消防車 単語

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消防車

消防車とは、火災生時消火や抑制を行うポンプなどの特殊装備を持つ自動車のこと。消防自動車や消防自動車とも呼ばれている。

概要

一般的な消防車には、消火するためにみ上げるポンプ装置と放装置を有している。ただし、災害交通事故事故等での救助を専門に扱う救助工作、資材の搬送専用など、ポンプ装置・放装置を有していない消防車もある。

体の色は、日本やその他の々でも系統が多いようだが、アメリカでは白色黄色の消防車もある。

日本の消防車

道路運送車両法で定められている特殊用途自動車にあたり、道路交通法で定められている緊急自動車にあたる。緊急車両であるため、赤色警告パトライト)とサイレンが付いている。
また、どの消防車には黄色の行が付いており、所属する消防署名、消防団では番号(例:第1分団第1班→「1-1」など)などが書かれている。

日本では消防車のシャーシを自動車メーカー製作し、消防機器については専門のメーカー製作する方法が一般的になっている。広報車などでは改造して使用している車両もある。

消防車は、各自治体消防本部や消防団、危険物を扱う企業空港会社などが保有している。他に、警察庁皇宮警察本部は皇居や御所の消防業務も担っているため、各護衛署に消防車が配備されている。

車体の色

体の色は「道路運送車両の保安基準の細を定める告示」(国土交通省告示)第75条3項によって、「朱色」と決められているが、赤色に限りなく近い色も使用されている。但し、防衛省関係の車両は例外が認められているため、自衛隊保有の一部の消防車はオリーブドラブ色(いわゆる自衛隊カラー)になっている。

 (緊急自動車
第75条 ・・・(中略)・・・
 三 緊急自動車体の塗色は、消防自動車にあっては朱色とし、その他の緊急自動車にあっては白色とする。ただし、・・・(中略)・・・防衛用自動車であって緊急の出動の用に供するもの、・・・(中略)・・・にあっては、この限りでない。

名古屋市消防局愛知県)や松本広域消防局(長野県松本市)では、他の一般車への認知性を高めるために「スカレッド」と呼ばれる赤色が使用されている。[1]

特殊な例として、在日アメリカ軍保有の消防車は黄色深緑色の車両もある。また、関西国際空港では黄色の消防車を保有している。[2]

一般的な消防車
一般的な消防車(平塚市消防本部平塚市消防署)
皇宮警察本部京都護衛署の消防車
皇宮警察本部京都護衛署の消防車
在日米軍横田基地の消防車
在日アメリカ軍横田基地の化学消防車

種類

ポンプ車
消防ポン
はしご車
はしご付き消防ポン
化学消防車
化学消防ポン
救助工作車
救助工作
指揮車
ブロアー車
ロア
災害対応多目的車
災害対応多
電源照明車
照明
クレーン車
クレーン

近年の日本における傾向

ハイブリット化・多目的化

ポンプ付救助工作 元々救助工作が規格化される以前、各地の消防の多くは火災救助が多かったことから通常のポンに救助用資機材を積載して救助活動にあたっており、規格化以降も1、2ではポンプ付のタイプが認められていた。
その一方、重量物排除に使えるクレーンが機関出力の都合で装備できない、ポンプにスペースをとられて資機材積載スペース圧迫されて資機材の増載が出来ない事が見られた。
しかし、2010年代になってクレーンを装備したポンプ付救助工作が登場し、資機材の小化と軽量素材の採用で積載スペースも増加してきたため用途が広げられた。
ちなみに小規模火災(小火、一般車両)程度なら消火できる車載消火装置(要は大消火器)を装備した救助工作もある。
水槽付はしご消防車 1980年代から存在する字の通り、水槽を搭載することで速な消火活動を実施できるはしご消防車。
ただし、中層建物に対応する15mクラスのはしごまたは高所作業アームのみしかなく、
肝心の水槽1000L以下、はしご用ターンテーブルの都合で積載スペースが少ないという具合に
器用貧乏としか言いようのない消防車だった。
だが、2010年代モリタがMVFexit開発・販売し、全規模で配備が進んでいる。
化学高所放水車 本来石油コンビナートなど大規模石油化学施設を抱える地域には大化学消防車、高所放水車消火剤原液搬送の3台で「化学消防車3点セット」を消防、自衛消防共に配備する規定になっているがめったにある災害ではないので化学消防車+高所放水車合体させて1台とし2点セットになるようにした。
ちなみに通常はしごもしくは屈折はしごが高所放水車を兼任、原液搬送を大水槽から原液に載せ替え、または後述のコンテナ式資機材搬送を用いる、パターンもある。
コンテナ式資機材搬送 コンテナを換装することで大水槽照明、特殊災害対策理論上何役もこなせる。
水槽ポン 本来後方支援向けで可搬ポンプで済ませていた大水槽に一線級のポンプを装備して最前線に出せるようにした。
消救 増大を続ける救急需要に対する救急車不足に対する答えとして開発も多く横から患者を載せるサイドドアタイプ、後部ドア付だがポンプは出力が劣る可搬ポンプのタイプ、片側のみポンプを配置し、サイドドア+後部ドア付といった具合にまだまだ試行錯誤が続いているタイプである
+ポン 消救の室内活動スペースの広さに着して開発されたのを機に新規開発も登場。
先端屈折はしご 通常はしごの最終段に屈折ギミックを備えたはしごこれにより屈折はしごには及ばないがフェンスなどの障害物を避けて標(要救助者、火災現場)に近接しやすくなった。

こういった傾向が出てきたのは技術向上よりも少子高齢化による消防士の人員確保が難しくなっているためという事情もある(地方ではこれが顕著)。
一方で1台に複数の機を詰め込むことは機特化べてどこかにしわ寄せが出るので1消防隊が複数の消防車を乗換運用することがある。

積載・活動スペースの強化

軽量素材の多用 消防車は消防活動のため通常車両より多くの人員、機材をよく積んでいる。
それにより総重量が増し、道路交通法免許、重量制限)、バランスに制約を受けることになる。それを避けるため鋼材より軽い素材を使う。
具体的には軽金属アルミステンレスチタン)がポンプ、はしご、収納棚に、脂(FRP、ポリプロレン)が外装や後述するハイルーフキャブに使用される。
バス構造式消防車
元々からバスではなくトラックシャーシをベースにしキャブと資機材庫を連結した消防車。
これによって出動中に資機材をチョイスして到着と同時に活動を開始する利点がある反面、真中に通路を通すためポンプを置きにくい欠点を持つ。
故に事故化学災害を扱う救助部隊との相性が良い。
なお、2010年代に入ってからはキャブのみをバス構造として、居住性と活動準備スペースを重視した『バスキャブ構造』が
流になりつつある。
イルーフキャブ
バス構造には及ばないが椅子の座面を跳ね上げることで乗員が起立可となり潜化学防護を出動中に着装したり、屋根の内部に積載スペースを設けることができる。また、屋根が高いことにより中の圧迫感が緩和され乗員の精神的疲労が軽減される一方でアンダーパスなど進入経路の制約が増えるデメリットがある。
オールシャッター ポンプ操作部から体後端までシャッターでカバーすることにより資機材保護と積載箇所増強を図れる。
展開式収納 シャッターと面の間にギミックを設置し、両面に資機材を引っ掛ける収納。
パンチングメタルあき鉄板)式ならS字フックレイアウトでより資機材が増強できる。
収納付き座席 背もたれや座面の裏に収納を設けた椅子。特に空気呼吸器を背もたれに1セット収納出来るが一般的。
サイドプル式吸 消火栓などに接続する吸管をリールに巻きつけて横向きに配置、両サイドから引き出せるようにした。
これにより従来吸管を這わせていたスペースを資機材庫に回すことができた。
ちなみに装置が故障、もしくは吸管の長さが足りない場合に備えて予備の吸管を備えているのが常識

消火効率の向上

 火を消す際にを使うのは古来からの常識であり21世紀でもそれは変わっていない。しかしより確実、速な消火められた結果、さらに工夫をする事となった。

CAFS(圧縮空気泡消火システム)

これは消火剤を混合して圧縮空気を吹き込み細かい泡の流とし燃えている対物へ噴射して流で包み(酸素の遮断と冷却を兼ねる)消火する装置である。

と聞くと化学消防ポン自動車じゃないかと思われるだろうがCAFSは基本通常の火災消火用であり、化学消防車は石油などの火災に使用されるのが基本である。例えるならCAFSが台所洗剤化学消防ポン自動車が使う泡消火剤は洗濯洗剤というところである。また、通常の放では自体の重量とポンプから加えられる圧力で常人より鍛え上げた消防士でも2、3人でホースを制御しなければならないがCAFSの泡流の場合、軽量なため一人で制御が可=他の隊員も消火に参加できる=手数が増えてより速に消火できる、泡=普通より面積が多いことで元のより多い消火を確保することができるメリットがある[3]

その反面、泡なので強下では飛ばされて威力が削られる、軽いためポンプ同士をつないで行う中継送に向かないデメリットもある。

準水槽付きポンプ車

総務省消防庁の規定では「水槽付きポン」とは最低1500L(1.5t)の水槽をホイルベース3m=4tトラック以上に装備したポンとされ、それ以下は通常ポンとされる。しかし、一刻を争う火災現場では速な消火活動がめられる。実のところ通常の消防車に搭載されるポンプは1分も係らずに1500L水槽にする力を持つが消火栓などの利へ接続する時間を考えれば水槽付きポンが初期対応の点で有利である。
しかし、狭隘な路地、山中渋滞した自動車専用道路などで火災が発生した場合、水槽付きポンより、通常=3tシャーシに装したCD-1ポンの方が速に接近しやすいが特に前述の3ヶ所は利が制限されていることがある。

そこで90年代からCD-1600L900Lの水槽を搭載するタイプが生産されるようになった。このタイプは正規の水槽付きポンには及ばないが小火や車両火災ならポンプ出力を落とした放で充分対応できる規模であり、前述のCAFSとの併用でより消火効率が向上した。

更に2010年代になって容量1000L(1t)越えポリプロレン水槽を搭載したCD-1開発製造が開始され、水槽付きポンの規定が変更される日も近いと考えられる。

水管付き(直進)はしご車

本来、はしごで高所放もしくは中継送をやる場合は消火ホースをはしごに這わせてしていたがはしごを伸ばすときにホース梯子に絡まるのに注意して操作する手間があった。一方その構造上送管を常設している屈折はしご、放速性で優っていた。

しかし、2000年代伸縮式の送を装備したはしごが登場し高所での速な消火活動力が向上した。
ただし、技術的な関係からフルサイズの送管を装備できるのは40m級までとなり、45m以上ははしごの最終段に固定管を一本だけ装備し、それ以下は従来通りホースを這わせることになる。

視認性の向上(個性とも)

体色 前述の赤色塗装に加え、を基調としつつも体の一部に
別色を追加する。
マーキング 救助工作などで見られる白い稲妻マークを基調に所属本部の
頭文字英語表記)を描く、自治体紋章やマスコットキャラクター
描く。
LED 従来の電より省スペース、省電力であることに着し、小LED
体側面に大量装備し、間の視認性を向上させるだけでなく、
前述のハイルーフにも大量装備してスペースの増強につなげた。

主なメーカー

アメリカの消防車

アメリカでは、消防車は専門のメーカーがシャーシの製造から消防機器の装着まで一貫して行うこともあり、また日本の消防車よりも大が多い。中には、牽引式のはしごも存在する。

体の色は赤色の他、黄色白色緑色青色水色など様々である。また、警告赤色の他に、青色白色もあり、回転式よりもストロボ式が流。

消防署以外にも、森林局やFBIも保有しているらしい。

参考動画「ハイテク消防車」_1/2(sm7042850)exit_nicovideo「ハイテク消防車」_2/2(sm7043029)exit_nicovideo

ニューヨークの消防車
ニューヨークFDNY)の
消防車
ニューヨーク(FDNY)の人員輸送車
ニューヨークFDNY)の
支援車両
シカゴの消防車
シカゴCFD)の消防車
ロサンゼルスの消防車
ロサンゼルスの消防車
ニュージャージー州ブランチビルの消防車
ニュージャージー
ブランチビルの消防車
イリノイ州グランディ郡ミヌーカの消防車
リノイ州グランディ
ミヌーカの消防車

主なメーカー

その他の国の消防車

イギリスの消防車
イギリスの消防車
ドイツの消防車
ドイツの消防車
フランスの消防車
フランスの消防車
シンガポールの消防車
シンガポールの消防車
香港の消防車
香港の消防車
ニュージーランドの消防車(1)
ニュージーランドの消防車(1)
ニュージーランドの消防車(2)
ニュージーランドの消防車(2)

主なメーカー

世界最速の消防車

日産自動車は、2009年8月F1の開催地としても染みのドイツニュルブルクリンクに消防車仕様GT-Rを寄贈した。

リアシートに相当する部分に50Lのタンクトランクに放システムホース等の装備が搭載されており、よりも重量は200kg近く増加しているものの、ニュルブルクリンクコースを8分以内に1周することができるらしい。(の同コースでの最速ラップタイムは7分2670)

リミッター解除時の最高速度310km/hに達する。

消防装備は通常のポンよりも劣るが、世界最速の消防車であることには違いない。

関連動画

関連静画

関連項目

脚注

  1. *出典:日経BP セカンドステージ - 消防車の色はなぜ赤いのかexit
  2. *出典:関西国際空港 関空探検隊がいく 8.かっこいい消防車を見かけましたが?exit
  3. *100LのがCAFSを通すことで2000Lに増量できる
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