JPH06279806A - セラミックス若しくは金属粉焼結体の製造方法 - Google Patents
セラミックス若しくは金属粉焼結体の製造方法Info
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- JPH06279806A JPH06279806A JP5092020A JP9202093A JPH06279806A JP H06279806 A JPH06279806 A JP H06279806A JP 5092020 A JP5092020 A JP 5092020A JP 9202093 A JP9202093 A JP 9202093A JP H06279806 A JPH06279806 A JP H06279806A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 焼結時の収縮を大きくし、微小な焼結体を得
る。 【構成】 ステンレス鋼粉末と繊維状ステンレス鋼と有
機バインダーを混練し、その後、混練体をペレット状に
造粒する。次に、ペットを流動状態にして金型キャビテ
ィに射出して成形体を得た後、成形体を脱脂炉にて脱脂
する。そして、脱脂体を焼結炉にて焼結し、製品である
焼結体を得る。上記脱脂体では、不規則な格子を形成し
た繊維状ステンレス鋼に接触した状態でステンレス鋼粉
末が存在する。この脱脂体を焼結すると、ステンレス鋼
粉末と繊維状ステンレス鋼の接触点から粒界成長が生
じ、隣り合うステンレス鋼粉末が引き寄せあわされてス
テンレス鋼粉末同士が溶着する。これにより、焼結時の
収縮が大きくなる。
る。 【構成】 ステンレス鋼粉末と繊維状ステンレス鋼と有
機バインダーを混練し、その後、混練体をペレット状に
造粒する。次に、ペットを流動状態にして金型キャビテ
ィに射出して成形体を得た後、成形体を脱脂炉にて脱脂
する。そして、脱脂体を焼結炉にて焼結し、製品である
焼結体を得る。上記脱脂体では、不規則な格子を形成し
た繊維状ステンレス鋼に接触した状態でステンレス鋼粉
末が存在する。この脱脂体を焼結すると、ステンレス鋼
粉末と繊維状ステンレス鋼の接触点から粒界成長が生
じ、隣り合うステンレス鋼粉末が引き寄せあわされてス
テンレス鋼粉末同士が溶着する。これにより、焼結時の
収縮が大きくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスまたは金
属粉焼結体の製造方法に関する。
属粉焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粉末治金,セラミックス製造にお
いて、金属あるいは無機質の粉末を所定の形状に成形す
る方法としては、金型成形,静水圧成形,ホットプレ
ス,テープ成形,押出成形及び鋳込成形などの種類があ
る。
いて、金属あるいは無機質の粉末を所定の形状に成形す
る方法としては、金型成形,静水圧成形,ホットプレ
ス,テープ成形,押出成形及び鋳込成形などの種類があ
る。
【0003】その中でも、近年複雑形状を容易に製造で
きる方法として、セラミックス粉末射出成形法もしくは
金属粉末射出成形法が注目され始めてている。例えば、
特開昭57−198202号公報にあっては、微細な粒
子状のセラミックス粉末もしくは金属粉末と有機バイン
ダーとを混練し、その混練体を射出成形した後に前記有
機バインダーを除去(脱脂),その脱脂体を焼結して製
品を得る方法が開示されている。
きる方法として、セラミックス粉末射出成形法もしくは
金属粉末射出成形法が注目され始めてている。例えば、
特開昭57−198202号公報にあっては、微細な粒
子状のセラミックス粉末もしくは金属粉末と有機バイン
ダーとを混練し、その混練体を射出成形した後に前記有
機バインダーを除去(脱脂),その脱脂体を焼結して製
品を得る方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、セラミック
ス粉末射出成形法においては、焼結時に脱脂体中に拡散
しているセラミックス粉末または金属粉末の接触点より
粒界成長が発生し、その駆動力によりセラミックス粉末
または金属粉末が凝集せしめられることにより、焼結収
縮が生じる。従って、焼結収縮量は、一般的に脱脂体の
密度と焼結体の密度の差によって決定され、焼結体の密
度を最大到達密度(一般的に相対密度で90%と言われ
ている)にした場合、焼結収縮量は脱脂体の密度によっ
て決定される。
ス粉末射出成形法においては、焼結時に脱脂体中に拡散
しているセラミックス粉末または金属粉末の接触点より
粒界成長が発生し、その駆動力によりセラミックス粉末
または金属粉末が凝集せしめられることにより、焼結収
縮が生じる。従って、焼結収縮量は、一般的に脱脂体の
密度と焼結体の密度の差によって決定され、焼結体の密
度を最大到達密度(一般的に相対密度で90%と言われ
ている)にした場合、焼結収縮量は脱脂体の密度によっ
て決定される。
【0005】しかしながら、前記特開昭57−1982
02号公報に示されたように、微細な粒子状のセラミッ
クス粉末または金属粉末を用いた場合は、粒子間の粒界
成長を発生させるために、脱脂体において粒子同士が接
触していることが必要となる。従って、脱脂体における
セラミックス粉末または金属粉末の密度を高める必要が
あり、この場合の焼結収縮量は小さくなる。このため、
微細な焼結体を得るには微細な金属が必要とされるた
め、金型の作成が困難となると共に、金型加工限界より
も極端に小さい微小焼結体が得られない問題がある。
02号公報に示されたように、微細な粒子状のセラミッ
クス粉末または金属粉末を用いた場合は、粒子間の粒界
成長を発生させるために、脱脂体において粒子同士が接
触していることが必要となる。従って、脱脂体における
セラミックス粉末または金属粉末の密度を高める必要が
あり、この場合の焼結収縮量は小さくなる。このため、
微細な焼結体を得るには微細な金属が必要とされるた
め、金型の作成が困難となると共に、金型加工限界より
も極端に小さい微小焼結体が得られない問題がある。
【0006】本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みて
開発されたもので、焼結収縮を大きくし、微小金型を用
いなくても微小な焼結体を得るセラミックス若しくは金
属粉焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
開発されたもので、焼結収縮を大きくし、微小金型を用
いなくても微小な焼結体を得るセラミックス若しくは金
属粉焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のセラミックス若しくは金属粉焼結体の製造
方法は、セラミックス粉末と繊維状セラミックスと有機
バインダーとの混練体、あるいは金属粉末と繊維状金属
と有機バインダーとの混練体を射出成形する射出成形工
程と、射出成形された成形体を脱脂する脱脂工程と、脱
脂された成形体を焼結する焼結工程とから構成した。
に、本発明のセラミックス若しくは金属粉焼結体の製造
方法は、セラミックス粉末と繊維状セラミックスと有機
バインダーとの混練体、あるいは金属粉末と繊維状金属
と有機バインダーとの混練体を射出成形する射出成形工
程と、射出成形された成形体を脱脂する脱脂工程と、脱
脂された成形体を焼結する焼結工程とから構成した。
【0008】また、前記混練体は、1部または複数箇所
に針状の突起を有するセラミックス粉末と前記突起を有
さないセラミックス粉末と有機バインダーと、あるいは
1部または複数箇所に針状を有する金属粉末と前記突起
を有すさない金属粉末と有機バインダーとにより形成し
てもよい。
に針状の突起を有するセラミックス粉末と前記突起を有
さないセラミックス粉末と有機バインダーと、あるいは
1部または複数箇所に針状を有する金属粉末と前記突起
を有すさない金属粉末と有機バインダーとにより形成し
てもよい。
【0009】さらに、前記混練体は、1部または複数箇
所に針状の突起を有するセラミックス粉末と有機バイン
ダーとにより、あるいは1部または複数箇所に針状の突
起を有する金属粉末と有機バインダーとにより形成して
もよい。
所に針状の突起を有するセラミックス粉末と有機バイン
ダーとにより、あるいは1部または複数箇所に針状の突
起を有する金属粉末と有機バインダーとにより形成して
もよい。
【0010】
【作用】脱脂により前記有機バインダーが除去される
と、拡散した繊維状セラミックスまたは繊維状金属によ
って形成された空間にセラミックス粉末または金属粉末
が前記繊維状セラミックスまたは繊維状金属に接触した
状態で介在する脱脂体が得られる。
と、拡散した繊維状セラミックスまたは繊維状金属によ
って形成された空間にセラミックス粉末または金属粉末
が前記繊維状セラミックスまたは繊維状金属に接触した
状態で介在する脱脂体が得られる。
【0011】次に、焼結工程において、繊維状セラミッ
クスまたは繊維状金属とセラミックス粉末または金属粉
末の接触点より粒界成長が発生し、前記粒界成長による
駆動力によってセラミックス粉末または金属粉末同士が
それぞれ接触する位置まで凝集される。この場合、脱脂
体において金属粉粉末同士が必ずしも接触している必要
はなく、脱脂体における金属粉末の密度を低くすること
ができ、焼結時の収縮量が大きくなる。
クスまたは繊維状金属とセラミックス粉末または金属粉
末の接触点より粒界成長が発生し、前記粒界成長による
駆動力によってセラミックス粉末または金属粉末同士が
それぞれ接触する位置まで凝集される。この場合、脱脂
体において金属粉粉末同士が必ずしも接触している必要
はなく、脱脂体における金属粉末の密度を低くすること
ができ、焼結時の収縮量が大きくなる。
【0012】また、針状の突起を有するセラミックス粉
末あるいは金属粉末を用いると、突起が前記繊維状セラ
ミックスあるいは繊維状金属と同じ作用する。
末あるいは金属粉末を用いると、突起が前記繊維状セラ
ミックスあるいは繊維状金属と同じ作用する。
【0013】
【実施例1】図1は、本発明の実施例1を示すフローチ
ャートで、図2は本実施例で用いたステンレス鋼粉末の
斜視図、図3は繊維状ステンレス鋼の斜視図、図4は金
型の斜視図、図5は成形体、脱脂体及び焼結体の斜視
図、図6は脱脂体内部におけるステンレス鋼粉末と繊維
状ステンレス鋼の膜式図である。
ャートで、図2は本実施例で用いたステンレス鋼粉末の
斜視図、図3は繊維状ステンレス鋼の斜視図、図4は金
型の斜視図、図5は成形体、脱脂体及び焼結体の斜視
図、図6は脱脂体内部におけるステンレス鋼粉末と繊維
状ステンレス鋼の膜式図である。
【0014】まず、平均粒度10μmステンレス鋼(S
US316L)粉末1が12.1vol%,マイクロ引
抜法により形成された平均繊維径3μm且つ平均繊維長
さ20μmの繊維状ステンレス鋼(SUS316L、例
えば日本精線(株)ナスロン)2が8.9vol%に対
しポリスチレン68.5vol%,アクリル9.1vo
l%,ワックス0.9vol%,及びステアリン酸0.
5vol%,を混練機(図示せず)に投入し、混練す
る。その後、造粒機(図示せず)に前記混練体を投入
し、ペレット状に造粒する。
US316L)粉末1が12.1vol%,マイクロ引
抜法により形成された平均繊維径3μm且つ平均繊維長
さ20μmの繊維状ステンレス鋼(SUS316L、例
えば日本精線(株)ナスロン)2が8.9vol%に対
しポリスチレン68.5vol%,アクリル9.1vo
l%,ワックス0.9vol%,及びステアリン酸0.
5vol%,を混練機(図示せず)に投入し、混練す
る。その後、造粒機(図示せず)に前記混練体を投入
し、ペレット状に造粒する。
【0015】次に、このペレットを射出成形機の加熱筒
(図示せず)に投入し、流動状態にせしめる。この状態
で金型3の上型3aと下型3bによって形成される金型
キャビティ3cに射出して冷却硬化させ、成形体4を得
る。
(図示せず)に投入し、流動状態にせしめる。この状態
で金型3の上型3aと下型3bによって形成される金型
キャビティ3cに射出して冷却硬化させ、成形体4を得
る。
【0016】その後、成形体4を金型3より取り出し、
脱脂炉(図示せず)にて脱脂し、脱脂体5を得る。そし
て、前記脱脂体5を焼結炉(図示せず)にて焼結し、焼
結体6を得る。
脱脂炉(図示せず)にて脱脂し、脱脂体5を得る。そし
て、前記脱脂体5を焼結炉(図示せず)にて焼結し、焼
結体6を得る。
【0017】本実施例にあっては、脱脂後の脱脂体5の
内部において、図6に示すように、繊維状ステンレス鋼
2が不規則な格子を形成し、その空間に繊維状ステンレ
ス鋼2に接触点7で接触したステンレス鋼粉末1が保持
される。
内部において、図6に示すように、繊維状ステンレス鋼
2が不規則な格子を形成し、その空間に繊維状ステンレ
ス鋼2に接触点7で接触したステンレス鋼粉末1が保持
される。
【0018】そして、この後の焼結工程において、図6
に示す脱脂体5におけるステンレス鋼粉末1と繊維状ス
テンレス鋼2の接触点7より粒界成長が発生する。ま
た、前記粒界成長による駆動力によって隣り合うステン
レス鋼粉末1がひきよせられ、ステンレス鋼粉末1同士
が溶着する。
に示す脱脂体5におけるステンレス鋼粉末1と繊維状ス
テンレス鋼2の接触点7より粒界成長が発生する。ま
た、前記粒界成長による駆動力によって隣り合うステン
レス鋼粉末1がひきよせられ、ステンレス鋼粉末1同士
が溶着する。
【0019】本実施例によれば、焼結時に互に離れてい
るいるステンレス鋼粉末1を繊維状ステンレス2を媒体
として溶着させることが出来るため、脱脂体5における
ステンレス鋼粉末1の密度を小さくすることができる。
この時、線収縮率は、通常10〜20%であるのに対
し、本実施例による方法を用いると45%も収縮するた
め、焼結時の収縮を大きくすることができる。
るいるステンレス鋼粉末1を繊維状ステンレス2を媒体
として溶着させることが出来るため、脱脂体5における
ステンレス鋼粉末1の密度を小さくすることができる。
この時、線収縮率は、通常10〜20%であるのに対
し、本実施例による方法を用いると45%も収縮するた
め、焼結時の収縮を大きくすることができる。
【0020】
【実施例2】図7は、本発明の実施例2に用いた異形ス
テンレス鋼の斜視図、図8は、脱脂体におけるステンレ
ス鋼粉末と異形ステンレス鋼の模式図である。本実施例
では、実施例1において用いた繊維状ステンレス鋼2の
代わりにマイクロ引抜法で形成した繊維状金属をマイク
ロ溶射法で固着させて形成した複数の針状の突起8aを
集合した異形ステンレス鋼8を用い、実施例1と同様に
焼結体を製造した。この異形ステンレス鋼8の針状の突
起8aは、3個以上の突起8aが同一平面内に配置され
ないように立体的に形成されている。
テンレス鋼の斜視図、図8は、脱脂体におけるステンレ
ス鋼粉末と異形ステンレス鋼の模式図である。本実施例
では、実施例1において用いた繊維状ステンレス鋼2の
代わりにマイクロ引抜法で形成した繊維状金属をマイク
ロ溶射法で固着させて形成した複数の針状の突起8aを
集合した異形ステンレス鋼8を用い、実施例1と同様に
焼結体を製造した。この異形ステンレス鋼8の針状の突
起8aは、3個以上の突起8aが同一平面内に配置され
ないように立体的に形成されている。
【0021】本実施例にあっては、焼結工程において、
図8に示す脱脂体におけるステンレス鋼粉末1と異形ス
テンレス鋼8の突起8aとの接触点9より粒界成長が発
生する。また、前記粒界成長による駆動力によってとな
り合うステンレス鋼粉末1がひきよせられ、ステンレス
鋼粉末1同士が溶着する。その他の作用は実施例1と同
じである。
図8に示す脱脂体におけるステンレス鋼粉末1と異形ス
テンレス鋼8の突起8aとの接触点9より粒界成長が発
生する。また、前記粒界成長による駆動力によってとな
り合うステンレス鋼粉末1がひきよせられ、ステンレス
鋼粉末1同士が溶着する。その他の作用は実施例1と同
じである。
【0022】本実施例によれば、実施例1の効果に加
え、異形ステンレス鋼8の針状の突起8aが、3個以上
の突起8aを同一平面内に配置しないように立体的に形
成されているため、射出成形時に異形ステンレス鋼8が
混練体の流動方向に配向するのを防ぐことができる。こ
のため、脱脂体においてステンレス鋼粉末1と異形ステ
ンレス鋼8が均一に拡散し、焼結体の密度分布を均一化
することができる。
え、異形ステンレス鋼8の針状の突起8aが、3個以上
の突起8aを同一平面内に配置しないように立体的に形
成されているため、射出成形時に異形ステンレス鋼8が
混練体の流動方向に配向するのを防ぐことができる。こ
のため、脱脂体においてステンレス鋼粉末1と異形ステ
ンレス鋼8が均一に拡散し、焼結体の密度分布を均一化
することができる。
【0023】
【実施例3】図9は、本発明の実施例3に用いた異形ス
テンレス鋼の斜視図、図10は、脱脂体における異形ス
テンレス鋼同士の模式図である。本実施例では、実施例
1において用いたステンレス鋼粉末1及び繊維状ステン
レス鋼2の代わりに球状粉末部10aの外径部にマイク
ロ溶射法(例えばヘガネスガデリウス(株)のSTAR
MIX)により複数の針状の突起10bを形成した異形
ステンレス鋼10を用いて実施例1と同様に焼結体を製
造した。この異形ステンレス鋼10の針状の突起10b
は、3個以上の突起10bが同一平面内に配置されない
ように立体的に形成されている。
テンレス鋼の斜視図、図10は、脱脂体における異形ス
テンレス鋼同士の模式図である。本実施例では、実施例
1において用いたステンレス鋼粉末1及び繊維状ステン
レス鋼2の代わりに球状粉末部10aの外径部にマイク
ロ溶射法(例えばヘガネスガデリウス(株)のSTAR
MIX)により複数の針状の突起10bを形成した異形
ステンレス鋼10を用いて実施例1と同様に焼結体を製
造した。この異形ステンレス鋼10の針状の突起10b
は、3個以上の突起10bが同一平面内に配置されない
ように立体的に形成されている。
【0024】本実施例にあっては、焼結工程において、
図10に示す脱脂体における異形ステンレス鋼10の突
起10b同士の接触点11より粒界成長が発生する。ま
た、前記粒界成長による駆動力によって前記異形ステン
レス鋼10の球状粉末部10aがひきよせられ、球状粉
末部10a同士が溶着する。その他の作用は実施例1と
同じである。
図10に示す脱脂体における異形ステンレス鋼10の突
起10b同士の接触点11より粒界成長が発生する。ま
た、前記粒界成長による駆動力によって前記異形ステン
レス鋼10の球状粉末部10aがひきよせられ、球状粉
末部10a同士が溶着する。その他の作用は実施例1と
同じである。
【0025】本実施例によれば、実施例1,実施例2に
効果に加え、球状粉末部10aと針状の突起10bが同
一のステンレス鋼上に形成されているため、脱脂体にお
いて球状粉末部10aと針状の突起10bを均一に分布
させることができる。このため、実施例1,実施例2に
比べ、さらに焼結体の密度分布を均一化することができ
る。
効果に加え、球状粉末部10aと針状の突起10bが同
一のステンレス鋼上に形成されているため、脱脂体にお
いて球状粉末部10aと針状の突起10bを均一に分布
させることができる。このため、実施例1,実施例2に
比べ、さらに焼結体の密度分布を均一化することができ
る。
【0026】前記各実施例においては、金属粉末として
SUS316Lのステンレス鋼を用いた場合を例示した
が、それに限定するものではなく、例えばステンレス鋼
SUS304,鉄−ニッケル系のFe−4%Ni等を用
いることができる。さらに、SiC,Al2 O3 ,Si
3 N4 ,CrO2 ,ZrO2 等を用いることができる。
SUS316Lのステンレス鋼を用いた場合を例示した
が、それに限定するものではなく、例えばステンレス鋼
SUS304,鉄−ニッケル系のFe−4%Ni等を用
いることができる。さらに、SiC,Al2 O3 ,Si
3 N4 ,CrO2 ,ZrO2 等を用いることができる。
【0027】上記セラミックスとして、例えばSi3 N
4 の粉末を用いた場合に焼結剤としてY2 O3 やMg
O,SiCの粉末ではB4 CやC等があり、以下にSi
3 N4にY2 O3 を添加した場合の焼結工程における作
用を説明する。Si3 N4 が焼結する温度(1600〜
1800℃)より低い温度(1200℃程度)でY2 O
3 が溶融し、Si3 N4 からなるセラミックス粉末と繊
維状セラミックスとの接触点から極付点で体積に対して
強大な表面張力が発生する。この表面張力が発生する。
この表面張力が、いわゆる焼結駆動となってセラミック
ス粉末同士を引き寄せて成形体を等方収縮させ、緻密な
焼結体が得られる。
4 の粉末を用いた場合に焼結剤としてY2 O3 やMg
O,SiCの粉末ではB4 CやC等があり、以下にSi
3 N4にY2 O3 を添加した場合の焼結工程における作
用を説明する。Si3 N4 が焼結する温度(1600〜
1800℃)より低い温度(1200℃程度)でY2 O
3 が溶融し、Si3 N4 からなるセラミックス粉末と繊
維状セラミックスとの接触点から極付点で体積に対して
強大な表面張力が発生する。この表面張力が発生する。
この表面張力が、いわゆる焼結駆動となってセラミック
ス粉末同士を引き寄せて成形体を等方収縮させ、緻密な
焼結体が得られる。
【0028】また、針状の突起を形成したセラミックス
粉末と針状の突起を形成しないセラミックス粉末あるい
は針状の突起を形成したセラミックス粉末同士にあって
も、前記したと同様に強大な表面張力が発生し、焼結時
の収縮が大きい緻密な焼結体が得られる。
粉末と針状の突起を形成しないセラミックス粉末あるい
は針状の突起を形成したセラミックス粉末同士にあって
も、前記したと同様に強大な表面張力が発生し、焼結時
の収縮が大きい緻密な焼結体が得られる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、焼結工
程において焼結収縮量を大きくすることができるので、
微小金型を用いることなく微小な焼結体を製造すること
ができる。
程において焼結収縮量を大きくすることができるので、
微小金型を用いることなく微小な焼結体を製造すること
ができる。
【図1】本発明の各実施例の製造工程を示すフローチャ
ートである。
ートである。
【図2】本発明の実施例1に用いるステンレス鋼粉を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に用いる繊維状ステンレス鋼
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図4】成形体を射出成形する金型を示す斜視図であ
る。
る。
【図5】成形体、脱脂体及び焼結体を示す斜視図であ
る。
る。
【図6】本発明の実施例1における脱脂体のステンレス
鋼粉末と繊維状ステンレス鋼の状態を示す模式図であ
る。
鋼粉末と繊維状ステンレス鋼の状態を示す模式図であ
る。
【図7】本発明の実施例2に用いる異形ステンレス鋼を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例2における脱脂体のステンレス
鋼粉末と異形ステンレス鋼の状態を示す模式図である。
鋼粉末と異形ステンレス鋼の状態を示す模式図である。
【図9】本発明の実施例3に用いる異形ステンレス鋼を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例3における異形ステンレス鋼
の状態を示す模式図である。
の状態を示す模式図である。
1 ステンレス鋼粉末 2 繊維状ステンレス鋼 3 射出成形用金型 4 成形体 5 脱脂体 6 焼結体 8,10 ステンレス鋼 8a,10b 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲橋 潤 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 セラミックス粉末と繊維状セラミックス
と有機バインダーとの混練体、あるいは金属粉末と繊維
状金属と有機バインダーとの混練体を射出成形する射出
成形工程と、射出成形された成形体を脱脂する脱脂工程
と、脱脂された成形体を焼結する焼結工程とからなるセ
ラミックス若しくは金属粉焼結体の製造方法。 - 【請求項2】 1部または複数箇所に針状の突起を有す
るセラミックス粉末と前記突起を有さないセラミックス
粉末と有機バインダーとの混練体、あるいは1部または
複数箇所に針状を有する金属粉末と前記突起を有さない
金属粉末と有機バインダーとの混練体を射出成形する射
出成形工程と、射出成形された成形体を脱脂する脱脂工
程と、脱脂された成形体を焼結する脱脂工程と、脱脂さ
れた成形体を焼結する焼結工程とからなるセラミックス
若しくは金属粉焼結体の製造方法。 - 【請求項3】 1部または複数箇所に針状の突起を有す
るセラミックス粉末と有機バインダーとの混練体、ある
いは1部または複数箇所に針状の突起を有する金属粉末
と有機バインダーとの混練体を射出成形する射出成形工
程と、射出成形された成形体を脱脂する脱脂工程と、脱
脂された成形体を焼結する焼結工程とからなるセラミッ
クス若しくは金属粉焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5092020A JPH06279806A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | セラミックス若しくは金属粉焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5092020A JPH06279806A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | セラミックス若しくは金属粉焼結体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06279806A true JPH06279806A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=14042858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5092020A Withdrawn JPH06279806A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | セラミックス若しくは金属粉焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06279806A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017057838A1 (ko) * | 2015-10-02 | 2017-04-06 | 주식회사 쓰리디컨트롤즈 | 3차원 프린팅용 금속 분말 함유 조성물, 이를 원료로 하는 3차원 프린팅 방법 및 3차원 프링팅 장치 |
CN107159878A (zh) * | 2017-05-16 | 2017-09-15 | 昆山卡德姆新材料科技有限公司 | 一种金属料体及其制备方法和应用 |
-
1993
- 1993-03-26 JP JP5092020A patent/JPH06279806A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017057838A1 (ko) * | 2015-10-02 | 2017-04-06 | 주식회사 쓰리디컨트롤즈 | 3차원 프린팅용 금속 분말 함유 조성물, 이를 원료로 하는 3차원 프린팅 방법 및 3차원 프링팅 장치 |
CN107159878A (zh) * | 2017-05-16 | 2017-09-15 | 昆山卡德姆新材料科技有限公司 | 一种金属料体及其制备方法和应用 |
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