インクジェット複合機は、昨年から1モデルを減らし、全4モデルが発売される。高速印刷をウリとした「MP810」の後継機は用意されず、そのプリントエンジンは下位のMP610に引き継がれた。2006年3月に発売されたADF搭載モデルの「MP830」は併売される。
最上位モデルのMP970は、ラインアップで唯一、染料6色インクと顔料ブラックインクを採用し、スピードより写真画質に重きを置いた仕様だ。液晶モニタは3.5インチと最も大きく、フィルムスキャン(35ミリスリーブフィルム6コマ連続)にも対応する。有線LANのインタフェースも備えており、TVプリンティング機能も持つ。
MP610は昨年のミドルレンジモデルMP600の後継で、印刷速度を向上させた主力機。印刷速度は上位機のMP970を上回るが、インクは染料4色と顔料ブラックの構成で、フィルムスキャンや有線LANには対応していない。
MP520とMP470は操作パネルを本体右側に配置したエントリーモデル。最小インク滴が2ピコリットルと大きくなるほか、自動両面印刷やCD/DVDレーベル印刷などの機能が省かれている。
複合機新モデルのラインアップ | ||||
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モデル名 | MP970 | MP610 | MP520 | MP470 |
液晶モニタ | 3.5インチ | 2.5インチ | 2.0インチ | 1.8インチ |
インク | 染料6色+顔料Bk | 染料4色+顔料Bk | 染料3色+顔料Bk | 染料3色+顔料Bk |
ノズル数 | 512本×7色 | 1536本×2色(C/M)、512本×3色(Y/染料Bk/顔料Bk) | 512本×2色(C/M)、256本×1色(Y)、320本×1色(顔料Bk) | 384本×3色(C/M/Y)、320×1色(顔料Bk) |
最高解像度 | 9600×2400dpi | 9600×2400dpi | 4800×1200dpi | 4800×1200dpi |
最小インク滴 | 1ピコ | 1ピコ | 2ピコ | 2ピコ |
3サイズドロップレット | − | ○ | − | − |
Wエンコーダー | ○ | ○ | − | − |
L判最速印刷 | 29秒 | 18秒 | 37秒 | 38秒 |
2Way給紙 | ○ | ○ | ○ | − |
両面印刷 | ○ | ○ | − | − |
CD/DVDレーベル印刷 | ○ | ○ | − | − |
スキャナ | 4800×9600dpi(CCD) | 4800×9600dpi(CIS) | 2400×4800dpi(CIS) | 2400×4800dpi(CIS) |
フィルムスキャン | ○ | − | − | − |
メモリカードリーダー | ○ | ○ | ○ | ○ |
USB 2.0 | ○ | ○ | ○ | ○ |
有線LAN | ○ | − | − | − |
無線LAN | − | − | − | − |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 471×396×214ミリ | 450×389×188ミリ | 455×378×172ミリ | 451×353×169ミリ |
重量 | 約11.9キロ | 約10キロ | 約7.5キロ | 約6.1キロ |
予想実売価格 | 4万円前後 | 2万8000円前後 | 2万円前後 | 1万6000円前後 |
発売予定日 | 10月上旬 | 10月上旬 | 10月上旬 | 10月上旬 |
これら4モデルが搭載する機能は下表の通り。MP470はダイレクト印刷時に自動写真補正機能を利用できず、Easy-Scroll Wheelも省かれている。手書きナビ機能は上位3モデルに搭載され、MP970とMP610はCD/DVDレーベルの手書き文字合成も可能だ。
複合機新モデルが搭載する機能 | ||||
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モデル名 | MP970 | MP610 | MP520 | MP470 |
自動写真補正 | ○ | ○ | ○ | △(ソフトのみ) |
Easy-Scroll Wheel | ○ | ○ | ○ | − |
クイックスタート | ○ | ○ | ○ | ○ |
手書きナビ | ○(CD/DVD可) | ○(CD/DVD可) | ○ | − |
両面コピー | ○ | ○ | − | − |
コピー時の色あせ補正 | ○ | ○ | ○ | − |
コピー時の顔明るく補正 | ○ | ○ | ○ | − |
コピー時のマニュアル色調整 | ○ | ○ | ○ | − |
TVプリント | ○ | − | − | − |
赤外線(IrDA 1.2) | ○ | ○ | − | − |
PictBridge | ○ | ○ | ○ | ○ |
Bluetoothユニット | 別売 | 別売 | 別売 | 別売 |
A4単機能インクジェットプリンタは昨年と同様、2モデルを用意。MP610と共通のプリントエンジンで高速印刷を実現した上位モデル「iP4500」と、最小インク滴2ピコリットルのプリントエンジンを用いた下位モデル「iP3500」が発売される。A4ダイレクトプリンタの新製品は投入されず、複合機のラインアップに組み込まれた形だ。2007年4月に発売されたエントリーモデル「iP2500」は併売される。
A4単機能プリンタ新モデルのラインアップ | ||
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モデル名 | iP4500 | iP3500 |
インク | 顔料4色+顔料Bk | 顔料3色+顔料Bk |
ノズル数 | 1536本×2色(C/M)、512本×3色(Y/染料Bk/顔料Bk) | 512本×2色(C/M)、256本×1色(Y)、320本×1色(顔料Bk) |
最高解像度 | 9600×2400dpi | 4800×1200dpi |
最小インク滴 | 1ピコ | 2ピコ |
3サイズドロップレット | ○ | − |
Wエンコーダー | ○ | − |
L判最速印刷 | 18秒 | 40秒 |
2Way給紙 | ○ | ○ |
両面印刷 | ○ | − |
CD/DVDレーベル印刷 | ○ | − |
USB 2.0 | ○ | ○ |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 445×303×160ミリ | 436×302×145ミリ |
重量 | 約6.9キロ | 約4.9キロ |
予想実売価格 | 1万8000円前後 | 1万3000円前後 |
発売予定日 | 10月上旬 | 10月上旬 |
キヤノンの小型フォトプリンタは、熱昇華型印刷方式を採用した「SELPHY」シリーズとインクジェット方式による「PIXUS mini」シリーズがあり、後者の新モデルとして「mini360」が投入される。昨年は2モデル構成だったが、今年は下位機を省いて1モデル構成とした。
mini360は、新たに2L判のプリントに対応したことが最大の特徴。複合機と同様、自動写真補正、Easy-Scroll Wheel、クイックスタートの各機能に対応する。携帯電話を利用して、キヤノンクリエイティブパーク携帯サイトからダウンロードしたフォトフレームなどをプリントできる機能や、保存した印刷履歴から再印刷が行える機能を持つ。オプションでバッテリー駆動も可能だ。
小型フォトプリンタ新モデルのラインアップ | |
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モデル名 | mini360 |
液晶モニタ | 2.5インチ |
インク | 染料3色+顔料Bk |
ノズル数 | 512本×2色(C/M)、256本×1色(Y)、320本×1色(顔料Bk) |
最高解像度 | 9600×2400dpi |
最小インク滴 | 1ピコ |
3サイズドロップレット | ○ |
Wエンコーダー | − |
L判最速印刷 | 33秒 |
自動写真補正 | ○ |
Easy-Scroll Wheel | ○ |
クイックスタート | ○ |
メモリカードリーダー | ○ |
USB 2.0 | ○ |
赤外線(IrDA 1.2) | ○ |
PictBridge | ○ |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 258×225×81ミリ |
重量 | 約2.5キロ |
予想実売価格 | 2万円前後 |
発売予定日 | 10月上旬 |
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