JP7322726B2 - プロジェクター - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のプロジェクターでは、室内ユニットは、RGBの各レーザークラスター、光学合成部及び投写レンズを備える他、RGBのレーザー吸熱器、第1冷媒配管、ドレインパイプ及び電子膨張弁を備えている。室外ユニットは、第2冷媒配管、冷却装置及び冷媒加熱ヒーターを備える。室内ユニットと室外ユニットとの間には、第1冷媒配管の一端と第2冷媒配管の一端とを接続するとともに、第1冷媒配管の他端と第2冷媒配管の他端とを接続する冷媒配管と、通信線とが配設されている。
第2冷媒配管は、冷媒配管を介して第1冷媒配管とともに、環状の冷媒経路を形成する。冷媒は、電子膨張弁の一端、各レーザー吸熱器、冷媒加熱ヒーター、冷却装置の冷媒圧縮機及び凝縮器、電子膨張弁の他端の順に循環する。
冷媒圧縮機は、冷媒ガスを圧縮することにより、冷媒ガスを高温化及び高圧化する。凝縮器は、高温化及び高圧化された冷媒ガスを、ファンによって室外ユニットの外部から流入された外気と熱交換することにより、冷媒ガスを高圧の液冷媒にする。
電子膨張弁は、高圧の液冷媒を減圧して、気化しやすい液冷媒にする。なお、電子膨張弁は、第1冷媒配管内の冷媒の減圧量を制御することによって、冷媒の蒸発温度を制御し、冷媒の潜熱効果により各レーザー吸熱器を冷却する。
なお、冷媒が完全に気化されない状態で冷媒圧縮機に流入すると、冷媒圧縮機に悪影響が生じるため、冷媒加熱ヒーターによって冷媒圧縮機に流入される冷媒を加熱している。
以下、本開示の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1Aの外観を示す斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Aは、光源から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像をスクリーン等の被投射面に拡大して投射する画像表示装置である。プロジェクター1Aは、図1に示すように、プロジェクター1Aの外装を構成する外装筐体2を備える。
外装筐体2は、天面部21、底面部22、正面部23、背面部24、左側面部25及び右側面部26を有し、略直方体形状に形成されている。
底面部22は、プロジェクター1Aが載置される設置面と接触する複数の脚部221を有する。
正面部23は、外装筐体2において画像の投射側に位置する。正面部23は、後述する投射光学装置36の一部を露出させる開口部231を有し、投射光学装置36によって投射される画像は、開口部231を通過する。また、正面部23は、プロジェクター1A内の冷却対象を冷却した冷却気体を外装筐体2の外部に排出する排気口232を有する。
右側面部26は、外装筐体2外の空気等の気体を冷却気体として内部に導入する導入口261を有する。
図2は、プロジェクター1Aの内部構成を示す模式図である。
プロジェクター1Aは、図2に示すように、外装筐体2内に収容される画像投射装置3を更に備える。この他、図2では図示を省略するが、プロジェクター1Aは、冷却対象と、冷却対象を冷却する冷却装置5A(図3参照)と、プロジェクター1Aの動作を制御する制御装置、及び、プロジェクター1Aの電子部品に電力を供給する電源装置と、を備える。
画像投射装置3は、制御装置から入力される画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像を投射する。画像投射装置3は、光源装置4、均一化部31、色分離部32、リレー部33、画像形成部34、光学部品用筐体35及び投射光学装置36を備える。
光源装置4は、照明光を出射する。光源装置4の構成については、後に詳述する。
色分離部32は、均一化部31から入射される光を赤、緑及び青の各色光に分離する。色分離部32は、2つのダイクロイックミラー321,322と、ダイクロイックミラー321によって分離された青色光を反射させる反射ミラー323と、を備える。
光変調装置343は、光源装置4から出射された光を画像情報に応じて変調する。光変調装置343は、赤色光用の光変調装置343R、緑色光用の光変調装置343G及び青色光用の光変調装置343Bを含む。本実施形態では、光変調装置343は、透過型の液晶パネルによって構成されており、入射側偏光板342、光変調装置343、出射側偏光板345によって液晶ライトバルブが構成される。
色合成部346は、光変調装置343B,343G,343Rによって変調された各色光を合成して画像を形成する。本実施形態では、色合成部346は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、これに限らず、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
詳しくは後述するが、プロジェクター1Aは、光学部品用筐体35によって一部が形成される密閉筐体SC(図4参照)を有する。密閉筐体SCは、画像形成部34を構成する入射側偏光板342、光変調装置343、視野角補償板344、出射側偏光板345及び色合成部346を内部に収容する。入射側偏光板342、光変調装置343、視野角補償板344、出射側偏光板345及び色合成部346は、密閉筐体SC内を循環する冷却気体によって冷却される。密閉筐体SC内の冷却気体は、冷却装置5Aの構成要素のうち、密閉筐体SC内に配置される第2蒸発部56(図4参照)によって冷却される。
図3は、光源装置4の構成を示す模式図である。
光源装置4は、照明光を均一化部31に出射する。光源装置4は、図3に示すように、光源用筐体CAと、光源用筐体CA内に収容される光源部41、アフォーカル光学素子42、ホモジナイザー光学素子43、偏光分離素子44、第1集光素子45、波長変換素子46、第1位相差素子47、第2集光素子48、拡散反射部49及び第2位相差素子RPと、を備える。
光源用筐体CAは、塵埃等が内部に侵入しづらい密閉筐体として構成されている。
波長変換素子46、第1集光素子45、偏光分離素子44及び第2位相差素子RPは、光源装置4に設定され、かつ、照明光軸Ax1に直交する照明光軸Ax2上に配置されている。照明光軸Ax2は、レンズアレイ311の位置にて、照明光軸Axと一致する。換言すると、照明光軸Ax2は、照明光軸Axの延長線上に設定されている。
光源部41は、光を出射する光源411及びコリメーターレンズ415を備える。
光源411は、複数の第1半導体レーザー412及び複数の第2半導体レーザー413と、支持部材414と、を備える。
第1半導体レーザー412は、励起光であるs偏光の青色光L1sを出射する。青色光L1sは、例えば、ピーク波長が440nmのレーザー光である。第1半導体レーザー412から出射された青色光L1sは、波長変換素子46に入射される。
第2半導体レーザー413は、p偏光の青色光L2pを出射する。青色光L2pは、例えば、ピーク波長が460nmのレーザー光である。第2半導体レーザー413から出射された青色光L2pは、拡散反射部49に入射される。
なお、本実施形態では、光源411は、s偏光の青色光L1sと、p偏光の青色光L2pとを出射する構成である。しかしながら、これに限らず、光源411は、偏光方向が同じ直線偏光光である青色光を出射する構成としてもよい。この場合、入射された1種類の直線偏光をs偏光及びp偏光が含まれる光とする位相差素子を、光源部41と偏光分離素子44との間に配置すればよい。
アフォーカル光学素子42は、光源部41から入射される青色光L1s,L2pの光束径を調整して、ホモジナイザー光学素子43に入射させる。アフォーカル光学素子42は、入射される光を集光するレンズ421と、レンズ421によって集光された光束を平行化するレンズ422とにより構成されている。
ホモジナイザー光学素子43は、青色光L1s,L2pの照度分布を均一化する。ホモジナイザー光学素子43は、一対のマルチレンズアレイ431,432により構成されている。
ホモジナイザー光学素子43を通過した青色光L1s,L2pは、偏光分離素子44に入射する。
偏光分離素子44は、プリズム型の偏光ビームスプリッターであり、入射される光に含まれるs偏光成分とp偏光成分とを分離する。具体的に、偏光分離素子44は、s偏光成分を反射させ、p偏光成分を通過させる。また、偏光分離素子44は、s偏光成分及びp偏光成分のいずれの偏光成分であっても、所定波長以上の光を通過させる色分離特性を有する。従って、s偏光の青色光L1sは、偏光分離素子44にて反射され、第1集光素子45に入射する。一方、p偏光の青色光L2pは、偏光分離素子44を通過して、第1位相差素子47に入射する。
第1集光素子45は、偏光分離素子44にて反射された青色光L1sを波長変換素子46に集光する。また、第1集光素子45は、波長変換素子46から入射される蛍光YLを平行化する。図3の例では、第1集光素子45は、2つのレンズ451,452によって構成されているが、第1集光素子45を構成するレンズの数は問わない。
波長変換素子46は、入射された光によって励起されて、入射された光より波長が長い蛍光YLを生成し、蛍光YLを第1集光素子45に出射する。換言すると、波長変換素子46は、入射された光の波長を変換し、変換された光を出射する。波長変換素子46によって生成された蛍光YLは、例えば、ピーク波長が500~700nmの光である。波長変換素子46は、波長変換部461及び放熱部462を備える。
波長変換部461は、図示を省略するが、波長変換層及び反射層を有する。波長変換層は、入射される青色光L1sの波長を変換した非偏光光である蛍光YLを拡散して出射する蛍光体を含む。反射層は、波長変換層から入射される蛍光YLを第1集光素子45側に反射させる。
放熱部462は、波長変換部461における光入射側とは反対側の面に設けられ、波長変換部461にて発生した熱を放出する。
なお、波長変換素子46は、モーター等の回転装置によって、照明光軸Ax2と平行な回転軸を中心として回転される構成であってもよい。
第1位相差素子47は、偏光分離素子44と第2集光素子48との間に配置されている。第1位相差素子47は、偏光分離素子44を通過した青色光L2pを円偏光の青色光L2cに変換する。青色光L2cは、第2集光素子48に入射される。
第2集光素子48は、第1位相差素子47から入射される青色光L2cを拡散反射部49に集光する。また、第2集光素子48は、拡散反射部49から入射される青色光L2cを平行化する。なお、第2集光素子48を構成するレンズの数は、適宜変更可能である。
拡散反射部49は、波長変換素子46から出射される蛍光YLと同様の拡散角で、入射された青色光L2cを反射して拡散させる。拡散反射部49の構成として、入射された青色光L2cをランバート反射させる反射板と、反射板を照明光軸Ax1と平行な回転軸を中心として回転させる回転装置とを備える構成を例示できる。
拡散反射部49にて反射された青色光L2cは、第2集光素子48を通過した後、第1位相差素子47に入射される。青色光L2cは、拡散反射部49にて反射される際に、回転方向が反対方向の円偏光に変換される。このため、第2集光素子48を介して第1位相差素子47に入射された青色光L2cは、偏光分離素子44から第1位相差素子47に入射された際のp偏光の青色光L2pではなく、s偏光の青色光L2sに変換される。そして、青色光L2sは、偏光分離素子44にて反射されて、第2位相差素子RPに入射される。すなわち、偏光分離素子44から第2位相差素子RPに入射される光は、青色光L2s及び蛍光YLが混在した白色光である。
第2位相差素子RPは、偏光分離素子44から入射される白色光をs偏光及びp偏光が混在する光に変換する。このように変換された白色の照明光WLは、上記した均一化部31に入射される。
図4は、冷却装置5Aを示す模式図である。なお、図4では、作動流体の流通方向を点線の矢印にて示し、密閉筐体SC内での冷却気体の流通方向を斜線付きの矢印にて示している。
冷却装置5Aは、プロジェクター1Aを構成する冷却対象を冷却する。具体的に、冷却装置5Aは、液相及び気相の間で相変化する作動流体を循環させて、冷却対象を冷却する。冷却対象は、第1冷却対象CT1及び第2冷却対象CT2を含む。冷却装置5A、第1冷却対象CT1、及び第2冷却対象CT2は、図4に示すように、外装筐体2により収容される。第1冷却対象CT1の管理温度範囲は、第1温度範囲であり、第1冷却対象CT1は、本実施形態では光源411を含む。第2冷却対象CT2の管理温度範囲は、第1温度範囲よりも低い第2温度範囲であり、第2冷却対象CT2は、本実施形態では光変調装置343を含む。すなわち、第2冷却対象CT2の管理温度範囲は、第1冷却対象CT1の管理温度範囲よりも低い。
なお、第1温度範囲の下限値は、第2温度範囲の上限値よりも低くてもよい。この場合、第1温度範囲の中間値は、第2温度範囲の中間値よりも高くてもよい。
配管58は、第1配管581、第2配管582、第3配管583、第4配管584、第5配管585及び第6配管586を有する。
第1配管581は、第1圧縮部51と凝縮部52とを接続し、第2配管582は、凝縮部52と第1膨張部53及び第2膨張部55とを接続する。第3配管583は、第1膨張部53と第1蒸発部54とを接続し、第4配管584は、第1蒸発部54及び第2圧縮部57と第1圧縮部51とを接続する。第5配管585は、第2膨張部55と第2蒸発部56とを接続し、第6配管586は、第2蒸発部56と第2圧縮部57とを接続する。
分流管5821は、凝縮部52と枝管5822,5823とを接続する。分流管5821は、凝縮部52から流入された作動流体が内部を流通し、第1膨張部53及び第2膨張部55に向けて作動流体を分流する。
枝管5822は、分流管5821と第1膨張部53とを接続する。枝管5822は、分流管5821にて分流された一部の作動流体を第1膨張部53に流通させる。枝管5822は、第1枝管に相当する。
枝管5823は、分流管5821と第2膨張部55とを接続する。枝管5823は、分流管5821にて分流された他の作動流体を、第2膨張部55に流通させる。枝管5823は、第2枝管に相当する。
しかしながら、これに限らず、枝管5822を介して第1膨張部53に流通する作動流体の流量と、枝管5823を介して第2膨張部55に流通する作動流体の流量とは同じであってもよい。また、枝管5822を介して第1膨張部53に流通する作動流体の流量が、枝管5823を介して第2膨張部55に流通する作動流体の流量よりも小さくてもよい。
枝管5841は、第1蒸発部54と合流管5843とを接続する。枝管5841は、第1蒸発部54から流通する作動流体を合流管5843に流通させる。枝管5841は、第1接続管に相当する。
枝管5842は、第2圧縮部57と合流管5843とを接続する。枝管5842は、第2圧縮部57から流通する作動流体を合流管5843に流通させる。枝管5842は、第2接続管に相当する。
合流管5843は、枝管5841,5842と、第1圧縮部51とを接続する。合流管5843は、枝管5841を介して第1蒸発部54から流通する作動流体と、枝管5842を介して第2圧縮部57から流通する作動流体とを合流させて、第1圧縮部51に流通させる。
第1圧縮部51は、気相の作動流体を圧縮する。すなわち、第1圧縮部51は、第4配管584から流入する気相の作動流体を圧縮することによって、気相の作動流体を高温化及び高圧化する。第1圧縮部51にて高温化及び高圧化された気相の作動流体は、第1配管581を介して凝縮部52に流通する。
凝縮部52は、第1配管581を介して第1圧縮部51と接続されている。凝縮部52は、第1圧縮部51によって圧縮された気相の作動流体、すなわち、高温化及び高圧化された気相の作動流体を液相の作動流体に凝縮する。具体的に、凝縮部52は、圧縮された気相の作動流体と、外装筐体2の外部から内部に導入されて冷却ファン59によって凝縮部52に流通する冷却気体との間にて熱交換することにより、気相の作動流体を高圧の液相の作動流体に凝縮する。
第1膨張部53は、減圧器であり、第2配管582を介して凝縮部52と接続されている。詳述すると、第1膨張部53は、分流管5821及び枝管5822を介して凝縮部52と接続されている。第1膨張部53には、凝縮部52にて凝縮された液相の作動流体のうち、一部の作動流体が流入する。
第1膨張部53は、凝縮部52によって凝縮された一部の液相の作動流体を減圧して、作動流体の状態を、液相及び気相が混相した状態に変化させる。すなわち、第1膨張部53は、作動流体の温度を低下させる。第1膨張部53は、例えば液相の作動流体の蒸発温度を制御可能な膨張弁、詳しくは電子膨張弁によって構成されている。
第1蒸発部54は、第3配管583を介して第1膨張部53と接続されている。第1蒸発部54には、第1膨張部53から、液相及び気相が混相した状態の作動流体が流通する。
第1蒸発部54は、上記のように、熱伝達部材TMを介して光源411の支持部材414と接続されており、複数の第1半導体レーザー412及び複数の第2半導体レーザー413にて発生した熱は、支持部材414及び熱伝達部材TMを介して、第1蒸発部54に伝達される。すなわち、第1蒸発部54は、光源411と熱伝達可能に接続されており、第1蒸発部54には、光源411の熱が伝達される。
第1蒸発部54は、第4配管584の枝管5841及び合流管5843を介して第1圧縮部51と接続されている。第1蒸発部54は、変化された気相の作動流体を、第4配管584を介して第1圧縮部51へ排出する。
第2膨張部55は、減圧器であり、第2配管582を介して凝縮部52と接続されている。詳述すると、第2膨張部55は、第2配管582の分流管5821及び枝管5823を介して凝縮部52と接続されている。第2膨張部55には、凝縮部52にて凝縮された液相の作動流体のうち、他の作動流体が流入する。
第2膨張部55は、凝縮部52によって凝縮された他の液相の作動流体を減圧して、作動流体の状態を液相及び気相が混相した状態に変化させることにより、作動流体の温度を低下させる。このような第2膨張部55としては、第1膨張部53と同様に、例えば膨張弁、詳しくは電子膨張弁によって構成されている。
なお、第1膨張部53を構成する膨張弁の開度、及び、第2膨張部55を構成する膨張弁の開度は、個別に調整可能である。換言すると、第1膨張部53から流出される作動流体の温度と、第2膨張部55から流出される作動流体の温度とは、個別に調整可能である。
第2蒸発部56は、第5配管585を介して第2膨張部55と接続されている。第2蒸発部56には、第5配管585を介して、第2膨張部55にて減圧された作動流体が流入する。
第2蒸発部56は、上記のように、入射側偏光板342、光変調装置343、視野角補償板344、出射側偏光板345及び色合成部346が内部に配置された密閉筐体SC内に設けられている。第2冷却対象CT2は、入射側偏光板342、光変調装置343、視野角補償板344、出射側偏光板345及び色合成部346を含む。例えば、第2冷却対象CT2は、光変調装置343及び出射側偏光板345のうち少なくともいずれかとすることができる。すなわち、本実施形態では、第2冷却対象CT2は、少なくとも光変調装置343を含むが、第2冷却対象CT2は、少なくとも出射側偏光板345を含んでもよい。このように、プロジェクター1Aは、第2冷却対象CT2及び第2蒸発部56が内部に配置された密閉筐体SCを備える。
第2蒸発部56は、第2冷却対象CT2のうち少なくとも1つの熱源から受熱した密閉筐体SC内の冷却気体の熱、すなわち、第2冷却対象CT2から伝達された熱によって、第2膨張部55から流入する液相の作動流体を蒸発させて気相の作動流体に変化させる。これにより、第2蒸発部56は、密閉筐体SC内の冷却気体を冷却する。すなわち、第2蒸発部56から第6配管586を介して第2圧縮部57に流通する作動流体は、気相の作動流体である。
第2圧縮部57は、第6配管586を介して第2蒸発部56と接続されている。また、第2圧縮部57は、第4配管584を介して第1圧縮部51と接続されている。
第2圧縮部57は、第6配管586を介して第2蒸発部56から流入する気相の作動流体を圧縮する。すなわち、第2圧縮部57は、気相の作動流体を高温化及び高圧化する。第2圧縮部57によって圧縮された気相の作動流体は、第4配管584の枝管5842を流通し、枝管5841を流通する気相の作動流体と合流管5843にて合流して、第1圧縮部51に流通する。すなわち、第2圧縮部57は、圧縮された気相の作動流体を、第4配管584を介して第1圧縮部51へ排出する。
第2圧縮部57の駆動周波数と第1圧縮部51の駆動周波数とは、略同じである。これにより、駆動周波数の位相が一致するタイミングにて、各圧縮部51,57にて発生する騒音が大きくなることを抑制できる。なお、第1圧縮部51の駆動周波数と第2圧縮部57の駆動周波数とが略同じであるとは、各駆動周波数が同じであることを含む。
ここで、第1膨張部53に流通する作動流体が、液相及び気相が混相した状態の作動流体であると、第1膨張部53が作動流体を膨張させようとした場合に、異音が発生する可能性がある。第2膨張部55においても同様である。
これに対し、凝縮部52にて液相に変化された作動流体が、第2配管582を介して、第1膨張部53及び第2膨張部55のそれぞれに流通する。これにより、第1膨張部53及び第2膨張部55における作動流体の膨張時に異音が発生することを抑制できる。従って、冷却装置5A、ひいては、プロジェクター1Aの静音化を図ることができる。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Aは、以下の効果を奏することができる。
例えば、プロジェクター1Aは、光源411から出射された光を変調して投射する。プロジェクター1Aは、第1冷却対象CT1と、第2冷却対象CT2と、第1冷却対象CT1及び第2冷却対象CT2を冷却する冷却装置5Aと、第1冷却対象CT1、第2冷却対象CT2及び冷却装置5Aを収容する外装筐体2と、を備える。冷却装置5Aは、第1配管581、第2配管582、第3配管583、第4配管584、第5配管585及び第6配管586と、第1圧縮部51、凝縮部52、第1膨張部53、第1蒸発部54、第2膨張部55、第2蒸発部56及び第2圧縮部57と、を備える。
凝縮部52は、第1配管581を介して第1圧縮部51と接続されている。凝縮部52は、第1圧縮部51によって圧縮された気相の作動流体を液相の作動流体に凝縮する。
第1膨張部53は、第2配管582を介して凝縮部52と接続されている。第1膨張部53は、凝縮部52によって凝縮された一部の液相の作動流体を減圧して、作動流体の状態を、液相及び気相が混相した状態に変化させる。
第1蒸発部54は、第3配管583を介して第1膨張部53と接続されている。第1蒸発部54は、第1膨張部53から流通する作動流体を、第1冷却対象CT1から伝達された熱によって気相の作動流体に変化させる。第1蒸発部54は、気相に変化された作動流体を、第4配管584を介して接続される第1圧縮部51へ排出する。
第2蒸発部56は、第5配管585を介して第2膨張部55と接続されている。第2蒸発部56は、第2冷却対象CT2から伝達された熱によって、第2膨張部55から流通する液相の作動流体を気相の作動流体に変化させる。
第2圧縮部57は、第4配管584を介して第1圧縮部51と接続されるとともに、第6配管586を介して第2蒸発部56と接続されている。第2圧縮部57は、第2蒸発部56から流入する気相の作動流体を圧縮して、第4配管584を介して第1圧縮部51へ排出する。
これにより、1つの冷却装置5Aによって、第1冷却対象CT1及び第2冷却対象CT2を冷却できる。このため、作動流体が循環する循環経路を冷却対象毎に設ける必要がなく、第1冷却対象CT1を冷却する第1循環経路CR1と、第2冷却対象CT2を冷却する第2循環経路CR2とで、第1圧縮部51、第1配管581及び凝縮部52を共有できる。従って、冷却装置5Aを備えるプロジェクター1Aを小型化できる。
この他、凝縮部52にて液相に変化された作動流体は、第1膨張部53及び第2膨張部55のそれぞれに流通する。これにより、第1膨張部53及び第2膨張部55における作動流体の膨張時に異音が発生することを抑制できる。従って、冷却装置5A、ひいては、プロジェクター1Aの静音化を図ることができる。
このような構成によれば、第1膨張部53から第1蒸発部54に流通する作動流体の温度、及び、第2膨張部55から第2蒸発部56に流通する作動流体の温度を、個別に調整できる。従って、第1蒸発部54に流通する作動流体の温度を、第1冷却対象CT1の冷却に適した温度とすることができる他、第2蒸発部56に流通する作動流体の温度を、第2冷却対象CT2の冷却に適した温度とすることができる。
これに対し、第1圧縮部51の駆動周波数と第2圧縮部57の駆動周波数とは、略同じである。これによれば、圧縮部における圧縮性能を確保しつつ、騒音が一定の周期で大きくなることを抑制できる。従って、ユーザーに対して違和感を与えづらくすることができる。
このような構成によれば、第1蒸発部54及び第2圧縮部57から第1圧縮部51に作動流体を効率よく流通させることができる。
このような構成によれば、第2冷却対象CT2の発熱量よりも大きな発熱量となる第1冷却対象CT1を冷却する第1蒸発部54に、第2蒸発部56に流通する作動流体よりも多くの作動流体を流通させることができる。従って、第1冷却対象CT1の冷却に適した流量の作動流体を第1蒸発部54に流通させることができ、第1冷却対象CT1の温度を管理温度に維持しやすくすることができる。
このような構成によれば、第1蒸発部54から排出された気相の作動流体と、第2圧縮部57にて圧縮された気相の作動流体とを、第4配管584にて合流させやすくすることができる。従って、第1蒸発部54から排出された気相の作動流体と、第2圧縮部57から排出された気相の作動流体とを、第1圧縮部51に効率よく流通させやすくすることができる。
このような構成によれば、光源411及び光変調装置343を1つの冷却装置5Aによって冷却できる。
このような構成によれば、第2冷却対象CT2が密閉筐体SC内に配置されているので、第2冷却対象CT2に塵埃等が付着することを抑制できる。また、第2冷却対象CT2は、密閉筐体SC内の冷却気体によって冷却され、第2蒸発部56は、第2冷却対象CT2から冷却気体に伝達された熱を液相の作動流体の蒸発に利用することによって、密閉筐体SC内の冷却気体を冷却する。これによれば、第2冷却対象CT2に含まれる複数の光変調装置343のそれぞれに第2蒸発部56を設ける構成に比べて、冷却装置5Aの構成を簡略化できる。
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成を備える。ここで、第1実施形態に係る冷却装置5Aでは、凝縮部52から流出する作動流体の一部は、第2配管582を介して第2膨張部55に流通する。これに対し、本実施形態に係るプロジェクターが備える冷却装置では、凝縮部から流出する作動流体の一部は、凝縮部を再度流通した後に、第2膨張部55に流通する。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと、第1実施形態に係るプロジェクター1Aとは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、本実施形態に係るプロジェクター1Bが備える冷却装置5Bの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Bは、図5に示すように、冷却装置5Aに代えて図6に示す冷却装置5Bを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成及び機能を有する。
冷却装置5Bは、冷却装置5Aと同様に、第1冷却対象CT1及び第2冷却対象CT2を冷却する。詳しくは、冷却装置5Bは、光源411を含む第1冷却対象CT1を冷却し、更に、密閉筐体SC内の冷却空気を介して、光変調装置343を含む第2冷却対象CT2を冷却する。冷却装置5Bは、凝縮部52及び第2配管582に代えて凝縮部60及び第2配管582Bを備える点を除いて、冷却装置5Aと同様の構成及び機能を有する。
具体的に、冷却装置5Bは、第1圧縮部51、凝縮部60、第1膨張部53、第1蒸発部54、第2膨張部55、第2蒸発部56及び第2圧縮部57と、これらを接続する配管58と、冷却ファン59と、を備える。本実施形態では、配管58は、第2配管582に代えて第2配管582Bを有する。
冷却装置5Aと同様に、分流管5821は、凝縮部60と枝管5822,5823とを接続する。分流管5821は、凝縮部60から流入された作動流体が内部を流通し、第1膨張部53と、再度凝縮部60と、に向けて作動流体を分流する。
第1枝管としての枝管5822は、分流管5821と第1膨張部53とを接続する。枝管5822は、分流管5821にて分流された一部の作動流体を第1膨張部53に流通させる。
流通管5824は、凝縮部60と第2膨張部55とを接続する。流通管5824は、凝縮部60の第2流路605を流通した液相の作動流体を、第2膨張部55に流通させる。流通管5824には、枝管5823を介して凝縮部60を再び流通した作動流体が流入する。すなわち、流通管5824には、凝縮部60を2回流通した作動流体が流入する。流通管5824を流通した液相の作動流体は、第2膨張部55に流通する。
凝縮部60は、第1実施形態に係る凝縮部52と同様に、第1圧縮部51によって圧縮された気相の作動流体を凝縮して、気相の作動流体を液相の作動流体に変化させる。具体的に、凝縮部60は、冷却ファン59によって、凝縮部60に流通する冷却気体と圧縮された気相の作動流体との間にて熱交換することにより、気相の作動流体を高圧の液相の作動流体に凝縮する。更に、凝縮部60は、一度凝縮部60を流通した液相の作動流体と、凝縮部60に流通する冷却気体との間にて熱交換することにより、当該液相の作動流体を高圧の液相の作動流体に凝縮する。すなわち、凝縮部60は、熱交換器と言い換えることができる。
凝縮部60は、図6に示すように、第1流入部601、第1流路602、第1流出部603、第2流入部604、第2流路605、第2流出部606及び熱交換部607を有する。
第1流入部601は、第1配管581と接続されている。第1流入部601には、第1圧縮部51からの作動流体が流入する。
第1流路602は、第1流入部601と第1流出部603とを接続する。第1流路602には、第1流入部601を介して第1圧縮部51から気相の作動流体が流通する。
第1流出部603は、第2配管582の分流管5821と接続されている。第1流出部603は、第1流路602を流通した作動流体を、分流管5821に流通させる。
第2流路605は、第1流路602とは異なる流路であり、第2流入部604と第2流出部606とを接続している。第2流路605には、凝縮部60の第1流路602を流通して気相から液相に変化された作動流体のうち他の作動流体が、枝管5823及び第2流入部604を介して流通する。すなわち、第2流路605に流入する液相の作動流体は、分流管5821に排出された液相の作動流体のうち、枝管5822を介して第1膨張部53に流通する一部の作動流体を除いた他の作動流体である。
第2流出部606は、流通管5824を介して第2膨張部55と接続されている。第2流出部606は、第2流路605を流通した液相の作動流体を、流通管5824を介して第2膨張部55に流通させる。
熱交換部607により、第1流路602を流通する気相の作動流体は、凝縮されて、液相の作動流体に変化する。すなわち、第1流路602を流通する作動流体は、冷却気体によって冷却されて気相の作動流体から液相の作動流体に変化する。
熱交換部607により、第2流路605を流通する液相の作動流体は、冷却気体との熱交換によって冷却される。
また、図6の例では、第1流路602における作動流体の流通方向と、第2流路605における作動流体の流通方向とは、互いに反対方向であった。しかしながら、これに限らず、第1流路における作動流体の流通方向と、第2流路における作動流体の流通方向とは、同じ方向であってもよい。
更に、第1流路602及び第2流路605は、それぞれ熱交換部607に形成された流路であってもよく、内部を作動流体が流通可能な管状部材によって構成されていてもよい。この場合、熱交換部607が各管状部材を熱伝達可能に接続してもよく、管状部材同士が熱伝達可能に接続されていてもよい。
図5に示すように、冷却装置5Bは、冷却装置5Aと同様の第1循環経路CR1と、第2冷却対象CT2を冷却する第2循環経路CR3と、を有する。第2循環経路CR3は、第1循環経路CR1と一部を共有する。すなわち、冷却装置5Bは、第2循環経路CR2に代えて第2循環経路CR3を有する。
第2循環経路CR3は、第1圧縮部51、第1配管581、凝縮部60、分流管5821、枝管5823、凝縮部60、流通管5824、第2膨張部55、第5配管585、第2蒸発部56、第6配管586、第2圧縮部57、第4配管584を順に流通し、第1圧縮部51に再度流入する作動流体の循環経路である。
第2循環経路CR3では、第2膨張部55に流通する作動流体は、第1圧縮部51から凝縮部60にて液相に変化された後、再度凝縮部60を通過することによって冷却された液相の作動流体である。このため、第2膨張部55に流通する作動流体を液相の作動流体とすることができるので、第2膨張部55が作動流体を膨張させる際に異音が発生することを抑制できる。この他、第2膨張部55にて作動流体を更に冷却できるので、冷却装置5Aでの場合に比べて、第2蒸発部56に温度が一層低い作動流体を流通させることができ、第2蒸発部56による第2冷却対象CT2の冷却効率を更に高めることができる。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Bは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
凝縮部60は、第1配管581を介して第1圧縮部51から作動流体が流通する第1流路602と、第1流路602とは異なる第2流路605と、を有する。第2配管582は、分流管5821、第1枝管としての枝管5822、第2枝管としての枝管5823、及び、流通管5824を有する。分流管5821は、第1流路602から流通する作動流体を分流する。枝管5822は、分流管5821にて分流された一部の作動流体を第1膨張部53に流通させる。枝管5823は、分流管5821にて分流された他の作動流体を、第2流路605に流通させる。流通管5824は、第2流路605を流通した作動流体を、第2膨張部55に流通させる。
このような構成によれば、第2膨張部55に流通する作動流体を、第1圧縮部51から凝縮部60の第1流路602を流通し、更に凝縮部60の第2流路605を流通した作動流体とすることができる。すなわち、第2膨張部55に流通する作動流体を、凝縮部60を複数回流通した作動流体とすることができる。これによれば、第1圧縮部51から流出された作動流体が再度第1圧縮部51に流入するサイクルを1サイクルとした場合、1サイクルにおいて作動流体が凝縮部60を流通する回数が1回である場合に比べて、第2膨張部55に流通する作動流体の温度を更に低下させることができる。このため、第2膨張部55から第2冷却対象CT2を冷却する第2蒸発部56に、より温度が低い作動流体を流通させることができる。従って、冷却装置5Bによる第2冷却対象CT2の冷却効率を高めることができる。
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本開示に含まれるものである。
上記各実施形態では、第1膨張部53及び第2膨張部55は、膨張弁によって構成されるとした。しかしながら、これに限らず、第1膨張部53及び第2膨張部55のうち少なくとも一方の膨張部は、キャピラリーチューブ等、膨張弁以外の構成であってもよい。
また、第1膨張部53を構成する膨張弁の開度と、第2膨張部55を構成する膨張弁の開度とは、個別に調整可能であるとした。しかしながら、これに限らず、第1膨張部53及び第2膨張部55のうち一方の膨張部を構成する膨張弁の開度のみ調整可能であってもよく、各膨張部53,55を構成する膨張弁の開度は、調整できなくてもよい。
また、第2冷却対象CT2の管理温度範囲は、第1冷却対象CT1の管理温度範囲よりも低いとした。しかしながら、これに限らず、第2冷却対象の管理温度範囲は、第1冷却対象の管理温度範囲と同じであってもよく、第1冷却対象の管理温度範囲よりも高くてもよい。
また例えば、第1冷却対象及び第2冷却対象のうち、一方の冷却対象は、複数の光源のうちの1つであってもよく、他方の冷却対象は、複数の光源のうちの他の1つであってもよい。更に例えば、第1冷却対象及び第2冷却対象のうち、一方の冷却対象は、複数の光変調装置343のうちの1つであってもよく、他方の冷却対象は、複数の光変調装置のうちの他の1つであってもよい。すなわち、同種であるものの、管理温度、発熱量、及び、冷却しづらさのうち少なくとも1つが互いに異なる冷却対象が複数設けられている場合には、少なくとも1つの冷却対象を第1冷却対象とし、他の冷却対象を第2冷却対象としてもよい。
また例えば、冷却装置は、第2膨張部55から流出された作動流体を複数の第2蒸発部56に分流する分流部を有する構成としてもよい。
更に、密閉筐体SC内の冷却気体によって第2冷却対象CT2が冷却できれば、循環ファンCFは必ずしもなくてもよく、循環ファンCFに代えて、第2蒸発部56によって冷却された冷却気体を第2冷却対象CT2に流通させるファンが設けられていてもよい。
加えて、第1蒸発部54及び第1冷却対象CT1が、外装筐体2内に配置される他の筐体内に設けられ、第1蒸発部54が、他の筐体内において第1冷却対象CT1に流通する冷却気体を冷却する構成としてもよい。
この他、第1蒸発部54及び第2蒸発部56によって冷却される冷却対象は、必ずしも密閉筐体SC等の筐体内に配置されていなくてもよい。
上記各実施形態では、光変調装置343は、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルであるとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置として、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
以下に、本開示のまとめを付記する。
本開示の一態様に係るプロジェクターは、光源から出射された光を変調して投射するプロジェクターであって、第1冷却対象と、第2冷却対象と、前記第1冷却対象及び前記第2冷却対象を冷却する冷却装置と、前記第1冷却対象、前記第2冷却対象及び前記冷却装置を収容する外装筐体と、を備え、前記冷却装置は、第1配管、第2配管、第3配管、第4配管、第5配管及び第6配管と、気相の作動流体を圧縮する第1圧縮部と、前記第1配管を介して前記第1圧縮部と接続され、前記第1圧縮部によって圧縮された気相の前記作動流体を液相の前記作動流体に凝縮する凝縮部と、前記第2配管を介して前記凝縮部と接続され、前記凝縮部によって凝縮された一部の前記作動流体を減圧して、前記作動流体の状態を、液相及び気相が混相した状態に変化させる第1膨張部と、前記第3配管を介して前記第1膨張部と接続され、前記第1冷却対象から伝達された熱によって、前記第1膨張部から流通する液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させ、変化された気相の前記作動流体を、前記第4配管を介して接続される前記第1圧縮部へ排出する第1蒸発部と、前記第2配管を介して前記凝縮部と接続され、前記凝縮部によって凝縮された他の前記作動流体を減圧して、前記作動流体の状態を、液相及び気相が混相した状態に変化させる第2膨張部と、前記第5配管を介して前記第2膨張部と接続され、前記第2冷却対象から伝達された熱によって、前記第2膨張部から流通する液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させる第2蒸発部と、前記第4配管を介して前記第1圧縮部と接続されるとともに、前記第6配管を介して前記第2蒸発部と接続されて、前記第2蒸発部から流入する気相の前記作動流体を圧縮して、前記第4配管を介して前記第1圧縮部へ排出する第2圧縮部と、を備えることを特徴とする。
これにより、1つの冷却装置によって、第1冷却対象及び第2冷却対象を冷却できる。このため、作動流体が循環する循環経路を冷却対象毎に設ける必要がなく、第1冷却対象を冷却する第1循環経路と、第2冷却対象を冷却する第2循環経路とで、第1圧縮部、第1配管、凝縮部、第2配管及び第1膨張部を共有できる。従って、冷却装置を備えるプロジェクターを小型化できる。
更に、冷却装置は、第1冷却対象及び第2冷却対象とともに、外装筐体内に設けられている。これによれば、冷却装置の一部が外装筐体の外部に設けられている場合に比べて、プロジェクターの設置を容易に実施できる他、プロジェクターの外観を良好にできる。更に、プロジェクターを小型に構成でき、プロジェクターを携帯可能に構成できる。
これに対し、第1膨張部及び第2膨張部には、凝縮部によって液相に変化された作動流体が流通する。これにより、第1膨張部及び第2膨張部での作動流体の膨張に際して異音が発生することを抑制できる。従って、冷却装置、ひいては、プロジェクターの静音化を図ることができる。
このような構成によれば、第2膨張部に流通する作動流体を、第1圧縮部から凝縮部の第1流路を流通し、更に凝縮部の第2流路を流通した作動流体とすることができる。すなわち、第2膨張部に流通する作動流体を、凝縮部を複数回流通した作動流体とすることができる。これによれば、第1圧縮部から流出された作動流体が再度第1圧縮部に流入するサイクルを1サイクルとした場合、1サイクルにおいて作動流体が凝縮部を流通する回数が1回である場合に比べて、第2膨張部に流通する作動流体の温度を更に低下させることができる。このため、第2膨張部から、第2冷却対象を冷却する第2蒸発部により温度が低い作動流体を流通させることができる。従って、第2冷却対象の冷却効率を高めることができる。
このような構成によれば、第1膨張部から流出する作動流体の温度、及び、第2膨張部から流出する作動流体の温度を、個別に調整できる。従って、第1膨張部から流出する作動流体の温度を、第1冷却対象の冷却に適した温度とすることができる他、第2膨張部から流出する作動流体の温度を、第2冷却対象の冷却に適した温度とすることができる。
ここで、第1圧縮部の駆動周波数と第2圧縮部の駆動周波数とが異なる場合、駆動周波数の位相が一致するタイミングにて、第1圧縮部の騒音と第2圧縮部の騒音とが重なって、冷却装置から出る騒音が大きくなる。この場合、騒音が一定の周期で大きくなり、ユーザーに違和感を与えやすい。なお、第1圧縮部の駆動周波数と第2圧縮部の駆動周波数との差が非常に大きい場合には、位相が一致する周期が非常に大きくなり、ユーザーに付与される違和感は大きくない。しかしながら、第1圧縮部の駆動周波数と、第2圧縮部の駆動周波数との差が非常に大きい場合、すなわち、第1圧縮部の駆動周波数と第2圧縮部の駆動周波数とが大きく異なる場合には、第2圧縮部が、第1蒸発部から第1圧縮部に流通する作動流体の圧力に合わせて、第2蒸発部から流通する作動流体を圧縮できなくなる。
これに対し、第1圧縮部の駆動周波数と第2圧縮部の駆動周波数とが略同じであることから、圧縮部における圧縮性能を確保しつつ、騒音が一定の周期で大きくなることを抑制できる。従って、ユーザーに対して違和感を与えづらくすることができる。
このような構成によれば、第1蒸発部及び第2圧縮部から第1圧縮部に作動流体を効率よく流通させることができる。
このような構成によれば、第2蒸発部によって冷却される第2冷却対象の発熱量よりも大きな発熱量となる第1冷却対象を冷却する第1蒸発部に、液相の作動流体を多く流通させることができる。従って、第1冷却対象の冷却に適した流量の作動流体を第1蒸発部に流通させることができ、第1冷却対象の温度を管理温度に維持しやすくすることができる。
このような構成によれば、第1蒸発部から排出された気相の作動流体と、第2圧縮部にて圧縮された気相の作動流体とを、第4配管にて合流させやすくすることができる。従って、第1蒸発部から排出された気相の作動流体と、第2圧縮部から排出された気相の作動流体とを、第1圧縮部に効率よく流通させやすくすることができる。
このような構成によれば、光源及び光変調装置を1つの冷却装置によって冷却できる。
このような構成によれば、第2冷却対象が筐体内に配置されているので、第2冷却対象に塵埃等が付着することを抑制できる。また、第2冷却対象は、筐体内の冷却気体によって冷却され、第2蒸発部は、第2冷却対象から冷却気体に伝達された熱を液相の作動流体の蒸発に利用することによって、筐体内の冷却気体を冷却する。これによれば、第2冷却対象が複数存在する場合に、各第2冷却対象に第2蒸発部を設ける構成に比べて、冷却装置の構成を簡略化できる。
Claims (9)
- 光源から出射された光を変調して投射するプロジェクターであって、
第1冷却対象と、
第2冷却対象と、
前記第1冷却対象及び前記第2冷却対象を冷却する冷却装置と、
前記第1冷却対象、前記第2冷却対象及び前記冷却装置を収容する外装筐体と、を備え、
前記冷却装置は、
第1配管、第2配管、第3配管、第4配管、第5配管及び第6配管と、
気相の作動流体を圧縮する第1圧縮部と、
前記第1配管を介して前記第1圧縮部と接続され、前記第1圧縮部によって圧縮された気相の前記作動流体を液相の前記作動流体に凝縮する凝縮部と、
前記第2配管を介して前記凝縮部と接続され、前記凝縮部によって凝縮された一部の前記作動流体を減圧して、前記作動流体の状態を、液相及び気相が混相した状態に変化させる第1膨張部と、
前記第3配管を介して前記第1膨張部と接続され、前記第1冷却対象から伝達された熱によって、前記第1膨張部から流通する液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させ、変化された気相の前記作動流体を、前記第4配管を介して接続される前記第1圧縮部へ排出する第1蒸発部と、
前記第2配管を介して前記凝縮部と接続され、前記凝縮部によって凝縮された他の前記作動流体を減圧して、前記作動流体の状態を、液相及び気相が混相した状態に変化させる第2膨張部と、
前記第5配管を介して前記第2膨張部と接続され、前記第2冷却対象から伝達された熱によって、前記第2膨張部から流通する液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させる第2蒸発部と、
前記第4配管を介して前記第1圧縮部と接続されるとともに、前記第6配管を介して前記第2蒸発部と接続されて、前記第2蒸発部から流入する気相の前記作動流体を圧縮して、前記第4配管を介して前記第1圧縮部へ排出する第2圧縮部と、を備えることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記凝縮部は、
前記第1圧縮部から前記作動流体が流通する第1流路と、
前記第1流路とは異なる第2流路と、を有し、
前記第2配管は、
前記第1流路から流通する前記作動流体を分流する分流管と、
前記分流管にて分流された一部の前記作動流体を前記第1膨張部に流通させる第1枝管と、
前記分流管にて分流された他の前記作動流体を、前記凝縮部の前記第2流路に流通させる第2枝管と、
前記第2流路を流通した前記作動流体を、前記第2膨張部に流通させる流通管と、を有することを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1膨張部及び前記第2膨張部は、それぞれ膨張弁によって構成され、
前記第1膨張部を構成する前記膨張弁の開度、及び、前記第2膨張部を構成する前記膨張弁の開度は、個別に調整可能であることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1圧縮部の駆動周波数と前記第2圧縮部の駆動周波数とは、略同じであることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記第4配管は、
前記第1蒸発部と接続される第1接続管と、
前記第2圧縮部と接続される第2接続管と、
前記第1接続管を介して前記第1蒸発部から流通する前記作動流体と、前記第2接続管を介して前記第2圧縮部から流通する前記作動流体とを合流させて、前記第1圧縮部に流通させる合流管と、を有することを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1冷却対象の発熱量は、前記第2冷却対象の発熱量よりも大きく、
前記第1蒸発部に供給される前記作動流体の流量は、前記第2蒸発部に供給される前記作動流体の流量よりも大きいことを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2圧縮部にて圧縮された気相の前記作動流体の圧力は、前記第1蒸発部から排出される気相の前記作動流体の圧力と略同じであることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記光源から出射された光を変調する光変調装置を備え、
前記第1冷却対象は、前記光源を含み、
前記第2冷却対象は、前記光変調装置を含むことを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2冷却対象及び前記第2蒸発部が内部に配置された筐体と、
前記筐体内の冷却気体を前記筐体内にて循環させる循環ファンと、を備え、
前記第2蒸発部は、前記第2冷却対象から伝達された前記冷却気体の熱によって、液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させることを特徴とするプロジェクター。
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