JPH075432B2 - ダイヤモンドの気相合成法 - Google Patents
ダイヤモンドの気相合成法Info
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- JPH075432B2 JPH075432B2 JP63144185A JP14418588A JPH075432B2 JP H075432 B2 JPH075432 B2 JP H075432B2 JP 63144185 A JP63144185 A JP 63144185A JP 14418588 A JP14418588 A JP 14418588A JP H075432 B2 JPH075432 B2 JP H075432B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、化学気相合成(CVD)法によるダイヤモン
ドの合成法、詳しくは、高純度、高結晶性で用途の広い
ダイヤモンドを、安価に、しかも高速で合成可能な気相
合成法に関するものである。
ドの合成法、詳しくは、高純度、高結晶性で用途の広い
ダイヤモンドを、安価に、しかも高速で合成可能な気相
合成法に関するものである。
従来、人造ダイヤモンドは、高温、高圧下の熱力学的平
衡状態において合成されてきたが、最近は、気相からの
ダイヤモンドの合成が可能となっている。
衡状態において合成されてきたが、最近は、気相からの
ダイヤモンドの合成が可能となっている。
この気相合成法は、通常、10倍以上の水素で希釈した炭
化水素ガスを用い、このガスをプラズマもしくは熱フィ
ラメントで励起して反応室中の基材上にダイヤモンド層
を形成している。
化水素ガスを用い、このガスをプラズマもしくは熱フィ
ラメントで励起して反応室中の基材上にダイヤモンド層
を形成している。
なお、従来法の中には、原料ガスを予熱し、これを加熱
基板の表面に導入してダイヤモンド析出のための炭化水
素の熱分解を行わしめる方法(特許第1272728号)等も
ある。
基板の表面に導入してダイヤモンド析出のための炭化水
素の熱分解を行わしめる方法(特許第1272728号)等も
ある。
従来のダイヤモンド気相合成法は、化学反応を起こすた
めの熱投入法等は種々考えられてはいるが、いずれの方
法も、基本的には多量の水素を用いており、そのため、
原料ガスが高価につき、また、水素がダイヤモンド中に
取込まれて、純度、結晶性等を悪くしたり、ダイヤモン
ドの合成条件、合成速度、合成可能面積、基材材質等が
制約されるなどの問題があった。
めの熱投入法等は種々考えられてはいるが、いずれの方
法も、基本的には多量の水素を用いており、そのため、
原料ガスが高価につき、また、水素がダイヤモンド中に
取込まれて、純度、結晶性等を悪くしたり、ダイヤモン
ドの合成条件、合成速度、合成可能面積、基材材質等が
制約されるなどの問題があった。
特開昭59−30709号公報に示されるように、ハロゲン原
子、水素原子、炭素原子を反応系に供給して極めて低い
圧力範囲、導入電力でダイヤモンドを合成することも考
えられているが、この方法は高純度化に関して不充分な
点があり、また、原料ガスのコスト、合成速度等にも問
題があり、工業的なダイヤモンド合成が望み難い。この
原因は、原料ガスの組成が適切でないことにあると思わ
れる。
子、水素原子、炭素原子を反応系に供給して極めて低い
圧力範囲、導入電力でダイヤモンドを合成することも考
えられているが、この方法は高純度化に関して不充分な
点があり、また、原料ガスのコスト、合成速度等にも問
題があり、工業的なダイヤモンド合成が望み難い。この
原因は、原料ガスの組成が適切でないことにあると思わ
れる。
この発明は、これ等の問題点を無くすことを課題として
いる。
いる。
発明者等は、各種のガス条件を検討した結果、化合物ガ
ス中に含まれることのある水素以外には水素を使用しな
い次の様な条件下において安定なプラズマが生成し、結
晶性の良いダイヤモンドを高速、大面積に合成し得るこ
とを見い出した。
ス中に含まれることのある水素以外には水素を使用しな
い次の様な条件下において安定なプラズマが生成し、結
晶性の良いダイヤモンドを高速、大面積に合成し得るこ
とを見い出した。
即ち、この発明の方法は、フッ素ガス、塩素ガス、もし
くはその両者と、酸素ガス、窒素酸化物、二酸化硫黄ガ
スの中から選ばれた少なくとも1種のガスと、炭素を含
む化合物ガスとの混合ガス、又はこの混合ガスに更に不
活性ガスを加えた混合ガスを反応容器中に導入し、その
容器中に電磁界によるプラズマを発生させて容器中に配
置した基材上にダイヤモンドを生成するものであり、こ
の方法によると、従来のCVD(chemical vapor depositi
on)法に比べて数倍の成長速度で均一に、しかも広範囲
(数十平方ミリ)の領域に水素等を含まない高純度、高
結晶性のダイヤモンドが得られることが判った。
くはその両者と、酸素ガス、窒素酸化物、二酸化硫黄ガ
スの中から選ばれた少なくとも1種のガスと、炭素を含
む化合物ガスとの混合ガス、又はこの混合ガスに更に不
活性ガスを加えた混合ガスを反応容器中に導入し、その
容器中に電磁界によるプラズマを発生させて容器中に配
置した基材上にダイヤモンドを生成するものであり、こ
の方法によると、従来のCVD(chemical vapor depositi
on)法に比べて数倍の成長速度で均一に、しかも広範囲
(数十平方ミリ)の領域に水素等を含まない高純度、高
結晶性のダイヤモンドが得られることが判った。
高純度化には酸素ガス、窒素酸化物、二酸化硫黄ガスの
少なくともどれかを用いたことが有効に作用している。
即ち、フッ素ガス(F2)、塩素ガス(Cl2)のみを炭素
を含む化合物ガスと組合わせて用いると合成されたダイ
ヤモンド中にフッ素、塩素が混入し易いが、先に挙げた
ガスを用いると、合成条件によっては、酸素ガスがフッ
素、塩素を連れ出してくれるので、高純度が得られる。
また、その連れ出しで反応炉の壁面に対するフッ素、塩
素の付着が減り装置のいたみ等も減少する。
少なくともどれかを用いたことが有効に作用している。
即ち、フッ素ガス(F2)、塩素ガス(Cl2)のみを炭素
を含む化合物ガスと組合わせて用いると合成されたダイ
ヤモンド中にフッ素、塩素が混入し易いが、先に挙げた
ガスを用いると、合成条件によっては、酸素ガスがフッ
素、塩素を連れ出してくれるので、高純度が得られる。
また、その連れ出しで反応炉の壁面に対するフッ素、塩
素の付着が減り装置のいたみ等も減少する。
なお、プラズマ発生源は、直流、交流の電磁界のどちら
を用いたものでよいが、後者の場合には、周波数1KHz以
上の高周波もしくはマイクロ波であることが操作性も良
くて好ましい。より好ましくは、300MHz以上のマイクロ
波を用いるとよい。
を用いたものでよいが、後者の場合には、周波数1KHz以
上の高周波もしくはマイクロ波であることが操作性も良
くて好ましい。より好ましくは、300MHz以上のマイクロ
波を用いるとよい。
また、使用ガスの混合比は、非ダイヤモンド炭素の析出
等を防止して高純度、高結晶性の膜を得る上で、原料ガ
ス中のフッ素(F)、塩素(Cl)、酸素(O)、炭素
(C)の原子比が(F+Cl+O)/C=5〜0.05、より好
ましくは1.8〜0.09の範囲にあり、一方、炭素化合物中
に水素を含有する場合には、フッ素(F)、塩素(C
l)、酸素(O)と炭素(C)、水素(H)の原子比
が、(F+Cl+O)/(C+H)=4〜0.01、より好ま
しくは0.9〜0.04の範囲にあるようにするのがよい。
等を防止して高純度、高結晶性の膜を得る上で、原料ガ
ス中のフッ素(F)、塩素(Cl)、酸素(O)、炭素
(C)の原子比が(F+Cl+O)/C=5〜0.05、より好
ましくは1.8〜0.09の範囲にあり、一方、炭素化合物中
に水素を含有する場合には、フッ素(F)、塩素(C
l)、酸素(O)と炭素(C)、水素(H)の原子比
が、(F+Cl+O)/(C+H)=4〜0.01、より好ま
しくは0.9〜0.04の範囲にあるようにするのがよい。
また、不活性ガスを併用する場合には、不活性ガス
(X)とフッ素(F)、塩素(Cl)、酸素(O)、窒素
(N)、硫黄(S)、炭素(C)の原子比を、X/(F+
Cl+O+C)=100〜0、より好ましくは、20〜0.01に
するのがよい。
(X)とフッ素(F)、塩素(Cl)、酸素(O)、窒素
(N)、硫黄(S)、炭素(C)の原子比を、X/(F+
Cl+O+C)=100〜0、より好ましくは、20〜0.01に
するのがよい。
不活性ガスの使用は、広い圧力範囲でのプラズマ発生を
可能にし、成長速度をより一層速め、さらに、大面積へ
のコーディングを容易にすると云う効果があるので、極
めて好ましいことと云える。
可能にし、成長速度をより一層速め、さらに、大面積へ
のコーディングを容易にすると云う効果があるので、極
めて好ましいことと云える。
次に、この発明で用いる不活性ガスとしては、He(ヘリ
ウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプト
ン)、Xe(キセノン)の中から選ばれたものの一種、或
いはこれ等の複数種の混合ガスを挙げることができる
が、ダイヤモンドの量産性、製造コストを考えると、中
でも、安価で入手し易いアルゴンガスが好ましい。
ウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプト
ン)、Xe(キセノン)の中から選ばれたものの一種、或
いはこれ等の複数種の混合ガスを挙げることができる
が、ダイヤモンドの量産性、製造コストを考えると、中
でも、安価で入手し易いアルゴンガスが好ましい。
また、炭素を含む化合物ガスは、例えば、ガス状のメタ
ン、エタン、アセチレン、プロパン、天然ガス、一酸化
炭素、二酸化炭素や、アルコール等の分子に少量の酸
素、窒素、硫黄を含む有機化合物であってもよい。さら
に、炭素を含む化合物はCF4、C2F6、C3F8、c−C4F8、C
5F12、CHF3、CBrF3、CC14、CC13F、CC12F2、CC1F3等の
ハロゲンを含有する化合物であってもよい。
ン、エタン、アセチレン、プロパン、天然ガス、一酸化
炭素、二酸化炭素や、アルコール等の分子に少量の酸
素、窒素、硫黄を含む有機化合物であってもよい。さら
に、炭素を含む化合物はCF4、C2F6、C3F8、c−C4F8、C
5F12、CHF3、CBrF3、CC14、CC13F、CC12F2、CC1F3等の
ハロゲンを含有する化合物であってもよい。
以上に、上述したことを含めて、この発明の好ましい態
様を整理して示す。
様を整理して示す。
(1) プラズマ発生源は、交流の電磁界を利用する場
合、周波数1KHz以上の高周波又はマイクロ波を用い、よ
り好ましくは300MHz以上のマイクロ波を用いる。
合、周波数1KHz以上の高周波又はマイクロ波を用い、よ
り好ましくは300MHz以上のマイクロ波を用いる。
(2) 他のガスと混合して用いる炭素を含む化合物ガ
スは、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、
ケトン等より選ばれた1種又は2種以上のガスとする。
スは、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、
ケトン等より選ばれた1種又は2種以上のガスとする。
(3) プラズマの発生に要する投入電力は1w/cm3以
上、反応室内圧力は5〜760Torrとする。
上、反応室内圧力は5〜760Torrとする。
(4) ダイヤモンド生成反応部における混合ガスの流
速は0.1cm/sec以上にする。
速は0.1cm/sec以上にする。
(5) ガスの混合比は、原料ガス中の原料比が、(F
+Cl+O)/C=5〜0.05、より好ましくは1.8〜0.09。
+Cl+O)/C=5〜0.05、より好ましくは1.8〜0.09。
又は、炭素を含む化合物ガス中に水素を含むときは、 (F+Cl+O)/(C+H)=4〜0.01、より好ましく
は0.9〜0.04。
は0.9〜0.04。
(6) 不活性ガス(X)を併用する場合の原子比は、 X/(F+Cl+O+C)=100〜0、より好ましくは20〜
0.01。
0.01。
かかる、この発明の方法においては、基板温度(120〜1
200℃)、反応管内圧力、混合ガスの比率、ガスの流速
等の製造条件を容易に制御可能であり、ダイヤモンド被
覆が困難であった3次元的な基材にも容易に被覆可能で
あり、さらに、積極的に水素を使用しないため、水素脆
化し易い基材にも被覆可能である。
200℃)、反応管内圧力、混合ガスの比率、ガスの流速
等の製造条件を容易に制御可能であり、ダイヤモンド被
覆が困難であった3次元的な基材にも容易に被覆可能で
あり、さらに、積極的に水素を使用しないため、水素脆
化し易い基材にも被覆可能である。
また、製造条件を変えることにより、数百μm以上のダ
イヤモンド大粒子の高速成長も可能である。
イヤモンド大粒子の高速成長も可能である。
なお、プラズマを用いたダイヤモンドの気相合成におい
ては、μ波が最も優れている。また電極を反応容器内に
含まない構造の装置はプラズマが安定するので望まし
い。また基材の温度を制御するためには、基材を冷却す
ることもでき、また加熱機構を用いてもよい。通常はこ
のような機構を反応容器内に入れるとプラズマ等が乱れ
るので絶縁体で作製することができる。
ては、μ波が最も優れている。また電極を反応容器内に
含まない構造の装置はプラズマが安定するので望まし
い。また基材の温度を制御するためには、基材を冷却す
ることもでき、また加熱機構を用いてもよい。通常はこ
のような機構を反応容器内に入れるとプラズマ等が乱れ
るので絶縁体で作製することができる。
また基材について言えば、SiやSi3N4、SiC、BN、B4C、A
lNなどのセラミックまたMo、W、Ta、Nbなどの高融点金
属また基材温度を低くする場合には、Cu、Al、超硬など
からなる金属や合金を用いることができる。酸素を含有
する雰囲気の場合は分割して生じるH2との分圧をコント
ロールする必要がある。又、本発明条件下にて発生する
プラズマは、従来の主な原料ガスとして、水素ガスを用
いる方法に対し、発光分光分析により次の様な違いがあ
る事も判明した。つまり本発明条件下で発生するプラズ
マは相対的にH2連続帯の強度が弱く、H(α)等水素原
子強度が強い。この様な現象から本発明条件下では従来
法よりも原料ガスの分解がより効率良く行われているも
のと考えられる。
lNなどのセラミックまたMo、W、Ta、Nbなどの高融点金
属また基材温度を低くする場合には、Cu、Al、超硬など
からなる金属や合金を用いることができる。酸素を含有
する雰囲気の場合は分割して生じるH2との分圧をコント
ロールする必要がある。又、本発明条件下にて発生する
プラズマは、従来の主な原料ガスとして、水素ガスを用
いる方法に対し、発光分光分析により次の様な違いがあ
る事も判明した。つまり本発明条件下で発生するプラズ
マは相対的にH2連続帯の強度が弱く、H(α)等水素原
子強度が強い。この様な現象から本発明条件下では従来
法よりも原料ガスの分解がより効率良く行われているも
のと考えられる。
又、従来例では炭素を含む化合物ガスの濃度が水素ガス
に対し数vol%(0.8〜2.0vol%)という過飽和度の低い
状態からのダイヤモンドの析出であるのに対し、本発明
条件下でのダイヤモンドの析出は従来より数百倍以上で
あるため低欠陥・高品質のダイヤモンド膜の析出が可能
になると思われる。
に対し数vol%(0.8〜2.0vol%)という過飽和度の低い
状態からのダイヤモンドの析出であるのに対し、本発明
条件下でのダイヤモンドの析出は従来より数百倍以上で
あるため低欠陥・高品質のダイヤモンド膜の析出が可能
になると思われる。
先ず、第1図乃至第4図に、この発明に利用するダイヤ
モンド合成用の装置の概略図を示す。
モンド合成用の装置の概略図を示す。
第1図はマイクロ波プラズマCVD装置(以下これをμ−P
CVDと云う)、第2図は高周波プラズマCVD装置(以下RF
−PCVDと云う)、第3図は直流プラズマCVD装置(以下D
C−PCVDと云う)、第4図は、高周波高温プラズマCVD装
置(以下、RF−HPCVDと云う)であって、この発明に
は、これ等の装置のいずれかを用いればよい。図の1は
基材、2は反応石英管、3は真空排気口、4は原料ガス
導入口、5は発生プラズマ、6はマグネトロン、7は導
波管、8はプラズマ位置の調整用プランジャー、9はRF
電源、10はDC電源、11は基材支持台、12は絶縁シール、
13はカソードである。なお、第4図の石英管2は冷却可
能となっている。
CVDと云う)、第2図は高周波プラズマCVD装置(以下RF
−PCVDと云う)、第3図は直流プラズマCVD装置(以下D
C−PCVDと云う)、第4図は、高周波高温プラズマCVD装
置(以下、RF−HPCVDと云う)であって、この発明に
は、これ等の装置のいずれかを用いればよい。図の1は
基材、2は反応石英管、3は真空排気口、4は原料ガス
導入口、5は発生プラズマ、6はマグネトロン、7は導
波管、8はプラズマ位置の調整用プランジャー、9はRF
電源、10はDC電源、11は基材支持台、12は絶縁シール、
13はカソードである。なお、第4図の石英管2は冷却可
能となっている。
次に、上記の4種の装置によるこの発明の具体例と比較
例について述べる。
例について述べる。
使用装置及びその他の製造条件は各々第1表、第2表に
示す通りである。また、使用基材は、実施例、比較例と
も2インチ(φ50.8mm)のSi単結晶ウエハを#5000のダ
イヤモンドパウダーで最終研磨したものである。この基
材を図の反応石英管2内に保持して先ず2内に原料ガス
を導入し、圧力1Torrにてプラズマ発生源によりプラズ
マを発生させ、素速く管内圧力の上昇を図って第1表に
示す管内圧力を保ちながら表に記載の時間をかけてダイ
ヤモンドを基材上に成長合成した。なお、基材の表面温
度はプラズマを瞬時中断して光学式パイロメータにより
測定を行なった。
示す通りである。また、使用基材は、実施例、比較例と
も2インチ(φ50.8mm)のSi単結晶ウエハを#5000のダ
イヤモンドパウダーで最終研磨したものである。この基
材を図の反応石英管2内に保持して先ず2内に原料ガス
を導入し、圧力1Torrにてプラズマ発生源によりプラズ
マを発生させ、素速く管内圧力の上昇を図って第1表に
示す管内圧力を保ちながら表に記載の時間をかけてダイ
ヤモンドを基材上に成長合成した。なお、基材の表面温
度はプラズマを瞬時中断して光学式パイロメータにより
測定を行なった。
そして、各試料No.の条件で得られたダイヤモンドにつ
いて走査型電子顕微鏡による表面観察、膜厚測定、X線
回折、ラマン散乱分光法により結晶性の評価を行った。
その結果を第1表、第2表に併せて示す。第1表中、本
発明の実施例はNOガスを加えた試料No.4である。
いて走査型電子顕微鏡による表面観察、膜厚測定、X線
回折、ラマン散乱分光法により結晶性の評価を行った。
その結果を第1表、第2表に併せて示す。第1表中、本
発明の実施例はNOガスを加えた試料No.4である。
なお、第1表、第2表とも「Dia」はダイヤモンド、「g
r」はグラファイト、「a−c」はアモルファスカーボ
ンを示す。また、Fはフッ素、Clは塩素、Oは酸素、C
は炭素、Xは1種又は2種以上の不活性ガスを示す。ま
た、第1表試料No.2サンプルのラマン分光スペクトル、
紫外、可視領域の透過スペクトルを各々第5、6図に示
す、第5図より非常に結晶性の良いダイヤモンド膜であ
る事が、第6図より225nmを吸収端にもち紫外から赤外
領域において、高い透光性を有する事がわかる。それか
ら窓材等への応用に関しても非常に有力な手法であると
考えられる。又、Ti/Mo/Aμ電極を蒸着し電気抵抗率を
測定したところ1012Ωcm以上の値を示しダイヤモンド蒸
着後でも安定し非常に高抵抗を示す事が特徴であること
がわかった。
r」はグラファイト、「a−c」はアモルファスカーボ
ンを示す。また、Fはフッ素、Clは塩素、Oは酸素、C
は炭素、Xは1種又は2種以上の不活性ガスを示す。ま
た、第1表試料No.2サンプルのラマン分光スペクトル、
紫外、可視領域の透過スペクトルを各々第5、6図に示
す、第5図より非常に結晶性の良いダイヤモンド膜であ
る事が、第6図より225nmを吸収端にもち紫外から赤外
領域において、高い透光性を有する事がわかる。それか
ら窓材等への応用に関しても非常に有力な手法であると
考えられる。又、Ti/Mo/Aμ電極を蒸着し電気抵抗率を
測定したところ1012Ωcm以上の値を示しダイヤモンド蒸
着後でも安定し非常に高抵抗を示す事が特徴であること
がわかった。
〔効果〕 以上述べたこの発明によれば、従来法と違ってプラズマ
CVD法によるダイヤモンド合成に、ハロゲン系のフッ素
ガス、塩素ガスに炭素を含む化合物ガスを加えたもの
に、更に、酸素ガス、窒素酸化物、二酸化硫黄ガスの少
なくともどれかを加えたガスを用いるので、下記の効果
が得られる。
CVD法によるダイヤモンド合成に、ハロゲン系のフッ素
ガス、塩素ガスに炭素を含む化合物ガスを加えたもの
に、更に、酸素ガス、窒素酸化物、二酸化硫黄ガスの少
なくともどれかを加えたガスを用いるので、下記の効果
が得られる。
(1) 化合物ガスに含まれることのある水素原子以外
には、水素を使用しないので、チタン等の水素脆化し易
い基材に対してもダイヤモンドコーティングが可能にな
る。
には、水素を使用しないので、チタン等の水素脆化し易
い基材に対してもダイヤモンドコーティングが可能にな
る。
(2) 水素を含まない高純度、高結晶性のダイヤモン
ド膜等が得られる。
ド膜等が得られる。
(3) 製造条件次第では100μm/H以上の高速で膜状に
も粒状にも選択的に成長させ得る。
も粒状にも選択的に成長させ得る。
(4) 形状の複雑な基材に対してダイヤモンドをコー
ティングでき、かつ大面積領域への成長も可能になる。
ティングでき、かつ大面積領域への成長も可能になる。
(5) 不活性ガスを併用する方法では、広い圧力範囲
でのプラズマ発生が可能になるので、成長速度の更なる
向上、ダイヤモンドの更なる大面積化が図れる。
でのプラズマ発生が可能になるので、成長速度の更なる
向上、ダイヤモンドの更なる大面積化が図れる。
(6) 酸素原子によるフッ素、塩素の除去効果が生じ
て合成されるダイヤモンドの純度がより高まり、合成装
置の痛み等も減少する。
て合成されるダイヤモンドの純度がより高まり、合成装
置の痛み等も減少する。
(7) 酸素ガス、窒素酸化物、二酸化硫黄ガスは安価
であるので原料ガスのコストが下がり、経済的に有利に
なる。
であるので原料ガスのコストが下がり、経済的に有利に
なる。
また、上の効果により、従来高圧法によっていたダイヤ
モンドヒートシンク、ダイヤモンド砥粒等への用途が開
け、さらに、高熱伝導性、定誘導性、高透光性、高比弾
性、高強度、耐摩耗性等を必要とされる分野への数μm
以下の薄膜のみならず、数十μm以上の基材としての提
供も可能になる。
モンドヒートシンク、ダイヤモンド砥粒等への用途が開
け、さらに、高熱伝導性、定誘導性、高透光性、高比弾
性、高強度、耐摩耗性等を必要とされる分野への数μm
以下の薄膜のみならず、数十μm以上の基材としての提
供も可能になる。
このほか、使用する装置は従来装置でよく、この従来装
置を用いても製造する製造工程が特に変わったり増加し
たりする訳ではないので、安定操業、設備コストの面で
も優れている。
置を用いても製造する製造工程が特に変わったり増加し
たりする訳ではないので、安定操業、設備コストの面で
も優れている。
第1図乃至第4図は、いずれもこの発明の方法に使用可
能なプラズマCVD装置の概略図である。 また、第5図及び第6図、第1表試料No.2のラマン分光
スペクトルと、紫外、可視領域の透過スペクトルを示す
グラフである。 1……基材、2……石英管、 3……真空排気口、4……原料ガス導入口、 5……発生プラズマ、6……マグネトロン、 7……導波管、8……プランジャー、 9……RF電源、10……DC電源、 11……基材支持台、12……絶縁シール、 13……カソード、14……冷却水。
能なプラズマCVD装置の概略図である。 また、第5図及び第6図、第1表試料No.2のラマン分光
スペクトルと、紫外、可視領域の透過スペクトルを示す
グラフである。 1……基材、2……石英管、 3……真空排気口、4……原料ガス導入口、 5……発生プラズマ、6……マグネトロン、 7……導波管、8……プランジャー、 9……RF電源、10……DC電源、 11……基材支持台、12……絶縁シール、 13……カソード、14……冷却水。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−30709(JP,A) 特開 昭61−36200(JP,A) 特開 昭62−265198(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】フッ素ガス又は塩素ガスもしくはその両者
と、酸素ガス、窒素酸化物、二酸化硫黄ガスの中から選
ばれた少なくとも1種のガスと、炭素を含む化合物ガス
を反応容器中に導入し、直流又は交流の電磁界により前
記容器中にプラズマを発生させて容器中に保持した基材
上にダイヤモンドを生成することを特徴とするダイヤモ
ンドの気相合成法。 - 【請求項2】フッ素ガス又は塩素ガスもしくはその両者
と、酸素ガス、窒素酸化物、二酸化硫黄ガスの中から選
ばれた少なくとも1種のガスと、不活性ガスと、炭素を
含む化合物ガスを反応容器中に導入し、直流又は交流の
電磁界により前記容器中にプラズマを発生させて容器中
に保持した基材上にダイヤモンドを生成することを特徴
とするダイヤモンドの気相合成法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63144185A JPH075432B2 (ja) | 1988-06-10 | 1988-06-10 | ダイヤモンドの気相合成法 |
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