JPH02393B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、通帳などの台紙上に捺印される印
影を保護するために使用する印影保護カバーを多
数供給するための印影保護カバー用シート及びそ
の製造方法並びに使用方法に関するものである。

（従来の技術） 印影保護カバーは通帳等に捺印された印を写し
採られたり、消されたり改ざんされたりするのを
防止するために使用される。そしてこのため、従
来、印影保護カバーに部分的に切れ目を入れ、剥
がそうとすると破れるようにしたものが提供され
ている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、部分的に切れ目を入れたものでは注意
深く剥がすと、完全な１枚の印影保護カバーとし
て剥がすことができ、印影を改ざんした後に再度
貼付して通帳を悪用する可能性があることがわか
つた。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこのため考えられたもので、まず、上
記問題点を解決する上で何が効果的であるかを検
討すると、印影保護カバーの再使用を防ぐために
は印影保護カバーをできるだけ薄いフイルムで作
成し、しかも剥離したときに１枚物として使用で
きないようにしておくことが極めて効果的である
ことがわかつた。

ところが、薄いフイルムで印影保護カバーを作
成すると、従来の如く剥離紙の上から剥がすとき
すでに伸縮してしまい、正しく使用するときでさ
え使用困難である。しかも、１枚物でない印影保
護カバーを貼ろうとするときは、さらに困難であ
る。

そこで、本発明の印影保護カバー用シートは剥
離シートの剥離面上に、容易に延伸し得る程度に
薄いフイルムからなり、しかも、２つの部分以上
に分割され、さらに、一面に強い接着剤からなる
強接着剤層が形成された印影保護カバーが、強接
着剤層を剥離面上に重ねて積層され、さらに印影
保護カバーの上に、容易に剥離し得る程度の弱接
着層が形成された仮接着カバーが弱接着層を印影
保護カバー上に重ねて積層されてなるものであ
る。

この印影保護カバー用シートを製造するには、
剥離シートの剥離面上に、強い接着剤層、及び、
容易に延伸し得る程度に薄いフイルムを積層し、
薄いフイルムに、印影保護カバーの外形となる外
形カツト線及び該印影保護カバーを２つの部分以
上に分割する分割カツト線を入れ、外形カツト線
外の薄いフイルムを、強い接着剤層と共に剥離除
去し、印影保護カバーの上に、下面に弱い接着剤
層を形成した仮接着シートを積層し、仮接着シー
トに、印影保護カバーと重合部分を有するように
カツト線を入れて製造する。

また、印影保護カバー用シートを使用するには
剥離シートの剥離面上に、強い接着剤層、及び、
容易に延伸し得る程度に薄いフイルムを積層し、
薄いフイルムに印影保護カバーの外形となる外形
カツト線及び該印影保護カバーを２つの部分以上
に分割する分割カツト線を入れ、外形カツト線外
の薄いフイルムを、強い接着剤層と共に剥離除去
し、印影保護カバーの上に、下面に弱い接着剤層
を形成した仮接着シートを積層し、仮接着シート
に、印影保護カバーと重合部分を有するようにカ
ツト線を入れ、仮接着カバーを印影保護カバーと
積層したままで剥離シートからはがし、印影保護
カバーが台紙上の印影を覆うように、印影保護カ
バーの強い接着剤層を台紙上に接着した後、仮接
着カバーを印影保護カバーから剥がして使用す
る。

（実施例） 第１図は、本発明の印影保護カバー用シートの
一実施例を示している。図では説明の都合上厚さ
を実際の比率より少し大きく表している。図にお
いて、最も下の１は剥離シートであつて表面１ａ
（図において上面）はシリコンを塗布するなどし
て剥離面に形成されている。中間の２が印影保護
カバーであり、この印影保護カバー２の下面に
は、通帳あるいは台帳等に貼つたとき剥がれない
ように強い接着剤層３が塗布されている。そして
印影保護カバー２は、容易に延伸し得る程度に薄
いフイルムで形成され、しかも、２つの部分以上
に完全に分割されるよう分割カツト線４が入れら
れている。印影保護カバーに使用するフイルムは
印影を判読できる程度以上には透明性を必要とす
るが、特定の銀行用のものであることが明らかと
なり、しかも複製困難とするために、地紋を入れ
たり、銀行名を入れたりする。また分割カツト線
は、印影保護カバーを上下、左右に分割すると共
に内外に分割することもでき、さらに地紋、銀行
名の上に分割カツト線が入るようにすることも好
適である。

容易に延伸し得る程度というのは、剥がそうと
して指で引つ張つた程度でも伸びる程度のこと
で、例えば12μ〜16μ程度の厚さのポリプロプレ
ンフイルムが使用される。

最も上の５は、仮接着カバーであり、仮接着カ
バー５の下面には、弱接着剤層６が形成されてい
る。弱接着剤層６は、剥離面の接着力よりは強い
が、印影保護カバーの強い接着剤層の接着力より
ははるかに弱いもので、印影保護カバーを通帳等
に接着した状態において、印影保護カバーから仮
接着カバーを容易に剥がし得る程度のものが好適
である。仮接着カバー用シートは、任意のものが
使用できる。仮接着カバーは、印影保護カバーが
通帳等に貼付後は剥がすので、この剥がす際に指
をかけ易くするため指かけ部を形成しておけば好
適である。

第２図乃至第４図は、上記印影保護カバー用シ
ートの製造方法を工程順に示している。

第２図は第１工程をし、まず、剥離シート１の
上に印影保護カバー用フイルム２０を、剥離面上
に強接着剤層を重ねるようにして積層した原シー
ト２１に、印影保護カバー２の外形カツト線２
２、及び、印影保護カバーを２つの部分以上に分
割する分割カツト線２３を、同時または別途に入
れる。両カツト線２２，２３を入れた後、外形カ
ツト線２２より外の不要部分２４を強接着剤層と
ともに剥離して除去し印影保護カバー２を残す。
第３図Ａ，Ｂはこの状態を示す。

第４図Ａ，Ｂは次の工程を示しており、印影保
護カバー２の表面上に、下面に弱接着剤層を有す
る仮接着シート２５を被覆し、この仮接着シート
に、印影保護カバー２より一まわり大きいカツト
線２６を入れ、このカツト線２６より外の部分２
７を除去する。

第１図は、このようにして得たものであり、第
５図及び第６図により、この印影保護カバー用シ
ートの印影保護カバーの使用方法を説明する。

７は通帳、台帳など印影を捺印するための台紙
であり、この台紙の印影を覆うように印影保護カ
バーを位置させて、印影保護カバー２を台紙７上
に十分接着させた後、仮接着カバー７のみを剥が
す。これによつて通帳の印影の上に、容易に伸び
易く、しかも２つ以上の部分に分割された印影保
護カバーを、きれいに貼ることができるのであ
る。

なお第７図は、印影保護カバーの分割カツト線
の入れ方の他の例を示しており、内外に２分割す
ると共に、内外分割カツト線４ａを越えるよう
に、線状分割カツト線４ｂを入れたものである。
これは、外形カツト線と分割カツト線とを同時に
入れるのが困難であり、別途入れたときに外形カ
ツト線と線状分割カツト線４ｂの両端とが不一致
となつてもよいので好適である。つまり、万一外
形カツト線よりも分割カツト線が外に出ている
と、外形カツト線外の不用部分を除去する際に、
この不用部分が裂けて、製造工程上トラブルの原
因となるからである。

また第８図は、仮接着カバーに指かけ部５ａを
形成した例を示したものである。

（効 果） 本発明は以上のとおり、印影保護カバーが容易
に延伸し得る厚さのフイルムからなり、しかも、
２つの部分以上に分割されたものであるので、印
影を改ざんしようとしたときに印影保護カバーを
剥がそうとしても、印影保護カバーが伸びて形状
がかわると共に複数片に分かれてしまい、再度貼
付したときに、改ざんされたものであることが判
別容易である。

しかも、剥離紙の上に下面に強い接着剤層を有
する印影保護カバーが積層され、さらにその上に
下面に弱い接着剤層が形成された仮接着カバーが
積層されているので、仮接着カバーと印影保護カ
バーとを一緒にして剥がして通帳等に貼ることが
でき、きわめて伸び易くしかも２つ以上の部分に
分割された印影保護カバーを最初使用するときに
はきれいに貼ることができるものである。

そして、本願の第２の製造方法の発明により、
多量生産を可能となし得ているものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の印影保護カバー用シートの一
実施例を示す斜視図、第２図乃至第４図は製造方
法を示すもので、第２図乃至第４図の各Ａは斜視
図、各Ｂは断面図、第５図、第６図は使用方法を
示す側面図、第７図、第８図は他の実施例を示す
斜視図である。 １……剥離紙、２……印影保護カバー、３……
強い接着剤層、４……分割カツト線、５……仮接
着カバー、６……強い接着剤層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 剥離シートの剥離面上に、容易に延伸し得る
   程度に薄いフイルムからなり、しかも、２つの部
   分以上に分割され、さらに、一面に強い接着剤か
   らなる強接着剤層が形成された印影保護カバー
   が、 強接着剤層を剥離面上に重ねて積層され、 さらに印影保護カバーの上に、容易に剥離し得
   る程度の弱接着層が形成された仮接着カバーが弱
   接着層を印影保護カバー上に重ねて積層されてな
   る 印影保護カバー用シート。 ２ 剥離シートの剥離面上に、強い接着剤層、及
   び、容易に延伸し得る程度に薄いフイルムを積層
   し、 薄いフイルムに、印影保護カバーの外形となる
   外形カツト線及び該印影保護カバーを２つの部分
   以上に分割する分割カツト線を入れ、 外形カツト線外の薄いフイルムを、強の接着剤
   層と共に剥離除去し、 印影保護カバーの上に、下面に弱い接着剤層を
   形成した仮接着シートを積層し、 仮接着シートに、印影保護カバーと重合部分を
   有するようにカツト線を入れることを特徴とする 印影保護カバー用シートの製造方法。 ３ 剥離シートの剥離面上に、強い接着剤層、及
   び、容易に延伸し得る程度に薄いフイルムを積層
   し、 薄いフイルムに印影保護カバーの外形となる外
   形カツト線及び該印影保護カバーを２つの部分以
   上に分割する分割カツト線を入れ、 外形カツト線外の薄いフイルムを、強い接着剤
   層と共に剥離除去し、 印影保護カバーの上に、下面に弱い接着剤層を
   形成した仮接着シートを積層し、 仮接着シートに、印影保護カバーと重合部分を
   有するようにカツト線を入れ、仮接着カバーを印
   影保護カバーと積層したままで剥離シートからは
   がし、 印影保護カバーが台紙上の印影を覆うように、
   印影保護カバーの強い接着剤層を台紙上に接着し
   た後、仮接着カバーを印影保護カバーから剥がす 印影保護カバー用シートの使用方法。