オウムガイとは、オウムガイ目オウムガイ科に属する深海生物である。
概要
古い形態を残しているため、生きている化石と呼ばれる。一見貝の仲間のようにも見えるが、実際はイカやタコと同じ頭足類である。ただ、そもそもタコやイカは軟体動物のうち貝が退化した動物なので、貝の仲間という認識は間違いではない。水深100~500mの海底に分布しており、水深が800mを超えると水圧によって殻が壊れてしまうと言われる。
オウムガイの殻の奥は空洞となっており、そこにはガスが詰まっている。そのガスから浮力を得ているおかげで、漏斗から水を噴出して体を軽々と動かすことができるが、だからといって海中を泳いで生活しているわけではなく、海底から離れて上昇してもせいぜい1メートル程度のようだ。
英名はNautilusであり、潜水艦の名前として馴染み深いノーティラス(ノーチラス)の語源である。
現在まで生き残っているオウムガイは数種しかいないが、オウムガイの仲間は古生代オルドビス紀に多く繁栄し、体長が10mを超える巨大な種もいたチョッカクガイもオウムガイの仲間である(現生のオウムガイと直接類縁関係は無いとされる)。なお、姿形の似ているアンモナイトはそこまで近縁ではなく、どちらかというとイカやタコの方がアンモナイトと近い。
ちなみに、フィリピンの一部地域では食用になっている。
主な種
- Nautilus pompilius オウムガイ
- N. belauensis パラオオウムガイ
- N. scrobiculatus ヒロベソオウムガイ
- N. stenomphalus コベソオウムガイ
- N. macromphalus オオベソオウムガイ
日本の水族館ではオウムガイやオオベソオウムガイがメジャーであり、繁殖の研究も行われている。パラオオウムガイも鳥羽水族館で2017年から飼育や繁殖が試みられている。
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関連項目
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