JP2004149935A - 紙製断熱手袋 - Google Patents

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JP2004149935A JP2002313845A JP2002313845A JP2004149935A JP 2004149935 A JP2004149935 A JP 2004149935A JP 2002313845 A JP2002313845 A JP 2002313845A JP 2002313845 A JP2002313845 A JP 2002313845A JP 2004149935 A JP2004149935 A JP 2004149935A
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Munehiro Kariya
宗浩 苅谷
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Abstract

【課題】紙基材と熱可塑性樹脂層の積層シートにエンボス加工を施し、多数の凹凸を形成した凹凸状断熱シートの二枚を熱可塑性樹脂層同士を重ね合わせ、手形の輪郭に加熱加圧により接着シールする事により、柔軟で手にフィットし、細かい作業にも対応でき、さらに表裏面に広告や宣伝用の文字絵柄模様等の印刷が施される安価で、廃棄処理が容易で使い捨ての出来る紙製断熱手袋を提供できる。
【解決手段】本発明は、紙基材の少なくても一方に熱可塑性樹脂層を施した積層シートに、エンボス加工を施すことにより多数の凹凸突起を形成した凹凸状断熱シートの二枚を熱可塑性樹脂層同士を重ね合わせ、手形の輪郭に加熱加圧により接着シールした紙製断熱手袋で断熱性、保温性、難燃性を有し、表裏面に広告宣伝の文字や絵柄が形成され、廃棄処理が容易に出来る。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炊事や園芸作業あるいは調理作業等の軽作業等に使用する紙製手袋であり、その表面にはファッション性のある絵柄模様や、あるいは宣伝、広告用の文字等を印刷し広告媒体としても使用出来る、断熱性を有する紙製の使い捨て手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、手を保護したり、手作業性の向上を図ったり、あるいは汚れた物等の素手で直接扱うと不衛生なものを取扱うある場合に使用されたり、または、手の保温性や保湿性等を確保するための防寒用として使用される手袋等が古くから使用されている。
【0003】
更に、家事で鍋ややかんなどの熱い物を持つ時には綿を入れた布地製の手袋が使用されている。
【0004】
また、工場や作業現場等で作業をする場合に使用する、皮革製手袋や軍手のように手に嵌めて手の損傷を防止するための手袋もある。
【0005】
また、IC工場やバイオテクノロジー関連の施設におけるクリーンルーム内での作業用手袋として防塵性、防滑性、通気性、防水性、伸縮性および感触に優れた単層あるいは多層からなるクリーンルーム用の手袋もあり、日々新しい製品が提案され、また使用されている。
【0006】
また、食品の盛り付け、調理、製造時に衛生上の理由によって素手で作業を行ってはならない場合、あるいはOA機器においてトナーを交換するときのように素手で作業をしたときに手が汚れてしまう場合、または、医療現場(手術、看護、介護他)においては、薄い合成樹脂製の手袋が幅広く使用されている。
【0007】
これらの古くから使用されている手袋は、例えば、工業用ミシン等を用いて甲部および掌部の両パーツを重ね合わせ、外周縁を縫合加工して作製される。
【0008】
また、家事や園芸など家庭で汚れた物を処理したり、あるいは園芸作業をするときや頭髪を染めるときに、手が汚れるのを防ぐために合成樹脂製手袋か、あるいは薄い合成樹脂製の手袋が使用されている。
【0009】
これらの古くから使用されている手袋は、皮革製手袋はシート状皮革から手袋の甲部や掌部のパーツを打ち抜き、工業用ミシン等を用いて甲部および掌部の両パーツを重ね合わせ、外周縁を縫合加工して作製される。
【0010】
また、作業用手袋として広く使用されている軍手は軍手編み手袋とも言われるように綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、ポリプロピレン、あるいはこれらの混紡糸で横編み方式で作製される。
【0011】
横編み方式に代わり、丸編み方式で作製されるのがメリヤス製手袋で、これも広く使用されている。
【0012】
さらに、洗濯やトイレ等の清掃に使用されている塩化ビニール製手袋で、手袋の内面にパイルが形成されている塩化ビニール製手袋は、所定温度に加熱した手袋成形型を所定温度に保った塩化ビニル樹脂溶液の槽の中に1回若しくは2回浸漬することにより、手袋成形型の表面に塩化ビニルペーストを付着させて成膜することにより作製される。
【0013】
成膜は手袋成形型表面に付着した塩化ビニルペーストを予熱乾燥した後に、所定の温度の雰囲気内で、所定時間加熱することによりセミキュアする。更に、セミキュアされた手袋成形型はラテックスや塩化ビニル樹脂等の溶液内に浸漬して、手袋本体となる塩化ビニルの表面(手袋内面)に接着皮膜を形成させ、パイルが均等に塩化ビニル樹脂の表面に形成されている接着皮膜の全面に付着される。さらにパイルが均等に塩化ビニル樹脂の表面に形成された後に再び所定温度で所定時間加熱して塩化ビニル樹脂をキュアし、十分に冷却したあとで手袋成形型から製品を反転離型される。
【0014】
また、手袋が防寒用あるいは礼装用として古くから使用されてきている二股手袋(親指の部分だけが分かれた二股の手袋。別名ミトン)は極寒に長時間さらされているときに手袋の上に着用されるために細かい仕事を行うには不便であるが、戸外の行動時には必ず非常用として携帯すべき装備品の一つとして利用されてきている。
【0015】
ミトンの基材としては、ナイロン、ツイルまたはポリ塩化ビニールなどの合繊布地に保温材としてアクリルまたはポリエステル、ステープルのキルトのほか、軽さを必要とするときにはダウンを用いる。
【0016】
また、極寒地で使用される作業用のものは手のひら側の部分に皮を張り、また極寒中で顔面をこするため手の甲側に当たる個所に柔らかい羊毛皮を取り着けて使用されている。
【0017】
上記のように防寒用あるいは礼装用または作業用として使用されている手袋においては、使用する目的を満足させるものが無く、特に作業用手袋は手袋を着用する事により、手を保護したりあるいは手作業の向上を図ったり、または手袋で掴んだり触わったりする物を保護するために、一般的に使用されている。
【0018】
作業用手袋として、従来から使用されている皮革製手袋あるいは軍手、塩化ビニル製の他に二股手袋等も使用されている。
【0019】
しかし、皮革製手袋あるいは塩化ビニル製等の手袋は手にピッタリとフィットしないために細かい作業はもとより、物を掴んだりまたは握ったりする作業が的確に出来ず作業効率が著しく低下するほかに、作業している物を手から落とす事がある。
【0020】
また、ミトン(二股手袋)は親指の部分だけが分かれた二股の手袋であり、且つ保温材が手袋の中に挿入されているために皮革製手袋あるいは塩化ビニル製等の手袋以上に掴んだり握ったりする力が入り難く、また作業効率が悪いほかに、鍋等の取っ手を安定して掴んでいることも難しい。
【0021】
また、軍手は通気性や通液性があるために水分や油分等の多い物を扱う作業や低温での作業には不向きである。
【0022】
さらに、皮革製手袋や塩化ビニル製手袋あるいはミトン(二股手袋)等の手袋は製造工程も多く、また高価であるために汚れていても安易に捨てることも出来ない。
【0023】
また、軍手も一双ずつ編むために時間を要し、安易に捨てることが出来ず、洗濯等をして、再び使用する時に手袋の破損個所等に気が付かず、作業中に手等を損傷することがある。
【0024】
【特許文献1】
特開平5−247705号公報
【特許文献2】
特開平6−108301号公報
【特許文献3】
特開平9−111517号公報、
【特許文献4】
特開2002−88540号公報
【特許文献5】
実開平5−96014号公報
【特許文献6】
実開平6−69218号公報
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来から使用されている手袋は製造工程等も非常に多く、且つ複雑で、製造時間もかかり、また使用する材料も高価なためにコストも高く、作業用として安易に使い捨てをすることが出来ない。また手袋をして作業する時に手袋をしない状態と同様の作業動作が出来ない、特に手先の作業動作が手袋をすることにより著しく低下すると言う問題がある。これらの問題を解決するために、手にピッタリとフィットした手袋で手先の機能が発揮出来、且つ使い捨ての出来る安価な手袋として薄い合成樹脂製の手袋あるいは紙製またはゴム製の手袋等が多数提案されている。
【0026】
薄い合成樹脂製手袋が(特許文献1)および(特許文献3)、(特許文献4)または(特許文献6)に開示されている。
【0027】
また、使い捨て手袋として(特許文献2)および(特許文献5)に開示されている。
【0028】
(特許文献1)にはエンボス加工を施した合成樹脂フィルムを二枚重ねにして紙の上で手形状に熱溶着することで、紙と合成樹脂フィルムも手形状に接着されることが開示されている。
【0029】
紙と合成樹脂フィルムが接着されることで、従来包装箱に収納物と能書および収納物を使うときに使用する薄い合成樹脂製手袋を別々に折り畳んで挿入していた作業が短縮されることと、手袋を使用するときに合成樹脂フィルムにエンボス加工が施されていることにより、握った個所が濡れている容器等がすべり落ちにくくなる事が記載されている。
【0030】
しかし、薄い合成樹脂フィルムにエンボス加工を施しても、物を握った時にエンボスが潰れ摩擦抵抗を大きくする効果は殆ど無く、且つ合成樹脂フィルムに水が付くことでより滑り易くなると言う問題がある。
【0031】
また、使用するときには能書である紙を手形状に形成されている合成樹脂フイルムから取り除いてから使用する為に、紙を取り除く時に手形状に熱溶着している合成樹脂フイルム部分が損傷しやすく、手袋を嵌めて作業しているときに熱溶着部分から水等の液体が浸透することが考えられる。
【0032】
また、(特許文献1)にはエンボス加工が施されている為に、手袋の内側面は通気性が向上すると記載されているが、本来であればエンボス加工により凹凸が形成され通気性は向上するが、薄い合成樹脂フィルムが使用されている為にエンボス加工による凹凸が深く施すことが出来ない為に手袋の内側面は手と合成樹脂フィルムが密着状態になり、エンボス加工による通気性付与効果は発揮されず、長時間手袋を嵌めていると手が蒸れると言う問題がある。
【0033】
さらに、(特許文献3)、(特許文献4)、(特許文献6)に開示されている合成樹脂フィルムから形成されている手袋においても、合成樹脂フィルム同士を二枚重ねて手形状に熱溶着され形成されているために、手にピッタリとフィットし、手先の機能が発揮できる手袋であるが、吸湿性や保湿性が無く、(特許文献1)に記載されている手袋と同様に長時間手袋を嵌めていると手が蒸れると言う問題がある。
【0034】
また、薄い合成樹脂フィルムから形成されているために、作業開始時に手袋を嵌める時に、手袋が破損しやすく、また慎重に嵌めなくてはならないことなどにより、嵌める時間が非常にかかると言う問題がある。また、薄い合成樹脂フィルムから形成されている手袋は容器等を持った時に、容器等に水が付いていると非常に滑りやすいと言う問題がある。また、全てが合成樹脂で形成されているために断熱性や保温性にも乏しく、さらに使用後の廃棄処理が容易に出来ず、環境上も好ましくない。
【0035】
また、使い捨て手袋として、環境上好ましい手袋として(特許文献2)、(特許文献5)等に紙製の使い捨て手袋が開示されている。
【0036】
(特許文献2)および(特許文献5)には手袋の使用基材として二枚の紙を重ね合わせたものを使用して加熱加圧により接着シールされ手形状に形成されることが記載されている。いずれの提案の手袋も使用基材の主成分が紙である為に水に弱く、また手形状に加熱加圧により接着シールされている部分の接着強度が弱く手袋を嵌めて作業中に剥離し易いと言う問題がある。
【0037】
このために、(特許文献5)には耐水性や強度を高めるために樹脂等をコーティングした紙を使用したり柔軟な合成樹脂フイルムを使用することなどが記載されている。しかし(特許文献3)または(特許文献4)に記載されている薄い合成樹脂フイルムを二枚重ね合わせて手形状に形成されている手袋と略同様の問題がある。
【0038】
また、(特許文献2)には紙基材のベースであるパルプの中にポリエチレンオキサイド、アレギン酸ソーダ、ポリりん酸塩などの水溶液を混入することが記載されている。
【0039】
しかし、パルプの中にポリエチレンオキサイド、アレギン酸ソーダ、ポリりん酸塩などの水溶液をパルプの中に混入しても紙基材表面に合成樹脂層は形成されず、手形状に加熱加圧により接着シールされる部分の接着力は非常に弱いと言う問題がある。
【0040】
また、形成されている紙基材はパルプが主体であるために薄い合成樹脂フイルムから形成されている手袋よりも厚く柔軟性にも乏しく、フィット感も良くない。
【0041】
さらに、薄い合成樹脂フイルムに比較して(特許文献2)および(特許文献5)に開示されている紙製手袋を嵌めて作業するときに指先を円滑に動かして作業をする事が難しい。
【0042】
また、パルプの中にポリエチレンオキサイド、アレギン酸ソーダ、ポリりん酸塩などの水溶液が混入されているが、基材ベースは紙であるために耐水性に乏しく、水作業等に使用することは不向きである。
【0043】
本発明は上記した従来の問題点を鑑みてなされたものであり、手袋本来の保温性、断熱性を有し、容器等を持っても滑り難く、またフィット性があり、さらに手袋の内側が蒸れ難く、且つ表面に絵柄模様や宣伝広告等を施すことにより宣伝広告媒体としても使用できる紙製断熱手袋を提供することを目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために成されるもので、請求項1に係る発明は、クラフト紙あるいは中芯原紙等からなる紙基材の少なくても一方に熱可塑性樹脂層を形成してある積層シートにエンボスを付与してなる凹凸状断熱シートの二枚が、その熱可塑性樹脂層の同士を接して重ね合わせてあると共に、周縁の熱可塑性樹脂層の部分で手形状に接着シールしてあることを特徴とする紙製断熱手袋である。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の紙製断熱手袋を実施の形態に沿って以下に図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図7は本発明の紙製断熱手袋の一実施例を示す。図1(a)は本発明の紙製断熱手袋の五本指が形成されている手袋の一実施例を示す平面図、 (b)は図1(a) のA−A′線における断面を示す断面図、(c)は図1(a) のA−A′線における断面で甲部側および掌部側の紙基材の表裏両面に熱可塑性樹脂層が形成されていることを示す断面図、図2(a)は本発明の紙製断熱手袋の二股が形成されている手袋の一実施例のを示す平面図、(b)は図2(a)のB−B′線における断面を示す断面図、図3は本発明に係る熱可塑性樹脂層を形成した積層シートの一実施例の断面を示す断面図、 図4は本発明に係る熱可塑性樹脂層を形成した積層シートの他の一実施例の断面を示す断面図、 図5は本発明に係る熱可塑性樹脂層を形成した積層シートのさらに他の一実施例の断面を示す断面図、図6は本発明に係る熱可塑性樹脂層を形成した積層シートのまたさらに他の一実施例の断面を示す断面図、図7(a)は本発明に係る凹凸状断熱シートの表面の状態を示す平面図、 (b)は図7(a)の凹凸状断熱シートのS部表面の一部を拡大して示す拡大図、 (c)は図7(a) のC−C′線における断面を示す断面図である。
【0046】
図3は積層シート(17)の紙基材(1)に熱可塑性樹脂層(2)を形成した積層シート(17)を示す断面図である。本発明に適用可能な積層シート(17)は少なくても紙基材(1)と熱可塑性樹脂層(2)から形成され、使用目的、用途により図5に示すように紙基材(1)の両面に熱可塑性樹脂(2)(3)を形成したもの、さらに図4に示すように紙基材(1)の上側表面や図6に示すように熱可塑性樹脂(3)上側表面に宣伝、広告媒体等の印刷を施した印刷層(6)が形成されていても良い。
【0047】
紙基材(1)は積層シート(17、25、26、38)にエンボス加工を施すことから、エンボスが明瞭に深く賦されていることがなによりも重要である。従って紙基材(1)の主要成分である繊維の繊維長、繊維径、繊維壁の厚さ、繊維の形状などを考慮した紙料の調整、抄紙等を行い上記条件を十分に充たす必要がある。
【0048】
また、積層シート(17、25、26、38)にエンボス加工を施し、凹凸状断熱シート(18)とする際のエンボス加工は、抄紙機上で湿紙にフエルトを押し当てたり、模様を彫刻したロールで賦型するウエットエンボス法やいったん紙を抄紙してから、模様を彫刻したロール間あるいは雄雌の平版等で押圧賦型するドライエンボス法が代表的である。本発明においてはウエットエンボス法あるいはドライエンボス法のいずれの方法を使用しても綿布風で断熱を有する凹凸状断熱シート(18)が形成できる。
【0049】
また、エンボス加工により紙基材(1)の繊維に切断する力が働き、紙基材(1)の強度を著しく低下させるので、どのような紙にも明瞭な深いエンボスを形成することは困難である。しかしクラフト紙は繊維長、繊維径あるいは紙の密度等から充分にエンボス加工に耐えられるため、本発明に適する紙基材(1)とし選択される一つである。
【0050】
また、エンボス加工された積層シート(17、25、26、38)の紙基材(1)は和風の風合いと綿布風の肌触りの良さ、あるいはしなやかさ等も重要となることからクラフト紙は最適の紙基材(1)の一つである。
【0051】
更に、クラフト紙に代わる積層シート(17、25、26、38)の紙基材(1)として中芯原紙も密度が小さく、エンボス加工により紙力の低下を起しにくく、深く明瞭なエンボスを施すことができる紙基材(1)の一つである。
【0052】
また、中芯原紙はエクストルージョンラミネーション加工適性もよく、且つ紙の価格も安価である。
【0053】
本発明の紙製断熱手袋を構成する凹凸状断熱シート(18)として使用される積層シート(17、25、26、38)の紙基材(1)は、クラフト紙を適用した場合には110g/m〜210g/m程度のものが、中芯原紙を適用した場合には135g/m〜185g/m程度のものが使用される。
【0054】
また、断熱手袋等に形成されたときの機能適性、綿布風の肌触りなどを考慮すると図3〜図6に示すような構成の積層シート(17、25、26、38)の紙基材(1)としては170g/m程度の坪量が好ましい。
【0055】
図3〜図6に示すような構成の積層シート(17、25、26、38)は紙基材(1)の片面あるいは両面に熱可塑性樹脂(2)(3)が形成されている。また、図4に示す積層シート(38)の紙基材(1)表側面に広告媒体あるいは美粧性の向上のために形成される印刷層(6)はオフセット印刷またはグラビア印刷、フレキソ印刷等で施すことができかる。
【0056】
美粧性の向上のためや広告媒体等の印刷は図6に示すような積層シート(26)の紙基材(1)の両面に熱可塑性樹脂(2)(3)が形成されている場合はグラビア印刷かフレキソ印刷等により施す。
【0057】
また、広告媒体等の印刷を施す場合、印刷する数量が少ない時にはフレキソ印刷で印刷する方がより短期間で安価に積層シート(26、38)を生産する事ができる。
【0058】
また図4に示す積層シート(38)の紙基材(1)の表側面に印刷加工を施した後に熱可塑性樹脂層を形成することもできる。印刷加工を施した後に熱可塑性樹脂層を形成することにより、印刷された会社名、ロゴマーク、広告文等の表示に艶がでて、より見栄えを良くすることが出来る。
【0059】
図4に示すような積層シート(17)の紙基材(1)への印刷加工は紙基材(1)が比較的紙の密度が小さいために印刷作業中に紙基材(1)が切れ易いことから、紙基材(1)の裏側面に熱可塑性樹脂層(2)が形成された後、積層シート(38)の状態で印刷加工を施す方が作業性および作業効率が良く品質の安定した印刷が施される。
【0060】
また、図3〜図6に示すような積層シート(17、25、26、38)の紙基材(1)の裏側面に形成される熱可塑性樹脂層(2)の構成材料としては、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル等が使用される。
【0061】
また、図3〜図6に示す紙基材(1)と熱可塑性樹脂層(2)(3)の貼着は各種のラミネーション加工により可能であるが、紙基材(1)との接着性、生産性等からエキストルーダーによるエクストルージョンラミネーションが好ましい。
【0062】
さらに、積層シート(17、25、26、38)の紙基材(1)の裏側面に形成される熱可塑性樹脂(2)は熱可塑性樹脂であれば何れの樹脂でもよいが、エクストルージョンラミネーション加工適性あるいはヒートシール強度、作業適性等から低密度ポリエチレンが好ましい。
【0063】
また、手袋の使用する目的あるいは場所等によつて紙基材(1)に耐水性が要求されるために、紙基材(1)に耐水剤を塗工するか、または含浸加工を施すかあるいは図5あるいは図6に示すように紙基材(1)の表裏に熱可塑性樹脂層(2)(3)を形成する。
【0064】
紙基材(1)への耐水加工は紙基材(1)の表面にワックスあるいはワックスとエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂のブレンド品等の耐水剤を塗工するかあるいは含浸加工することによって成される。これにより紙基材(1)は耐水性が附与される。
【0065】
積層シート(17、25、26、38)の紙基材(1)表面への耐水剤等の塗工あるいは含浸加工は、紙基材(1)の裏側面に熱可塑性樹脂層(2)を形成した後に施すことにより、各種の塗工あるいは含浸方法が選択出来、また耐水剤の塗布加工の作業性も一段と向上する。
【0066】
また、野外のパーティーや家庭での調理作業で使用する手袋は難燃性が要求されるために、積層シート(17、25、26、38)の紙基材(1)を抄造する時にスルファミン酸グアニジン等を添加する事ことにより紙基材(1)に難燃性を付与させることが出来る。また、積層シート(17、25,26,38)の紙基材(1)が抄造された後に、紙基材(1)にリン化合物や窒素化合物などを塗工あるいは含浸により、難燃性を付与することもできる。
【0067】
図5あるいは図6に示すように積層シート(25、26)の紙基材(1)の表面に耐水性を附与する為に紙基材(1)の表裏に熱可塑性樹脂層(2)(3)が形成されることで、手袋を使用する時に滑りが問題となる場合には熱可塑性樹脂層(3)を形成する熱可塑性樹脂にシリカゲル等の無機化合物等を10%から45%程度混入することにより熱可塑性樹脂層(3)の滑りを減少させることができる。
【0068】
また、図5あるいは図6に示すように積層シート(25、26)の紙基材(1)の表裏に熱可塑性樹脂層(2)(3)が形成されることで、紙基材(1)の表面から紙粉の飛び散りがなくなり、IC工場やバイオテクノロジー関連施設におけるクリーンルーム用手袋として使用することができる。
【0069】
また、図3あるいは図4に示す紙基材(1)の表側面に形成される熱可塑性樹脂層(3)あるいは図5または図6に示す紙基材(1)の表裏に形成される熱可塑性樹脂層(2)(3)に抗菌機能や防黴機能等を施すことができる。例えば抗菌機能を附与した手袋で調理作業や食品の盛り付け等を始め食品加工作業用として安全性の高い手袋として使用することができる。また食品以外の木製製品等で黴の発生が心配される場合には防黴機能が附与されている手袋を使用することにより品質の向上が計れる。
【0070】
積層シート(25、26、)の紙基材(1)の表裏に形成されている熱可塑性樹脂層(2)(3)に使用される抗菌剤は練り込み型抗菌剤として、銀あるいはその化合物をゼオライトやシリカゲル等の無機化合物に担持したものが用いられる。また、防黴剤としては有機系の薬剤を用いなくてはならないが、耐熱性が要求されることから、比較的耐熱性の高い2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)−ピリジン、p―クロロ―m―キシレノール、ジョードメチル−p−トリルスルフォン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド等が用いられる。
【0071】
また、積層シート(17、25、26、38)の紙基材(1)の裏側面に形成される熱可塑性樹脂層(2)の厚みは12ミクロン〜60ミクロン程度で形成されるが、シール強度を考慮すると35ミクロン〜45ミクロン程度の厚みで形成することが好ましい。
【0072】
また、積層シート(25、26)の紙基材(1)の表側面に耐水性あるいは紙粉防止を目的として形成される熱可塑性樹脂層(3)は12ミクロン〜15ミクロン程度の厚みで形成することが好ましい。
【0073】
次に、図7(a)に示すような凹凸状断熱シート(18)は紙基材(1)の単体に加工した後に、裏側面に熱可塑性樹脂層(2)を施すこともできる、しかし、より好まし方法としては紙基材(1)に熱可塑性樹脂層(2)を形成した後の積層シート(17、25、26、38)にエンボス加工を施す方が、作業性も良く、且つ品質の均一性のある凹凸状断熱シート(18)が形成される。また、エンボス加工に際しては、雄雌の金型によって常温によりエンボス加工を施す事も出来るが、熱可塑性樹脂層(2)に使用されている樹脂の最高使用温度から軟化以下の温度でエンボスを施すことにより凸部(4)と凹部(5)の深い、且つ、安定した品質の凹凸状断熱シート(18)が形成される。また、熱可塑性樹脂層(2)(3)に使用されている樹脂の最高使用温度から軟化以下の温度でエンボス加工を施すことにより凸部(4)と凹部(5)の加工後の戻りが少なくなり、均一で美しい凸部(4)と凹部(5)が形成される。
【0074】
また、図7(a)は本発明の紙製断熱手袋に使用される凹凸状断熱シート(18)の表面状態を示すものであり、凹凸状断熱シート(18)の表面は凸部(4)と凹部(5)が形成されている。
【0075】
図7(a、b)に示すように凹凸状断熱シート(18)の表面全体に形成されている凸部(4)は千鳥状に配置され、且つ半球形状となっている。また、図7(b)に示すように凹凸状断熱シート(18)の表面全体に形成された凸部(4)と凹部(5)の凸部(4)は水平方向のピッチが略5mm〜8mm程度で千鳥状に形成されている。さらに、凸部(4)は直径が略4mm〜6mm程度の半球形状にエンボスが施され、その深さは略0.6mm〜3.5mm程度に形成されている。
【0076】
図7(b)に示すように凹部(5)は凸部(4)と凸部(4)の略中央に形成され、水平方向のピッチPが凸部(4)と同じように略5mm〜8mm程度で千鳥状に半球形状の凹部(5)が施されている。
【0077】
また、図7(c)に示すように、エンボス加工された凹凸状断熱シート(18)は、その表面に凸部(4)と凹部(5)が形成され、凸部(4)と凹部(5)の表側面は紙基材(1)で、紙基材(1)の裏側面に熱可塑性樹脂層(2)が形成されている。このような構成以外に図5あるいは図6に示す紙基材(1)の両面に熱可塑性樹脂層(2)が形成されている積層シート(25、26)においても、エンボス加工が施されることにより断熱性が附与され、綿布風で優しい肌触りと高級感が形成される。
【0078】
また、エンボス加工が施された凹凸状断熱シート(18)の紙基材(1)はもともと断熱性および保温性に優れている素材であるがエンボス加工を施し、凸部(4)と凹部(5)が形成されることで、より一層断熱性および保温性が向上し野外の寒い場所での使用等にも適している。また、暑い場所での作業で額等に汗をかいた時に手袋(20、21)の上側面である甲の部分が紙基材(1)であるために手袋を額等に当てるだけで汗等を吸収することが出来る。また、紙基材(1)にエンボス加工を施すことで紙基材(1)の表面が綿布風のソフトな肌触りが形成される。
【0079】
また、図7(a)に示すような凹凸状断熱シート(18)に会社名やロゴマークあるいは宣伝・広告媒体等の印刷を施す場合には凹凸状断熱シート(18)の表面が凹凸状態であり、表面に圧力がかけられないために印刷時に圧力のかからないインキジェット方式で印刷を施すことが出来る。
【0080】
また、紙基材(1)の両側面に熱可塑性樹脂層(2)(3)を形成された積層シート(25、26)に凸部(4)と凹部(5)が形成された凹凸状断熱シート(18)を用いて作製された手袋を嵌めて、暑い場所で作業する場合には紙基材(1)の表側面の熱可塑性樹脂層(3)に吸湿性あるいは透気性を持たせるために、熱可塑性樹脂にタルク材等を混入した熱可塑性樹脂層(3)を形成することにより、肌触りや風合いを出し、且つ額の汗等を嵌めている手袋で吸収することもできる。
【0081】
図1(a)は本発明の紙製断熱手袋(30)の一例を示す五本の指が形成されている五本指形手袋本体(20)の平面図を示しており、凹凸状断熱シート(18)により、手形の輪郭に符合した形状に外側外周縁が加熱加圧により接着シールされ、五本指形手袋本体(20)が作製される。
【0082】
また、図1(a)に示す五本指形手袋本体(20)は紙基材(1)の裏側面に熱可塑性樹脂層(2)が形成されている二枚の凹凸状断熱シート(18)の、熱可塑性樹脂層(2)同士を重ね合わせ、外側外周縁が手形の輪郭に符合した形状に加熱加圧により接着シールされシールされている。
【0083】
また、図1に示す五本指形手袋本体(20)の指形の輪郭部分は小指挿入部(13)、薬指挿入部(14)、中指挿入部(15)、人差し指挿入部(16)、親指挿入部(12)が形成されている。また指形の輪郭部のほか手首挿入部(8)および筒状部(9)、および手袋の上側面に甲部(10)と下側面に掌部(11)を形成し、手形の輪郭部の外側外周縁が加熱加圧により接着シールされる接着シール部(34)から形成されている。
【0084】
図1(a〜c)に示すように手形の輪郭に附合した形状に加熱加圧による接着シールされているシール部(34)は、凹凸状断熱シート(18)の凸部(4)と凹部(5)が加熱加圧により潰され平滑な表面が形成される。
【0085】
また、紙基材(1)の裏側面に熱可塑性樹脂層(2)が形成されている二枚の凹凸状断熱シート(18)の、熱可塑性樹脂層(2)同士を重ね合わせて図1(a)に示すような手形の輪郭に附合した形状に外側外周縁が接着シールによりシール部(34)を設ける方法としては、熱溶融シールあるいは超音波シールまたはインパルスシール等があり、接着あるいは溶断によりシールされる。また、熱溶融シールあるいは超音波シール等で手形の輪郭に附合した形状に接着シールする場合には、シール幅が1mm〜5mm程度に形成される。また、シール部(34)のシール幅を3mm〜8mm程度の広めに形成した後にトリミング加工等により所定のシール幅に形成することも出来る。また、接着シール幅をできる限り狭く形成したい場合には手形の輪郭に附合した形状に形成した刃型あるいは針金等を用いて、溶断シールかインパルスシールにより二枚の凹凸状断熱シート(18)の熱可塑性樹脂層(2)同士を接着シールすると同時に接着シールされている外側外周縁の先端周縁が手形の輪郭に附合した形状にトリミングする方法が好ましい。
【0086】
また、インパルスシール方法で手形の輪郭に附合した形状に外側外周縁を溶断シールする場合には凹凸状断熱シート(18)の紙基材(1)の裏側面に形成されている熱可塑性樹脂層(2)の厚さを40ミクロン〜60ミクロン程度に形成することが望ましい。
【0087】
また、手形の輪郭に附合した形状に外側外周縁が接着シールされるシール幅は凹凸状断熱シート(18)に形成されている熱可塑性樹脂層(2)の樹脂の種類、樹脂層の厚さ等によって接着強度が異なってくる。このために熱可塑性樹脂層(2)の樹脂層の厚さによって接着シールのシール幅が決められる。
【0088】
また、トリミング加工は凹凸状断熱シート(18)に形成されている熱可塑性樹脂層(2)同士を二枚重ね合わせ、手形の輪郭に附合して形状に外側外周縁部が加熱加圧により接着シールされた時に、凹凸状断熱シート(18)が二枚重ね合わされている部分がずれることで見栄えが悪くなり美観が損なわれる為に打抜き刃型等により接着シールされている外側外周縁の先端周縁が手形の輪郭に附合した形状に仕上げられる。また、手形の輪郭に附合した形状にトリミング加工を施すときに打ち抜き刃をミシン目刃あるいは一点鎖線状の打ち抜き刃を使用してトリミング加工を施すことにより外側外周縁が加熱加圧により接着シールされている手袋を凹凸状断熱シート(18)と共に連続的に巻き取ることも出来る。また、トリミング加工は手形の輪郭に加熱加圧により接着シールされた後に、トリミング専用機あるいは打ち抜き加工機等で手形の輪郭に形成することも出来る。また、トリミング加工は手形の輪郭に加熱加圧による接着シールと同時に施すことも出来る。
【0089】
トリミング専用機は巻き取り方式と枚葉方式があり、巻き取り方式は二枚の凹凸状断熱シート(18)に手形の輪郭に附合した形状で加熱加圧により接着シールされている巻き取り紙を連続的あるいは間欠的に送り出して接着シール部の最外側外周縁部をカットあるいはトリミング加工し、手形の形状に一枚ずつ手袋が作製されるが、ミシン目刃あるいは一点鎖線状の打ち抜き刃等を用いてトリミング加工を施すことにより手形の輪郭に附合した形状にトリミングされた手袋が二枚の凹凸状断熱シート(18)と共に連続的あるいは間欠的に巻取ることも出来る。
【0090】
また、枚葉方式は手形の輪郭に附合した形状に加熱加圧により接着シールされた二枚の凹凸状断熱シート(18)を所定の大きさに小断ち裁断した後に一枚あるいは数十枚を重ね合わせて一度にトリミング加工を施し、手形の輪郭に附合した形状に作製される。
【0091】
図1(b)は紙製断熱手袋の五本指形手袋本体(20)が形成されている一実施例の断面図で手袋の内側面は熱可塑性樹脂層(2)が形成され、且つエンボス加工が施されていることにより熱可塑性樹脂層(2)の凸部(4)が素手にフィットし、凹部(5)が通気機能を果たすために、手袋を嵌めて長時間作業していても手が蒸れることもなく。また、手袋の内側面全体がエンボス加工により凸部(4)と凹部(5)に形成されているために作業開始時に手袋に素手がスムーズに挿入(嵌める)することがき、また作業終了時に手袋から素手を容易に外す(脱ぐ)ことができる。
【0092】
また、従来食器洗いやガラス磨きをする時に手袋を嵌めてさらに洗剤や薬剤が付いたウエス(綿布)やスポンジをもって作業をしていたが、図1(a、b)に示すように本発明の一実施例の手袋は紙基材(1)の内側面が熱可塑性樹脂層(2)が形成され、外側面が紙基材(1)であるために手袋に直接洗剤や薬剤を付けて、食器やガラス等を磨くこともでき、且つ手袋の内側面に熱可塑性樹脂層(2)が形成されていることにより、洗剤や薬剤等が手袋の内側面に浸透することが無い。また頭髪を染める時などに使用される染毛剤、その他各種の用途に使用される化学剤や薬剤等の濡れた容器を握ったときに外側面が紙基材(1)であるためにすべり落ちることも無い。さらに、頭髪等を染める時に染毛剤、化学剤、薬剤等により手に異臭が付いたり、また汚れたりすることも無い優れた手袋である。
【0093】
また、本発明の紙製断熱手袋(30)の一実施例である五本指手袋(20)は甲部(10)面と掌部(11)面に使用される凹凸状断熱シート(18)の熱可塑性樹脂層構成の異なったものを使用して作製することもできる。例えば、甲部(10)面の凹凸状断熱シート(18)が紙基材(1)の裏側面に熱可塑性樹脂層(2)が形成され、掌部(11)面の凹凸状断熱シート(18)が紙基材(1)の表裏面に熱可塑性樹脂層(2)(3)が形成されたものを使用して二枚を熱可塑性樹脂層(2)同士を重ね合わせて手形の輪郭に附合した形状に加熱加圧により接着シールして五本指手袋(20)を作製することも出来る。また、図1(c)に示すように甲部(10)面および掌部(11)面ともに紙基材(1)の表裏両面に熱可塑性樹脂層(2)(3)を形成した凹凸状断熱シート(18)の二枚を熱可塑性樹脂層(2)同士を重ね合わせて手形の輪郭に附合した形状に加熱加圧により接着シールして五本指手袋(20)を作製することも出来る。
【0094】
五本指手袋(20)は手袋を嵌めて作業する内容あるいは場所または手袋を嵌める目的によって、図1(c)に示すように紙基材(1)の表裏両面に熱可塑性樹脂層(2)(3)を形成した凹凸状断熱シート(18)を使用するか、あるいは図1(b)に示すようにな紙基材(1)の裏側面だけに熱可塑性樹脂層(2)を形成した凹凸状断熱シート(18)を使用するか等の選定と組み合わせを行って、凹凸状断熱シート(18)の二枚を重ね合わせて手形の輪郭に附合した形状に加熱加圧による接着シールにより五本指手袋(20)が作製される。
【0095】
次に、図2(a、b)に示すように本発明の紙製断熱手袋(30)の一実施例である二股手袋(21)(二股手袋あるいはミトン)は親指挿入部(12)と四本指挿入部(36)および手首挿入部(8)および甲部(10)面および掌部(11)面さらに親指挿入部(12)と四本指挿入部(36)の外側周縁部が二股手形の輪郭に附合した形状に加熱加圧による接着シールされているシール部(34)から形成されている。
【0096】
二股手袋(21)は五本指手袋(20)と多少ことなり、手袋の内側面は素手と密接状態で使用するものでなく、素手7と二股手袋(21)の内側面に1mm〜10mm程度の隙間を施して使用される。
【0097】
また、調理時にフライパンや鍋の取っ手等が熱くなり素手で触わることが出来ないときに、タオルやふきんを折り畳んで取っ手を押さえているが、タオルや、ふきんの折り畳み方が悪かったり、押え所が悪いときに加熱しているフライパンや鍋を落とす事があった。しかし、図2(a、b)に示す本発明の一実施例である二股手袋(21)は二股構造で素手(7)と二股手袋(21)の内側面に隙間が設けられているために手袋に素手(7)が素早く、容易に挿入することが出来る。また紙基材(1)はもともと断熱性があるが、エンボス加工を施すことにより、より一層断熱性が向上することにより、従来調理時に合成樹脂製手袋を嵌め、さらに掌部面にふきんやタオルを使用し、フライパンや鍋の熱い取っ手を握っていたが、本発明の二股構造の二股手袋(21)はタオルやふきんを手の掌部(11)面に使用する必要も無く、確実に取っ手を握ったりあるいは押さえたりすることが出来る。
【0098】
また、凹凸状断熱シート(18)の紙基材(1)に難撚加工が施されたものを使用することより、断熱性の他に、難撚性が附与されるために、キャンプあるいは海、川原でのバーベキュー等での使用に最適であり、また使用後の廃棄処理も容易である。さらに図2(a、b)に示す本発明の一実施例である二股手袋(21)は保温性がある為に寒冷地での雪祭りや氷凍祭り等野外の催し物で、すでに嵌めている手袋の上から容易に二股手袋(21)を嵌めることも出来る。また、断熱性、保温性、さらに難燃性を有しているほかに凹凸状断熱シート(18)がエンボス加工されていることにより柔軟性があり手になじみが良く手先の機能等を損ねることが少ないために野外の催し物会場等で、温かい食べ物や飲み物等の容器等を持って見学する時に、手が熱くなったり容器等が滑って落たりする心配も無い。
【0099】
また、野外で使用する場合に催し物の主催企業あるいはスポンサー等の名称、宣伝、ロゴマーク等の広告媒体の印刷を容易に施すこともできる。
【0100】
また、図2(a、b)に示す二股手袋(21)で掌部(11)に、より断熱性を必要とするときは、二股手袋(21)に形成されている手袋の掌部(11)部分と同じ形状に凹凸状断熱シート(18)を作製するか、あるいは掌部(11)面側と同じ二股形状に凹凸状断熱シート(18)を作製して二股手袋(21)掌部(11)面に接着接合することにより断熱性をさらに向上させることが出来る。また、二股手袋(21)の掌部(11)に掌部(11)と同じ形状あるいは掌部(11)面側と同じ二股形状に形成された凹凸状断熱シート(18)の接着接合はホットエアー、あるいはホットメルト接着剤あるいは酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル系樹脂、合成ゴム等の接着剤で接合することが出来る。
【0101】
図2(b)は本発明の紙製断熱手袋(30)の一実施例である二股手袋(21)の断面図で二枚の凹凸状断熱シート(18)の熱可塑性樹脂層(2)同士が重ね合わされて、二股手形の輪郭に附合した形状に外側外周縁が加熱加圧により接着シールされ、シール部(34)が形成されている。
【0102】
図2(b)に示すように二股手形の輪郭に附合した形状に加熱加圧により接着シールされているシール部(34)は、凹凸状断熱シート(18)の凸部(4)と凹部(5)が加熱加圧により潰され平滑な表面が形成される。
【0103】
図2(a〜c)に示す二股手袋(21)において、二股手形の輪郭に附合した形状に形成する為に五本指手袋(20)と同様に熱溶融シールあるいは超音波シールまたはインパルスシール等により二股手形の輪郭に附合した形状に外側外周縁部が加熱加圧により接着シールあるいは溶断シールによりシールされシール部(34)が形成されている。
【0104】
また、接着シール後のトリミング加工等においても五本指手袋(20)と略同じように接着シールと同時に二股手形の輪郭に附合した形状に最外側外周縁のがトリミング加工される。また、接着シール後にトリミング加工専用の機械で、巻取り方式あるいは枚葉方式によりトリミング加工あるいはミシン目刃加工または一点鎖線状刃加工が施される。
【0105】
また、本発明の紙製断熱手袋(30)の一実施例である五本指手袋(20)あるいは二股手袋(21)は図8に示すような一般に製袋加工用として広く使用されている製袋加工機(35)で作製することが出来る。
【0106】
図8に示すように二つの巻き出し部(19)(22)を有する製袋加工機(35)で、二枚の凹凸状断熱シート(18)が第一巻き出し部(19)と第二巻き出し部(22)に別々にセッティングされ、送り出しローラー(23)(29)が回転することにより別々にセッティングされた二枚の凹凸状断熱シート(18)が巻き出し部(19)(22)から繰り出される。
【0107】
また、一枚の凹凸状断熱シート(18)を予め熱可塑性樹脂層(2)同士が重なり合う状態で半折することによりどちらか一方の巻き出し部(19)(22)だけを使用することもできる。
【0108】
繰り出される凹凸状断熱シート(18)は製袋加工機(35)の送り出しローラー(23)寄りの第一巻き出し部(19)が上側方向から凹凸状断熱シート(18)が送り出され、第二巻き出し部(22)は下側方向から凹凸状断熱シート(18)が送り出され、送り出しローラー(23)で凹凸状断熱シート(18)の熱可塑性樹脂層2同士が重なり合い二枚の凹凸状断熱シート(18)が一体で次工程に送られ、さらに、送り出しロール(23)(29)および補助送り出しロール(40)等により二枚の凹凸状断熱シート(18)は重なり合って接着シール部(27)で手形の輪郭に附合した形状あるいは二股手形の輪郭に附合した形状に加熱された金型等により接着シールあるいは溶断シール等が施され、さらにトリミング加工も同時に施すこともできる。
【0109】
また、凹凸状断熱シート(18)に絵柄あるいは模様、広告宣伝等の印刷が施され、手袋の所定の個所に印刷を設ける場合には印刷検知装置(31)および光電管装置(39)等により凹凸状断熱シート(18)が所定の位置に必ず停止するように、送り出しロール(23)(29)および補助送り出しロール(40)等で送り量が調整される。
【0110】
紙製断熱手袋(30)の一実施例である手形の輪郭に附合した形状あるいは二股手形の輪郭に附合した形状に接着シール部(27)のシール型(28)で接着シールと同時にトリミング加工が施された後、分離ロール(37)まで凹凸状断熱シート(18)と共に送り出され、分離ロール(37)を通過後直ちに手形の輪郭附合した形状あるいは二股手形の輪郭に附合した形状に接着シールされている紙製断熱手袋(30)と凹凸状断熱シート(18)の抜きかす(32)とが分離され紙製断熱手袋(30)は作業台(33)に整列される。また手形の輪郭附合した形状あるいは二股手形の輪郭に附合した形状にトリミング加工が施され、抜け穴となっている状態の凹凸状断熱シート(18)は抜きかす(32)として分離ロール(37)の上方向に送り出され巻き取るかあるいはエアーダスト管等により所定の個所に送り出される。
【0111】
【発明の効果】
本発明に係わる紙製断熱手袋は紙基材の少なくても一方に熱可塑性樹脂層を形成した積層シートにエンボス加工を施した凹凸状断熱シートの二枚が熱可塑性樹脂層同士を接して重ね合わされて手形状に接着シールあるいは溶断シールにより安易に作製され、従来の縫製作業や横編み作業あるいは製膜成形・反転作業等の複雑な作業工程と多くの人手による作業が不必要となる。また、本発明の紙製断熱手袋は、手になじみの良い柔軟性とフィット性を有するほかに、断熱性、保温性をも有しさらに、広告媒体としても使用できる。また、製造においても製袋シール加工機をはじめ各種シール包装機での製造が出来る。さらにこの手袋は安価である為に、使い捨てができ、且つ廃棄処理が容易であるほかに野外の催し物の主催者や企業あるいはスポンサー等の名称、商品名、宣伝、ロゴマーク等を付し広告媒体として使用することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の紙製断熱手袋の一実施例である五本指が形成されている五本指手袋を示す平面図、(b)は図1(a)のA−A′線における断面を示す断面図である、(c)は図1(a)のA−A′線における断面で甲部側および掌部側の紙基材の表裏両面に熱可塑性樹脂層が形成されていることを示す断面図である。
【図2】(a)は本発明の紙製断熱手袋の一実施例である二股が形成されている二股手袋を示す平面図、(b)は図2(a)のB−B′線における断面を示す断面図である。
【図3】は本発明に係る熱可塑性樹脂層を形成した積層シートの一実施例の断面を示す断面図である。
【図4】は本発明に係る熱可塑性樹脂層を形成した積層シートの他の一実施例の断面を示す断面図である。
【図5】は本発明に係る熱可塑性樹脂層を形成した積層シートのさらに他の一実施例の断面を示す断面図である。
【図6】は本発明に係る熱可塑性樹脂層を形成した積層シートのまたさらに他の一実施例の断面を示す断面図である。
【図7】(a)は本発明に係る凹凸状断熱シートの表面の状態を示す平面図、(b)は図4(a)の凹凸状断熱シートのS部表面の一部を拡大して示す拡大図、(c)は図4(a)のC−C′線における断面を示す断面図である。
【図8】は一実施例の紙製断熱手袋が成形される製袋機加工機の正面を示す説明図である。
【符号の説明】
1…紙基材
2…熱可塑性樹脂層
3…熱可塑性樹脂層
4…凸部
5…凹部
6…インキ層
7…手
8…手首挿入部
9…筒状部
10…甲部
11…掌部
12…親指挿入部
13…小指挿入部
14…薬指挿入部
15…中指挿入部
16…人差し指挿入部
17…積層シート
18…凹凸状断熱シート
19…第一巻き出し部
20…五本指手袋(紙製断熱手袋)
21…二股手袋(紙製断熱手袋)
22…第二巻き出し部
23…送り出しロール
24…ダンサーロール
25…積層シート
26…積層シート
27…接着シール部
28…シール型
29…送り出しロール
30…紙製断熱手袋
31…印刷検知器
32…抜きかす
33…作業台
34…シール部
35…製袋加工機
36…四本指挿入部
37…分離ロール
38…積層シート
39…光電管装置
40…補助送り出しロール

Claims (1)

  1. クラフト紙あるいは中芯原紙等からなる紙基材の少なくても一方に熱可塑性樹脂層を形成してある積層シートにエンボスを付与してなる凹凸状断熱シートの二枚が、その熱可塑性樹脂層の同士を接して重ね合わせてあると共に、周縁の熱可塑性樹脂層の部分で手形状に接着シールしてあることを特徴とする紙製断熱手袋。
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