【発明の詳細な説明】
ビタミンD類似体
本発明は、抗炎症作用および免疫調節作用を示し、癌細胞および皮膚細胞を含
むある種の細胞の分化の誘導および望ましくない増殖の抑制において強い活性を
示す未知の種類の化合物、該化合物を含有する薬剤製剤、該製剤の用量単位、並
びにそれらの用途であって、上皮小体機能亢進症(特に、腎不全に伴う続発性の
上皮小体機能亢進症)、多数の病態(例えば真性糖尿病、高血圧症、アクネ、脱
毛症、皮膚の老化、免疫系の平衡失調)、炎症性疾患(例えばリューマチ様関節
炎および喘息)、および異常な細胞分化および/または細胞増殖により特徴付け
られる疾病(例えば乾癬および癌)の治療および予防、ステロイド誘導性皮膚萎
縮の予防および/または治療、骨形成の促進、並びにオステオポローシスの処置
におけるそれらの用途に関する。
本発明の化合物は、新種のビタミンD類似体であり、一般式I
[式中、Xは水素またはヒドロキシであり;R1およびR2は、同一または異なっ
て、水素またはC1−C6ヒドロカルビル基であるか、またはR1およびR2は、基
Xを有する炭素原子(式I中、星印)と共にC3−C8炭素環を形成し得;Qは一
重
結合またはC1−C8ヒドロカルビレン基である。R1、R2および/またはQは、
要すれば、1個またはそれ以上の重水素またはフッ素原子で置換し得る。]
で示される。
本発明において、ヒドロカルビル基(ヒドロカルビレン基)なる表現は、直鎖
、分枝または環状の飽和または不飽和炭化水素から1個(2個)の水素原子を除
去した基を意味する。
R1およびR2が個別の基である場合、それらの例は、(水素以外に)メチル、
トリフルオロメチル、エチル、ビニル、n−、イソ−およびシクロ−プロピル、
並びに1−メチルビニルを包含するが、それらに限定されるものではない。
共同で基を形成している場合のR1およびR2の例には、ジ−、トリ−、テトラ
−およびペンターメチレンがある。
Qの例には、一重結合、メチレン、ジ−、トリ−およびテトラ−メチレン、−
CH2−CH=CH−、−CH2−C≡C−、−CH=CH−CH2−、−C≡C
−CH2−、フェニレン(C6H4;オルト、メタ、パラ)、−CH2−(C6H4)
−、並びに−(C6H4)−CH2−が包含される。
17,20−二重結合に関する配置は、EまたはZであり得る。式Iからわか
るように、R1、R2、QおよびXの意義によっては、本発明の化合物は、複数の
ジアステレオマーの形態(例えば、星印を付した炭素原子上のRまたはS配置)
を包含し得る。本発明は、純粋な形態のこれらすべてのジアステレオマーおよび
ジアステレオマー混合物を包含する。
とりわけ、本発明は、17,20−二重結合に関して可能な2種の配置を有す
るジアステレオマーのいずれをも包含する。
更に、1個またはそれ以上の水酸基が、インビボで水酸基に再生し得る基とし
てマスクされているIのプロドラッグも、本発明の範囲に含まれる。
Xが水素である化合物Iも、プロドラッグであり得る。このような化合物は、
インビトロでは比較的不活性であるが、患者に投与後、酵素的ヒドロキシル化に
よって、式Iで示される活性化合物に変換される。
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(1,25(OH)2D3)が、インター
ロイ
キンの作用および/または生成に影響することが最近わかったが[ミュラー、ケ
イ(Muller,K.)ら、イムノロジー・レターズ(Immunol.Lett.)、17、
361−366(1988)]、このことは、この化合物を、免疫系の機能障害
によって特徴付けられる疾患、例えば自己免疫疾患、エイズ、宿主対移植片反応
および移植組織拒絶、またはインターロイキン−1の異常生成によって特徴付け
られる他の病態、例えばリューマチ様関節炎のような炎症性疾患および喘息の治
療において使用することの可能性を示唆するものである。
1,25(OH)2D3は、細胞分化を促進し、過度の細胞増殖を阻止すること
ができることも示され[アベ、イー(Abe,E.)ら、プロシーディングズ・オ
ブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ(Proc.Natl.Acad.Sci
.)、米国、78、4990−4994(1981)]、この化合物は、異常な
細胞増殖および/または細胞分化によって特徴付けられる疾患、例えば白血病、
骨髄線維症および乾癖の治療に有用であり得ると提案されている。
また、1,25(OH)2D3またはそのプロ-ドラッグ1α−OH−D3を、高
血圧症[リンド、エル(Lind,L.)ら、アクタ・メディカ・スカンジナビカ(
Acta Med.Scand.)、222、423−427(1987)]および真性糖尿
病[イノマタ、エス(Inomata,S.)ら、ボーン・ミネラル(Bone Mineral)
、1、187−192(1986)]の治療に使用することも提案されている。
遺伝性ビタミンD耐性と脱毛症との間に関連があるという最近の知見により、1
,25(OH)2D3の別の用途が提案される:1,25(OH)2D3による処置は
、毛髪の成育を促進し得る[ランセット(Lancet)、1989年3月4日、47
8頁]。また、1,25(OH)2D3の局所適用により、雄のシリアンハムスタ
ーの耳の皮脂腺の大きさが縮小されるという事実は、この化合物がアクネの治療
に有用であり得ることを示唆するものである[マロイ、ブイ・エル(Malloy,V
.L.)ら、ザ・トリコンティネンタル・ミーティング・フォー・インベスティ
ゲイティブ・ダーマトロジー(the Tricontinental Meeting for Investigative
Dermatology)、ワシントン、1989]。
しかし、1,25(OH)2D3のそのような指摘における治療的可能性は、こ
の
ホルモンはカルシウム代謝に強力に作用する(血中濃度が高いと、急速に高カル
シウム血症を起こす)ことが知られていることから、極度に制限されている。す
なわち、この化合物およびその有効な合成類似体は、例えば乾癬、白血病または
免疫疾患のような、薬物を比較的高用量で連続的に投与する必要のあり得る疾患
の治療において使用する薬物として充分満足できるものではない。
最近、カルシウム代謝に対する作用に比較して、細胞分化誘導/細胞増殖抑制
活性を優勢とするようにある程度の選択性を示す多くのビタミンD類似体が文献
に記載されている。
すなわち、22,23−二重結合、24−水酸基を有し、25、26および2
7位の炭素原子が一体となって3員環を構成しているビタミンD3類似体カルシ
ポトリオール(calcipotriol)は、強力な細胞分化誘導剤および細胞増殖抑制剤
であり、インビボのカルシウム代謝に対しては中程度の活性しか示さない[ビン
デラップ、エル(Binderup,L.)およびブラム、イー(Bramm,E.)、バイ
オケミカル・ファーマコロジー(Biochem.Pharmacol.)、37、889−89
5(1988)]。
しかし、この選択性は、インビトロでは匹敵せず、インビトロの研究によると
、カルシポトリオールは、腸のビタミンDレセプターに、1,25(OH)2D3
と同様によく結合する。従って、インビボのカルシウム代謝に対するカルシポト
リオールの活性が低いのは、化合物の急速な代謝によるものであり得、この化合
物の全身的使用の可能性は制限されることになる。
24−ホモ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3および26−ホモ−1,25
−ジヒドロキシビタミンD3(それらの22,23−ジデヒドロ類似体と共に)
[オストレム、ブイ・ケイ(Ostrem,V.K.);タナカ、ワイ(Tanaka,Y.
);プラール、ジェイ(Prahl,J.);デルカ、エイチ・エフ(DeLuca,H.
F.);およびイケカワ、エヌ(Ikekawa,N.);プロシーディングズ・オブ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ、米国、84、2610−1
4(1987)]は、ラットおよびニワトリの腸のレセプターにも、ヒト骨髄性
白血病セルライン(HL−60)のレセプターにも、1,25(OH)2D3と同
じ結合親和性を有
し、しかもインビトロでのHL−60細胞の分化の誘導においては、1,25(
OH)2D3の10倍の活性を示すといわれている。インビボでは、カルシウム代
謝の評価において、これらの化合物の作用はそれぞれ、1,25(OH)2D3よ
りも「非常に弱い」および「より強い」。
26,27−ジメチル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3が合成されてい
るが、その生物学的活性に関する文献の記載は矛盾している[サイ、エイチ(Sa
i,H.);タカツト、エス(Takatsuto,S.);ハラ、エヌ(Hara,N.);
およびイケカワ・エヌ;ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブリティ
ン(Chem.Pharm.Bull.)、33、878−881(1985)、並びにイケ
カワ、エヌ;エグチ、ティ(Eguchi,T.);ハラ、エヌ;タカツト、エス;ホ
ンダ、エイ(Honda,A.);モリ、ワイ(Mori,Y.);およびオトモ、エス
(Otomo,S.);ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブリティン、35
、4362−4365(1987)]。近縁の26,27−ジエチル−1α,
25−ジヒドロキシビタミンD3も、これらの著者によって報告されており、こ
の場合、細胞分化の誘導においては1,25(OH)2D3よりも10倍活性であ
り、「ビタミンD活性(すなわちカルシウム代謝作用)はほとんどない」とされ
ている。
米国特許第4804502号には、ビタミンDの側鎖中に三重結合を有する化
合物が開示されており、そのような化合物は、代謝性カルシウム欠乏によって特
徴付けられる病態の処置に有用であると記載されている。
前記化合物間の構造の相違がわずかであるという事実は、インビトロでの腸の
ビタミンDレセプターへの結合親和性に比較して、インビトロでの細胞分化活性
がより高いことに反映されるような好ましい度合の選択性を示すビタミンD類似
体の構造を、現在の知識では予測できないということを示唆している。更に、お
そらく化合物間の薬物動態学的な差が反映していると思われるが、インビトロの
レセプター結合親和性が必ずしもインビボの場合に匹敵しないという知見によっ
ても、事態が複雑化されている。
炭素−20のメチル基の配置において、前記ビタミンD類似体と異なる化合物
も、細胞分化/増殖に対して強力な作用を有することが報告されている。本出願
人の先の国際特許出願PCT/DK90/00156(出願日1990年6月1
9日、公開番号WO91/00271)、国際特許出願PCT/DK91/00
200(出願日1991年7月11日、公開番号WO92/03414)、国際
特許出願PCT/DK93/00105(出願日1993年3月23日)、英国
特許出願第9220439.5号(出願日1992年9月28日)、英国特許出
願第9223061.4号(出願日1992年11月4日)および英国特許出願
第9226877.0号(出願日1992年12月23日)を含むいくつかの最
近の特許出願に記載されたその「不自然な」配置は、驚くべきことに、深遠かつ
有利な生物学的意義を有することがわかった。
本発明の化合物は、17,20−二重結合が新たな立体化学条件をもたらすの
で、既知のビタミンD類似体のいずれのC−20エピマー種とも異なる。すなわ
ち、両方の種類の既知ビタミンD類似体の利点と、新しいより固定した構造とを
組み合わせたものである本発明の式Iの化合物は、従来の化合物と比較した場合
に、一つまたはそれ以上の下記利点を示すことが観察される:
(a)細胞分化/増殖に対する作用がより強いこと;
(b)カルシウム代謝に対する作用よりも、細胞分化/増殖に対する強力な作用を
優勢にする選択性がより高いこと;
(c)インターロイキンの生成および活性に対する作用がより強いこと;
(d)カルシウム代謝に対する作用よりも、インターロイキンの生成および活性に
対する作用を優勢にする選択性がより高いこと。
従って、本発明の化合物は、ヒトおよび動物の、1)異常細胞増殖および/ま
たは細胞分化によって特徴付けられる疾病、例えば乾癬を含むある種の皮膚病お
よびある種の癌、2)免疫系の平衡失調により特徴付けられる疾病、例えば自己
免疫疾患(真性糖尿病を含む)、宿主対移植片反応および移植組織拒絶の、局所
的および全身的な治療および予防のいずれに対しても特に適し;更に、炎症性疾
患、例えばリューマチ様関節炎および喘息の治療にも特に適当である。本発明の
化合物によって治療し得る他の病態は、アクネ、脱毛症および高血圧である。更
に、本発明の化合物による局所処置後に皮膚の肥厚が見られることから、本発明
の化
合物は、皮膚の老化(光老化を含む)の治療または予防に有用であり得る。
本発明の化合物は、連続投与しても高カルシウム血症をもたらす傾向が低いの
で、上皮小体機能亢進症(特に腎不全に伴う続発性の上皮小体機能亢進症)の長
期治療、並びに骨形成の促進およびオステオポローシスの処置のために有用であ
ると考えられる。そのような適用のためには、本発明に記載の化合物は、従来の
化合物(米国特許第4948789号および欧州特許第0385446A2号参
照)よりも高い治癒比を有する。
本発明の化合物は、他の薬剤と組み合わせて使用し得る。移植片拒絶および移
植片対宿主反応の防止においては、本発明化合物による処置を、例えばシクロス
ポリン(cyclosporin)処置と組み合わせることが有利であり得る。
化合物Iは、ビタミンD誘導ケトン化合物1(図式1)[その合成は報告され
ている:ハンセン・ケイ(Hansen K.)、カルヴァリー・エム・ジェイ(Calver
ley M.J.)およびビンデラップ・エル:シンセシス・アンド・バイオロジカル
・アクティビティ・オブ・22−オキサ・ビタミンD・アナログズ(Synthesis
and Biological Activity of 22-Oxa Vitamin D analogues)、ビタミンD、プ
ロク・エイス・ワークショップ・オン・ビタミンD(Vitamin D,Proc.Eighth
Work-shop on Vitamin D)、パリ、1991年7月5〜10日、161頁;ワル
ター・デ・グルイター(Walter de Gruyter)、ベルリン、1991]から、例
えば図式1に記載の経路によって製造し得る。
以下の標準的な略号を、本発明の開示を通して使用する:Me=メチル;Et
=エチル;Bu=n−ブチル;THP=テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イル
;TMS=トリメチルシリル;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;pet.et
her=石油エーテル;THF=テトラヒドロフラン;TBAF=テトラ−(n−
ブチル)−アンモニウムフロリド;b.p.=沸点;PLC=分取薄層クロマトグラ
フィー;Tf=トリフルオロメタンスルホニル;DMF=N,N−ジメチルホル
ムアミド;“HF”=5%フッ化水素/アセトニトリル:水(7:1);TBD
MS=t−ブチルジメチルシリル;HCl=塩酸;“NaHCO3”=炭酸水素
ナトリウム飽和水溶液;A1A2A3SiZ:シリル化剤[A1、A2およびA3は同
一または異なってC1−C6
ヒドロカルビル、C1−C6ヒドロカルビルオキシ、またはアリールであり、Zは
良好な脱離基、例えば−C1、−Brまたは−OTf(トリフルオロメタンスル
ホネートまたはトリフレート)である];NOE=核オーバーハウザー効果;P
PTS=ピリジニウムp−トルエンスルホネート。
X1=H、OH、OR3
R3=アルコール保護基、例えばA1A2A3SiまたはTHP
R1、R2、Q、A1、A2およびA3は前記と同意義である。
図式1の注釈
a)(i)化合物1を、側鎖形成ブロックRH(一般式VII)から適当な塩基
により誘導したアニオンR-と反応させる。
(ii)主生成物、すなわち可能な2種のC−20−エピマーのR−化合物
(と考えられる)を、クロマトグラフィーにより分離する。
b)三重項増感剤(例えばアントラセン)の存在下、UV光により、化合物II
、IVまたはVIを対応する化合物III、VまたはIヘ異性化する。
c)(i)適当な条件下に酸で処理する(例えば、アセトニトリル中のリン酸
(0.2M)により50℃で1〜2時間処理する)ことにより、化合物IIまたは
IIIを脱水して対応する化合物IVまたはVを生成する。酸感受性の保護基(例え
ばTHP)も、この工程中に除去し得る。
(ii)両方の17,20−エン異性体が生成した場合は、それらの分離は
この工程中に行うか、または後の工程で行い得る。分離および精製は、好ましく
はクロマトグラフィーによって行う。
d)要すれば側鎖官能基に変更を加える。
e)例えば“HF”またはTBAFにより、化合物IVまたはVを脱保護して、
対応する化合物VIまたはIを生成する。
f)例えば“HF”により、化合物IIまたはIIIを脱水すると共に脱保護して
、対応する化合物VIまたはIを生成する。
側鎖形成ブロックRH(一般式VII)は、既知の化合物であるか、または当業
者既知の標準的な方法で合成し得る。このことはとりわけ、例示化合物(101
〜147)の合成に必要な側鎖形成ブロックに当てはまる。特記しない限り、図
式1による手順は、後述の製造例および実施例に同様に行うことができる。
一般式VIIで示され、Q=(CH2)n(n=0〜3)、X1=OR3およびR3
=−SiA1A2A3またはTHPであるいくつかの化合物の合成を図式2に示す
が、これは本発明を制限するものではない。他のQおよび/またはX1を有する
類似の式VIIの化合物も同様の方法で合成し得る。側鎖形成ブロックRHのいく
つかの例を第1表に挙げ、その合成を製造例において説明する。
図式2の注釈
a(i)A1、(ii)R1R2C=O;bグリニヤール試薬R1MgBrまたはR1
MgI;cA1A2A3SiZ/塩基;dジヒドロピラン/酸;eアセチレン/Na
/液体NH3;f(A1A2A3=Me3)(i)MeOH/酸、(ii)ジヒドロピ
ラン/酸
第1表の側鎖形成ブロックRHの合成のための中間体は、既知の化合物である
か、または例えば第2表に挙げる化合物から合成し得る。そのような化合物の合
成を製造例において説明する。
ケトン1と側鎖形成ブロックRH:H−C≡C−Q−C(R1)(R2)X1と
の反応は、カルボニル化合物へのアセチレンアニオン(R-)の求核付加の標準
的な方法によって行い得る。すなわち、その反応は、RHを適当な無水溶媒(例
えばTHF)中、適当な塩基(例えばn−BuLi)で処理し、次いで、1を加え
、通常の水性処理(図式IおよびIIの反応のいずれにおいても通例行われる)の
後、Π(R3=H)を得ることによって行い得る。
通例、反応生成物IIは可能な2種のC−20−エピマーの混合物である。通例
、エピマーを分離することが好ましい。分離は、クロマトグラフィーによって好
都合に行い得る。
一方のエピマーが、他方のエピマーよりも高収率で生成し、通例、クロマトグ
ラフィーによると極性がより小さい。この主エピマーは、同様の反応から類推し
て、20−R−形であると考えられ、そのエピマーを図式1の反応に使用して、
本発明の化合物Iを導く。そのような式IIの化合物の例を第3表に示すが、それ
らに限定されるものではない。第3表には、図式1中の式III、IVおよびVで示
される他の中間体をも挙げる。
C−20のOH基をC−17のHと共に脱離する化合物IIまたはIIIの脱水は
、弱酸によって行うことが好ましい。これは、一般工程9に記載するように、ア
セトニトリル中の無水リン酸で処理することにより好都合に達成し得る。
また、化合物IIまたはIIIの17,20−脱水は、一般工程10に記載するよう
に、“HF”処理によって、充分不安定な保護基の除去と同時に行うことも可能
である。
いずれの方法も図式1に示す。
17,20−二重結合を有する化合物を導く脱水によって、2種の異なる異性
体E−およびZ−形を得ることが可能である。通例、一方が主に生成し、それを
精製して、化合物Iを最終的に導く中間体として使用する。これは、化合物13
、15および17のような場合である。異性体化合物13および14のような場
合は、他方の少量の方の17,20−エン異性体を分離することも可能である。
化合物13および化合物14の21−メチル基の1H−NMR化学シフト(それ
ぞれδ1.72およびδ1.84)を、同様の17,20−エン、22,23−イン
構造を有するステロイドに関する文献記載の値[チャウドゥリ、エヌ・ケイ(Ch
audhuri,N.K.)ら、ザ・ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソ
サエティ(JACS)、87、3737(1965)]と比較したところ、化合物1
3はZ形、化合物14はE形と考えられる。他の(主)異性体である化合物15
および17もZ形と考えるのが妥当である。更に、化合物14は、E配置に予想
されるように、H18とH21との間、およびH18とエクアトリアルH12と
の間にNOE効果を示す。化合物13はH16とH21との間にNOEを示し、
Z形に対応する。そこで、いくぶん仮定的ではあるが、化合物13、15、16
、17、101、102および103をZ形、化合物14、22および112を
E形として挙げる。
本発明の例示化合物Iを第4表に挙げる。番号を付した実施例には、その実施
例の化合物の合成方法番号と、分光学的データを示す。
図式1および2の製造例および実施例は例示に過ぎず、各工程の合成および各
工程の実施順序を大いに変更し得ることに注意すべきである。更に、基R:−C
≡C−Q−C(R1)(R2)(X1)は、特定した通りのもの、または後の任意
の−工程(または複数の工程)でそれに変換し得る基であってよい。すなわち、
特定の合成経路における化合物II、III、IV、V、VIおよびI中のRは、同じで
ある必要はない。Rの−C≡C−Q−C(R1)(R2)X1への変換には複数の
工程を有し得、分子の感受性トリエン系の一時的な保護を伴い得る。側鎖(R)
中の必要な変換以外に、IIからIへの変換には、他のビタミンD類似体の合成の
最終段階において用いる工程(欧州特許第0227826号参照)と同様の光異
性化工程および脱保護工程(前記のように17,20−脱水工程と同時に行わな
かった場合)が必要である。
本発明の化合物は、前記のようなヒトおよび動物の疾病の処置に有用な薬剤組
成物中で使用することが意図されている。
式Iで示される化合物(以下、活性成分と称する)の治療効果に必要な量は、
その化合物、投与方法および処置する哺乳動物のいずれによっても当然変化する
。本発明の化合物は、非経口的、関節内、経腸的または局所的に投与することが
できる。本発明の化合物は、経腸投与された場合によく吸収され、これは全身的
疾病の処置に好ましい投与経路である。乾癬のような皮膚病または眼疾の処置に
おいては、局所または経腸の形態が好ましい。
喘息のような呼吸器疾患の処置においては、エアロゾルが好ましい。
活性成分をそのまま単独で投与することが可能であるが、薬剤製剤として投与
することが好ましい。好ましくは、活性成分含量は、製剤の0.1ppmいし0.1
重量%である。
「用量単位」とは、患者に投与でき、および容易に扱い、包装し得る単位用量
、すなわち単一用量であって、活性物質そのもの、または固体もしくは液体薬剤
希釈剤もしくは担体とのその混合物から成る物理的および化学的に安定な単位用
量を意味する。
動物およびヒトの医療に使用する本発明の製剤は、活性成分と共に、薬学的に
許容し得る担体、および要すれば他の治療成分を含有する。担体は、製剤中の他
の成分と適合し、被投与体に有害でないという意味において「許容し得る」もの
でなくてはならない。
製剤には、例えば、経口、直腸、非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)
、関節内および局所投与に適当な形態の製剤が含まれる。
製剤は、用量単位形態で提供することが好都合であり得、薬学分野でよく知ら
れているいずれの方法で調製してもよい。いずれの方法も、活性成分を1種また
はそれ以上の補助成分である担体と組み合わせる工程を含んで成る。通例、製剤
は、活性成分を液体担体もしくは微粉固体担体またはその両方と均一かつ密に混
合し、次いで要すれば、生成物を所望の剤形に成形することによって調製する。
経口投与に適当な本発明の製剤は、それぞれ所定量の活性成分を含んで成るカ
プセル剤、サシェ剤、錠剤もしくはロゼンジのような個々の単位の形態;粉末も
しくは顆粒の形態;水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液の形態
;または水中油型エマルジョンもしくは油中水型エマルジョンの形態であり得る
。活性成分を、巨丸薬、舐剤またはペーストの形態で投与してもよい。
錠剤は、活性成分を、要すれば1種またはそれ以上の補助成分と共に圧縮また
は成形することによって製造し得る。圧縮錠剤は、粉末または顆粒のような流動
形態の活性成分を、要すれば結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、表面活性剤または
分散剤と混合して、適当な機械中で圧縮することによって製造し得る。成形錠剤
は、粉末活性成分および適当な担体の混合物を不活性液体希釈剤で湿潤させて、
適当な機械中で成形することによって製造し得る。
直腸投与用製剤は、活性成分および担体(例えばカカオ脂)を組み合わせた坐
剤の形態、または浣腸の形態であってよい。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは活性成分の滅菌油性または水性製剤(
好ましくは、被投与体の血液と等張である)から成る。
関節内投与に適当な製剤は、微結晶の形態であり得る活性成分の滅菌水性製剤
の形態、例えば水性微結晶懸濁液の形態であってよい。活性成分を関節内および
眼のいずれに投与するのにも、リポソーム製剤または生分解性ポリマー系を使用
してもよい。
局所投与に適当な製剤(眼用製剤を含む)は、液体もしくは半液体製剤、例え
ばリニメント剤、ローション剤、ゲル剤、アプリカント剤、水中油型もしくは油
中水型乳剤、例えばクリーム、軟膏剤もしくはペースト;または溶液剤もしくは
懸濁剤、例えば滴剤を含む。
喘息の治療には、スプレー缶、ネブライザーまたはアトマイザーから放出する
粉末、セルフ−プロペリングまたは噴霧製剤の吸入を使用し得る。放出時の製剤
の粒子サイズは、10〜100μであることが好ましい。
このような製剤は、粉末吸入装置から肺に投与する細かく粉砕した粉末、また
はセルフ−プロペリング・パウダー−ディスペンシング剤の形態であることが最
も好ましい。セルフ−プロペリング溶液および噴霧製剤の場合は、所望の噴霧性
を有する(すなわち、所望の粒子サイズの霧を形成し得る)バルブを選択するか
、または活性成分の粒子サイズを言周節して懸濁粉末として組み合わせることに
よって効果を達成することができる。これらのセルフ−プロペリング剤は、パウ
ダー−ディスペンシング剤、または活性成分を溶液または懸濁液の飛沫として投
与する製剤であってよい。
セルフ−プロペリング・パウダー−ディスペンシング剤は、好ましくは、固体
活性成分の分散粒子、および大気圧における沸点が18℃未満の液体プロペラン
トを含んで成る。液体プロペラントは、医薬投与に適することが知られているい
ずれのプロペラントであってもよく、1種またはそれ以上のC1−C6−アルキル
炭化水素もしくはハロゲン化C1−C6−アルキル炭化水素またはその混合物、特
に好ましくは塩素化およびフッ素化C1−C6−アルキル炭化水素から成っていて
よい。通例、プロペラントは製剤の45〜99.9%w/wを占め、活性成分は製
剤の0.1ppmないし0.1%w/wを占める。
前記成分に加えて、本発明の製剤は、1種またはそれ以上の追加の成分、例え
ば賦形剤、緩衝剤、香料、結合剤、表面活性剤、増粘剤、滑沢剤、メチルヒドロ
キシベンゾエートのような保存剤(抗酸化剤を含む)、乳化剤などを含有し得る
。
本発明の組成物は、前記病態の処置に通例適用される他の治療活性化合物を更
に含有し得る。
本発明は更に、前記病態の1種に罹患している患者を治療する方法にも関し、
該方法は、治療を要する患者に、式Iで示される化合物の1種またはそれ以上の
有効量を、単独で、または前記病態の処置において通例適用される他の治療活性
化合物の1種またはそれ以上と組み合わせて投与することから成る。本発明の化
合物および/または他の治療活性化合物による治療は、同時に、または間隔をお
いて行い得る。
全身的疾患の治療において、式Iの化合物を1日当たり0.1〜100μg、
好ましくは0.2〜25μgの用量で投与する。皮膚病の局所治療においては、
式Iの化合物を0.1〜500μg/g、好ましくは0.1〜100μg/g含有
する軟膏、クリームまたはローションを投与する。眼科における局所使用のため
には、式I
の化合物を0.1〜500μg/g、好ましくは0.1〜100μg/g含有する
軟膏、点眼剤またはゲルを投与する。経口組成物は、式Iの化合物を用量単位当
たり0.05〜50μg、好ましくは0.1〜25μg含有する錠剤、カプセル剤
または滴剤として調製することが好ましい。
本発明を以下の一般工程、製造例および実施例によってさらに説明するが、本
発明はそれらに制限されるものではない:
一般工程、製造例および実施例
通則
例示の化合物Iを第4表に挙げる。
核磁気共鳴スペクトル(300MHz)では、化学シフト値(δ)は、内部テ
トラメチルシラン(δ=0)またはクロロホルム(δ=7.25)に対して、ジ
ュウテリオクロロホルム溶液について示す。特定し(二重線(d)、三重線(t)
、四重線(q))、またはしていない(m)多重線の値は、範囲を示していない場
合には、およその中心点で示す(s=一重線、b=ブロード)。結合定数(J)
は、ヘルツで示し、しばしば最も近い単位に近似する。
エーテルはジエチルエーテルであり、ナトリウムで乾燥した。THFは、ナト
リウム−ベンゾフェノンで乾燥した。石油エーテルは、ペンタンフラクションを
さす。反応は、特記しない限り室温で行った。処理方法は、特定の溶媒(または
有機反応溶媒)による希釈、水および次いで塩水による抽出、無水MgSO4に
よる乾燥並びに減圧濃縮を行って残渣を得ることを含む。クロマトグラフィーは
、シリカゲル上で行った。
一般工程
一般工程1:ケトンR1R2C=Oと、プロパルギルブロミドおよびアルミニウ ムから調製した有機金属試薬との反応による、対応する三級アルコールVIIの生 成(図式2、第2表)(製造例1)
アルミニウム片(3.6g)、塩化第二水銀(0.1g)および乾燥THF(2
0ml)の混合物を、アルゴン雰囲気中、20℃で20分間撹拌した。断続的な冷
却により温度を25〜30℃に保ちつつ、乾燥THF(20ml)中のプロパルギ
ルブロミド
(23.8g)の溶液を、40分間にわたって撹拌しながら加えた。反応混合物を
、要すれば加熱して、40〜45℃で30分間撹拌した。約25℃に冷却後、乾
燥エーテル(25ml)中の適当なケトンR1R2C=O(0.2モル)の溶液を、
1時間にわたって撹拌しながら加えた。この間、温度を約25℃に保つように少
し冷却した。30〜35℃で更に半時間撹拌を続けた後、反応混合物を処理した
(エーテル)。残渣を50cmポドビエルニアクカラムを用いた減圧蒸留により精
製して、製造例の標記化合物を油状物として得た。
一般工程2:三級アルコールVIIまたはVIIIの保護による対応する2−テトラ ヒドロピラニル化合物VIIまたはVIIIの生成(図式2、第1表)(製造例2、1 7、19)
適当な化合物VIIまたはVIII(0.01モル)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラ
ン(1.26g)、PPTS(0.25g)および乾燥ジクロロメタン(25ml)
の混合物を、アルゴン雰囲気中、20℃で4時間撹拌した。この反応混合物に、
エーテル100mlおよび半飽和塩化ナトリウム水溶液50mlを加えた。有機相を
分離し、乾燥し、減圧下に蒸発させて粗生成物を得、それをクロマトグラフィー
(溶出剤はエーテルおよび石油エーテルの混合物)により精製して、製造例の標
記化合物を得た。
一般工程3:4−ペンチン酸エチル1エステルとグリニヤール試薬R1MgX2 との反応による対応する三級アルコールVIIの生成(図式2、第2表)(製造例 3および18)(X2=C1、Br、I)
乾燥フラスコ内のマグネシウム片(グリニヤール級)(1.1g)に、乾燥エー
テル(20ml)中の適当なハロゲン化アルキルR1X2(0.045モル)の溶液
を撹拌しながら滴下した。反応は、アルゴン雰囲気中、撹拌および還流下に起こ
り、20分間続いた。更に10分間、撹拌および還流を続けた。
このグリニヤール試薬をアルゴン雰囲気中で滴下漏斗に移し、撹拌および約−
20℃に冷却しながら、乾燥エーテル(20ml)中の4−ペンチン酸エチル1エ
ステル(1.9g)の溶液に滴下した。この滴下を15分間にわたって行った後
、−20℃で20分間、および30℃で1時間撹拌を続けた。
反応混合物を、氷/水(100g)および4N塩酸(15ml)の混合物に撹拌
しながら注いだ。炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpHを約5にした後、混合
物を
エーテル(25mlずつ)で2回抽出した。合した有機相を水および飽和塩化ナト
リウム水溶液で洗い、乾燥し、減圧下に蒸発させて粗生成物を得た。それを減圧
蒸留またはクロマトグラフィー(溶出剤はエーテルおよび石油エーテルの混合物
)により精製して、製造例の標記化合物を得た。
1エチルエステルの代わりに、異なる低級アルキルエステル(例えばメチルま
たはプロピルエステル)を等モル量使用してもよい。
一般工程4:三級アルコールVIIまたはVIIIの保護による対応するA1A2A3シ リル化合物VIIまたはVIIIの生成(図式2、第1表)(製造例4および16)
適当な乾燥溶媒(例えばジクロロメタンまたはDMF)中の適当な化合物VII
またはVIIIの溶液(14mM)に、アルゴン雰囲気中、氷浴で冷却および撹拌し
ながら、1種またはそれ以上の適当な塩基(例えばトリエチルアミン、DMAP
またはイミダゾール)を加えた。適当なシリル化剤A1A2A3SiZ(例えばT
MSCl、TBDMSOTf、トリエチルシリルトリフレートまたはジフェニル
メチルシリルクロリド)を、0℃で20分間にわたって撹拌しながら滴下した。
適当な温度(通例、25〜50℃)で充分な時間(通例、0.5〜24時間)撹
拌を続けた。適当な処理後、粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、製
造例の標記化合物を得た。
一般工程5:TMS−保護したアルコールVIIまたはVIIIから対応するTHP −保護した化合物VIIまたはVIIIへの変換(図式2、第2表)(製造例5)
メタノール(25ml)中の適当なTMS−保護三級アルコールVIIまたはVIII
(0.02モル)の溶液に、メタノール中の6M塩化水素5滴を加え、混合物を
20℃で15分間撹拌した。メタノールが除去されるまで反応混合物を蒸発させ
、残渣をジクロロメタン(40ml)に再溶解した。この溶液に、氷浴中で冷却お
よび撹拌しながら3,4−ジヒドロ−2−H−ピラン(3.3g)およびPPTS
(0.16g)を少しずつ加えた。次いで、混合物を20℃で3時間撹拌後、エー
テル(200ml)で希釈した。エーテル相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水
および飽和塩化ナトリウム水溶液で抽出し、乾燥し、減圧下に蒸発させて粗生成
物を得た。それをクロマトグラフィー(溶出剤はエーテルおよび石油エーテルの
混合物)により精製
して、製造例の標記化合物を油状物として得た。
一般工程6:末端臭素原子を有する化合物VIIIから、末端エチニル基を有する 対応する化合物VIIへの変換(図式2、第1表)(製造例6)
乾燥アセチレンを約200ml/分の速度で、乾燥液体アンモニア(約75ml)
に撹拌しながら通気した。同時に、ナトリウム(0.5g)を5分間にわたって
少しずつ加えた。更に約5分後、アセチレンの通気を中断し、適当なブロモ化合
物VIII(3ミリモル)を5分間にわたって加えた;アンモニアが全部蒸発するま
で室温で撹拌を続けた(2〜4時間)。石油エーテル(100ml)および氷/水
(100g)を撹拌しながら加えた。有機相を分離し、中性になるまで水で複数
回洗い、乾燥し、減圧下に蒸発させて粗生成物を得た。それをクロマトグラフィ
ー(溶出剤はジクロロメタンまたはジクロロメタン/石油エーテル混合物)によ
り精製して、製造例の標記化合物を得た。
一般工程7:化合物1と側鎖形成ブロックVII(RH)との反応による化合物I Iの生成(図式1、第3表)(製造例7〜9)
アルゴン雰囲気中で−70℃に冷却および撹拌した乾燥THF(5ml)中の適
当な化合物VII(1.5ミリモル)の溶液に、n−ブチルリチウムの溶液(ヘキサ
ン中1.6mM;0.65ml)を2分間にわたって滴下した。−70℃で10分間
、次いで20℃で1時間撹拌を続けた。混合物を再度−70℃に冷却し、乾燥T
HF(5ml)中のケトン化合物1(0.28g;0.5ミリモル)の溶液を4分間
にわたって滴下した後、−70℃で30分間撹拌を続けた。反応混合物を処理(
エーテル)して、粗生成物を得た。それをクロマトグラフィー(溶出剤はエーテ
ルおよび石油エーテルの混合物)により精製して、製造例の標記化合物を得た。
一般工程8:化合物II、IVまたはVIの異性化による対応する化合物III、Vま たはIの生成(図式1、第3表)(製造例10、11および14)
アルゴン雰囲気中、パイレックスフラスコ内のジクロロメタン(20ml)中の
適当な化合物II、IVまたはVI(0.3ミリモル)、アントラセン(100mg)お
よびトリエチルアミン(0.05ml)の溶液に、高圧紫外線ランプ、タイプTQ
760Z2[ハナウ(Hanau)]のUV光を、約10℃で撹拌下に20分間照射
した。反応混
合物を減圧下に濃縮し、石油エーテル(2×5ml)で処理した。濾過後、濾液を
減圧下に濃縮し、クロマトグラフィー(溶出剤はエーテルおよび石油エーテルの
混合物)により精製して、製造例または実施例の標記化合物を得た。
一般工程9:三級アルコールIIまたはIIIをアセトニトリル中のリン酸で脱水 することによる対応する17,20−エン化合物IVまたはVの生成(図式1、第 3表)(製造例12〜13および15)
アセトニトリルおよび酢酸エチルの1:1混合物(25ml)中の適当な化合物
IIまたはIII(1ミリモル)の溶液に、アルゴン雰囲気中、50℃で撹拌しなが
ら、アセトニトリル中の無水リン酸0.2M溶液(10ml)を加えた。50℃で
1時間撹拌を続けた。反応混合物を処理した(酢酸エチル、更に“NaHCO3
”で抽出)。適当な溶出剤を用いるクロマトグラフィー、要すればクロマトグラ
フィーの反復[好ましくはウォーターズ・プレップ−500(Waters Prep-500
、商標)機を用いる]またはPLCによって、残渣を精製した。
一般工程10:“HF”で処理することによる、化合物IVまたはVの脱保護、 または化合物IIまたはIIIの脱保護を伴う脱水による、対応する化合物VIまたは Iの生成(図式1、第4表)(実施例1および3)
酢酸エチル(0.2ml)中の適当な化合物II、III、IVまたはV(0.07ミリ
モル)の溶液に、アセトニトリル(2ml)、次いでアセトニトリル:水(7:1
)中のフッ化水素酸の5%溶液(1.2ml)を、アルゴン雰囲気中で撹拌しなが
ら加えた。20〜60℃で10〜60分間撹拌を続けた。飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液(10ml)を加え、反応混合物を処理(酢酸エチル)した。残渣をクロ
マトグラフィー(溶出剤は酢酸エチル、または酢酸エチルおよびヘキサンまたは
ペンタンの混合物)により精製して、製造例または実施例の標記化合物を得た。
一般工程11:TBAFで処理することによる化合物IVまたはVの脱保護によ る、対応する化合物VIまたはIの生成(図式1、第4表)(実施例2、4、5お よび6)
THF(6ml)中の適当な化合物IVまたはV(0.07ミリモル)の溶液に、
アルゴン雰囲気中、撹拌しながら、THF(4ml)中のTBAF(120mg)の
溶液を加
えた。60〜150℃で1〜30時間撹拌を続けた(要すれば、密閉耐圧容器中
)。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加え、反応混合物を処理(酢酸
エチル)した。残渣をクロマトグラフィー(溶出剤は酢酸エチル、または酢酸エ
チルおよびヘキサンまたはペンタンの混合物)により精製して、製造例または実
施例の標記化合物を得た。
製造例1: 化合物2
方法: 一般工程1
出発物質: ジエチルケトン
化合物2の沸点: 71−72℃/30ミリバール
NMR: δ=0.90(t,6H),1.60(m,4H),1.75(s,
1H),2.05(t,1H),2.35(m,2H)。
製造例2: 化合物3
方法: 一般工程2
出発物質VII: 化合物2
クロマトグラフィー溶出剤: 0〜5%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.90(m,6H),1.45−1.92(m,10H),1.
96(t,1H),2.46(d,2H),3.47(m,1H),3.98(m
,1H),4.81(m,1H)。
製造例3: 化合物4
方法: 一般工程3
出発物質: エチルマグネシウムブロミド
クロマトグラフィー溶出剤: 25%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.87(t,6H),1.48(m,4H),1.71(m,
2H),1.97(t,2H),2.26(m,2H)。
製造例4: 化合物5
方法: 一般工程4
出発物質VII: 化合物4
溶媒: ジクロロメタン(30ml)
塩基: 2,6−ルチジン(6.8ml)
シリル化剤: TBDMSOTf(9.6ml)
反応温度: 25℃
反応時間: 0.5時間
処理: エーテル、更に1N−HCl、次いで“NaHCO3”で抽出
クロマトグラフィー溶出剤: 0〜10%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.07(s,6H),0.83(t,6H),0.87(s,
9H),1.46(m,4H),1.70(m,2H),1.91(t,1H),
2.19(m,2H)。
製造例5: 化合物6
方法: 一般工程5
出発物質VIII: 1−ブロモ−4−エチル−4−トリメチル−シリルオキシヘ
キサン
クロマトグラフィー溶出剤: 10%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.83(m,6H),1.45−2.05(m,14H),3.
43(t,2H),3.45(m,1H),3.94(m,1H),4.68(m
,1H)。
製造例6: 化合物7
方法: 一般工程6
出発物質VIII: 化合物6
クロマトグラフィー溶出剤: ジクロロメタン
NMR: δ=0.83(t,6H),1.54(q,4H),1.45−1.9
0(m,10H),1.95(t,1H),2.17(m,2H),3.44(m
,1H),3.95(m,1H),4.69(m,1H)。
製造例7: 化合物8
方法: 一般工程7
出発物質VII: 化合物3
クロマトグラフィー溶出剤: 15〜25%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.05(m,12H),0.81(s,3H),0.86(s
,9H),0.89(s,9H),0.83−0.90(m,6H),1.46(b
s,3H),1.27
−2.07(m,23H),2.15(bs,1H),2.31(bs,1H),2.4
5(bs,2H),2.55(dd,1H),2.86(m,1H),3.44(m,
1H),3.95(m,1H),4.21(m,1H),4.53(m,1H),
4.79(m,1H),4.93(m,1H),4.98(m,1H),5.80(
d,1H),6.45(d,1H)。
製造例8: 化合物9
方法: 一般工程7
出発物質VII: 化合物5
クロマトグラフィー溶出剤: 5%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.05(s,9H),0.06(s,9H),0.80(t,
6H),0.81(s,3H),0.85(s,9H),0.86(s,9H),
0.89(s,9H),1.46(s,3H),1.25−2.10(m,19H)
,2.10−2.25(m,3H),2.33(bd,1H),2.53(dd,1H)
,2.86(m,1H),4.22(m,1H),4.52(m,1H),4.93
(m,1H),4.98(m,1H),5.82(d,1H),6.45(d,1
H)。
製造例9: 化合物10
方法: 一般工程7
出発物質VII: 化合物7
クロマトグラフィー溶出剤: 15〜20%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.05(m,12H),0.80(bs,3H),0.82(t
,6H),0.86(s,9H),0.88(s,9H),1.45(bs,3H)
,1.10−2.07(m,27H),2.15(m,3H),2.37(bd,1H
),2.48(dd,1H),2.85(bd,1H),3.44(m,1H),3.9
3(m,1H),4.20(m,1H),4.50(m,1H),4.70(m,
1H),4.91(m,1H),4.98(m,1H),5.81(d,1H),
6.44(d,1H)。
製造例10: 化合物11
方法: 一般工程8
出発物質II: 化合物8
クロマトグラフィー溶出剤: 15〜20%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.06(m,12H),0.80(s,3H),0.86(s
,9H),0.87(s,9H),0.85−0.92(m,6H),1.45(b
s,3H),1.25−2.05(m,23H),2.07−2.27(m,2H)
,2.43(m,1H),2.44(s,2H),2.81(m,1H),3.45
(m,1H),3.94(m,1H),4.18(m,1H),4.37(m,1
H),4.79(m,1H),4.86(m,1H),5.18(m,1H),6.
00(d,1H),6.22(d,1H)。
製造例11: 化合物12
方法: 一般工程8
出発物質II: 化合物10
クロマトグラフィー溶出剤: 12.5%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.06(m,12H),0.79(s,3H),0.81(t
,6H),0.86(s,9H),0.87(s,9H),1.45(bs,3H)
,1.25−2.25(m,31H),2.42(dd,1H),2.81(m,1H
),3.43(m,1H),3.93(m,1H),4.17(m,1H),4.3
8(t,1H),4.70(m,1H),4.86(m,1H),5.19(m,
1H),6.00(d,1H),6.21(d,1H)。
製造例12: 化合物13および14
方法: 一般工程9
出発物質II: 化合物9
クロマトグラフィー溶出剤: 1〜10%エーテル/石油エーテルまたは10
%ジクロロメタン/ヘキサン
NMR13:δ=0.06(m,18H),0.76(s,3H),0.82(
t,6H),0.86(s,9H),0.87(s,9H),0.90(s,9H
),1.72(bs,3H),1.20−1.87(m,13H),1.92(m,1
H),2.16(dd,1H),2.20−2.47(m,5H),2.57(dd,1
H),2.75(bd,1H),2.86(m,1H),4.22(m,1H),4.
53(m,1H),4.94(m,1H),4.99(m,1H),5.85(d
,1H),6.45(d,1H)。
NMR14:δ=0.06(m,18H),0.75(s,3H),0.83(
t,6H),0.85(s,9H),0.86(s,9H),0.90(s,9H
),1.84(bs,3H),
1.35−2.65(m,22H),2.84(bd,1H),4.22(m,1H)
,4.52(m,1H),4.94(m,1H),4.98(m,1H),5.87
(d,1H),6.43(d,1H)。
製造例13: 化合物15
方法: 一般工程9
出発物質III: 化合物11
クロマトグラフィー溶出剤: 33%エーテル/石油エーテル(PLC)
NMR: δ=0.05(m,12H),0.73(s,3H),0.86(s
,9H),0.87(s,9H),0.89(t,6H),1.73(bs,3H
),2.47(s,2H),1.35−2.55(m,18H),2.69(bd,
1H),2.80(m,1H),4.17(m,1H),4.37(m,1H),
4.86(m,1H),5.18(m,1H),6.03(d,1H),6.22(
d,1H)。
製造例14: 化合物16
方法: 一般工程8
出発物質IV: 化合物13
クロマトグラフィー溶出剤: 0〜1%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.06(m,18H),0.75(s,3H),0.83(t
,6H),0.86(s,9H),0.86(s,9H),0.87(s,9H)
,1.72(bs,3H),1.35−2.50(m,21H),2.78(m,2H
),4.19(m,1H),4.37(m,1H),4.87(m,1H),5.1
8(m,1H),6.04(d,1H),6.23(d,1H)。
製造例15: 化合物17
方法: 一般工程9
出発物質III: 化合物12
クロマトグラフィー溶出剤: 10%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.06(m,12H),0.74(s,3H),0.86(t
,6H),0.86(s,9H),0.87(s,9H),1.45(q,4H)
,1.72(bs,3H),1.35−2.55(m,20H),2.77(m,2H
),4.18(m,1H),4.37
(m,1H),4.86(m,1H),5.18(m,1H),6.03(d,1
H),6.22(d,1H)。
製造例16: 化合物18
方法: 一般工程4
出発物質VII: 3−エチル−1−ペンチン−3−オール
溶媒: ジクロロメタン(20ml)
塩基: N−エチル−ジイソプロピルアミン(2.0g)
シリル化剤: クロロトリメチルシラン(1.7g)
反応温度: 20℃
反応時間: 1時間
処理: リン酸緩衝液(pH6.5,0.07M,60ml)で更に抽出
NMR: δ=0.17(s,9H),0.95(t,6H),1.63(q,
4H),2.42(s,1H)。
製造例17: 化合物19
方法: 一般工程2
出発物質VII: 2−メチル−4−ペンチン−2−オール
クロマトグラフィー溶出剤: 5%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=1.34(s,3H),1.35(s,3H),1.51(m,
4H),1.67(m,1H),1.84(m,1H),2.00(t,1H),
2.44(m,2H),3.45(m,1H),3.97(m,1H),4.81(
m,1H)。
製造例18: 化合物20
方法: 一般工程3
出発物質: メチルマグネシウムヨーダイド
減圧蒸留により精製
化合物20の沸点: 58−59℃/12mmHg
NMR: δ=1.24(s,6H),1.69(s,1H),1.75(t,
2H),1.98(t,1H),2.31(m,2H)。
製造例19: 化合物21
方法: 一般工程2
出発物質VII: 化合物20
クロマトグラフィー溶出剤: 0〜5%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=1.21(s,3H),1.23(s,3H),1.51(m,
4H),1.64(m,1H),1.78(t,2H),1.83(m,1H),
1.92(t,1H),2.29(m,2H),3.45(m,1H),3.93(
m,1H),4.73(m,1H)。
製造例20: 化合物22
方法: 一般工程8
出発物質IV: 化合物14
クロマトグラフィー溶出剤: 1%エーテル/石油エーテル
NMR: δ=0.05(m,18H),0.74(s,3H),0.83(t
,6H),0.86(s,18H),0.87(s,9H),1.84(bs,3H
),1.35−2.62(m,22H),2.79(bd,1H),4.18(m,1
H),4.37(m,1H),4.87(m,1H),5.18(m,1H),6.
05(d,1H),6.21(d,1H)。
実施例1: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20−(4−エチル−4− ヒドロキシ−1−ヘキシン−1−イル)−9,10−セコープレグナ−5(Z), 7(E),10(19),17(20)(Z)−テトラエン(化合物101)
方法: 一般工程10
出発物質III: 化合物11
反応温度: 25℃
反応時間: 45分間
クロマトグラフィー溶出剤 50〜0%石油エーテル/酢酸エチル
NMR: δ=0.76(s,3H),0.90(t,6H),1.75(bs,
3H),1.40−2.43(m,19H),2.49(bs,2H),2.60(dd
,1H),2.71(m,1H),2.82(m,1H),4.24(m,1H)
,4.44(m,1H),5.01(m,1H),5.34(m,1H),6.04
(d,1H),6.37(d,1H)。
実施例2: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20−(4−エチル−4− ヒドロキシ−1−ヘキシン−1−イル)−9,10−セコープレグナ−5(Z), 7(E),1 0(19),17(20)(Z)−テトラエン(化合物101)
方法: 一般工程11
出発物質V: 化合物15
反応温度: 60℃
反応時間: 1時間
クロマトグラフィー溶出剤: 50〜0%石油エーテル/酢酸エチル
NMR: δ=0.76(s,3H),0.90(t,6H),1.75(bs,
3H),1.40−2.43(m,19H),2.49(bs,2H),2.60(d
,1H),2.71(m,1H),2.82(m,1H),4.24(m,1H)
,4.44(m,1H),5.01(m,1H),5.34(m,1H),6.04
(d,1H),6.37(d,1H)。
実施例3: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20−(5−エチル−5− ヒドロキシ−1−ヘプチン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z), 7(E),10(19),17(20)(Z)−テトラエン(化合物102)
方法: 一般工程10
出発物質V: 化合物16
反応温度: 50℃
反応時間: 10分間
クロマトグラフィー溶出剤: 50〜33%石油エーテル/酢酸エチル
NMR: δ=0.75(s,3H),0.87(t,6H),1.72(bs,
3H),1.35−2.50(m,23H),2.61(dd,1H),2.67−2
.90(m,2H),4.24(m,1H),4.44(m,1H),5.01(m
,1H),5.34(m,1H),6.04(d,1H),6.38(d,1H)
。
実施例4: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20−(5−エチル−5− ヒドロキシ−1−ヘプチン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z), 7(E),10(19),17(20)(Z)−テトラエン(化合物102)
方法: 一般工程11
出発物質V: 化合物16
反応温度: 100℃
反応時間: 17時間
クロマトグラフィー溶出剤: 40%石油エーテル/酢酸エチル
NMR: δ=0.75(s,3H),0.87(t,6H),1.72(bs,
3H),1.35−2.50(m,23H),2.61(dd,1H),2.67−2
.90(m,2H),4.24(m,1H),4.44(m,1H),5.01(m
,1H),5.34(m,1H),6.04(d,1H),6.38(d,1H)
。
実施例5: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20−(6−エチル−6− ヒドロキシ−1−オクチン−1−イル)−9,10−セコープレグナ−5(Z), 7(E),10(19),17(20)(Z)−テトラエン(化合物103)
方法: 一般工程11
出発物質V: 化合物17
反応温度: 60℃
反応時間: 90分間
クロマトグラフィー溶出剤: 50〜0%石油エーテル/酢酸エチル
NMR: δ=0.76(s,3H),0.87(t,6H),1.47(q,
4H),1.73(bs,3H),1.40−2.50(m,21H),2.60(d
d,1H),2.78(m,2H),4.24(m,1H),4.44(m,1H
),5.01(m,1H),5.34(m,1H),6.04(d,1H),6.3
8(d,1H)。
実施例6: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20−(5−エチル−5− ヒドロキシ−1−ヘプチン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z), 7(E),10(19),17(20)(E)−テトラエン(化合物112)
方法: 一般工程11
出発物質V: 化合物22
反応温度: 100℃
反応時間: 20時間
クロマトグラフィー溶出剤: 50〜0%石油エーテル/酢酸エチル
NMR: δ=0.74(s,3H),0.86(t,6H),1.49(q,
4H),1.83(bs,3H),2.41(t,2H),1.15−2.65(m,
19H),2.79(m,
1H),4.22(m,1H),4.43(m,1H),5.00(m,1H),
5.33(m,1H),6.04(d,1H),6.35(m,1H)。
実施例7: 化合物102を含有するカプセル
化合物102をピーナツ油に溶解して、化合物102の最終濃度1μg/ml
油とした。ゼラチン10重量部、グリセリン5重量部、ソルビン酸カリウム0.
08重量部および蒸留水14重量部を加熱しながら混合し、軟ゼラチンカプセル
を形成した。これに、各カプセルが化合物102を0.1μg含有するように、
化合物102の油溶液を100μlずつ充填した。
実施例8: 化合物102を含有する皮膚用クリーム
アーモンド油lg中に、0.05mgの化合物102を溶解した。この溶液に、
鉱油40gおよび自己乳化性蜜蝋20gを加えた。混合物を加熱して液化した。
熱水40mlを加えた後、混合物をよく混合した。得られるクリームは、クリーム
1g当たり化合物102を約0.5μg含有する。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/59 ADP 9454−4C
ADS 9454−4C
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,CA,CZ,
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