JPH10251014A - アルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオンの除去方法 - Google Patents
アルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオンの除去方法Info
- Publication number
- JPH10251014A JPH10251014A JP7042797A JP7042797A JPH10251014A JP H10251014 A JPH10251014 A JP H10251014A JP 7042797 A JP7042797 A JP 7042797A JP 7042797 A JP7042797 A JP 7042797A JP H10251014 A JPH10251014 A JP H10251014A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sulfate ions
- adsorbent
- zirconium hydroxide
- reaction
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01D—COMPOUNDS OF ALKALI METALS, i.e. LITHIUM, SODIUM, POTASSIUM, RUBIDIUM, CAESIUM, OR FRANCIUM
- C01D3/00—Halides of sodium, potassium or alkali metals in general
- C01D3/14—Purification
- C01D3/16—Purification by precipitation or adsorption
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Water Treatment By Sorption (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Removal Of Specific Substances (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 スラリー状態への劣化がなく、固液分離のた
めの特別な濾過装置や保全作業が不要で容易に再利用で
き、且つ設備費の安価なアルカリ金属塩水物水溶液中の
硫酸イオンの除去方法を提供する。 【解決手段】 粒子径0.1〜3mmの水酸化ジルコニウ
ムを吸着剤として使用するとともに、水酸化ジルコニウ
ムを固定床方式で使用する。
めの特別な濾過装置や保全作業が不要で容易に再利用で
き、且つ設備費の安価なアルカリ金属塩水物水溶液中の
硫酸イオンの除去方法を提供する。 【解決手段】 粒子径0.1〜3mmの水酸化ジルコニウ
ムを吸着剤として使用するとともに、水酸化ジルコニウ
ムを固定床方式で使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ金属塩化
物水溶液中の硫酸イオンの除去方法に関し、更に詳しく
は、水酸化ジルコニウムを用いアルカリ金属塩化物水溶
液から硫酸イオンを経済的に且つ効率よく除去する方法
に関する。本発明は、特にイオン交換膜法食塩電解にお
ける塩水中の不純物である硫酸イオンの除去に極めて好
適に適用できるものである。
物水溶液中の硫酸イオンの除去方法に関し、更に詳しく
は、水酸化ジルコニウムを用いアルカリ金属塩化物水溶
液から硫酸イオンを経済的に且つ効率よく除去する方法
に関する。本発明は、特にイオン交換膜法食塩電解にお
ける塩水中の不純物である硫酸イオンの除去に極めて好
適に適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ金属塩化物水溶液から硫酸イオ
ンを除去する方法については、バリウム塩法等がある
が、原料が有毒且つ高価である、固形の産業廃棄物処理
及びコストアップとなる等の問題のために、これに代わ
る方法が種々検討されている。例えば、水酸化ジルコニ
ウムを使用して、酸性で吸着しアルカリ性で脱着する方
法が提案され、また実用化もされている(特公平6−2
1032)。この方法は粒子径1〜20μm、含水率3
〜40重量%の水酸化ジルコニウムをスラリー状態で酸
性硫酸イオン含有塩水、アルカリ性水と順次接触させる
方法であり、少量の吸着剤で極めて経済的かつ効果的に
硫酸イオンを除去することができる。また、重合状ジル
コニウム含水酸化物を担持したマクロポーラスな陽イオ
ン交換樹脂を使用して、酸性で吸着し、アルカリ性で脱
着する方法も提案されている(特開昭60−4403
6)。
ンを除去する方法については、バリウム塩法等がある
が、原料が有毒且つ高価である、固形の産業廃棄物処理
及びコストアップとなる等の問題のために、これに代わ
る方法が種々検討されている。例えば、水酸化ジルコニ
ウムを使用して、酸性で吸着しアルカリ性で脱着する方
法が提案され、また実用化もされている(特公平6−2
1032)。この方法は粒子径1〜20μm、含水率3
〜40重量%の水酸化ジルコニウムをスラリー状態で酸
性硫酸イオン含有塩水、アルカリ性水と順次接触させる
方法であり、少量の吸着剤で極めて経済的かつ効果的に
硫酸イオンを除去することができる。また、重合状ジル
コニウム含水酸化物を担持したマクロポーラスな陽イオ
ン交換樹脂を使用して、酸性で吸着し、アルカリ性で脱
着する方法も提案されている(特開昭60−4403
6)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、特公平6
−21032号で提案されている方法は、粒子径1〜2
0μmという微細な水酸化ジルコニウムを用いるため、
塩水処理後の固液分離のために目の細かい濾布を用いた
特別な濾過装置を使用するので濾布交換等の保全作業が
必要であり、また設備が高価となるという問題があっ
た。また、特開昭60−44056号で提案されている
方法は、重合状ジルコニウム含水酸化物を担持したマク
ロポーラスな陽イオン交換樹脂の硫酸イオン吸着容量が
20g/リットル−陽イオン交換樹脂未満と低く、また
設備が大型となるという問題があった。
−21032号で提案されている方法は、粒子径1〜2
0μmという微細な水酸化ジルコニウムを用いるため、
塩水処理後の固液分離のために目の細かい濾布を用いた
特別な濾過装置を使用するので濾布交換等の保全作業が
必要であり、また設備が高価となるという問題があっ
た。また、特開昭60−44056号で提案されている
方法は、重合状ジルコニウム含水酸化物を担持したマク
ロポーラスな陽イオン交換樹脂の硫酸イオン吸着容量が
20g/リットル−陽イオン交換樹脂未満と低く、また
設備が大型となるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決せんとして鋭意研究を重ねた結果、粒子径0.1〜
3mmの水酸化ジルコニウムを実質的に流動・攪拌を行わ
ない固定状態で吸着剤として使用する方法を見出し、本
発明に到達した。すなわち、本発明は、水酸化ジルコニ
ウムを用いてアルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオン
を吸着除去するに際し、粒子径0.1〜3mmの水酸化ジ
ルコニウムを吸着剤として使用するとともに、水酸化ジ
ルコニウムを固定床方式で使用することを特徴とする硫
酸イオンの除去方法を内容とする。また、本発明の好ま
しい態様においては、アルカリ金属塩化物水溶液中から
硫酸イオンを吸着除去させる吸着工程におけるアルカリ
金属塩化物水溶液のpHを1〜3及び反応空間速度SV
を3〜30Hr-1の範囲に制御し、吸着剤に吸着された硫
酸イオンを吸着剤から脱離させる脱着工程におけるアル
カリ水のpHを10〜13及び反応空間速度SVを3〜
30Hr-1の範囲に制御する。
解決せんとして鋭意研究を重ねた結果、粒子径0.1〜
3mmの水酸化ジルコニウムを実質的に流動・攪拌を行わ
ない固定状態で吸着剤として使用する方法を見出し、本
発明に到達した。すなわち、本発明は、水酸化ジルコニ
ウムを用いてアルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオン
を吸着除去するに際し、粒子径0.1〜3mmの水酸化ジ
ルコニウムを吸着剤として使用するとともに、水酸化ジ
ルコニウムを固定床方式で使用することを特徴とする硫
酸イオンの除去方法を内容とする。また、本発明の好ま
しい態様においては、アルカリ金属塩化物水溶液中から
硫酸イオンを吸着除去させる吸着工程におけるアルカリ
金属塩化物水溶液のpHを1〜3及び反応空間速度SV
を3〜30Hr-1の範囲に制御し、吸着剤に吸着された硫
酸イオンを吸着剤から脱離させる脱着工程におけるアル
カリ水のpHを10〜13及び反応空間速度SVを3〜
30Hr-1の範囲に制御する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づいて説明す
る。図1は、本発明の実施態様の一例を示すものであ
る。同図において、1は耐酸耐アルカリ性の反応塔であ
り、例えばゴムライニング容器である。反応塔1の中に
は硫酸イオン吸着剤である粒状の水酸化ジルコニウムが
投入されている。硫酸イオンを含んだ塩水4をpH調整
槽2に加えて塩酸5により所定の酸性pHに調節した
後、反応塔1に所定の流速で導入し吸着反応をワンパス
方式、循環方式又は一部リサイクル方式で行わせ、硫酸
イオンを吸着剤に吸着させる。吸着イオンの全部または
一部を吸着剤に吸着して除去された塩水は抜き出し口1
0より抜き出す。続いて、水6を反応塔1に導入して吸
着剤を洗浄し、吸着剤に付着した塩等を除去し、洗浄し
た水を抜き出し口9より抜き出す。
る。図1は、本発明の実施態様の一例を示すものであ
る。同図において、1は耐酸耐アルカリ性の反応塔であ
り、例えばゴムライニング容器である。反応塔1の中に
は硫酸イオン吸着剤である粒状の水酸化ジルコニウムが
投入されている。硫酸イオンを含んだ塩水4をpH調整
槽2に加えて塩酸5により所定の酸性pHに調節した
後、反応塔1に所定の流速で導入し吸着反応をワンパス
方式、循環方式又は一部リサイクル方式で行わせ、硫酸
イオンを吸着剤に吸着させる。吸着イオンの全部または
一部を吸着剤に吸着して除去された塩水は抜き出し口1
0より抜き出す。続いて、水6を反応塔1に導入して吸
着剤を洗浄し、吸着剤に付着した塩等を除去し、洗浄し
た水を抜き出し口9より抜き出す。
【0006】次に、吸着剤に吸着された硫酸イオンの脱
着を行う。即ち、水8をpH調整槽3に加えて水酸化ナ
トリウム7により所定のアルカリpHに調節した後、反
応塔1に所定の流速で導入し、脱着反応をワンパス方式
及び循環方式で行わせ吸着剤から硫酸イオンを脱着させ
る。硫酸イオンを含有した水は抜き出し口11より抜き
出す。しかる後、水6を反応塔1に導入して吸着剤を洗
浄し、吸着剤に付着したアルカリ分、硫酸イオン等を除
去し、洗浄した水を抜き出し口9より抜き出す。以下、
上記吸着・脱着の操作を繰り返し行う。
着を行う。即ち、水8をpH調整槽3に加えて水酸化ナ
トリウム7により所定のアルカリpHに調節した後、反
応塔1に所定の流速で導入し、脱着反応をワンパス方式
及び循環方式で行わせ吸着剤から硫酸イオンを脱着させ
る。硫酸イオンを含有した水は抜き出し口11より抜き
出す。しかる後、水6を反応塔1に導入して吸着剤を洗
浄し、吸着剤に付着したアルカリ分、硫酸イオン等を除
去し、洗浄した水を抜き出し口9より抜き出す。以下、
上記吸着・脱着の操作を繰り返し行う。
【0007】アルカリ金属塩化物の濃度については特に
制限はなく、濃厚水溶液、例えば5mol/リットル程度の
食塩水溶液中の硫酸イオンを効率的に除去することがで
きる。硫酸イオンの濃度についても特に制限はないが、
例えば0.1〜20g/リットル程度の濃度のものを処
理でき、温度も特に制限はないが、室温〜90℃程度の
水溶液を処理できる。
制限はなく、濃厚水溶液、例えば5mol/リットル程度の
食塩水溶液中の硫酸イオンを効率的に除去することがで
きる。硫酸イオンの濃度についても特に制限はないが、
例えば0.1〜20g/リットル程度の濃度のものを処
理でき、温度も特に制限はないが、室温〜90℃程度の
水溶液を処理できる。
【0008】吸着剤としては、水酸化ジルコニウム(別
名水和酸化ジルコニウム)を使用する。化学式ではZrO
(OH)2・nH2O(n=0.5〜3.0)で表される化合物が
特に好適である。1000℃乾燥重量減少は、50〜6
0%程度である。本化合物は通常、10μm程度の微粉
状態であり、この粉体を適当な結着材で、粒径0.1〜
3.0mm、好ましくは0.5〜2mmに造粒して本発明に
使用する。粒径0.1mm未満では流動化し易く、またス
ラリー状態に劣化し、塩水処理後容易に固液分離でき
ず、特別な濾過装置を用いる必要があり、保全作業や再
利用が困難である。一方、3.0mmを越えると硫酸イオ
ンの吸着能力が低下する。
名水和酸化ジルコニウム)を使用する。化学式ではZrO
(OH)2・nH2O(n=0.5〜3.0)で表される化合物が
特に好適である。1000℃乾燥重量減少は、50〜6
0%程度である。本化合物は通常、10μm程度の微粉
状態であり、この粉体を適当な結着材で、粒径0.1〜
3.0mm、好ましくは0.5〜2mmに造粒して本発明に
使用する。粒径0.1mm未満では流動化し易く、またス
ラリー状態に劣化し、塩水処理後容易に固液分離でき
ず、特別な濾過装置を用いる必要があり、保全作業や再
利用が困難である。一方、3.0mmを越えると硫酸イオ
ンの吸着能力が低下する。
【0009】吸着反応は酸性条件下で行われ、低pHほ
ど吸着容量は大きくなる。極端な低pH条件下になると
吸着剤の溶解が始まり、また高pHでは吸着能が低下す
るので好ましくない。よって、pH1〜3の範囲が好適
である。酸の必要量は次の反応式に従う。ZrO(OH)2+2H
+ +SO4 2- →ZrOSO4+2H2O吸着容量は吸着剤の粒径に依
存するが、本発明の粒径範囲では、例えばpH2で1kg
の吸着剤は20〜50gの硫酸イオンを吸着することが
できる。反応空間速度SVは好ましくは3〜30Hr-1、
より好ましくは5〜30Hr-1の範囲である。3Hr-1未満
では処理速度が遅く不効率であり、一方、30Hr-1を越
えると吸着能が低下するので好ましくない。反応温度
は、上記したように室温〜90℃程度の温度範囲で好適
に行うことができる。温度が90℃を越えると、吸着剤
が破砕しやすくなるので好ましくない。
ど吸着容量は大きくなる。極端な低pH条件下になると
吸着剤の溶解が始まり、また高pHでは吸着能が低下す
るので好ましくない。よって、pH1〜3の範囲が好適
である。酸の必要量は次の反応式に従う。ZrO(OH)2+2H
+ +SO4 2- →ZrOSO4+2H2O吸着容量は吸着剤の粒径に依
存するが、本発明の粒径範囲では、例えばpH2で1kg
の吸着剤は20〜50gの硫酸イオンを吸着することが
できる。反応空間速度SVは好ましくは3〜30Hr-1、
より好ましくは5〜30Hr-1の範囲である。3Hr-1未満
では処理速度が遅く不効率であり、一方、30Hr-1を越
えると吸着能が低下するので好ましくない。反応温度
は、上記したように室温〜90℃程度の温度範囲で好適
に行うことができる。温度が90℃を越えると、吸着剤
が破砕しやすくなるので好ましくない。
【0010】硫酸イオンを吸着した吸着剤から硫酸イオ
ンを脱着させるための脱着反応は、該吸着剤をアルカリ
性の水溶液と接触させることによっておこなわれ、これ
により該吸着剤は硫酸イオンを放出し、再び吸着可能な
形態に再生される。ZrOSO4+2NaOH →ZrO(OH)2+ 2Na+
+SO4 2-適切なpHは10〜13の範囲で、適切な反応
空間速度SVは3〜30Hr-1の範囲である。pH10未
満では反応が遅く、またpH13を越えるとアルカリが
無駄になる傾向がある。反応空間速度が3Hr-1未満では
処理速度が遅く不効率であり、一方、30Hr-1を越える
と脱着能が低下するので好ましくない。適切な温度は室
温〜90℃の範囲である。温度が90℃を越えると、前
記した如く、吸着剤が破砕しやすくなるので好ましくな
い。
ンを脱着させるための脱着反応は、該吸着剤をアルカリ
性の水溶液と接触させることによっておこなわれ、これ
により該吸着剤は硫酸イオンを放出し、再び吸着可能な
形態に再生される。ZrOSO4+2NaOH →ZrO(OH)2+ 2Na+
+SO4 2-適切なpHは10〜13の範囲で、適切な反応
空間速度SVは3〜30Hr-1の範囲である。pH10未
満では反応が遅く、またpH13を越えるとアルカリが
無駄になる傾向がある。反応空間速度が3Hr-1未満では
処理速度が遅く不効率であり、一方、30Hr-1を越える
と脱着能が低下するので好ましくない。適切な温度は室
温〜90℃の範囲である。温度が90℃を越えると、前
記した如く、吸着剤が破砕しやすくなるので好ましくな
い。
【0011】上記したように本発明で使用される吸着剤
は、pH1未満では溶解の危険性がある。一方、吸着能
力はpHが低いほど高くなる。この相反する条件設定を
解決する方法として、硫酸イオンを吸着除去済みの塩水
を反応塔の入口へ、一部再循環する方法が好ましい。こ
の方法により、同一のpHであっても硫酸イオン濃度に
対する水素イオン濃度比を高めることが可能になり、結
果的に硫酸イオン除去率を高めることが可能となる。反
応塔から流出する塩水の0〜80%を再循環することが
できる。これ以上を再循環すると、SVが大きくなりす
ぎ実用的でない。
は、pH1未満では溶解の危険性がある。一方、吸着能
力はpHが低いほど高くなる。この相反する条件設定を
解決する方法として、硫酸イオンを吸着除去済みの塩水
を反応塔の入口へ、一部再循環する方法が好ましい。こ
の方法により、同一のpHであっても硫酸イオン濃度に
対する水素イオン濃度比を高めることが可能になり、結
果的に硫酸イオン除去率を高めることが可能となる。反
応塔から流出する塩水の0〜80%を再循環することが
できる。これ以上を再循環すると、SVが大きくなりす
ぎ実用的でない。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。以下の実施例、比較例において、図1に示す
装置を使用した。 実施例1 イオン交換膜法食塩電解工程の電解槽出口からの硫酸イ
オンを含む塩水4を約5リットルpH調整槽2に供給し
た。塩水のNaCl濃度は201g/リットル、SO4 2- 濃度
は5.5g/リットルであった。塩酸5を0.11mol/
リットル加えてpH調整槽2内のpHを1に制御して、
予めアルカリ性の水で洗浄しアルカリ型に変えた粒径
1.25mmの吸着剤500g(500ml)を充填した反
応塔1内に2.5リットル/Hrで導入し、反応塔内50
〜60℃でワンパス処理し、硫酸イオン吸着除去後の塩
水を抜き出し口10より流出させた。吸着反応終了後、
反応塔1内の残存塩水を抜き出し口9より抜き出し、水
6を反応塔1内に導入して吸着剤を洗浄し抜き出し口9
より抜き出した。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。以下の実施例、比較例において、図1に示す
装置を使用した。 実施例1 イオン交換膜法食塩電解工程の電解槽出口からの硫酸イ
オンを含む塩水4を約5リットルpH調整槽2に供給し
た。塩水のNaCl濃度は201g/リットル、SO4 2- 濃度
は5.5g/リットルであった。塩酸5を0.11mol/
リットル加えてpH調整槽2内のpHを1に制御して、
予めアルカリ性の水で洗浄しアルカリ型に変えた粒径
1.25mmの吸着剤500g(500ml)を充填した反
応塔1内に2.5リットル/Hrで導入し、反応塔内50
〜60℃でワンパス処理し、硫酸イオン吸着除去後の塩
水を抜き出し口10より流出させた。吸着反応終了後、
反応塔1内の残存塩水を抜き出し口9より抜き出し、水
6を反応塔1内に導入して吸着剤を洗浄し抜き出し口9
より抜き出した。
【0013】次に、水8を5リットルをpH調整槽3に
加えて水酸化ナトリウム7を0.22mol/リットルを加
えてpH調整槽3内のpHを13に制御して、反応塔1
内に1.8リットル/Hrで導入し、反応塔内室温(15
〜20℃)でワンパス処理し、脱着した硫酸イオンを含
有した水を抜き出し口11より流出させた。脱着反応終
了後、反応塔1内の残存水を抜き出し口9より抜き出
し、水6を反応塔1内に導入して吸着剤を洗浄し抜き出
し口9より抜き出した。各硫酸イオンの分析値は表1、
表2のとおりであった。
加えて水酸化ナトリウム7を0.22mol/リットルを加
えてpH調整槽3内のpHを13に制御して、反応塔1
内に1.8リットル/Hrで導入し、反応塔内室温(15
〜20℃)でワンパス処理し、脱着した硫酸イオンを含
有した水を抜き出し口11より流出させた。脱着反応終
了後、反応塔1内の残存水を抜き出し口9より抜き出
し、水6を反応塔1内に導入して吸着剤を洗浄し抜き出
し口9より抜き出した。各硫酸イオンの分析値は表1、
表2のとおりであった。
【0014】
【表1】 表1から明かな如く、除去率73%で、且つ吸着剤の溶
解は極めて少量であった。
解は極めて少量であった。
【0015】
【表2】 表2から明かな如く、脱着率は92%で、また吸着剤の
溶解は少量であった。
溶解は少量であった。
【0016】実施例2 実施例2においては、吸着剤1kg(1リットル)により
硫酸イオン除去された処理塩水を再度pH調整槽2へ戻
す循環方式にて吸着反応をおこなった。供試塩水量は
7.8リットル、流量は21.6リットル/Hrとした。
また、塩酸5によりpH調整槽2内のpHを1.5に制
御し、吸着反応温度は50〜60℃とした。
硫酸イオン除去された処理塩水を再度pH調整槽2へ戻
す循環方式にて吸着反応をおこなった。供試塩水量は
7.8リットル、流量は21.6リットル/Hrとした。
また、塩酸5によりpH調整槽2内のpHを1.5に制
御し、吸着反応温度は50〜60℃とした。
【0017】脱着反応にておいても吸着反応と同様に循
環方式にておこなった。アルカリ水量は5.0リット
ル、流量は吸着反応条件と同様に21.6リットル/Hr
とした。また、水酸化ナトリウム7によりpH調整槽3
内のpHを13に制御し、脱着反応温度は50〜60℃
とした。
環方式にておこなった。アルカリ水量は5.0リット
ル、流量は吸着反応条件と同様に21.6リットル/Hr
とした。また、水酸化ナトリウム7によりpH調整槽3
内のpHを13に制御し、脱着反応温度は50〜60℃
とした。
【0018】
【表3】 表3から明かな如く、除去率は82%で、また吸着反応
条件であるpHを1.5に制御すると、吸着剤の溶解が
皆無であった。
条件であるpHを1.5に制御すると、吸着剤の溶解が
皆無であった。
【0019】
【表4】 表4から明かな如く、脱着率は86%で、吸着剤の溶解
は皆無であった。
は皆無であった。
【0020】実施例3 実施例3においては、吸着剤1kg(1リットル)により
硫酸イオン除去された処理塩水を再度pH調整槽2へ一
定量のみ戻す一部リサイクル方式として吸着反応をおこ
なった。供試塩水流量は3.3リットル/Hrとし、一部
リサイクルする流量は6.7リットル/Hrとした。また
塩酸5により反応塔入口pHを1.5に制御し、吸着反
応温度は50〜60℃とした。
硫酸イオン除去された処理塩水を再度pH調整槽2へ一
定量のみ戻す一部リサイクル方式として吸着反応をおこ
なった。供試塩水流量は3.3リットル/Hrとし、一部
リサイクルする流量は6.7リットル/Hrとした。また
塩酸5により反応塔入口pHを1.5に制御し、吸着反
応温度は50〜60℃とした。
【0021】実施例2と同様に循環方式として脱着反応
をおこなった。ただし供試アルカリ水流量は、5リット
ル/Hrとした。また、水酸化ナトリウム7によりpH調
整槽3内のpHを13に制御し、脱着反応温度は室温
(10〜20℃)とした。
をおこなった。ただし供試アルカリ水流量は、5リット
ル/Hrとした。また、水酸化ナトリウム7によりpH調
整槽3内のpHを13に制御し、脱着反応温度は室温
(10〜20℃)とした。
【0022】
【表5】 表5から明かな如く、除去率は61%で、吸着剤の溶解
は少量であった。
は少量であった。
【0023】
【表6】 表6から明かな如く、脱着率は86%で、吸着剤の溶解
は皆無であった。
は皆無であった。
【0024】実施例4 実施例1と同様の操作において吸着反応をおこなった。
ただし、供試塩水流量は20.0リットル/Hrとした。
また、塩酸5を0.15mol/リットル加えてpH調整槽
2内のpHを0.8に制御した。
ただし、供試塩水流量は20.0リットル/Hrとした。
また、塩酸5を0.15mol/リットル加えてpH調整槽
2内のpHを0.8に制御した。
【0025】実施例1と同様の操作において吸着反応を
おこなった。ただし、供試アルカリ水流量は20.0リ
ットル/Hrとした。また、水酸化ナトリウム7によりp
H調整槽3内のpHを9に制御した。
おこなった。ただし、供試アルカリ水流量は20.0リ
ットル/Hrとした。また、水酸化ナトリウム7によりp
H調整槽3内のpHを9に制御した。
【0026】
【表7】 表7から明かな如く、吸着剤の硫酸イオン吸着能力が低
下し、吸着剤の溶解が認められた。
下し、吸着剤の溶解が認められた。
【0027】
【表8】 表8から明かな如く、脱着率も低下した。
【0028】比較例1 粒子径0.01mmの吸着剤を用いて、実施例1と同様の
操作により吸着反応をおこなった。ただし、供試塩水流
量は3.9リットル/Hrとした。また、塩酸5を0.1
3mol/リットル加えてpH調整槽2内のpHを1に制御
した。
操作により吸着反応をおこなった。ただし、供試塩水流
量は3.9リットル/Hrとした。また、塩酸5を0.1
3mol/リットル加えてpH調整槽2内のpHを1に制御
した。
【0029】
【表9】 表9から明かな如く、吸着剤の溶解が顕著で、吸着剤は
スラリー状態に劣化し再利用不可能であった。
スラリー状態に劣化し再利用不可能であった。
【0030】比較例2 粒子径5.0mmの吸着剤を用いて、実施例1と同様の操
作において吸着反応をおこなった。ただし、供試塩水流
量は3.9リットル/Hrとした。また、塩酸5を0.1
3mol/リットル加えてpH調整槽2内のpHを1に制御
した。
作において吸着反応をおこなった。ただし、供試塩水流
量は3.9リットル/Hrとした。また、塩酸5を0.1
3mol/リットル加えてpH調整槽2内のpHを1に制御
した。
【0031】
【表10】 表10から明かな如く、吸着剤の硫酸イオン吸着能力は
殆ど認められなかった。
殆ど認められなかった。
【0032】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明は、従来用いられ
ていた、硫酸イオン吸着剤(粒子径1〜20μmの水酸
化ジルコニウム)に代えて粒子径0.1〜3mmの大粒径
水酸化ジルコニウムを使用するとともに、固定床方式で
使用することにより、スラリー状態への劣化がなく、従
来法における固液分離のための濾布を用いた特別な濾過
装置、濾過装置に伴う保全作業及び攪拌設備が不要とな
り、再利用も容易である。また設備費も大巾に安価とな
るので、その有用性は頗る大である。
ていた、硫酸イオン吸着剤(粒子径1〜20μmの水酸
化ジルコニウム)に代えて粒子径0.1〜3mmの大粒径
水酸化ジルコニウムを使用するとともに、固定床方式で
使用することにより、スラリー状態への劣化がなく、従
来法における固液分離のための濾布を用いた特別な濾過
装置、濾過装置に伴う保全作業及び攪拌設備が不要とな
り、再利用も容易である。また設備費も大巾に安価とな
るので、その有用性は頗る大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために用いられる装置の一例
を示す概略図である。
を示す概略図である。
1 反応槽 2 pH調
整槽 3 pH調整槽 4 硫酸イ
オン含有塩水 5 塩酸 6 水 7 水酸化ナトリウム 8 水 9 残存塩水又は硫酸イオンを含む洗浄水の抜き出し口 10 硫酸イオン吸着除去後の塩水抜き出し口 11 脱着した硫酸イオンを含む水の抜き出し口
整槽 3 pH調整槽 4 硫酸イ
オン含有塩水 5 塩酸 6 水 7 水酸化ナトリウム 8 水 9 残存塩水又は硫酸イオンを含む洗浄水の抜き出し口 10 硫酸イオン吸着除去後の塩水抜き出し口 11 脱着した硫酸イオンを含む水の抜き出し口
フロントページの続き (72)発明者 吉野 求 兵庫県加古川市東神吉町神吉608の259 (72)発明者 斎木 幸治 大阪府豊中市北条町4−6−1−815
Claims (3)
- 【請求項1】 水酸化ジルコニウムを用いてアルカリ金
属塩化物水溶液中の硫酸イオンを吸着除去するに際し、
粒子径0.1〜3mmの水酸化ジルコニウムを吸着剤とし
て使用するとともに、水酸化ジルコニウムを固定床方式
で使用することを特徴とする硫酸イオンの除去方法。 - 【請求項2】 アルカリ金属塩化物水溶液中から硫酸イ
オンを吸着除去させる吸着工程におけるアルカリ金属塩
化物水溶液のpHを1〜3及び反応空間速度SVを3〜
30Hr-1の範囲に制御し、吸着剤に吸着された硫酸イオ
ンを吸着剤から脱離させる脱着工程におけるアルカリ水
のpHを10〜13及び反応空間速度SVを3〜30Hr
-1の範囲に制御する請求項1記載の硫酸イオンの除去方
法。 - 【請求項3】 吸着工程において、硫酸イオンを吸着除
去したアルカリ金属塩化物水溶液の一部を吸着工程の入
口へ再循環させる請求項1又は2記載の硫酸イオンの除
去方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7042797A JPH10251014A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | アルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオンの除去方法 |
PCT/JP1997/000870 WO1998039252A1 (fr) | 1997-03-07 | 1997-03-18 | Procede pour eliminer des ions sulfate d'une solution aqueuse de chlorure de metal alcalin |
TW086103543A TW332194B (en) | 1995-09-19 | 1997-03-19 | Method of removing sulfate ions from an aqueous solution of alkali metal chloride |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7042797A JPH10251014A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | アルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオンの除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10251014A true JPH10251014A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13431181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7042797A Pending JPH10251014A (ja) | 1995-09-19 | 1997-03-07 | アルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオンの除去方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10251014A (ja) |
WO (1) | WO1998039252A1 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6044056A (ja) * | 1983-08-04 | 1985-03-08 | ザ ダウ ケミカル カンパニ− | 塩水からの硫酸塩イオンの除去法 |
JPH0621032B2 (ja) * | 1989-11-09 | 1994-03-23 | 鐘淵化学工業株式会社 | アルカリ金属塩化物水溶液から硫酸イオンを除去する方法 |
JPH0683789B2 (ja) * | 1991-05-09 | 1994-10-26 | 鐘淵化学工業株式会社 | 無機イオン交換体による硫酸イオン除去方法 |
FR2710857B1 (fr) * | 1993-10-06 | 1995-11-17 | Atochem Elf Sa | Procédé d'élimination d'ions sulfates contenus dans des solutions salines. |
-
1997
- 1997-03-07 JP JP7042797A patent/JPH10251014A/ja active Pending
- 1997-03-18 WO PCT/JP1997/000870 patent/WO1998039252A1/ja active IP Right Grant
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO1998039252A1 (fr) | 1998-09-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN111727171B (zh) | 用于从盐水中回收锂的方法 | |
JP5189255B2 (ja) | 偏光フィルム製造廃液からのヨウ素回収方法 | |
TWI594950B (zh) | 回收鈧之製程、方法及工廠 | |
JP7550246B2 (ja) | ブラインからリチウムを回収する方法 | |
JP2004142986A (ja) | リチウム含有水溶液からのリチウム濃縮液の製造方法 | |
EP0427256A1 (en) | Method for removing sulfate ions from aqueous solution of alkali metal chloride | |
KR101814304B1 (ko) | 음이온 교환체, 음이온 교환체와 양이온 교환체의 혼합물, 음이온 교환체와 양이온 교환체로 이루어진 혼합상, 그들의 제조 방법, 및 과산화수소수의 정제 방법 | |
CN113439070B (zh) | 利用添加碱从盐水中回收锂的方法 | |
JP3334142B2 (ja) | フッ素含有水の処理方法 | |
JP3227760B2 (ja) | フッ素含有水の処理方法 | |
JP2003305458A (ja) | フッ素含有排水の処理方法 | |
JP3203745B2 (ja) | フッ素含有水の処理方法 | |
JP7518481B2 (ja) | 水酸化リチウムの製造方法 | |
JPH10251014A (ja) | アルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオンの除去方法 | |
JPH07232915A (ja) | 廃水中のフッ素回収方法 | |
WO2011074495A1 (ja) | テトラアルキルアンモニウムイオン除去廃液の再利用方法 | |
JP2001104807A (ja) | ホウ素の回収方法 | |
JPH04334553A (ja) | 無機イオン交換体による硫酸イオン除去方法 | |
JP3364308B2 (ja) | 排水処理方法及びその装置 | |
JP2003334458A (ja) | アニオン交換樹脂及びその製造方法、並びにこれを用いた精製過酸化水素水の製造方法 | |
JP2687194B2 (ja) | 過酸化水素水溶液の精製方法 | |
RU2343120C1 (ru) | Способ очистки сточных вод от гексацианоферратов | |
JPH04338110A (ja) | アルカリ金属塩化物水溶液から硫酸イオンを除去する方法 | |
JPH0986922A (ja) | アルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオンの除去方法 | |
JP2000051714A (ja) | アルカリ金属塩化物水溶液中の硫酸イオンの除去方法 |