けん‐ま【研磨/研摩】
研磨
ラッピング(研磨)
ラッピングは、ラップと呼ばれる平面の台上に工作物を置き、ラップと工作物下面間に、砥粒としてラップ剤を挟み、工作物に上から圧力を加え摺動させて行う研磨方法である。
ラッピングでは、通常の研削工程に比べ加工能率は低いが、平滑な表面が得られるため仕上げ加工として用いられる。ラップ仕上げは操作が簡単で、精度の高い加工が可能であり、各種ゲージ類や軸受け用ローラ、電子部品などの加工に用いられる。
ラップには組織が緻密な鋳鉄が良く用いられるが、鉛やすずなどの金属も軽合金工作物に対するラッピングでは使用されている。ラップ剤はダイヤモンド、炭化けい素、アルミナなどの砥粒である。
ラップ剤に工作液を加えラップ加工を行う場合を湿式ラッピング、ラップにラップ剤を埋め込み加工する場合を乾式ラッピングがある。
湿式ラッピングの場合、工作液は石油が一般的でこれに機械油などを加える場合もある。
湿式ラッピングでは砥粒が工作液中を動きながら研磨を行うため、加工量が大きく熱の発生も小さい。しかし研磨面には不規則なラップ痕が残り、無光沢仕上げとなる。
乾式ラッピングは、ラップに埋め込まれた砥粒が工作物に対し滑りながら研磨を行うので、加工量は少ないが光沢のある仕上げとなる。
適している分野・使用事例
用語解説
研磨
研磨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/19 23:11 UTC 版)
研磨(けんま、研摩、英: Polishing)とは、機械的エネルギーを用いて行う加工である機械加工の一種である。砥粒と呼ばれる細かい粒子を被加工材にのせ、その上から工具を高い圧力で押し込み、断続的に多数回こする事によって表面部分を削り、平滑にしていく加工法である[1]。
特徴
研磨は工具に一定の圧力を与えて加工を行っており、このような方式を圧力転写方式という。圧力転写方式は一度加工をすると被加工材の形状の修正が困難であるという欠点がある一方で、一般的な加工法に比べ仕上げ面の粗さや加工品質に優れている。また、圧力転写方式は被加工材に工具が追随して動くため、振動や高温による工具の変化といった外乱の影響を受けづらいという利点もある[2]。一般的に研磨加工は、使用する砥粒と工具の有無によって固定砥粒加工法、遊離砥粒加工法、自由砥粒加工法に分類される[3]。
- 各加工法の特徴 [4]
-
- 固定砥粒加工法
- 砥粒と工具が一体となった砥石や研磨ベルトなどを被加工材に直接押し付け、加工を行う。制御がしやすい、作業環境に優れるといった長所があるが、目づまり(砥粒間に切り屑が詰まる)現象が起こりやすいという問題点がある。代表的な加工法として超仕上げ(superfinishing)、ホーニング(honing)、ベルト研削(belt grinding)、テープ研削(tape finishing)などが上げられる。
- 遊離砥粒加工法
- 砥粒と工具が分離している、研磨加工で最も一般的な加工法である。目づまり現象も起きにくく、加工面を精度良く仕上げることができるが、加工速度が遅いという欠点がある。砥粒の種類によって粗研磨のラッピング(lapping)と仕上げ研磨のポリシング(polishing)に分けられる。
- 自由砥粒加工法
- 工具を必要とせず、砥粒を吹き付けるといった方法で加工を行う。表面処理やバリ取りに適しているが、寸法や形状の精度が悪い。代表的な加工法として噴射加工(blasting)、バレル研磨(barrel finishing)、粘弾性流動研磨(viscoelastic abrasive flow polishing)などが上げられる。
脚注
参考文献
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 |
- 谷泰弘 村田順二『生産加工入門』数理工学社,2004,ISBN 9784864810128
- 社団法人日本材料学会『機械設計法』,2001,ISBN 4901381016
関連項目
研磨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 05:55 UTC 版)
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研磨
「研磨」の例文・使い方・用例・文例
- 歯磨き粉の研磨性はRDA(相対的象牙質摩耗値)により測定される。
- 最新型の研磨機を導入する
- ダイヤモンド[レンズ]を研磨する.
- レンズ研磨工.
- 叩くか研磨して、小片か粒にまで小さくする
- 切子面を切って、または研磨して装飾を施したグラス
- 研磨材でできた車
- ポットや鍋の洗浄に使用する小さな研磨用のパッド
- 光学器械用の(特に研磨した金属で作られた)鏡
- ガラスの上にデザインを切るか、または研磨する誰か
- カットして研磨した透明なダイヤモンド石で高価な宝石として評価される
- カットして研磨した透明なルビー石で高価な宝石として認められている
- カットして研磨した透明なエメラルド石で高価な宝石として評価されている
- カットして研磨した透明なサファイヤで高価な宝石として認められている
- 研磨剤として用いられる非常に硬度の高い鉱物
- 宝石や研磨剤として用いられる、硬いガラス状の鉱物(さまざまな金属のケイ酸塩)の総称
- 切り出されて宝石として研磨される結晶質の石
- 工業用に穿孔や研磨に用いられる品質の劣った暗色のダイヤモンド
- 研磨用の物質
- 炭化ケイ素の結晶から成る研磨剤
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