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個々の薬の説明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 15:34 UTC 版)

脂質降下薬」の記事における「個々の薬の説明」の解説

スタチン(英: Statin) — 肝細胞HMG-CoA還元酵素阻害し細胞内コレステロール含量減らしLDL受容体up regulation受容体増加)させて、血液からのコレステロール取り込みを図る。 フィブラート系薬剤(英: Fibrate) — 核内受容体PPAR-α(英: Peroxisome proliferator-activated receptor alpha)に作用して脂質合成関わる蛋白合成制御するまた、リポタンパク質リパーゼLPL、英: Lipoprotein lipase)の発現増やし血管内皮でのVLDLカイロミクロン異化促進させるベザフィブラート(英: Bezafibrate、商品名ベザトールSR)、フェノフィブラート(英: Fenofibrate商品名リピディル)、ぺマフィブラート(商品名パルモディア)がある。 レジン(英: Bile acid sequestrants (resins) ) — 一番歴史がある。体内吸収されないという意味では安全性が高いので、思春期妊娠予定した家族性高脂血症患者にも安心して使用できる最初に脂質低下療法虚血性心疾患予防につながることが証明され治験 LRC-CTTP (Lipid Research Clinics Coronary Primary Prevention Trial) で用いられである。コレステロール胆汁排泄される回腸末端まで流れる間に再吸収される(腸肝循環)。再吸収阻害して便中に排泄すればコレステロール値は下がる。さらに、LDL受容体up regulation させて、血液からのコレステロール取り込みが増す。コレスチミド(商品名コレバイン)。 プロブコール(英: Probucol) — 作用機序がまだはっきりしないスカベンジャー受容体一種HDL取り込みにも携わる SR-BI (scavenger receptor class B type I) 受容体発現増やしHDL異化をすることでコレステロール逆転送回路活性化させるといわれるコレステロール低下以上に動脈硬化巣の退縮みられる抗酸化作用もあるとされている。商品名はシンレスタール、ロレルコ。 エゼチミブ(英: Ezetimibe) — 商品名「ゼチーア」(当初は「ゼチア」を予定)。小腸の上細胞管腔側に発現するNPC1L1( Niemann-Pick C1 Like 1)を阻害しコレステロールおよび植物ステロール吸収プラセボ比べ58%抑制する容積の多い呑みにくいレジン違い小さな錠剤で、スタチンとの合剤開発されている。 ロミタピド商品名「ジャクスタピッド」。適応は「ホモ接合体家族性高コレステロール血症」。ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質MTP)を阻害するMTP肝細胞および小腸上皮細胞多く発現しトリグリセリドアポタンパクBへ転送することで、肝臓では超低比重リポタンパクVLDL)、小腸ではカイロミクロン形成関与している。ロミタピドは、小胞体内腔存在するMTP直接結合することで、肝細胞および小腸細胞内においてトリグリセリドアポタンパクBを含むリポタンパク質会合阻害するその結果肝細胞VLDL小腸細胞カイロミクロン形成阻害されLDL-C値が低下するとされている。 アリロクマブ商品名「プラルエント」。適応は「家族性高コレステロール血症」と「コレステロール血症」で、「心血イベント発現リスクが高い」「HMG-CoA還元酵素阻害剤効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療適さない」の両者満たす場合投与される前駆蛋白変換酵素サブチリシン/ケキシン9(PCSK9)を阻害するモノクローナル抗体エボロクマブ商品名「レパーサ」。適応は「家族性高コレステロール血症」と「コレステロール血症」で、「心血イベント発現リスクが高い」「HMG-CoA還元酵素阻害剤効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療適さない」の両者満たす場合投与される前駆蛋白変換酵素サブチリシン/ケキシン9(PCSK9)を阻害するモノクローナル抗体魚油転写因子である SREBP-1 (ステロール調節エレメント結合タンパク質-1)を介して脂肪酸合成抑制する。またPUFA多価不飽和脂肪酸)として代謝されPGI3プロスタグランジンI3)になり抗血小板作用をあらわす。粥種破綻に伴う血栓予防慢性閉塞性動脈硬化症における血行改善という効用あわせもつは旬があり産地季節でその脂肪組成大きく変わり、摂りたくないコレステロール多く含むトロなどの食材もある。製剤としてはイワシ精製したEPAエイコサペンタエン酸商品名エパデール)があり、日本行われたJELIS試験虚血性心疾患再発予防効果確認された。同じ成分つかった特定保健用食品トクホ)も販売されている。 植物ステロールコメ油γ-オリザノールなど。腸肝循環する胆汁のミセルとけ込み動物性脂質であるコレステロール腸管での取り込み競合阻害するのでコレステロール値が低下する医薬品として販売されているが、特定保健用食品トクホ)として活用されている。 ニコチン酸商品名としてペリシット(一般名ニセリトロール)などがある。レジンやスタチンに併用する例が最近では多い。他のでは下がらないLp(a)(英: Lipoprotein(a)リポタンパク質(a)リポ蛋白スモールエー)を若干下げる。ニコチン酸ニコチン酸アミド総称ナイアシンビタミンB3)という。 ビタミンE大量投与による動物実験例やコホートでの食事調査によると動脈硬化症改善するとされるがMicroHOPEやHPSといった前向き試験では有用性示されなかった。HOPE-TOOでは心不全増加したという却って悪い結果報告されている。 オルリスタット中枢神経系作用しない肥満治療ロシュからはXenical(ゼニカル)、グラクソ・スミスクラインからはAlliアライまたはアリ)の商品名販売されている。 セチリスタット - オルリスタット同様、リパーゼによる脂質分解阻害する商品名オブリーン

※この「個々の薬の説明」の解説は、「脂質降下薬」の解説の一部です。
「個々の薬の説明」を含む「脂質降下薬」の記事については、「脂質降下薬」の概要を参照ください。

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