JPH0948789A - O,s−ジメチル−n−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法 - Google Patents
O,s−ジメチル−n−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法Info
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- JPH0948789A JPH0948789A JP20080795A JP20080795A JPH0948789A JP H0948789 A JPH0948789 A JP H0948789A JP 20080795 A JP20080795 A JP 20080795A JP 20080795 A JP20080795 A JP 20080795A JP H0948789 A JPH0948789 A JP H0948789A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】O,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミ
ドチオエートの粗結晶から、移送可能なスラリー液とし
て晶析処理が可能で、しかも高い晶析収率で、高純度で
O,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミドチオエ
ートを得る。 【解決手段】O,S−ジメチルホスホルアミドチオエー
トのアセチル化により得られるO,S−ジメチル−N−
アセチルホスホルアミドチオエートの粗結晶を、芳香族
炭化水素、脂肪族カルボン酸エステルまたは脂肪族ケト
ンから選ばれる水に難溶もしくは微溶性の有機溶媒と水
とからなり、粗結晶に対する水の量が0.1〜2重量
倍、有機溶媒の量が1〜20重量倍である2相系溶媒で
晶析処理を行なう。
ドチオエートの粗結晶から、移送可能なスラリー液とし
て晶析処理が可能で、しかも高い晶析収率で、高純度で
O,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミドチオエ
ートを得る。 【解決手段】O,S−ジメチルホスホルアミドチオエー
トのアセチル化により得られるO,S−ジメチル−N−
アセチルホスホルアミドチオエートの粗結晶を、芳香族
炭化水素、脂肪族カルボン酸エステルまたは脂肪族ケト
ンから選ばれる水に難溶もしくは微溶性の有機溶媒と水
とからなり、粗結晶に対する水の量が0.1〜2重量
倍、有機溶媒の量が1〜20重量倍である2相系溶媒で
晶析処理を行なう。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はO,S−ジメチル−
N−アセチルホスホルアミドチオエートの改良された精
製法に関する。
N−アセチルホスホルアミドチオエートの改良された精
製法に関する。
【0002】
【従来の技術】O,S−ジメチル N−アセチルホスホ
ルアミドチオエートは殺虫剤としてよく知られた化合物
であり、その製造法としても、O,S−ジメチルホスホ
ルアミドチオエートと無水酢酸を、酸触媒の存在下に反
応させてアセチル化する方法が知られている。かかる方
法により生成したO,S−ジメチル N−アセチルホス
ホルアミドチオエートは、反応液中の溶媒等を留去し、
クロロホルムなどで抽出したのちこれを濃縮する方法
(特公昭48−34583号)や、反応液をアルカリ性
水溶液で中和処理し、これを塩化メチレンやクロロホル
ムなどのハロゲン系溶媒で抽出した後、抽出液を濃縮し
て再結晶する(特開昭64−75494号)方法などに
より単離、精製されていた。
ルアミドチオエートは殺虫剤としてよく知られた化合物
であり、その製造法としても、O,S−ジメチルホスホ
ルアミドチオエートと無水酢酸を、酸触媒の存在下に反
応させてアセチル化する方法が知られている。かかる方
法により生成したO,S−ジメチル N−アセチルホス
ホルアミドチオエートは、反応液中の溶媒等を留去し、
クロロホルムなどで抽出したのちこれを濃縮する方法
(特公昭48−34583号)や、反応液をアルカリ性
水溶液で中和処理し、これを塩化メチレンやクロロホル
ムなどのハロゲン系溶媒で抽出した後、抽出液を濃縮し
て再結晶する(特開昭64−75494号)方法などに
より単離、精製されていた。
【0003】しかし、前者の方法では目的化合物が油状
で得られるため、その後の取扱が非常に困難であった
り、高純度品を得るためには更に再結晶を必要とするな
どの問題があり、また、後者の方法は結晶が得られると
いう利点はあるが、晶析収率が低く、十分な収率を得る
ためには晶析操作を重ねる必要があるために生産性に劣
り、また塩化メチレンやクロロホルムなどのハロゲン系
溶媒を用いた場合には、晶析後のスラリー濃度が高くな
ってスラリー液の移送が困難になったり、環境保全や労
働衛生上の立場からも好ましい溶媒とはいえないなどの
問題があった。
で得られるため、その後の取扱が非常に困難であった
り、高純度品を得るためには更に再結晶を必要とするな
どの問題があり、また、後者の方法は結晶が得られると
いう利点はあるが、晶析収率が低く、十分な収率を得る
ためには晶析操作を重ねる必要があるために生産性に劣
り、また塩化メチレンやクロロホルムなどのハロゲン系
溶媒を用いた場合には、晶析後のスラリー濃度が高くな
ってスラリー液の移送が困難になったり、環境保全や労
働衛生上の立場からも好ましい溶媒とはいえないなどの
問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らは、その製造工程で得られる粗O,S−ジメ
チル−N−アセチルホスホルアミドチオエートから、ハ
ロゲン系溶媒を使用することなく、移送可能なスラリー
液として晶析が可能で、しかも高い晶析収率で、かつ好
純度で、O,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミ
ドチオエートの結晶を容易に得るべく検討の結果、本発
明に至った。
本発明者らは、その製造工程で得られる粗O,S−ジメ
チル−N−アセチルホスホルアミドチオエートから、ハ
ロゲン系溶媒を使用することなく、移送可能なスラリー
液として晶析が可能で、しかも高い晶析収率で、かつ好
純度で、O,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミ
ドチオエートの結晶を容易に得るべく検討の結果、本発
明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、O,
S−ジメチルホスホルアミドチオエートのアセチル化に
より得られるO,S−ジメチル−N−アセチルホスホル
アミドチオエートの粗結晶を、芳香族炭化水素、脂肪族
カルボン酸エステルまたは脂肪族ケトンから選ばれる有
機溶媒と水とからなり、粗結晶に対する水の量が0.1
〜2重量倍、有機溶媒の量が1〜20重量倍である2相
系溶媒で晶析処理を行なうことを特徴とするO,S−ジ
メチル−N−アセチルホスホルアミドチオエートの精製
法を提供するものである。
S−ジメチルホスホルアミドチオエートのアセチル化に
より得られるO,S−ジメチル−N−アセチルホスホル
アミドチオエートの粗結晶を、芳香族炭化水素、脂肪族
カルボン酸エステルまたは脂肪族ケトンから選ばれる有
機溶媒と水とからなり、粗結晶に対する水の量が0.1
〜2重量倍、有機溶媒の量が1〜20重量倍である2相
系溶媒で晶析処理を行なうことを特徴とするO,S−ジ
メチル−N−アセチルホスホルアミドチオエートの精製
法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】O,S−ジメチル−N−アセチル
ホスホルアミドチオエートは、一般にO,S−ジメチル
ホスホルアミドチオエートのアセチル化により得られ、
このアセチル化反応は、通常、O,S−ジメチルホスホ
ルアミドチオエートを塩化水素、硫酸などのプロトン
酸、三弗化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化亜鉛などの
ルイス酸などの酸触媒の存在下、無溶媒で、またはトル
エン、酢酸、エーテルなどの有機溶媒中で、無水酢酸を
反応させることにより行われる。本発明の精製処理の対
象となるO,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミ
ドチオエートの粗結晶とは、このようなO,S−ジメチ
ルホスホルアミドチオエートのアセチル化により得られ
る不純物を多く含む固体状の粗生成物であって、たとえ
ばかかるアセチル化反応後の反応液を冷却することによ
り得た析出物、あるいはアセチル化反応後の反応液を濃
縮して得た固体状残渣であって、通常このような粗結晶
物中のO,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミド
チオエートの純度は高くても90重量%程度であって、
通常未反応原料、副生成物その他の不純物を10〜30
重量%程度含んでいる。尚、このようなO,S−ジメチ
ルホスホルアミドチオエートのアセチル化を溶媒中で行
なった場合には、アセチル化後の反応液を冷却して析出
物を得る際に目的化合物の一部が溶媒中に残存してその
収量が低下したり、あるいは反応液を濃縮して固体状残
渣を得る場合には蒸留操作が必要となるのみならず、多
量の反応溶媒も留去させなければならないため濃縮効率
が低下するなどの精製処理以前の問題があるため、O,
S−ジメチルホスホルアミドチオエートからの通算収率
や生産効率を考慮するならば、無溶媒ないしはごく少量
の溶媒を用いてアセチル化を行なった反応液から回収さ
れる粗結晶、とりわけ該反応液を冷却して得た析出物を
本発明の精製対象とするのが好適である。
ホスホルアミドチオエートは、一般にO,S−ジメチル
ホスホルアミドチオエートのアセチル化により得られ、
このアセチル化反応は、通常、O,S−ジメチルホスホ
ルアミドチオエートを塩化水素、硫酸などのプロトン
酸、三弗化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化亜鉛などの
ルイス酸などの酸触媒の存在下、無溶媒で、またはトル
エン、酢酸、エーテルなどの有機溶媒中で、無水酢酸を
反応させることにより行われる。本発明の精製処理の対
象となるO,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミ
ドチオエートの粗結晶とは、このようなO,S−ジメチ
ルホスホルアミドチオエートのアセチル化により得られ
る不純物を多く含む固体状の粗生成物であって、たとえ
ばかかるアセチル化反応後の反応液を冷却することによ
り得た析出物、あるいはアセチル化反応後の反応液を濃
縮して得た固体状残渣であって、通常このような粗結晶
物中のO,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミド
チオエートの純度は高くても90重量%程度であって、
通常未反応原料、副生成物その他の不純物を10〜30
重量%程度含んでいる。尚、このようなO,S−ジメチ
ルホスホルアミドチオエートのアセチル化を溶媒中で行
なった場合には、アセチル化後の反応液を冷却して析出
物を得る際に目的化合物の一部が溶媒中に残存してその
収量が低下したり、あるいは反応液を濃縮して固体状残
渣を得る場合には蒸留操作が必要となるのみならず、多
量の反応溶媒も留去させなければならないため濃縮効率
が低下するなどの精製処理以前の問題があるため、O,
S−ジメチルホスホルアミドチオエートからの通算収率
や生産効率を考慮するならば、無溶媒ないしはごく少量
の溶媒を用いてアセチル化を行なった反応液から回収さ
れる粗結晶、とりわけ該反応液を冷却して得た析出物を
本発明の精製対象とするのが好適である。
【0007】本発明は、このようなO,S−ジメチル−
N−アセチルホスホルアミドチオエートの粗結晶を、芳
香族炭化水素、脂肪族カルボン酸エステルまたは脂肪族
ケトンから選ばれる水に難溶もしくは微溶性の有機溶媒
と水とからなる2相系溶媒で晶析処理を行なうものであ
る。ここで、上記有機溶媒における芳香族炭化水素とし
てはベンゼン環に炭素数1〜4のアルキル基が1個以上
置換されていてもよい炭素数6〜12のベンゼン系化合
物が好ましく使用され、具体的にはベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンまたはクメンなどが例示
される。脂肪族カルボン酸エステルとしては、炭素数1
〜4の脂肪族カルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエス
テルが好ましく使用され、具体的には酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルなどが例示
される。また、脂肪族ケトンとしては炭素数4〜8の脂
肪族ケトンが好ましく使用され、具体的にはメチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンなどが例示される。
N−アセチルホスホルアミドチオエートの粗結晶を、芳
香族炭化水素、脂肪族カルボン酸エステルまたは脂肪族
ケトンから選ばれる水に難溶もしくは微溶性の有機溶媒
と水とからなる2相系溶媒で晶析処理を行なうものであ
る。ここで、上記有機溶媒における芳香族炭化水素とし
てはベンゼン環に炭素数1〜4のアルキル基が1個以上
置換されていてもよい炭素数6〜12のベンゼン系化合
物が好ましく使用され、具体的にはベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンまたはクメンなどが例示
される。脂肪族カルボン酸エステルとしては、炭素数1
〜4の脂肪族カルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエス
テルが好ましく使用され、具体的には酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルなどが例示
される。また、脂肪族ケトンとしては炭素数4〜8の脂
肪族ケトンが好ましく使用され、具体的にはメチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンなどが例示される。
【0008】本発明の精製法において、水および有機溶
媒の使用量は非常に重要であって、再結晶収率が高く、
かつ高純度で、しかも晶析マスのスラリー濃度が適当で
あって、スラリー液の移送を容易ならしめるためには、
粗結晶に対する水の量が0.1重量倍以上2重量倍以
下、好ましくは0.5重量倍以下であり、有機溶媒の量
が1重量倍以上20重量倍以下、好ましくは10重量倍
以下であることが必要である。ここで、水の使用量や有
機溶媒の水に対する割合がこの範囲をはずれると、水溶
性の不純物が十分に除去できずに精製効果が劣ったり、
晶析収率が低下する等の問題が生じる。
媒の使用量は非常に重要であって、再結晶収率が高く、
かつ高純度で、しかも晶析マスのスラリー濃度が適当で
あって、スラリー液の移送を容易ならしめるためには、
粗結晶に対する水の量が0.1重量倍以上2重量倍以
下、好ましくは0.5重量倍以下であり、有機溶媒の量
が1重量倍以上20重量倍以下、好ましくは10重量倍
以下であることが必要である。ここで、水の使用量や有
機溶媒の水に対する割合がこの範囲をはずれると、水溶
性の不純物が十分に除去できずに精製効果が劣ったり、
晶析収率が低下する等の問題が生じる。
【0009】本発明の精製方法においては、たとえば上
記した有機溶媒と水との2相系溶媒とO,S−ジメチル
−N−アセチルホスホルアミドチオエートの粗結晶を混
合し、結晶が溶解するまで加熱したのち徐々に冷却して
結晶を析出せしめるという通常の再結晶手段がそのまま
適用され、晶析処理操作それ自体は特に限定されない。
結晶析出後も、通常の濾過操作等によりこれを分離し、
減圧乾燥などの通常の手法でこれを乾燥させることによ
り、目的とするO,S−ジメチル−N−アセチルホスホ
ルアミドチオエートを高純度で得ることができる。尚、
粗結晶を溶解するときの加熱温度は、それが高すぎると
目的とするO,S−ジメチル−N−アセチルホスホルア
ミドチオエートの分解が生じることがあるため、せいぜ
い70〜80℃程度までとすることが好ましく、そのた
めには、かかる温度で固体状物が全て溶解するように、
上記本発明に特定する範囲内で水の使用量や有機溶媒の
種類、その使用量が調整される。また、冷却温度は通常
30℃以下、好ましくは10℃以下である。
記した有機溶媒と水との2相系溶媒とO,S−ジメチル
−N−アセチルホスホルアミドチオエートの粗結晶を混
合し、結晶が溶解するまで加熱したのち徐々に冷却して
結晶を析出せしめるという通常の再結晶手段がそのまま
適用され、晶析処理操作それ自体は特に限定されない。
結晶析出後も、通常の濾過操作等によりこれを分離し、
減圧乾燥などの通常の手法でこれを乾燥させることによ
り、目的とするO,S−ジメチル−N−アセチルホスホ
ルアミドチオエートを高純度で得ることができる。尚、
粗結晶を溶解するときの加熱温度は、それが高すぎると
目的とするO,S−ジメチル−N−アセチルホスホルア
ミドチオエートの分解が生じることがあるため、せいぜ
い70〜80℃程度までとすることが好ましく、そのた
めには、かかる温度で固体状物が全て溶解するように、
上記本発明に特定する範囲内で水の使用量や有機溶媒の
種類、その使用量が調整される。また、冷却温度は通常
30℃以下、好ましくは10℃以下である。
【0010】かかる晶析処理で析出結晶を分離した後の
濾液は、有機溶媒と水の使用量が上述した本発明の範囲
内であれば、該濾液に再度O,S−ジメチル−N−アセ
チルホスホルアミドチオエートの粗結晶を加えて同様の
晶析処理を繰り返しても、純度の高いO,S−ジメチル
−N−アセチルホスホルアミドチオエートの結晶を得る
ことができ、この操作は析出結晶の純度が低下するま
で、適宜繰り返すことができる。
濾液は、有機溶媒と水の使用量が上述した本発明の範囲
内であれば、該濾液に再度O,S−ジメチル−N−アセ
チルホスホルアミドチオエートの粗結晶を加えて同様の
晶析処理を繰り返しても、純度の高いO,S−ジメチル
−N−アセチルホスホルアミドチオエートの結晶を得る
ことができ、この操作は析出結晶の純度が低下するま
で、適宜繰り返すことができる。
【0011】
【発明の効果】本発明の方法によれば、O,S−ジメチ
ル−N−アセチルホスホルアミドチオエートを工業的に
操作容易なスラリー濃度で晶析が可能となり、しかも高
い晶析収率で、かつ高純度でO,S−ジメチル N−ア
セチルホスホルアミドチオエートを結晶として得ること
ができる。
ル−N−アセチルホスホルアミドチオエートを工業的に
操作容易なスラリー濃度で晶析が可能となり、しかも高
い晶析収率で、かつ高純度でO,S−ジメチル N−ア
セチルホスホルアミドチオエートを結晶として得ること
ができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれによって限定されるものでない
ことはいうまでもない。尚、以下の例における純度分析
は内部標準物質を用いたガスクロマトグラフィーにより
行なったものである。
明するが、本発明がこれによって限定されるものでない
ことはいうまでもない。尚、以下の例における純度分析
は内部標準物質を用いたガスクロマトグラフィーにより
行なったものである。
【0013】参考例1 O,O−ジメチルホスホルアミドチオエート1500g
(純度:86.3%)中に40℃でジメチル硫酸95.
2gを徐々に加えたのち6時間反応させて、O,S−ジ
メチルホスホルアミドチオエートに異性化した。この反
応液中に98%硫酸41gおよび無水酢酸1218gを
40℃でゆっくりと加えたのち、同温度で2時間反応さ
せた。得られた反応液を10℃に冷却し、析出晶を濾過
により取り出してO,S−ジメチル−N−アセチルホス
ホルアミドチオエートの粗結晶805gを得た。このも
のの純度は86%であった。
(純度:86.3%)中に40℃でジメチル硫酸95.
2gを徐々に加えたのち6時間反応させて、O,S−ジ
メチルホスホルアミドチオエートに異性化した。この反
応液中に98%硫酸41gおよび無水酢酸1218gを
40℃でゆっくりと加えたのち、同温度で2時間反応さ
せた。得られた反応液を10℃に冷却し、析出晶を濾過
により取り出してO,S−ジメチル−N−アセチルホス
ホルアミドチオエートの粗結晶805gを得た。このも
のの純度は86%であった。
【0014】実施例1 参考例1で得たO,S−ジメチル−N−アセチルホスホ
ルアミドチオエートの粗結晶50gを、水10gとトル
エン100gからなる混合溶媒に加え、攪拌しながら4
0℃まで加熱して結晶物を全て溶解させた。その後、1
0℃まで徐々に冷却して結晶を析出させ、同温度でこれ
を濾過して析出晶を取り出し、その後これを減圧下に乾
燥してO,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミド
チオエートの結晶26.7g(純度98.5%、精製収
率61.5%)を得た。なお、この晶析操作における晶
析マスのスラリー濃度は16.3%であり、スラリー移
送は容易であった。
ルアミドチオエートの粗結晶50gを、水10gとトル
エン100gからなる混合溶媒に加え、攪拌しながら4
0℃まで加熱して結晶物を全て溶解させた。その後、1
0℃まで徐々に冷却して結晶を析出させ、同温度でこれ
を濾過して析出晶を取り出し、その後これを減圧下に乾
燥してO,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミド
チオエートの結晶26.7g(純度98.5%、精製収
率61.5%)を得た。なお、この晶析操作における晶
析マスのスラリー濃度は16.3%であり、スラリー移
送は容易であった。
【0015】実施例2 実施例1におけるO,S−ジメチル−N−アセチルホス
ホルアミドチオエートの結晶を濾別した後の濾液をその
まま使用し、この濾液に参考例1で得たO,S−ジメチ
ル−N−アセチルホスホルアミドチオエートの粗結晶3
0gを加え、攪拌しながら40℃まで加熱して結晶物を
全て溶解させた。その後、10℃まで徐々に冷却して結
晶を析出させ、同温度でこれを濾過して析出晶を取り出
し、その後これを減圧下に乾燥してO,S−ジメチル−
N−アセチルホスホルアミドチオエートの結晶25.8
g(純度98.1%、精製収率98.1%)を得た。
尚、実施例1と実施例2を合わせた通算収率は75%で
ある。
ホルアミドチオエートの結晶を濾別した後の濾液をその
まま使用し、この濾液に参考例1で得たO,S−ジメチ
ル−N−アセチルホスホルアミドチオエートの粗結晶3
0gを加え、攪拌しながら40℃まで加熱して結晶物を
全て溶解させた。その後、10℃まで徐々に冷却して結
晶を析出させ、同温度でこれを濾過して析出晶を取り出
し、その後これを減圧下に乾燥してO,S−ジメチル−
N−アセチルホスホルアミドチオエートの結晶25.8
g(純度98.1%、精製収率98.1%)を得た。
尚、実施例1と実施例2を合わせた通算収率は75%で
ある。
【0016】実施例3〜6 トルエンに代えて表1に記載の有機溶媒を同量使用する
以外は実施例1と同様に処理して、O,S−ジメチル−
N−アセチルホスホルアミドチオエートの精製結晶を得
た。結果を表1に示す。
以外は実施例1と同様に処理して、O,S−ジメチル−
N−アセチルホスホルアミドチオエートの精製結晶を得
た。結果を表1に示す。
【0017】
【0018】比較例1 参考例1で得たO,S−ジメチル−N−アセチルホスホ
ルアミドチオエートの粗結晶50gに水15gを加え、
攪拌しながら40℃まで加熱して結晶物を全て溶解させ
た。その後、5℃まで徐々に冷却して結晶を析出させ、
同温度でこれを濾過して析出晶を取り出し、その後これ
を減圧下に乾燥してO,S−ジメチル−N−アセチルホ
スホルアミドチオエートの結晶10.8g(純度94.
5%)を得た。このときの精製収率は24%であり、晶
析マスのスラリー濃度は16.7%であった。
ルアミドチオエートの粗結晶50gに水15gを加え、
攪拌しながら40℃まで加熱して結晶物を全て溶解させ
た。その後、5℃まで徐々に冷却して結晶を析出させ、
同温度でこれを濾過して析出晶を取り出し、その後これ
を減圧下に乾燥してO,S−ジメチル−N−アセチルホ
スホルアミドチオエートの結晶10.8g(純度94.
5%)を得た。このときの精製収率は24%であり、晶
析マスのスラリー濃度は16.7%であった。
【0019】比較例2 参考例1で得たO,S−ジメチル−N−アセチルホスホ
ルアミドチオエートの粗結晶50gにトルエン100g
を加え、攪拌しながら50℃まで加熱し、以下実施例1
と同様に処理してO,S−ジメチル−N−アセチルホス
ホルアミドチオエートの結晶を得た。このときの結晶の
回収率は86%、その純度は89%であった。
ルアミドチオエートの粗結晶50gにトルエン100g
を加え、攪拌しながら50℃まで加熱し、以下実施例1
と同様に処理してO,S−ジメチル−N−アセチルホス
ホルアミドチオエートの結晶を得た。このときの結晶の
回収率は86%、その純度は89%であった。
【0020】比較例3 参考例1で得たO,S−ジメチル−N−アセチルホスホ
ルアミドチオエートの粗結晶50gに塩化メチレン10
0gを加え、攪拌しながら40℃まで加熱して結晶物を
全て溶解させた。その後、5℃まで徐々に冷却したが、
結晶は析出してこなかった。
ルアミドチオエートの粗結晶50gに塩化メチレン10
0gを加え、攪拌しながら40℃まで加熱して結晶物を
全て溶解させた。その後、5℃まで徐々に冷却したが、
結晶は析出してこなかった。
【0021】比較例4 参考例1で得たO,S−ジメチル−N−アセチルホスホ
ルアミドチオエートの粗結晶50gに塩化メチレン15
gを加え、攪拌しながら40℃まで加熱して結晶物を全
て溶解させた。その後5℃まで徐々に冷却して結晶を析
出させ、同温度でこれを濾過して析出晶を取り出し、そ
の後これを減圧下に乾燥してO,S−ジメチル−N−ア
セチルホスホルアミドチオエートの結晶28.8g(純
度97.0%)を得た。このときの精製収率は65%で
あった。尚、このときの晶析処理における晶析マスのス
ラリー濃度は43%と非常に高く、スラリー移送は困難
であった。
ルアミドチオエートの粗結晶50gに塩化メチレン15
gを加え、攪拌しながら40℃まで加熱して結晶物を全
て溶解させた。その後5℃まで徐々に冷却して結晶を析
出させ、同温度でこれを濾過して析出晶を取り出し、そ
の後これを減圧下に乾燥してO,S−ジメチル−N−ア
セチルホスホルアミドチオエートの結晶28.8g(純
度97.0%)を得た。このときの精製収率は65%で
あった。尚、このときの晶析処理における晶析マスのス
ラリー濃度は43%と非常に高く、スラリー移送は困難
であった。
Claims (8)
- 【請求項1】O,S−ジメチルホスホルアミドチオエー
トのアセチル化により得られるO,S−ジメチル−N−
アセチルホスホルアミドチオエートの粗結晶を、芳香族
炭化水素、脂肪族カルボン酸エステルまたは脂肪族ケト
ンから選ばれる水に難溶もしくは微溶性の有機溶媒と水
とからなり、粗結晶に対する水の量が0.1〜2重量
倍、有機溶媒の量が1〜20重量倍である2相系溶媒で
晶析処理を行なうことを特徴とするO,S−ジメチル−
N−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法。 - 【請求項2】O,S−ジメチル−N−アセチルホスホル
アミドチオエートの粗結晶が、O,S−ジメチルホスホ
ルアミドチオエートを無溶媒で、酸触媒の存在下に無水
酢酸を用いてアセチル化したのち、その反応液を冷却す
ることにより得た析出物である請求項1に記載のO,S
−ジメチル−N−アセチルホスホルアミドチオエートの
精製法。 - 【請求項3】O,S−ジメチル−N−アセチルホスホル
アミドチオエートの粗結晶が、O,S−ジメチルホスホ
ルアミドチオエートを溶媒中、酸触媒の存在下に無水酢
酸を用いてアセチル化したのち、その反応液を冷却する
ことにより得た析出物である請求項1に記載のO,S−
ジメチル−N−アセチルホスホルアミドチオエートの精
製法。 - 【請求項4】O,S−ジメチル−N−アセチルホスホル
アミドチオエートの粗結晶が、O,S−ジメチルホスホ
ルアミドチオエートを溶媒中もしくは無溶媒で、酸触媒
の存在下に無水酢酸を用いてアセチル化したのち、その
反応液を濃縮することにより得た固体状残渣である請求
項1に記載のO,S−ジメチル−N−アセチルホスホル
アミドチオエートの精製法。 - 【請求項5】芳香族炭化水素が、ベンゼン環に炭素数1
〜4のアルキル基が1個以上置換されていてもよい炭素
数6〜12のベンゼン系化合物である請求項1に記載の
O,S−ジメチル−N−アセチルホスホルアミドチオエ
ートの精製法。 - 【請求項6】ベンゼン系化合物が、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンまたはクメンである請求
項5に記載のO,S−ジメチル−N−アセチルホスホル
アミドチオエートの精製法。 - 【請求項7】脂肪族カルボン酸エステルが、炭素数1〜
4の脂肪族カルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエステ
ルである請求項1に記載のO,S−ジメチル−N−アセ
チルホスホルアミドチオエートの精製法。 - 【請求項8】脂肪族ケトンが、炭素数4〜8の脂肪族ケ
トンである請求項1に記載のO,S−ジメチル−N−ア
セチルホスホルアミドチオエートの精製法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20080795A JP3291987B2 (ja) | 1995-08-07 | 1995-08-07 | O,s−ジメチル−n−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法 |
TW84109442A TW305834B (ja) | 1994-09-22 | 1995-09-11 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20080795A JP3291987B2 (ja) | 1995-08-07 | 1995-08-07 | O,s−ジメチル−n−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0948789A true JPH0948789A (ja) | 1997-02-18 |
JP3291987B2 JP3291987B2 (ja) | 2002-06-17 |
Family
ID=16430528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20080795A Expired - Fee Related JP3291987B2 (ja) | 1994-09-22 | 1995-08-07 | O,s−ジメチル−n−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3291987B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016053011A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-04-14 | 東ソー株式会社 | 水酸化イミノホスファゼニウム含有溶液の精製方法 |
CN112592368A (zh) * | 2020-12-10 | 2021-04-02 | 安道麦股份有限公司 | 一种合成乙酰甲胺磷的方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022180555A1 (en) * | 2021-02-25 | 2022-09-01 | Upl Limited | A process for production of acephate |
-
1995
- 1995-08-07 JP JP20080795A patent/JP3291987B2/ja not_active Expired - Fee Related
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