JPH06127959A - 石英系光導波路の製造方法 - Google Patents
石英系光導波路の製造方法Info
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- JPH06127959A JPH06127959A JP28143292A JP28143292A JPH06127959A JP H06127959 A JPH06127959 A JP H06127959A JP 28143292 A JP28143292 A JP 28143292A JP 28143292 A JP28143292 A JP 28143292A JP H06127959 A JPH06127959 A JP H06127959A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B19/00—Other methods of shaping glass
- C03B19/14—Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
- C03B19/1415—Reactant delivery systems
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- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
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- Glass Melting And Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 光導波路とクラッドとの界面近傍における屈
折率分布が階段状に変化し、したがって光の伝搬損失が
小さい光導波路の製造方法を提供する。 【構成】 基板1の上に、屈折率調整元素であるドーパ
ントをドープして成る第1のガラス微粒子層2と第2の
ガラス微粒子層3をこの順序で積層したのち熱処理を施
してこれらガラス微粒子層2,3をガラス化することに
より光導波路を形成する石英系光導波路の製造方法にお
いて、前記第1のガラス微粒子層2と前記第2のガラス
微粒子層3との界面近傍では、少なくとも一方のガラス
微粒子層のドーパント濃度をそのガラス微粒子層の他の
部分のドーパント濃度に対し変化させる。
折率分布が階段状に変化し、したがって光の伝搬損失が
小さい光導波路の製造方法を提供する。 【構成】 基板1の上に、屈折率調整元素であるドーパ
ントをドープして成る第1のガラス微粒子層2と第2の
ガラス微粒子層3をこの順序で積層したのち熱処理を施
してこれらガラス微粒子層2,3をガラス化することに
より光導波路を形成する石英系光導波路の製造方法にお
いて、前記第1のガラス微粒子層2と前記第2のガラス
微粒子層3との界面近傍では、少なくとも一方のガラス
微粒子層のドーパント濃度をそのガラス微粒子層の他の
部分のドーパント濃度に対し変化させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石英系光導波路の製造方
法に関し、更に詳しくは、光導波路における伝搬損失が
低減し、また光デバイスの製造時において設計した特性
を略そのまま実現することができる石英系光導波路を製
造する方法に関する。
法に関し、更に詳しくは、光導波路における伝搬損失が
低減し、また光デバイスの製造時において設計した特性
を略そのまま実現することができる石英系光導波路を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムに組み込まれる石英系光
導波路は、概ね、つぎのようにして製造されている。そ
れを図面に則して説明する。まず、図1で示したよう
に、例えばSi単結晶から成る基板1の上に、火炎堆積
法により、SiO2 にB,Pのようなガラスの屈折率を
低めるドーパントが所定濃度でドープされている所定厚
みの第1のガラス微粒子層2と、同じくSiO 2 にT
i,Geのようなガラスの屈折率を高めるドーパントが
所定濃度でドープされている所定厚みの第2のガラス微
粒子層3とがこの順序で積層される。
導波路は、概ね、つぎのようにして製造されている。そ
れを図面に則して説明する。まず、図1で示したよう
に、例えばSi単結晶から成る基板1の上に、火炎堆積
法により、SiO2 にB,Pのようなガラスの屈折率を
低めるドーパントが所定濃度でドープされている所定厚
みの第1のガラス微粒子層2と、同じくSiO 2 にT
i,Geのようなガラスの屈折率を高めるドーパントが
所定濃度でドープされている所定厚みの第2のガラス微
粒子層3とがこの順序で積層される。
【0003】ついで、これらガラス微粒子層2,3に熱
処理を施し、これらを透明ガラス化して下部クラッド層
2a,コア層3aにする(図2)。このときの熱処理に
おいては、処理温度,処理温度までの昇温速度、および
保持時間などが基本的な条件因子として適切に管理され
る。その後、図3で示すように、コア層3aに通常のホ
トリソグラフィ法により光導波路のパターンを描画した
のち、常法のドライエッチング法でエッチング処理を行
ない、下部クラッド層2aの上に所定パターンの光導波
路3bを形成する。
処理を施し、これらを透明ガラス化して下部クラッド層
2a,コア層3aにする(図2)。このときの熱処理に
おいては、処理温度,処理温度までの昇温速度、および
保持時間などが基本的な条件因子として適切に管理され
る。その後、図3で示すように、コア層3aに通常のホ
トリソグラフィ法により光導波路のパターンを描画した
のち、常法のドライエッチング法でエッチング処理を行
ない、下部クラッド層2aの上に所定パターンの光導波
路3bを形成する。
【0004】最後に、火炎堆積法により、通常は第1の
ガラス微粒子層2と同じ組成のガラス微粒子層を形成し
て光導波路3bを埋設したのち熱処理を施し、上記ガラ
ス微粒子層を透明ガラス化して上部クラッド層2bにす
る(図4)。このようにして、相対的に高屈折率の光導
波路3bが相対的に低屈折率の上・下部クラッド層2
b,2aから成るクラッド2c内に埋設されることにな
り、したがって、光は光導波路3b内に閉じ込められた
状態で伝搬していくことが可能になる。
ガラス微粒子層2と同じ組成のガラス微粒子層を形成し
て光導波路3bを埋設したのち熱処理を施し、上記ガラ
ス微粒子層を透明ガラス化して上部クラッド層2bにす
る(図4)。このようにして、相対的に高屈折率の光導
波路3bが相対的に低屈折率の上・下部クラッド層2
b,2aから成るクラッド2c内に埋設されることにな
り、したがって、光は光導波路3b内に閉じ込められた
状態で伝搬していくことが可能になる。
【0005】従来、この一連の製造過程において、上記
した上・下部クラッド層,コア層になるガラス微粒子層
の堆積時には、ドープされるドーパントの濃度は、その
ガラス微粒子層の堆積開始から堆積終了の過程で、一定
値に設定されている。
した上・下部クラッド層,コア層になるガラス微粒子層
の堆積時には、ドープされるドーパントの濃度は、その
ガラス微粒子層の堆積開始から堆積終了の過程で、一定
値に設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4に示し
た断面構造の光導波路部品において、光導波路3bとク
ラッド2cとの界面では、光導波路3bへの光の有効な
閉じ込め効果という点からすると、光導波路3bの屈折
率はクラッド2cの屈折率に対し階段状に変化している
ことが好ましい。
た断面構造の光導波路部品において、光導波路3bとク
ラッド2cとの界面では、光導波路3bへの光の有効な
閉じ込め効果という点からすると、光導波路3bの屈折
率はクラッド2cの屈折率に対し階段状に変化している
ことが好ましい。
【0007】すなわち、両者の界面における屈折率分布
はしきい値をもって変化することが好ましい。しかしな
がら、図1で示した第1のガラス微粒子層2と第2のガ
ラス微粒子層3を透明ガラス化すると、そのときに採用
する熱処理条件によって程度の差は生ずるが、一般に、
透明ガラス化の過程で、第2のガラス微粒子層3にドー
プされているTiやGeなどのドーパントが第1のガラ
ス微粒子層2側へと拡散移動し、その結果、図5に例示
したように、形成された下部クラッド層とコア層との界
面Aの付近においては、下部クラッド層の屈折率が高く
なることにより、下部クラッド層とコア層との界面近傍
における屈折率分布図は図5の破線pで示したようなし
きい値をもつ理想的な屈折率分布図から大きく崩れるこ
とがある。
はしきい値をもって変化することが好ましい。しかしな
がら、図1で示した第1のガラス微粒子層2と第2のガ
ラス微粒子層3を透明ガラス化すると、そのときに採用
する熱処理条件によって程度の差は生ずるが、一般に、
透明ガラス化の過程で、第2のガラス微粒子層3にドー
プされているTiやGeなどのドーパントが第1のガラ
ス微粒子層2側へと拡散移動し、その結果、図5に例示
したように、形成された下部クラッド層とコア層との界
面Aの付近においては、下部クラッド層の屈折率が高く
なることにより、下部クラッド層とコア層との界面近傍
における屈折率分布図は図5の破線pで示したようなし
きい値をもつ理想的な屈折率分布図から大きく崩れるこ
とがある。
【0008】このような事態は、上記した理想的な屈折
率分布を前提として光導波路の設計がなされることを考
えれば不都合な事態であり、製造した光デバイスの特性
が設計された目的特性を満たさないことにもなる。更に
は、上記した屈折率分布の崩れがひどくなると、光導波
路内への光の閉じ込めが充分に実現されず、光は下部ク
ラッド層へ漏洩した状態で光導波路を伝搬することによ
り、結果として大きな伝搬損失を生ずるようになる。
率分布を前提として光導波路の設計がなされることを考
えれば不都合な事態であり、製造した光デバイスの特性
が設計された目的特性を満たさないことにもなる。更に
は、上記した屈折率分布の崩れがひどくなると、光導波
路内への光の閉じ込めが充分に実現されず、光は下部ク
ラッド層へ漏洩した状態で光導波路を伝搬することによ
り、結果として大きな伝搬損失を生ずるようになる。
【0009】本発明は上記した問題を解決し、コア層と
クラッド層との間における屈折率分布が理想的な屈折率
分布に近似しており、光の伝搬損失を低減させることが
できる石英系光導波路を製造する方法の提供を目的とす
る。
クラッド層との間における屈折率分布が理想的な屈折率
分布に近似しており、光の伝搬損失を低減させることが
できる石英系光導波路を製造する方法の提供を目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、基板の上に、屈折率調整元
素であるドーパントをドープして成る第1のガラス微粒
子層と第2のガラス微粒子層をこの順序で積層したのち
熱処理を施してこれらガラス微粒子層をガラス可するこ
とにより光導波路を形成する石英系光導波路の製造方法
において、前記第1のガラス微粒子層と前記第2のガラ
ス微粒子層との界面近傍では、少なくとも一方のガラス
微粒子層のドーパント濃度を、そのガラス微粒子層の他
の部分のドーパント濃度に対し変化させることを特徴と
する石英系光導波路の製造方法が提供される。
ために、本発明においては、基板の上に、屈折率調整元
素であるドーパントをドープして成る第1のガラス微粒
子層と第2のガラス微粒子層をこの順序で積層したのち
熱処理を施してこれらガラス微粒子層をガラス可するこ
とにより光導波路を形成する石英系光導波路の製造方法
において、前記第1のガラス微粒子層と前記第2のガラ
ス微粒子層との界面近傍では、少なくとも一方のガラス
微粒子層のドーパント濃度を、そのガラス微粒子層の他
の部分のドーパント濃度に対し変化させることを特徴と
する石英系光導波路の製造方法が提供される。
【0011】本発明方法では、2つのガラス微粒子層を
積層する際の各層のガラス微粒子を堆積するときに、両
層の界面近傍で、選択的にドーパントのドープ濃度を変
化させたガラス微粒子を所望の厚みだけ堆積することを
除いては、従来の火炎堆積法によるガラス微粒子層の形
成方法と変わるところはない。本発明方法において、第
1のガラス微粒子層と第2のガラス微粒子層の界面近傍
でドーパント濃度を変化させる態様としては、次のよう
な態様がある。
積層する際の各層のガラス微粒子を堆積するときに、両
層の界面近傍で、選択的にドーパントのドープ濃度を変
化させたガラス微粒子を所望の厚みだけ堆積することを
除いては、従来の火炎堆積法によるガラス微粒子層の形
成方法と変わるところはない。本発明方法において、第
1のガラス微粒子層と第2のガラス微粒子層の界面近傍
でドーパント濃度を変化させる態様としては、次のよう
な態様がある。
【0012】まず第1の態様は、図1において、B,P
のような屈折率を低下させるドーパントの濃度を一定に
保った状態で第1のガラス微粒子を堆積して所定厚みの
第1のガラス微粒子層2を形成し、ついで、この第1の
ガラス微粒子層2の上に、堆積方向のある厚みT1 だ
け、Ti,Geのような屈折率を高めるドーパントの濃
度がG1 からG2(G1 >G2)へと減少するガラス微粒子
を堆積したのち、ドーパント濃度がG2 であるガラス微
粒子を厚みT2 だけ堆積することにより、全体の厚みが
所定の厚みT(=T1 +T2)である第2のガラス微粒子
層を形成する方法である(以下、第1の方法という)。
のような屈折率を低下させるドーパントの濃度を一定に
保った状態で第1のガラス微粒子を堆積して所定厚みの
第1のガラス微粒子層2を形成し、ついで、この第1の
ガラス微粒子層2の上に、堆積方向のある厚みT1 だ
け、Ti,Geのような屈折率を高めるドーパントの濃
度がG1 からG2(G1 >G2)へと減少するガラス微粒子
を堆積したのち、ドーパント濃度がG2 であるガラス微
粒子を厚みT2 だけ堆積することにより、全体の厚みが
所定の厚みT(=T1 +T2)である第2のガラス微粒子
層を形成する方法である(以下、第1の方法という)。
【0013】第2の態様は、第1のガラス微粒子層の形
成時に、第2のガラス微粒子層との界面近傍(厚みT3)
では、その堆積方法に向かって屈折率を低めるドーパン
トの濃度を順次増大させた第1のガラス微粒子を堆積
し、また第2のガラス微粒子層の形成は、上記した第1
の方法の場合と同じように、堆積方向のある厚みT1 だ
け屈折率を高めるドーパントの濃度をG1 からG2 へと
順次減少してガラス微粒子を堆積したのち、ドーパント
濃度G2 のガラス微粒子を厚みT2 だけ堆積して全体の
厚みがT(=T1 +T2)の第2のガラス微粒子層を形成
する方法である(以下、第2の方法という)。
成時に、第2のガラス微粒子層との界面近傍(厚みT3)
では、その堆積方法に向かって屈折率を低めるドーパン
トの濃度を順次増大させた第1のガラス微粒子を堆積
し、また第2のガラス微粒子層の形成は、上記した第1
の方法の場合と同じように、堆積方向のある厚みT1 だ
け屈折率を高めるドーパントの濃度をG1 からG2 へと
順次減少してガラス微粒子を堆積したのち、ドーパント
濃度G2 のガラス微粒子を厚みT2 だけ堆積して全体の
厚みがT(=T1 +T2)の第2のガラス微粒子層を形成
する方法である(以下、第2の方法という)。
【0014】これら第1の方法、第2の方法は、いずれ
も、第1のガラス微粒子層と第2のガラス微粒子層との
界面近傍では、第2のガラス微粒子層を第1のガラス微
粒子層に対して相対的に一層高屈折率化するためのドー
パント濃度を管理する方法である。第1の方法、第2の
方法における厚みT1 に亘るドーパント濃度の減少のさ
せ方、また第2の方法における厚みT3 に亘るドーパン
ト濃度の増大のさせ方は、格別限定されるものではない
が、例えば一次関数的に減少または増大させたり、二次
関数的に変化させたりすることが好ましい。
も、第1のガラス微粒子層と第2のガラス微粒子層との
界面近傍では、第2のガラス微粒子層を第1のガラス微
粒子層に対して相対的に一層高屈折率化するためのドー
パント濃度を管理する方法である。第1の方法、第2の
方法における厚みT1 に亘るドーパント濃度の減少のさ
せ方、また第2の方法における厚みT3 に亘るドーパン
ト濃度の増大のさせ方は、格別限定されるものではない
が、例えば一次関数的に減少または増大させたり、二次
関数的に変化させたりすることが好ましい。
【0015】
【作用】第1の方法の場合、この過程に続けて熱処理を
行うと、第2のガラス微粒子層のドーパントが第1のガ
ラス微粒子層への拡散移動するが、厚みT1 のガラス微
粒子層のドーパント濃度は厚みT2 のガラス微粒子層の
ドーパント濃度よりも高く、しかも第1のガラス微粒子
層との界面側に近づくほど高濃度になっていくので、ド
ーパントが拡散移動したのちであっても、厚みT1 の部
分のドーパント濃度は厚みT2 の部分のドーパント濃度
と近似した濃度になる。そのため、透明ガラスになった
下部クラッド層とコア層との界面近傍における屈折率分
布は大きく崩れず、図5の理想的な屈折率分布pに近似
するようになる。
行うと、第2のガラス微粒子層のドーパントが第1のガ
ラス微粒子層への拡散移動するが、厚みT1 のガラス微
粒子層のドーパント濃度は厚みT2 のガラス微粒子層の
ドーパント濃度よりも高く、しかも第1のガラス微粒子
層との界面側に近づくほど高濃度になっていくので、ド
ーパントが拡散移動したのちであっても、厚みT1 の部
分のドーパント濃度は厚みT2 の部分のドーパント濃度
と近似した濃度になる。そのため、透明ガラスになった
下部クラッド層とコア層との界面近傍における屈折率分
布は大きく崩れず、図5の理想的な屈折率分布pに近似
するようになる。
【0016】また、第2の方法の場合、拡散移動が全く
起こらないと仮定すると、第1のガラス微粒子層が転化
した下部クラッド層と第2のガラス微粒子層が転化した
コア層との界面近傍においては、下部クラッド層では他
の下部クラッド層の部分に比べて一層低屈折率になり、
コア層では他のコア層の部分に比べて一層高屈折率にな
る。
起こらないと仮定すると、第1のガラス微粒子層が転化
した下部クラッド層と第2のガラス微粒子層が転化した
コア層との界面近傍においては、下部クラッド層では他
の下部クラッド層の部分に比べて一層低屈折率になり、
コア層では他のコア層の部分に比べて一層高屈折率にな
る。
【0017】しかし、実際には第2のガラス微粒子層か
ら第1のガラス微粒子層へドーパントの拡散移動が起こ
る。そのため、下部クラッド層の界面近傍では、第1の
ガラス微粒子層へ移動してきた高屈折率化ドーパントに
より低屈折率化ドーパントの作用が相殺され、その結
果、両層の界面近傍では、下部クラッド層の一層の低屈
折率化は抑制され、また、コア層ではドーパント濃度が
減少するので、コア層の一層の高屈折率化も抑制される
ようになり、界面近傍における屈折率分布の崩れは少な
くなる。
ら第1のガラス微粒子層へドーパントの拡散移動が起こ
る。そのため、下部クラッド層の界面近傍では、第1の
ガラス微粒子層へ移動してきた高屈折率化ドーパントに
より低屈折率化ドーパントの作用が相殺され、その結
果、両層の界面近傍では、下部クラッド層の一層の低屈
折率化は抑制され、また、コア層ではドーパント濃度が
減少するので、コア層の一層の高屈折率化も抑制される
ようになり、界面近傍における屈折率分布の崩れは少な
くなる。
【0018】
実施例1 図1で示したように、Si単結晶基板1の上に火炎堆積
法でBドープのSiO 2 微粒子(ドーパント濃度12 m
ol%を堆積して厚み20μmの第1のガラス微粒子層2
を形成した。
法でBドープのSiO 2 微粒子(ドーパント濃度12 m
ol%を堆積して厚み20μmの第1のガラス微粒子層2
を形成した。
【0019】ついで、この第1のガラス微粒子層2の上
に、図6で示したように、TiとGeのドーパント濃度
がG1 からG2 に減少する厚みT1 のガラス微粒子層と
TiとGeのドーパント濃度がG2 と一定である厚みT
2 のガラス微粒子層とから成り、全体の厚みTが10μ
mである第2のガラス微粒子層3を形成した。すなわ
ち、T1 を3〜6μmとし、濃度G1 を10 mol%,濃
度G2 を8 mol%とし、また、厚みT1 のガラス微粒子
層は、厚み1μmのガラス微粒子層を3〜6層積層して
形成し、そのガラス微粒子層の堆積ごとにドーパント濃
度を0.3〜0.6 mol%ずつ低減した。したがって、厚み
T1 のガラス微粒子層において、そのドーパント濃度
は、図6で示したように、近似的には、濃度G1 から濃
度G 2 へと一次関数的に減少している。
に、図6で示したように、TiとGeのドーパント濃度
がG1 からG2 に減少する厚みT1 のガラス微粒子層と
TiとGeのドーパント濃度がG2 と一定である厚みT
2 のガラス微粒子層とから成り、全体の厚みTが10μ
mである第2のガラス微粒子層3を形成した。すなわ
ち、T1 を3〜6μmとし、濃度G1 を10 mol%,濃
度G2 を8 mol%とし、また、厚みT1 のガラス微粒子
層は、厚み1μmのガラス微粒子層を3〜6層積層して
形成し、そのガラス微粒子層の堆積ごとにドーパント濃
度を0.3〜0.6 mol%ずつ低減した。したがって、厚み
T1 のガラス微粒子層において、そのドーパント濃度
は、図6で示したように、近似的には、濃度G1 から濃
度G 2 へと一次関数的に減少している。
【0020】このようにして形成した第1のガラス微粒
子層2と第2のガラス微粒子層3を、一括して昇温速度
5℃/minで1150℃にまで加熱し、更にその温度で約
分間保持して透明ガラス化し、図2で示したように下部
クラッド層2a,コア層3aを形成した。コア層3aと
下部クラッド層2aとの屈折率を測定し、両層の界面近
傍における屈折率分布図を図7に示した。
子層2と第2のガラス微粒子層3を、一括して昇温速度
5℃/minで1150℃にまで加熱し、更にその温度で約
分間保持して透明ガラス化し、図2で示したように下部
クラッド層2a,コア層3aを形成した。コア層3aと
下部クラッド層2aとの屈折率を測定し、両層の界面近
傍における屈折率分布図を図7に示した。
【0021】図7から明らかなように、屈折率分布は図
5の破線pで示した理想的な分布図を描かずに下部クラ
ッド層側に若干の裾を引いているが、図5で示した従来
の屈折率分布図に比べると、超かに分布図の崩れは少な
くなっている。 実施例2 図1で示した厚み20μmの第1のガラス微粒子層2を
形成するときに、図8で示したように、Bのドーパント
濃度がG3 と一定であるガラス微粒子層とBのドーパン
ト濃度がG3 からG4 へと増大する厚みT3 のガラス微
粒子層とから成り、全体の厚みが20μmである第1の
ガラス微粒子層2を形成した。
5の破線pで示した理想的な分布図を描かずに下部クラ
ッド層側に若干の裾を引いているが、図5で示した従来
の屈折率分布図に比べると、超かに分布図の崩れは少な
くなっている。 実施例2 図1で示した厚み20μmの第1のガラス微粒子層2を
形成するときに、図8で示したように、Bのドーパント
濃度がG3 と一定であるガラス微粒子層とBのドーパン
ト濃度がG3 からG4 へと増大する厚みT3 のガラス微
粒子層とから成り、全体の厚みが20μmである第1の
ガラス微粒子層2を形成した。
【0022】すなわち、T3 を3〜6μmとし、濃度G
3 を12 mol%,濃度G4 を15 mol%とし、また、厚
みT3 のガラス微粒子層は、厚み1μmのガラス微粒子
層を3〜6層積層して形成し、そのガラス微粒子層の堆
積ごとにドーパント濃度を0.5〜1 mol%ずつ増大させ
た。したがって、厚みT3 のガラス微粒子層において、
そのドーパント濃度は、図8で示したように、近似的に
は、濃度G3 から濃度G4 へと一次関数的に増大してい
る。
3 を12 mol%,濃度G4 を15 mol%とし、また、厚
みT3 のガラス微粒子層は、厚み1μmのガラス微粒子
層を3〜6層積層して形成し、そのガラス微粒子層の堆
積ごとにドーパント濃度を0.5〜1 mol%ずつ増大させ
た。したがって、厚みT3 のガラス微粒子層において、
そのドーパント濃度は、図8で示したように、近似的に
は、濃度G3 から濃度G4 へと一次関数的に増大してい
る。
【0023】ついで、この第1のガラス微粒子層2の上
に、実施例1の場合と同様にして第2のガラス微粒子層
3を積層した。その後、実施例1と同様の条件で熱処理
を行い、図2で示したように下部クラッド層2a,コア
層3aを形成した。コア層3aと下部クラッド層2aと
の屈折率を測定し、両層の界面近傍における屈折率分布
図を図9に示した。
に、実施例1の場合と同様にして第2のガラス微粒子層
3を積層した。その後、実施例1と同様の条件で熱処理
を行い、図2で示したように下部クラッド層2a,コア
層3aを形成した。コア層3aと下部クラッド層2aと
の屈折率を測定し、両層の界面近傍における屈折率分布
図を図9に示した。
【0024】図9から明らかなように、屈折率分布は図
5の破線pで示した理想的な分布図を描かずに下部クラ
ッド層側に若干の裾を引いているが、図5で示した従来
の屈折率分布図に比べると、超かに分布図の崩れは少な
くなっており、また実施例1の場合よりも一層理想的な
分布に近づいている。
5の破線pで示した理想的な分布図を描かずに下部クラ
ッド層側に若干の裾を引いているが、図5で示した従来
の屈折率分布図に比べると、超かに分布図の崩れは少な
くなっており、また実施例1の場合よりも一層理想的な
分布に近づいている。
【0025】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法によれば、コア層とクラッド層との界面近傍における
屈折率分布を階段形状をした理想的な分布に近づけるこ
とができる。これは、上記界面近傍における第2のガラ
ス微粒子層のドーパント濃度を選択的に高濃度化したの
で、熱処理時におけるドーパントの第1のガラス微粒子
層側への拡散移動が起こっても、その拡散移動に伴うド
ーパントの減量による影響が小さくなるからである。
法によれば、コア層とクラッド層との界面近傍における
屈折率分布を階段形状をした理想的な分布に近づけるこ
とができる。これは、上記界面近傍における第2のガラ
ス微粒子層のドーパント濃度を選択的に高濃度化したの
で、熱処理時におけるドーパントの第1のガラス微粒子
層側への拡散移動が起こっても、その拡散移動に伴うド
ーパントの減量による影響が小さくなるからである。
【0026】この光導波路では、したがって、光の閉じ
込め効果が大きくなってクラッドへの光漏洩が抑制され
るので、伝搬損失は小さくなる。そして、光導波路とク
ラッドの界面近傍における屈折率分布は理想形に近似す
るので、設計時の特性を実現しやすくなり、その工業的
価値は大である。
込め効果が大きくなってクラッドへの光漏洩が抑制され
るので、伝搬損失は小さくなる。そして、光導波路とク
ラッドの界面近傍における屈折率分布は理想形に近似す
るので、設計時の特性を実現しやすくなり、その工業的
価値は大である。
【図1】基板の上に第1のガラス微粒子層と第2のガラ
ス微粒子層を積層した状態を示す断面図である。
ス微粒子層を積層した状態を示す断面図である。
【図2】下部クラッド層とコア層を形成した状態を示す
断面図である。
断面図である。
【図3】光導波路を形成した状態を示す断面図である。
【図4】光導波路を上部クラッド層に埋設した状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】下部クラッド層とコア層との界面近傍の屈折率
分布の従来例を示すグラフである。
分布の従来例を示すグラフである。
【図6】本発明方法において、第2のガラス微粒子層を
形成するときのドーパント濃度と堆積方向の厚みとの関
係を示すグラフである。
形成するときのドーパント濃度と堆積方向の厚みとの関
係を示すグラフである。
【図7】本発明方法で形成した下部クラッド層とコア層
との界面近傍の屈折率分布の例を示すグラフである。
との界面近傍の屈折率分布の例を示すグラフである。
【図8】本発明の別の方法において、第1のガラス微粒
子層と第2のガラス微粒子層を形成するときのドーパン
ト濃度と堆積方向の厚みとの関係を示すグラフである。
子層と第2のガラス微粒子層を形成するときのドーパン
ト濃度と堆積方向の厚みとの関係を示すグラフである。
【図9】本発明の別の方法で形成した下部クラッド層と
コア層との界面近傍の屈折率分布の例を示すグラフであ
る。
コア層との界面近傍の屈折率分布の例を示すグラフであ
る。
1 基板 2 第1のガラス微粒子層 2a 下部クラッド層 2b 上部クラッド層 2c クラッド 3 第2のガラス微粒子層 3a コア層 3b 光導波路 A 光導波路3bとクラッド2cとの界面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳川 久治 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 基板の上に、屈折率調整元素であるドー
パントをドープして成る第1のガラス微粒子層と第2の
ガラス微粒子層をこの順序で積層したのち熱処理を施し
てこれらガラス微粒子層をガラス化することにより光導
波路を形成する石英系光導波路の製造方法において、 前記第1のガラス微粒子層と前記第2のガラス微粒子層
との界面近傍では、少なくとも一方のガラス微粒子層の
ドーパント濃度を、そのガラス微粒子層の他の部分のド
ーパント濃度に対し変化させることを特徴とする石英系
光導波路の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28143292A JPH06127959A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 石英系光導波路の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28143292A JPH06127959A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 石英系光導波路の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06127959A true JPH06127959A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17639088
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28143292A Pending JPH06127959A (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | 石英系光導波路の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06127959A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08114718A (ja) * | 1994-10-13 | 1996-05-07 | Nec Corp | 光導波路およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-10-20 JP JP28143292A patent/JPH06127959A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08114718A (ja) * | 1994-10-13 | 1996-05-07 | Nec Corp | 光導波路およびその製造方法 |
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