JPH0737434B2 - 7−ジメチルアミノ−6−デメチル−6−デオキシテトラサイクリンの採取法 - Google Patents

7−ジメチルアミノ−6−デメチル−6−デオキシテトラサイクリンの採取法

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JPH0737434B2
JPH0737434B2 JP20354087A JP20354087A JPH0737434B2 JP H0737434 B2 JPH0737434 B2 JP H0737434B2 JP 20354087 A JP20354087 A JP 20354087A JP 20354087 A JP20354087 A JP 20354087A JP H0737434 B2 JPH0737434 B2 JP H0737434B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は医薬品の採取法に関する。更に詳しくはテトラ
サイクリン系抗生物質である7−ジメチルアミノ−6−
デメチル−6−デオキシテトラサイクリン(以下ミノサ
イクリンと呼称する)の採取法に関するものである。
従来の技術 ミノサイクリンは医薬品として有用な抗生物質である。
ミノサイクリンの代表的合成法としては 7−ニトロ−6−デメチル−6−デオキシテトラサ
イクリンとホルマリンとによる還元的ジメチルアミノ
化。USP3,226,436,J.Med.Chem.,10,44(1967),特公昭
42−8380 7−〔1,2−ビス(カルボベンジルオキシ)ヒドラ
ジノ〕−6−デメチル−6−デオキシテトラサイクリン
とホルマリンとによる還元的ジメチルアミノ化。USP3,4
03,179,特公昭50−37666 7−(4−スルホフエニルアゾ)−6−デメチル−
6−デオキシテトラサイクリンとホルマリンとによる還
元的ジメチルアミノ化。Fr.Add.92,088 等が知られている。それらの方法により得られるミノサ
イクリンは、いずれの方法にても、還元ジメチル化後の
反応液を大量のエーテル又はアセトンのようなミノサイ
クリン不溶性の溶媒中にあけ、結晶を析出させることに
より(希釈法)得るか、或いは反応液を中性の状態とし
塩形成のない状態で水不溶性の有機溶媒、たとえばクロ
ロホルム又は酢酸エチル等により抽出することにより
(抽出法)得ている。
発明が解決しようとする問題点 前記した公知の方法によるミノサイクリンの採取法にお
いては、希釈法では工業的に取り扱いの面倒なエーテル
やアセトンを大量に使用したり、又有機溶媒による抽出
法では抽出の効率が低いという難点があり、いずれの方
法も経済的には不利な方法である。
問題点を解決するための手段 本発明者らは前記したような問題点を解決すべく鋭意研
究を重ねた結果本発明に至った。即ち本発明は7−ジメ
チルアミノ−6−デメチル−6−デオキシテトラサイク
リン(ミノサイクリン)を含有する水溶液を非極性のハ
イポーラスポリマーで吸着処理し、次いで溶出剤により
溶出せしめることを特徴とするミノサイクリンの採取法
を提供する。
本発明の方法を詳細に説明する。
本発明の採取法においては好ましくはスチレンとジビニ
ルベンゼンの共重合体からえられるハイポーラスポリマ
ーが吸着材として用いられる。そのようなハイポーラス
ポリマーのうちことに比表面積500〜730m2/g,細孔容積
0.69〜1.08ml/gであるものがより好ましい。このような
吸着材の具体例としてはダイヤイオンHP−10,−20,−2
1,−30,−40,−50(商品名、三菱化成工業製)、アンバ
ライトXAD−1,XAD−2,XAD−4,XAD−5(商品名、ローム
&ハス社製)等があげられる。
吸着材の使用量は処理すべきミノサイクリン含有水溶液
中のミノサイクリンの量に対して10〜100倍量(cc/g)
より好ましくは20〜50倍量(cc/g)である。
前記した吸着材に吸着させたミノサイクリンを溶出させ
るための溶出剤としては水と混和しうる極性有機溶媒が
用いられ殊に好ましいものはミノサイクルと当量以上の
酸の添加された有機溶媒である。
極性有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルカノール類、2−メトキシエ
タノール、2−エトキシエタノール、1−エトキシプロ
パノール等のアルコキシアルカノール類、エチレングリ
コール、プロピレングリコール等のグリコール類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイ
ミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン
性極性溶媒があげられるが、特に低級アルカノール類が
よい。また酸としては、塩酸、臭化水素酸又は硫酸のよ
うな鉱酸或はシュー酸のような有機酸を使用するが、好
ましくは、塩酸、硫酸である。
尚、極性有機溶媒中には水を含んでいてもよい。
本発明の方法は、例えばまずミノサイクリンを含有する
反応液に水を加えてその水溶液となし、そのpHを3〜9
より好ましくは5〜8に調整してから前記吸着材に吸着
させる。なお溶液のpHが3以下であると吸着材への吸着
が悪くなり、またpHが9以上とすると、ミノサイクリン
が不安定な状態となるので好ましくない。pH5〜8で
は、ミノサイクリンの98%以上が吸着材に吸着される。
吸着に処するミノサイクリン含有の水溶液は、水に可溶
性の有機溶媒(たとえば、メタノール、エタノール、メ
チルセロソルブ、DMFなど)を含んでいても良いが、水
が全体の1/3以上、より好ましくは1/2以上となるように
調整するのがよい。有機溶媒の組成が増えるとミノサイ
クリンの吸着材への吸着率が低下する傾向にある。吸着
材への吸着法としては、カラム法、バッチ法いずれでも
可能であるが、カラム法が好ましい。吸着させる温度は
通常室(10〜50℃程度)でよい。ミノサイクリンを吸着
材に吸着させたら、まず多量の水にて展開し、テトラサ
イクリン系以外の夾雑物を溶出させる(このとき、ミノ
サイクリンのリークは通常1%以下におさまる。) 次に前記した溶出剤でミノサイクリンを溶出せしめる。
溶出されてくるミノサイクリンは通常吸着前に水溶液中
に存在していた量の95%以上である。
なお前記したような製法で製造したミノサイクリンであ
って反応液中にホルマリンが存在している場合は、吸着
処理を施す前にヒドロキシルアミン等のアミンによって
処理しておくとミノサイクリンの純度をたかめる上で効
果的である。又前記溶出処理によって溶出液の組成を例
えば「有機極性溶媒+水」→「有機極性溶媒のみ」→
「酸の添加された有機極性溶媒」というような順に溶出
せしめるとより純度のたかいミノサイクリンを得ること
が出来る。
このようにしてえられたミノサイクリンを含む溶出液を
濃縮しpHを4〜8に調整してミノサイクリンの結晶(水
和物)を得る。こうして得られたミノサイクリン(水和
物)は医薬品として使用するに十分な純度を有してい
た。必要なら本発明の方法に従い吸着処理を再度施すと
さらに純度のたかいミノサイクリンを得ることが出来
る。
ミノサイクリン溶出後、吸着材の再生は、多量の中性水
で洗浄するだけで、初期状態にもどる。ハイポーラス・
ポリマー吸着材であるにもかかわらず、50回の耐久性テ
ストでもその効力を持続した。
実施例 次に実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1. Fr.Add.92,088に準じて11a−クロロ−6−デメチル−6
−デオキシ−7−(4−スルホフエニルアゾ)−テトラ
サイクリン30g、37%ホルマリン30.8%を600mlのメチル
セロソルブ中パラジウム炭素触媒存在下、水素還元及び
還元メチル化を行つた。触媒を別した後7−ジメチル
アミノ−6−デメチル−6−デメチル−6−デオキシテ
トラサイクリン(遊離形)16.3gを含有する黄橙色の溶
液640gを得た。この中には、7−ジメチルアミノ−6−
デメチル−6−デオキシテトラサイクリンと、等モルの
4−ジメチルアミノベンゼンスルホン酸も含有してい
る。
次にこの溶液を過剰のホルマリンを除去するためのヒド
ロキシルアミン硫酸塩15.7gを含む水2000mlに溶解し、
約20分室温で撹拌した後20%カ性ソーダにてpHを7.4に
調整した。これをダイヤイオンHP−20樹脂(比表面積72
0m2/g,細孔容積1.08ml/g)400mlのカラムに通しミノサ
イクリンを吸着させた(室温)。次いで脱イオン水10
で展開溶出することにより、テトラサイクリン以外の化
合物を溶出せしめ除去した。この操作でのミノサイクリ
ンの留出はほとんど認められなかった。
次に吸着材に吸着したミノサイクリンを濃塩酸7.5gを含
むメタノール溶液1500mlで展開溶出するとミノサイクリ
ン16.0g(回収率98%)を含む溶出液1300mlを得た。液
体クロマトグラフィーにより純度を分析すると95%以上
(面積百分率)であった。この溶出液を濃縮し、10%苛
性ソーダによりpHを4.0に調整すると、淡黄色の沈殿が
析出したので、これを別し、室温にて真空乾燥すると
淡黄色粉末として、ミノサイクリン1塩酸塩2水物15.3
gが得られた。このものを液体クロマトグラフィーによ
り分析すると、純度は99.2%(力価910μg/mg無水物換
算、力価はアメリカ局方による)であった。還元ジメチ
ル化後の回収率は80.9%であった。
上記においてカラム分離した溶出液を濃縮しpH調整後析
出した沈殿を別した母液には、ミノサイクリンがかな
り溶解している。この母液(ミノサイクリン2.79g含
有)を20%苛性ソーダにてpHを7.4とし、再びダイヤイ
オンHP−21に吸着させ、メタノール−塩酸にて溶出する
ことにより、ミノサイクリンを回収率90%で得ることが
できた。
実施例2. 実施例1において、使用する吸着材ダイヤイオンHP−20
をダイヤイオンSP−900とした以外は実施例1と同様の
操作を行うことによりミノサイクリン1塩酸塩2水和物
15.5gを得た。このものを液体クロマトグラフィーで分
析すると純度は95.1%(力価876μg/mg無水物換算)で
あった。
実施例3. 特公昭42−8380に準じて、7−ニトロ−6−デメチル−
6−デオキシテトラサイクリン硫酸塩10gを200mlのメチ
ルセロソルブ中パラジウム炭素触媒の存在下、37%ホル
マリンを添加して、水素還元及び還元メチル化を実施し
た。反応終了後触媒を別し、ミノサイクリン(遊離形
として)7.0gを含有する黄色の粗溶液280gを得た。
次にこの溶液を、ヒドロキシルアミン硫酸塩11.9gを含
有する水2000mlに溶解し、20%苛性ソーダ水溶液でpHを
6.8に調整した後、実施例1と同様にダイヤイオンHP−2
0にて吸着処理し、次いで溶出処理を行った。えられた
溶出液を濃縮してその濃縮液のpHを4.0とすることによ
りミノサイクリン塩酸塩・2水物5.3gを得た。
このものを液体クロマトグラフィーで分析すると純度は
99.1%(力価909μg/mg無水物換算)であった。
実施例4. ミノサイクリン塩酸塩の再結晶から得た母液25ml(1ml
当りエピマー8.4g及びミノサイクリン23.8mgを含有)を
水で希釈し100mlとしたのち20%苛性ソーダでpH7.0とし
た。これをダイヤイオンHP−40樹脂20mlのカラムに通
し、ミノサイクリンを吸着させた。次いで脱イオン水10
0mlで溶出処理したのちメタノール−水(1:1)50ml、次
に濃塩酸0.4g含有するメタノール溶液100mlで溶出処理
すると、ミノサイクリン0.788g(内20%がエピマーであ
る)を含有する溶出液を得た。溶出液を濃縮し、塩酸又
は10%苛性ソーダにてpHを4.0に調整すると、黄色の沈
殿が析出し、それを別、室温にて真空乾燥すると、淡
黄色の粉末ミノサイクリン塩酸塩2水物0.32g(内3%
がエピマーである)を得た。
発明の効果 非極性のハイポーラスポリマー(吸着材)による一回の
吸着−溶出操作によって特別な試薬、有機溶媒などを使
用することもなく極めて効率良く純度の高いミノサイク
リンを得ることができるようになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】7−ジメチルアミノ−6−デメチル−6−
    デオキシテトラサイクリンを含有する水溶液を非極性の
    ハイポーラスポリマーで吸着処理し次いで溶出剤により
    溶出せしめることを特徴とする7−ジメチルアミノ−6
    −デメチル−6−デオキシテトラサイクリンの採取法
JP20354087A 1987-07-28 1987-08-18 7−ジメチルアミノ−6−デメチル−6−デオキシテトラサイクリンの採取法 Expired - Fee Related JPH0737434B2 (ja)

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