JPH10204054A - フェニルスルホンアミド誘導体 - Google Patents

フェニルスルホンアミド誘導体

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JPH10204054A
JPH10204054A JP9020880A JP2088097A JPH10204054A JP H10204054 A JPH10204054 A JP H10204054A JP 9020880 A JP9020880 A JP 9020880A JP 2088097 A JP2088097 A JP 2088097A JP H10204054 A JPH10204054 A JP H10204054A
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JP
Japan
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alkyl
alkyl group
substituted
phenyl
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Pending
Application number
JP9020880A
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English (en)
Inventor
Kanji Takahashi
寛治 高橋
Tsuneyuki Sugiura
恒行 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ono Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ono Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP9020880A priority Critical patent/JPH10204054A/ja
Publication of JPH10204054A publication Critical patent/JPH10204054A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I)で示されるフェニルスルホンアミド
誘導体及びその塩[R1はH、アルキル;R2 はCOO
6 、CONHOR7 ;R3 はOR11;CONHO
7 ;R3 はOR11、NR1213、COOR14、NR23
COR24;R4 、R5はH、アルキル、炭素環基、ヘテ
ロ環基等;R25はH、(置換)アルキル、(置換)アル
コキシカルボニル(R6 ,R7 ,R11,R14,R12,R
13,R23,R24は明細書に定義した通り。);Jは単結
合、アルキレン;Eはビニレン、エチニレン]。 【化1】 【効果】 式(I)の化合物は、マトリックスメタロプ
ロテイナーゼを阻害し、リュウマチ、骨関節炎、病的骨
吸収、骨粗鬆症、歯周病、間質性腎炎、動脈硬化、肺気
腫、肝硬変、角膜損傷、ガン細胞の転移浸潤や増殖の疾
患、自己免疫疾患(クローン病、シュグレン病等)等の
予防及び/又は治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェニルスルホンア
ミド誘導体、その製造方法、およびその誘導体を有効成
分として含有する薬剤に関する。さらに詳しくは、一般
式(I)
【化5】 (式中、すべての記号は後記と同じ意味を表わす。)で
示される誘導体、それらの非毒性塩、それらの製造方
法、およびそれらを含有するマトリックスメタロプロテ
イナーゼ阻害剤に関する。
【0002】
【発明の背景および従来技術】マトリックスメタロプロ
テイナーゼ(以下、MMPと略記する。)は活性中心に
亜鉛(以下、Zn2+と略記する。)を有する中性メタロ
プロテイナーゼであり、生理的状況下においてはコラー
ゲン、ラミニン、プロテオグリカン、フィブロネクチ
ン、エラスチン、ゼラチン等を分解することにより関節
組織、骨組織、結合組織などの成長及び組織改築などに
作用している。MMPは、現在までに一次構造の異なる
10種類以上の分子種が同定されている。具体的には間
質性コラゲナーゼ(MMP−1)、白血球コラゲナーゼ
(MMP−8)、ゼラチナーゼA(MMP−2)、ゼラ
チナーゼB(MMP−9)、ストロムライシン1(MM
P−3)、ストロムライシン2(MMP−10)、マト
リライシン(MMP−7)等が挙げられる。
【0003】それら各酵素に共通した性質として、
(1)活性中心にZn2+を有し、酵素活性にカルシウム
(Ca2+)を必要とすること、(2)潜在型酵素として
分泌され、細胞外で活性化を受けること、(3)アミノ
酸配列に高い相同性を有すること、(4)生体内に存在
する種々の細胞外マトリックス成分分解能をもつこと、
(5)共通のインヒビターである組織メタロプロテイナ
ーゼインヒビター(TIMP)によって活性が阻害され
ることなどが知られている。
【0004】MMPの阻害剤はMMPの分泌および活性
が異常亢進した場合に生じる、種々の疾患の予防および
/または治療に有用と考えられる。例えば、リュウマ
チ、骨関節炎、病的骨吸収、骨粗鬆症、歯周病、間質性
腎炎、動脈硬化、肺気腫、肝硬変、角膜損傷、ガン細胞
の転移浸潤や増殖の疾患、自己免疫疾患(クローン病、
シュグレン病等)、白血球系の細胞の血管遊出や浸潤に
よる疾患、血管新生等が挙げられる。
【0005】マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害作
用を有する化合物はいくつか知られている。なかでも、
コラーゲンの切断点近傍の基質(Gly−Ile−Al
a−GlyまたはGly−Leu−Ala−Gly)
が、コラゲナーゼと高い親和性を有することが知られて
いる。この基質の切断部位に亜鉛親和性基をもつ、化学
修飾を行った基質アナログマトリックスメタロプロテイ
ナーゼ阻害剤が、数多く研究されている[Inhibitors o
f matrix metalloproteinases(MMP's), Nigel RABeele
y, Phillip RJ Ansell, Andrew JP Dochertyら Curr. O
pin. Ther. Patents., 4, 7-16 (1994), Current Drugs
Ltd ISSN 0962-2594参照]。しかし、これらの基質ア
ナログ阻害剤は、ペプチドアナログであるために種々の
問題点があることが予想される。このため、これらの阻
害剤を非ペプチド化することが望まれており、いくつか
報告されている。
【0006】例えば、EP606046号の明細書に
は、一般式(X)
【化6】
【0007】(式中、(a)ArXは炭素環式または複
素環式アリール;RXは水素、低級アルキル、炭素環式
アリール−低級アルキル等;R1Xは水素、低級アルキ
ル、炭素環式アリール−低級アルキル等;R2Xは水素ま
たは低級アルキルであるか;あるいは(b)RXおよび
1Xはそれらが付加されている鎖と一緒になって1,
2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン、ピペリジン
環等を形成;ArXおよびR2Xは(a)で定義した意味
を有しているか;あるいは(c)R1XおよびR2Xはそれ
らが付加されている炭素原子と一緒になって、未置換も
しくは低級アルキルにより置換されているC3〜7シク
ロアルカン、オキサ−シクロヘキサン、チア−シクロヘ
キサン等;そしてArXおよびR2Xは(a)で定義した
意味を有する。)で示されるアリールスルホンアミド誘
導体がマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害作用を有
していることが開示されている。
【0008】WO9535276号の明細書には、一般
式(Y)
【化7】
【0009】(式中、XYはCOOH、CONHOH
基;R1Yはα−アミノ酸;R2YはZ1YYY;Z1Yは水
素原子、アリール基等;(i)QYYが一緒になって単
結合、(ii)QYはO、S、WYはC1〜20アルキル基
等、(iii)QYは単結合、WYはC9〜20アルキル基
等、(iv)QYは単結合、WYはC1〜8アルキル基;Y
YはSO2;ZYはアリール基、ヘテロアリール基を表わ
す。)で示される化合物がマトリックスメタロプロテイ
ナーゼ阻害作用を有していることが開示されている。
【0010】一方、WO9315047号の明細書に
は、一般式(Z)
【化8】
【0011】(式中、AZはa)−QZ−XZ基(QZは−
O−、−S−、−NR−、単結合、XZは5、6員の芳
香族環または複素環)、b)−CN、−NO2、−N3
−NRZ1Z、−ORZ、−CORZ、−CO2Z基(RZ
およびR1Zはそれぞれ独立して、水素原子、C1〜18
アルキル基、C2〜18アルケニル基等);JZは二価
のC1〜8のアルカンジイル、アルケンジイルまたはア
ルキンジイル基;VZはフェニレン、フランジイル、チ
オフェンジイル、チアゾールジイル等;qおよびmは0
または1;YZは単結合、−CH2−、−C(=O)−、
−C(=S)−、−S(=O)2−または−P(=O)
(OC1−6アルキル)−基(ただし、YZが−S(=
O)2−のとき、QZは単結合を表わさない。);R2Z
水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル
基、C2〜6アルキニル基、−CO(C1〜6アルキ
ル)基、−CO2(C1〜6アルキル)基等;R3Zおよ
びR4Zはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、
C1〜6アルキル基、天然アミノ酸側鎖等;BZはa)
Z8Z基(ZZは単結合、−C(=O)−、−C(=
O)O−、−CH2O−等、R8Zは水素原子、C1〜1
8アルキル基、C2〜18アルケニル基、C2〜18ア
ルキニル基等)、b)−CH2NR9Z10Zまたは−CO
NR9Z10Z基(R9ZおよびR10Zはそれぞれ独立して、
水素原子、C1〜18アルキル基、C2〜18アルケニ
ル基、C2〜18アルキニル基等)、c)EZ基(EZ
窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子
を1以上含有する5、6員複素環)、またはd)−CH
2Z、−C(=O)NHEZまたは−C(=O)NHC
2Zを表わす。)で示される化合物がPAF拮抗作用
を有していることが開示されている。
【0012】
【発明の目的】本発明者らは、マトリックスメタロプロ
テイナーゼ、例えばゼラチナーゼ、コラゲナーゼまたは
ストロムライシン等に対して阻害作用を有する化合物を
見出すべく鋭意研究を行なった結果、一般式(I)で示
される新規なフェニルスルホンアミド誘導体が目的を達
成することを見出した。
【0013】
【発明の開示】本発明は、 1)一般式(I)
【化9】
【0014】[式中、R1は 1)水素原子、または 2)C1〜4アルキル基を表わし、R2は 1)−COOR6基(基中、R6は (1)水素原子、 (2)C1〜8アルキル基、 (3)フェニル基、または (4)下記(i)〜(iii)から選択される一つの基で
置換されたC1〜4アルキル基; (i)フェニル基、(ii)−OCOR8基(基中、R8
C1〜4アルキル基を表わす。)、(iii)−CONR9
10基(基中、R9およびR10はそれぞれ独立して、
水素原子またはC1〜4アルキル基を表わす。)、また
は2)−CONHOR7基(基中、R7は (1)水素原子、 (2)C1〜8アルキル基、 (3)フェニル基、または (4)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルキル
基を表わす。)を表わし、
【0015】R3は 1)−OR11基(基中、R11は(1)水素原子、(2)
C1〜4アルキル基、(3)C2〜4アシル基、(4)
フェニル基、(5)一つのフェニル基で置換されたC1
〜4アルキル基、(6)−NR1516基(基中、R15
よびR16はそれぞれ独立して、水素原子、またはC1〜
4アルキル基を表わす。)、または(7)ヘテロ環基を
表わす。)、 2)−NR1213基(基中、R12およびR13はそれぞれ
独立して、水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わ
す。)、 3)−COOR14基(基中、R14は(1)水素原子、
(2)C1〜4アルキル基、(3)フェニル基、または
(4)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルキル
基を表わす。)、または 4)−NR23COR24(基中、R23は水素原子またはC
1〜4アルキル基を表わし、R24はC1〜4アルキル
基、フェニル基、ヘテロ環基、一つのフェニル基で置換
されたC1〜4アルキル基、または一つのヘテロ環基で
置換されたC1〜4アルキル基を表わす。)を表わし、
【0016】R4およびR5はそれぞれ独立して、 1)水素原子、 2)一つの炭素原子が硫黄原子で置き換えられてもよい
C1〜8アルキル基、 3)−COR17基(基中、R17は(1)水酸基、(2)
C1〜8アルキル基、(3)C1〜8アルコキシ基、
(4)フェノキシ基、(5)一つのフェニル基で置換さ
れたC1〜4アルコキシ基、(6)−NR2021基(基
中、R20およびR21はそれぞれ独立して、水素原子、C
1〜4アルキル基、フェニル基、または、一つまたは二
つのフェニル基で置換されたC1〜4アルキル基を表わ
す。)、 4)炭素環基(この炭素環基はC1〜4アルキル基、C
1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、またはト
リフルオロメチル基から選択される1〜3個の置換基で
置換されてもよい。)、 5)ヘテロ環基(このヘテロ環基はC1〜4アルキル
基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ま
たはトリフルオロメチル基から選択される1〜3個の置
換基で置換されてもよい。)、または
【0017】6)下記(i)〜(viii)から選択される
一つの基で置換されたC1〜8アルキル基; (i)−COR17基(基中、R17は前記と同じ意味を表
わす。)、(ii)C1〜4アルコキシ基、(iii)水酸
基、(iv)ベンジルオキシ基、(v)グアニジノ基、
(vi)−NR1819基(基中、R18およびR19はそれぞ
れ独立して、水素原子、C1〜4アルキル基、または−
COOR22基(基中、R22はC1〜4アルキル基、また
はベンジル基を表わす。)、(vii)炭素環基(この炭
素環基はC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、
ハロゲン原子、水酸基、またはトリフルオロメチル基か
ら選択される1〜3個の置換基で置換されてもよ
い。)、(viii)ヘテロ環基(このヘテロ環基はC1〜
4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、
水酸基、またはトリフルオロメチル基から選択される1
〜3個の置換基で置換されてもよい。)を表わし、
【0018】Eは
【化10】 を表わし、
【0019】Jは 1)単結合、または 2)C1〜8アルキレン基を表わし、R25は 1)水素原子、 2)C1〜4アルキル基、 3)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルキル
基、 4)C1〜8アルコキシカルボニル基、または 5)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルコキシ
カルボニル基を表わす。
【0020】ただし、 1)Eが
【化11】 を表わし、かつJが単結合を表わすとき、R3は−CO
OR14基(基中、R14は前記と同じ意味を表わす。)の
みを表わし、 2)Eが
【化12】 を表わし、かつJが単結合を表わすとき、R3は−CO
OR140基(基中、R140はC1〜4アルキル基、フェニ
ル基、または一つのフェニル基で置換されたC1〜4ア
ルキル基を表わす。)のみを表わすものとする。]で示
されるフェニルスルホンアミド誘導体、またはそれらの
非毒性塩、
【0021】2)一般式(I)で示されるフェニルスル
ホンアミド誘導体およびそれらの非毒性塩の製造方法、
および 3)一般式(I)で示されるフェニルスルホンアミド誘
導体およびそれらの非毒性塩を有効成分として含有する
薬剤に関する。
【0022】本発明においては、特に指示しない限り異
性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、ア
ルコキシ基およびアルキレン基には直鎖のものおよび分
枝鎖のものが含まれる。アルケニレン基中の二重結合
は、E、ZおよびEZ混合物であるものを含む。また、
分枝鎖のアルキル基、アルコシキ基およびアルキレン基
が存在する場合等の不斉炭素原子の存在により生ずる異
性体も含まれる。
【0023】一般式(I)中、R1、R8、R9、R10
11、R12、R13、R14、R15、R16、R18、R19、R
20、R21、R22、R23、R24、R25、R140によって表
わされるC1〜4アルキル基とは、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル基およびこれらの異性体である。一般式
(I)中、R7、R11、R14、R24、R25、R140によっ
て表わされる一つのフェニル基で置換されたC1〜4ア
ルキル基とは、フェニル基1個で置換されているメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル基およびこれらの異性体
である。一般式(I)中、R24によって表わされる一つ
のヘテロ環基で置換されたC1〜4アルキル基とは、ヘ
テロ環基1個で置換されているメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル基およびこれらの異性体である。
【0024】一般式(I)中、R6基中の(4)下記
(i)〜(iii)から選択される一つの基で置換された
C1〜4アルキル基とは、フェニル、−OCOR8、−
CONR910基から選択される一つの基で置換された
メチル、エチル、プロピル、ブチル基およびこれらの異
性体である。一般式(I)中、R20、R21によって表わ
される一つまたは二つのフェニル基で置換されたC1〜
4アルキル基とは、一つまたは二つのフェニル基で置換
されたメチル、エチル、プロピル、ブチル基およびこれ
らの異性体である。
【0025】一般式(I)中、R17基中の炭素環基、ま
たはヘテロ環基の置換基によって表わされるC1〜4ア
ルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル基お
よびこれらの異性体である。一般式(I)中、R6
7、R17によって表わされるC1〜8アルキル基と
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル基およびこれらの異性体で
ある。
【0026】一般式(I)中、R4、R5によって表わさ
れる一つの炭素原子が硫黄原子で置き換えられてもよい
C1〜8アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよ
びそれらの異性体を意味するか、または前記アルキル基
の一つの−CH2−基が硫黄原子で置き換えられたもの
を意味する。一つの−CH2−基が硫黄原子で置き換え
られたものの具体例として例えば、−SH、−CH2
SH、−CH2CH2−S−CH3等が挙げられる。
【0027】一般式(I)中、R17基中の6)下記
(i)〜(viii)から選択される一つの基で置換された
C1〜8アルキル基とは、−COR17、C1〜4アルコ
キシ基、水酸基、ベンジルオキシ基、グアニジノ基、−
NR1819、炭素環基、またはヘテロ環基から選択され
る一つの基で置換されたメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基およ
びこれらの異性体である。一般式(I)中、R11によっ
て表わされるC2〜4アシル基とは、アセチル、プロピ
オニル、ブチリル基およびこれらの異性体である。
【0028】一般式(I)中のR17基中、6)下記
(i)〜(viii)から選択される一つの基で置換された
C1〜8アルキル基の置換基によって表わされるC1〜
4アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ基およびこれらの異性体である。一般式
(I)中、R17基中の一つのフェニル基で置換されたC
1〜4アルコキシ基とは、一つのフェニル基で置換され
たメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基および
これらの異性体である。一般式(I)中、R17基中の炭
素環基またはヘテロ環基の置換基によって表わされるC
1〜4アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、ブトキシ基およびこれらの異性体である。一般式
(I)中、R17によって表わされるC1〜8アルコキシ
基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、
ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オ
クチルオキシ基およびこれらの異性体である。
【0029】一般式(I)中、R25基中の一つのフェニ
ル基で置換されたC1〜4アルコキシカルボニル基と
は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニル基およびこれらの
異性体である。一般式(I)中、R25によって表わされ
るC1〜8アルコキシカルボニル基とは、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキ
シルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オ
クチルオキシカルボニル基およびこれらの異性体であ
る。
【0030】一般式(I)中、Jによって表わされるC
1〜8アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメ
チレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチ
レン、ヘプタメチレン、オクタメチレンおよびこれらの
異性体である。
【0031】一般式(I)中、R17基中の炭素環基また
はヘテロ環基の置換基によって表わされるハロゲン原子
とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原
子である。一般式(I)中、R17基中の炭素環基とは、
C5〜10炭素環アリールを表わす。例えば、C5〜1
0炭素環アリールとしては、シクロペンタジエン、ベン
ゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン等
が挙げられる。
【0032】一般式(I)中、R17、R24基中のヘテロ
環基とは、1〜2個の窒素原子、1個の酸素原子および
/または1個の硫黄原子を含む不飽和、一部または全部
飽和の5〜15員の単環または二環式複素環基を表わ
す。例えば、1〜2個の窒素原子、1個の酸素原子およ
び/または1個の硫黄原子を含む不飽和、一部または全
部飽和の5〜15員の単環または二環式複素環基として
は、インドール、ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ア
ゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、オ
キサゼピン、チオフェン、チアイン(チオピラン)、チ
エピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾー
ル、イソチアゾール、オキサジアゾール、オキサアジ
ン、オキサジアジン、オキサアゼピン、オキサジアゼピ
ン、チアジアゾール、チアアジン、チアジアジン、チア
アゼピン、チアジアゼピン、イソインドール、ベンゾフ
ラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベン
ゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリ
ン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾ
リン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾ
ール、ベンゾイミダゾール、ピロリン、ピロリジン、イ
ミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジ
ン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリミジ
ン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロフラン、テトラ
ヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、
ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒド
ロチアイン(ジヒドロチオピラン)、テトラヒドロチア
イン(テトラヒドロチオピラン)、ジヒドロオキサゾー
ル、テトラヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾ
ール、テトラヒドロイソオキサゾール、ジヒドロチアゾ
ール、テトラヒドロチアゾール、ジヒドロイソチアゾー
ル、テトラヒドロイソチアゾール、モルホリン、チオモ
ルホリン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベン
ゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベン
ゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベン
ゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロ
イソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェ
ン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、
ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロ
キノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキ
ノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジ
ン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、
ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パ
ーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラ
ヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒド
ロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキ
ナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリ
ン、パーヒドロシンノリン、ジヒドロベンゾオキサゾー
ル、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチ
アゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベン
ゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール環等が
挙げられる。
【0033】一般式(I)中、R4およびR5で示される
基は、α−アミノ酸側鎖を表わす場合がある。α−アミ
ノ酸としては、グリシン、アラニン、セリン、トレオニ
ン、システイン、バリン、メチオニン、ロイシン、イソ
ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン
酸、グルタミン酸、アスパラギン、アルギニン、リジ
ン、ヒスチジン、トリプトファン、グルタミン等が挙げ
られる。また、α−アミノ酸には、α−アミノ酸誘導体
も含まれるし、D体、L体およびDL混合体またはそれ
らのアロ体のα−アミノ酸も含まれる。
【0034】
【塩】本発明においてはすべての非毒性塩を包含する。
例えば、一般的な塩、酸付加塩、水和物塩等が挙げられ
る。
【0035】一般式(I)で示される本発明化合物は、
公知の方法で相当する塩に変換される。塩は、毒性のな
い、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、アル
カリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土
類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニ
ウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチル
アンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメ
チルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、
フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)
アミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカ
ミン等)の塩が挙げられる。
【0036】一般式(I)で示される本発明化合物は、
公知の方法で相当する酸付加塩に変換される。酸付加塩
は毒性のない、水溶性のものが好ましい。適当な酸付加
塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、トリフル
オロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸
塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、メタンス
ルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸
塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロ
ン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
また、一般式(I)で示される本発明化合物またはその
塩は、公知の方法により、水和物に変換することもでき
る。
【0037】一般式(I)で示される本発明化合物のう
ち、好ましい化合物としては、一般式(I−a):
【0038】
【化13】 (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)ま
たは一般式(I−b):
【0039】
【化14】 (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)ま
たは一般式(I−c):
【0040】
【化15】 (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)ま
たは一般式(I−d):
【0041】
【化16】 (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で
示される誘導体またはそれらの非毒性塩が挙げられる。
具体的な化合物としては、以下の表1〜表4に記載した
化合物、それらの非毒性塩および実施例に記載した化合
物が挙げられる。なお、各表中のMeはメチル基を表わ
し、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】
【表13】
【0055】
【表14】
【0056】
【表15】
【0057】
【表16】
【0058】
【表17】
【0059】
【表18】
【0060】
【表19】
【0061】
【表20】
【0062】
【本発明化合物の製造方法】
(a)一般式(I)で示される化合物のうち、R2が−
COOR6基であり、R3基、R4基、R5基および−CO
OR6基のいずれも−COOH基またはそれを含有する
基を表わさず、かつR4基およびR5基のいずれも水酸基
またはそれを含有する基を表わさず、かつR3基、R4
およびR5基のいずれもアミノ基またはそれを含有する
基を表わさない化合物、すなわち一般式(I−A1)
【0063】
【化17】
【0064】(式中、R3-1はR3と同じ意味を表わす
が、R3-1によって表わされる基またはそれに含まれる
−COOH基またはアミノ基はそれぞれ保護された基を
表わし、R4-1はR4と同じ意味を表わすが、R4-1によ
って表わされる基またはそれに含まれる−COOH基、
水酸基またはアミノ基はそれぞれ保護された基を表わ
し、R5-1はR5と同じ意味を表わすが、R5-1によって
表わされる基またはそれに含まれる−COOH基、水酸
基またはアミノ基はそれぞれ保護された基を表わし、R
6-1はC1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニ
ル基、−OCOR8基(基中、R8は前記と同じ意味を表
わす。)、−CONR910(基中、すべての記号は前
記と同じ意味を表わす。)から選択される一つの基で置
換されたC1〜4アルキル基を表わし、その他の記号は
前記と同じ意味を表わす。)で示される本発明化合物
は、一般式(II)
【0065】
【化18】 (式中、Xはハロゲン原子を表わし、その他の記号は前
記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式
(III)
【0066】
【化19】R3-1−J−E1 (III) (式中、E1
【0067】
【化20】 を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される化合物とを反応させることにより製造するこ
とができる。一般式(II)で示される、ベンゼン環のハ
ロゲン原子と一般式(III)
【0068】
【化21】R3-1−J−E1 (III) (式中、全ての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示
される化合物との反応は公知であり、例えば有機溶媒
(アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、テトラヒド
ロフラン等)中、塩基(トリエチルアミン等)およびヨ
ウ化第一銅の存在下または非存在下、触媒(テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム等)を用いて、
0〜100℃で反応させることができる。
【0069】(b)一般式(I)で示される化合物のう
ち、R2が−COOR6基であり、R3基、R4基、R5
および−COOR6基のいずれかの基が−COOH基ま
たはそれを含有する基を表わすか、R4基およびR5基の
いずれかの基が水酸基またはそれを含有する基を表わす
か、R3基、R4基およびR5基のいずれかの基がアミノ
基またはそれを含有する基を表わす化合物、すなわち一
般式(I−A2)
【0070】
【化22】 (式中、R3-2、R4-2、R5-2およびR6-2はそれぞれR
3、R4、R5およびR6と同じ意味を表わすが、それらの
うち少なくとも1個の基が−COOH基、水酸基または
アミノ基またはそれらを含有する基を表わし、その他の
記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される本発明化
合物は、前記一般式(IA−1)で示される化合物を、
アルカリ加水分解および/または酸条件下における脱保
護反応に付すことにより製造することができる。
【0071】アルカリ加水分解反応は公知であり、例え
ば、有機溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ
土類金属の水酸化物(水酸化カルシウム等)または炭酸
塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)あるいはその水
溶液もしくはこれらの混合物を用いて0〜40℃の温度
で行なわれる。
【0072】酸性条件下での脱保護反応は公知であり、
例えば有機溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、ジオキ
サン、酢酸エチル、アニソール等)中、有機酸(トリフ
ルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ヨウ化トリメチルシリ
ル等)、または無機酸(塩酸等)もしくはこれらの混合
物(臭化水素酢酸等)中、0〜90℃の温度で行なわれ
る。
【0073】(c)一般式(I)で示される化合物のう
ち、R2が−CONHOR7基を表わす化合物、すなわち
一般式(I−B1)
【化23】 (式中、全ての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示
される本発明化合物は、一般式(I−B2)
【0074】
【化24】 (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)と
一般式(V)
【0075】
【化25】H2N−OR7 (V) (式中、R7は前記と同じ意味を表わす。)で示される
化合物か、または保護されたヒドロキシルアミン(例え
ば、H2N−O−C(CH32−OCH3、HN(Bo
c)−O−Boc(Bocはt−ブトキシカルボニル基
を表わす。)等)をアミド化反応に付すことにより製造
することができる。また、必要であれば引き続いてアル
カリ条件下での加水分解および/または酸条件下におけ
る脱保護反応に付すことにより製造することもできる。
【0076】アミド化反応は公知であり、例えば(1)
酸ハライドを用いる方法、(2)混合酸無水物を用いる
方法、(3)縮合剤を用いる方法等が挙げられる。これ
らの方法を具体的に説明すると、
【0077】(1)酸ハライドを用いる方法は、例え
ば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレ
ン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中また
は無溶媒で、酸ハライド(オキザリルクロリド、チオニ
ルクロリド等)と−20℃〜還流温度で反応させ、得ら
れた酸ハライドを三級アミン(ピリジン、トリエチルア
ミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)
の存在下、アミンと有機溶媒(クロロホルム、塩化メチ
レン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、
0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
【0078】(2)混合酸無水物を用いる方法は、例え
ば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレ
ン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中また
は無溶媒で、三級アミン(ピリジン、トリエチルアミ
ン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の
存在下、酸ハライド(ピバロイルクロリド、トシルクロ
リド、メシルクロリド、クロロギ酸エチル、クロロギ酸
イソブチル等)と、−20〜40℃で反応させ、得られ
た混合酸無水物を有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレ
ン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、相
当するアミンと0〜40℃で反応させることにより行な
われる。
【0079】(3)縮合剤(1,3−ジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−
(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(ED
C)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ素、
1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)等)を
混合して用いる方法は、例えば、カルボン酸とアミン
を、有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジメチル
ホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等)中、または無溶媒で三級アミン(ピリジン、トリエ
チルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジ
ン等)を用いるかまたは用いないで、縮合剤を用い、1
−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HoBt)を用いる
か用いないで、0〜40℃で反応させることにより行な
われる。
【0080】これら(1)、(2)および(3)の反応
は、いずれも不活性ガス(アルゴン、窒素等)雰囲気
下、無水条件で行なうことが望ましい。アルカリ加水分
解および酸条件下における脱保護反応は前記と同様の方
法で行なうことができる。
【0081】当業者には容易に理解できることである
が、カルボキシル基、水酸基の保護基としてはt−ブチ
ル基、ベンジル基等が挙げられるが、それ以外にも容易
にかつ選択的に脱離できる基であれば特に限定されな
い。例えばT.W. Greene, Protective Groups in Organi
c Synthesis, Wiley, New York, 1991に記載されたもの
が用いられる。アミノ基の保護基としては、ベンジルオ
キシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基が挙げら
れるが、それ以外にも容易にかつ選択的に脱離できる基
であれば特に限定されない。ヒドロキシルアミンの保護
基としてはt−ブチル基およびベンジル基が挙げられる
が、それ以外にも容易にかつ選択的に脱離できる基であ
れば特に限定されない。例えば−C(CH32−OCH
3等が用いられる。またこれらの保護基を使い分けるこ
とにより、目的とする本発明化合物が容易に製造され
る。
【0082】一般式(II)で示される化合物は、例え
ば、公知の方法、次に示される反応工程式1によって示
される方法または実施例に記載した方法により製造する
ことができるが、特にこれらに限定されるものではな
い。
【化26】 (反応工程式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わ
す。)
【0083】前記反応工程式の各反応は公知の方法によ
り行なわれる。前記反応工程式において、出発物質とし
て用いる一般式(VI)および一般式(VII)で示される
化合物はそれ自体公知であるか、あるいは公知の方法に
より容易に製造することができる。また、本発明におけ
る他の出発物質および各試薬は、それ自体公知であるか
または公知の方法により製造することができる。
【0084】本明細書中の各反応において、反応生成物
は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下におけ
る蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた
高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィ
ー、あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再
結晶等の方法により精製することができる。精製は各反
応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行
なってもよい。
【0085】
【薬理活性】一般式(I)で示される本発明化合物がマ
トリックスメタロプロテイナーゼ阻害活性を有すること
は、以下の実験によって証明された。
【0086】(1)ゼラチナーゼA阻害活性 [実験方法]ヒト正常皮膚線維芽細胞(HNDF)より
精製されたプロゼラチナーゼA(7μl)のアッセイバ
ッファー(90μl)溶液に10mMのp−アミノフェ
ニル水銀アセテート(APMA)(10μl)を加え
て、37℃で1時間プレインキュベーションし、酵素を
活性化した。
【0087】合成基質(MOCAc-Pro-Leu-Gly-A2pr(Dnp)-
Ala-Arg-NH2)(890μl;最終濃度13.5μM)およ
び種々の濃度の被験化合物の溶液あるいは被験化合物を
添加しない溶液(10μl)を37℃で5分間プレイン
キュベーションした。そこに、上記で調製した活性化酵
素(7μl/tube,100μl)を加えて、37℃で2
0分間インキュベーションし、その後、0.1M酢酸ナト
リウムバッファー(2ml;pH4.0)を加えて酵素反
応を止めた。ゼラチナーゼ活性を反応溶液の蛍光強度
(Ex=328nmとEm=393nm)を測定するこ
とにより算出した。結果を表5に示す。
【0088】
【表21】
【0089】(2)コラゲナーゼ阻害活性 [実験方法]ヒト正常皮膚線維芽細胞(HNDF)より
精製されたプロコラゲナーゼ(5μl)のアッセイバッ
ファー(105μl)溶液に1mg/mlのトリプシン
(45μl)を加えて、37℃で1分間プレインキュベ
ーションし、酵素を活性化した。その溶液に、5mg/
mlの大豆トリプシン阻害剤(soybean trypsin inhibi
tor)(SBTI;50μl)を添加して、トリプシン
を不活化した。合成基質(Ac-Pro-Leu-Gly-[2-mercapto
-4-methyl-pentanoyl]-Leu-Gly-OEt)(105μl;最
終濃度1.33mM)および種々の濃度の被験化合物の溶液
あるいは被験化合物を添加しない溶液(20μl)を2
6℃で5分間プレインキュベーションした。そこに、上
記で調製した活性化酵素(75μl/tube,50μl)
を加えて、26℃で10分間インキュベーションした。
この10分間に計40ポイントの324nmの吸光度を
測定し、そのうちの30ポイントでのVmaxを測定値と
した。結果を表6に示す。
【0090】
【表22】
【0091】
【毒性】本発明化合物の毒性は非常に低いものであり、
医薬として使用するために十分安全であると判断でき
る。
【0092】
【医薬品への適用】ヒトを含めた動物、特にヒトにおい
て、マトリックスメタロプロテイナーゼ、例えば、ゼラ
チナーゼ、コラゲナーゼ、またはストロムライシンを阻
害することで、リュウマチ、骨関節炎、病的骨吸収、骨
粗鬆症、歯周病、間質性腎炎、動脈硬化、肺気腫、肝硬
変、角膜損傷、ガン細胞の転移浸潤や増殖の疾患、自己
免疫疾患(クローン病、シュグレン病等)、白血球系の
細胞の血管遊出や浸潤による疾患、血管新生等の予防お
よび/または治療に有用である。
【0093】一般式(I)で示される本発明化合物、そ
の非毒性の塩、酸付加塩、またはその水和物を上記の目
的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口ま
たは非経口の形で投与される。投与量は、年齢、体重、
症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なる
が、通常、成人一人あたり、1回につき、1mgから10
00mgの範囲で、1日1回から数回経口投与されるか、
または成人一人あたり、1回につき、1mgから100
mgの範囲で、1日1回から数回非経口投与(好ましく
は、静脈内投与)されるか、または1日1時間から24
時間の範囲で静脈内に持続投与される。もちろん前記し
たように、投与量は、種々の条件によって変動するの
で、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、ま
た範囲を越えて必要な場合もある。
【0094】本発明化合物を投与する際には、経口投与
のための固体組成物、液体組成物およびその他の組成物
および非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤等とし
て用いられる。経口投与のための固体組成物には、錠
剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カ
プセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが
含まれる。
【0095】このような固体組成物においては、ひとつ
またはそれ以上の活性物質が、少なくともひとつの不活
性な希釈剤、例えばラクトース、マンニトール、グルコ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロー
ス、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アル
ミン酸マグネシウムと混合される。組成物は、常法に従
って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン
酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸カ
ルシウムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化
剤、グルタミン酸またはアスパラギン酸のような溶解補
助剤を含有していてもよい。錠剤または丸剤は必要によ
り白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの胃
溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被覆していてもよ
いし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼ
ラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含され
る。
【0096】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤
等を含む。このような液体組成物においては、ひとつま
たはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる不活性
な希釈剤(例えば、精製水、エタノール)に含有され
る。この組成物は、不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁
剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を
含有していてもよい。経口投与のためのその他の組成物
としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、そ
れ自体公知の方法により処方されるスプレー剤が含まれ
る。この組成物は不活性な希釈剤以外に亜硫酸水素ナト
リウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、
例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはク
エン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー
剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号および
同第3,095,355号に詳しく記載されている。
【0097】本発明による非経口投与のための注射剤と
しては、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳
濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例え
ば注射用蒸留水および生理食塩水が含まれる。非水溶性
の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物
油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート
80(登録商標)等がある。このような組成物は、さら
に防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例え
ば、ラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン
酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含んでいてもよ
い。これらはバクテリア保留フィルターを通すろ過、殺
菌剤の配合または照射によって無菌化される。これらは
また無菌の固体組成物を製造し、例えば凍結乾燥品の使
用前に、無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶
媒に溶解して使用することもできる。非経口投与のため
のその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活
性物質を含み、常法により処方される外溶液剤、軟膏、
塗布剤、直腸内投与のための坐剤および膣内投与のため
のペッサリー等が含まれる。
【0098】
【実施例】以下、参考例および実施例によって本発明を
詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLC
に示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒ま
たは展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。NMRの
箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した
溶媒を示している。
【0099】参考例1 N−(4−ブロモフェニルスルホニル)−D−トリプト
ファン・メチルエステル
【化27】
【0100】4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド
(1.28g)を、氷冷下、D−トリプトファン・メチルエ
ステル(1.27g)のピリジン(10ml)溶液に徐々に
加えた。混合物を氷浴からはずし、室温で1時間撹拌し
た。反応混合溶液を濃縮し、酢酸エチルで抽出した。抽
出液を1N−塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
=5:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物
(2.08g)を収率95%で得た。
【0101】TLC:Rf 0.5(酢酸エチル:ヘキサン
=1:1); NMR(CDCl3):δ 8.10(1H,s), 7.48(2H,d,J=8.4Hz),
7.40(2H,d,J=8.4Hz), 7.39-6.96(5H,m), 5.28(1H,d,J=
8.6Hz), 4.35-4.18(1H,m), 3.54(3H,s), 3.33-3.10(2H,
m)。
【0102】参考例1(1)〜1(3) 4−ブロモベンゼンスルホニルクロリドおよび相当する
アミノ酸誘導体を用いて、参考例1と同様に操作して、
次の化合物を得た。
【0103】参考例1(1) N−(4−ブロモフェニルスルホニル)−D−アラニン
・t−ブチルエステル
【化28】
【0104】TLC:Rf 0.31(酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:4); NMR(CDCl3):δ 7.72(2H,d,J=8.6Hz), 7.62(2H,d,J=
8.6Hz), 5.25(1H,d,J=8.7Hz), 3.92-3.78(1H,m), 1.34
(3H,d,J=7.0Hz), 1.28(9H,s)。
【0105】参考例1(2) N’−メチル−N’−フェネチル−N−(4−ブロモフ
ェニルスルホニル)−D−グルタミン・t−ブチルエス
テル
【化29】 得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0106】参考例1(3) N’−ベンジル−N’−メチル−N−(4−ブロモフェ
ニルスルホニル)−D−グルタミン・t−ブチルエステ
【化30】
【0107】TLC:Rf 0.47(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:1); NMR(CDCl3):δ 7.70 及び 7.69(合わせて 2H,d 及
び d,J=8.8 及び 8.8Hz),7.61 及び 7.60(合わせて 2H,
d 及び d,J=8.8 及び 8.8Hz), 7.41-7.15(5H,m),5.46(1
H,t,J=9.0Hz), 4.62 及び 4.54(合わせて 2H,s 及び
s), 3.84(1H,m), 2.97 及び 2.93(合わせて 3H,s 及び
s), 2.70-2.40(2H,m), 2.35-2.10(1H,m), 1.95-1.70(1
H,m), 1.27 及び 1.24(合わせて 9H,s 及び s)。
【0108】実施例1 N−(4−(4−ヒドロキシ−1−ブチニル)フェニル
スルホニル)−D−トリプトファン・メチルエステル
【化31】
【0109】参考例1で製造した化合物(1.0g)にト
リエチルアミン(5.4ml)およびアセトニトリル(2.9
ml)を加え、さらにトリフェニルフォスフィン(96
mg)、ヨウ化第一銅(17mg)および10%パラジ
ウム炭素(82mg)を加えた。反応混合溶液を80℃
で4時間撹拌した。反応混合溶液をろ過し、ろ液を濃縮
した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:酢酸エチル=3:1→2:1)
で精製し、下記物性値を有する本発明化合物(0.947
g)を収率97%で得た。
【0110】TLC:Rf 0.10(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:1); NMR(CD3OD):δ 7.5(2H,d,J=8Hz), 7.4-7.2(4H,m),
7.2-6.9(3H,m), 4.15(1H,t,J=6Hz), 3.76(2H,t,J=7Hz),
3.47(3H,s), 3.18(1H,dd,J=12,6Hz), 3.03(1H,dd,J=1
2,7Hz), 2.67(2H,t,J=7Hz)。
【0111】実施例1(1)〜1(14) 参考例1で製造した化合物、参考例1(1)で製造した
化合物、参考例1(2)で製造した化合物または参考例
1(3)で製造した化合物および相当するアセチレン誘
導体またはオレフィン誘導体を用いて、実施例1と同様
に操作して、次の化合物を得た。
【0112】実施例1(1) N−(4−(6−ヒドロキシ−1−ヘキシニル)フェニ
ルスルホニル)−D−トリプトファン・メチルエステル
【化32】
【0113】TLC:Rf 0.32(酢酸エチル:クロロ
ホルム=1:1); NMR(CDCl3):δ 8.18-8.07(1H,br), 7.58-6.99(10H,
m), 5.28-5.10(1H,br),4.27-4.16(1H,m), 3.74-3.58(2
H,br), 3.41(3H,s), 3.17(2H,d,J=6Hz), 2.43(2H,t,J=6
Hz), 1.82-1.50(4H,m)。
【0114】実施例1(2) N−(4−(5−ヒドロキシ−1−ペンチニル)フェニ
ルスルホニル)−D−トリプトファン・メチルエステル
【化33】
【0115】TLC:Rf 0.30(酢酸エチル:クロロ
ホルム=1:1); NMR(CDCl3):δ 8.16-8.06(1H,br), 7.63-6.98(10H,
m), 5.23-5.12(1H,br),4.34-4.20(1H,m), 3.87-3.70(2
H,m), 3.47(3H,s), 2.59(2H,t,J=7Hz), 2.39(2H,t,J=7H
z), 1.88(2H,tt,J=7,7Hz)。
【0116】実施例1(3) (E)−N−(4−(4−アセチルオキシ−1−ブテニ
ル)フェニルスルホニル)−D−トリプトファン・メチ
ルエステル
【化34】
【0117】TLC:Rf 0.43(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:1); NMR(CDCl3):δ 8.10(1H,br), 7.63(2H,d,J=8.6Hz),
7.45(1H,d,J=7.5Hz), 7.31(3H,m), 7.20-7.00(3H,m),
6.46(1H,d,J=16.0Hz), 6.28(1H dt,J=16.0,6.8Hz), 5.1
5(1H,d,J=10.0Hz), 4.22(3H,m), 3.45(3H,s), 3.24(2H,
d,J=5.6Hz), 2.58(2H,m), 2.07(3H,s)。
【0118】実施例1(4) N−(4−(4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキ
シ)−1−ブチニル)フェニルスルホニル)−D−トリ
プトファン・メチルエステル
【化35】
【0119】TLC:Rf 0.44(酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:1); NMR(CDCl3):δ 8.17(1H,s), 7.58(2H,d,J=8.8Hz),
7.43(1H,d,J=7.4Hz), 7.39-7.27(3H,m), 7.22-7.02(2H,
m), 6.97(1H,d,J=2.6Hz), 5.23(1H,d,J=9.2Hz),4.75-4.
65(1H,m), 4.32-4.20(1H,m), 4.00-3.82(2H,m), 3.72-
3.46(2H,m), 3.45(3H,s), 3.30-3.12(2H,m), 2.73(2H,
t,J=7.0Hz), 2.00-1.40(6H,m)。
【0120】実施例1(5) N−(4−(3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキ
シ)−1−プロピニル)フェニルスルホニル)−D−ト
リプトファン・メチルエステル
【化36】 TLC:Rf 0.2(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)。
【0121】実施例1(6) N−(4−(6−ヒドロキシ−1−ヘキシニル)フェニ
ルスルホニル)−D−アラニン・t−ブチルエステル
【化37】
【0122】TLC:Rf 0.35(酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:1); NMR(CDCl3):δ 7.75(2H,d,J=8.6Hz), 7.47(2H,d,J=
8.6Hz), 5.29(1H,d,J=8.4Hz), 3.94-3.75(1H,m), 3.75-
3.60(2H,m), 2.55-2.38(2H,t,J=6.5Hz), 1.84-1.60(4H,
m), 1.35(3H,d,J=7.2Hz), 1.30(9H,s)。
【0123】実施例1(7) (E)−N−(4−(4−ヒドロキシ−1−ブテニル)
フェニルスルホニル)−D−アラニン・t−ブチルエス
テル
【化38】
【0124】TLC:Rf 0.44(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:2); NMR(CDCl3):δ 7.77(2H,d,J=9.0Hz), 7.45(2H,d,J=
9.0Hz), 6.52(1H,d,J=15.9Hz), 6.36(1H,dt,J=15.9,6.5
Hz), 5.50(1H,d,J=9.0Hz), 3.80(3H,m), 2.52(2H,m),
1.30(12H,m)。
【0125】実施例1(8) N−(4−(3−ヒドロキシ−1−プロピニル)フェニ
ルスルホニル)−D−アラニン・t−ブチルエステル
【化39】
【0126】TLC:Rf 0.66(酢酸エチル:ヘキサ
ン=4:1); NMR(CDCl3):δ 7.79(2H,d,J=8.4Hz), 7.51(2H,d,J=
8.4Hz), 5.34(1H,d,J=8.8Hz), 4.52(2H,brs), 3.95-3.7
8(1H,m), 2.02-1.86(1H,brs), 1.35(3H,d,J=7.4Hz), 1.
29(9H,s)。
【0127】実施例1(9) (E)−N−(4−(2−(エチルオキシカルボニル)
エテニル)フェニルスルホニル)−D−アラニン・t−
ブチルエステル
【化40】 TLC:Rf 0.7(酢酸エチル:塩化メチレン=1:
9)。
【0128】実施例1(10) N’−メチル−N’−フェネチル−N−(4−(4−ヒ
ドロキシ−1−ブチニル)フェニルスルホニル)−D−
グルタミン・t−ブチルエステル
【化41】 得られた化合物は精製せずに次の反応に用いた。
【0129】実施例1(11) N’−ベンジル−N’−メチル−N−(4−(4−ヒド
ロキシ−1−ブチニル)フェニルスルホニル)−D−グ
ルタミン・t−ブチルエステル
【化42】
【0130】TLC:Rf 0.48(クロロホルム:メタ
ノール=9:1); NMR(CDCl3):δ 7.75 及び 7.74(合わせて 2H,d 及
び d,J=8.8 及び 8.8Hz),7.48 及び 7.47(合わせて 2H,
d 及び d,J=8.8 及び 8.8Hz), 7.40-7.15(5H,m),5.47(1
H,t,J=9.0Hz), 4.61 及び 4.53(合わせて 2H,s 及び
s), 3.83(3H,m), 2.97 及び 2.93(合わせて 3H,s 及び
s), 2.71(2H,t,J=6.2Hz), 2.63-2.40(2H,m), 2.30-2.10
(1H,m), 1.95-1.70(1H,m), 1.27 及び 1.24(合わせて 9
H,s 及び s)。
【0131】実施例1(12) N−4−(6−ジメチルアミノ−1−ヘキシニル)フェ
ニルスルホニル−D−トリプトファン・メチルエステル
【化43】
【0132】TLC:Rf 0.18(クロロホルム:メタ
ノール=9:1); NMR(DMSO-d6):δ 10.83(1H,s), 8.70-8.40(1H,br),
7.54(2H,d,J=8.4Hz), 7.39(2H,d,J=8.4Hz), 7.36-7.22
(2H,m), 7.10-6.86(3H,m), 4.06-3.90(1H,m), 3.34(3H,
s), 3.07(1H,dd,J=7.0,14.4Hz), 2.90(1H,dd,J=7.6,14.
4Hz), 2.61-2.40(4H,m), 2.36(6H,s), 1.74-1.48(4H,
m)。
【0133】実施例1(13) N−(4−(3−((イミダゾール−4−イルメチルカ
ルボニル)アミノ)−1−プロピニル)フェニルスルホ
ニル)−D−トリプトファン・メチルエステル
【化44】
【0134】TLC:Rf 0.34(クロロホルム:メタ
ノール=4:1); NMR(DMSO-d6):δ 12.10-11.70(1H,br), 10.82(1H,
s), 8.70-8.40(2H,br), 7.68-7.51(3H,m), 7.50-7.39(2
H,m), 7.38-7.20(2H,m), 7.18-6.80(4H,m), 4.26-3.92
(3H,m), 3.34(3H,s), 3.17(2H,d,J=4.8Hz), 3.05(1H,d
d,J=5.4,14.0Hz), 2.90(1H,dd,J=8.3,14.0Hz)。
【0135】実施例1(14) N−(4−(3−メトキシ−1−プロピニル)フェニル
スルホニル)−D−トリプトファン・メチルエステル
【化45】
【0136】TLC:Rf 0.40(酢酸エチル:ヘキサ
ン=1:1); NMR(CDCl3):δ 8.10(1H,brs), 7.62(2H,d,J=8.4H
z), 7.5-7.0(6H,m), 6.98(1H,d,J=2.2Hz), 5.20(1H,d,J
=9.2Hz), 4.33(2H,s), 4.38(1H,m), 3.47(3H,s), 3.46
(3H,s), 3.23(2H,d,J=6Hz)。
【0137】参考例2 N−(4−(3−(1,3−イソインドリンジオン−2
−イル)−1−プロピニル)フェニルスルホニル)−D
−トリプトファン・メチルエステル
【化46】
【0138】参考例1で製造した化合物および相当する
アセチレン誘導体を用いて、実施例1と同様に操作し
て、下記物性値を有する標題化合物を得た。 TLC:Rf 0.32(酢酸エチル:ヘキサン=1:
1); NMR(CDCl3):δ 8.16-8.06(1H,br), 7.95-7.86(2H,
m), 7.80-7.70(2H,m), 7.57(2H,d,J=8.8Hz), 7.48-7.02
(6H,m), 6.96(1H,d,J=2.4Hz), 5.19(1H,d,J=9.2Hz), 4.
70(2H,s), 4.30-4.16(1H,m), 3.46(3H,s), 3.30-3.10(2
H,m)。
【0139】実施例2 N−(4−(6−アセチルオキシ−1−ヘキシニル)フ
ェニルスルホニル)−D−アラニン・ブチルエステル
【化47】
【0140】実施例1(6)で製造した化合物(523
mg)のピリジン(3ml)溶液に無水酢酸(0.26m
l)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合溶液に1
N−塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N
−塩酸および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、濃縮し、次の反応に用いた。 TLC:Rf 0.75(酢酸エチル:ヘキサン=1:
1)。
【0141】実施例2(1) N−(4−(3−アセチルオキシ−1−プロピニル)フ
ェニルスルホニル)−D−アラニン・t−ブチルエステ
【化48】 実施例1(8)で製造した化合物を用いて、実施例2と
同様に操作して、本発明化合物を得た。 TLC:Rf 0.32(酢酸エチル:ヘキサン=3:
7)。
【0142】実施例3 N−(4−(4−ヒドロキシ−1−ブチニル)フェニル
スルホニル)−D−トリプトファン
【化49】
【0143】実施例1で製造した化合物(4.26g)のジ
オキサン(1ml)溶液に、氷冷下で1N−水酸化ナト
リウム水溶液(4.4ml)を滴下し、室温で一晩撹拌し
た。1N−塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液
を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、濃縮し、白色の粉末で下記物性値を有する本発明化
合物(120mg)を収率29%で得た。
【0144】TLC:Rf 0.74(酢酸エチル:メタノ
ール:酢酸=90:30:1); NMR(DMSO-d6):δ 8.40-8.01(1H,br), 7.56-7.42(2
H,m), 7.41-7.24(4H,m),7.10-6.87(4H,m), 5.20-4.80(1
H,br), 3.86(1H,m), 3.59(2H,t,J=7Hz), 3.05(1H,dd,J=
14,5Hz), 2.84(1H,dd,J=14,8Hz), 2.57(2H,t,J=7Hz)。
【0145】実施例3(1)〜3(10) 実施例1(1)〜1(7)、実施例2〜2(1)および
実施例1(9)で製造した化合物を用いて、実施例3と
同様の操作(酸性条件下における脱保護;例えば、トリ
フルオロ酢酸、塩化水素のジオキサン溶液を使用)また
はそれと同じ目的の操作(例えば、アルカリ加水分解)
を行ない、以下の化合物を得た。
【0146】実施例3(1) N−(4−(6−ヒドロキシ−1−ヘキシニル)フェニ
ルスルホニル)−D−トリプトファン
【化50】
【0147】TLC:Rf 0.84(酢酸エチル:メタノー
ル:酢酸=100:10:1); NMR(CD3OD):δ 7.44-6.82(10H,m), 4.08(1H,dd,J=
8,5Hz), 3.62(2H,t,J=4Hz), 3.21(1H,dd,J=14,5Hz), 2.
97(1H,dd,J=14,8Hz), 2.47(2H,t,J=6Hz), 1.81-1.61(4
H,m)。
【0148】実施例3(2) N−(4−(5−ヒドロキシ−1−ペンチニル)フェニ
ルスルホニル)−D−トリプトファン
【化51】
【0149】TLC:Rf 0.58(酢酸エチル:メタノ
ール:酢酸=100:10:1); NMR(CD3OD):δ 7.43-6.88(10H,m), 4.04(1H,dd,J=
8,5Hz), 3.70(2H,t,J=6Hz), 3.21(1H,dd,J=14,5Hz), 2.
97(1H,dd,J=14,8Hz), 2.52(2H,t,J=7Hz), 1.81(2H,tt,J
=7,6Hz)。
【0150】実施例3(3) (E)−N−(4−(4−ヒドロキシ−1−ブテニル)
フェニルスルホニル)−D−トリプトファン
【化52】
【0151】TLC:Rf 0.35(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=80:20:1); NMR(CD3OD):δ 7.50(1H,d,J=8.0Hz), 7.42(2H,d,J=
8.6Hz), 7.23(1H,d,J=8.0Hz), 7.19(2H,d,J=8.6Hz), 7.
03(1H,m), 6.99(1H,s), 6.91(1H,m), 6.44(1H,d,J=15.6
Hz), 6.34(1H,td,J=15.6,6.0Hz), 3.91(1H,dd,J=7.6,4.
6Hz), 3.70(2H,t,J=6.6Hz), 3.22(1H,dd,J=14.6,4.6H
z), 2.99(1H,dd,J=14.6,7.6Hz), 2.46(2H,m)。
【0152】実施例3(4) N−(4−(3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキ
シ)−1−プロピニル)フェニルスルホニル)−D−ト
リプトファン
【化53】
【0153】TLC:Rf 0.47(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸:水=50:10:1:1); NMR(CDCl3):δ 8.18(1H,br), 7.47(3H,m), 7.35-7.
00(5H,m), 6.88(1H,s),5.46(1H ,d,J=8.8Hz), 4.70(1H,
m), 4.24(1H,m), 4.0-3.5(4H,m), 3.20(2H,m)。
【0154】実施例3(5) N−(4−(3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキ
シ)−1−プロピニル)フェニルスルホニル)−D−ト
リプトファン
【化54】
【0155】TLC:Rf 0.24(クロロホルム:メタ
ノール=9:1); NMR(CDCl3+CD3OD):δ 9.84-8.78(1H,m), 7.40-6.80
(9H,m), 4.90(1H,s), 4.50(2H,s), 4.21-4.06(1H,m),
3.99-3.82(1H,m), 3.62-3.50(1H,m), 3.28-2.90(3H,m),
2.00-1.46(6H,m)。
【0156】実施例3(6) N−(4−(6−ヒドロキシ−1−ヘキシニル)フェニ
ルスルホニル)−D−アラニン
【化55】
【0157】TLC:Rf 0.20(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=90:10:1); NMR(DMSO-d6):δ 8.30-7.90(1H,br), 7.73(2H,d,J=
8.6Hz), 7.53(2H,d,J=8.6Hz), 3.80-3.62(1H,m), 3.44
(2H,t,J=6.2Hz), 2.46(2H,t,J=6.6Hz), 1.70-1.50(4H,
m), 1.15(3H,d,J=7.4Hz)。
【0158】実施例3(7) (E)−N−(4−(4−ヒドロキシ−1−ブテニル)
フェニルスルホニル)−D−アラニン
【化56】
【0159】TLC:Rf 0.35(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=80:20:1); NMR(CDCl3+CD3OD):δ 7.77(2H,d,J=8.4Hz), 7.45(2
H,d,J=8.4Hz), 6.52(1H,d,J=16.0Hz), 6.38(1H,dt,J=6.
4,16.0Hz), 3.91(1H,q,J=7.2Hz), 3.75(2H,t,J=6.4Hz),
2.50(2H,m), 1.37(3H,d,J=7.2Hz)。
【0160】実施例3(8) N−(4−(6−アセチルオキシ−1−ヘキシニル)フ
ェニルスルホニル)−D−アラニン
【化57】
【0161】TLC:Rf 0.33(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=90:10:1); NMR(DMSO-d6):δ 7.76(2H,d,J=8.6Hz), 7.48(2H,d,
J=8.6Hz), 7.20-6.94(2H,br), 5.48(1H,d,J=8.6Hz), 4.
14(2H,t,J=6.0Hz), 4.10-3.92(1H,m), 2.48(2H,t,J=6.6
Hz), 2.06(3H,s), 1.90-1.60(4H,m), 1.41(3H,d,J=7.4H
z)。
【0162】実施例3(9) N−(4−(3−アセチルオキシ−1−プロピニル)フ
ェニルスルホニル)−D−アラニン
【化58】
【0163】TLC:Rf 0.39(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=90:10:1); NMR(DMSO-d6):δ 12.80-12.40(1H,br), 8.25(1H,d,
J=8.4Hz), 7.78(2H,d,J=8.6Hz), 7.61(2H,d,J=8.6Hz),
4.95(2H,s), 3.88-3.68(1H,m), 2.09(3H,s), 1.17(3H,
d,J=7.4Hz)。
【0164】実施例3(10) (E)−N−(4−(2−(エチルオキシカルボニル)
エテニル)フェニルスルホニル)−D−アラニン
【化59】
【0165】TLC:Rf 0.46(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=100:20:1); NMR(CD3OD):δ 7.87(d,2H,J=8Hz), 7.75(d,2H,J=8H
z), 7.71(d,1H,J=16Hz),6.65(d,1H,J=16Hz), 4.25(q,2
H,J=7Hz), 3.92(q,1H,J=7Hz), 1.32(t,3H,J=7Hz), 1.30
(d,3H,J=7Hz)。
【0166】実施例3(11) N−(4−(3−ヒドロキシ−1−プロピニル)フェニ
ルスルホニル)−D−トリプトファン
【化60】
【0167】実施例3(5)で製造した化合物を用い
て、実施例3と同様の操作(酸性条件下における脱保
護;例えば、トリフルオロ酢酸、塩化水素のジオキサン
溶液を使用)またはそれと同じ目的の操作(例えば、ア
ルカリ加水分解)を行ない、本発明化合物を得た。
【0168】TLC:Rf 0.14(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸:水=100:10:1:1); NMR(CD3OD):δ 7.58-7.44(1H,m), 7.46(2H,d,J=8H
z), 7.24(2H,d,J=8Hz), 7.08-6.84(3H,m), 4.41(2H,s),
4.01-3.80(1H,m), 3.30-2.82(2H,m)。
【0169】実施例3(12)〜3(16) 実施例1(10)〜1(14)で製造した化合物を用い
て、実施例3と同様の操作(酸性条件下における脱保
護;例えば、トリフルオロ酢酸、塩化水素のジオキサン
溶液を使用)またはそれと同じ目的の操作(例えば、ア
ルカリ加水分解)を行ない、以下の化合物を得た。
【0170】実施例3(12) N’−メチル−N’−フェネチル−N−(4−(4−ヒ
ドロキシ−1−ブチニル)フェニルスルホニル)−D−
グルタミン
【化61】
【0171】TLC:Rf 0.51(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=80:20:1); NMR(DMSO-d6):δ 7.72 及び 7.71(合わせて 2H,d
及び d,J=8.6 及び 8.6Hz), 7.53 及び 7.51(合わせて
2H,d 及び d,J=8.6,8.6Hz), 7.26(5H,m), 3.65(1H,m),
3.60 及び 3.59(合わせて 2H,t 及び t,J=6.6 及び 6.6
Hz), 3.40(2H,m),2.76(3H,s), 2.70(2H,m), 2.59 及び
2.57(合わせて 2H,t 及び t,J=6.6 及び 6.6Hz), 2.14
(2H,m), 1.95-1.50(2H,m)。
【0172】実施例3(13) N’−ベンジル−N’−メチル−N−(4−(4−ヒド
ロキシ−1−ブチニル)フェニルスルホニル)−D−グ
ルタミン
【化62】
【0173】TLC:Rf 0.5(クロロホルム:メタノ
ール:酢酸=80:20:1); NMR(CD3OD):δ 7.78 及び 7.75(合わせて 2H,d 及
び d,J=8.4 及び 8.0Hz),7.51 及び 7.48(合わせて 2H,
d 及び d,J=8.4 及び 8.0Hz), 7.40-7.20(5H,m),4.57-
4.52(2H,m), 3.91(1H,m), 3.73(2H,t,J=6.6Hz), 2.90
及び 2.88(合わせて 3H,s 及び s), 2.65(2H,t,J=6.6H
z), 2.48(2H,m), 2.15(1H,m), 1.85(1H,m)。
【0174】実施例3(14) N−(4−(6−ジメチルアミノ−1−ヘキシニル)フ
ェニルスルホニル)−D−トリプトファン
【化63】
【0175】TLC:Rf 0.30(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸:水=14:6:1:1); NMR(DMSO-D6):δ 10.76(1H,s), 7.60(2H,d,J=8.4H
z), 7.50-7.35(3H,m), 7.29(1H,d,J=7.8Hz), 7.10-6.82
(3H,m), 3.80-3.64(1H,m), 3.16-2.86(2H,m), 2.60-2.4
0(4H,m), 2.31(6H,s), 1.68-1.40(4H,m)。
【0176】実施例3(15) N−(4−(3−((イミダゾール−4−イルメチルカ
ルボニル)アミノ)−1−プロピニル)フェニルスルホ
ニル)−D−トリプトファン
【化64】
【0177】TLC:Rf 0.23(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸:水=14:6:1:1); NMR(DMSO-D6+CD3OD):δ 7.55(1H,s), 7.50(2H,d,J=
8.4Hz), 7.42-7.20(4H,m), 7.10-6.80(4H,m), 4.14(2H,
s), 3.94-3.82(1H,m), 3.40(2H,s), 3.05(1H,dd,J=14.
1,5.4Hz), 2.86(1H,dd,J=14.1,8.3Hz)。
【0178】実施例3(16) N−(4−(3−メトキシ−1−プロピニル)フェニル
スルホニル)−D−トリプトファン
【化65】
【0179】TLC:Rf 0.31(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸=90:10:1); NMR(DMSO-d6):δ 12.80-12.55(1H,brs), 10.78(1H,
s), 8.34(1H,d,J=8.8Hz), 7.52(2H,d,J=8.4Hz), 7.39(2
H,d,J=8.4Hz), 7.36-7.26(2H,m), 7.12-6.88(3H,m), 4.
36(2H,s), 4.00-3.82(1H,m), 3.36(3H,s), 3.08(1H,dd,
J=14.2,6.0Hz), 2.86(1H,dd,J=14.2,8.2Hz)。
【0180】実施例4 N−(4−(3−アミノ−1−プロピニル)フェニルス
ルホニル)−D−トリプトファン・メチルエステル
【化66】
【0181】参考例2で製造した化合物(2.93g)のメ
タノール(10ml)溶液にヒドラジン・1水和物(5
42μl)を加えて、室温で2時間撹拌した。酢酸エチ
ル(100ml)を加えて、ろ過した。得られたろ液を
濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル→クロロホルム:メタノール=95:5
→90:10)で精製し、下記物性値を有する本発明化
合物(1.01g)を収率45%で得た。
【0182】TLC:Rf 0.33(クロロホルム:メタ
ノール=9:1); NMR(DMSO-d6):δ 10.82(1H,s), 7.70-7.22(7H,m),
7.20-6.84(3H,m), 4.10-3.90(1H,m), 3.55(2H,s), 3.38
(3H,s), 3.06(1H,dd,J=6.5,13.6Hz), 2.92(1H,dd,J=7.
0,13.6Hz)。
【0183】実施例5 N−(4−(3−アミノ−1−プロピニル)フェニルス
ルホニル)−D−トリプトファン
【化67】
【0184】実施例4で製造した化合物を用いて、実施
例3と同様の操作(酸性条件下における脱保護;例え
ば、トリフルオロ酢酸、塩化水素のジオキサン溶液を使
用)またはそれと同じ目的の操作(例えば、アルカリ加
水分解)を行ない、以下の化合物を得た。
【0185】TLC:Rf 0.29(クロロホルム:メタ
ノール:酢酸:水=14:6:1:1); NMR(DMSO-D6):δ 10.75(1H,s), 7.62(2H,d,J=8.4H
z), 7.50-7.40(3H,m), 7.30(1H,d,J=8.2Hz), 7.18-6.84
(3H,m), 3.82-3.70(1H,m), 3.63(2H,s), 3.09(1H,dd,J=
14.2,5.6Hz), 2.94(1H,dd,J=14.2,6.6Hz)。
【0186】実施例6 N−ヒドロキシ−N−((N’−4−(4−ヒドロキシ
−1−ブチニル)フェニルスルホニル)−D−トリプト
フィル)アミド
【化68】
【0187】実施例3(4)で製造した化合物(1.45
g)のジメチルホルムアミド(20ml)溶液に、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド・塩酸塩(865mg)、1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール・1水和物(671mg)およびN−(1
−メトキシ−1−メチルエトキシ)アミン(1.31g)を
加えて室温で1時間撹拌した。反応混合溶液に水(10
0ml)を加え、酢酸エチル(100ml)で抽出し
た。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=4:1)で精製
した。精製物(1.42g)をメタノール(10ml)に溶
解し、1N−塩酸(2ml)を加え、室温で2時間撹拌
した。反応混合溶液を中和し、濃縮した。残留物を酢酸
エチル(100ml)で抽出し、抽出液を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール=9:1)で精製し、下記物性値を有す
る本発明化合物(641mg)を収率64%で得た。
【0188】TLC:Rf 0.19(クロロホルム:メタ
ノール=9:1); NMR(DMSO-d6):δ 10.75(1H,s), 10.74-10.50(1H,b
r), 9.00-8.70(1H,br), 8.44-8.08(1H,br), 7.50(2H,d,
J=8.4Hz), 7.42-7.16(4H,m), 7.15-6.86(3H,m), 5.02-
4.85(1H,br), 3.64(1H,m), 3.70-3.50(2H,m), 2.96(1H,
dd,J=14.2,6.8Hz),2.69(1H,dd,J=14.2,7.4Hz), 2.59(2
H,t,J=6.8Hz)。
【0189】実施例6(1) N−ヒドロキシ−N−((N’−4−(4−ヒドロキシ
−1−ブチニル)フェニルスルホニル)−N’’−メチ
ル−N’’−フェネチル−D−グルタミル)アミド
【化69】
【0190】実施例3(12)で製造した化合物を用い
て実施例4と同様の操作を行ない、下記物性値を有する
本発明化合物を得た。 TLC:Rf 0.38(クロロホルム:メタノール:酢酸
=90:10:1); NMR(CD3OD):δ 7.77 及び 7.76(合わせて 2H,d 及
び d,J=8.8 及び 8.4Hz),7.53 及び 7.52(合わせて 2H,
d 及び d,J=8.8 及び 8.4Hz), 7.22(5H,m), 3.73及び
3.72(合わせて 2H,t 及び t,J=6.6 及び 6.6Hz), 3.60-
3. 40(3H,m), 2.88-2.75(5H,m), 2.64 及び 2.63(合わ
せて 2H,t 及び t,J=6.6 及び 6.6Hz), 2.25(1H,m), 2.
05(1H,m), 1.98-1.50(2H,m)。
【0191】
【製剤例】製剤例1 以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中
に50mgの活性成分を含有する錠剤100錠を得た。 ・N−4−(4−ヒドロキシブチニル)フェニルスルホニル−D−アラニン ………5.0g ・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) ………0.2g ・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) ………0.1g ・微結晶セルロース ………4.7g
【0192】製剤例2 以下の各成分を常法により混合した後、溶液を常法によ
り滅菌し、5mlずつアンプルに充填し、常法により凍
結乾燥し、1アンプル中20mgの活性成分を含有する
アンプル100本を得た。 ・N−4−(4−ヒドロキシブチニル)フェニルスルホニル−D−アラニン ………2.00g ・マンニトール ………20g ・蒸留水 ………500ml
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 403/12 209 C07D 403/12 209 405/12 209 405/12 209 // A61K 31/18 ABG A61K 31/18 ABG ABL ABL ACD ACD ADU ADU 31/195 ADT 31/195 ADT 31/215 ABX 31/215 ABX 31/405 AED 31/405 AED 31/415 ABB 31/415 ABB

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1は 1)水素原子、または 2)C1〜4アルキル基を表わし、R2は 1)−COOR6基(基中、R6は (1)水素原子、 (2)C1〜8アルキル基、 (3)フェニル基、または (4)下記(i)〜(iii)から選択される一つの基で
    置換されたC1〜4アルキル基; (i)フェニル基、(ii)−OCOR8基(基中、R8
    C1〜4アルキル基を表わす。)、(iii)−CONR9
    10基(基中、R9およびR10はそれぞれ独立して、
    水素原子またはC1〜4アルキル基を表わす。)、また
    は 2)−CONHOR7基(基中、R7は (1)水素原子、 (2)C1〜8アルキル基、 (3)フェニル基、または (4)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルキル
    基を表わす。)を表わし、R3は 1)−OR11基(基中、R11は (1)水素原子、 (2)C1〜4アルキル基、 (3)C2〜4アシル基、 (4)フェニル基、 (5)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルキル
    基、 (6)−NR1516基(基中、R15およびR16はそれぞ
    れ独立して、水素原子、またはC1〜4アルキル基を表
    わす。)、または (7)テトラヒドロピラン−2−イル基を表わす。)、 2)−NR1213基(基中、R12およびR13はそれぞれ
    独立して、水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わ
    す。)、 3)−COOR14基(基中、R14は (1)水素原子、 (2)C1〜4アルキル基、 (3)フェニル基、または (4)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルキル
    基を表わす。)、または 4)−NR23COR24(基中、R23は水素原子またはC
    1〜4アルキル基を表わし、R24はC1〜4アルキル
    基、フェニル基、ヘテロ環基、一つのフェニル基で置換
    されたC1〜4アルキル基、または一つのヘテロ環基で
    置換されたC1〜4アルキル基を表わす。)を表わし、
    4およびR5はそれぞれ独立して、 1)水素原子、 2)一つの炭素原子が硫黄原子で置き換えられてもよい
    C1〜8アルキル基、 3)−COR17基(基中、R17は (1)水酸基、 (2)C1〜8アルキル基、 (3)C1〜8アルコキシ基、 (4)フェノキシ基、 (5)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルコキ
    シ基、 (6)−NR2021基(基中、R20およびR21はそれぞ
    れ独立して、水素原子、C1〜4アルキル基、フェニル
    基、または、一つまたは二つのフェニル基で置換された
    C1〜4アルキル基を表わす。)、 4)炭素環基(この炭素環基はC1〜4アルキル基、C
    1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、またはト
    リフルオロメチル基から選択される1〜3個の置換基で
    置換されてもよい。)、 5)ヘテロ環基(このヘテロ環基はC1〜4アルキル
    基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ま
    たはトリフルオロメチル基から選択される1〜3個の置
    換基で置換されてもよい。)、または 6)下記(i)〜(viii)から選択される一つの基で置
    換されたC1〜8アルキル基; (i)−COR17基(基中、R17は前記と同じ意味を表
    わす。)、(ii)C1〜4アルコキシ基、(iii)水酸
    基、(iv)ベンジルオキシ基、(v)グアニジノ基、
    (vi)−NR1819基(基中、R18およびR19はそれぞ
    れ独立して、水素原子、C1〜4アルキル基、または−
    COOR22基(基中、R22はC1〜4アルキル基、また
    はベンジル基を表わす。)、(vii)炭素環基(この炭
    素環基はC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、
    ハロゲン原子、水酸基、またはトリフルオロメチル基か
    ら選択される1〜3個の置換基で置換されてもよ
    い。)、(viii)ヘテロ環基(このヘテロ環基はC1〜
    4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、
    水酸基、またはトリフルオロメチル基から選択される1
    〜3個の置換基で置換されてもよい。)を表わし、Eは 【化2】 を表わし、Jは 1)単結合、または 2)C1〜8アルキレン基を表わし、R25は 1)水素原子、 2)C1〜4アルキル基、 3)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルキル
    基、 4)C1〜8アルコキシカルボニル基、または 5)一つのフェニル基で置換されたC1〜4アルコキシ
    カルボニル基を表わす。 ただし、 1)Eが 【化3】 を表わし、かつJが単結合を表わすとき、R3は−CO
    OR14基(基中、R14は前記と同じ意味を表わす。)の
    みを表わし、 2)Eが 【化4】 を表わし、かつJが単結合を表わすとき、R3は−CO
    OR140基(基中、R140はC1〜4アルキル基、フェニ
    ル基、または一つのフェニル基で置換されたC1〜4ア
    ルキル基を表わす。)のみを表わすものとする。]で示
    されるフェニルスルホンアミド誘導体、またはそれらの
    非毒性塩。
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