JP2000290137A - 反応性フッ素系(メタ)アクリレート共重合体で処理された化粧料用粉体 - Google Patents

反応性フッ素系(メタ)アクリレート共重合体で処理された化粧料用粉体

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JP2000290137A
JP2000290137A JP11096405A JP9640599A JP2000290137A JP 2000290137 A JP2000290137 A JP 2000290137A JP 11096405 A JP11096405 A JP 11096405A JP 9640599 A JP9640599 A JP 9640599A JP 2000290137 A JP2000290137 A JP 2000290137A
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meth
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acrylate
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JP11096405A
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Koji Nagashima
晃治 永島
Masamichi Morita
正道 森田
Motonobu Kubo
元伸 久保
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水撥油性に優れ、化粧崩れが無く、使用感
が良好な化粧品を製造するための触媒活性の低い化粧品
用粉体を提供する。 【解決手段】 (a)フッ素系(メタ)アクリレート10
0重量部、および(b)粉体に対する反応基を有するモ
ノマー1〜50重量部を含んでなる共重合体で処理した
化粧料用粉体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水撥油性に優
れ、化粧崩れが無く、使用感が良好な化粧品を製造する
ための触媒活性の低い化粧品用粉体、および、これを含
有することを特徴とする化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、粉体を含有する化粧品としては、ファンデーショ
ン、おしろい、チークカラー、アイカラー、ボディーパ
ウダーなどがある。これらには通常、タルク、カオリ
ン、雲母、蛋白質粉体、魚鱗箔などの体質顔料、酸化チ
タン、酸化亜鉛などの白色顔料、ベンガラ、黒酸化鉄、
黄酸化鉄、レーキ、タールなどの着色顔料といった粉体
が配合される。上記の粉体は通常両親媒性であり、水に
も油にもなじみやすい性質を持つ。
【0003】このため、このような粉体を配合する化粧
品は、水、汗、皮脂などの分泌物で濡れやすく、濡れる
と本来その化粧品が有する色調が損なわれたり、透明化
して地肌の色が出てきたり、発汗や顔の動きで化粧膜が
移動、凝集する、いわゆる「化粧崩れ」の現象が起こ
る。近年、皮脂による化粧崩れを防止するためにフッ素
化合物で粉体を表面処理して、撥水撥油性を付与するこ
とが提案されている。
【0004】例えば、特開昭62−250074号公報
は、フッ素化合物にパーフルオロアルキルリン酸エステ
ルジエタノールアミン塩を用いる方法を開示し、この方
法は既に実用化されている。しかし、このフッ素化合物
は非重合性の低分子化合物であるため、化合物の特性を
変えにくいという材料設計上の問題があった。また、特
開平9−12428号公報では、ポリフルオロアルキル
基含有(メタ)アクリレートの単独あるいは共重合体を
粉体に吸着させることにより、粉体の撥水撥油性を付与
することが開示されている。しかし、フッ素系ポリマー
が粉体と化学的に反応しないために、化粧品製剤中でフ
ッ素系ポリマーが脱離し、十分な撥水撥油性が得られな
い、粉体の触媒活性を抑制できないという問題点があっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するために、鋭意研究した結果、特定の組成のフッ
素系(メタ)アクリレート共重合体で表面処理した粉体が
化粧料用粉体として優れた特徴を有することが明らかと
なった。具体的には、本発明の化粧料用粉体は、化粧品
製剤中で長期間、高い撥水撥油性を維持し、粉体の触媒
活性を抑制できる特徴がある。
【0006】本発明は、(a)一般式(1):
【化4】 [式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基であり、Aは炭
素数1〜4のアルキレン基、
【化5】 (但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数
1〜4のアルキレン基である)、もしくは、
【化6】 であり、Xは、水素原子またはメチル基である。]で示
されるフッ素系(メタ)アクリレート100重量部、およ
び(b)粉体に対する反応基を有するモノマー1〜50
重量部を含んでなる共重合体で処理した化粧料用粉体を
提供する。さらに、本発明は、該化粧料用粉体を0.1
〜99重量%配合することを特徴とする化粧料を提供す
る。
【0007】本発明において使用するフッ素系(メタ)ア
クリレートは以下の構造式を有する。一般式(1):
【化7】 [式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基であり、Aは炭
素数1〜4のアルキレン基、
【化8】 (但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数
1〜4のアルキレン基である)、もしくは、
【化9】 であり、Xは、水素原子またはメチル基である。]
【0008】ポリフルオロアルキル基(Rf基)は、パ
ーフルオロアルキル基であってよい。パーフルオロポリ
エーテル基は、具体的には、次のとおりである。 F(CF(CF3)CF2O)nCF2CF2−、 [式中、n=3〜30の整数である。] CF3O(CF(CF3)CF2O)n(CF2O)mCF2−、 [式中、n=2〜30、m=3〜70の整数である。] CF3O(CF2CF2O)n(CF2O)mCF2−、 [式中、n=2〜40、m=4〜70の整数である。] F(CF2CF2CF2O)nCF2CF2− [式中、n=3〜30の整数である。] パーフルオロポリエーテル基の数平均分子量(19F−N
MRにより測定)は、500〜5,000の範囲である
ことが好ましい。
【0009】フッ素系(メタ)アクリレートの例は、次
のとおりである。 CF3 (CF2)7(CH2)OCOCH=CH2、 CF3(CF2)6(CH2)OCOC(CH3)=CH2、 (CF3)2CF(CF2)6(CH2)2OCOCH=CH2、 CF3(CF2)7(CH2)2OCOC(CH3)=CH2、 CF3(CF2)7(CH2)2OCOCH=CH2、 HCF2(CF2)7(CH2)2OCOCH=CH2、 CF3(CF2)5(CH2)2OCOCH=CH2、 CF3(CF2)7SO2N(CH3)(CH2)2OCOCH=C
2、 CF3(CF2)7SO2N(C25)(CH2)2OCOC(C
3)=CH2、 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OCOCH3)CH2
COC(CH3)=CH2、 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH(OH)CH2OCOCH
=CH2
【化10】 F(CF(CF3)CF2O)10CF2CF2−COOCH2
2CH=CH2、 などが例示される。これらのフッ素系(メタ)アクリレ
ートは2種類以上のものを混合させて用いてもよい。
【0010】粉体に対する反応基を有するモノマー
(b)は、金属アルコキシド基、リン酸基、スルホン酸
基、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、イ
ソシアネート基などの少なくとも1種の反応基を有する
モノマーであってよい。粉体に対する反応基を有するモ
ノマー(b)は、フッ素を含有してもしなくてもよい。
しかしながら、一般にモノマー(b)は、フッ素を含有
しない。
【0011】反応基を有するモノマーは、少なくとも1
つ(例えば、3つ)のアルコキシ基を有する金属アルコ
キシドを有していてよい。金属アルコキシド基は、例え
ば −M(OR3n [式中、Mは、Si、Ti、Al、Zn、Sn、Feな
どの金属であり、R3は、炭素数1〜4のアルキル基で
あり、nは1〜3である。]で示される。
【0012】金属アルコキシド基含有モノマーは、
【化11】 [式中、R4、R5、R6およびR7は、同じであっても異
なってもよく、水素または炭素数1〜4のアルキル基で
あり、A1は、直接結合または2価の有機基であり、M
はSi、Ti、Al、Zn、Sn、Feなどの金属であ
り、nは1〜3である。] 金属アルコキシド基含有モノマーとしては、アルコキシ
シリル基含有(メタ)モノマーまたはアルコキシチタン
基含有(メタ)モノマーが挙げられる。
【0013】アルコキシシリル基含有(メタ)モノマー
として、例えば、以下のものが例示される。 CH2=CHSi(OCH33 (ビニルトリメトキシシラン) CH2=CHSi(OCH2CH33 (ビニルトリエトキシシラン)
【化12】 (3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)
【化13】 (N-[2-(ビニルベンジルアミノ)エチル]-3-アミノプロ
ピルトリメトキシシラン・塩酸塩)
【0014】また、アルコキシチタン基含有(メタ)モ
ノマーとして、例えば、以下のものが例示される。
【化14】 (チタンメタクリレートトリイソプロポキサイド)
【0015】反応基を有するモノマーは、少なくとも1
つのリン酸基を有するモノマー(例えば、(メタ)アク
リレート)であってよい。リン酸基含有モノマーとして
は、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェ
ートが例示される。
【0016】反応基を有するモノマーは、少なくとも1
つのスルホン酸基を有するモノマー(例えば、(メタ)
アクリレート)であってよい。スルホン酸基含有モノマ
ーとしては2−スルホエチルメタクリレートが例示され
る。
【0017】反応基を有するモノマーは、少なくとも1
つのカルボン酸基を有するモノマーであってよい。カル
ボン酸基含有モノマーとしては、2−メタクリロイロキ
シエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルコハク
酸、(メタ)アクリル酸、無水シトラコン酸が例示され
る。
【0018】反応基を有するモノマーは、少なくとも1
つの水酸基を有するモノマーであってよい。水酸基含有
モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ポ
リアルキレングリコール(メタ)アルキレートが例示さ
れる。
【0019】反応基を有するモノマーは、少なくとも1
つのアミノ基を有するモノマー(例えば、(メタ)アク
リレート)であってよい。アミノ基含有モノマーとし
は、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレートが例示される。
【0020】反応基を有するモノマーは、エポキシ基
(例えばグリシジル基)を有するモノマーであってよ
い。エポキシ基含有モノマーは、グリシジルメタクリレ
ート、アリルグリシジルエーテルが例示される。
【0021】反応基を有するモノマーは、少なくとも1
つのイソシアネート基を有するモノマー(例えば、(メ
タ)アクリレート)であってよい。イソシアネート基含
有モノマーは、例えば、以下のものが例示される。
【化15】 (イソシアネートエチル(メタ)アクリレート)
【化16】 (3-メタクリロキシプロピルトリイソシアネートシラ
ン)
【0022】共重合体には、使用感を改質するためや、
撥水撥油性、触媒活性抑制以外の機能を付与するため
に、モノマー(a)と(b)以外の適当なモノマーを併
用しても良い。具体的にはシクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、シリコーンマク
ロモノマー、アゾ基含有シリコーン、アルキル(メタ)ア
クリレート、アルキル(メタ)アクリレートマクロモノマ
ーなどが例示される。また、ラウリルメルカプタンやメ
ルカプト変性シリコーンのような連鎖移動剤を用いても
良い。
【0023】本発明で用いられるフッ素系共重合体は、
化粧品製剤中で長期間、粉体の高い撥水撥油性を維持
し、粉体の触媒活性を抑制でき、使用感を改質できる。
【0024】フッ素系(メタ)アクリレート(a)と反
応基を有するモノマー(b)を含んでなる共重合体にお
いて、フッ素系(メタ)アクリレート(a)の含量は、
共重合体に対して5重量%以上、より好ましくは10〜95
重量%、特に好ましくは20〜90重量%である。この範囲
よりも低いと十分な撥水撥油性、耐水性を付与すること
ができない。また、反応基を有するモノマー(b)の含
量は、フッ素系(メタ)アクリレート100重量部に対
して、1〜50重量部、好ましくは、1〜20重量部で
ある。この範囲よりも少ないと、粉体と反応せず、多い
と使用感を損なう。
【0025】本発明において使用する粉体は、タルク、
カオリン、雲母、セリサイト、雲母チタン、酸化チタ
ン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、
酸化鉄、酸化マグネシウム、重質もしくは軽質炭酸カル
シウム、第2燐酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫
酸バリウム、シリカ、アルミナ、シリカゲル、カーボン
ブラック、酸化アンチモン、ケイ酸マグネシウム、ケイ
酸カルシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケ
イ酸アルミン酸マグネシウム、合成雲母、黄酸化鉄、黒
酸化鉄などの無機粉体;蛋白質粉末、魚鱗箔、金属石
鹸、ポリ塩化ビニル、ナイロン12、微結晶繊維粉末、
タール色素、レーキなどの有機粉末等が挙げられる。無
機粉体はアルミナ、シリカなどの金属酸化物で表面処理
されているものでも良い。
【0026】本発明においてフッ素系(メタ)アクリレ
ート共重合体を粉体に処理するためには、例えば、次の
2つの方法が選ばれる。 1. フッ素系(メタ)アクリレート共重合体を調製後に
共重合体を粉体に処理する方法 2. 粉体に対する反応基を有するモノマーを予め粉体に
処理した後、フッ素系(メタ)アクリレートを共重合す
る方法。
【0027】まず、1番目の方法について説明する。本
発明において用いられるフッ素系(メタ)アクリレート
共重合体は、塊状重合、溶液重合、乳化重合で製造する
ことが可能である。塊状重合では、フッ素系(メタ)ア
クリレート(a)とモノマー(b)の混合物を窒素置換
後、重合開始剤を投入し、40〜80℃の範囲で数時間、撹
拌して重合させる方法が採用される。また、溶液重合の
場合、フッ素系(メタ)アクリレート(a)とモノマー
(b)の混合物を、これらのモノマー(a+b)が可溶
である適当な有機溶剤に溶解して同様に重合する。ここ
で用いられる有機溶剤は、炭化水素系、エステル系、ケ
トン系、アルコール系、シリコーン系、フッ素系溶剤な
どである。
【0028】乳化重合の場合、これらのモノマーを適当
な乳化剤を用いて水中に乳化した後、同様に重合する。
ある種のフッ素系(メタ)アクリレートと反応基を有す
るモノマーの組み合わせにおいては、水中でフッ素系
(メタ)アクリレート(a)とモノマー(b)の相溶性
が悪いために共重合性が悪くなる。この場合は、グリコ
ール類、アルコール類などの適当な補助溶剤を添加し
て、両モノマーの相溶性を向上させる方法が採用され
る。乳化重合で用いる乳化剤は疎水基が炭化水素系、シ
リコーン系、フッ素系のいずれのものでも、また、親水
基のイオン性もノニオン性、アニオン性、カチオン性、
両性のものいずれのものでも良い。
【0029】重合開始剤は各種アゾ系、過酸化物等が例
示される。重合の際には、必要に応じて、連鎖移動剤や
pH調整剤を加えてもよい。重合後に得られるフッ素系
(メタ)アクリレート共重合体の分子量は10,000から1,
000,000であり、好ましくは20,000から300,000である。
【0030】溶液重合、乳化重合で調製したフッ素系
(メタ)アクリレート共重合体は、ポリマーのみを単
離、精製した後、粉体に処理される。
【0031】フッ素系(メタ)アクリレート共重合体
は、湿式法、または、乾式法で粉体の表面に付着させる
が、より均一に表面処理するためには、湿式法の方が好
ましい。具体的には、フッ素系(メタ)アクリレート共
重合体を有機溶剤で希釈した溶液に粉体を混合し、室
温、あるいは、加熱下で粉体が有機溶剤溶液で均一に濡
れるまで撹拌する。必要に応じてビーズミルによる前処
理も行う。このときの撹拌には、ヘンシェルミキサー、
振動式ボールミル、回転式ボールミル、スーパーミキサ
ー、プラネタリーミキサーなどの撹拌装置が使用され
る。ラボスケールで撹拌するときは、家庭用のジューサ
ーミキサーを用いても良い。有機溶剤溶液中の共重合体
の濃度は、特に限定されないが、粉体混合時の撹拌の際
に、粘度が高くなりすぎないように調製する。撹拌後、
真空状態、あるいは、加熱して有機溶剤を留去し、上記
の撹拌装置で処理粉体を均一に分散する。ラボスケール
で撹拌するときは、家庭用のジューサーミキサー、ある
いは、スピードカッターを用いても良い。
【0032】本発明では、表面処理の際に必要ならば、
使用感を改質するための適当な薬剤を併用しても良い。
粉体の使用感を改質するための薬剤としては、レシチ
ン、N-モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸、シリコーン、キ
トサン、コラーゲン、ワックスなどが例示される。ま
た、フッ素系(メタ)アクリレート共重合体の粉体に対
する反応性を促進させるために、金属アルコキシドを併
用してもよい。例えば、未処理粉体を予め金属アルコキ
シドで表面処理することにより粉体表面に官能基(例え
ば、シラノール基)を導入し、さらにフッ素系(メタ)
アクリレート共重合体と金属アルコキシドで処理する方
法が取られる。
【0033】次に2番目の方法について説明する。粉体
に対する反応基を有するモノマー(b)は、湿式法、ま
たは、乾式法で粉体の表面に反応させるが、より均一に
表面処理するためには、湿式法の方が好ましい。モノマ
ー(b)を粉体に処理する方法は1番目でフッ素系(メ
タ)アクリレート共重合体を粉体に処理する方法と全く
同じで良い。また、反応性モノマーの粉体に対する反応
性を促進させるために、金属アルコキシドを併用しても
よい。得られたモノマー(b)処理粉体とフッ素系(メ
タ)アクリレート(a)を塊状重合または溶液重合する
と、粉体に反応したフッ素系(メタ)アクリレート共重
合体が得られる。
【0034】化粧料は、化粧料粉体0.1〜99重量
%、例えば0.1〜50重量%を含む。本発明の化粧料
用粉体を配合する化粧料に使用される他の原料(例え
ば、粉体、油)は、通常、化粧料に用いられるものなら
ば特に限定はない。例えば、粉体は、タルク、カオリ
ン、雲母、雲母チタン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグ
ネシウム、重質もしくは軽質炭酸カルシウム、第2燐酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリ
カ、アルミナ、シリカゲル、カーボンブラック、酸化ア
ンチモン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸
アルミン酸マグネシウム、合成雲母などの無機粉体;蛋
白質粉末、魚鱗箔、金属石鹸、ポリ塩化ビニル、ナイロ
ン12、微結晶繊維粉末、タール色素、レーキなどの有
機粉末等が挙げられる。これらは、未処理でもシリコー
ンなどで表面処理されていても良い。
【0035】また粉体以外にも、例えば、ワセリン、ラ
ノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カ
ルナウバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級ア
ルコール等の固形・半固形油分;スクワラン、流動パラ
フィン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライ
ド、シリコーン油等の流動油分;パーフルオロポリエー
テル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等
のフッ素系油剤;水溶性および油溶性ポリマー、界面活
性剤、有機染料等の色剤、エタノール、防腐剤、酸化防
止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収
剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮
膚賦活剤などが挙げられる。
【0036】反応性フッ素系(メタ)アクリレート共重
合体で処理された化粧料粉体以外の他の原料の量は、化
粧料全体に対して1〜99.9重量%、例えば50〜9
9.9重量%であってよい。
【0037】本発明の化粧料は通常の方法に従って製造
され、ファンデーション、おしろい、チークカラー、ア
イカラー、マスカラ、アイライナー、ネイルカラーなど
の仕上化粧品;乳液、クリームなどの基礎化粧品に使用
できる。
【0038】
【実施例】本発明の実施例について具体的に説明する
が、この説明が本発明を限定するものではない。 製造例1 還流冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた四
つ口フラスコ中にCH2=CHCOO(CH2)2(CF2CF2)nCF2CF3(以
下、FAと省略、n=3、4、5の化合物の重量比が5:3:1の
混合物36g、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン(以下、シラン-MAと省略、チッソ製サイラエースS-
710) 4g、C3HCl25で表される溶媒(以下、HCFC22
5と省略)158gを入れ、55℃に加熱後、30分間窒素気流
下で撹拌する。これにt-ブチルパーオキシピバレート
(商品名パーブチルPV、日本油脂製)2gを添加し、6時間
重合した。反応液中の残存FAをガスクロマトグラフィー
で分析することより、FAの重合率が95%であることを確
認した。得られた反応液の一部をメタノールで沈殿、真
空乾燥して、FA/シラン-MA(=9/1wt.)共重合体を単離
した。分子量をGPCで測定すると、重量平均分子量は53,
000(ポリスチレン換算)であった。
【0039】FA共重合体2gをHCFC225 100gに55℃で加熱
溶解し、室温に冷却した。このポリマー溶液とセリサイ
ト40gをジューサーミキサーに入れ30秒間攪拌する。粉
体分散液をアルミホイルに流し込み、一昼夜スチーム乾
燥機(60℃)中で乾燥させた。
【0040】製造例2 製造例1の粉体反応性非フッ素系モノマーであるシラン-
MAを、チタンメタクリレートトリイソプロポキサイド
(チタン-MA)に置き換える以外は全く同じ方法で重
合、単離を行い、FA/チタン-MA(=9/1wt.)共重合体を
得た。分子量をGPCで測定すると、重量平均分子量は45,
000(ポリスチレン換算)であった。得られた共重合体を
製造例1と同様にしてセリサイトに処理し、目的とする
粉体を得た。
【0041】製造例3 製造例1の粉体反応性非フッ素系モノマーであるシラン-
MAを、2-メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェ
ート[以下、リン酸-MAと省略、共栄社化学株式会社製ラ
イトエステルP-1M] に置き換える以外は全く同じ方法
で重合、単離を行い、FA/リン酸-MA(=9/1wt.)共重合
体を得た。分子量をGPCで測定すると、重量平均分子量
は48,000(ポリスチレン換算)であった。得られた共重合
体を製造例1と同様にしてセリサイトに処理し、目的と
する粉体を得た。
【0042】製造例4 製造例1の粉体反応性非フッ素系モノマーであるシラン-
MAを、2−スルホエチルメタクリレート(スルホン酸-M
A)に置き換える以外は全く同じ方法で重合、単離を行
い、FA/スルホン酸-MA(=9/1wt.)共重合体を得た。分
子量をGPCで測定すると、重量平均分子量は60,000(ポリ
スチレン換算)であった。得られた共重合体を製造例1と
同様にしてセリサイトに処理し、目的とする粉体を得
た。
【0043】製造例5 製造例1の粉体反応性非フッ素系モノマーであるシラン-
MAを、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(コハク
酸-MA)に置き換える以外は全く同じ方法で重合、単離
を行い、FA/コハク酸-MA(=9/1wt.)共重合体を得た。
分子量をGPCで測定すると、重量平均分子量は55,000(ポ
リスチレン換算)であった。得られた共重合体を製造例1
と同様にしてセリサイトに処理し、目的とする粉体を得
た。
【0044】製造例6 製造例1の粉体反応性非フッ素系モノマーであるシラン-
MAを、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HE-MA)
に置き換える以外は全く同じ方法で重合、単離を行い、
FA/HE-MA(=9/1wt.)共重合体を得た。分子量をGPCで測
定すると、重量平均分子量は63,000(ポリスチレン換算)
であった。得られた共重合体を製造例1と同様にしてセ
リサイトに処理し、目的とする粉体を得た。
【0045】製造例7 製造例1の粉体反応性非フッ素系モノマーであるシラン-
MAを、 ジメチルアミノエチルメタアクリレート(アミ
ドMA)に置き換える以外は全く同じ方法で重合、単離を
行い、FA/アミド-MA(=9/1wt.)共重合体を得た。分子
量をGPCで測定すると、重量平均分子量は52,000(ポリス
チレン換算)であった。得られた共重合体を製造例1と同
様にしてセリサイトに処理し、目的とする粉体を得た。
【0046】製造例8 製造例1の粉体反応性非フッ素系モノマーであるシラン-
MAを、グリシジルメタクリレート(エポキシMA)に置き
換える以外は全く同じ方法で重合、単離を行い、FA/エ
ポキシMA(=9/1wt.)共重合体を得た。分子量をGPCで測
定すると、重量平均分子量は58,000(ポリスチレン換算)
であった。得られた共重合体を製造例1と同様にしてセ
リサイトに処理し、目的とする粉体を得た。
【0047】製造例9 製造例1の粉体反応性非フッ素系モノマーであるシラン-
MAを、 イソシアネートエチル(メタ)アクリレート
(イソシアネート-MA)に置き換える以外は全く同じ方
法で重合、単離を行い、FA/イソシアネート-MA(=9/1w
t.)共重合体を得た。分子量をGPCで測定すると、重量平
均分子量は43,000(ポリスチレン換算)であった。得られ
た共重合体を製造例1と同様にしてセリサイトに処理
し、目的とする粉体を得た。
【0048】製造例10 製造例1のモノマーを、FA 20g、側鎖メルカプト変性シ
リコーン
【化17】 (mは10〜200、nは1〜10である。) (以下、Si-SHと省略、信越化学工業製KF-2001)10g、ブ
チルアクリレート(以下、BAと省略)6g、シラン-MA 4g
に、重合溶剤HCFC225をトルエン 158gに置き換える以外
は全く同じ方法で重合、単離を行い、FA/Si-SH/BA/
シラン-MA(=5/2.5/1.5/1wt.)共重合体を得た。分子
量をGPCで測定すると、重量平均分子量は45,000(ポリス
チレン換算)であった。得られた共重合体を製造例1と同
様にしてセリサイトに処理し、目的とする粉体を得た。
【0049】製造例11 2-メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート
0.3gをHCFC225 150gに55℃で加熱溶解し、室温に冷却し
た。この溶液とセリサイト60gをジューサーミキサーに
入れ30秒間攪拌する。粉体分散液をアルミホイルに流し
込み、一昼夜スチーム乾燥機(60℃)中で乾燥させた。
還流冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた四
つ口フラスコ中に上記2-メタクリロイロキシエチルアシ
ッドフォスフェートで処理したセリサイト40g、FA1.8
g、HCFC225 158gを入れ、55℃に加熱後、30分間窒素気
流下で撹拌する。これにアゾビスイソブチロニトリル0.
1gを添加し、6時間重合した。重合操作後、粉体分散液
をアルミホイルに流し込み、一昼夜スチーム乾燥機(60
℃)中で乾燥させた。
【0050】比較製造例1 製造例1において、粉体に対する反応基を有するモノマ
ーであるシラン-MAを配合せず、FAを40gに置き換える以
外は全く同じ方法で重合、単離を行い、FA単体の重合体
を得た。分子量をGPCで測定すると、重量平均分子量は5
6,000(ポリスチレン換算)であった。得られた共重合体
を製造例1と同様にしてセリサイトに処理し、目的とす
る粉体を得た。
【0051】実施例1〜11、比較例1 製造例1〜11、比較製造例1で調製した処理粉体につい
て、初期と溶剤抽出後の撥油性を評価し、フッ素濃度を
測定した。
【0052】溶剤抽出試験 50mLサンプル管に粉体1gと溶剤(実施例10以外はHCFC22
5、実施例10ではトルエンを用いる)30gを封入し、バス
型超音波洗浄機で2時間処理する。その後、粉体を5オ
ングストローム(直径185mm)の濾紙を用いて濾過す
る。30分後に濾紙上に残った上澄みを捨てて、粉体を60
℃(スチーム乾燥器)で一昼夜乾燥する。
【0053】撥油性の評価方法 濾紙の上に粉体を均一に塗布し、所定の油を滴下するこ
とにより撥油性の評価をした。表1に示す表面張力の異
なる8種類の油を滴下して、3分後にしみこまない油の点
数を撥油性とした。
【0054】
【表1】撥油性試験で用いる油
【0055】結果を表2に示す。
【表2】
【0056】実施例12〜22、比較例2 製造例1〜11(実施例12〜22)、比較製造例1(比較例
2)で調製した処理粉体について、触媒活性抑制能を評
価した。触媒活性抑制能の評価方法について以下に示
す。CDM(contactometric determination method)の一種
であるランシマット法を用い、触媒活性の評価を行っ
た。CDM装置はMetrohm製、E679を使用した。0.5gの試料
とひまし油(伊藤製油製)5gを撹拌後、130℃の恒温槽
中にセットした密閉容器に20時間放置した。ここでこの
ひまし油中に20L/hの空気をバブリングさせ、ヘッドス
ペースの空気を別のフラスコ中の水に導入し、そこでト
ラップされた揮発性のひまし油分解生成物による水の導
電率変化を測定セルによって検出した。そして導電率の
時間による変化の度合いを触媒活性の高さとみなして評
価を行った。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】 A:測定開始後2時間後の導電率 B:導電率が50μS/cm上昇するのに要した時間
【0058】実施例23、比較例3 下記組成(表4)で酸化チタン、黄酸化鉄、ベンガラ、
黒酸化鉄、タルク、セリサイトなどのフッ素処理粉体を
製造例1のポリマーを用いて調製し、これを配合するパ
ウダリーファンデーションを調製した(実施例23)。一
方、同じ組成で比較製造例1のポリマーを用いてパウダ
リーファンデーションを調製した(比較例3)。
【0059】製法:粉体成分と安息香酸メチルをアトマ
イザーで混合粉砕し、これをヘンシェルミキサーに移し
て、フォンブリンHC/04を加え、均一に混合した。これ
を金型に入れ、プレス成形して、パウダリーファンデー
ションとした。
【0060】
【表4】パウダリーファンデーション処方と製法
【0061】既に記述した方法で、調製直後と1ケ月後
の撥油性を評価した結果を表3に示す。実施例23では撥
油性が経時的に低下しなかった。一方、比較製造例1のF
Aホモポリマーで処理した比較例3では、撥油性が経時的
に低下した。
【0062】
【表5】
【0063】実施例24、比較例4 下記組成(表6)で酸化チタン、黄酸化鉄、ベンガラ、
黒酸化鉄、タルク、セリサイトなどのフッ素処理粉体を
製造例2のポリマーを用いて調製し、これを配合するリ
キッドファンデーションを調製した。一方、同じ組成で
比較製造例1のポリマーを用いてリキッドファンデーシ
ョンを調製した。
【0064】製法:成分(1)〜(8)をコロイドミルで混合
粉砕し、これを80℃に加熱後、成分(9)〜(12)を加熱混
合したものを加えてホモミキサーで均一に乳化してリキ
ッドファンデーションを得た。
【0065】
【表6】リキッドファンデーション処方と製法
【0066】既に記述した方法で、調製直後と1ケ月後
の撥油性を評価した結果を表5に示す。実施例24では撥
油性が経時的に低下しなかった。一方、比較製造例1のF
Aホモポリマーで処理した比較例4では、撥油性が経時的
に低下した。
【0067】
【表7】
【0068】
【発明の効果】本発明の粉体は、優れた撥油性、抑制さ
れた触媒活性を有し、化粧崩れを生じさせない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 元伸 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4C083 AB032 AB232 AB242 AB432 AB472 AC072 AC242 AC392 AC482 AC662 AD091 AD092 AD162 AD172 AD272 BB24 CC03 CC11 CC28 EE06 EE07 FF01 4J100 AB07Q AE18Q AJ02Q AK31Q AL08P AL08Q AL09Q AL10Q AM21Q AP16Q BA03P BA03Q BA08Q BA15Q BA16Q BA28P BA28Q BA31Q BA42Q BA56Q BA58P BA64Q BA77Q BA85Q BA95Q BB11P BB18P BC43P BC54Q CA04 FA03 FA20 JA61

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式(1): 【化1】 [式中、Rfは炭素数6〜16のポリフルオロアルキル
    基もしくはパーフルオロポリエーテル基であり、Aは炭
    素数1〜4のアルキレン基、 【化2】 (但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数
    1〜4のアルキレン基である)、もしくは、 【化3】 であり、Xは、水素原子またはメチル基である。]で示
    されるフッ素系(メタ)アクリレート100重量部、およ
    び(b)粉体に対する反応基を有するモノマー1〜50
    重量部を含んでなる共重合体で処理した化粧料用粉体。
  2. 【請求項2】 粉体に対する反応基が、金属アルコキシ
    ド基、リン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、水酸
    基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基の少なく
    ともいずれか1種である請求項1に記載の化粧料用粉
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の化粧料用粉体
    を0.1〜99重量%配合することを特徴とする化粧
    料。
  4. 【請求項4】 フッ素系(メタ)アクリレート(a)と
    粉体に対する反応基を有するモノマー(b)を含んでな
    る共重合体を調製した後に、共重合体を粉体に処理する
    請求項1に記載の化粧料用粉体の製造方法。
  5. 【請求項5】 粉体に対する反応基を有するモノマー
    (b)を予め粉体に処理した後、粉体にフッ素系(メ
    タ)アクリレート(a)を添加し、モノマー(b)とフ
    ッ素(メタ)アクリレート(a)を共重合する請求項1
    に記載の化粧料用粉体の製造方法。
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