JPH0513934U - 蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】易開封性蓋１０を開封したときにガスバリア層
２の残片Ａが開口に突出していても、容器内の内容物を
取るために消費者が容器内に手を入れたときガスバリア
層２の残片Ａの切口で手を傷つけることがなく安全性な
蓋を提供する。 【構成】プラスチック製の外層部１の内面に金属箔製の
ガスバリア層２が設けられると共に、弱化線４によって
開封時取り除かれる被開封部５が区画された易開封性蓋
１０と、開封された易開封性蓋１０の開口２０を閉じる
再封緘用蓋１１とからなる蓋であって、再封緘用蓋１１
に、易開封性蓋１０の被開封部５を取り除いた後の開口
２０に嵌入する部分１２が形成されると共に、この嵌入
する部分１２の下部外周に外方に膨出する押し曲げ凸部
１３が形成された。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、器具を用いずに開封できる易開封性蓋と開封された易開封性蓋を閉 じる再封緘用蓋とを備えた、海苔、お茶等の湿気を嫌う内容物を保存する容器の 閉止に好適に用いられる蓋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

器具を用いずに開封できる易開封性蓋として図３に示すものが提供されている 。この易開封性蓋１０は、ポリプロピレン製の外層部１の内面にガスバリア層２ が設けられたものである。ガスバリア層２は、図４に示すように、Ａｌ等から成 る金属箔２ａの両面にポリプロピレン等から成る樹脂フィルム２ｂ，２ｃが積層 された積層フィルムによって構成されている。この易開封性蓋１０には、容器２ ０の口部上端に嵌合するフランジコーナ部３と、このフランジコーナ部３の内周 に沿う弱化線４によって区画された被開封部５が形成されている。弱化線４は外 層部１を幅０．５ｍｍ程度の溝状に切除してガスバリア層２を露出させることに よって形成されている。またこの易開封性蓋１０の被開封部５には、タブ６が取 り付けられている。

【０００３】 この易開封性蓋１０を開封する場合は、まずタブ６の一端を引き上げてその他 端で弱化線４の一部を押し裂く。ついでタブ６を引き上げると、弱化線４の部分 が切り裂かれて被開封部５が切り取られて、開封が完了する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記易開封性蓋１０は、従来底の浅い缶容器の閉止に用いられていたが、近時 、海苔やお茶等を保存する深い容器の閉止に利用することが考えられている。 ところが前記易開封性蓋１０を開封すると、図５，図６に示すように、切断さ れたガスバリア層２の端部の一部（以下、残片と記す）Ａが開口２０の内方に突 出していることがあるので、深い容器の閉止にこの易開封性蓋１０を用いた場合 、容器内の内容物を取るために消費者が容器内に手を入れたときガスバリア層２ の残片Ａの切口で手を傷つけることが懸念される。

【０００５】 本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、より安全性の高い蓋を提供するこ とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の蓋は、プラスチック製の外層部の内面に金属箔製のガスバリア層が設 けられると共に、弱化線によって開封時取り除かれる被開封部が区画された易開 封性蓋と、開封された易開封性蓋の開口を閉じる再封緘用蓋とからなる蓋であっ て、前記再封緘用蓋に、易開封性蓋の被開封部を取り除いた後の開口に嵌入する 部分が形成されると共に、この嵌入する部分の下部外周に外方に膨出する押し曲 げ凸部が形成されたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

易開封性蓋を開封したとき、切断されたガスバリア層の残片が開口に突出して いても、その開口に再封緘用蓋の嵌入部を嵌入させると、ここに外方に膨出する ように設けられている押し曲げ凸部によって突出していたガスバリア層の残片が 外方に押し倒される。

【０００８】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の蓋を詳しく説明する。なお前記従来例と同一構 成部分には、同一符号を付して説明を簡略化する。

【０００９】 (実施例１) 図１は本考案の蓋の一実施例を示すもので、図中符号１０は易開封性蓋、符号 １１は再封緘用蓋である。 易開封性蓋１０は、前記従来の易開封性蓋と同様に構成されている。この易開 封性蓋１０の被開封部５はフランジコーナ部３よりも奥まって設けられており、 これによって形成された空間には、図１（ｂ）に示すように、再封緘用蓋１１が 納められるようになっている。

【００１０】 再封緘用蓋１１は有底筒状の物で、その底部側には図１（ａ）に示すように、 易開封性蓋１０のフランジコーナ部３の下部内周面に密着する大きさに形成され た密着部１４が形成されている。この密着部１４の下には、被開封部５を取り除 いたあとの易開封性蓋１０の開口に緩みなく嵌入する嵌入部１２とされている。 この嵌入部１２の下部には押し曲げ凸部１３が全周に渡って形成されている。こ の押し曲げ凸部１２は縦断面形状が山形のもので、外方に向かって膨出されてい る。この押し曲げ凸部１２は、再封緘用蓋１１を易開封性蓋１０に嵌め込んだと きフランジコーナ部３の下端にその上端が位置するように設けられている。 この再封緘用蓋１１の上部には、内方に突出する取り外し用舌片１８が設けら れている。

【００１１】 次にこの蓋の使用方法を説明する。この蓋は、まず図１（ｂ）に示す状態で容 器の口部に装着されている。この容器を開封する場合は、再封緘用蓋１１を外し た後、易開封性蓋１０のタブ６を用いて被開封部５を切り取る。このように開封 された容器を再び閉止する場合には、図１（ａ）に示すように、再封緘用蓋１１ を易開封性蓋１０の開口２０にはめ込む。この蓋を再び開くには、再封緘用蓋１ １の取り外し用舌片１８を引っ張る。

【００１２】 この実施例の蓋においては、易開封性蓋１０を開封したときに切断されたガス バリア層２の残片Ａが、図６に示すように、開口２０に突出していても、その開 口２０に再封緘用蓋１１の嵌入部１２を嵌入させると、図１（ａ）に示すように 、嵌入部１２に設けられている外方に膨出する押し曲げ凸部１３によって突出し ていたガスバリア層２の残片Ａが外方に押し倒されてその切口が外方に向けられ る。そしてその後は、再封緘用蓋１１を外しても、図２に示すように、切り口が 外方に向けられているので、人が容器内に手を入れてもガスバリア層２の残片Ａ の切口に手が触れない状態となる。

【００１３】 このようにこの実施例の蓋によれば、開封時にガスバリア層２の残片Ａが開口 ２０に突出して残っても、再封緘用蓋１１を一度装着すればその切口には手が触 れない状態となるので、この蓋を深い容器の閉止に用いても、容器内の内容物を 取るために消費者が容器内に手を入れたときガスバリア層２の残片Ａの切口で手 を傷つけることがなく安全性である。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の蓋は、易開封性蓋の被開封部を取り除いた後の開 口に嵌入する部分が形成されると共に、この嵌入する部分の下部外周に外方に膨 出する押し曲げ凸部が形成された再封緘用蓋を備えた物なので、易開封性蓋を開 封したときにガスバリア層の残片が開口に突出していると、その開口に再封緘用 蓋と装着したときに押し曲げ凸部によって突出していたガスバリア層の残片が外 方に押し倒されてその切口が外方に向けられる。従ってこの考案の蓋は、深い容 器に取り付けられても、容器内の内容物を取るために消費者が容器内に手を入れ たときガスバリア層の残片の切口で手を傷つけることがなく安全性である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の蓋を示す断面図。

【図２】再封緘後に再封緘用蓋を外した状態を示す断面
図。

【図３】従来の易開封性蓋が装着された容器を示す断面
図。

【図４】易開封性蓋のガスバリア層を形成する積層フィ
ルムを示す断面図。

【図５】易開封性蓋を開封する動作の初期の状態を示す
断面図。

【図６】易開封性蓋を開封した直後の状態を示す平面
図。

【符号の説明】

１ 外層部 ２ ガスバリア層 ３ フランジコーナ部 ４ 弱化線 ５ 被開封部 ６ タブ １０ 易開封性蓋 １１ 再封緘用蓋 １２ 嵌入部 １３ 押し曲げ凸部 １４ 密着部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラスチック製の外層部の内面に金属箔
   製のガスバリア層が設けられると共に、弱化線によって
   開封時取り除かれる被開封部が区画された易開封性蓋
   と、開封された易開封性蓋の開口を閉じる再封緘用蓋と
   からなる蓋であって、 前記再封緘用蓋に、易開封性蓋の被開封部を取り除いた
   後の開口に嵌入する部分が形成されると共に、この嵌入
   する部分の下部外周に外方に膨出する押し曲げ凸部が形
   成されたことを特徴とする蓋。