JPH08122350A - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents
回転速度検出装置付転がり軸受ユニットInfo
- Publication number
- JPH08122350A JPH08122350A JP25793994A JP25793994A JPH08122350A JP H08122350 A JPH08122350 A JP H08122350A JP 25793994 A JP25793994 A JP 25793994A JP 25793994 A JP25793994 A JP 25793994A JP H08122350 A JPH08122350 A JP H08122350A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- fixed
- wheel
- rotating
- bearing unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Regulating Braking Force (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 安価に製作可能で、しかもセンサ21の出力
が大きな構造を得る。 【構成】 車輪と共に内輪相当部材3及び回転リング2
2が回転すると、この回転リング22及び固定リング2
6内を流れる磁束の密度及び方向が変化する。この変化
に応じてコイル33に惹起される電圧が、車輪の回転速
度に比例した周波数で変化する。上記両リング22、2
6同士の間で流れる磁束は、回転円筒部24と固定円筒
部29との間の広い面積を通過する。従って、これら各
リング22、26内を流れる磁束の量を確保し、センサ
21の出力を大きくできる。
が大きな構造を得る。 【構成】 車輪と共に内輪相当部材3及び回転リング2
2が回転すると、この回転リング22及び固定リング2
6内を流れる磁束の密度及び方向が変化する。この変化
に応じてコイル33に惹起される電圧が、車輪の回転速
度に比例した周波数で変化する。上記両リング22、2
6同士の間で流れる磁束は、回転円筒部24と固定円筒
部29との間の広い面積を通過する。従って、これら各
リング22、26内を流れる磁束の量を確保し、センサ
21の出力を大きくできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対
し回転自在に支持すると共にこの車輪の回転速度を検出
して、アンチロックブレーキシステム(ABS)、或は
トラクションコントロールシステム(TCS)を制御す
る為に利用する。
付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対
し回転自在に支持すると共にこの車輪の回転速度を検出
して、アンチロックブレーキシステム(ABS)、或は
トラクションコントロールシステム(TCS)を制御す
る為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪は、懸架装置に対して回転
自在に支持しなければならない。又、ABS或はTCS
を制御する為には、上記車輪の回転速度を検出する必要
がある。この為に回転支持機能と回転速度検出機能とを
備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットが、従来
から各種提案されている。この様な回転速度検出装置付
転がり軸受ユニットのうち、転がり軸受ユニット部分の
構造に就いて、本発明の実施例を示す図1により説明す
る。転がり軸受ユニット部分自体は、従来から周知の構
造である。
自在に支持しなければならない。又、ABS或はTCS
を制御する為には、上記車輪の回転速度を検出する必要
がある。この為に回転支持機能と回転速度検出機能とを
備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットが、従来
から各種提案されている。この様な回転速度検出装置付
転がり軸受ユニットのうち、転がり軸受ユニット部分の
構造に就いて、本発明の実施例を示す図1により説明す
る。転がり軸受ユニット部分自体は、従来から周知の構
造である。
【0003】固定輪である外輪相当部材1は、その外周
面に形成した取付部2により、懸架装置に支持固定され
る。従ってこの外輪相当部材1は、使用時にも回転しな
い。この様な外輪相当部材1の内側には回転輪である内
輪相当部材3を、外輪相当部材1と同心に設け、使用時
にこの内輪相当部材3が回転する様にしている。この内
輪相当部材3は、ハブ4と内輪5とから成る。このうち
のハブ4の内周面にはスプライン溝6を、外端(車両へ
の組み付け時に幅方向外側になる端を言い、図1の左
端)部外周面には取付フランジ7を、それぞれ形成して
いる。車両への組み付け時に上記スプライン溝6には、
等速ジョイントを介して回転駆動される駆動軸を挿入
し、上記取付フランジ7には車輪を固定する。
面に形成した取付部2により、懸架装置に支持固定され
る。従ってこの外輪相当部材1は、使用時にも回転しな
い。この様な外輪相当部材1の内側には回転輪である内
輪相当部材3を、外輪相当部材1と同心に設け、使用時
にこの内輪相当部材3が回転する様にしている。この内
輪相当部材3は、ハブ4と内輪5とから成る。このうち
のハブ4の内周面にはスプライン溝6を、外端(車両へ
の組み付け時に幅方向外側になる端を言い、図1の左
端)部外周面には取付フランジ7を、それぞれ形成して
いる。車両への組み付け時に上記スプライン溝6には、
等速ジョイントを介して回転駆動される駆動軸を挿入
し、上記取付フランジ7には車輪を固定する。
【0004】上記外輪相当部材1の内周面には複列の外
輪軌道8、8を、上記ハブ4の中間部外周面と上記内輪
5の外周面とには内輪軌道9、9を、それぞれ形成して
いる。そして、これら各外輪軌道8、8と内輪軌道9、
9との間に転動体10、10を設けて、上記外輪相当部
材1の内側での内輪相当部材3の回転を自在としてい
る。尚、図示の例では転動体10、10として玉を使用
しているが、重量が嵩む車両用のハブユニットの場合に
は、転動体としてテーパころを使用する場合もある。更
に、上記外輪相当部材1の外端部と上記ハブ4の中間部
外周面との間にはシールリング11を設け、上記外輪相
当部材1の内周面と上記内輪相当部材3の外周面との間
で、上記転動体10、10を設置した空間12部分の外
端開口を塞いでいる。
輪軌道8、8を、上記ハブ4の中間部外周面と上記内輪
5の外周面とには内輪軌道9、9を、それぞれ形成して
いる。そして、これら各外輪軌道8、8と内輪軌道9、
9との間に転動体10、10を設けて、上記外輪相当部
材1の内側での内輪相当部材3の回転を自在としてい
る。尚、図示の例では転動体10、10として玉を使用
しているが、重量が嵩む車両用のハブユニットの場合に
は、転動体としてテーパころを使用する場合もある。更
に、上記外輪相当部材1の外端部と上記ハブ4の中間部
外周面との間にはシールリング11を設け、上記外輪相
当部材1の内周面と上記内輪相当部材3の外周面との間
で、上記転動体10、10を設置した空間12部分の外
端開口を塞いでいる。
【0005】上述の様な転がり軸受ユニットに組み込
み、車輪と共に回転する内輪相当部材3の回転速度を検
出する回転速度検出装置としては従来から、例えば米国
特許第5195830号明細書に記載されたものが知ら
れている。図7は、この明細書に記載された回転速度検
出装置を示している。内輪5の内端部に、断面がL字形
で全体を円環状に形成された回転リング13を外嵌固定
している。この回転リング13には、それぞれが円環状
に形成された1対の永久磁石14a、14bを、同心円
状に支持している。これら両永久磁石14a、14bの
端面には、それぞれ円周方向に亙ってS極とN極とを交
互に、且つ等ピッチで配置している。
み、車輪と共に回転する内輪相当部材3の回転速度を検
出する回転速度検出装置としては従来から、例えば米国
特許第5195830号明細書に記載されたものが知ら
れている。図7は、この明細書に記載された回転速度検
出装置を示している。内輪5の内端部に、断面がL字形
で全体を円環状に形成された回転リング13を外嵌固定
している。この回転リング13には、それぞれが円環状
に形成された1対の永久磁石14a、14bを、同心円
状に支持している。これら両永久磁石14a、14bの
端面には、それぞれ円周方向に亙ってS極とN極とを交
互に、且つ等ピッチで配置している。
【0006】一方、外輪相当部材1の内端部内周面に
は、合成樹脂製で全体を円環状に形成されたホルダ15
を嵌合固定している。そして、このホルダ15に、ヨー
ク16とコイル17とから成るセンサ18を支持してい
る。このうちのヨーク16は、鋼板等の磁性材製の板材
により、断面コ字形で全体を円環状に形成されている。
このヨーク16の先端縁には複数の切り欠き19を、上
記両永久磁石14a、14bの磁極が変化するピッチと
同じピッチで、円周方向に亙って多数形成している。そ
して、このヨーク16の先端縁を、上記両永久磁石14
a、14bに、微小隙間を介して対向させている。更
に、上記ホルダ15に支持したシールリング20を上記
回転リング13に摺接させて、上記センサ18等の設置
部分の内端開口部を塞いでいる。
は、合成樹脂製で全体を円環状に形成されたホルダ15
を嵌合固定している。そして、このホルダ15に、ヨー
ク16とコイル17とから成るセンサ18を支持してい
る。このうちのヨーク16は、鋼板等の磁性材製の板材
により、断面コ字形で全体を円環状に形成されている。
このヨーク16の先端縁には複数の切り欠き19を、上
記両永久磁石14a、14bの磁極が変化するピッチと
同じピッチで、円周方向に亙って多数形成している。そ
して、このヨーク16の先端縁を、上記両永久磁石14
a、14bに、微小隙間を介して対向させている。更
に、上記ホルダ15に支持したシールリング20を上記
回転リング13に摺接させて、上記センサ18等の設置
部分の内端開口部を塞いでいる。
【0007】この様な回転速度検出装置の場合には、上
記各切り欠き19がN極に対向した瞬間とS極に対向し
た瞬間とでは、上記ヨーク16に互いに逆方向の磁束が
流れる。この結果、両瞬間にはこのヨーク16に隣接し
て設けたコイル17に、互いに逆方向の電圧が惹起され
る。従って、上記内輪相当部材3の回転に伴って上記コ
イル17に惹起される電圧が正弦波的に変化する。この
様に電圧が変化する周波数は、上記内輪相当部材3の回
転速度に比例する為、この電圧をセンサ18の出力信号
としてABSやTCSの制御器に入力すれば、これらA
BSやTCSを適正に制御できる。
記各切り欠き19がN極に対向した瞬間とS極に対向し
た瞬間とでは、上記ヨーク16に互いに逆方向の磁束が
流れる。この結果、両瞬間にはこのヨーク16に隣接し
て設けたコイル17に、互いに逆方向の電圧が惹起され
る。従って、上記内輪相当部材3の回転に伴って上記コ
イル17に惹起される電圧が正弦波的に変化する。この
様に電圧が変化する周波数は、上記内輪相当部材3の回
転速度に比例する為、この電圧をセンサ18の出力信号
としてABSやTCSの制御器に入力すれば、これらA
BSやTCSを適正に制御できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成され作用する従来の回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットに於いては、次のの様な問題がある。
構成され作用する従来の回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットに於いては、次のの様な問題がある。
【0009】 円周方向に亙って交互に磁極が変化す
る永久磁石14a、14bが2個必要になり、製作費が
嵩む。実際に車輪の回転速度を検出する場合には、上記
各永久磁石14a、14bの磁極を、円周方向に亙って
数十回変化させなければならない。この様な永久磁石1
4a、14bは製造作業が面倒で高価であるが、この様
な永久磁石14a、14bを2個、しかも直径の異なる
ものを使用する従来構造は、コストが嵩んでしまう。
る永久磁石14a、14bが2個必要になり、製作費が
嵩む。実際に車輪の回転速度を検出する場合には、上記
各永久磁石14a、14bの磁極を、円周方向に亙って
数十回変化させなければならない。この様な永久磁石1
4a、14bは製造作業が面倒で高価であるが、この様
な永久磁石14a、14bを2個、しかも直径の異なる
ものを使用する従来構造は、コストが嵩んでしまう。
【0010】 磁束の流れが必ずしも円滑ではなく、
センサ18の出力を十分に大きくする事が難しい。即
ち、上記各永久磁石14a、14bの端面から出た磁束
は、この端面とヨーク16の端縁との間に存在する微小
隙間を通過しつつ、このヨーク16に流れ込む。ところ
が、上記端面と端縁との対向面積が狭い為、上記微小隙
間を通過できる磁束の量が限られる。上記センサ18を
構成するコイル17に惹起される電圧の大きさは、上記
ヨーク16内を流れる磁束の量の変化に比例する為、上
述の様に上記微小隙間を通過できる磁束の量が限られる
と、上記センサ18の出力も限られたものになってしま
う。
センサ18の出力を十分に大きくする事が難しい。即
ち、上記各永久磁石14a、14bの端面から出た磁束
は、この端面とヨーク16の端縁との間に存在する微小
隙間を通過しつつ、このヨーク16に流れ込む。ところ
が、上記端面と端縁との対向面積が狭い為、上記微小隙
間を通過できる磁束の量が限られる。上記センサ18を
構成するコイル17に惹起される電圧の大きさは、上記
ヨーク16内を流れる磁束の量の変化に比例する為、上
述の様に上記微小隙間を通過できる磁束の量が限られる
と、上記センサ18の出力も限られたものになってしま
う。
【0011】本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユ
ニットは、このの様な問題を解消すべく考えたもの
である。
ニットは、このの様な問題を解消すべく考えたもの
である。
【0012】
【課題を解決する為の手段】本発明の回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットは、前述した従来の回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットと同様に、使用時に回転しな
い固定輪と、この固定輪と同心に配置され、使用時に車
輪と共に回転する回転輪と、この回転輪及び上記固定輪
の互いに対向する周面に形成された軌道面と、これら各
軌道面同士の間に設けられた複数の転動体と、上記回転
輪に支持されてこの回転輪と共に回転する、円周方向に
亙る磁気特性が交互に且つ等ピッチで変化するトーンホ
イールと、上記固定輪に支持されて上記トーンホイール
に対向するセンサと、上記固定輪の周面と上記回転輪の
周面との間の空間の開口端を塞ぐシールリングとを備え
ている。
付転がり軸受ユニットは、前述した従来の回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットと同様に、使用時に回転しな
い固定輪と、この固定輪と同心に配置され、使用時に車
輪と共に回転する回転輪と、この回転輪及び上記固定輪
の互いに対向する周面に形成された軌道面と、これら各
軌道面同士の間に設けられた複数の転動体と、上記回転
輪に支持されてこの回転輪と共に回転する、円周方向に
亙る磁気特性が交互に且つ等ピッチで変化するトーンホ
イールと、上記固定輪に支持されて上記トーンホイール
に対向するセンサと、上記固定輪の周面と上記回転輪の
周面との間の空間の開口端を塞ぐシールリングとを備え
ている。
【0013】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットに於いては、磁性材製で全体を円環状に造
られ、上記固定輪の開口端部に嵌合固定された固定リン
グと、磁性材製で全体を円環状に造られ、上記回転輪の
開口端部に嵌合固定された回転リングとを備える。上記
トーンホイールはこの回転リングの一部に除肉部を設け
る事により構成されており、この回転リングに設けられ
た回転円筒部と上記固定リングに設けられた固定円筒部
とが、直径方向に亙り、第一の微小隙間を介して互いに
対向している。又、上記センサは、それぞれが円環状に
形成されて上記固定リングに添設された、永久磁石及び
コイルから成る。このうちの永久磁石の着磁方向端縁は
上記回転リングの一部に、この回転リングを構成する板
材の厚さ方向に亙り、第二の微小隙間を介して対向して
いる。又、上記シールリングは、上記固定リングと回転
リングとの少なくとも一方のリングを芯材として構成さ
れており、この一方のリングにその基端部を結合した弾
性材の先端縁が、上記固定リングと回転リングとのうち
の他方のリングに摺接している。更に、上記センサはこ
の弾性材の先端部の摺接部よりも上記転動体設置部分寄
りに存在する。
軸受ユニットに於いては、磁性材製で全体を円環状に造
られ、上記固定輪の開口端部に嵌合固定された固定リン
グと、磁性材製で全体を円環状に造られ、上記回転輪の
開口端部に嵌合固定された回転リングとを備える。上記
トーンホイールはこの回転リングの一部に除肉部を設け
る事により構成されており、この回転リングに設けられ
た回転円筒部と上記固定リングに設けられた固定円筒部
とが、直径方向に亙り、第一の微小隙間を介して互いに
対向している。又、上記センサは、それぞれが円環状に
形成されて上記固定リングに添設された、永久磁石及び
コイルから成る。このうちの永久磁石の着磁方向端縁は
上記回転リングの一部に、この回転リングを構成する板
材の厚さ方向に亙り、第二の微小隙間を介して対向して
いる。又、上記シールリングは、上記固定リングと回転
リングとの少なくとも一方のリングを芯材として構成さ
れており、この一方のリングにその基端部を結合した弾
性材の先端縁が、上記固定リングと回転リングとのうち
の他方のリングに摺接している。更に、上記センサはこ
の弾性材の先端部の摺接部よりも上記転動体設置部分寄
りに存在する。
【0014】
【作用】上述の様に構成される本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットが、車輪を懸架装置に対して回
転自在に装着する作用は、従来から知られた回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットと同様である。
置付転がり軸受ユニットが、車輪を懸架装置に対して回
転自在に装着する作用は、従来から知られた回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットと同様である。
【0015】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットの場合には、磁束が空気中を通過する第
一、第二の微小隙間部分では、これら各微小隙間を仕切
る部材同士が互いに広い面積で対向している。従って、
上記固定リングに流れる磁束の量を多くでき、この固定
リング内の磁束密度の変化に伴ってコイルに惹起される
電圧の変化を大きくできる。又、永久磁石が1個のみで
済む為、製作費が嵩む事もない。
軸受ユニットの場合には、磁束が空気中を通過する第
一、第二の微小隙間部分では、これら各微小隙間を仕切
る部材同士が互いに広い面積で対向している。従って、
上記固定リングに流れる磁束の量を多くでき、この固定
リング内の磁束密度の変化に伴ってコイルに惹起される
電圧の変化を大きくできる。又、永久磁石が1個のみで
済む為、製作費が嵩む事もない。
【0016】
【実施例】図1〜2は本発明の第一実施例を示してい
る。尚、転がり軸受ユニット部分の構造に就いては先に
説明している為、重複する説明を省略し、以下、本発明
の特徴部分であるセンサ21の構造に就いて説明する。
回転輪である内輪相当部材3を構成する内輪5の内端部
外周面には、鋼板等の磁性材により、断面L字形で全体
を円環状に形成された回転リング22を外嵌固定してい
る。この回転リング22は、円輪部23と、この円輪部
23の内周縁から内方(車両への組み付け時に幅方向内
方になる方向を言い、図1〜2の右方)に向け直角に折
れ曲がった回転円筒部24とを有する。そして、このう
ちの回転円筒部24を、上記内輪5に外嵌固定してい
る。又、上記円輪部23の外周縁には、それぞれが除肉
部である複数の切り欠き25を円周方向に亙り等間隔に
形成して、この円輪部23の外周寄り部分を櫛歯状にし
ている。この様な回転リング22が、回転速度検出装置
のトーンホイールとして機能する。
る。尚、転がり軸受ユニット部分の構造に就いては先に
説明している為、重複する説明を省略し、以下、本発明
の特徴部分であるセンサ21の構造に就いて説明する。
回転輪である内輪相当部材3を構成する内輪5の内端部
外周面には、鋼板等の磁性材により、断面L字形で全体
を円環状に形成された回転リング22を外嵌固定してい
る。この回転リング22は、円輪部23と、この円輪部
23の内周縁から内方(車両への組み付け時に幅方向内
方になる方向を言い、図1〜2の右方)に向け直角に折
れ曲がった回転円筒部24とを有する。そして、このう
ちの回転円筒部24を、上記内輪5に外嵌固定してい
る。又、上記円輪部23の外周縁には、それぞれが除肉
部である複数の切り欠き25を円周方向に亙り等間隔に
形成して、この円輪部23の外周寄り部分を櫛歯状にし
ている。この様な回転リング22が、回転速度検出装置
のトーンホイールとして機能する。
【0017】一方、固定輪である外輪相当部材1の内端
部内周面には、やはり鋼板等の磁性材により造られ、断
面がコ字形で全体が円環状の固定リング26を内嵌固定
している。この固定リング26は、円輪部27と、この
円輪部27の外周縁から外方(車両への組み付け時に幅
方向外方になる方向を言い、図1〜2の左方)に向け直
角に折れ曲がった支持円筒部28と、上記円輪部27の
内周縁から外方に向け直角に折れ曲がった固定円筒部2
9とを有する。そして、このうちの支持円筒部28を、
上記外輪相当部材1の内端部に内嵌固定している。そし
て、上記回転リング22の回転円筒部24の外周面と、
上記固定リング26の固定円筒部29の内周面とを、円
筒状の第一の微小隙間30を介して、互いに対向させて
いる。
部内周面には、やはり鋼板等の磁性材により造られ、断
面がコ字形で全体が円環状の固定リング26を内嵌固定
している。この固定リング26は、円輪部27と、この
円輪部27の外周縁から外方(車両への組み付け時に幅
方向外方になる方向を言い、図1〜2の左方)に向け直
角に折れ曲がった支持円筒部28と、上記円輪部27の
内周縁から外方に向け直角に折れ曲がった固定円筒部2
9とを有する。そして、このうちの支持円筒部28を、
上記外輪相当部材1の内端部に内嵌固定している。そし
て、上記回転リング22の回転円筒部24の外周面と、
上記固定リング26の固定円筒部29の内周面とを、円
筒状の第一の微小隙間30を介して、互いに対向させて
いる。
【0018】又、上記固定リング26の円輪部27の外
側面(図1〜2の左側面)には、円環状のセンサ21を
添設している。このセンサ21が、上記回転リング22
と組み合わされて回転速度検出装置を構成する。このセ
ンサ21は、それぞれが円環状に形成された永久磁石3
2とコイル33とから成る。このうちの永久磁石32の
外側面には、それぞれ複数ずつのS極とN極とが、円周
方向に亙り交互に配置されている。尚、この永久磁石3
2は、軸方向(図1〜2の左右方向)に亙り着磁されて
いるので、この永久磁石32の内側面にもS極とN極と
が円周方向に亙り交互に、外側面とは逆の位相で配置さ
れている。この様に永久磁石32の外側面の磁極が円周
方向に亙って変化するピッチは、前記回転リング22の
円輪部23に形成した切り欠き25のピッチと等しくし
ている。従って、総ての切り欠き25にN極が対向する
瞬間には、総てのS極が隣り合う切り欠き25同士の間
に存在する舌片部34に対向し、反対に総ての切り欠き
25にS極が対向する瞬間には、総てのN極が隣り合う
切り欠き25同士の間に存在する舌片部34に対向す
る。
側面(図1〜2の左側面)には、円環状のセンサ21を
添設している。このセンサ21が、上記回転リング22
と組み合わされて回転速度検出装置を構成する。このセ
ンサ21は、それぞれが円環状に形成された永久磁石3
2とコイル33とから成る。このうちの永久磁石32の
外側面には、それぞれ複数ずつのS極とN極とが、円周
方向に亙り交互に配置されている。尚、この永久磁石3
2は、軸方向(図1〜2の左右方向)に亙り着磁されて
いるので、この永久磁石32の内側面にもS極とN極と
が円周方向に亙り交互に、外側面とは逆の位相で配置さ
れている。この様に永久磁石32の外側面の磁極が円周
方向に亙って変化するピッチは、前記回転リング22の
円輪部23に形成した切り欠き25のピッチと等しくし
ている。従って、総ての切り欠き25にN極が対向する
瞬間には、総てのS極が隣り合う切り欠き25同士の間
に存在する舌片部34に対向し、反対に総ての切り欠き
25にS極が対向する瞬間には、総てのN極が隣り合う
切り欠き25同士の間に存在する舌片部34に対向す
る。
【0019】そして、この様な永久磁石32の外側面は
上記回転リング22の円輪部23の外周寄り部分の内側
面に、この円輪部23の厚さ方向(図1〜2の左右方
向)に亙り、第二の微小隙間35を介して対向してい
る。又、上記コイル33は、導線を固定リング26と同
心に巻回する事で円環状にしたものを合成樹脂36によ
り包埋して成る。このコイル33には、上記固定リング
26に流れる磁束密度の変化に基づき、磁束の流れ方向
に対応した電圧が惹起される。この電圧の変化は、上記
センサ21の出力信号として、ハーネス37により取り
出される。
上記回転リング22の円輪部23の外周寄り部分の内側
面に、この円輪部23の厚さ方向(図1〜2の左右方
向)に亙り、第二の微小隙間35を介して対向してい
る。又、上記コイル33は、導線を固定リング26と同
心に巻回する事で円環状にしたものを合成樹脂36によ
り包埋して成る。このコイル33には、上記固定リング
26に流れる磁束密度の変化に基づき、磁束の流れ方向
に対応した電圧が惹起される。この電圧の変化は、上記
センサ21の出力信号として、ハーネス37により取り
出される。
【0020】又、前記固定円筒部29の先端部には、ゴ
ム、エラストマー等の弾性材38の基端部を全周に亙り
結合している。そして、この弾性材38の先端を、前記
回転リング22の回転円筒部24の外周面及び円輪部2
3の内側面内周寄り部分に摺接させている。即ち、上記
弾性材38を結合した固定リング26がシールリングと
して機能し、このシールリングが、上記弾性材38の先
端の摺接部よりも転動体10、10設置部分寄りに存在
するセンサ21部分への、雨水や塵芥等の異物進入防止
を図っている。
ム、エラストマー等の弾性材38の基端部を全周に亙り
結合している。そして、この弾性材38の先端を、前記
回転リング22の回転円筒部24の外周面及び円輪部2
3の内側面内周寄り部分に摺接させている。即ち、上記
弾性材38を結合した固定リング26がシールリングと
して機能し、このシールリングが、上記弾性材38の先
端の摺接部よりも転動体10、10設置部分寄りに存在
するセンサ21部分への、雨水や塵芥等の異物進入防止
を図っている。
【0021】上述の様に構成される本発明の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットにより、車輪と共に回転す
る内輪相当部材3の回転速度を検出する際の作用は、次
の通りである。内輪相当部材3と共に回転リング22が
回転すると、この回転リング22を構成する円輪部23
の切り欠き25には、永久磁石32の外側面に配置され
たN極とS極とが交互に対向する。そして、総ての切り
欠き25にS極が対向する瞬間には、総てのN極が隣り
合う切り欠き25同士の間に存在する舌片部34に対向
する。従ってこの瞬間には、上記回転リング22及び前
記固定リング26に、図2に矢印で示す方向に磁束が流
れる。反対に、総ての切り欠き25にN極が対向する瞬
間には、総てのS極が隣り合う切り欠き25同士の間に
存在する舌片部34に対向する。従ってこの瞬間には、
上記回転リング22及び前記固定リング26に、図2の
矢印とは反対方向に磁束が流れる。
出装置付転がり軸受ユニットにより、車輪と共に回転す
る内輪相当部材3の回転速度を検出する際の作用は、次
の通りである。内輪相当部材3と共に回転リング22が
回転すると、この回転リング22を構成する円輪部23
の切り欠き25には、永久磁石32の外側面に配置され
たN極とS極とが交互に対向する。そして、総ての切り
欠き25にS極が対向する瞬間には、総てのN極が隣り
合う切り欠き25同士の間に存在する舌片部34に対向
する。従ってこの瞬間には、上記回転リング22及び前
記固定リング26に、図2に矢印で示す方向に磁束が流
れる。反対に、総ての切り欠き25にN極が対向する瞬
間には、総てのS極が隣り合う切り欠き25同士の間に
存在する舌片部34に対向する。従ってこの瞬間には、
上記回転リング22及び前記固定リング26に、図2の
矢印とは反対方向に磁束が流れる。
【0022】この様に、上記回転リング22の回転に伴
って上記回転リング22及び固定リング26には、交互
に逆方向の磁束が流れる。この結果、これら両リング2
2、26に挟まれた状態で配置されたコイル33に電圧
が惹起される。この様にコイル33に惹起される電圧は
正弦波的に変化する。そして、この変化の周波数は、上
記内輪相当部材3の回転速度に比例する。この為、この
電圧をセンサ21の出力信号としてABSやTCSの制
御器に入力すれば、これらABSやTCSを適正に制御
できる。
って上記回転リング22及び固定リング26には、交互
に逆方向の磁束が流れる。この結果、これら両リング2
2、26に挟まれた状態で配置されたコイル33に電圧
が惹起される。この様にコイル33に惹起される電圧は
正弦波的に変化する。そして、この変化の周波数は、上
記内輪相当部材3の回転速度に比例する。この為、この
電圧をセンサ21の出力信号としてABSやTCSの制
御器に入力すれば、これらABSやTCSを適正に制御
できる。
【0023】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットの場合には、磁束が空気中を通過する第一
の微小隙間30部分では、この第一の微小隙間30を仕
切る回転円筒部24の外周面と固定円筒部29の内周面
とが互いに広い面積で対向している。又、やはり磁束が
空気中を通過する第二の微小隙間35部分では、この第
二の微小隙間35を仕切る回転リング22の円輪部23
の内側面と永久磁石32の外側面とが、やはり互いに広
い面積で対向している。従って、上記固定リング26及
び回転リング22に流れる磁束の量を多くでき、これら
両リング26、22内の磁束密度の変化に伴ってコイル
33に惹起される電圧の変化を大きくできる。この結
果、回転速度検出の信頼性を向上させて、上記ABSや
TCSの性能向上を図れる。
軸受ユニットの場合には、磁束が空気中を通過する第一
の微小隙間30部分では、この第一の微小隙間30を仕
切る回転円筒部24の外周面と固定円筒部29の内周面
とが互いに広い面積で対向している。又、やはり磁束が
空気中を通過する第二の微小隙間35部分では、この第
二の微小隙間35を仕切る回転リング22の円輪部23
の内側面と永久磁石32の外側面とが、やはり互いに広
い面積で対向している。従って、上記固定リング26及
び回転リング22に流れる磁束の量を多くでき、これら
両リング26、22内の磁束密度の変化に伴ってコイル
33に惹起される電圧の変化を大きくできる。この結
果、回転速度検出の信頼性を向上させて、上記ABSや
TCSの性能向上を図れる。
【0024】次に、図3は本発明の第二実施例を示して
いる。本実施例の場合には、回転リング22の回転円筒
部24と固定リング26の固定円筒部29とに、それぞ
れが除肉部である複数の切り欠き39、40を、円周方
向に亙って等間隔に形成している。これら両切り欠き3
9、40は同数としている。センサ21aを構成する永
久磁石32aは、軸方向に亙り着磁するのみで、円周方
向に亙り磁極を変化させてはいない。
いる。本実施例の場合には、回転リング22の回転円筒
部24と固定リング26の固定円筒部29とに、それぞ
れが除肉部である複数の切り欠き39、40を、円周方
向に亙って等間隔に形成している。これら両切り欠き3
9、40は同数としている。センサ21aを構成する永
久磁石32aは、軸方向に亙り着磁するのみで、円周方
向に亙り磁極を変化させてはいない。
【0025】回転速度検出装置をこの様に構成した場
合、上記両切り欠き39、40同士の位相が一致する
と、隣り合う切り欠き39同士の間に存在する舌片部4
1とやはり隣り合う切り欠き40同士の間に存在する舌
片部42とが対向する。この結果、図3(A)に示す様
に、上記回転リング22及び固定リング26に多くの磁
束が流れる。これに対して、上記両切り欠き39、40
の位相が半分だけずれると、舌片部42が切り欠き39
と対向し、舌片部41が切り欠き40と対向する。この
状態では、上記両リング22、26同士の間に存在する
空隙が多くなり、図3(B)に示す様に、上記回転リン
グ22及び固定リング26に流れる磁束が少なくなる。
合、上記両切り欠き39、40同士の位相が一致する
と、隣り合う切り欠き39同士の間に存在する舌片部4
1とやはり隣り合う切り欠き40同士の間に存在する舌
片部42とが対向する。この結果、図3(A)に示す様
に、上記回転リング22及び固定リング26に多くの磁
束が流れる。これに対して、上記両切り欠き39、40
の位相が半分だけずれると、舌片部42が切り欠き39
と対向し、舌片部41が切り欠き40と対向する。この
状態では、上記両リング22、26同士の間に存在する
空隙が多くなり、図3(B)に示す様に、上記回転リン
グ22及び固定リング26に流れる磁束が少なくなる。
【0026】この様に、上記回転リング22の回転に伴
って上記回転リング22及び固定リング26に流れる磁
束の密度が変化する結果、これら両リング22、26に
挟まれた状態で配置されたコイル33に内輪相当部材3
の回転速度に比例した周波数で変化する電圧が惹起され
る。その他の構成及び作用は、上述した第一実施例と同
様である。尚、本実施例に使用する永久磁石21aは、
第一実施例に使用する永久磁石21よりも安価である。
って上記回転リング22及び固定リング26に流れる磁
束の密度が変化する結果、これら両リング22、26に
挟まれた状態で配置されたコイル33に内輪相当部材3
の回転速度に比例した周波数で変化する電圧が惹起され
る。その他の構成及び作用は、上述した第一実施例と同
様である。尚、本実施例に使用する永久磁石21aは、
第一実施例に使用する永久磁石21よりも安価である。
【0027】次に、図4〜5は本発明の第三実施例を示
している。本実施例に使用する回転リング22aは、大
径部43と小径部44とを段部45により連続させる事
により、断面がクランク型で全体を円環状に形成してい
る。本実施例の場合には、このうちの小径部44が、回
転円筒部として機能する。又、上記大径部43には複数
の切り欠き25を、円周方向に亙り等間隔に形成し、こ
の大径部43を櫛歯状に形成している。一方、固定リン
グ26aは、円輪部27と、この円輪部27の外周縁か
ら外方(図4〜5の左方)に向け直角に折れ曲がった支
持円筒部28と、上記円輪部27の内周縁から外方に向
け直角に折れ曲がった固定円筒部29とを有する。そし
て、このうちの支持円筒部28を、外輪相当部材1の内
端部に内嵌固定している。そして、上記回転リング22
aの小径部44の外周面と、上記固定リング26aの固
定円筒部29の内周面とを、円筒状の第一の微小隙間3
0を介して、互いに対向させている。
している。本実施例に使用する回転リング22aは、大
径部43と小径部44とを段部45により連続させる事
により、断面がクランク型で全体を円環状に形成してい
る。本実施例の場合には、このうちの小径部44が、回
転円筒部として機能する。又、上記大径部43には複数
の切り欠き25を、円周方向に亙り等間隔に形成し、こ
の大径部43を櫛歯状に形成している。一方、固定リン
グ26aは、円輪部27と、この円輪部27の外周縁か
ら外方(図4〜5の左方)に向け直角に折れ曲がった支
持円筒部28と、上記円輪部27の内周縁から外方に向
け直角に折れ曲がった固定円筒部29とを有する。そし
て、このうちの支持円筒部28を、外輪相当部材1の内
端部に内嵌固定している。そして、上記回転リング22
aの小径部44の外周面と、上記固定リング26aの固
定円筒部29の内周面とを、円筒状の第一の微小隙間3
0を介して、互いに対向させている。
【0028】又、上記固定リング26aの支持円筒部2
8の内周面には、円環状のセンサ31を添設している。
このセンサ31が、上記回転リング22aと組み合わさ
れて回転速度検出装置を構成する。このセンサ31は、
それぞれが円環状に形成された永久磁石32bとコイル
33とから成る。このうちの永久磁石32bの内周面に
は、それぞれ複数ずつのS極とN極とが円周方向に亙り
交互に配置されている。尚、この永久磁石32bは、直
径方向に亙り着磁されているので、この永久磁石32b
の外周面にもS極とN極とが円周方向に亙り交互に、内
周面とは逆の位相で配置されている。この様に永久磁石
32bの内周面の磁極が円周方向に亙って変化するピッ
チは、上記回転リング22aの大径部43に形成した切
り欠き25のピッチと等しくしている。従って、総ての
切り欠き25にN極が対向する瞬間には、総てのS極が
隣り合う切り欠き25同士の間に存在する舌片部34a
に対向し、反対に総ての切り欠き25にS極が対向する
瞬間には、総てのN極が隣り合う切り欠き25同士の間
に存在する舌片部34aに対向する。
8の内周面には、円環状のセンサ31を添設している。
このセンサ31が、上記回転リング22aと組み合わさ
れて回転速度検出装置を構成する。このセンサ31は、
それぞれが円環状に形成された永久磁石32bとコイル
33とから成る。このうちの永久磁石32bの内周面に
は、それぞれ複数ずつのS極とN極とが円周方向に亙り
交互に配置されている。尚、この永久磁石32bは、直
径方向に亙り着磁されているので、この永久磁石32b
の外周面にもS極とN極とが円周方向に亙り交互に、内
周面とは逆の位相で配置されている。この様に永久磁石
32bの内周面の磁極が円周方向に亙って変化するピッ
チは、上記回転リング22aの大径部43に形成した切
り欠き25のピッチと等しくしている。従って、総ての
切り欠き25にN極が対向する瞬間には、総てのS極が
隣り合う切り欠き25同士の間に存在する舌片部34a
に対向し、反対に総ての切り欠き25にS極が対向する
瞬間には、総てのN極が隣り合う切り欠き25同士の間
に存在する舌片部34aに対向する。
【0029】そして、この様な永久磁石32bの内周面
は上記回転リング22aの大径部43の外周面に、この
大径部43の厚さ方向(図1〜2の左右方向)に亙り、
第二の微小隙間35を介して対向させている。又、上記
コイル33は、導線を固定リング26aと同心に巻回す
る事で円環状にしたものを合成樹脂36により包埋して
成る。このコイル33には、上記固定リング26aに流
れる磁束密度の変化に基づき、磁束の流れ方向に対応し
た電圧が惹起される。この電圧の変化は、上記センサ3
1の出力信号として、ハーネス37により取り出され
る。
は上記回転リング22aの大径部43の外周面に、この
大径部43の厚さ方向(図1〜2の左右方向)に亙り、
第二の微小隙間35を介して対向させている。又、上記
コイル33は、導線を固定リング26aと同心に巻回す
る事で円環状にしたものを合成樹脂36により包埋して
成る。このコイル33には、上記固定リング26aに流
れる磁束密度の変化に基づき、磁束の流れ方向に対応し
た電圧が惹起される。この電圧の変化は、上記センサ3
1の出力信号として、ハーネス37により取り出され
る。
【0030】又、前記固定円筒部29の先端部には、ゴ
ム、エラストマー等の弾性材38の基端部を全周に亙り
結合している。そして、この弾性材38の先端を、前記
回転リング22aの小径部44の外周面及び段部45の
内側面に摺接させている。即ち、上記弾性材38を結合
した固定リング26aがシールリングとして機能する。
そして、このシールリングが、上記弾性材38の先端の
摺接部よりも転動体10、10設置部分寄りに存在する
センサ31部分への、雨水や塵芥等の異物の進入防止を
図っている。
ム、エラストマー等の弾性材38の基端部を全周に亙り
結合している。そして、この弾性材38の先端を、前記
回転リング22aの小径部44の外周面及び段部45の
内側面に摺接させている。即ち、上記弾性材38を結合
した固定リング26aがシールリングとして機能する。
そして、このシールリングが、上記弾性材38の先端の
摺接部よりも転動体10、10設置部分寄りに存在する
センサ31部分への、雨水や塵芥等の異物の進入防止を
図っている。
【0031】上述の様に構成される本発明の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットにより、車輪と共に回転す
る内輪相当部材3の回転速度を検出する際の作用は、前
述した第一実施例の場合と同様である。
出装置付転がり軸受ユニットにより、車輪と共に回転す
る内輪相当部材3の回転速度を検出する際の作用は、前
述した第一実施例の場合と同様である。
【0032】次に、図6は本発明の第四実施例を示して
いる。本実施例は、上述した第三実施例と前述した第二
実施例とを組み合わせた如きものである。回転リング2
2aの小径部44と固定リング26aの固定円筒部29
とに、それぞれが除肉部である複数の切り欠き39、4
0を、円周方向に亙り等間隔に形成している。これら両
切り欠き39、40は同数としている。センサ31aを
構成する永久磁石32cは、直径方向に亙り着磁するの
みで、円周方向に亙り磁極を変化させてはいない。
いる。本実施例は、上述した第三実施例と前述した第二
実施例とを組み合わせた如きものである。回転リング2
2aの小径部44と固定リング26aの固定円筒部29
とに、それぞれが除肉部である複数の切り欠き39、4
0を、円周方向に亙り等間隔に形成している。これら両
切り欠き39、40は同数としている。センサ31aを
構成する永久磁石32cは、直径方向に亙り着磁するの
みで、円周方向に亙り磁極を変化させてはいない。
【0033】回転速度検出装置をこの様に構成した場
合、上記両切り欠き39、40同士の位相が一致する
と、隣り合う切り欠き39同士の間に存在する舌片部4
1とやはり隣り合う切り欠き40同士の間に存在する舌
片部42とが対向する。この結果、図6(A)に示す様
に、上記回転リング22a及び固定リング26aに多く
の磁束が流れる。これに対して、上記両切り欠き39、
40の位相が半分だけずれると、舌片部42が切り欠き
39と対向し、舌片部41が切り欠き40と対向する。
この状態では、上記両リング22a、26a同士の間に
存在する空隙が多くなり、図6(B)に示す様に、上記
回転リング22a及び固定リング26aに流れる磁束が
少なくなる。
合、上記両切り欠き39、40同士の位相が一致する
と、隣り合う切り欠き39同士の間に存在する舌片部4
1とやはり隣り合う切り欠き40同士の間に存在する舌
片部42とが対向する。この結果、図6(A)に示す様
に、上記回転リング22a及び固定リング26aに多く
の磁束が流れる。これに対して、上記両切り欠き39、
40の位相が半分だけずれると、舌片部42が切り欠き
39と対向し、舌片部41が切り欠き40と対向する。
この状態では、上記両リング22a、26a同士の間に
存在する空隙が多くなり、図6(B)に示す様に、上記
回転リング22a及び固定リング26aに流れる磁束が
少なくなる。
【0034】この様に、上記回転リング22aの回転に
伴って上記回転リング22a及び固定リング26aに流
れる磁束の密度が変化する結果、これら両リング22
a、26aに挟まれた状態で配置されたコイル33に内
輪相当部材3の回転速度に比例した周波数で変化する電
圧が惹起される。本実施例に使用する永久磁石32c
は、第三実施例に使用する永久磁石32bに比較して安
価である。尚、図示の実施例は、駆動輪用の転がり軸受
ユニットに本発明を適用しているが、本発明は非駆動輪
用の転がり軸受ユニットにも実施できる事は明らかであ
る。
伴って上記回転リング22a及び固定リング26aに流
れる磁束の密度が変化する結果、これら両リング22
a、26aに挟まれた状態で配置されたコイル33に内
輪相当部材3の回転速度に比例した周波数で変化する電
圧が惹起される。本実施例に使用する永久磁石32c
は、第三実施例に使用する永久磁石32bに比較して安
価である。尚、図示の実施例は、駆動輪用の転がり軸受
ユニットに本発明を適用しているが、本発明は非駆動輪
用の転がり軸受ユニットにも実施できる事は明らかであ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明の回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットは、以上に述べた通り構成され作用する為、次
のの効果を得られる。 コストが嵩む永久磁石を2個使用する必要がない
為、安価に製作できる。 磁束の流れを十分に確保して電圧の変化量を大きく
し、センサの出力を大きくできる為、回転速度検出の信
頼性を向上させ、ABSやTCSの性能向上を図れる。
ユニットは、以上に述べた通り構成され作用する為、次
のの効果を得られる。 コストが嵩む永久磁石を2個使用する必要がない
為、安価に製作できる。 磁束の流れを十分に確保して電圧の変化量を大きく
し、センサの出力を大きくできる為、回転速度検出の信
頼性を向上させ、ABSやTCSの性能向上を図れる。
【図1】本発明の第一実施例を示す断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】本発明の第二実施例を、切り欠き同士の位相が
一致した状態と不一致になった状態とで示す、図2と同
様の図。
一致した状態と不一致になった状態とで示す、図2と同
様の図。
【図4】同第三実施例を示す断面図。
【図5】図4のB部拡大図。
【図6】本発明の第四実施例を示す、図3と同様の図。
【図7】従来構造の1例を示す、図2と同様の図。
【符号の説明】 1 外輪相当部材 2 取付部 3 内輪相当部材 4 ハブ 5 内輪 6 スプライン溝 7 取付フランジ 8 外輪軌道 9 内輪軌道 10 転動体 11 シールリング 12 空間 13 回転リング 14a、14b 永久磁石 15 ホルダ 16 ヨーク 17 コイル 18 センサ 19 切り欠き 20 シールリング 21、21a センサ 22、22a 回転リング 23 円輪部 24 回転円筒部 25 切り欠き 26、26a 固定リング 27 円輪部 28 支持円筒部 29 固定円筒部 30 第一の微小隙間 31、31a センサ 32、32a、32b、32c 永久磁石 33 コイル 34、34a 舌片部 35 第二の微小隙間 36 合成樹脂 37 ハーネス 38 弾性材 39、40 切り欠き 41、42 舌片部 43 大径部 44 小径部 45 段部
Claims (1)
- 【請求項1】 使用時に回転しない固定輪と、この固定
輪と同心に配置され、使用時に車輪と共に回転する回転
輪と、この回転輪及び上記固定輪の互いに対向する周面
に形成された軌道面と、これら各軌道面同士の間に設け
られた複数の転動体と、上記回転輪に支持されてこの回
転輪と共に回転する、円周方向に亙る磁気特性が交互に
且つ等ピッチで変化するトーンホイールと、上記固定輪
に支持されて上記トーンホイールに対向するセンサと、
上記固定輪の周面と上記回転輪の周面との間の空間の開
口端を塞ぐシールリングとを備えた回転速度検出装置付
転がり軸受ユニットに於いて、磁性材製で全体を円環状
に造られ、上記固定輪の開口端部に嵌合固定された固定
リングと、磁性材製で全体を円環状に造られ、上記回転
輪の開口端部に嵌合固定された回転リングとを備え、上
記トーンホイールはこの回転リングの一部に除肉部を設
ける事により構成されており、この回転リングに設けら
れた回転円筒部と上記固定リングに設けられた固定円筒
部とが直径方向に亙り第一の微小隙間を介して互いに対
向しており、上記センサは、それぞれが円環状に形成さ
れて上記固定リングに添設された永久磁石及びコイルか
ら成り、このうちの永久磁石の着磁方向端縁は上記回転
リングの一部に、この回転リングを構成する板材の厚さ
方向に亙り第二の微小隙間を介して対向しており、上記
シールリングは、上記固定リングと回転リングとの少な
くとも一方のリングを芯材として構成されており、この
一方のリングにその基端部を結合した弾性材の先端縁
が、上記固定リングと回転リングとのうちの他方のリン
グに摺接しており、上記センサはこの弾性材の先端部の
摺接部よりも上記転動体設置部分寄りに存在する事を特
徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25793994A JPH08122350A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25793994A JPH08122350A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08122350A true JPH08122350A (ja) | 1996-05-17 |
Family
ID=17313309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25793994A Pending JPH08122350A (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08122350A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002542973A (ja) * | 1999-03-04 | 2002-12-17 | エスケーエフ インダストリー ソシエタ ペル アテオニ | 鉄道車軸ハブユニット |
JP2006138872A (ja) * | 2006-02-03 | 2006-06-01 | Jtekt Corp | 車輪速検出装置 |
-
1994
- 1994-10-24 JP JP25793994A patent/JPH08122350A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002542973A (ja) * | 1999-03-04 | 2002-12-17 | エスケーエフ インダストリー ソシエタ ペル アテオニ | 鉄道車軸ハブユニット |
JP2006138872A (ja) * | 2006-02-03 | 2006-06-01 | Jtekt Corp | 車輪速検出装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004003918A (ja) | 荷重測定装置付車輪支持用転がり軸受ユニット | |
KR100533404B1 (ko) | 인코더 부착 차륜용 회전 지지 장치 | |
JPH08122349A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JP3312531B2 (ja) | 回転速度検出装置付ハブユニット | |
JP3125376B2 (ja) | 回転速度検出用転がり軸受ユニット | |
JP2001241435A (ja) | 自動車用エンコーダ付転がり軸受ユニット | |
EP0714029B1 (en) | Rolling bearing unit with a rotational speed sensor | |
JPH07260815A (ja) | 回転速度検出装置付円すいころ軸受 | |
US5744720A (en) | Rolling bearing unit with rotating speed detector | |
JPH08184602A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JPH03245062A (ja) | 伝動装置出力速度センサ | |
JP3687160B2 (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JPH08122350A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JP3653885B2 (ja) | 回転速度検出装置用エンコーダの着磁装置 | |
JP2602146Y2 (ja) | 回転検出装置付転がり軸受 | |
JPH1048230A (ja) | 軸受組立体 | |
JP3700291B2 (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JPH0921822A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JP3948053B2 (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JPH09196059A (ja) | トーンホイール付転がり軸受ユニット | |
JP3939022B2 (ja) | 環状速度センサー | |
JPH1090292A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JP3632338B2 (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JP2553832Y2 (ja) | 回転速度検出用転がり軸受ユニット | |
JP2002122445A (ja) | エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット |