東洋電力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:33 UTC 版)
拳願会最大派閥「百人会」の頂点に立つ企業。企業序列第2位。 ユリウス・ラインホルト 声 - 白熊寛嗣 東洋電力代表闘技者。通称『モンスター』。36歳。異様に発達した筋肉を持つ禿頭の巨漢。 ドイツ医学の粋を集めて生み出された「最高の筋肉」の持ち主で、現在の肉体は常人なら死に至るほどのドーピングというハイリスクを乗り越えた末に手に入れたもの。2秒で時速300キロメートルに達するモンスターマシンとの綱引きに楽々勝利しバーベルを飴細工のように丸める程の怪力のみならず、一流陸上競技選手並みの瞬発力、筋肉を固めるだけで岩を砕くほどの耐久力を兼ね備えている。「真の強者に技など不要」という持論から武術は一切使用せず、タックル・パンチ・キック・投げ・張り手・ベアハッグといった攻撃を怪力に任せて特に型もなく使う。ただし、ただの怪力馬鹿ではなく、スポーツ生理学・医学・心理学・物理学を修めた優秀な頭脳の持ち主であり、高い知能によって肉体のスペックを最大限発揮することができる。 トーナメント中に加納が語った「若槻より格上」の一人。武術家でも戦争屋でもないにも関わらずアギトや若槻にも匹敵するトップクラスの闘技者と言われており、加納も純粋な身体能力のみで見ればBブロック最強だろうと評している。作中では自分と同等の超重量級格闘家と戦う機会が多く、「怪獣映画」を彷彿とさせる大迫力の戦いを見せる。 サイズの合う服がないので常にパンツ一丁。オーダーメイドしてもすぐに筋肉が成長して着られなくなるので、服を着ることを諦めた。自身の筋肉を維持するためにプロテインの摂取を欠かさない。好きな言葉は「剛能く柔を制す」。在日3カ月で、好きな日本食はTOFU。「ダンベル何キロ持てる?」に登場するシルバーマンジムの会員で、街雄と共にCMにも出演している。ハンブルグにプライベートジムを所有している。 トーナメント1回戦では沢田相手に不戦勝。直後に通路で沢田と対戦することになり、沢田の技を圧倒的なパワーで上回り圧勝するも、山下一夫の予想外の闖入によりトドメを刺さず立ち去る。 2回戦では互角の筋力を誇る若槻と殴り合いを繰り広げる。筋力は互角であっても骨格で上回っているため徐々に優位になり、劣勢を覆すために繰り出された若槻の必殺技も頭脳戦で見切ってみせたが、その技を警戒しすぎたことが仇となり超至近距離から頭部への回し蹴りを連続で食らってしまい、意識を失い倒れた。 仕合後、クーデター発生と共に自身が捨て駒でしかなかったことを知り、怒りのまま守護者B班と交戦を開始する。 トーナメント後は消息不明で、『ケンガンオメガ』では対抗戦出場選手の候補として氷室が行方を追っていた。対抗戦が間近に迫った頃、ムテバから接触を受けてとまりの岩美重工派閥から代表として派遣される。2年前に若槻に敗れてからさらなる進化を遂げ、彼の力を凌駕したと豪語し、技を超えた真の力を見せるべく第3試合に出場、ムドーと戦う。自分よりわずかに体格で上回り、二虎流に似た武術まで使いこなすムドーに苦戦を強いられ、一度はカウンターで大ダメージを受けてダウンを取られる。だが、マッスルコントロールを突き詰めた「神殺しの削岩機」でマウントポジションのムドーを強引に吹き飛ばし、前腕の回転で相手の受けを弾きつつ全身全霊で頭部へ叩きつけた左鉄槌がフィニッシュブローとなり、技術も駆け引きも関係ない力だけで技をねじ伏せ、拳願会側待望の初白星を挙げた。試合後はムドーはおそらく「蟲」とは無関係だと王馬たちに伝え、「馴れ合うのは今回限り」としつつもかつて自分を倒した若槻と勝利を讃え合った。 モデルはストロングマン出身の総合格闘家マリウス・プッツナウスキー。使用武術・なし 主な能力 神殺しの削岩機(シュタインボラーディガットゥーテン) 筋肉に全てを捧げたユリウス意外には不可能とされる筋肉操作(マッスルコントロール)で、絶命トーナメントからの2年間で到達した更なる高み。本来マッスルコントロールとは「狙った部位を収縮させる」という意味だが、ユリウスは、まるで筋繊維一つ一つが独立したかのように、ミリ単位で収縮と弛緩を使い分けるレベルまで突き詰めている。 マウントを取られ仰向けで腕を満足に振りかぶれない状況でも、超重量級の相手を吹き飛ばすほどの剛力を発揮できる。さらに筋肉を極限まで収縮させ、一気に解放した全身全霊の一撃を耐え切れる生物は存在しないとまで言われており、受けが真髄の武術を使うムドーを以ってしてもダメージを捌ききれなかった。その際には「使い方」こそ違えど若槻の「爆芯」と原理は同じで、「旋回により発生したエネルギーで、相手の受けを弾き飛ばす」ことが可能。 速水 勝正(はやみ かつまさ) 声 - 金尾哲夫 東洋電力会長。76歳。左顔面にケロイドの痕のようなものがある。GPグループ代表の理乃は実の娘にあたる。 最大派閥の長だけあって個人の権力ならば滅堂をも上回るとも言われている。さらに野心家であり、目的のためであれば容赦無く殺人を犯し、目黒のような殺人鬼を手元に置いて長期間匿うことすら厭わず、「蟲」とも通じている。若いころにも一度滅堂に対して反旗を翻した経験がある。また諸外国の有力者や自身の傘下の企業なども大きな目的のための犠牲として切り捨てようとするなど冷酷な性格の持ち主。滅堂に代わり拳願会の王となるべく策をめぐらせ、積極的に裏工作を行う。かつては滅堂や鎧塚と共に理想を追い求めた同志だったが、当時の思い出を尊重する気配は全くなく、改心を願う鎧塚の言葉を「生涯、温い思い出と戯れておれ」と切って捨てた。しかしその傲慢さから格下を侮り見下しており、それがのちに仇となる。 「天狼衆と守護者1000名を島内に侵入させ機を見てクーデターを実行する」という真の目的を隠すために優勝狙いを装い、正闘技者以外に5名の刺客を雇い海一証券と白夜新聞の2枠を奪ったほか、マーダーミュージックを棄権に追いやり、あじろ水産と夜明けの村に八百長仕合をさせ、栃木ディスティニーランドには電力の無償供給の条件としてを1回戦突破を命じた。さらに黒使を囮にタンカーを使って島内に引き入れた388名の始末屋なども護衛者によって鎮圧されてしまうが、これによって会場内にとどまる護衛者の数を削ぐことに成功、さらにその隙に捨て駒にするつもりで雇っていた天狼衆に起爆装置なしの時限爆弾を会場中に仕掛けさせる。2回戦で早々に手駒を失うことになったが、守護者を介して2回戦敗退が決まった十王通信の高田にコンタクトを取る。 その後滅堂の名を騙って敗社を第2VIPルームに集めさせ、守護者による会場の制圧を開始する。時限爆弾を盾に新たな拳願会を設立するため会員たちに寝返るよう要求するが、実は各国要人を人質としたクーデターそのものがブラフで、その真意は拳願会員や各国要人との関係など、滅堂が築き上げてきたもの全てをドームの爆破と共に灰燼に帰し、自身の手で新たな歴史を築くことにあった。真の計画については一部の腹心にしか教えておらず、起爆装置なしの時限爆弾を用意したのもそのためであった。しかし同様の策を考えていた滅堂によって集められていた呉一族50名、護衛扱いの武術家、敗退した闘技者たちにより追い詰められていき、切り札の爆弾も天狼衆の離反によりすでに撤去され、自身もハサドの裏切りによって拘束されてしまい、わずか2時間足らずでクーデターは失敗に終わった。 以来表舞台から姿を消しており、2年後の『ケンガンオメガ』では以前ほどの権力は無くなっているものの、依然として強い影響力を持っている。野心を未だ失っておらず、山下と交渉し、正樹を代表として出場させる代わりに、彼が勝利した場合は拳願会副会長の座を貰うことを約束させる。そして対抗戦本番で、正樹が最強の兵として完成したことに歓喜する。 速水 正樹(はやみ まさき) 『ケンガンオメガ』から登場する、東洋電力の新たな所属闘技者。通称『一投必殺』。現役の大学生で、「殴慶ボーイ」のお坊ちゃん。21歳。速水勝正の息子で2年前に死亡した“泣き男”目黒正樹の弟とのことだが、年齢が若いものの目黒と同じ名前と顔を持ち、戸籍上では該当する人物はおらず、性格も理知的であるなど謎が多い。 狂人で話が通じなかった目黒と違ってコミュニケーション能力が高く、天性の人たらしで、場の空気を和らげられる「リーダーの資質」を持っている。学友からは頼りにされ、中学卒業まで通っていた柔道教室でも評判は良好で、今でも時々顔を出しては子供達に柔道を教え、礼儀正しい好青年として父兄の信頼も厚く、東洋電力会長の御曹司であることを鼻にかけず非常に謙虚、という欠点のない人物。 戦闘スタイルは柔道がベースで、それに打撃技を組み合わせて戦う。小中高大と学生生活を通じて柔道部には所属した経験はなく、大学では柔道同好会J-BOYSとボランティアサークルを兼部しているだけだが、殺されかねないほどの過激な乱取りを兄と繰り返していたので実戦経験は豊富であり、形勢判断が素早く的確。勝てるのなら構えにこだわることもなく、右構えでも左構えでも戦える。 その正体とは、速水が目黒正樹を元に「蟲」の技術を用いて最強の兵として生み出した本物を超えるクローン。格闘家として類稀なる才能を持っていながら、狂気に呑まれ、真の実力を発揮するには至らなかった目黒とは違い、狂気を抑制することが可能であり、目黒と同じダメージを快楽に転化する体質に由来する異様なタフネスをそのままに、多幸感や殺人衝動に流され暴走することなく戦い続ける。骨折や脱臼を顔色一つ変えずに整復し、受け身が取れずに頭から地面に叩きつけられようが平気で立ち上がる。さらに速水正樹という人格を「完璧な目黒正樹」に作り変える為に呉氏の洗脳技術「回生」を施されており、生前の目黒の独白をイヤホンで幾度も繰り返し聴き続けている。 3年前に闘技者登録されて以来仕合に出場していなかったが、デモンストレーションとしてニュージェネレーションズ最強の黒狼を倒し、速水と山下の交渉で10人目の対抗戦代表選手となる。 対抗戦では第8試合に出場し、「同型」である柔道家の嵐山と戦う。嵐山の「振り」の速さに対応できず、受け身も取れないまま何度も投げ飛ばされるが、ゾンビのようなしぶとさで笑みを浮かべたまま立ち上がり続け、次第に起き上がるまでのスピードが速くなっていく。鼻や左肘を破壊されながらも、兄より強いが殺すための技を使わない嵐山には恐怖を感じておらず、不殺ルールで相手が攻めあぐねている隙を突いて鎖骨を肘打ちで叩き折る。そして片腕となって「振り」をかけ損ねた嵐山を一本背負いで投げ飛ばし、顔面へ鉄槌の連打を加えてノックアウトを奪い、柔道家として自分より三回りは強い相手にジャイアントキリングを達成した。 阿久 富士夫(あく ふじお) 声 - 竹内栄治 あらゆる汚れ仕事を内々に処理する始末屋。通称『アグノスティックフロント』。打撃にも非凡な才能を見せるコスモをしてやり難いと言わしめる程のストライカーとしての実力を持ち、武器の扱いにも精通する。 東電の依頼を受け、闘技者の枠を奪うため拳願号内でコスモを襲撃するが、二階堂から貰ったスタン警棒で攻撃しようとした瞬間、ゾーンに入られ裸締めで意識を絶たれた。 金次第でどんな仕事を請け負う冷徹な性格だがサディストではなく、依頼内容によっては不要な労力を避けるために相手に降伏を促す事もある。雇われた面々の中では一番常識的で、変態性の高い面子によく突っ込みを入れていた。 禍の人(仮称) 「禍」マスクの包帯男。無口で奇っ怪な外見に反して意外と気さく。拳願号内で若槻を襲撃したが、正拳突き一発で壁にたたきつけられ敗北した。 マスクの人(仮称) 髑髏マスクの男。一日に平均15時間のプレイをする重度のゲーマー。拳願号で御雷を襲撃するも22秒で倒された。ただし、御雷は5秒で倒すつもりだったので健闘したとはいえる。
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