JPH1151622A - 異物検査方法および装置 - Google Patents

異物検査方法および装置

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JPH1151622A
JPH1151622A JP9225836A JP22583697A JPH1151622A JP H1151622 A JPH1151622 A JP H1151622A JP 9225836 A JP9225836 A JP 9225836A JP 22583697 A JP22583697 A JP 22583697A JP H1151622 A JPH1151622 A JP H1151622A
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順一 田口
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有俊 杉本
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まさみ 井古田
Hiroko Inoue
裕子 井上
Tetsuya Watanabe
哲也 渡邊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物のサイズ、形状を特定できるウエハ異物
検査技術を提供する。 【解決手段】 検査光照射装置20でウエハ1を斜方照
明し、暗視野下のウエハ1での検査光21の散乱光31
を散乱光検出器34で検出して異物5の座標位置を特定
する異物検査装置10に落射照明装置40および撮像装
置45を設ける。散乱光検出器34の検出に基づき異物
判定装置35で特定された異物5の座標位置を落射照明
装置40による明視野照明下で撮像装置45によって撮
像し、この撮像に基づいて異物画像を抽出する。抽出し
た異物画像により異物のサイズ、形状、色、性状を特定
する。 【効果】 異物検査装置だけで異物のサイズ、形状、
色、性状を特定できるため、異物のレビューを的確かつ
迅速しかも安価にて実行できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異物検査装置、特
に、被検査面上の微小異物を高感度で検出する技術に関
し、例えば、半導体ウエハ(以下、ウエハという。)の
表面に付着した異物を検出して検査するのに利用して有
効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、半導体集積回路装置(以下、IC
という。)の高集積化および回路パターンの微細化が進
み、回路パターンの線幅は1μm程度またはそれ以下に
なっている。このようなICを高歩留りで製造するため
には、ウエハの表面に付着した異物を検出して、そのサ
イズや形状および物性等を検査し、各種半導体製造装置
や工程の清浄度を定量的に把握し、製造プロセスを的確
に管理する必要がある。そこで、従来から、ICの製造
工場においては、製造プロセスを的確に管理するため
に、ワークであるウエハについてウエハ異物検査装置に
よるウエハ異物検査方法が実施されている。
【0003】従来のウエハ異物検査装置は、大別して2
つのカテゴリーに分けられる。第1は、垂直落射照明に
よる明視野中の画像と予め記憶された標準パターンとの
比較を行う画像比較方式のウエハ異物検査装置(以下、
外観検査装置という。)である。第2は、斜方照明によ
る暗視野における散乱光を検出して散乱光を検出した時
点の座標により異物の有無や異物の位置座標および個数
を認識する方式のウエハ異物検査装置(以下、異物検査
装置という。)である。
【0004】なお、ウエハ異物検査装置を述べてある例
としては、株式会社日経BP社発行の「日経マイクロデ
バイセズ1997年3月号」P97〜P116、があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した外観検査装置
は、検査精度が高いという長所があるが、スループット
が低く高価格であるという短所がある。そして、外観検
査装置によれば画像データが得られるため、外観検査装
置は所謂レビュー(画像による確認ないし検証作業)を
実行することができる。しかし、外観検査装置は検査ウ
エハ枚数が少ない割に微小欠陥等のレビュー不必要情報
が多いため、致命欠陥補足率が低く、レビュー効率がき
わめて低いという問題点があることが本発明者によって
明らかにされた。
【0006】前記した異物検査装置は、検査精度が外観
検査装置に比較すると低いという短所があるが、外観検
査装置に比較してスループットが高く、価格が低いとい
う長所がある。そして、異物検査装置から得られるデー
タはウエハ内の異物の位置座標と散乱光の強度であるた
め、異物検査装置では異物のサイズ(粒径)や形状に関
する情報を得ることができない。したがって、これらの
情報を得るためには、外観検査装置またはSEM(走査
形電子線顕微鏡)等の検査時間の長い解析系のウエハ異
物分析装置を使用しなければならない。
【0007】本発明の目的は、効率よく異物のサイズお
よび形状を検査することができる異物検査技術を提供す
ることにある。
【0008】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、次の通り
である。
【0010】すなわち、検査光照射装置によって被検査
物を斜方照明し、暗視野下の被検査物における検査光の
散乱光を散乱光検出器によって検出することにより、異
物を検査する異物検査方法において、前記散乱光検出器
の検出に基づいて特定された異物の座標位置を同一装置
内に配置した明視野照明下で撮像し、この撮像に基づい
て抽出した異物画像によって少なくとも異物のサイズ、
形状、色、性状のいずれか一つを特定することを特徴と
する。
【0011】前記した手段によれば、少なくとも異物の
サイズを認識することができるため、異物のレビューを
効率よく実行することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
異物検査装置を示す斜視図である。図2は同じく異物検
査方法を示すフロー図である。図3以降はその作用を説
明するための説明図である。
【0013】本実施形態において、本発明に係る異物検
査装置は、被検査物であるウエハに斜方照明による暗視
野下における散乱光を検出して散乱光を検出した時点の
座標により異物の有無や位置座標および個数を認識する
方式の異物検査装置10として構成されている。被検査
物であるウエハ1は第1主面2にICの一例であるDR
AMをチップ部4毎に作り込まれる過程にあり、チップ
部4はウエハ1に切設されたオリエンテーション・フラ
ット(以下、オリフラという。)3に対して縦横に規則
正しく配列されている。ウエハ1の第1主面2に異物5
が付着していると、不良の原因になるため、ウエハ1の
第1主面2に付着した異物5を異物検査装置10によっ
て検出し、検出した異物の位置や個数、サイズ、形状、
色、性状を検査し、各種半導体製造装置や工程の清浄度
を定量的に把握し、製造プロセスを的確に管理すること
が実施される。
【0014】異物検査装置10はステージ装置11を備
えており、このステージ装置11は被検査物としてのウ
エハ1を走査させるためのXYテーブル12と、θ方向
に回転させるθテーブル13と、自動焦点合わせ機構
(図示せず)と、これらを制御するコントローラ14と
を備えている。そして、ウエハ1の表面全体を検査する
ために、ステージ装置11によってウエハ1のX・Y走
査が実行される。この走査中、コントローラ14からは
被検査物としてのウエハ1についての座標位置情報が後
記する異物判定装置へ逐次入力されるようになってい
る。
【0015】ステージ装置11の斜め上方には検査光照
射装置20が設備されている。検査光照射装置20はウ
エハ1に検査光としてのレーザ光21を照射するレーザ
光照射装置22と、レーザ光21を集光する集光レンズ
23とを備えており、集光したレーザ光21をステージ
装置11上に保持された被検査物としてのウエハ1に低
角度で照射することにより、ウエハ1を斜方照明するよ
うになっている。
【0016】ステージ装置11の真上には散乱光検出装
置30が設備されている。この散乱光検出装置30は、
レーザ光21がウエハ1の表面に斜めに照射されるのに
伴ってウエハ1の表面において乱反射された散乱光31
を集光する対物レンズ32と、対物レンズ32で集光さ
れた散乱光31を散乱光検出器34の受光面に結像させ
るリレーレンズ33と、散乱光31を検出する散乱光検
出器34とを備えている。すなわち、散乱光検出装置3
0は暗視野下における散乱光31を検出するように構成
されている。本実施形態においては、散乱光検出器34
は固体撮像光電変換素子が細長く配列されたラインセン
サによって構成されており、ステージ移動方向に直交す
るY方向に長くなるように配置されている。
【0017】散乱光検出器34には異物判定装置35が
接続されており、この異物判定装置35は散乱光検出器
34からの散乱光の検出時点に基づいてウエハ1の異物
の有無を判定するとともに、この判定したデータと、ス
テージ装置11のコントローラ14からの座標位置デー
タと照合することにより、異物の座標位置を特定するよ
うに構成されている。また、散乱光検出器34は散乱光
強度を異物判定装置35に送信するようになっている。
【0018】本実施形態において、ステージ装置11の
真上には落射照明装置40が設備されており、落射照明
装置40はウエハ1に明視野照明光としての白色光41
を照射する白色光照射装置42と、白色光41を垂直に
落射させるハーフミラー43と、白色光41をスポット
形状に形成するレンズ44とを備えており、白色光41
をステージ装置11上に保持された被検査物としてのウ
エハ1に垂直に照射して落射照明するようになってい
る。
【0019】落射照明装置40の反射位置には撮像装置
45が設備されている。すなわち、撮像装置45は固体
撮像光電変換素子が細長く配列されたラインセンサによ
って構成されており、ハーフミラー43の透過側におけ
る落射照明装置40の光軸上においてステージ移動方向
に直交するY方向に長くなるように配置されている。す
なわち、撮像装置45は明視野下における乱反射光によ
る像を撮映するようになっている。
【0020】撮像装置45の画像処理部46には比較部
47が接続されており、比較部47の出力端には検証部
48が接続されている。検証部48の出力端には分類部
49が接続されている。比較部47の他の入力端および
検証部48の他の入力端には異物判定装置35が接続さ
れており、異物判定装置35は異物検査装置10を統括
するホストコンピュータ36、比較部47および検証部
48に判定結果を送信するようになっている。
【0021】次に、前記構成に係る異物検査装置10に
よる本発明の一実施形態である異物検査方法を図2につ
いて説明する。
【0022】ウエハ1上に検査光照射装置20により検
査光としてのレーザ光21が低傾斜角度で照射される
と、このレーザ光21の照射により、ウエハ1の第1主
面2に付着した異物5および回路パターン(図示せず)
から暗視野下の散乱光31が発生する。この散乱光31
は対物レンズ32によって集光されるとともに、リレー
レンズ33を通して散乱光検出器34上に結像される。
【0023】このとき、回路パターンからの散乱光31
は規則性があるため、ウエハ1におけるパターン面のフ
ーリエ変換面に設けられた空間フィルタあるいは検光子
から成る遮光素子(図示せず)により、回路パターンか
らの散乱光31は遮光されることになる。他方、異物5
からの散乱光31は不規則性であるため、空間フィルタ
あるいは検光子を通過して散乱光検出器34上に結像さ
れることになる。したがって、異物5のみが検出され
る。
【0024】そして、散乱光検出器34によって検出さ
れた異物5からの暗視野下の散乱光31による検出信号
は、異物判定装置35に入力される。異物判定装置35
はこの検出信号に基づいて異物5の有無を判定するとと
もに、この判定データと、ステージ装置11のコントロ
ーラ14からの座標位置データとを照合することによ
り、異物5の座標位置を特定する。このようにして特定
された異物5の座標位置は異物判定装置35から、例え
ば、異物検査装置10を統括的に実行するホストコンピ
ュータ36に出力されるとともに、撮像装置45に電気
的に連なる比較部47および検証部48に送信される。
【0025】異物判定装置35から送信された異物5の
座標位置が撮像装置45の撮像位置すなわち落射照明装
置40の落射照明スポットに来ると、比較部47は撮像
装置45からの明視野下の画像信号を取り込む。異物判
定装置35によれば、この座標位置には異物5が付着し
ているはずであるから、その画像には異物5が図3
(a)に示されているように映されるはずである。
【0026】その後、異物判定装置35から送信された
異物5の座標位置から丁度1チップ部4の分だけずれた
座標位置が撮像装置45の撮像位置に来ると、比較部4
7は撮像装置45からの明視野下の画像信号を取り込
む。異物判定装置35によれば、この座標位置には異物
5が付着していないはずであるから、その画像には異物
5が図3(b)に示されているように映されていないは
ずである。
【0027】続いて、比較部47は先に取り込んだ異物
5が付着しているはずのチップ部4の座標位置の画像
と、後に取り込んだ異物5が付着していないチップ部4
の座標位置の画像とを比較する。すなわち、図3(d)
に示されているように、比較部47は隣合う一対のチッ
プ部4、4における同一部位の一対の画像をそれぞれ取
り込んで比較する状態になる。そして、図3(a)の異
物5が付着している画像と、図3(b)の異物5が付着
していない画像との差画像である図3(c)を形成す
る。(a)の画像と、(b)の画像との差は異物5だけ
であるから、図3(c)においては、異物画像6だけが
抽出される状態になる。
【0028】そして、比較部47は抽出した異物画像6
を検証部48に送信する。異物判定装置35から送信さ
れた異物5の座標位置について比較部47から異物画像
6が送信されて来た場合には、検証部48は異物判定装
置35の異物有りの判定は適正であることを検証する。
これに反して、異物判定装置35から送信された異物5
の座標位置について比較部47から異物画像6が送信さ
れて来なかった場合には、検証部48は異物判定装置3
5の異物有りの判定は誤りであると認定する。誤判定で
あると認定すると、検証部48はその旨をホストコンピ
ュータ36に送信する。
【0029】また、抽出された異物画像6は分類部49
に転送される。分類部49は予め設定されたアルゴリズ
ムによって異物5のサイズ、形状、色、性状である有機
物または無機物を分類する。例えば、図4(a)に示さ
れているように、異物画像6の画素数の計数によって異
物画像6の縦aおよび横bの寸法が特定される。異物画
像6の縦aと横bとの積(a×b)によって、異物5の
面積すなわちサイズが図4(b)に示されているように
特定される。異物画像6の縦aと横bとの商(a/b)
によって、異物5の形状が特定される。例えば、a/b
=1である場合には、異物5は図4(c)に示されてい
るように円形であると、特定される。a/b>1または
a/b<1である場合には、異物5は図4(d)に示さ
れているように細長い形状であると、特定される。
【0030】落射照明光として白色光41が使用されて
いるため、異物画像6の色相と明度(画像を構成する階
調)に基づいて色を特定することができる。この結果、
例えば、抽出された異物全体がほぼ同一の濃紺系統の色
相と階調ならば、異物は偏平で膜厚がほぼ均一な誘電体
膜であると推定できる。
【0031】また、散乱光検出器により検出された異物
の散乱光信号と、異物画像6により特定した異物の大き
さ、性状と、を用いることによって表面の凹凸を認識す
ることができる。すなわち、ウエハ1上に検査光照射装
置20により検査光としてのレーザ光21が低傾斜角度
で照射されると、このレーザ光21の照射により、異物
5から暗視野下の散乱光31が発生する。この散乱光強
度は散乱断面積と表面の凹凸に関連して強度を変えるの
で、検出時に記録された散乱光強度と、異物画像6から
算出したレーザ照射方向に垂直な方向の異物の長さとを
用いて解析することによって表面の凹凸状態を認識する
ことができる。この結果、例えば、凹凸が少ない場合に
は、シリカ(ガラス)やシリコン片および金属片等の無
機物と、特定される。凹凸が多い場合には、人間を起因
とする発塵や樹脂等の有機物と、特定される。
【0032】以上のようにして分類された異物5の分類
結果は分類部49からホストコンピュータ36に送信さ
れる。ホストコンピュータ36は分類部49からの分類
データおよび異物判定装置35からの異物5の座標位置
データや個数データを使用することにより、図5に示さ
れている各種分析資料を適宜に作成し、モニタやプリン
タ等の出力装置によって適時に出力する。作業者は出力
された各種分析資料によって、ICの製造プロセスを的
確かつ迅速に管理することができる。
【0033】図5(a)は異物サイズ別マップであり、
異物サイズデータと異物の座標位置データとによって作
成される。図5(b)は異物サイズ別ヒストグラムであ
り、横軸には区間分けした変数として異物サイズが取ら
れ、縦軸には各異物サイズに属する測定値の回数として
検出個数が取られている。
【0034】図5(c)は異物形状別マップであり、異
物形状データと異物の座標位置データとによって作成さ
れる。図5(d)は異物形状別ヒストグラムであり、横
軸には区間分けした変数として異物形状が取られ、縦軸
には各異物形状に属する測定値の回数として検出個数が
取られている。
【0035】図5(e)は検査結果時系列推移グラフで
あり、検査日と異物サイズデータ、異物形状データ(例
えば、細長)および異物性状の一例である有機物データ
とによって作成される。なお、時系列はロット番号やウ
エハ番号等を使用してもよい。
【0036】前記実施形態によれば次の効果が得られ
る。 異物検査装置によって異物の座標位置の他に異物の
サイズや形状、色、有機物または無機物を特定すること
により、作業者はICの製造プロセスを的確かつ迅速に
管理することができるため、ICの製造歩留りを高める
ことができる。
【0037】 散乱光検出器に基づく異物判定部の判
定を明視野下の撮像装置に連なる検証部によって検証す
ることにより、異物検査装置における検査精度を高める
ことができるため、前記とあいまって、異物検査装置
の品質および信頼性を高めることができる。
【0038】 検査時間の長い外観検査装置やきわめ
て高価な異物分析装置を使用することなく、異物の座標
位置の他に異物のサイズや形状、色、有機物または無機
物を特定することができるため、単位面積当たり(ウエ
ハ一枚当たり)の検査時間およびレビュー時間を大幅に
短縮することができる。その結果、ロット全数検査を実
現することができるとともに、作業者はICの製造プロ
セスを的確かつ迅速に管理することができる。
【0039】図6は本発明の実施形態2である異物検査
装置を示す斜視図である。図7は同じく異物検査方法を
示すフロー図である。図8はその作用を説明するための
説明図である。
【0040】本実施形態2に係る異物検査装置10Aが
前記実施形態1に係る異物検査装置10と異なる点は、
落射照明装置40が検出光照射装置20の光学系を共用
するように構成されているとともに、撮像装置45Aが
散乱光検出器を兼用するように構成されている点にあ
る。
【0041】本実施形態2に係る異物検査装置10Aに
よる異物検査方法においては、図7に示されているよう
に、まず、検査光照射装置20や散乱光検出器兼用撮像
装置45Aおよび異物判定装置35によって異物5の座
標位置がウエハ1の第1主面2の全体にわたって特定さ
れる。これらの異物座標位置はホストコンピュータ36
のメモリー(図示せず)に記憶される。
【0042】例えば、ホストコンピュータ36は異物座
標位置データに基づき、ウエハ1の第1主面2の全体に
おける異物5群を図8(a)に示されているようにグル
ーピング(距離の近い異物群をまとめる。)し、各グル
ープの代表を撮像対象としてサンプリングする。このサ
ンプリングによって撮像対象を減少させることができる
ため、検査時間をより一層短縮することができる。
【0043】また、ホストコンピュータ36は異物判定
装置35からの異物座標位置データと散乱光強度との組
み合わせに基づき、ウエハ1の第1主面2の全体におけ
る異物5群を図8(b)に示されているようにクラスタ
リング(散乱光強度で異物のサイズ等をクラス分けす
る。)し、各クラスの代表を撮像対象としてサンプリン
グする。このサンプリングによって撮像対象を減少させ
ることができるため、検査時間をより一層短縮すること
ができる。ちなみに、これらサンプリングに際して、ホ
ストコンピュータ36は最短距離で撮像することができ
るように異物の撮像の順番を指定することにより、検査
時間をより一層短縮させるとともに、検査効率を高め
る。
【0044】以上のようにして指定された撮像対象の異
物座標位置は、ホストコンピュータ36から比較部47
および検証部48に送信される。指定された異物5の座
標位置が散乱光検出器兼用撮像装置45Aの撮像位置す
なわち落射照明装置40の落射照明スポットに来ると、
比較部47は散乱光検出器兼用撮像装置45Aからの明
視野下の画像信号を取り込む。
【0045】その後、比較部47は隣接したチップ部4
の同一座標位置の画像信号を取り込む。次いで、比較部
47は先に取り込んだ異物5が付着しているはずの座標
位置の画像と、後に取り込んだ異物5が付着していない
チップ部4の画像とを比較することにより、異物画像6
を抽出する。
【0046】そして、比較部47は抽出した異物画像6
を検証部48に送信する。ホストコンピュータ36が指
定した異物5の座標位置について比較部47から異物画
像6が送信されて来た場合には、検証部48は異物判定
装置35の異物有りの判定は適正であることを検証す
る。これに反して、ホストコンピュータ36が指定した
異物座標位置について比較部47から異物画像6が送信
されて来なかった場合には、検証部48は異物判定装置
35の異物有りの判定は誤りであると認定する。誤判定
であると認定すると、検証部48はその旨をホストコン
ピュータ36に送信する。
【0047】また、抽出された異物画像6は分類部49
に転送される。分類部49は予め設定されたアルゴリズ
ムによって異物5のサイズ、形状、色、性状の一例であ
る有機物または無機物を分類する。分類された異物5の
分類結果は分類部49からホストコンピュータ36に送
信される。ホストコンピュータ36は分類部49からの
分類データおよび異物判定装置35からの異物5の座標
位置データや個数データおよび散乱光強度を使用するこ
とにより、各種分析資料を適宜に作成し、モニタやプリ
ンタ等の出力装置によって適時に出力する。作業者は出
力された各種分析資料によって、ICの製造プロセスを
的確かつ迅速に管理する。
【0048】図9は本発明の実施形態3である異物検査
装置を示す斜視図である。
【0049】本実施形態3に係る異物検査装置10Bが
前記実施形態1に係る異物検査装置10と異なる点は、
落射照明装置40および撮像装置45等による明視野撮
像ステージ50が専用的に設備されている点にある。
【0050】本実施形態3に係る異物検査装置10Bに
よる異物検査方法は前記実施形態2に係る異物検査方法
に準ずるので、詳細な説明は省略するが、本実施形態3
に係る異物検査装置10Bは明視野撮像ステージ50が
設備されているため、異物の検出および座標位置の特定
と異物画像の抽出とを併行処理することができ、全体と
しての検査時間を短縮することができる。
【0051】図10は本発明の実施形態4である異物検
査装置を示す斜視図である。
【0052】本実施形態4に係る異物検査装置10Cが
前記実施形態1に係る異物検査装置10と異なる点は、
撮像装置45がラインセンサからエリアセンサ45Bに
変更されている点にある。
【0053】本実施形態4に係る異物検査装置10Cに
よる異物検査方法は前記実施形態2に係る異物検査方法
に準じ、図7のフロー図に従って検査するので、詳細な
説明は省略する。
【0054】本実施形態4に係る異物検査装置10Cは
エリアセンサ型撮像装置45Bが設備されているため、
異物画像をステージ停止状態で撮像することができ、高
分解能の画像を容易に得ることができ、異物検査結果の
品質と信頼性を向上することができる。
【0055】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0056】例えば、暗視野下の散乱光検出による異物
位置の特定は、遮光素子によって実行するように構成す
るに限らず、繰り返しパターンにおける同一位置の検出
データを比較することによって実行するように構成して
もよい。その場合、比較用のデータは隣接するチップの
検出データであってもよいし、予め記憶された設計パタ
ーンデータや標準パターンデータであってもよい。
【0057】撮像装置としては、ラインセンサを使用し
た例ではラインセンサに限らず、エリアセンサや撮像管
等を使用することができる。
【0058】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野であるウエハ
の異物検査技術に適用した場合について説明したが、そ
れに限定されるものではなく、ホトマスクや液晶パネル
等の板状物における異物検査技術全般に適用することが
できる。
【0059】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次
の通りである。
【0060】異物検査装置によって異物の座標位置の他
に異物のサイズや形状、色、性状を特定することによ
り、作業者は製造プロセスを的確かつ迅速に管理するこ
とができるため、製造歩留りを高めることができる。
【0061】散乱光検出器に基づく異物判定部の判定を
明視野下の撮像装置に連なる検証部によって検証するこ
とにより、異物検査装置における検査精度を高めること
ができるため、前記効果とあいまって、異物検査装置の
品質および信頼性を高めることができる。
【0062】検査時間の長い外観検査装置や異物分析装
置を使用することなく、異物の座標位置の他に異物のサ
イズや形状、色、性状を特定することができるため、単
位面積当たり(ウエハ一枚当たり)の検査時間およびレ
ビュー時間を大幅に短縮することができる。その結果、
ロット全数検査を実現することができるとともに、作業
者は製造プロセスを的確かつ迅速に管理することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である異物検査装置を示す
斜視図である。
【図2】同じく異物検査方法を示すフロー図である。
【図3】異物画像の抽出作用を示しており、(a)は異
物が付着した状態の画像図、(b)は異物が付着しない
状態の画像図、(c)は抽出した異物画像図である。
【図4】分類作用を示す各説明図であり、(a)は異物
の縦横寸法の特定作用、(b)は異物サイズの特定作
用、(c)は円形の異物の特定作用、(d)は細長い異
物の特定作用をそれぞれ示している。
【図5】各種分析資料を示す各説明図であり、(a)は
異物サイズ別マップ、(b)は異物サイズ別ヒストグラ
ム、(c)は異物形状別マップ、(d)は異物形状別ヒ
ストグラム、(e)は検査結果時系列推移グラフであ
る。
【図6】本発明の実施形態2である異物検査装置を示す
斜視図である。
【図7】同じく異物検査方法を示すフロー図である。
【図8】その作用を説明するための説明図であり、
(a)はグルーピングを示しており、(b)はクラスタ
リングを示している。
【図9】本発明の実施形態3である異物検査装置を示す
斜視図である。
【図10】本発明の実施形態4である異物検査装置を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1…ウエハ(被検査物)、2…第1主面、3…オリフ
ラ、4…ペレット部、5…異物、6…異物画像、10、
10A、10B、10C…異物検査装置、11…ステー
ジ装置、12…XYテーブル、13…θテーブル、14
…コントローラ、20…検査光照射装置、21…レーザ
光(検査光)、22…レーザ光照射装置、23…集光レ
ンズ、30…散乱光検出装置、31…散乱光、32…対
物レンズ、33…リレーレンズ、34…散乱光検出器、
35…異物判定装置、36…ホストコンピュータ、40
…落射照明装置、41…白色光(明視野照明光)、42
…白色光照射装置、43…ハーフミラー、44…レン
ズ、45…撮像装置、45A…散乱光検出器兼用撮像装
置、45B…エリアセンサ型撮像装置、46…画像処理
部、47…比較部、48…検証部、49…分類部、50
…明視野撮像ステージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井古田 まさみ 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 井上 裕子 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 渡邊 哲也 東京都渋谷区東3丁目16番3号 日立電子 エンジニアリング株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査光照射装置によって被検査物を斜方
    照明し、暗視野下の被検査物における検査光の散乱光を
    散乱光検出器によって検出することにより、異物を検査
    する異物検査方法において、 前記散乱光検出器の検出に基づいて特定された異物の座
    標位置を同一装置内に配置した明視野照明下で撮像し、
    この撮像に基づいて抽出した異物画像によって少なくと
    も異物のサイズ、形状、色、性状のいずれか一つを特定
    することを特徴とする異物検査方法。
  2. 【請求項2】 前記散乱光検出器の検出に基づいて特定
    された異物の座標位置とこれに対応する他の位置とを明
    視野照明下でそれぞれ撮像し、この双方の画像を比較す
    ることにより、前記異物画像を抽出することを特徴とす
    る請求項1に記載の異物検査方法。
  3. 【請求項3】 前記異物画像の有無により、前記散乱光
    検出器の検出に基づく異物の座標位置の特定に対する適
    否を検証することを特徴とする請求項1または2に記載
    の異物検査方法。
  4. 【請求項4】 前記異物画像の縦横寸法を用いて異物サ
    イズを特定することを特徴とする請求項1、2または3
    に記載の異物検査方法。
  5. 【請求項5】 前記異物画像の縦横寸法を用いて異物の
    形状を特定することを特徴とする請求項1、2、3また
    は4に記載の異物検査方法。
  6. 【請求項6】 前記異物画像の色要素および階調によっ
    て異物の色を特定することを特徴とする請求項1、2、
    3、4または5に記載の異物検査方法。
  7. 【請求項7】 前記異物画像により特定した異物の大き
    さ、形状と、前記散乱光検出器により検出された異物の
    散乱光信号を用いることによって異物の性状を特定する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に
    記載の異物検査方法。
  8. 【請求項8】 検査光照射装置によって被検査物を斜方
    照明し、暗視野下の被検査物における検査光の散乱光を
    散乱光検出器によって検出することにより、異物を検査
    する異物検査装置において、 前記散乱光検出器の検出に基づいて特定された異物の座
    標位置を同一装置内に配置した明視野照明下で撮像装置
    によって撮像し、この撮像装置の画像に基づいて抽出し
    た異物画像によって少なくとも異物のサイズ、形状、
    色、性状のいずれか一つを特定することを特徴とする異
    物検査装置。
  9. 【請求項9】 前記撮像装置が前記散乱光検出器と兼用
    に構成されていることを特徴とする請求項8に記載の異
    物検査装置。
  10. 【請求項10】 前記明視野照明および前記撮像のステ
    ージが、前記斜方照明および前記散乱光検出のステージ
    とは別に配設されていることを特徴とする請求項8に記
    載の異物検査装置。
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