JPH02300133A - 水溶性高分子化医薬製剤 - Google Patents

水溶性高分子化医薬製剤

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JPH02300133A
JPH02300133A JP1116082A JP11608289A JPH02300133A JP H02300133 A JPH02300133 A JP H02300133A JP 1116082 A JP1116082 A JP 1116082A JP 11608289 A JP11608289 A JP 11608289A JP H02300133 A JPH02300133 A JP H02300133A
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一則 片岡
Noriko Yamada
山田 則子
Shohei Inoue
祥平 井上
Masayuki Yokoyama
昌幸 横山
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、親水性セグメントと、側鎖に薬物を結合せし
めた疎水性の薬理機能セグメントとを有する水溶性ブロ
ック共重合体からなる水溶性高分子化医薬に関するもの
である。
[従来の技術] 低分子薬物を高分子に結合させることにより、薬物の体
内分布を望ましいものとし、薬物の体内半JjυIを増
大させる試みは過去に幾つかなされてきた。しかし、そ
れらの試みで用いられた高分子は単一成分からなるホモ
ポリマーか、2つの成分を交互か順不同に重合させたも
のであった。
(発明が解決する課題〕 従来の上記のようなポリマーの場合においては、薬効を
上昇させるために薬物の担持量を多くすると薬物の疎水
性により、水溶性が低下する欠点があり、本発明の課題
は、薬物の担持量を多くしても水溶性が低下しない水溶
性の高分子化医薬を提供することにある。
〔課題を解決するための手段] 本発明者らは、従来の高分子化医薬の持つ欠点を解消し
うる高分子化医薬の開発を試み、鋭意研究を行った結果
、今回、親水性の第1のセグメントと第2のセグメント
から成るブロックコポリマーのうち第2のセグメントに
薬物を選択的に導入することで、この第2のセグメント
成分を疎水性化することにより、第2のセグメントを内
核に、第1のセグメントを外側とするミセルを形成させ
ることで薬物の導入に伴う水溶性の低下、沈澱の生成を
防ぐことに成功したものであり、本発明者らが開発した
高分子化医薬はミ、セルを形成することで良好な水溶性
を有すると共に、水溶液中での薬品としての安定性も、
元の薬物よりも増大させることができるものである。
すなわち、本発明は、 (1)親水性セグメントと、側鎖に薬物を結合せしめた
疎水性の薬理機能セグメントとを有する水溶性のブロッ
ク共重合体からなる水溶性高分子化医薬。
(2)薬理機能セグメントを内核に親水性セグメントを
外植とするミセルを形成するものである(+)記載の水
溶性高分子化医薬。
(3)薬物が抗ガン剤である(1)記載の水溶性高分子
化医薬。
(4)抗ガン剤がアドリアマイシンである(1)記載の
水溶性高分子化医薬。
(5)ブロック共重合体が下記式Iで表される(1)記
載の水溶性高分子化医薬。
C1h(OCII□CIl□+T N11(COC11
N+1h7dCOCH2CIINH−)T+1CHzC
O−RC0−R を表わし、口は5〜400、mは1〜300、およびX
はO〜300の整数を示すが、Rの少なくとも1ものと
する。) (6)親水性セグメントと、薬物と結合可能な側鎖を存
し、該薬物を結合した場合において疎水性となる第2の
セグメントからなる薬物担持用(け体。
(7)下記式IIで表される(6)記載の薬物担持用担
体。
Cl1zCOOHC00il (II) (但し、式中、nは5〜400、mは1〜300、Xは
0〜300の整数を示す。) (8)下記式Iで表わされるブロック共重合体。
CII :1(OCHzCll z +T N II 
(COCIINII+T7+cOcIl 2C1(NH
χyiトCIl□Go−RCo−R (+) を表わし、nは5〜400、mは1〜300、およびX
は0〜300の整数を示すが、Rの少なくとも1ものと
する。) (9)下記式IIで表わされるブロック共重合体。
CIl□C00II    COO11(If) (但し、式中、nは5〜400、mは1〜300、Xは
0〜300の整数を示す。) に関する。
本発明における親水性の第1のセグメントとしては、例
えばポリエチレングリコール、ポリサッカライド、ポリ
アクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エ
ステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアミノ酸等ある
いはこれらの誘導体由来のセグメントか、また、薬物と
結合して疎水化する第2のセグメントとしては側鎖にポ
リアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリリンゴ酸、ポリ
乳酸、ポリアルキレンオキシド、長鎖アルコール等ある
いはこれらの誘導体由来のセグメントが挙げられる。
更に、第2のセグメントに結合させる薬物としては、例
えばアドリアマイシン、ダウンマイシン。
メソトレキセート、マイトマイシンC等の抗ガン剤、中
枢神経系用架、末梢神経系用薬、アレルギー用薬 11
a環器官用薬、呼吸器官用架、消化器官用薬、ホルモン
剤1代謝性医薬品、抗生物質、化学療法剤等の薬物が挙
げられる。
以下に、ポリエチレングリコール銹導体由来のセグメン
トとポリアスパラギン酸由来のセグメントからなるブロ
ックコポリマーで、抗ガン剤のアドリアマイシンをポリ
アスパラギン酸セグメントに結合させた場合を例にとり
、本発明を更に詳述する。
第1図はポリエチレングリコールとポリアスパラギン酸
の2成分からなるブロックコポリマーで、抗ガン剤のア
ドリアマイシンをポリアスパラギン酸の側鎖カルボキシ
ル基に体内で加水分解可能なアミド結合で結合させた場
合における、本発明の高分子化医薬の構造概略図である
この高分子化医薬の合成は、以下の反応式に示すごとく
β−ベンジル し−アスパルテ−トN −カルボン酸無
水物(BLA−NCA)を、片末端メトキシ基等のアル
コキシ基、片末端1級アミノ基のポリエチレングリコー
ル(分子1250−1800)を開始剤として重合させ
、ポリエチレングリコール−ポリ (β−ベンジル し
−アスパルテート)ブロックコポリマー(PEC,−P
BLA)を得、次いでこのPEC,−PBLAをアルカ
リ加水分解して本発明の薬物担持用担体であるポリエチ
レングリコール−ポリアスパラギン酸ブロックコポリマ
ー(PEG−P  (Asp))を得る。このPEG−
P(Asp)のアスパラギン酸残基の80%がアルカリ
加水分解の際にβ−アミド化している。このPEG −
P (Asp)に抗ガン剤のアドリアマイシンと水溶性
カルボジイミド(E D C)を加えることによりアド
リアマイシンの1級アミノ基とポリアスパラギン酸セグ
メントの側iriカルボキシル基との間にアミド結合を
形成させて、高分子化医薬PEG−P (Asp(AD
R) )を得ることにより行う。
上記において得られたPEG−P (Asp)及びPE
G−P (八5p(A D R) )のいずれも化学物
質として新規なものである。
PEG−PBLA −→Cl1xiCII□CI+2−h−NH(Co(J
INHdCOCH□CIINI+)−、+1P E G
 −P (Asp) (但し、式中、RはOHあるいは 数をを示すが、Rの少な(とも1つ以上はポリアスパラ
ギン酸(PAsp)部分の分子量は116から35,0
00まで可変であり、また、アドリアマイシンの置換率
(アスパラギン酸残基に対して)はP Aspの分子量
が1900の場合12〜33mo1%、また、io、 
oooの場合3〜37mo1%のものを得ている。
合成した高分子医薬はいずれの場合も高いアト。
リアマイシン置換率にもかかられず良好な水溶性を有し
ており、凍結乾燥したり濃縮したり (アドリアマイシ
ン換算20mg7m1> L、でもその水溶性は保たれ
ている。
そして、この高分子化医薬は元のアドリアマイシン(A
DR)に比べて医薬としての高い安定性を有している。
またこの高分子化医薬は水溶液中でミセルを形成する。
そのミセルの大きさは約3゜n−から200nmの直径
である。また、そのミセルを壊すには界面活性剤SDS
の添加という極端にきびしい条件が必要であることが明
らかとなり、木簡分子ミセルの水中での安定性が示され
た。また、超音波照射、あるいは凍結乾燥によってもミ
セル形成能に変化はみられなかった。
合成した高分子化医薬の抗ガン活性は表1に示すように
元のアドリアマイシンよりも高いものであった。しかも
その高い抗ガン活性は元のアドリアマイシンよりも少な
い副作用の範囲で達成された。
n−例」− β−ベンジル し−アルパルテート N−カルボン酸無
水物(BLA−NCA、7.21 g )をN。
N′−ジメチルホルムアミド し、クロロホルム60mlを加える。片末端メトキシ基
片末端アミノ基のポリエチレングリコール(分子量43
00) 6.00gをクロロホルム60mlに?容かし
てその溶液をBLA−NCA溶液に加える。70時間後
に反応混合液を21のジエチルエーテルに滴下して沈澱
したポリマーをろ過で回収して、ジエチルエーテルで洗
浄した後に真空で乾燥してポリエチレングリコールーポ
リ (β−ベンジル し−アスパルテート)ブロックコ
ポリマー(PEG−PBLA)を得る。収量10.09
 g  (84%)。
PEC−PBLA 10.03gをLOOmffiクロ
ロホルクロロホルム:メタノール:1−プロパツール=
1:’1:2(体積割合)に水酸化ナトリウムを0、4
3N溶かしたアルカリ混合液をPEG−PBLA熔液に
加える。そのアルカリの等量はPBLA部分のベンジル
エステルの1. 5倍になるようにした。0°C、10
分かくはん後、22のジエチルエーテルに滴下する。沈
澱したポリマーをろ別して、20mlの蒸留水に溶かし
てSpectrapor 7透析膜(分子最分画−10
00)を用いて水中で39時間透析する。
膜内の溶液を凍結乾燥してポリエチレングリコール−ポ
リアスパラギン酸ブロックコポリマー〔PEC−P (
八sp) )を得る。収ffi3.94g  (49%
)このブロックコポリマー鎖1本当り、17個のアスパ
ラギン酸残基があることがプロトンNMRの測定により
わかった。
この(PEG−P (八sp) ) 230.3+ng
を1 mlの蒸留水に溶かしておく。アドリアマイシン
塩酸塩349、2 mgを260dのDMFに溶かし、
1.3倍等尾のトリエチルアミンを加える。アドリアマ
イシン溶液に(PEG−P (Asp))水溶液を加え
、さらに水溶性カルボジイミド(E D C)を886
雁加えて、0°Cで4時間かくはんする。その後、水溶
性カルボジイミド886dをもう一度加えて室温下19
時間かくはんする。反応混合液をSpectraρor
7透析膜(分子量分画一1000)を用いて0. 1 
M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)中で3時間透析
する。透析後、AmiconYM30の膜で限外濾過し
て未反応のアドリアマイシンやその他の低分子物を除く
。得られたフ′口・ンクコポリマーPEG−P (八s
p(A DR)〕中のアドリアマイシン含率は、アスパ
ラギン酸残基に対して31mo1%であった。(485
nmの吸収より)同様の手順で、ポリエチレングリコー
ルの分子量が4000から6000、ブロックコポリマ
ー1本鎖当りアスパラギン酸残基が17から92まで、
アドリアマイシン含率が9mo1%から37mo 1%
のものが合成でき、それらはすべて良好な水溶性を示し
た。
尖MJL健乙 PEG−P (Asp(ADR))(PEGの分子量4
300、ブロックコポリマー1本鎖当り17個のアスパ
ラギン酸残基、アドリアマイシン31…O1%のもの)
のリン酸等張?Fj.(pH7.4)中でのミセル径は
レーザー光散乱により重量平均57nm,数平均49n
mと測定された。 (図6参照)また、図3に示すよう
にゲルろ過H P L Cでは、界面活性剤であるドデ
シル硫酸ナトリウム(S D S)の添加により元のピ
ークの大部分が低分子量側に移動することより、SDS
による高分子量ミセルの破壊が観察された。
また、図4に示すように、アドリアマイシンに基づく蛍
光がミセル形成による局部的な高濃度のために消光し、
その消光がSDS添加によってミセルが壊れることで解
消していることがわかる。その他の割合のものも30n
mから80nmの直径を有するミセルであった。
図3はpH7.4のリン酸緩衝液中(37’C)でアド
リアマイシン特有の485nmの吸収強度を経時的に追
跡したものである。アドリアマイシンが100時間以内
にその吸収を半減するのに対し、合成された高分子化医
薬では168時間経過後も約90%の吸収が保持され、
極めて安定であることがわかる。
災旌拠主 CDFIメスのマウスにP388マウス白血病細胞を1
06個腹腔内に投与し、24時間後に生理食塩水に?容
かしたPEG−P (八5p(ADR) )  (PE
Gの分子量4300、ブロックコポリマー1本鎖当り1
7個のアスパラギン酸残基、アドリアマイシン31mo
1%のもの)腹腔内に投与した。コントロール(1日後
に生理食塩水を投与)に対する生存日数の比(T/C)
と体重変化を測定した。1群は6匹で行った。結果を表
1に示す。アドリアマイシン(ADR)ではT/Cは最
大381%であるのに対し高分子化医薬ではADR換算
200mg/kgにて490%以上という大きな値を得
た。さらに副作用の度合を示す体重減少においてもAD
RでT/Cが381%得られた投与量において12.5
%の減少を示したのに対し、高分子化医薬では最大7.
4%しか減少していない。このことより、合成した高分
子化医薬はADRに比較して少ない副作用で大きな抗ガ
ン゛活性があることがわかった。
(本頁以下余白) 表1 マウスP388白血病に対する抗ガン活性へDR
7,515,3191+4.4 ADR1530,5381−12,5 八DR30G、5      81    −17.I
PEG−P(八sp(ΔDR))      80  
    18.0     225     +  6
.1PEG−P(八sp(八DR))     120
     32.5     382    −5.5
PEG−P(Asp(ADR))  200   >4
2.0   >490  −7.41)無処置二8.0
〜8.6日 (発明の効果〕 本発明の高分子化医薬は薬物の担持kを増やしても良好
な水溶性を保持するとともに医薬として高い安定性を有
しており、しかも副作用も軽減され、したがって、本発
明により極めて有用な医薬を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の高分子化医薬製剤PEG−P〔八5
p(ADR))の構造概略図を示し、第2図は、アドリ
アマイシン(ADR)及び本発明の高分子化医薬製剤P
 E G −P (Asp(A D H))の485n
Imの吸収強度の経時変化を示し、第3図は、本発明の
高分子化医薬製剤PEG−P (八5p(ADR))、
及び該製剤に界面活性剤SDSを加えた場合のゲルろ過
HP L Cによる分析結果を示し、第4図は、本発明
の高分子化医薬製剤PEG−P (Asp(ADR))
、及び該製剤に界面活性剤SDSを加えた場合の蛍光分
析結果を示し、第5図は本発明の高分子化医薬製剤PE
G−P (Asp(ADR) )のミセル径の分布状態
をレーザー光散乱により測定した結果を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)親水性セグメントと、側鎖に薬物を結合せしめた
    疎水性の薬理機能セグメントとを有する水溶性のブロッ
    ク共重合体からなる水溶性高分子化医薬。
  2. (2)薬理機能セグメントを内核に親水性セグメントを
    外核とするミセルを形成するものである請求項(1)記
    載の水溶性高分子化医薬。
  3. (3)薬物が抗ガン剤である請求項(1)記載の水溶性
    高分子化医薬。
  4. (4)抗ガン剤がアドリアマイシンである請求項(1)
    記載の水溶性高分子化医薬。
  5. (5)ブロック共重合体が下記式 I で表される請求項
    (1)記載の水溶性高分子化医薬。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) (式中、RはOHあるいは▲数式、化学式、表等があり
    ます▼ を表わし、nは5〜400、mは1〜300、およびx
    は0〜300の整数を示すが、Rの少なくとも1つ以上
    は▲数式、化学式、表等があります▼を表わすものとす
    る。)
  6. (6)親水性セグメントと、薬物と結合可能な側鎖を有
    し、該薬物を結合した場合において疎水性となる第2の
    セグメントからなる薬物担持用担体。
  7. (7)下記式IIで表される請求項(6)記載の薬物担持
    用担体。 ▲数式、化学式、表等があります▼ (II) (但し、式中、nは5〜400、mは1〜300、xは
    0〜300の整数を示す。)
  8. (8)下記式 I で表わされるブロック共重合体。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) (式中、RはOHあるいは▲数式、化学式、表等があり
    ます▼ を表わし、nは5〜400、mは1〜300、およびx
    は0〜300の整数を示すが、Rの少なくとも1つ以上
    は▲数式、化学式、表等があります▼を表わすものとす
    る。)
  9. (9)下記式IIで表わされるブロック共重合体。 ▲数式、化学式、表等があります▼ (II) (但し、式中、nは5〜400、mは1〜300、xは
    0〜300の整数を示す。)
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