30に、表示電極24がマイナス極となるようにして15Vの直流電圧を5秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射濃度を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3であった。
次に、この白色表示の状態から、さらに、表示電極24がプラス極となるようにして15Vの直流電圧を5秒印加したところ、表示媒体62は青色を呈した。このときの濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約1.5であった。また、このときの第1の粒子76の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内には存在するものの凝集はみられなかった。
さらに、高圧水銀ランプとカラーフィルターを用いて366nmの光を表示媒体62に照射し、この照射を継続可能な環境下に放置した後に電圧印加を解除したところ、表示媒体72は青色を呈したままであり、且つ、72時間以上放置しても、消色は見られなかった。
また、この366nmの光の照射される環境下に表示媒体72をおいた直後の濃度と、24時間放置後の濃度と、の各々をX−rite社製X−rite404により測定したところ、双方とも約1.5%であり、濃度低下の抑制が図られていた。
以上のことから、濃度低下を抑制することができるとともに、多色表示の可能な表示媒体72が得られた事が確認できた。
(実施例6)
上記実施例1では、電気刺激により凝集または分散する第1の粒子36が表示媒体12内に封入されている場合を説明したが、本実施例6では、この第1の粒子36に換えて、斥力により中空構造体26の第1の空間26A内で凝集状態となる第2の粒子47が表示媒体45内に封入されている場合を説明する(図8参照)。
なお、本実施例6では、実施例1で作製した第1の粒子36に換えて、下記作製した第2の粒子47を用いた点、及び、実施例1で作製した中空構造体26に更に処理を施した中空構造体26を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体45を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。
本実施例6では、以下の方法で中空構造体26を作製した。
表示基板18及び背面基板20として、ITOガラス基板(5cm×10cm、厚み2mm)を1枚ずつ用意した。
次に、この表示基板18を、体積平均一次粒径3.0μmの単分散ポリスチレン粒子(商品名:5300A、Duke Scientific社製)のエタノール懸濁液に浸透させて、ディップコート法を用いて基板上(表示基板18のITO面)に約15μmのポリスチレン粒子からなる最密充填型コロイド結晶層を作製した。
この最密充填型コロイド結晶層を鋳型として、SiO粒子懸濁水溶液(SiO粒子の体積平均一次粒径6nm、濃度10重量%、商品名:カタロイド。触媒化成工業(株))をディップコート法により、当該構造体の粒子間隙に充填し、さらに500℃で1時間加熱することでポリスチレン粒子を分解させてコロイド結晶構造を消失させると共に、厚さ約15μmのシリカ多孔質体(ネガ型構造体)を得た。
得られたシリカ多孔質体を走査電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、ポリスチレン粒子とほぼ同形状の空隙構造(第1の空間26Aに相当)が形成された多孔質体で、全ての孔が連結孔26Bを介して繋がっている事が観察された。この空隙構造を構成する孔、すなわち第1の空間26Aの長径は、3μm、空隙構造を構成する第1の空間26A間あるいは外部との間の連結孔26Bの長径は500nmであった。
また、この連結孔26Bは、このシリカ多孔質体の表面から内部まで連続した空間を形成していた。このシリカ多孔質体の膜厚から、この第1の空間26Aは約8層(周期)で構成されていると考えられる。
次に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの3%水溶液を調製し30分撹拌した。この溶液に、上記シリカ多孔質体(中空構造体26)を形成させた表示基板18を10分間浸漬し、蒸留水で軽くすすいだ。この操作によって、中空構造体26の壁面にアミノ基が修飾された。
第2の粒子47は、下記方法で作製した。
メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム3gに、色材として1次粒子0.1μmの青色顔料(大日本インキ化学社製:マイクロカプセル化顔料、MC Blue 182−E)8.0gを添加し、これらを攪拌混合したアセトニトリル/水混合溶液を調整し、プラズマ重合により表面にポリメタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムが修飾された顔料を第2の粒子47として得た。
この第2の粒子47は正極に帯電しており、体積平均一次粒径は、110μmであった。この第2の粒子47を、分散媒42としてのシリコーンオイル中に分散させた分散液を用意した。なお、この分散液中の第2の粒子47の濃度は10体積%であった。
実施例1と同様にして作製した表示媒体45の表示電極24と背面電極30に、表示電極24がマイナス極となるようにして10Vの直流電圧を5秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射濃度を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3であった。
次に、この白色表示の状態から、表示電極24がプラス極となるようにして30Vの直流電圧を20秒印加したところ、表示媒体12は青色を呈した。このときの濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約1.4であった。
また、このときの第2の粒子47の状態を、デジタルマイクロスコープVHX−600(キーエンス社製)を用いて観察したところ、中空構造体26の第1の空間26A内に存在する第2の粒子47は、第1の空間26A内で凝集していた。
これは、第2の粒子47と中空構造体26との斥力により、第2の粒子47が第1の空間26A内で凝集した状態となっているためと考えられる。
この状態で、表示媒体45を温度25℃、湿度60%RH環境下に1週間以上放置した後に、再度X−rite社製X−rite404により濃度を測定したところ、約1.4であった。このため、濃度低下を抑制することができ、且つ、画像保持性を得る事ができたといえる。
さらに、上記1週間以上放置した表示媒体45に、表示電極24がマイナス極となるようにして30Vの直流電圧を30秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射濃度を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3であった。
これは、斥力のポテンシャルエネルギーを凌駕する力が第2の粒子47にかかったため、第2の粒子47が中空構造体26の第1の空間26A内から連結孔2Bを介して外部へと移動したためと考えられる。
以上のことから、濃度低下を抑制することができるとともに、多色表示の可能な表示媒体45が得られた事が確認できた。
(比較例5)
上記実施例1では、電気刺激により凝集または分散する第1の粒子36が表示媒体12内に封入されている場合を説明したが、本比較例1では、この第1の粒子36に換えて、光、熱、電界等の刺激により凝集状態とはならず、また中空構造体26との斥力によっても凝集状態とはならない粒子が表示媒体内に封入されている場合を説明する。
なお、本比較例1では、実施例1で作製した第1の粒子36に換えて、下記作製した粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製し、実施例1と同様にして評価を行った。
本比較例1では、以下の方法で粒子を作製した。
ビニルトリクロロシラン1.0g、色材として体積平均1次粒径0.1μmの青色顔料(大日本インキ化学社製:マイクロカプセル化顔料、MC Blue 182−E)8.0gを添加し、これらを攪拌混合した水溶液を調整し、プラズマ重合により表面にポリビニルトリクロロシランが修飾された顔料を得た。
得られた粒子は、負極に帯電しており、体積平均一次粒径は、0.1μmであった。この粒子を、分散媒42としてのシリコーンオイル中に分散させた分散液を用意した。なお、この分散液中の粒子の濃度は約4体積%であった。
比較例1で作製した表示媒の初期状態の濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.7であった。比較例1で作製した表示媒の表示電極24と背面電極30に、表示電極24がマイナス極となるようにして30Vの直流電圧を10秒印加したところ、中間層38による白色が表示された。この白色表示時の反射濃度を、X−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.3であった。
次に、この白色表示の状態から、さらに、表示電極24がプラス極となるようにして30Vの直流電圧を10秒印加したところ、表示媒体は青色を呈した。このときの濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約1.5であった。
この表示媒体を温度25℃、湿度60%RHの環境下に3時間放置した後の濃度をX−rite社製X−rite404により測定したところ、約0.7であった。この値は泳動粒子が表示媒中に拡散し、初期状態に戻ったことを示している。上記実施例1〜5に比べて2倍以上の濃度の低下がみられた。
第1の実施の形態に係る表示装置を示す概略構成図である。 (A)(B)第1の実施の形態に係る表示媒体の表示基板周辺の拡大模式図である。 第1の実施の形態における中空構造体の作製方法の一例を示す模式図である。 第1の実施の形態における表示装置のCPUで実行される処理を示すフローチャートである。 (A)〜(D)第1の実施の形態において表示媒体の第1の粒子が中空構造体に対して出入りする様子を示す模式図である。 第1の実施の形態における図1に示す表示媒体とは異なる形態を示す模式図である。 第1の実施の形態における図1に示す表示媒体とは異なる形態を示す模式図である。 第2の実施の形態における表示装置を示す概略構成図である。 第2の実施の形態における表示装置のCPUで実行される処理を示すフローチャートである。 (A)〜(D)第2の実施の形態において表示媒体の第2の粒子が中空構造体に対して出入りする様子を示す模式図である。 第3の実施の形態に係る表示装置を示す概略構成図である。 第3の実施の形態に係る表示装置のCPUで実行される処理を示すフローチャートである。 (A)〜(D)第3の実施の形態において表示媒体の第1の粒子が中空構造体に対して出入りする様子を示す模式図である。 第4の実施の形態に係る表示装置を示す概略構成図である。 第4の実施の形態に係る表示装置のCPUで実行される処理を示すフローチャートである。 (A)〜(D)第4の実施の形態において表示媒体の第1の粒子が中空構造体に対して出入りする様子を示す模式図である。
符号の説明
10、10A、10B、40、60、70 表示装置
12、12A、12B、45、62、72 表示媒体
13、44、64、74 書込装置
14 電圧印加部
16、46、67、77 制御部
17 画像情報取得部
18 表示基板
20 背面基板
26A 第1の空間
26 中空構造体
26B 連結孔
31 拘束層
36、66、76 第1の粒子
38 中間層
41 第3の粒子
42 分散媒
47 第2の粒子
68 加熱部材
78 光照射部

Claims (49)

  1. 少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、
    前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動すると共に、第1の刺激の付与により凝集または分散する第1の粒子と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、
    前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第1の粒子が複数存在しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第1の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含み、少なくとも可視光領域の光を透過する中空構造体と、
    を備えた表示媒体。
  2. 前記連結孔は、隣接する前記第1の空間を更に連通することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  3. 前記第1の刺激は、電界、光、及び熱の何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  4. 前記連結孔の孔径は、前記第1の粒子の体積平均一次粒径に対して1.5倍以上150倍以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示媒体。
  5. 前記第1の空間の径は、前記連結孔の孔径の1.2倍以上100倍以下である事を特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の表示媒体。
  6. 前記中空構造体の前記第1の空間は、前記表示基板の面方向に規則的に配列されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の表示媒体。
  7. 前記中空構造体の前記第1の空間が前記表示基板と前記基板との向かい合う方向に複数配列され、且つ前記連結孔は、隣接する前記第1の空間を連通していることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の表示媒体。
  8. 前記中空構造体の前記第1の空間は、前記表示基板と前記背面基板との向かい合う方向に規則的に配列されて構成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示媒体。
  9. 前記表示基板と前記背面基板との間において前記中空構造体より前記背面基板側に配置され、前記第1の粒子が少なくとも前記表示基板と前記背面基板との向かい合う方向に通過する第1の孔を有すると共に前記第1の粒子とは異なる色を有する中間層を更に備えた事を特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の表示媒体。
  10. 前記中間層は、複数の第3の粒子の集合体であることを特徴とする請求項9に記載の表示媒体。
  11. 前記中間層は、不織布であることを特徴とする請求項9に記載の表示媒体。
  12. 前記中間層は、白色であることを特徴とする請求項9〜請求項11の何れか1項に記載の表示媒体。
  13. 前記第1の粒子は、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が互いに異なると共に、互いに異なる色に着色された複数種類の粒子を含む事を特徴とする請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の表示媒体。
  14. 前記背面基板の前記表示基板との対向面側に積層され、前記第1の粒子を拘束する機能を有する拘束層を更に備えた事を特徴とする請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の表示媒体。
  15. 前記拘束層は、前記背面基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第1の粒子が複数存在しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が通過し、該第1の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体であることを特徴とする請求項14に記載の表示媒体。
  16. 少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、
    前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動する第2の粒子と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、
    前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも複数の前記第2の粒子を該第2の粒子と内壁との斥力によって該第2の粒子を凝集させて内部に保持しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第2の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、
    を備えた表示媒体。
  17. 前記連結孔は、隣接する前記第1の空間を更に連通することを特徴とする請求項16に記載の表示媒体。
  18. 前記連結孔の孔径は、前記第1の粒子の体積平均一次粒径に対して1.5倍以上150倍以下の範囲内であることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の表示媒体。
  19. 前記第1の空間の径は、前記連結孔の孔径の1.2倍以上100倍以下である事を特徴とする請求項16〜請求項18の何れか1項に記載の表示媒体。
  20. 前記中空構造体の前記第1の空間は、前記表示基板の面方向に規則的に配列されていることを特徴とする請求項16〜請求項19の何れか1項に記載の表示媒体。
  21. 前記中空構造体の前記第1の空間が前記表示基板と前記基板との向かい合う方向に複数配列され、且つ前記連結孔は、隣接する前記第1の空間を連通していることを特徴とする請求項16〜請求項20の何れか1項に記載の表示媒体。
  22. 前記中空構造体の前記第1の空間は、前記表示基板と前記背面基板との向かい合う方向に規則的に配列されて構成されていることを特徴とする請求項21に記載の表示媒体。
  23. 前記表示基板と前記背面基板との間において前記中空構造体より前記背面基板側に配置され、前記第1の粒子が少なくとも前記表示基板と前記背面基板との向かい合う方向に通過する第1の孔を有すると共に前記第1の粒子とは異なる色を有する中間層を更に備えた事を特徴とする請求項16〜請求項22の何れか1項に記載の表示媒体。
  24. 前記中間層は、複数の第3の粒子の集合体であることを特徴とする請求項23に記載の表示媒体。
  25. 前記中間層は、不織布であることを特徴とする請求項23に記載の表示媒体。
  26. 前記中間層は、白色であることを特徴とする請求項23〜請求項25の何れか1項に記載の表示媒体。
  27. 前記第2の粒子は、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が互いに異なると共に、互いに異なる色に着色された複数種類の粒子を含む事を特徴とする請求項16〜請求項26の何れか1項に記載の表示媒体。
  28. 前記背面基板の前記表示基板との対向面側に積層され、前記第1の粒子を拘束する機能を有する拘束層を更に備えた事を特徴とする請求項16〜請求項27の何れか1項に記載の表示媒体。
  29. 前記拘束層は、前記背面基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第2の粒子が複数存在しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第2の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第2の粒子が通過し、該第2の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体であることを特徴とする請求項28に記載の表示媒体。
  30. 少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、
    前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動すると共に、第1の刺激の付与により凝集または分散する第1の粒子と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、
    前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第1の粒子が複数存在しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第1の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、
    を備えた表示媒体の、前記表示基板と前記背面基板との基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記第1の刺激を付与する第1の刺激付与手段と、
    画像情報に応じて前記電圧印加手段及び前記第1の刺激付与手段を制御する制御手段と、
    を備えた書込装置。
  31. 画像情報を取得する取得手段を備え、前記制御手段は、該取得手段によって取得した画像情報に応じて前記電圧印加手段及び前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項30に記載の書込装置。
  32. 前記制御手段は、前記第1の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第1の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加するように前記電圧印加手段を制御した後に、
    前記第1の粒子が凝集する刺激を付与するように前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項30〜請求項31に記載の書込装置。
  33. 前記制御手段は、前記第1の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第1の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加するように前記電圧印加手段を制御する前に、前記第1の粒子が分散する刺激を付与するように前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項32に記載の書込装置。
  34. 前記第1の刺激は、電界であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定の電界を選択的に前記表示基板と前記背面基板との間に形成することを特徴とする請求項30〜請求項33の何れか1項に記載の書込装置。
  35. 前記第1の刺激は、光であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定波長領域の光を選択的に前記表示基板と前記背面基板との間に照射することを特徴とする請求項30〜請求項33の何れか1項に記載の書込装置。
  36. 前記第1の刺激は、熱であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定の温度に前記表示基板と前記背面基板との間を加熱することを特徴とする請求項30〜請求項33の何れか1項に記載の書込装置。
  37. 少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動すると共に、第1の刺激の付与により凝集または分散する第1の粒子と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも前記第1の粒子が複数存在しうる第+1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第1の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、を備えた表示媒体と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記第1の刺激を付与する第1の刺激付与手段と、
    画像情報に応じて前記電圧印加手段及び前記第1の刺激付与手段を制御する制御手段と、
    を備えた表示装置。
  38. 画像情報を取得する取得手段を備え、前記制御手段は、該取得手段によって取得した画像情報に応じて前記電圧印加手段及び前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項37に記載の表示装置。
  39. 前記制御手段は、前記第1の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第1の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加するように前記電圧印加手段を制御した後に、
    前記第1の粒子が凝集する刺激を付与するように前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項37または請求項38に記載の表示装置。
  40. 前記制御手段は、前記第1の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第1の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加するように前記電圧印加手段を制御する前に、前記第1の粒子が分散する刺激を付与するように前記第1の刺激付与手段を制御することを特徴とする請求項39に記載の表示装置。
  41. 前記第1の刺激は、電界であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定の電界を選択的に前記表示基板と前記背面基板との間に形成することを特徴とする請求項37〜請求項40の何れか1項に記載の表示装置。
  42. 前記第1の刺激は、光であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定波長領域の光を選択的に前記表示基板と前記背面基板との間に照射することを特徴とする請求項37〜請求項40の何れか1項に記載の表示装置。
  43. 前記第1の刺激は、熱であり、前記第1の刺激付与手段は、前記第1の粒子が凝集または分散する予め定められた特定の温度に前記表示基板と前記背面基板との間を加熱することを特徴とする請求項37〜請求項40の何れか1項に記載の表示装置。
  44. 少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、
    前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動する第2の粒子と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、
    前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも複数の前記第2の粒子を該第2の粒子と内壁との斥力によって内部に保持しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第1の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第1の粒子が通過し、該第2の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、
    を備えた表示媒体の、前記表示基板と前記背面基板との基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    画像情報に応じて前記電圧印加手段を制御する制御手段と、
    を備えた書込装置。
  45. 画像情報を取得する取得手段を備え、前記制御手段は、該取得手段によって取得した画像情報に応じて前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項44に記載の書込装置。
  46. 前記制御手段は、前記第2の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第2の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加することを特徴とする請求項44または請求項45に記載の書込装置。
  47. 少なくとも可視光領域の光を透過する表示基板と、前記表示基板に間隙をもって対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入され、該基板間に電界が形成されることにより該電界に応じて前記表示基板と前記背面基板との間を移動する第2の粒子と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記表示基板の前記背面基板との対向面側に少なくとも面方向に配列されると共に少なくとも複数の前記第2の粒子を該第2の粒子と内壁との斥力によって内部に保持しうる第1の空間と、前記第1の空間と外部とを連通すると共に前記第2の粒子が外部から前記第1の空間内へと入り込むために該第2の粒子が通過し、該第2の粒子の体積平均一次粒径より大きく且つ前記第1の空間の径より小さい孔径の連結孔と、を含む中空構造体と、を備えた表示媒体と、
    前記表示基板と前記背面基板との基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    画像情報に応じて前記電圧印加手段を制御する制御手段と、
    を備えた表示装置。
  48. 画像情報を取得する取得手段を備え、前記制御手段は、該取得手段によって取得した画像情報に応じて前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項47に記載の表示装置。
  49. 前記制御手段は、前記第2の粒子が電界に応じて移動するために必要な電圧範囲に基づいて該電圧範囲内で且つ前記第2の粒子が前記表示基板側へ移動する電圧を前記表示基板と前記背面基板との間に印加することを特徴とする請求項47または請求項48に記載の表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013077163A1 (ja) * 2011-11-22 2013-05-30 ソニー株式会社 電気泳動素子およびその製造方法並びに表示装置
JP2013130858A (ja) * 2011-11-22 2013-07-04 Sony Corp 電気泳動素子およびその製造方法並びに表示装置

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