JPH1096607A - 物体検出装置および平面推定方法 - Google Patents

物体検出装置および平面推定方法

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JPH1096607A
JPH1096607A JP8253423A JP25342396A JPH1096607A JP H1096607 A JPH1096607 A JP H1096607A JP 8253423 A JP8253423 A JP 8253423A JP 25342396 A JP25342396 A JP 25342396A JP H1096607 A JPH1096607 A JP H1096607A
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JP
Japan
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plane
straight line
parallax
image
planar
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Application number
JP8253423A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Domoto
泰之 道本
Masato Nishizawa
眞人 西澤
Katsumasa Onda
勝政 恩田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面物体以外の物体に影響されずに、平面物
体の3次元的位置を正確に推定することによって、物体
検出の精度を向上させる。 【解決手段】 複数の撮像装置1,2によって撮影した
ステレオ画像を用いて、対応付け処理部5によって撮影
された物体の3次元データの一種である視差データを獲
得する。処理の開始時には視差データを平面推定部50に
入力し、部分的に計測されている視差データから、ハフ
変換を利用して道路や床などの平面物体の位置を推定す
る。処理の開始時以降には、推定された平面物体の位置
を基準として視差変化検出部8により、新たに平面物体
上に置かれた物体を検出する。また、処理開始時刻以降
の時刻では対応付け処理部5に既に推定されている平面
物体の位置情報を入力し、この位置情報を利用して視差
等の3次元データの計測範囲を限定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、監視,計測などに
適用されるステレオ画像処理を用いた物体検出装置、お
よび平面推定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の物体検出装置は図11のフローチャ
ートに示すような動作機能を備えているものである。そ
の動作の流れを図11に基づいて以下に説明する。
【0003】図11において、1,2は光軸が平行になる
ように配置された左右2台の撮像装置、3,4は各撮像
装置1,2からの画像データを格納する画像メモリ、5
は後述するように視差の計測を行う対応付け処理部、6
は対応付け処理部5からの視差画像データを格納する視
差画像メモリ、7は処理開始時の視差画像データを格納
する初期視差画像メモリ、8は、視差画像メモリ6と初
期視差画像メモリ7とに格納されている視差画像データ
に基づき、後述するように画像中の物体の存否を判断す
る視差変化検出部、9は視差変化検出部8により検出さ
れた物体の画像データを格納する物体検出画像メモリで
ある。
【0004】前記装置においては、光軸が平行になるよ
うに配置された左右2台の撮像装置1,2によって撮影
された画像のうち、左画像を基準とする。左画像を図12
のように水平方向Mと垂直方向Nとの矩形領域に分割
し、対応付け処理部5によって両画像における同一物体
の像位置のズレすなわち視差を計測する。視差とは物体
までの距離に反比例するものである。
【0005】ステレオ画像処理法と対応付け方法の一例
として、実吉敬二 他著「3次元画像認識技術を用いた
運転支援システム」(自動車技術学会 学術講演会前刷
集9241992−10)に記載の方法を用いて説明する。
【0006】以下では、図12(a)における左画像におけ
る矩形領域をブロック11ということにし、図12(b)に示
すように、1ブロックあたりm×n個の画素で構成され
ている。ブロック11内部におけるi番目の画素の明るさ
をLiとする。
【0007】また、図13において、右画像20にも前記と
同様にm×n画素の矩形領域22を設定し、矩形領域22内
部におけるi番目の画素の明るさをRiとする。
【0008】これら左右画像間の矩形領域の類似度評価
値Cは(数1)で与えられる。
【0009】
【数1】
【0010】対応領域が存在する可能性のある右画像20
中の視差探索範囲21において、矩形領域22を水平方向に
1画素ずつ移動させて類似度評価値Cを計算し、この値
が最小になる領域を対応領域とする。この方法では、対
応領域を左画像におけるブロック11ごとに決定すること
ができ、また対応領域が決まれば、その対応領域の座標
位置から即座に(数2)を用いて視差Sを求めることがで
きる。
【0011】
【数2】S=X−XR 但し、XRは右画像における矩形領域のX座標 Xは左画像における矩形領域のX座標 基準とする左画像においてブロック11ごとに得られた視
差Sから、一般的に知られる下記の公式(数3)を用いて
物体までの距離Kを求めることもできる。
【0012】
【数3】
【0013】但し、2a:左右カメラ間距離 f :レンズ焦点距離 各ブロック11の位置ごとの視差を区別するため、各ブロ
ック11ごとに計測される物体までの視差を(数4)のよう
に、
【0014】
【数4】視差:S(X,Y) 1≦X≦M, 1≦Y≦N と表記し、視差情報を持った画像を視差画像ということ
にする。特に、処理開始時刻tstartの視差画像を初期
視差画像と呼び、時刻t(t>tstart)の場合と区別す
る。初期視差画像が初期視差画像メモリ7に記憶される
ことになり、また現時刻の視差画像が視差画像メモリ6
に記憶される。
【0015】視差変化検出部8では、時刻t(現在)の視
差画像と時刻tstart(過去)の初期視差画像中の同一ブ
ロック間で視差を比較して、一定閾値以上の視差の変化
が生じている矩形領域には新たな物体の存在、あるいは
消失したものと判断する。
【0016】次に図14に基づいてハフ変換について説明
する。x−y平面上の直線30において、座標原点からお
ろした垂線31の長さをρ0、垂線31がx軸となす角度を
θ0とすると直線30は(数5)のように示される。
【0017】
【数5】ρ0=xcosθ0+ysinθ0 そして、x−y平面上の点列(xi,yi){i=0,1,
2}に対して(数6)で求める、
【0018】
【数6】ρ=xicosθ0+yisinθ0 をρ−θ平面上で表すと図14のように合成3角関数とな
る。この正弦曲線をハフ曲線ということにする。このハ
フ曲線は点(xi,yi)を通るすべての直線を示してい
る。x−y平面上の点列(xi,yi)が直線上にある場
合、点列(xi,yi){i=0,1,2}を順次ρ−θ平面
でのハフ曲線にすると、図15のようにハフ曲線が1点35
で交差するようになる。最も多くの曲線が交差する点35
0,θ0)でx−y平面における直線30((数5)に示さ
れる)が決定される。
【0019】以上の操作をハフ変換による直線当てはめ
という。ハフ変換による直線当てはめは、データ点列の
大局的状況を把握する直線検出法であるため、直線上に
はない点が混在していても、この影響を受けず直線検出
が行える。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の物体検出装
置において、検出判断の基準となる道路,床,壁等の比
較的大きい平面物体に対する3次元空間での位置を正確
に推定することが望まれている。
【0021】そこで、本発明では平面の位置推定を行う
際に、大局的直線近似手法であるハフ変換を用いること
により、平面物体以外の物体に影響されずに平面物体の
3次元位置を正確に推定することを第1の目的とする。
【0022】また、従来の物体検出装置は対応付け処理
部では、左右画像間の矩形領域を対応付ける際に、前記
類似度評価値Cが最小となる位置を対応領域としていた
が、平面上の矩形領域の中には特徴が少ないために類似
度評価値Cの最小点が明確に得られず、そのため視差デ
ータが求められない場合がある。
【0023】このことは、初期視差画像と現在時刻の視
差画像中の視差データが、ほとんどすべて得られている
ことを前提としている前記従来の物体検出装置では正確
な検出が行えないことになる。
【0024】そこで、本発明では平面物体の位置を推定
し、同一平面内の未確定の視差データを演算で補間し、
物体の検出を精度良く行えるようにすることを第2の目
的とする。
【0025】また、従来の対応付け処理において、図16
に示すように、視差の距離計測範囲40は撮像装置である
カメラ42から最も遠い物体と最も近い物体に合わせて設
定されており、画像中の位置によらず同一であった。し
かし、検出すべき物体はほとんどの場合、道路,床,壁
等の平面物体41よりもカメラ42側に存在し、しかも平面
物体41はカメラ42の光軸Lに対して直角以外の角度をと
る場合がほとんどであるので、これまでの手法では距離
計測すべき物体のない無駄な範囲についても視差を探索
していたため演算量が大きいといえる。
【0026】そこで、本発明では推定された平面の位置
情報をもとに視差の探索範囲を画像のブロック位置によ
って最適化し、対応付けの演算量を削減することを第3
の目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の物体検出装置は、所定間隔で配置した複数
の撮像手段と、これらの撮像手段から出力される複数画
像を用いて3角測量の原理に基づき物体の3次元データ
を計測する対応付け処理部と、計測された3次元データ
に対してハフ変換処理を行うことにより平面物体の3次
元空間内における位置を推定する平面位置推定部とを備
えたものであり、この構成により、計測できた3次元デ
ータを基に画像中において大部分を占める道路,床,壁
等の平面物体の位置をハフ変換処理によって大局的に推
定することによって、平面物体以外の物体のもつ3次元
データに影響を与えず、平面物体の位置を精度よく推定
することができる。
【0028】また、前記物体検出装置において、前記平
面位置推定部が、画像中の平面物体の3次元空間内にお
ける位置を推定すると共に、同一平面内で3次元データ
が得られなかった矩形領域の3次元データを、すでに推
定した平面物体の位置から計算して補間し、撮像手段を
基準として平面物体とは異なる位置にある物体を検出す
るように構成したことにより、道路,床,壁等の平面物
体の位置を推定し、同一平面内の未計測の3次元データ
を推定した平面の位置から演算によって補間することに
よって、視差データが未計測であることによる検出漏れ
を防ぐことができる。この結果、平面物体とは離れた位
置にある物体を検出する場合の検出精度を向上すること
ができる。
【0029】また、前記物体検出装置において、前記平
面位置推定部が画像中の平面物体の3次元空間内におけ
る位置を推定し、撮像手段を基準として平面物体より遠
方にある物体については、前記対応付け処理部による3
次元データの計測を行わないように構成したことによ
り、撮像装置からみて推定した道路,床,壁等の平面よ
り遠方については3次元データの計測を行わないように
することで対応付け処理の演算量を削減することができ
る。
【0030】さらに、本発明の平面推定方法は、所定間
隔で配置された複数の撮像手段から出力される複数画像
を用いて、画像を水平方向と垂直方向とに分割して得ら
れる矩形小領域ごとに3次元データを求め、前記矩形小
領域を水平方向にグループ化した大領域ごとに、大領域
中に含まれる複数の3次元データからハフ変換により平
面通過直線を当てはめ、前記の演算処理をすべての前記
大領域に対して行うことによって3次元空間に存在する
平面物体の位置を推定する方法であり、この方法によ
り、平面内を通過する平面通過直線を近似する際にはハ
フ変換処理を用いるため、平面物体以外の物体に影響さ
れずに平面位置を大局的に推定することができる。
【0031】また、前記平面推定方法において、大領域
ごとに当てはめられた前記平面通過直線の直線パラメー
タの1つである直線の傾きを用い、各平面通過直線の合
計本数の傾きを大きさでソートすることによって傾きの
中央値を求め、すべての平面通過直線の傾きを前記中央
値で置き換えることによって得られる、傾きが補正され
た平面通過直線を用いて、3次元空間に存在する平面物
体の位置を推定することにより、直線パラメータの1つ
である傾きは本来すべての平面通過直線で同一となるべ
きであることから、各平面通過直線の傾きを最も信頼性
の高い傾きに置き換えることによって、全平面通過直線
の傾きに関する信頼性を向上することができる。
【0032】また、前記平面推定方法において、前記傾
きが補正された平面通過直線における直線パラメータで
ある原点からの距離を用い、ハフ変換により距離補正直
線を当てはめ、この距離補正直線に交わるように傾きが
補正された直線を平行移動することによって得られる直
線群を用いて、3次元空間に存在する平面物体の位置を
推定することにより、平面通過直線が同一平面内にある
べきであるという条件を用いて、各平面通過直線が有す
るもう1つの直線パラメータである原点からの距離に対
して、ハフ変換を行うことによって距離補正直線を獲得
して、各平面通過直線が距離補正直線に交わるように各
平面通過直線の原点からの距離を補正するので、各平面
通過直線の原点からの距離に関する信頼性を向上するこ
とができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面に基づき説明する。なお、図11〜図16におい
て説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳
しい説明は省略する。
【0034】図1は本発明の一実施形態を説明するため
の物体検出装置の構成を示すブロック図であり、撮像装
置1,2のうち左画像を水平方向M、垂直方向Nのブロ
ック分割し、対応付け処理部5で各ブロックごとに物体
の3次元データとして視差S(X,Y)を獲得し、平面推
定部50では計測した視差を用いて平面位置を推定する。
視差変化検出部8は、処理開始時刻tstartにおける初
期視差画像メモリ7に画像データとして記憶されている
視差画像に対して、時刻t(t>tstart)における視差
画像メモリ6に画像データとして記憶されている視差画
像中の視差が、閾値TH以上変化したブロックを抽出
し、このブロックが示す位置に新たな物体が存在すると
判断するものである。
【0035】以上のように構成された物体検出装置の動
作を図1を参照して説明する。時刻tstartを処理の開
始時刻とし、時刻tstartに画像が入力される場合と、
時刻t(t>tstart)に画像が入力される場合に分けて
動作説明する。
【0036】まず時刻tstartに撮像された画像は、対
応付け処理部5により左右画像間で対応付けが行われ、
画像上の位置のズレ情報すなわち視差Sを出力する。視
差とは3次元データの一種である。左画像メモリ3に記
憶されている左画像を分割してできる各ブロックごとの
視差S(X,Y)は平面推定部50に入力され、計測された
視差を用いて実空間上の平面の位置を推定する。平面推
定部50から出力されるのは各ブロックに視差S(X,Y)
が格納された初期視差画像である。
【0037】次に時刻t(t>tstart)の場合の処理の
流れについて説明する。対応付け処理部5までの動作は
前記した時刻tstartの場合と同じである。視差変化検
出部8では時刻tstartの初期視差画像と時刻t(t>t
start)の視差画像の各ブロックごとの視差S(X,Y)を
比較し、閾値TH以上の視差変化を検出する。時間的に
視差が変化するということは、物体の出入りがあったと
いうことになるため、視差に変化のあったブロックはマ
ーキングする等して物体検出画像として物体検出画像メ
モリ9へ出力されて格納される。
【0038】以下に基準画像とした左画像を水平方向M
個と垂直方向N個とのブロックに分割し、視差が決定で
きたブロックでは3次元データである視差データS
(X,Y)が得られているものとして、平面推定方式に
ついて説明する。
【0039】図2は平面推定を行うため動作に係るフロ
ーチャートであり、まず、ステップ(S1)において、
次のような平面通過直線の当てはめが行われる。
【0040】ここでは図12に示すように、説明の便宜
上、ブロックを(数7)のように表記する。
【0041】
【数7】 ブロック:BL(X,Y)、1≦X≦M、1≦Y≦N また、平面推定方式の説明においては、インデックス
X,Yに視差データS(X,Y)を加えた図3のような3
次元のS−X−Y基準座標系を用いる。
【0042】図12中、太線で囲まれた領域12はブロック
BL(X,Y)のインデックスYを固定し、インデックス
Xのみを変化させることによって生成される領域であ
る。この領域12をGLと呼び、各GLを(数8)のように
表記する。
【0043】
【数8】領域:GL(Y)、1≦Y≦N GL中には最大でM個の視差データSが含まれる。GL
中に含まれる各ブロックごとに図4のように縦軸をブロ
ックの視差データS(X,Y)、横軸をブロックのインデ
ックスXとして視差データSをプロットする。平面通過
直線を当てはめる際に、インデックスYは固定してある
ので、S−X−Y基準座標空間上の点をS−X平面に投
写して説明する。プロットした各点(S(X,Y),X)に
対応する1本のハフ曲線が得られる。各点(S(X,
Y),X)すべてに対応するハフ曲線をρ−θ平面にプロ
ットすると図5のようになる。
【0044】
【数9】 ρ=Xcosθ+S(X,Y)sinθ、θstart≦θ≦θ
end ρ−θ平面においてハフ曲線が最も多く交差する点(ρ
K(Y)、θK(Y))と(数9)からS−X平面での直線70が
(数10)のように決定される。
【0045】
【数10】
【0046】ρ−θ平面において、ハフ曲線が最も多く
交差する点を検索する方法として、ρ−θ平面上の各点
を図5のように2次元配列HG(ρj,θj)とみなし、点
j,θj)をハフ曲線が通過するごとに2次元配列HG
j,θj)をインクリメントする。これにより最も度数
の大きい2次元配列HG(ρj,θj)を探索することによ
って、ハフ曲線が最も多く通過するρ−θ平面上の点
K(Y)、θK(Y))が求められる。
【0047】すべての領域GL(Y)、1≦Y≦Nに含ま
れる視差データについて同様の処理を行い、合計N本の
平面通過直線を得る。各平面通過直線をS−X−Y基準
座標で示すと、図6のようになる。垂線の傾きθK(Y)
やY軸からの距離ρK(Y)にそれぞれ誤分θE(Y)、ρ
E(Y)が含まれるので、それぞれの信頼性の高い値θR
ρR(Y)に対して(数11)のようになる。
【0048】
【数11】θK(Y)=θR+θE(Y)、 ρK(Y)=ρR(Y)+ρE(Y) そのため、ここまでの処理では平面通過直線は必ずしも
同一平面内にはないが、以降の処理で補正する。
【0049】平面通過直線の傾き補正(ステップ(S2))
の説明。
【0050】すなわち、平面通過直線群がすべて同一平
面内にあるとすれば、すべての平面通過直線のY軸への
垂線とX軸がなす角θK(Y)は同じになるはずである。
そこで各平面通過直線のX軸からの傾きとして置き換え
る。これにより、各平面通過直線がもつ垂線のX軸から
の傾きを、より信頼性の高い傾きθRで統一することが
できる。
【0051】この操作を式で示すと、(数12)のように垂
線のX軸からの傾きθK(Y)には各平面通過直線ごとに
それぞれ誤差成分が含まれていたが、前記した処理によ
り(数13)のようにすべての平面通過直線の傾きから誤差
成分θE(Y)を除去できるとともに、最も信頼性の高い
傾きθRに置き換えることができる。
【0052】
【数12】
【0053】
【数13】
【0054】この操作により、平面のY軸回りの傾きと
は異なる傾きを示していた平面通過直線を、傾きについ
ては補正することができる。現ステップでの各平面通過
直線をS−X−Y基準座標で示すと図7のように、すべ
ての平面通過直線の傾きが同一になっている。
【0055】平面通過直線の距離補正(ステップ(S3))
の説明。
【0056】3次元空間上に2つの平面があるとし、互
いの平面が平行ではない場合、2つの平面が交わる部分
は直線になるはずである。このことを利用して図8に示
した推定する平面物体100とY−ρK平面102が交わる直
線103をハフ変換を用いて当てはめる。なおρK軸はX軸
に対してθR傾いた軸である。
【0057】各平面通過直線のY軸からの距離、すなわ
ちρK(Y)を、図9のようにY−ρK平面にプロットす
る。Y−ρK平面102上でプロットした点(Y,ρK(Y))
に(数14)を用いてハフ変換を施す。
【0058】
【数14】 ρ′=Ycosθ′+ρK(Y)sinθ′、θstart≦θ′≦θ′end ρ′−θ′平面でハフ曲線が最も多く交差した点
(ρ′S,θ′S)を得て、(数9)により図9の直線110を
当てはめる。この直線110は各平面直線の最もふさわし
いと思われるY軸からの距離を示すことから、距離補正
直線と呼ぶことにする。距離補正直線110は、S−X−
Y座標において図8中の距離補正直線103のように存在
する。また、この距離補正直線103は(数15)のように示
される。
【0059】
【数15】
【0060】距離補正直線110を利用して各平面通過直
線のY軸からの距離を最適値ρR(Y)に補正すると(数1
5)は(数16)となり、
【0061】
【数16】
【0062】完全に誤差成分が除去される。各平面通過
直線をS−X−Y基準座標で示すと図10に示すとおりす
べて同一平面図上に存在するようになる。
【0063】平面の確定(ステップ(S4))の説明。
【0064】以上のフェーズによって各平面通過直線が
すべて同一平面内に存在するようになり、平面は平面通
過直線群で近似される。平面上の視差データS(X,Y)
が未決定であれば、GL(Y)に対応する平面通過直線
(数16)を用いて補間することができる。
【0065】ところで、推定されている平面物体は、道
路や床、壁など物理的にそれより遠距離は撮像できない
ものであり、そのため平面物体より遠距離に存在する見
えない物体に対して対応付け処理を行っても無駄であ
る。
【0066】これに対応するため、前記した時刻t
startにおいて、視差の計測範囲の最大値dmaxと最小値
minとを物体までの距離に応じた適当な値に設定して
おき、最大値dmaxと最小値dminとの間で視差を探索す
るようにする(ここで、視差の最大値dmaxと最小値d
minの間を視差の探索範囲と呼ぶ)。そして、時刻t(t
>tstart)においてtstartで推定した平面物体の位置
と視差を基に、各ブロックごとに最大値dmaxと最小値
minの最適化を行うようにすることが考えられる。
【0067】そして、対応付け処理において、視差の探
索範囲の最小値dminを平面物体の視差とする。言い換
えれば距離計測範囲の最大値dmaxを平面物体までの距
離と最適化し、時刻t(t>tstart)の最適化された視
差探索範囲において対応付け処理を行うようにする。
【0068】従来、視差の探索範囲は撮影した実空間に
おいて、計測したい物体までの距離の最大値と最小値か
ら設定されており、画像のすべてのブロックで一様であ
った。しかし本発明によれば、図16のようなカメラ42と
平面物体41の位置関係の場合、カメラ42を基準として推
定した平面物体41より奥の物体に対しては距離計測を行
わないようにすることになるため、演算量が大幅に削減
できる効果がある。
【0069】なお、本実施形態においては、3次元デー
タとして物体の視差を用いた例を説明したが、物体まで
の距離に置き換えても同様に行うことができる。
【0070】前記したように本実施形態によって説明し
た物体検出装置および平面推定方法は、計測できた視差
データからハフ変換処理を用いて平面物体の位置を推定
するものである。
【0071】したがって、大局的直線近似手法であるハ
フ変換を用いることにより、平面物体以外の物体に影響
されずに、平面物体の3次元位置を正確に推定すること
ができる。
【0072】また、同一平面内の未確定の視差データを
推定した平面の位置から演算で補間することにより、物
体の検出を精度よく行えるようにすることができる。
【0073】また、推定された平面の位置情報を基に視
差の探索範囲を画像の位置によって最適化するため、対
応付けの演算量を削減することができる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る物体
検出装置および平面推定方法によれば、ハフ変換処理に
よって大局的かつ精度よく道路,床などの平面物体の3
次元空間での位置が推定できる。
【0075】また、推定された平面物体の位置から、未
計測の領域の視差データを推定することができるため、
平面物体の位置を比較基準とした物体検出が精度よく行
えるようになる。
【0076】また、平面物体の位置を利用して対応付け
処理の視差探索範囲を最適化することができるため、演
算量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る物体検出装置および平面推定方法
の一実施形態を説明するための物体認識装置の構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における平面推定の処理のフ
ローチャートである。
【図3】本発明の実施形態における基準とする3次元座
標系を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施形態における平面通過直線の当て
はめを説明する説明図である。
【図5】本発明の実施形態におけるハフ変換による直線
近似を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施形態における平面推定方式の処理
過程(図2のステップS1)の結果を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態における平面推定方式の処理
過程(図2のステップS2)の結果を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態における距離補正直線を示す
説明図である。
【図9】本発明の実施形態における距離補正直線の当て
はめの状態を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態における平面推定方式の処
理過程(図2のステップS3)の結果を示す説明図であ
る。
【図11】従来の物体認識装置の構成を示すブロック図
である。
【図12】基準とする左画像内のブロック配置を示すた
めの説明図である。
【図13】従来の技術における右画像の視差探索範囲を
示す説明図である。
【図14】従来の技術におけるハフ変換に用いる直線パ
ラメータを説明する説明図である。
【図15】従来の技術におけるハフ変換を説明する説明
図である。
【図16】撮像装置と平面物体の一般的な位置関係を示
す説明図である。
【符号の説明】
1,2…撮像装置、 3,4…画像メモリ、 5…対応
付け処理部、 6…視差画像メモリ、 7…初期視差画
像メモリ、 8…視差変化検出部、 9…物体検出画像
メモリ、 50…平面推定部、 60,81,91,100,121…
平面物体、 82,92,122…平面通過直線、 102…Y−
ρK平面、 103,110…距離補正直線。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔で配置した複数の撮像手段と、
    これらの撮像手段から出力される複数画像を用いて3角
    測量の原理に基づき物体の3次元データを計測する対応
    付け処理部と、計測された3次元データに対してハフ変
    換処理を行うことにより平面物体の3次元空間内におけ
    る位置を推定する平面位置推定部とを備えたことを特徴
    とする物体検出装置。
  2. 【請求項2】 前記平面位置推定部が、画像中の平面物
    体の3次元空間内における位置を推定すると共に、同一
    平面内で3次元データが得られなかった矩形領域の3次
    元データを、すでに推定した平面物体の位置から計算し
    て補間し、撮像手段を基準として平面物体とは異なる位
    置にある物体を検出するように構成したことを特徴とす
    る請求項1記載の物体検出装置。
  3. 【請求項3】 前記平面位置推定部が画像中の平面物体
    の3次元空間内における位置を推定し、撮像手段を基準
    として平面物体より遠方にある物体については、前記対
    応付け処理部による3次元データの計測を行わないよう
    に構成したことを特徴とする請求項1記載の物体検出装
    置。
  4. 【請求項4】 所定間隔で配置された複数の撮像手段か
    ら出力される複数画像を用いて、画像を水平方向と垂直
    方向とに分割して得られる矩形小領域ごとに3次元デー
    タを求め、前記矩形小領域を水平方向にグループ化した
    大領域ごとに、大領域中に含まれる複数の3次元データ
    からハフ変換により平面通過直線を当てはめ、前記の演
    算処理をすべての前記大領域に対して行うことによって
    3次元空間に存在する平面物体の位置を推定することを
    特徴とする平面推定方法。
  5. 【請求項5】 前記大領域ごとに当てはめられた前記平
    面通過直線の直線パラメータの1つである直線の傾きを
    用い、各平面通過直線の合計本数の傾きを大きさでソー
    トすることによって傾きの中央値を求め、すべての平面
    通過直線の傾きを前記中央値で置き換えることによって
    得られる、傾きが補正された平面通過直線を用いて、3
    次元空間に存在する平面物体の位置を推定することを特
    徴とする請求項4記載の平面推定方法。
  6. 【請求項6】 前記傾きが補正された平面通過直線にお
    ける直線パラメータである原点からの距離を用い、ハフ
    変換により距離補正直線を当てはめ、この距離補正直線
    に交わるように傾きが補正された直線を平行移動するこ
    とによって得られる直線群を用いて、3次元空間に存在
    する平面物体の位置を推定することを特徴とする請求項
    4または5記載の平面推定方法。
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