JPH0237626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車用シート装置におけるシート
の支持構造に関する。

（従来の技術） 自動車のシートは、乗降の便などのために車室
フロア上にレール部材を介し前後移動自在に設け
られる場合がある。上記レール部材は、通常、フ
ロア上に支持される左右一対の固定レールを有
し、シートはこの両固定レールに支持される。

上記構成において、シートをフロア上に強固に
支持するため、従来よりレール部材の前後寸法を
長く形成したり、シートの車幅方向中央部にシー
ト下面を支持するローラを設けたりするものがあ
る（例えば、実開昭58−4427号公報）。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記のようにレール部材の寸法を長
くすると、例えば乗降の際にシートを後方に移動
させても、このシートの前下方に固定レールの前
端部が突出することがあり、これは乗降の障害と
なる。また、上記したようにシートの中央部にロ
ーラを設けると、着座者の足元における空間が狭
められ、乗り心地が低下するおそれがある。

（考案の目的） この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、シートをフロア上に強固に支持させ
ると共に、シートを支持するレール部材が乗降の
障害にならないようにし、かつ、着座者の足元に
広い空間が確保されるようにすることを目的とす
る。

（考案の構成） 上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、フロア上にシートを支持するレール
部材を一対の内、外側固定レールで構成し、同上
シートの車幅方向内側部における前後部の少なく
とも二カ所を上記内側固定レールに前後移動自在
に支持させ、一方、同上シートの車幅方向外側部
における後部を上記外側固定レールに前後移動自
在に支持させた点にある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

１は自動車の車室フロアで、このフロア１の車
幅方向中央部にはセンタトンネル２が形成され
る。また、同上フロア１の端部にはサイドシル３
が設けられている。上記サイドシル３の上方には
ドア開口４が形成されており、このドア開口４を
開閉自在とするドア５が設けられる。

上記フロア１の車幅方向一側には車体の前後方
向に延びるレール部材６を介してシート７が前後
移動自在に支持される。このシート７はシートク
ツシヨン７ａとシートバツク７ｂとで構成され
る。

上記レール部材６はセンタトンネル２の側壁部
にブラケツト８を介して支持された内側固定レー
ル１０と、上記サイドシル３に支持された断面ほ
ぼＣ形状の外側固定レール１１とで構成される。

上記内側固定レール１０上には可動レール１２
が設けられる。この内側固定レール１０と可動レ
ール１２との間には内側固定レール１０の前後方
向の全体にわたり複数のローラ１３が介在され
る。そして、このローラ１３の転動によつて可動
レール１２は内側固定レール１０の長手方向に沿
つて前後移動自在とされる。上記可動レール１２
上にシートクツシヨン７ａの車幅方向内側部にお
ける前後部の少なくとも二ケ所が連結具１５，１
５を介して支持されている。

一方、同上シートクツシヨン７ａの車幅方向外
側部における後部が支持アーム１６を介して上記
外側固定レール１１に前後移動自在に支持されて
いる。

上記支持アーム１６はシートクツシヨン７ａ下
面の端部から斜め下方に向つて突設された板金製
アーム本体１７と、このアーム本体１７の突出端
に取り付けられた前後一対の樹脂製スライドピー
ス１９，１９とで構成され、この各スライドピー
ス１９が外側固定レール１１に摺動自在に嵌入さ
れている。

（考案の効果） この考案によれば、シートは内側固定レールと
外側固定レールととによりフロアに対し少なくと
も三点で支持されるため、このシートはフロアに
対し安定した状態で支持される。ところで、この
場合、シートの車幅方向外側部は後部のみが支持
されることからこの部分を支持する外側固定レー
ルには荷重が集中することとなるが、この外側固
定レールは強度の高いサイドシルに支持されてい
るため、外側固定レールはシートの荷重を十分の
強度で支持することができる。この結果、シート
は車室フロア上に強固に支持される。

そして、上記したようにシートの車幅方向外側
部は後部のみが支持されているため、シートの前
部と後部とを支持する場合に比較して外側固定レ
ール前部の長さを短くすることができる。従つ
て、乗降しようとしてシートを後方に移動させた
場合において、シート前方に対するこの外側固定
レールの突出量を小さくでき、よつて、外側固定
レールの前部がその乗降の障害になることは防止
される。

更に、シートは左右の内側、外側固定レールに
支持され、しかも、これが前記したように強固に
支持されているため、従来のようにシートの車幅
方向中央部をフロア上に支持させるためのローラ
は不要であり、この結果、着座者の足元に広い空
間を確保することができ、良好な乗り心地が得ら
れることとなる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は全体斜
視部分切欠図、第２図は正面部分断面図である。 １……フロア、３……サイドシル、６……レー
ル部材、７……シート、１０……内側固定レー
ル、１１……外側固定レール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室フロアの車幅方向端部にサイドシルを設
   け、同上フロアの車幅方向一側にレール部材を介
   してシートを前後移動自在に設け、上記レール部
   材をフロアの車幅方向内側部に支持された内側固
   定レールと、サイドシルに支持された外側固定レ
   ールとで構成した自動車のシート装置において、
   上記シートの車幅方向内側部における前後部の少
   なくとも二カ所を上記内側固定レールに前後移動
   自在に支持させ、一方、同上シートの車幅方向外
   側部における後部を上記外側固定レールに前後移
   動自在に支持させたことを特徴とする自動車用シ
   ートの支持構造。