JP2002141785A - 位相差信号発生回路並びにこれを用いた多相クロック発生回路及び集積回路 - Google Patents
位相差信号発生回路並びにこれを用いた多相クロック発生回路及び集積回路Info
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Abstract
回路により容易に構成可能な位相差信号発生回路を実現
する。 【解決手段】 遅延回路11a,11bは、ともに入力
信号の位相をx度遅延させる。位相補間回路12は、入
力された2つのクロック信号の中間の位相を持ったクロ
ック信号を出力する。入力信号13は位相x度の信号1
5として出力される。信号15は位相2x度の信号16
となる。信号16と信号14とは位相補間回路12に入
力され、信号17として出力される。ここで信号17と
信号15との位相差は、θ/2であり、xの値に関わら
ずθ/2度となる。つまり、入力にθ度の位相差を持っ
たクロック信号を与えた場合、遅延値xが変動しても、
遅延回路11aと遅延回路11bとの遅延値xは同じで
あるので、出力には一定の位相差θ/2を持ったクロッ
ク信号が得られる。
Description
発生するための位相差信号発生回路、この位相差信号発
生回路を用いた多相クロック発生回路、及び前記位相差
信号発生回路又は前記多相クロック発生回路を用いた集
積回路に関する。
データの処理に必要なクロック信号が高速化している。
しかし、発振回路により発生可能な最高クロック周波数
はデバイスの性能によって制限されるので、その周波数
を越えたクロック信号を用いることはできない。加え
て、発振器で発生したクロック信号をバッファ回路で分
配可能な最高周波数もデバイスの性能によって決まって
いるので、同様にクロック信号の周波数は制限される。
ック周波数の限界を克服するための技術として、複数の
位相を持つ低周波数のクロックでデータを処理する多相
クロック方式がある。多相クロックの例としては、0度
の基準クロック信号に対して90度、180度、270
度の位相のクロック信号を加えた4相クロックや、45
度、90度、135度、180度、225度、270
度、315度のクロック信号を加えた8相クロックなど
がある。例えば4相クロックを用いてデータを処理した
場合、単一の位相を用いた場合に比べて、4倍の速度で
データを処理することができる。
などのクロック発生回路によって作成されている。しか
しながらこの方法では、PLLで発生した多相クロック
をチップ全体に分配する必要があるので、クロックドラ
イバの消費電力の増大や多相クロック間のスキュー等の
問題が生ずる。
クを発生する場合、特定の位相差を持ったクロック信号
を発生する位相差信号発生回路を、クロック発生回路と
は別に持つ必要がある。例えば、4相クロックでは90
度、8相クロックでは45度の位相差信号発生回路が必
要である。
て、アイ・イー・イー・イー・ジャーナル・オブ・ソリ
ッド・ステイト・サーキット、第三2巻、第一1号、1
683頁(Stefanos Sidiropoulos et al.,"A Semidigit
al Dual Delay-Locked Loop",IEEE J. Solid-State Cir
cuits,vol.32,No.11,pp.1683-1692,Nov.1997)において
提案されている回路を図9に示す。この位相差信号発生
回路は、入力端子121、ディレイ素子122からなる
ディレイライン123、バッファ回路124、ディレイ
ライン制御回路125、出力端子126から構成され
る。
ック信号を入力すると、ディレイライン制御回路125
により、信号127と信号128との間の位相差が18
0度となるようにディレイライン123の遅延値が制御
される。このとき、ディレイライン123は6つのディ
レイ素子122により構成されるので、ディレイ素子1
22一段当たりの遅延値は30度となる。6つのディレ
イ素子122からの出力信号は、それぞれバッファ回路
124を通り、出力端子126へ出力される。したがっ
て、6つの出力端子126にはそれぞれ30度の位相差
を持ったクロック信号が得られる。
昭57-034729号公報に開示された90度位相差
信号発生回路を図10に示す。この90度位相発生回路
は、搬送波発振器1301、ゲート回路1302、Dフ
リップフロップ(以下FFという。)1303、FF1
304、FF1305により構成される。
01の出力信号1306は、ゲート回路1302へ出力
されて、逆相の出力信号1307と、同相の出力信号1
308とに分かれる。FF1303及びFF1304
は、それぞれ信号1307又は信号1308の立ち上が
りでその論理状態が反転する。したがって、FF130
3の出力信号1309と、FF1304の出力信号13
10とは、互いに90度の位相差を持ったクロック信号
となる。FF1305は、信号1309の位相が信号1
310の位相に比べて遅れるときに、リセット信号13
11をFF1304に与える。これにより、FF130
4の出力信号1310が常にFF1303の出力信号1
309に対して遅れるので、それぞれの位相関係が確定
する。
昭63-121307号公報に開示された90度位相差
信号発生装置を図11[1]に示す。この90度位相発
生回路は、入力端子1401、第一の分配回路140
2、第二の分配回路1403、反転回路1404、加算
回路1405、加算回路1406、遅延回路1407、
第三の分配回路1408により構成される。
与えられた原信号は分配器1402で2つに分配され、
一方の信号は分配器1403で更に2つに分配される。
分配器1403から出力される一方の信号は、信号14
09として加算回路1405に与えられ、他方の信号は
反転回路1404で位相反転されて信号1411として
加算回路1406に与えられる。また、分配器1402
から出力される他方の信号は遅延回路1407で所定の
位相θだけ遅延され、この遅延信号が分配器1408で
2つに分配される。この分配器1408から出力される
一方の信号は信号1410として加算回路1405に与
えられ、他方の信号は信号1412として加算回路14
06に与えられる。そして、加算回路1405から出力
信号1413が出力され、加算回路1406から出力信
号1414が出力される。このようにして得られた出力
信号1413,1414の位相差は90度となる。
図で幾何学的に説明する。信号1409のベクトルaと
信号1411のベクトルbと信号1410,1412の
ベクトルc,dとは、原信号から分配回路により分配さ
れた信号のベクトルであるので、ともに等しい大きさで
ある。そして、ベクトルaとベクトルcとの合成ベクト
ルPが出力信号1413であり、ベクトルbとベクトル
dとの合成ベクトルQが出力信号1414である。図1
1[2]において、点OはPQを直径とする円周上に存
在し、∠POQは90度である。つまり、出力信号14
13,1414の位相差は90度となる。
来例を示す図9の回路では、ディレイラインの遅延調整
に制御回路125を用いたフィードバック制御を用いて
いるため、回路が複雑になるとともに、フィードバック
系を安定して動作させるために緻密な回路設計が必要と
なる。更に、回路が複雑であるために、回路規模や消費
電力も大きい。
1303,1304を用いてクロック信号1307,1
308を分周することで、出力信号1309,1310
を発生している。そのため、発振器1301は、所望の
クロック周波数に対して2倍のクロック周波数で発振す
る必要がある。つまり図10の回路で生成可能なクロッ
ク周波数は、発振器1301で発振可能な最高周波数の
半分に制限される。
回路1407の遅延値をクロック位相に換算した値が9
0度よりも大きい場合は、信号1409と信号1410
との位相差が90度以上となり、これらが加算回路14
05に入力される。一方、遅延回路1407の遅延値が
90度よりも小さい場合は、信号1411と信号141
2との位相差が90度以上になり、これらが加算回路1
406に入力される。したがって、いずれの場合も90
度以上の位相差をもった信号が加算器に入力される。電
子回路を用いて90度以上の位相差を持った信号の加算
を行った場合、位相差が90度を越えると加算器からの
出力振幅が急激に減少するため、安定した回路動作がで
きない。したがって、図11の回路を電子回路で用いて
正しく動作させることは困難である。
ずに、回路規模が小さく、電子回路により容易に構成可
能な位相差信号発生回路を提供することにある。更に、
当該位相差信号発生回路を用いて容易に構成可能な多相
クロック発生回路、当該位相差信号発生回路又は当該多
相クロック発生回路を含んだ集積回路を提供することに
ある。
号発生回路は、nを2以上のただ一つの自然数、kを1
以上かつn−1以下の少なくとも一つの自然数、xを任
意の実数としたとき、位相0度の第一の入力信号を(n
−k)x度遅延させて出力するとともに当該第一の入力
信号をnx度遅延させて出力する遅延回路と、この遅延
回路から出力された位相nx度の信号と位相θ度の第二
の入力信号とをk:n−kの割合で位相補完して位相
(n−k)x+kθ/n度の信号を出力する位相補間回
路とを備えたものである。また、kは、1以上かつn−
1以下の少なくとも一つの自然数であるから、1以上か
つn−1以下の全ての自然数としてもよい(請求項
3)。
θ度の信号とをk:n−kの割合で位相補完して出力す
る。したがって、位相補間回路の出力信号の位相φは、 φ={(n−k)nx+kθ}/n=(n−k)x+k
θ/n 度となる。ここで、遅延回路から別途出力された位相
(n−k)x度の信号と位相φの信号との差は、xを含
む項が消去された位相差kθ/nとなる。この位相差k
θ/nは、xを含まないので、xの変動の影響を受けな
い。
を2以上のただ一つの自然数、kを1以上かつn−1以
下の少なくとも一つの自然数、xを任意の実数としたと
き、位相0度の第一の入力信号をnx度遅延させて出力
する第一の遅延回路と、この第一の遅延回路から出力さ
れた位相nx度の信号と位相θ度の第二の入力信号とを
k:n−kの割合で位相補完して位相(n−k)x+k
θ/n度の信号を出力する位相補間回路と、この位相補
間回路から出力された信号をkx度遅延させて出力する
第二の遅延回路とを備えたものである。また、kは、1
以上かつn−1以下の少なくとも一つの自然数であるか
ら、1以上かつn−1以下の全ての自然数としてもよい
(請求項4)
θ度の信号とをk:n−kの割合で位相補完して出力す
る。したがって、位相補間回路の出力信号の位相φは、 φ={(n−k)nx+kθ}/n=(n−k)x+k
θ/n 度となる。ここで、第一の遅延回路から出力された位相
nx度の信号と第二の遅延回路から出力された位相φを
kx度遅延させた信号との差は、xを含む項が消去され
た位相差kθ/nとなる。この位相差kθ/nは、xを
含まないので、xの変動の影響を受けない。
は、請求項1乃至4記載の位相差信号発生回路におい
て、前記位相補間回路と同じ遅延時間を有する第三の遅
延回路を備えたものである。これにより、位相補間回路
の遅延時間の影響が除去された、正確な位相差kθ/n
が得られる。
一の入力信号の反転信号を用いる、としてもよい(請求
項7)。この場合は、入力信号が一つだけでもよい。更
に、前記nが3、前記kが1及び2としてもよく(請求
項8)、前記nが2、前記kが1としてもよい(請求項
9)。
数個の本発明に係る位相差信号発生回路から構成され、
これらに位相の異なる2つの入力信号が入力されること
を特徴とする。かかる構成により、クロックの位相は均
等に位相補間され、多相クロックを作成することができ
る。また、本発明に係る集積回路は、本発明に係る位相
差信号発生回路又は本発明に係る多相クロック発生回路
が内部に含まれていることを特徴とする。
回路は、入力信号を遅延させる遅延回路と、入力された
2つのクロック信号の中間の位相を持ったクロック信号
を出力する位相補間回路により構成される。かかる構成
により、入力にθ度の位相差を持ったクロック信号を与
えた場合、デバイス性能の変動や信号伝送路における寄
生素子の影響により遅延回路の遅延値が変動しても、出
力には一定の位相差θ/2を持ったクロック信号が得ら
れる。
の入力クロック信号の位相差θに応じて調整すること
で、位相補間回路に入力される2つの信号間の位相差を
0度にすることができる。なお、上述したようなデバイ
ス性能の変動や信号伝送路における寄生素子の影響によ
り遅延回路の遅延値が変動した場合に、位相補間回路に
入力される2つの信号に微小な位相差が発生する。本発
明に係る位相差信号発生回路では、この微小な位相差を
位相補間回路を用いて補間することで、遅延値の変動を
補償し出力クロック信号の位相差をθ/2度に保ってい
る。このような微小な位相差の位相補間を行う回路は、
電子回路により容易に構成可能である。
差信号発生回路の第一実施形態を示すブロック図であ
る。図1[2]は、図1[1]における位相補間回路の
動作を示すタイムチャートである。以下、これらの図面
に基づき説明する。
回路11a,11b、位相補間回路12等により構成さ
れる。遅延回路11a,11bは、ともに入力信号の位
相をx度遅延させる。位相補間回路12は、図1[2]
に示すように、入力された2つのクロック信号の中間の
位相を持ったクロック信号を出力する。ここで、入力信
号13,14として与えられるクロック信号の位相を、
それぞれ0度,θ度とする。
力され、位相x度の信号15として出力される。信号1
5は、更に遅延回路11bに入力されて、位相2x度の
信号16となる。信号16と信号14とは位相補間回路
12に入力され、信号17として出力される。ここで信
号17は、位相補間回路12の出力であるから、信号1
6と信号14との中間の位相となり、 (2x+θ)/2=x+θ/2 …(1) となる。
差は、 (x+θ/2)−x=θ/2 …(2) であり、xの値に関わらずθ/2度となる。つまり、入
力にθ度の位相差を持ったクロック信号を与えた場合、
遅延値xが変動しても、遅延回路11aと遅延回路11
bとの遅延値xは同じであるので、出力には一定の位相
差θ/2を持ったクロック信号が得られる。
2つの信号の位相差は、(2x−θ)度である。そのた
め、設計時に遅延回路11a,11bの遅延値xを2つ
の入力クロック信号の位相差θに応じて調整することに
より、位相補間回路12に入力される2つの信号の位相
差を0度にすることができる。
おける寄生素子の影響により遅延回路11a,11bの
遅延値xが変動した場合は、位相補間回路12に入力さ
れる2つの信号に微小な位相差が発生する。本実施形態
の位相差信号発生回路では、この微小な位相差を位相補
間回路12を用いて補間することにより、遅延値xの変
動を補償し出力クロック信号の位相差をθ/2度に保っ
ている。このような微小な位相差の位相補間を行う回路
は、電子回路により容易に構成可能である。なお、遅延
回路11a,11bは、同じ半導体集積回路内に形成さ
れているので、温度や電源電圧の影響によって同じよう
に遅延値xが変動する。
生回路の第二実施形態を示すブロック図である。以下、
この図面に基づき説明する。
実施形態に示した位相差信号発生回路に遅延回路33を
加えた構成になっている。すなわち、本実施形態の位相
差信号発生回路は、遅延回路31a,31b、位相補間
回路32、遅延回路33等により構成される。遅延回路
31a,31bは、入力信号の位相をx度遅延させる。
位相補間回路32は、前述したように、入力された2つ
のクロック信号の中間の位相を持ったクロック信号を出
力する。ただし、本実施形態における位相補間回路32
は、内部での信号遅延が無視できないため、遅延値yを
持っている。遅延回路33は、位相補間回路32と同等
の遅延値yを持ったものである。
x+y度となり、出力信号35の位相はx+θ/2+y
度となる。したがって、信号34と信号35の位相差
は、 (x+θ/2+y)−x+y=θ/2 …(3) であり、x,yの値に関わらずθ/2度となる。
生回路の第三実施形態を示すブロック図である。以下、
この図面に基づき説明する。
実施形態の位相差信号発生回路に対し、入力信号を一つ
に減らし、反転回路42を加えた構成になっている。す
なわち、本実施形態の位相差信号発生回路は、遅延回路
41a,41b、反転回路42、位相補間回路43等に
より構成される。
延回路41aと反転回路42とにそれぞれ入力される。
遅延回路41aに入力された信号は、位相x度の信号4
5として出力される。信号45は、もう一つの遅延回路
41bに入力され、位相2x度の信号46となる。一
方、反転回路42に入力された信号44は位相が反転さ
れ、位相180度の信号47となる。信号46と信号4
7とは、位相補間回路43に入力され、信号48として
出力される。
力であるから、信号46と信号47との中間の位相 (2x+180)/2=x+90 …(4) となる。したがって信号45と信号48との位相差は (x+90)−x=90 …(5) となり、xの値に関わらず90度となる。すなわちデバ
イス性能の変動や信号伝送路における寄生素子の影響に
より遅延回路41a,41bの遅延値xが変動しても、
出力には90度の位相差を持ったクロック信号が得られ
る。
生回路の第四実施形態を示すブロック図である。図3
[2]は、図3[1]における位相補間回路の動作を示
すタイムチャートである。以下、これらの図面に基づき
説明する。
回路501a〜501f、位相補間回路502、位相補
間回路503等により構成される。遅延回路501a〜
501fは、それぞれ入力信号の位相をx度遅延させ
る。位相補間回路502は、入力された2つのクロック
信号を1:2の割合で位相補間するクロック信号を出力
する。同様に、位相補間回路503は入力された2つの
クロック信号を2:1の割合で位相補間するクロック信
号を出力する。ここで、入力信号504,505として
与えられるクロック信号の位相を、それぞれ0度,θ度
とする。
501a〜501cにより遅延され、位相3x度の出力
信号506として出力される。信号506と信号505
とは位相補間回路502に入力され、信号507として
出力される。ここで、信号507は、位相補間回路50
2の出力であるから、信号506と信号505とをそれ
ぞれ1:2の割合で位相補間した信号となる。すなわ
ち、信号507の位相は (2・3x+1・θ)/3=2x+θ/3 …(6) 度となる。更に、信号507は、遅延回路501dに入
力されてx度遅延され、位相3x+θ/3度の信号50
8として出力される。
間回路503にも入力され、信号509として出力され
る。ここで、信号509は、位相補間回路502の出力
であるから、信号506と信号505とを2:1の割合
で位相補間した信号となる。すなわち、信号509の位
相は、 (1・3x+2・θ)/3=x+2θ/3 …(7) 度となる。更に、信号509は、二段の遅延回路501
e,501fに入力され2x度遅延され、位相3x+2
θ/3度の信号510として出力される。
位相差は (3x+θ/3)−3x=θ/3 …(8) となり、信号508と信号510との位相差は (3x+2θ/3)−(3x+θ/3)=θ/3 …(9) となり、どちらもxの値に関わらずθ/3度となる。つ
まり、入力にθ度の位相差を持ったクロック信号を与え
た場合、デバイス性能の変動や信号伝送路における寄生
素子の影響により遅延回路501a〜501fの遅延値
xが変動しても、出力には一定の位相差θ/3度を持っ
たクロック信号が得られる。
の第五実施形態を示すブロック図である。以下、この図
面に基づき説明する。
回路701、複数の位相補間回路からなる位相補間部7
02、複数の遅延回路からなる遅延部703等により構
成される。遅延回路701は、入力信号の位相をnx度
遅延させる回路である。位相補間部702は、それぞれ
1:n−1,…,k:n−k,k+1:n−k−1,
…,n−1:1の割合で位相補間を行うn−1個の位相
補間回路からなる。遅延部703は、それぞれx,…,
kx,(k+1)x,…,(n−1)xの遅延値を持つ
n−1個の遅延回路からなる。ただしk,nは自然数で
ある。ここで、入力信号704,705として与えられ
るクロック信号の位相を、それぞれ0度,θ度とする。
により遅延され、位相nx度の信号706として出力さ
れる。信号706と信号705とは位相補間部702中
の位相補間回路707,…にそれぞれ入力され、位相補
間回路707,…からの出力は遅延部703の遅延回路
709,…にそれぞれ入力される。遅延部703からの
出力信号がそれぞれ本実施形態の位相差信号発生回路の
出力信号になる。
補間回路707に入力され、信号708として出力され
る。信号708は位相補間回路707の出力であるか
ら、信号706と信号705とをそれぞれ1:n−1の
割合で位相補間した信号となる。すなわち、信号708
の位相は {(n−1)・nx+θ}/n=nx−x+θ/n …(10) 度となる。更に、信号708は、遅延回路708に入力
されてx度遅延され、位相nx+θ/n度の信号710
として出力される。したがって信号706と信号710
の位相差は (nx+θ/n)−nx=θ/n …(11) となり、xの値に関わらずθ/n度となる。
すると、信号706と信号705とは、位相補間回路7
11に入力され、信号712として出力される。信号7
12は、位相補間回路711の出力であるから、信号7
06と信号705とをk:n−kの割合で位相補間した
信号となる。すなわち、信号712の位相は、 {(n−k)nx+kθ}/n=nx−kx+kθ/n …(12) 度となる。更に信号712は遅延回路713に入力され
てkx度遅延されるので、出力信号714の位相は、 (nx−kx+kθ/n)+kθ=nx+kθ/n …(13) 度となる。
に注目すると、信号706と信号705とは、位相補間
回路715に入力され、信号716として出力される。
ここで、信号716は、位相補間回路715の出力であ
るから、信号706と信号705とをk+1:n−k−
1の割合で位相補間した信号となる。すなわち、信号7
16の位相は、 {(n−k−1)・nx+(k+1)θ}/n=nx−(k+1)x+(k+ 1)θ/n …(14) 度となる。更に、信号716は、遅延回路717に入力
されて(k+1)x度遅延され、位相nx+(k+1)
θ/3度の信号718として出力される。したがって信
号714と信号718との位相差は {nx+(k+1)θ/n}−{nx+kθ/n}=θ/n …(15) となり、xの値に関わらずθ/n度となる。したがっ
て、式(13)により、出力には、nx,nx+θ/
n,nx+2θ/n,…,nx+(n−1)θ/nとい
う、それぞれθ/nの位相差を持ったn個のクロック信
号が得られる。
路の第一実施形態を示すブロック図である。以下、この
図面に基づき説明する。
一の位相差信号発生回路81と第二の位相差信号発生回
路82とを備えている。これらの位相差信号発生回路8
1,82は図1に示した回路である。位相差信号発生回
路81,82の入力端子p,qはそれぞれ図1の入力端
子(入力信号13,14)に対応し、出力端子r,sは
それぞれ図1の出力端子(出力信号15,17)に対応
する。ここで入力信号83,84はそれぞれ0度,18
0度の位相を持ったクロック信号である。
信号83が入力端子pに、信号84が入力端子qにそれ
ぞれ入力され、90度の位相差を持った2個のクロック
信号が出力端子r,sから出力される。また、第二の位
相差信号発生回路82において、信号83が入力端子q
に、信号84が入力端子pにもそれぞれ入力され、90
度の位相差を持った2個のクロック信号が出力端子r,
sから出力される。ここで、位相差信号発生回路81へ
の入力信号と位相差信号発生回路82への入力信号とが
180度の位相差を持つように接続しているので、出力
されるクロック信号も180度の位相差を持つ。したが
って、出力信号はそれぞれ90度ずつの位相差を持った
0度,90度,180度,270度の4個のクロック信
号(4相クロック)となる。
路の第二実施形態を示すブロック図である。以下、この
図面に基づき説明する。
相差信号発生回路91,92,93,94,95,96
により構成される。これらの位相差信号発生回路91〜
96は、図1に示した位相差信号発生回路である。ここ
で、入力信号97,98は、それぞれ0度,180度の
位相を持ったクロック信号である。
発生回路91,92に入力され、位相差信号発生回路9
1,92から4相クロックとして出力される。したがっ
て、位相差信号発生回路93,94,95,96にはそ
れぞれ90度の位相差を持ったクロック信号が入力さ
れ、位相差信号発生回路93,94,95,96から4
5度の位相差をもった8個のクロック信号が出力され
る。ここで、位相差信号発生回路93,94,95,9
6への入力信号がそれぞれ90度の位相差を持つように
接続しているので、0度,45度,90度,135度,
180度,225度,270度,315度の8個のクロ
ック信号、すなわち8相クロックが得られる。
路の第三実施形態を示すブロック図である。以下、この
図面に基づき説明する。
段の本発明に係る位相差信号発生回路により構成され
る。k段目に用いられる位相差信号発生回路は2k個で
ある(n,kは自然数)。ここで入力信号104,10
5はそれぞれ0度,180度の位相を持ったクロック信
号である。
により4相クロックが発生される。2段目の位相差信号
発生回路102は、4相クロック入力に基づいて8相ク
ロックを発生する。k段目の位相差信号発生回路(図示
せず)は、2k相クロック入力に基づいて2k+1相ク
ロックを発生する。このようにして、出力部106に
は、それぞれ360/(2n+1)の位相差を持った2
n+1相クロックが得られる。
態を示すブロック図である。以下、この図面に基づき説
明する。
信号発生回路112、多相クロック発生回路113、シ
リアル・パラレル変換回路114等により構成される。
多相クロック発生回路113、図5に示される多相クロ
ック発生回路である。また、シリアル・パラレル変換回
路114は4相クロックにより動作する論理回路であ
る。
ロック信号115は、多相クロック発生回路113に入
力され、多相クロック発生回路113により4相クロッ
ク信号116として出力され、シリアル・パラレル変換
回路114に入力される。かかる構成により、4相クロ
ック信号116がシリアル・パラレル変換回路114に
供給され、シリアル・パラレル変換回路114が動作可
能となる。
リアル・パラレル変換回路114とは、集積回路111
の内部で離れた位置に配置されていることが多い。その
ため、集積回路111内部で多相クロック発生回路11
3を用いることによって、4相クロック信号116をシ
リアル・パラレル変換回路114の直近で作成すること
が可能となる。つまり、本実施形態の集積回路111に
よれば、多相クロック間のスキューやクロックドライバ
の消費電力の増大を抑えることが可能となる。
差信号発生回路は、デバイス性能の変動や信号伝送路に
おける寄生素子の影響にかかわらず、フィードバック制
御を用いずに単純な構成で、特定の位相差を持ったクロ
ック信号を発生することが可能である。また、本発明に
係る多相クロック発生回路は、本発明に係る位相差信号
発生回路を用いて容易に構成可能である。更に、本発明
に係る集積回路は、本発明に係る位相差信号発生回路又
は本発明に係る多相クロック発生回路を内部に含んでい
るので、多相クロック間のスキューやクロックドライバ
の消費電力の増大を抑えることができる。
の第一実施形態を示すブロック図である。図1[2]は
図1[1]における位相補間回路の動作を示すタイムチ
ャートである。
の第二実施形態を示すブロック図である。図2[2]は
本発明に係る位相差信号発生回路の第三実施形態を示す
ブロック図である。
の第四実施形態を示すブロック図である。図3[2]は
図3[1]における位相補間回路の動作を示すタイムチ
ャートである。
態を示すブロック図である。
形態を示すブロック図である。
形態を示すブロック図である。
形態を示すブロック図である。
ック図である。
ック図である。
ロック図である。
第三例を示すブロック図である。図11[2]は図11
[1]の位相差信号発生回路の動作を示すベクトル図で
ある。
f,701,709,713,717 遅延回路 12,32,43,502,503,707,711,
715 位相補間回路 81,82,91〜96,101〜103 位相差信号
発生回路 111 集積回路 113 多相クロック発生回路
Claims (15)
- 【請求項1】 nを2以上のただ一つの自然数、kを1
以上かつn−1以下の少なくとも一つの自然数、xを任
意の実数としたとき、 位相0度の第一の入力信号を(n−k)x度遅延させて
出力するとともに当該第一の入力信号をnx度遅延させ
て出力する遅延回路と、この遅延回路から出力された位
相nx度の信号と位相θ度の第二の入力信号とをk:n
−kの割合で位相補完して位相(n−k)x+kθ/n
度の信号を出力する位相補間回路と、 を備えた位相差信号発生回路。 - 【請求項2】 nを2以上のただ一つの自然数、kを1
以上かつn−1以下の少なくとも一つの自然数、xを任
意の実数としたとき、 位相0度の第一の入力信号をnx度遅延させて出力する
第一の遅延回路と、この第一の遅延回路から出力された
位相nx度の信号と位相θ度の第二の入力信号とをk:
n−kの割合で位相補完して位相(n−k)x+kθ/
n度の信号を出力する位相補間回路と、この位相補間回
路から出力された信号をkx度遅延させて出力する第二
の遅延回路と、 を備えた位相差信号発生回路。 - 【請求項3】 nを2以上のただ一つの自然数、kを1
以上かつn−1以下の全ての自然数、xを任意の実数と
したとき、 位相0度の第一の入力信号を(n−k)x度遅延させて
出力するとともに当該第一の入力信号をnx度遅延させ
て出力する遅延回路と、この遅延回路から出力された位
相nx度の信号と位相θ度の第二の入力信号とをk:n
−kの割合で位相補完して位相(n−k)x+kθ/n
度の信号を出力するn−1個の位相補間回路と、 を備えた位相差信号発生回路。 - 【請求項4】 nを2以上のただ一つの自然数、kを1
以上かつn−1以下の全ての自然数、xを任意の実数と
したとき、 位相0度の第一の入力信号をnx度遅延させて出力する
1個の第一の遅延回路と、この第一の遅延回路から出力
された位相nx度の信号と位相θ度の第二の入力信号と
をk:n−kの割合で位相補完して位相(n−k)x+
kθ/n度の信号を出力するn−1個の位相補間回路
と、これらの位相補間回路から出力された信号をkx度
遅延させて出力するn−1個の第二の遅延回路と、 を備えた位相差信号発生回路。 - 【請求項5】 前記位相補間回路と同じ遅延時間を有す
る第三の遅延回路を備え、 前記遅延回路から出力され
た位相(n−k)x度の信号を更に前記第三の遅延回路
によって遅延させて出力する、 請求項1又は3記載の位相差信号発生回路。 - 【請求項6】 前記位相補間回路と同じ遅延時間を有す
る第三の遅延回路を備え、前記第一の遅延回路から出力
された信号を更に前記第三の遅延回路によって遅延させ
て出力する、 請求項2又は4記載の位相差信号発生回路。 - 【請求項7】 前記第二の入力信号として、前記第一の
入力信号の反転信号を用いる、 請求項1乃至6のいずれかに記載の位相差信号発生回
路。 - 【請求項8】 前記nが3であり、前記kが1及び2で
ある、 請求項1乃至7のいずれかに記載の位相差信号発生回
路。 - 【請求項9】 前記nが2であり、前記kが1である、 請求項1乃至7のいずれかに記載の位相差信号発生回
路。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の位
相差信号発生回路を複数備え、これらの位相差信号発生
回路に位相の異なる第三の入力信号及び第四の入力信号
が入力される、 多相クロック発生回路 - 【請求項11】 n,kを自然数(ただしkは1からn
−1まで)としたとき、複数の前記位相差信号発生回路
がn段直列に接続され、k段目の前記位相差信号発生回
路の出力信号がk+1段目の前記位相差信号発生回路の
入力信号となり、n段目の前記位相差信号発生回路の出
力信号によって多相クロックを得る、請求項10記載の
多相クロック発生回路 - 【請求項12】 前記nが2であり、1段目の前記位相
差信号発生回路は更に2個の位相差信号発生回路からな
り、2段目の前記位相差信号発生回路は更に4個の位相
差信号発生回路からなり、前記1段目の位相差信号発生
回路の出力信号が前記2段目の位相差信号発生回路の入
力信号となり、前記2段目の位相差信号発生回路の出力
信号によって多相クロックを得る、 請求項11記載の多相クロック発生回路 - 【請求項13】 前記nが1であり、1段目の前記位相
差信号発生回路は更に2個の位相差信号発生回路からな
り、この1段目の位相差信号発生回路の出力信号によっ
て多相クロックを得る、 請求項11記載の多相クロック発生回路 - 【請求項14】 前記第三の入力信号と前記第四の入力
信号との位相差が180度である、請求項10、11、
12又は13記載の多相クロック発生回路。 - 【請求項15】 請求項1乃至9のいずれかに記載の位
相差信号発生回路又は請求項10乃至14のいずれかに
記載の多相クロック発生回路を含む集積回路。
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