JP2002053048A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents

車両用ステアリング装置

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JP2002053048A
JP2002053048A JP2000244813A JP2000244813A JP2002053048A JP 2002053048 A JP2002053048 A JP 2002053048A JP 2000244813 A JP2000244813 A JP 2000244813A JP 2000244813 A JP2000244813 A JP 2000244813A JP 2002053048 A JP2002053048 A JP 2002053048A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウターコラムのクランプ部の縮径性を考慮
しながら、アウターコラムの剛性を十分に確保するこ
と。 【解決手段】 アウターコラム4のクランプ部4aに形
成したスリット4bの個数は、4個以下であるため、ク
ランプ部4aは、径方向内方の力が作用すると、十分に
縮径が可能であり、それに加えて、剛性が小さくなり過
ぎることなく、アウターコラム4全体としての剛性も十
分に確保することができる。また、このように剛性を確
保できることから、振動特性も向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転者の運転姿勢
に応じて、ステアリングホイールの軸方向位置を調整で
きるテレスコピック式、又は、このテレスコピック式
に、ステアリングホイールの傾斜角度を調整できるチル
ト式を併有したチルト・テレスコピック式の車両用ステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ステアリング装置には、運転者の
運転姿勢に応じて、ステアリングホイールの軸方向位置
を調整できるテレスコピック式のステアリング装置があ
る。
【0003】例えば、実開平3−128564号公報に
開示したテレスコピック式のステアリング装置では、ア
ウターコラムに、インナーコラムが摺動自在に嵌合して
ある。このインナーコラムを外側からクランプするため
のアウターコラムのクランプ部には、クランプ部を縮径
可能にするための複数個(8個)のスリットが周方向に
等配して形成してあると共に、インナーコラムの外周面
を点接触により押圧するための複数個のビードが周方向
に等配して形成してある。
【0004】このクランプ部の外側には、板材を折曲し
て成形した略U字状のホルダーが設けてあり、このホル
ダーを縮径しながら締付けることにより、クランプ部を
インナーコラムに押圧してテレスコピック締付する一
方、ホルダーの締付を解除することにより、テレスコピ
ック摺動するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示したテレスコピック式のステアリング装置で
は、アウターコラムのクランプ部に形成したスリットの
個数が8個であり、スリットの個数が著しく多くなり過
ぎている。その結果、このアウターコラムのクランプ部
は、十分に縮径できるが、反面、クランプ部の剛性が著
しく小さく、アウターコラム全体として剛性を確保する
のが困難になっている。
【0006】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、アウターコラムのクランプ部の縮
径性を考慮しながら、アウターコラムの剛性を十分に確
保した車両用ステアリング装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る車両用ステアリング装置は、アウター
コラムに、インナーコラムが摺動自在に嵌合してあり、
インナーコラムをクランプするためのアウターコラムの
クランプ部に、クランプ部を縮径可能にするためのスリ
ットが形成してあると共に、インナーコラムの外周面を
押圧するためのビードが形成してあり、クランプ部の外
側に、ホルダーが設けてあり、ホルダーを縮径しながら
締付けて、クランプ部をインナーコラムに押圧してテレ
スコピック締付する一方、ホルダーの締付を解除して、
テレスコピック摺動するテレスコピック式の車両用ステ
アリング装置において、前記スリットの個数は、4個以
下であることを特徴とする。
【0008】このように、本発明によれば、スリットの
個数は、4個以下であるため、アウターコラムのクラン
プ部は、十分に縮径が可能であり、それに加えて、剛性
が小さくなり過ぎることなく、アウターコラム全体とし
ての剛性も十分に確保することができる。また、このよ
うに剛性を確保できることから、振動特性も向上するこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
チルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装置を
図面を参照しつつ説明する。 (第1実施の形態)図1は、本発明の第1実施の形態に
係るチルト・テレスコピック式の車両用ステアリング装
置の縦断面図である。図2は、図1に示したステアリン
グ装置の平面図である。図3は、図1のA−A線に沿っ
た横断面図である。図4は、図1のB−B線に沿った横
断面図である。図5(a)は、ロアー側のアウターコラ
ムの平面図であり、図5(b)は、アウターコラムとホ
ルダーの部分切欠き側面図であり、図5(c)は、図5
(b)のC−C線に沿った横断面図である。
【0010】図1および図2に示すように、ステアリン
グシャフトは、車両後方側端部でステアリングホイール
(図示なし)を固設支持するアッパーシャフト1と、こ
れにスプライン嵌合したロアーシャフト2とから伸縮自
在に構成してあり、ステアリングコラムは、アッパーシ
ャフト1を上端部で玉軸受31を介して回転自在に支持
するアッパー側のインナーコラム3と、ロアーシャフト
2を下端部で玉軸受33を介して回転自在に支持すると
共にアッパー側のインナーコラム3に嵌合したロアー側
のアウターコラム4とから摺動自在に構成してある。ア
ッパーシャフト1には該アッパーシャフトがインナーコ
ラム3に潜り込まないように潜り込み防止用のCーリン
グ35が設けてあり、またロアシャフト2にも該ロアシ
ャフト2がアウターコラム4に潜り込まないように潜り
込み防止用のCーリング37が設けてある。
【0011】このロアー側のアウターコラム4の周囲に
は、図3にも示すように、チルト調整用溝5を有する車
体側ブラケット6が設けてある。車体側ブラケット6
は、車両後方側に車体に接続されるフランジ部6a有
し、全体として下向きに逆U字形状をしており、対向側
板部6b、6cを一体に形成している。
【0012】図4に示すように、車体側ブラケット6の
ロアー側には、別体のロアーブラケット7が車体側ブラ
ケット6を包持するように設けてある。ロアーブラケッ
ト7は車体に連結される上板部7aと車体側ブラケット
6の対向側板部6b、6cを接触挟持する下向きの対向
側板部7b、7cを形成している。車体側ブラケット6
の対向側板部6b、6cの内側に両側端が摺接するよう
に、U字状ブラケット8(チルトヒンジ部)がアウター
コラム4の前方端に一体的に溶接等により設けてある。
これらロアーブラケット7の対向側板部7b、7c、車
体側ブラケット6の対向側板部6b、6c、およびU字
状ブラケット8の対向側板部8a,8bには、スペーサ
筒9を介して、チルト中心ボルト10aが通挿してあ
り、ナット10bにより締め付けられている。これによ
り、ロアー側のアウターコラム4は、このチルト中心ボ
ルト10aを中心として傾動できるようになっている。
なお、図1に示すように、ロアーブラケット7には、二
次衝突のコラプス時にチルト中心ボルト10aが離脱す
るための離脱用オープンスリット7dが形成してある。
【0013】図1に示すように、ロアー側のアウターコ
ラム4の車両後方部には、インナーコラム3を外側から
クランプするためのクランプ部4aが設けてある。
【0014】図3に示すように、このクランプ部4aに
は、クランプ部4aを縮径可能にするための複数個(4
個)のスリット4bが周方向に等配して軸方向に沿って
形成してあると共に、インナーコラム3の外周面を点接
触により押圧するための複数個(4個)のビード4cが
周方向に等配して軸方向に沿って形成してある。
【0015】このように、本実施の形態によれば、スリ
ット4bの個数は、4個以下であるため、アウターコラ
ム4のクランプ部4aは、径方向内方の力が作用する
と、十分に縮径が可能であり、それに加えて、剛性が小
さくなり過ぎることなく、アウターコラム4全体として
の剛性も十分に確保することができる。また、このよう
に剛性を確保できることから、振動特性も向上すること
ができる。
【0016】このクランプ部の外側には、板材から折曲
して成形した略U字状のホルダー11が設けてあり、こ
のホルダー11は、クランプ部4aを縮径して締付ける
ための略半円状の湾曲部11aと、この湾曲部11aか
ら上向きに形成した一対の対向側板部11b,11cと
を備えている。なお、ホルダー11の湾曲部11aによ
るクランプ部4aの締付は、図3に示すように、略半円
(1/2円)形状に限らず、これより大きくてもよく、
2/3円形状、3/4形状などであってもよい。
【0017】ホルダー11の対向側板部11b,11c
は、車体側ブラケット6の対向側板部6b,6cの内側
に摺接してあり、対向側板部11b,11cには、後述
する締付ボルト13が通挿してある。また、図2に示す
ように、対向側板部11b,11cの車両前方側には、
それぞれ、一対のフランジ11d,11eが折曲して形
成してあると共に、対向側板部11b,11cの車両後
方側にも、それぞれ、一対のフランジ11f,11gが
折曲して形成してある。これら二対のフランジ11d〜
11gは、後述するように、対向側板部11b,11c
が押圧して近接されると、湾曲部11aと協働して、ク
ランプ部4aを押圧して縮径しながら締付ける働きをす
るようになっている。
【0018】車体側ブラケット6の対向側板部6b,6
cのチルト調整用溝5およびホルダー11の対向側板部
11b,11cには、締付ボルト13が通挿してあり、
この締付ボルト13のネジ部には、締付ナット14およ
びロックナット15が螺合してある。
【0019】この締付ボルト13の頭部側には、操作レ
バー16が取り付けてあると共に、カムロック機構が設
けてある。このカムロック機構は、操作レバー16と一
体的に回転する第1カム部材17と、この第1カム部材
17の回転に伴って、第1カム部材17の山部または谷
部に係合しながら軸方向に移動してロックまたはロック
解除する非回転の第2カム部材18とから構成してあ
る。なお、第1カム部材17の突起17aが操作レバー
16に嵌合してあることにより、第1カム部材17は操
作レバー16と一体的に回転できるように構成してある
と共に、第2カム部材18の突起18aがチルト調整用
溝5に嵌合してあることにより、第2カム部材18は常
時非回転に構成してある。なお、車体側ブラケット6の
フランジ部6aには、二次衝突のコラプス時の離脱用カ
プセル19a,19bが設けてある。すなわち、車体側
ブラケット6は、離脱用カプセル19a、19bを介し
て車体に連結される。
【0020】以上のように構成してあるため、車両の二
次衝突時には、アウターコラム4、インナーコラム3、
ロアーシャフト2およびアッパシャフト1から成るステ
アリングシャフト組立体は、車体側ブラケット6ととも
にロアーブラケット7に対して、車両前方に移動する。
【0021】チルト・テレスコピックの締付時には、操
作レバー16を一方向に揺動すると、第1カム部材17
が同時に回転して、第2カム部材18の谷部から山部に
係合し、第2カム部材18が図3の右方に移動し、締付
ボルト13により、車体側ブラケット6の対向側板部6
b,6cを相互に近接させて、ホルダー11の対向側板
部11b、11cに対して摺接固定する。
【0022】これにより、ホルダー11は、その対向側
板部11b,11cが相互に近接すると共に、二対のフ
ランジ11d〜11gが湾曲部11aと協働して、クラ
ンプ部4aを押圧して縮径しながら締付けて、両コラム
3,4を締付固定する。この際、クランプ部4aは、4
個のスリット4bが形成してあるため、十分に縮径する
ことができると共に、ビード4cの頂部を点接触により
インナーコラム3の外周面に押圧しているため、十分強
固にクランプすることができる。
【0023】チルト・テレスコピックの解除時には、操
作レバー16を逆方向に揺動すると、第1カム部材17
が同時に回転して、第2カム部材18の山部から谷部に
係合し、第2カム部材18が図3の左方に移動して、車
体側ブラケット6の摺接固定を解除すると共に、ホルダ
ー11によるアウターコラム4のクランプ部4aの締付
を解除する。
【0024】これにより、チルト調整の場合には、締付
ボルト13をチルト調整用溝5に沿って移動し、チルト
中心ボルト10を中心として、アウターコラム4および
インナーコラム3を傾動し、ステアリングホイール(図
示略)の傾斜角度を所望に調整することができる。
【0025】テレスコピック調整の場合には、ロアー側
のアウターコラム4に対して、アッパー側のインナーコ
ラム3を軸方向に摺動し、ステアリングホイール(図示
略)の軸方向位置を所望に調整することができる。な
お、アウターコラム4の外周下側の突出部に半径方向内
向きのストッパボルト43が設けてある。ストッパボル
ト43に対向してインナーコラム3には所定長の長溝3
bが形成してあり、この長溝3bにストッパボルト43
の内端が係合しており、テレスコ位置調整用ストッパお
よび周り止め部材となっている。(第2実施の形態)図
6(a)は、ロアー側のアウターコラムの平面図であ
り、図6(b)は、アウターコラムの部分切欠き側面図
であり、図6(c)は、図6(b)のc−c線に沿った
横断面図である。
【0026】本第2実施の形態では、第1実施の形態に
対して、クランプ部4aに形成したスリット4bの個数
を3個にした点が異なっている。このように、本第2実
施の形態においても、スリット4bの個数は、4個以下
であるため、アウターコラム4のクランプ部4aは、径
方向の力が作用すると、十分に縮径が可能であり、それ
に加えて、剛性が小さくなり過ぎることなく、アウター
コラム4全体としての剛性も十分に確保することができ
る。また、このように剛性を確保できることから、振動
特性も向上することができる。
【0027】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されず、種々変形可能である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スリットの個数は、4個以下であるため、アウターコラ
ムのクランプ部は、十分に縮径が可能であり、それに加
えて、剛性が小さくなり過ぎることなく、アウターコラ
ム全体としての剛性も十分に確保することができる。ま
た、このように剛性を確保できることから、振動特性も
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るチルト・テレス
コピック式の車両用ステアリング装置の縦断面図であ
る。
【図2】図1に示したステアリング装置の平面図であ
る。
【図3】図1のA−A線に沿った横断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿った横断面図である。
【図5】(a)は、ロアー側のアウターコラムの平面図
であり、(b)は、アウターコラムの側面図であり、
(c)は、(b)のc−c線に沿った横断面図である。
【図6】本発明の第2実施の形態に係り、(a)は、ロ
アー側のアウターコラムの平面図であり、(b)は、ア
ウターコラムの側面図であり、(c)は、(b)のc−
c線に沿った横断面図である。
【符号の説明】
1 アッパーシャフト 2 ロアーシャフト 3 アッパー側のインナーコラム 4 ロアー側のアウターコラム 4a クランプ部 4b スリット 4c ビード 5 チルト調整用溝 6 車体側ブラケット 7 ロアーブラケット 7d 離脱用オープンスリット 8 U字状ブラケット 9 スペーサ筒 10a チルト中心ピン 11 ホルダー 13 締付ボルト 14 締付ナット 15 ロックナット 16 操作レバー 17 第1カム部材 18 第2カム部材 19a,19b 離脱用カプセル 31,33 玉軸受 35,37 Cーリング 43 ストッパボルト

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アウターコラムに、インナーコラムが摺動
    自在に嵌合してあり、インナーコラムをクランプするた
    めのアウターコラムのクランプ部に、クランプ部を縮径
    可能にするためのスリットが形成してあると共に、イン
    ナーコラムの外周面を押圧するためのビードが形成して
    あり、クランプ部の外側に、ホルダーが設けてあり、ホ
    ルダーを縮径しながら締付けて、クランプ部をインナー
    コラムに押圧してテレスコピック締付する一方、ホルダ
    ーの締付を解除して、テレスコピック摺動するテレスコ
    ピック式の車両用ステアリング装置において、前記スリ
    ットの個数は、4個以下であることを特徴とする車両用
    ステアリング装置。
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