JP2007330939A - 微細気泡発生器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より効率的、且つ確実に微細気泡を発生させる。
【解決手段】 液体噴射ノズル20の口径よりも大径であり、且つ液体噴射ノズル20から噴射された液体41の径よりも大径とする噴出孔11aが液体噴射ノズル20の軸線と同軸線上に開孔され、当該噴出孔11aと同軸線上で連通する誘導管20が突設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、海洋養殖施設の酸素補給、深層水の浮上、大型ダムの浄化、高粘度液中への酸素補給、気泡噴射による流動体の攪拌、家畜糞尿処理の際の微生物分解作用の促進、微細気泡を利用した泡沫分離装置、特定ガスと液体の混合、オゾンガスによる海水や液体の殺菌等に用いられる微細気泡発生器に関する。
本発明の微細気泡発生器に関連する先行技術文献情報として、例えば、下記の特許文献1が有る。
特開2001−252546号公報
例示した特許文献1に記載の微細気泡発生器は、気体を充満可能な空間を形成している気体室と、該気体室外で加圧された液体を該気体室内で噴射する液体噴射ノズルと、該気体室内に気体を導入すべく該気体室外と連通した気体導入管とを備えている。
又、前記液体噴射ノズルの先端よりも前方側に、前記気体室の前面部を形成する噴出孔板が設けられ、該噴出孔板には、前記液体噴射ノズルから噴射された液体が該気体室内の気体を誘引して該気体室外の液中に噴出されるように、液体噴射ノズルの噴射方向に対応させて単一の噴出孔が形成されてなるものである。
前記微細気泡発生器は、液体噴射ノズルから噴射された液体が気体室内に充満した気体を誘引するとともに、その誘引された気体を混合させながら高速で噴出孔を通過し、この通過時において、気体の噴出により気体室内が負圧となるため、外部の気体が気体導入管によって気体室内に吸引されることによって、よって、噴出孔からの液体及び気体の噴出と、気体導入管による気体の吸引導入とが継続的に行われるようになっている。
又、前記過程において、気体室内の気体は、液体噴射ノズルから噴射する液体に誘引されて急加速するとともに、その気体の一部は噴射された液体内に混合されて気液混合流となり、噴出孔内を高速で通過するようになっている。
したがって、噴出孔の外部を液中に臨ませれば、噴出された気体と前記液中の液粒子との衝突、及び、前記気液混合流と液粒子との衝突等が噴出孔出口近傍で発生し、これらの衝突作用によって、微細化された気泡が多量に発生するとともに、気泡の一部が液中に溶解される。
ところで、気泡を効果的に発生させるためには、液体噴射ノズルから噴射される液体が効率よく空気を気体室に誘引して当該気体室に充満させることが重要である。
前記空気を効率的に気体室に誘引して当該気体室に充満させるには、水圧による気体室への浸水を抑制する必要がある。
例えば、深い水深での使用の際には、その水深に伴って高くなる水圧により、前記気体室への浸水が生じやすいため、前記噴出孔の径を小さくして当該噴出孔径と液体噴射ノズルの口径との径差を小さくすることで、噴射される液体の外周と噴出孔縁との間の間隔を狭くして水圧による浸水を抑制している。
しかしながら、前記のように噴射孔径を小さくした場合、液体噴射ノズルから噴射される液体の径が噴出孔径以上となることがあり、仮に液体の先端側の径が噴出孔径以上であると、噴出する液体が噴出孔や噴出孔周りに接触することにより水流が乱れて気泡の発生や空気の誘引に対して影響を与えてしまい、気泡の発生が非効率的となる可能性がある。
このため、前記液体噴射ノズルの先端と噴出孔との距離を短くして、噴射される液体の先端側の径が噴出孔径以上となる前に、当該液体を噴出孔から噴出させることにより安定した水流を作るようにしている。
しかしながら、前記のように液体噴射ノズルの先端と噴出孔との距離を短くした場合、前記気体室内における空気の誘引時間が短くなるため、空気の誘引量が減少し、この減少に伴って気泡量が減少する可能性がある。
本出願人は、前記微細気泡発生器について、より効率的、且つ確実に微細気泡を発生させるという観点から鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったものである。
そこで本発明は、より効率的、且つ確実に微細気泡を発生させることを課題とし、この課題を解決する微細気泡発生器の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明が採用した技術的手段は、気体が導入される空間を有する気体室と、当該気体室に装着され、その前方へ向けて気体室内に液体を噴射する液体噴射ノズルと、気体室内に気体を導入する気体導入管を含み、前記気体室の前面部には、前記液体噴射ノズルから噴射された液体と気体室内の気体が通過する噴出孔が液体噴射ノズルの軸線と同軸線上に開孔されるとともに、当該噴出孔と同軸線上で連通する誘導管が突設されてなり、前記噴出孔は、前記液体噴射ノズルの噴射口径よりも大径、且つ噴出孔を通過する液体の径よりも大径であり、前記誘導管は、前記噴出孔よりも大径であることを特徴とする微細気泡発生器にしたことである。
本発明でいう液体噴射ノズルの口径よりも大径であり、且つ噴射ノズルから噴射された液体の径よりも大径とする噴出孔とは、当該噴出孔と液体噴射ノズルの先端との距離に係りなく、噴射ノズルから噴射された液体が噴出孔の縁や噴出孔周りに接触せずに噴出孔内を通過可能な径とする噴出孔である。
前記誘導管の内径は、前記噴出孔の径の2〜3倍であることが好ましく、又、誘導管の全長は、当該誘導管の内径の5倍であることが好ましい。
本発明の微細気泡発生器によれば、より効率的、且つ確実に微細気泡を発生させることができる。
以下、本発明の微細気泡発生器を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本形態の微細気泡発生器Aは、気体42を充満可能な気体室10と、当該気体室10内に噴射先端部を位置させている液体噴射ノズル20と、該気体室10内に連通した気体導入管30とを備え、液体噴射ノズル20が噴射する液体41を前記気体室10の前面部の噴出孔11aを通過させて外部に噴出するように構成されている。
気体室10は、前後を開口した筒状本体12と、該筒状本体12の前方側開口部を閉鎖するように取り付けられた噴出孔板11と、同筒状本体12の後方側開口部を閉鎖するように取り付けられるとともに、略軸心状に液体噴射ノズル20を固定したノズルアダプター13とからなり、それら各部材によって周囲の壁面を構成することで内部に気体42を充満可能な空間Sを形成している。
前記噴出孔板11は、外周面に雄ねじ部(図示せず)を有する円盤状部材で、液体噴射ノズル20から噴射された液体41が気体室10内の気体42を誘引して気体室10外へ通過するように、液体噴射ノズル20の軸線と同軸とする噴出孔11aが形成されている。
又、噴出孔板11の前方には、前記噴出孔11aと同軸とする誘導管11bが突設され、噴出孔を通過する液体41と気体42の気体室外への噴出を誘導するようにしている。
このように構成された噴出孔板11は、外周雄ねじ部にシール剤等の気密手段を介して筒状本体12の前方側開口部に装着されている。
前記ノズルアダプター13は、略円筒状を呈し、その内部に噴出先端部を前方に向けた液体噴射ノズル20を軸心上に固定した状態で、筒状本体12の後方側開口部を塞ぐようにして固定されている。
前記液体噴射ノズル20における噴射口20aの口径と、噴出孔11aの径と、誘導管11bの内径との大きさ関係は、噴射口20aの口径よりも噴出孔11aの径を大径とし、当該噴出孔11の径よりも誘導管11bの内径を大径とする大きさ関係である。
又、前記噴出孔11aは、噴出した液体41が噴出孔11aを通過する際に、当該液体41を噴出孔11aの縁や噴出孔11a周りに接触させずに通過させる径であり、この径にすることによって、液体41の接触による水流の乱れを防止し、空気の誘引及び気泡の発生を効率的に行えるようにしている。
尚、前記噴出孔板11は、溶着や嵌合等の手段により筒状本体12に対し気密に固定しても構わないが、噴出孔11aの孔径の変更や、噴出孔板11の厚さの変更、筒状本体12内のメンテナンス等を容易にするために、前記したような着脱可能な手段により固定されているのが好ましい。
また、ノズルアダプター13内に液体噴射ノズル20を固定する手段及びノズルアダプター13を筒状本体12に固定手段は、気体室10内外の気密性を確保できれば螺着、嵌合、溶着等何れの手段を用いても構わない。
液体噴射ノズル20は、その内部に先端側が縮径された噴射孔20aを有するノズルであり、後端側の吸気開口部に連設された液体供給配管21から加圧された液体41が供給され、噴射孔20aの先端から噴出孔板11の噴出孔11a内に向かって液体41を噴射する。
前記液体供給配管21の後端にはポンプ22が設けられ、このポンプ22は、水道や気泡42aを発生させる液中等から液体を吸引し、その液体を、液体供給配管21を介して液体噴射ノズル20に加圧送出する。
気体導入管30は、筒状本体12の周壁に貫通状に固定された導入部配管31と、この導入部配管31の後端に接続された延長配管32とからなり、気体室10内に気体を導入するように、気体室10内と外気とを連通させている。
また、この気体導入管30の延長配管32後端部には、調整バルブ33が設けられる。この調整バルブ33は、気体室10内に導入される気体42の流量を調整することで、発生する気泡42aの量や大きさを調整可能にしている。
前記形態の微細気泡発生器Aによれば、気体室10内に気体42が充満された状態で噴出孔11aを液中Lに臨ませ、液体噴射ノズル20から液体41を噴射して噴出孔11aに通過させれば、液体噴射ノズル20から噴射された液体41に気体室10内の気体42が誘引され、誘引された気体42、及び誘引された気体42と噴射された液体41との混合流が噴出孔11aを通過して誘導管11bを経て液中Lに噴出される。
その際、気体室10内の空間Sは気体42の噴出により負圧となるため、外部の気体42が気体導入管30によって気体室10内に吸引される。
よって、噴出孔11aからの気体42及び液体41の噴出と、気体導入管30による気体の吸引とが継続される。
又、気体42と噴射された液体41との混合流が噴出孔11aを通過して誘導管11b内に噴射される際、その噴射の勢いによって噴出孔11aの出口付近が負圧となって、噴出孔11a方向に作用する水圧が実質的に減少するため、気体室10内に誘引された気体42が噴出孔11aから出やすい状態となる。
すなわち、噴出孔11aの出口付近に生じる負圧により、噴出孔11a方向に作用する水圧の影響が低下するため、液体41とともに噴出孔11aから噴出される気体42の量が増加する。
更に、前記水圧の影響の低下により、噴出孔11aの径を拡げることが可能となるので、この噴出孔11aの径を拡げることによる気体42の量の増加も可能である。
そして、液中Lに噴出された気体42及び気体42と液体41の混合流は、液中Lの液粒子に衝突することで微細化され、多量の微細な気泡42aを発生する。また、気体42及び気体42と液体41とが高速で液中Lに放出されるため、多量の微細な気泡42aは、広く拡散されるとともに、該気泡42aの一部は液中Lに溶解される。
又、前記構成の微細気泡発生器Aは、噴出孔板11が着脱可能な構造であるため、該噴出孔板11の変更により、噴出孔11aの孔径を変更したり、噴出孔板11の厚さ(即ち噴出孔11aの長さ)を変更したりすることが容易であり、これらの変更によって、気泡42aの発生量や大きさを調整することができる。
又、前記誘導管11bの内径は、前記噴出孔11aの径の2〜3倍であり、誘導管11bの全長は、当該誘導管11bの内径の5倍である。
これは、誘導管11bの内径が前記好ましい数値を超える内径である場合、噴出孔11aに作用する水圧が大きくなるため、誘導管11b内における液体41と気体42の流速が衰えて、噴出孔11aの出口付近に生じる負圧の力が不足し、誘導管11bの内径が前記好ましい数値未満の内径である場合、誘導管11bに噴出される液体41と気体42の圧力により誘導管11b内の水圧が上昇することで、噴出孔11aの出口付近に生じる負圧の力が不足して、いずれにしても気泡を効率的に発生させることができないという理由からである。
又、誘導管11bの全長が前記好ましい数値を超える長さである場合、誘導管11b内における液体41と気体42の流速が衰えて、噴出孔11aの出口付近に生じる負圧の力が不足し、誘導管11bの全長が前記好ましい数値未満の長さである場合、液体41と気体42を液中に至らせるまでの誘導距離が短く、噴出孔11aから噴出される液体41と気体42が短時間の内に液中Lに拡散するため、噴出孔11aの出口付近に負圧を発生させるための十分なスペースが確保ないことから、噴出孔11aの出口付近に生じる負圧の力が不足して、いずれにしても気泡を効率的に発生させることができないという理由からである。
したがって、本形態の微細気泡発生器Aによれば、より効率的、且つ確実に微細気泡を発生させることができる。
又、気体42の噴出量を増加できるということは、調整バルブ33により、気体室10内に導入される気体42の流量を少なくし、気体室10内の気圧を低下させることによって、生じる微細気泡の内圧を低くすることができ、液中Lに噴出させた際に液中Lの水圧でより微細な気泡を発生させることができる。
本形態の微細気泡発生器Aでは、液中Lに誘導管11bを介して液体41と気体42を噴出させて気泡42aを発生させる実験により、下記の事項を確認している。
(1)噴出孔11aから液体41と気体42が噴出した際に、噴出孔11aの出口付近が負圧となり、噴出孔11aに作用する水圧が減少する。
(2)液体噴射ノズル20から噴出される液体41の圧力が高くなるほど、気泡42aは微細化し大量化する。
(3)気体導入管30後端の調整バルブ33により気体室10内に導入吸引される気体42の流量を調整することで、発生する気泡42aの大きさを調整することができる。
すなわち、調整バルブ33により気体42の流量を少なくすれば気泡42aが微細化し、逆に気体42の流量を多くすれば気泡42aが大きくなる。
(4)噴出孔11aが大きくなると、気体導入管30から吸引導入される気体42の流量が増えるとともに、発生する気泡42aが大きくなる。
(5)液体噴射ノズル20先端から噴出孔板11内面までの距離、即ち、液体噴射ノズル20先端から噴出孔11aまでの距離が長くなるほど、気体導入管30から吸引導入される気体42の流量が増えるとともに、気泡42aが大きくなる。
(6)噴射先の水中が深層である場合等のように、噴射先の水圧が高いほど、気泡42aは微細化される。
なお、本発明は、例示した実施の形態に限定するものでは無く、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
本発明に係る微細気泡発生器の一例を示す要部切欠側面図。 図1の正面図。
符号の説明
10:気体室
11:噴出孔板
11a:噴出孔
11b:誘導管
20:液体噴射ノズル
20a:噴射口
30:気体導入管
41:液体
42:気体
42a:気泡
A:微細気泡発生器
S:空間

Claims (3)

  1. 気体が導入される空間を有する気体室と、当該気体室に装着され、その前方へ向けて気体室内に液体を噴射する液体噴射ノズルと、気体室内に気体を導入する気体導入管を含み、
    前記気体室の前面部には、前記液体噴射ノズルから噴射された液体と気体室内の気体が通過する噴出孔が液体噴射ノズルの軸線と同軸線上に開孔されるとともに、当該噴出孔と同軸線上で連通する誘導管が突設されてなり、
    前記噴出孔は、前記液体噴射ノズルの噴射口径よりも大径、且つ噴出孔を通過する液体の径よりも大径であり、前記誘導管は、前記噴出孔よりも大径であることを特徴とする微細気泡発生器。
  2. 前記誘導管の内径を前記噴出孔の径の2〜3倍にしていることを特徴とする請求項1に記載の微細気泡発生器。
  3. 前記誘導管の全長を当該誘導管の内径の5倍にしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の微細気泡発生器。
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JP2011194326A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 気泡発生装置
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