JPH10180624A - ラッピング装置及び方法 - Google Patents
ラッピング装置及び方法Info
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Abstract
坦度を向上させることを可能としたラッピング装置を提
供する。 【解決手段】 上下の定盤と、該上下の定盤に回動可能
に挟持されかつ複数個の受け穴が穿設された円板状の被
加工物保持金具とを有し、該受け穴に平板状の被加工物
を配置し、該被加工物を該被加工物保持金具とともに該
上下の定盤に対し相対運動させながら研磨を行う研磨装
置において、該被加工物保持金具の厚さが該被加工物の
仕上がり厚さよりも薄くかつ該被加工物保持金具の厚さ
と該被加工物の仕上がり厚さの差が70μm以上となる
ように設定する。
Description
の平板状の被加工物のラップ面の平坦度を向上させるこ
とを可能としたラッピング装置に関するものである。
ハの製造方法は、単結晶製造装置によって製造された単
結晶棒をスライスして薄円板状のウェーハを得るスライ
ス工程と、該スライス工程で得られたウェーハの割れ欠
けを防ぐためにその外周エッジ部を面取りする面取り工
程と、面取りされたウェーハをラッピングしてこれを平
坦化するラッピング工程と、面取りおよびラッピングさ
れたウェーハ表面に残留する加工歪を除去するエッチン
グ工程と、エッチングされたウェーハの表面を鏡面状に
仕上げるポリッシュ工程と、ポリッシュされたウェーハ
を洗浄する洗浄工程から成る。
イスされたウェーハを所定の厚みに揃えると同時にその
平坦度、平行度などの必要な形状精度を得ることであ
る。一般に、このラッピング加工後のウェーハが最も形
状精度が良いことが知られており、最終ウェーハの形状
を決定するとも言われ、ラッピング工程での形状精度が
きわめて重要である。
心円形状の定盤の自転運動、円形の被加工物保持金具
の装置本体に対する公転運動、円形の被加工物保持金
具の自転運動の三つの運動を組み合わせ、定盤と被加工
物に相対運動を与えることにより、ラップを行うラッピ
ング装置が知られている。このラッピング装置は、例え
ば、図4〜6に示すような構成を有している。
はラッピング装置の断面的説明図及び図6はラッピング
装置の上定盤を取り外した状態を示す上面説明図であ
る。
は上下方向に相対向して設けられた下定盤24及び上定
盤26を有している。該下定盤24及び上定盤26は不
図示の駆動手段によって互いに逆方向に回転せしめられ
る。
28を有し、その周縁部には環状のインターナルギア3
0が隣接して設けられている。
キャリアといわれる)であり、その外周面には上記中心
ギア28及びインターナルギア30と噛合するギア部が
形成され、全体として歯車構造をなしている。該被加工
物保持金具32には複数個の受け穴34が穿設されてい
る。ラップすべきウェーハ等の被加工物Wは該受け穴3
4内に配置される。
金具32をおき下定盤24の中央に位置する中心ギア2
8と下定盤24の外側にあるインターナルギア30の間
に被加工物保持金具32の外側の歯車をかみ合わせ上定
盤26をおろし、対向しながら回転する上下の定盤2
6,24の間で被加工物保持金具32は遊星歯車運動を
行う。被加工物Wは被加工物保持金具32に開口された
受け穴34の中に収まり、被加工物保持金具32の自転
と公転の運動が与えられる。
ばれる酸化アルミニウム(Al2O3)、炭化珪素(Si
C)等の研磨砥粒と界面活性剤を含む水などの液体の混
濁液Aをノズル36から上定盤26に設けられた貫通孔
38を介して上下定盤26,24の間隙に流して被加工
物Wと上下定盤26,24の間に砥粒を送り込み、上下
定盤26,24の形状を被加工物Wに転写している。
6,24の形状を忠実に被加工物Wに転写することが必
要であり、相対運動を行っている被加工物Wと上下定盤
26,24の間のスラリーAの動きは無視できない存在
である。
磨耗し粒径と切れ味が変化する。ここでスラリーAの動
きに偏りがあればスラリーAの流れの悪いところでは他
の部分に比べ粒径の小さい切れ味の悪い砥粒で加工する
部分はたちまち厚く加工されてしまうからである。
mから50mm間隔で方眼状に目切りと呼ばれる溝40
を掘りここから不要なスラリーAや切りくずを排出して
いるが十分とはいえないのが現状である。
に、自転運動と公転運動を行う円形の被加工物保持金具
32は、上下の定盤24,26と被加工物Wとの間の加
工に伴う摩擦力をもろに受けるために非常に強度的な負
荷の大きい構成部品となる。
ては被加工物(ウェーハ)の寸法は厚み0.7mm程
度、直径200mmと面積に対する厚さが非常に薄くな
っている。このように厚さが非常に薄い被加工物を一度
に複数枚を保持する円板状の被加工物保持金具32は直
径600mmと巨大な歯車である。一方、該被加工物保
持金具32は、その最大にとりうる厚さが被加工物の最
大厚さまでであり、非常に寸法的な規制の大きい部品と
なっている。
に被加工物、例えばウェーハの厚みに対しスラリー中の
砥粒の最大粒径(約10μm)の2倍程度の薄い状態を
目安にされており、換言すれば、被加工物の厚さより2
0から40μm薄いものであった。
の向上を目的として行なわれるにも関わらず、従来は歯
車構造である被加工物保持金具32の強度を確保するた
め、被加工物Wの仕上がり厚さに対し、ぎりぎりまで被
加工物保持金具32の厚さを確保するのが一般的な操業
条件であった。このため、ラッピングされた被加工物W
の表面の平坦度は不充分な場合が多かった。また、ウェ
ーハの大口径化とともに、デバイスパターンの微細化が
進行し、より高い平坦度が要求されるようになった。
種材料品質及び加工技術の向上によって従来から問題と
されていた被加工物保持金具の寸法について検討し、ラ
ップされた被加工物の平坦度の向上する被加工物保持金
具の寸法について究明を行なった。本発明者は、スラリ
ーの流れに着目し、よりスラリーの流れをスムーズにす
るためあえて従来のタブーに挑み被加工物保持金具32
の厚さを薄くすることを試み、その結果、該被加工物保
持金具の厚さを該被加工物に対し所定の範囲で薄く設定
することによって、被加工物のラップ面の向上を図るこ
とができることを見出し、本発明を完成したものであ
る。
ラップ面の平坦度を向上させることを可能としたラッピ
ング装置を提供することを目的とする。
め、本発明のラッピング装置は、上下の定盤と、該上下
の定盤に回動可能に挟持されかつ複数個の受け穴が穿設
された円板状の被加工物保持金具とを有し、該受け穴に
平板状の被加工物を配置し、該被加工物を該被加工物保
持金具とともに該上下の定盤に対し相対運動させながら
ラップを行うラッピング装置において、該被加工物保持
金具の厚さが該被加工物の仕上がり厚さよりも薄くかつ
該被加工物保持金具の厚さと該被加工物の仕上がり厚さ
の差が70μm以上となるように設定することを特徴と
する。
記被加工物の仕上がり厚さよりも少なくとも70μm薄
く設定することの他に、該被加工物の仕上がり厚さの半
分以上の厚さを有するように設定するのが好適である。
ピング装置を用いて、該被加工物のラップを行ない、そ
のラップ面の平坦度を向上させるようにしたものであ
る。
を添付図面に基づいて説明する。
示した従来のラッピング装置と変わるところはないの
で、その構成について再度の説明は避け、本発明の特徴
点についてのみ説明する。図3は図4の要部拡大図であ
る。
さdは半導体ウェーハ等の被加工物Wの仕上がり厚さe
よりも薄く設定されている。該被加工物保持金具32の
厚さdの設定の範囲は、該被加工物保持金具32の厚さ
dと該被加工物Wの仕上がり厚さeの差fが70μm以
上とすることが必要である。両者の厚さd,eの差fが
70μmに満たないと被加工物Wのラップ面の平坦度を
充分に向上させることができない。
ると、強度的な問題が生ずるため、該被加工物保持金具
32の厚さdは、該被加工物Wの仕上がり厚さeの半分
以上の厚さを有することが必要である。
説明する。
00>、150mmφ、スライスシリコンウェーハ 研磨剤:酸化アルミニウム(Al2O3#1200) スラリー供給量:800cc/min ラップ荷重:100g/cm2 ラップ時間:15分
(試料ウェーハ)の仕上り厚さに対する被加工物保持金
具(キャリア)の厚さの差D(前者に対して後者がどれ
だけ薄いか)を10、30、50、70、90、11
0、130(μm)と変化させ、図3〜図5に示したラ
ッピング装置を用いて試料ウェーハ(面取りまで実施し
たスライスウェーハ)16枚ずつをラップし、ラップ面
の平坦度(TTV:面内の最大厚と最小厚の差)を測定
し、図1にその平均値を示した。
ーハの仕上り厚さに対するキャリアの厚さの差が70μ
mに満たない場合には、ラップ面の平坦度(従来の厚さ
の差30μmの平均値を1としたときの相対値)は0.
8以上であり、好ましいとはいえないが、上記差Dが7
0μm以上の場合には、平坦度(相対値)が0.8未満
となり、平坦度が向上することが確認できた。
の厚さを薄くしてゆくと上記差Dが100μm前後のと
ころから平坦度の向上効果はほとんど伸びなくなってゆ
く。さらにウェーハの仕上がり厚さの半分程度まで被加
工物保持金具を薄くするとウェーハの面取り部が被加工
物保持金具に乗り上げやすくなりラッピング作業そのも
のが成り立たなくなるために本発明の有効な範囲の限度
はウェーハの厚みの半分までであることも確認した。
るラッピング条件と同様のラッピング条件において、上
記差Dを90μm(実施例1)及び40μm(比較例
1)として、試料ウェーハ各100枚をラップし、その
ラップ面の平坦度を測定して、その平均値を求めた結果
を図2に示した。図2に示されるごとく、実施例1の平
坦度は0.7であったのに対し、比較例1の平坦度は
1.0であった。この結果から、両者の間には品質レベ
ルに明らかな差が生じていることが確認できた。
導体ウェーハ等の被加工物のラップ面の平坦度を容易に
向上させることができるという大きな効果が達成され
る。
る被加工物保持金具(キャリア)の厚さの差とラップ面
の平坦度との関係を示すグラフである。
ハ)のラップ面の平坦度を示すグラフである。
示す要部の断面的説明図である。
す上面説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 上下の定盤と、該上下の定盤に回動可能
に挟持されかつ複数個の受け穴が穿設された円板状の被
加工物保持金具とを有し、該受け穴に平板状の被加工物
を配置し、該被加工物を該被加工物保持金具とともに該
上下の定盤に対し相対運動させながらラップを行うラッ
ピング装置において、該被加工物保持金具の厚さが該被
加工物の仕上がり厚さよりも薄くかつ該被加工物保持金
具の厚さと該被加工物の仕上がり厚さの差が70μm以
上となるように設定することを特徴とするラッピング装
置。 - 【請求項2】 前記被加工物保持金具の厚さが、前記被
加工物の仕上がり厚さの半分以上の厚さを有するように
設定することを特徴とする請求項1記載のラッピング装
置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の装置を用いて前記
被加工物のラップを行ない、そのラップ面の平坦度を向
上させるようにしたことを特徴とするラッピング方法。
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