JP2021033072A - プロジェクター - Google Patents
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Abstract
【課題】重畳レンズのバックフォーカスを短縮した、小型化が容易なプロジェクターを提供すること。【解決手段】プロジェクター1は、光源102と、光源102から出射された照明光LWを平行化するコリメーター光学系110と、コリメーター光学系110から出射された照明光LWを均一化する一対のマルチレンズアレイ121,122と、一対のマルチレンズアレイ121,122から出射された照明光LWが入射され、負のパワーを有する凹レンズ151と、凹レンズ151から出射された光が入射され、正のパワーを有する凸レンズ152aと、凸レンズ152aから出射された光を画像情報に応じて変調して画像光を形成する液晶装置400Bと、画像光を投射する投射光学装置600と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、プロジェクターに関する。
従来、光源から出射される光に対して、コリメーター光学系、マルチレンズアレイ、重畳レンズ、および液晶装置などが配置されたプロジェクターが知られていた。例えば、特許文献1には、コリメーター光学系として、凹レンズと凸レンズとから成るコンデンサレンズ、所謂レトロフォーカス型の光学系を用いた投射形表示装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の投射形表示装置では、装置を小型化することが難しいという課題があった。詳しくは、装置を小型化するには、マルチレンズアレイであるフライアイレンズ側のレンズ、すなわち重畳レンズの焦点距離を短縮することが望ましい。これに対して、単純に重畳レンズの焦点距離を短縮すると、重畳レンズから出射される光が大きな入射角度で絞られるため、透過表示素子側のフィールドレンズの曲率を小さくする必要がある。そのため、収差の拡大や、透過表示素子におけるコントラストの低下を招く場合があった。すなわち、重畳レンズの焦点距離を短縮することが難しかった。
また、光源からフライアイレンズまでを小型化すると光源のサイズも小さくなり、光源の明るさを確保しにくくなる。光源のサイズを維持しつつ光源からフライアイレンズまでを小型化するには、重畳レンズの焦点距離を併せて短縮する必要がある。すなわち、重畳レンズの焦点距離を短縮すると共に、重畳レンズのバックフォーカスを短縮した、小型化が容易なプロジェクターが求められていた。
プロジェクターは、光源と、光源から出射された光を平行化する第1光学系と、第1光学系から出射された光を均一化する第2光学系と、第2光学系から出射された光が入射され、負のパワーを有する第1光学素子と、第1光学素子から出射された光が入射され、正のパワーを有する第2光学素子と、第2光学素子から出射された光を画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、画像光を投射する投射光学装置と、を備える。
上記のプロジェクターにおいて、光源は、発光素子を有することが好ましい。
上記のプロジェクターにおいて、光源は、蛍光体を有することが好ましい。
上記のプロジェクターにおいて、第1光学素子は、凹面を有し、凹面は、非球面であることが好ましい。
上記のプロジェクターにおいて、第2光学素子は、凸面を有し、凸面は、非球面であることが好ましい。
上記のプロジェクターにおいて、第2光学素子は、凹面ミラーであり、第1光学素子と第2光学素子との間には、偏光変換素子および1/4位相差板が設けられることが好ましい。
上記のプロジェクターにおいて、凹面ミラーの凹面は、非球面であることが好ましい。
1.第1実施形態
1.1.プロジェクターの構成
本実施形態では、光変調装置である液晶装置を3個備えたプロジェクターを例示する。本実施形態に係るプロジェクター1は、光源から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された各色の画像をスクリーンなどの被投射面上に拡大投射する投射型の画像表示装置である。
1.1.プロジェクターの構成
本実施形態では、光変調装置である液晶装置を3個備えたプロジェクターを例示する。本実施形態に係るプロジェクター1は、光源から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された各色の画像をスクリーンなどの被投射面上に拡大投射する投射型の画像表示装置である。
第1実施形態に係るプロジェクター1の光学系の構成について、図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す概略図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、光源102、第1光学系としてのコリメーター光学系110、第2光学系としての一対のマルチレンズアレイ121,122、偏光変換素子140、第1光学素子としての凹レンズ151、第2光学素子としての凸レンズ152a,152b、色分離導光光学系20、光変調装置としての3個の液晶装置400B,400G,400R、色合成素子500、および投射光学装置600を備えている。なお、図示を省略するが、プロジェクター1は、プロジェクター1の動作を制御する制御装置、プロジェクター1の電子部品に電力を供給する電源装置、および光源などを冷却する冷却装置を備えている。
プロジェクター1には、コリメーター光学系110および一対のマルチレンズアレイ121,122の光軸である照明光軸Axが設定されている。プロジェクター1では、コリメーター光学系110から投射光学装置600までが、照明光軸Axに対応する所定位置に配置される。
光源102は、白色の照明光LWをコリメーター光学系110に向け出射する。光源102は、図示しない、発光素子および蛍光体を有している。光源102の詳細は後述する。
コリメーター光学系110は、光源102から出射された照明光LWを平行化し、一対のマルチレンズアレイ121,122に向け出射する。コリメーター光学系110は、光源102からの照明光LWの広がりを抑える第1レンズ111と、第1レンズ111からの照明光LWを略平行化する第2レンズ112とを備えている。
一対のマルチレンズアレイ121,122は、後述する重畳レンズ150と共に、コリメーター光学系110から出射された照明光LWを均一化する。マルチレンズアレイ121は、複数の小レンズ121aを有している。複数の小レンズ121aは、コリメーター光学系110から入射された照明光LWを、複数の部分光束に分割してマルチレンズアレイ122に向け出射する。複数の小レンズ121aは、照明光軸Axと直交する面内に、複数行および複数列のマトリクス状に配置される。図示を省略するが、小レンズ121aの外形形状は、液晶装置400B,400G,400Rの画像形成領域の外形形状に対して略相似形である。
マルチレンズアレイ122は、マルチレンズアレイ121の複数の小レンズ121aに対応する、複数の小レンズ122aを有している。マルチレンズアレイ122は、凹レンズ151および凸レンズ152a,152bと共に、マルチレンズアレイ121における複数の小レンズ121aの面を、液晶装置400B,400G,400Rの画像形成領域の近傍に結像させる。複数の小レンズ122aは、照明光軸Axと直交する面内に、複数行および複数列のマトリクス状に配置される。一対のマルチレンズアレイ121,122から出射された照明光LWは、偏光変換素子140に入射する。
偏光変換素子140は、マルチレンズアレイ121によって分割された照明光LWの各部分光束を、偏光方向が揃った直線偏光に変換して凹レンズ151に向け出射する。偏光変換素子140は、図示を省略するが、偏光分離層、反射層、および位相差板を有している。偏光分離層は、照明光LWに含まれる偏光成分のうち、一方の直線偏光成分をそのまま透過させ、他方の直線偏光成分を照明光軸Axに垂直な方向に反射させる。反射層は、偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分を、照明光軸Axに平行な方向に反射する。位相差板は、反射層で反射された他方の直線偏光成分を、一方の直線偏光成分に変換する。
プロジェクター1では、凹レンズ151と凸レンズ152a,152bとによって、レトロフォーカス型の重畳レンズ150が形成されている。重畳レンズ150は、偏光変換素子140から出射された照明光LWの各部分光束を集光して、液晶装置400B,400G,400Rの画像形成領域の近傍に重畳させる。重畳レンズ150は、重畳レンズ150の光軸と照明光軸Axとが略一致するように配置されている。重畳レンズ150のうち、凹レンズ151と凸レンズ152a,152bとの間には、色分離導光光学系20の後述するダイクロイックミラー21が配置されている。そのため、凹レンズ151を透過された照明光LWの各部分光束は、ダイクロイックミラー21へ向け出射される。重畳レンズ150の詳細は後述する。
色分離導光光学系20は、ダイクロイックミラー21,22、反射ミラー23,24,25、およびリレーレンズ26,27を有している。色分離導光光学系20は、光源102から出射された照明光LWを、赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離して、各色光に対応する液晶装置400R,400G,400Bに導く。
ダイクロイックミラー21は、照明光LWの各部分光束のうち、赤色光成分を透過させ、緑色光成分および青色光成分を反射させる。そして、赤色光成分、すなわち赤色光LRは、重畳レンズ150の凸レンズ152bに入射されて反射ミラー23へ向け出射される。緑色光成分および青色光成分は、重畳レンズ150の凸レンズ152aに入射されてダイクロイックミラー22に向け出射される。すなわち、凹レンズ151と凸レンズ152bとは、赤色光成分用の重畳レンズ150を構成している。凹レンズ151と凸レンズ152aとは、緑色光成分および青色光成分用の重畳レンズ150を構成している。
凸レンズ152bから出射された赤色光LRは、反射ミラー23で反射されてフィールドレンズ300Rに向け出射される。赤色光LRとは、特に限定されないが、例えば概ね590nmから700nmの波長帯域に属する光である。
ダイクロイックミラー22は、緑色光成分、すなわち緑色光LGを反射させ、青色光成分、すなわち青色光LBを透過させる。緑色光LGとは、特に限定されないが、例えば概ね500nmから590nmの波長帯域に属する光である。青色光LBとは、特に限定されないが、例えば概ね400nmから500nmの波長帯域に属する光である。
ダイクロイックミラー22で反射された緑色光LGは、フィールドレンズ300Gに向け出射される。ダイクロイックミラー22を透過された青色光LBは、リレーレンズ26を経て反射ミラー24に反射され、リレーレンズ27を経て反射ミラー25に反射されて、フィールドレンズ300Bに向け出射される。青色光LBは、赤色光LRや緑色光LGと比べて光路が長いため、光束が広がりやすい。そのため、リレーレンズ26,27を用いて光束の拡大を抑え、赤色光LRや緑色光LGと同じ照明分布となるようにしている。
フィールドレンズ300Rは、色分離導光光学系20と液晶装置400Rとの間に配置され、液晶装置400Rに入射される赤色光LRを略平行化する。フィールドレンズ300Gは、色分離導光光学系20と液晶装置400Gとの間に配置され、液晶装置400Gに入射される緑色光LGを略平行化する。フィールドレンズ300Bは、色分離導光光学系20と液晶装置400Bとの間に配置され、液晶装置400Bに入射する青色光LBの主光線を略平行化してテレセントリックにする。
液晶装置400R,400G,400Bのそれぞれは、入射された各色光を画像情報に応じて変調して画像光を形成する。各色の画像光は、色合成素子500に向けて出射される。液晶装置400R,400G,400Bには、それぞれ透過型の液晶パネルが採用されている。図示を省略するが、液晶装置400R,400G,400Bのそれぞれには、光入射側に入射側偏光板が、光出射側に出射側偏光板が配置されて、透過型の液晶ライトバルブが形成されている。なお、光変調装置は、透過型の液晶パネルに限定されず、反射型の液晶パネルやDMD(Digital Micromirror Device)などであってもよい。また、光変調装置の数は3個に限定されない。
色合成素子500は、液晶装置400R,400G,400Bから出射された各色の画像光を合成し、カラーの画像光を形成して投射光学装置600に向け出射する。色合成素子500は、4個の直角プリズムを貼り合わせた、平面視で略正方形のクロスダイクロイックプリズムで構成されている。4個の直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。本実施形態では、色合成素子500としてクロスダイクロイックプリズムを用いているが、これに限定されない。色合成素子500は、例えば、複数のダイクロイックミラーを含む構成であってもよい。
色合成素子500から出射されたカラーの画像光は、投射光学装置600によって拡大投射され、図示しないスクリーンなどの被投射面上にカラー画像が形成される。投射光学装置600は、例えば、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズを含む。
1.2.光源の構成
本実施形態の光源102の構成について、図2を参照して説明する。図2は、光源の構成を示す概略図である。
本実施形態の光源102の構成について、図2を参照して説明する。図2は、光源の構成を示す概略図である。
図2に示すように、光源102は、光源用筐体CAと、光源用筐体CA内にそれぞれ収容される光源部41、アフォーカル光学素子42、ホモジナイザー光学素子43、偏光分離素子44、第1集光素子45、波長変換素子46、第1位相差素子47、第2集光素子48、拡散反射装置49、および第2位相差素子RPを備えている。光源用筐体CAは、塵埃などが内部に侵入しにくい密閉筐体である。
光源部41、アフォーカル光学素子42、ホモジナイザー光学素子43および偏光分離素子44と、第1位相差素子47、第2集光素子48および拡散反射装置49と、は、光源102に設定された照明光軸Ax1上に配置されている。波長変換素子46、第1集光素子45、偏光分離素子44および第2位相差素子RPは、照明光軸Ax1に直交すると共に、光源102に設定された照明光軸Ax2上に配置されている。なお、光源102に設定される照明光軸Ax2と、プロジェクター1に設定される照明光軸Axとは、一致することに限定されない。
光源部41は、光を出射する発光素子としての、複数の第1半導体レーザー412および複数の第2半導体レーザー413、支持部材414、およびコリメーターレンズ415を備えている。第1半導体レーザー412は、励起光であるs偏光の青色光L1sを出射する。青色光L1sは、例えば、ピーク波長が440nmのレーザー光である。第1半導体レーザー412から出射された青色光L1sは、波長変換素子46に入射される。第2半導体レーザー413は、p偏光の青色光L2pを出射する。青色光L2pは、例えば、ピーク波長が460nmのレーザー光である。第2半導体レーザー413から出射された青色光L2pは、拡散反射装置49に入射される。
光源102は、発光素子を有するため、放電型の光源と比べて、光源102が点灯までに要する時間が短縮され、プロジェクター1が画像などを投射するまでの待ち時間を短縮することができる。
支持部材414は、照明光軸Ax1と直交する平面にそれぞれアレイ状に配置された複数の第1半導体レーザー412および複数の第2半導体レーザー413を支持する。支持部材414は、熱伝導性を有する金属製部材である。支持部材414は、複数の第1半導体レーザー412および複数の第2半導体レーザー413を冷却するために、図示しない冷却装置に接続されていてもよい。
第1半導体レーザー412から出射された青色光L1s、および第2半導体レーザー413から出射された青色光L2pは、コリメーターレンズ415によって平行光束に変換され、アフォーカル光学素子42に入射される。なお、本実施形態では、複数の第1半導体レーザー412および複数の第2半導体レーザー413は、s偏光の青色光L1sと、p偏光の青色光L2pとを出射する構成であるが、これに限定されず、偏光方向が同じ直線偏光光である青色光を出射する構成であってもよい。この場合、入射された1種類の直線偏光をs偏光およびp偏光が含まれる光とする位相差素子が、光源部41と偏光分離素子44との間に配置されればよい。
アフォーカル光学素子42は、光源部41から入射される青色光L1s,L2pの光束径を調整して、ホモジナイザー光学素子43に入射させる。アフォーカル光学素子42は、入射される光を集光するレンズ421と、レンズ421によって集光された光束を平行化するレンズ422と、によって構成されている。ホモジナイザー光学素子43は、青色光L1s,L2pの照度分布を均一化する。ホモジナイザー光学素子43は、一対のアレイ状のマルチレンズ431,432によって構成されている。ホモジナイザー光学素子43を通過した青色光L1s,L2pは、偏光分離素子44に入射される。
偏光分離素子44は、例えば、プリズム型の偏光ビームスプリッターであり、入射される光に含まれるs偏光成分とp偏光成分とを分離する。具体的には、偏光分離素子44は、s偏光成分を反射させ、p偏光成分を透過させる。また、偏光分離素子44は、s偏光成分およびp偏光成分のいずれの偏光成分であっても、所定波長以上の光を透過させる色分離特性を有している。したがって、s偏光の青色光L1sは、偏光分離素子44にて反射され、第1集光素子45に入射される。一方、p偏光の青色光L2pは、偏光分離素子44に透過されて、第1位相差素子47に向け出射される。
第1集光素子45は、偏光分離素子44にて反射された青色光L1sを波長変換素子46に集光する。また、第1集光素子45は、波長変換素子46から入射される蛍光YLを平行化する。本実施形態では、第1集光素子45は、2つのレンズ451,452によって構成されているが、これに限定されない。
波長変換素子46は、入射された青色光L1sによって励起され、青色光L1sより波長が長い蛍光YLを生成して、第1集光素子45に向け出射する。換言すると、波長変換素子46は、入射された光の波長を変換し、変換された光を出射する。波長変換素子46によって生成された蛍光YLは、例えば、波長が500nmから700nmの光を含む。波長変換素子46は、波長変換部461および放熱部462を備えている。
波長変換部461は、波長変換層461aおよび反射層461bを有する。波長変換層461aは、蛍光体を含む蛍光体層であり、入射される青色光L1sを波長変換して非偏光光である蛍光YLを拡散出射する。反射層461bは、波長変換層461aから入射される蛍光YLを第1集光素子45側に反射させる。放熱部462は、波長変換部461における光入射側とは反対側の面に設けられ、波長変換部461にて生じた熱を放出する。
波長変換層461aの蛍光体によって、ピーク波長が440nmの青色光L1sが、500nmから700nmの範囲にピーク波長を有する蛍光YLに変換される。これにより、複数の、第1半導体レーザー412および第2半導体レーザー413から出射された青色光L1sに対して、波長を変換して利用することが可能となる。
波長変換素子46から出射された蛍光YLは、照明光軸Ax2に沿って第1集光素子45を通過した後、上記色分離特性を有する偏光分離素子44に入射される。そして、蛍光YLは、偏光分離素子44を照明光軸Ax2に沿って通過し、第2位相差素子RPに入射される。なお、波長変換素子46は、モーターなどの回転装置によって、照明光軸Ax2と平行な回転軸を中心として回転される構成であってもよい。
第1位相差素子47は、偏光分離素子44と第2集光素子48との間に配置されている。第1位相差素子47は、偏光分離素子44を通過した青色光L2pを円偏光の青色光L2cに変換する1/4位相差板である。青色光L2cは、第2集光素子48に入射される。第2集光素子48は、第1位相差素子47から入射される青色光L2cを拡散反射装置49に集光する。また、第2集光素子48は、拡散反射装置49から入射される青色光L2cを平行化する。なお、第2集光素子48を構成するレンズの数は、1枚であることに限定されない。
拡散反射装置49は、波長変換素子46にて生成および出射される蛍光YLと同様の拡散角で、入射された青色光L2cを拡散反射させる。拡散反射装置49としては、例えば、入射された青色光L2cをランバート反射させる反射板と、反射板を照明光軸Ax1と平行な回転軸を中心として回転させる回転装置とを備える構成が挙げられる。
拡散反射装置49にて拡散反射された青色光L2cは、第2集光素子48を通過した後、第1位相差素子47に入射される。青色光L2cは、拡散反射装置49にて反射される際に、回転方向が反対方向の円偏光に変換される。このため、第2集光素子48を介して第1位相差素子47に入射された青色光L2cは、偏光分離素子44から第1位相差素子47に入射された際のp偏光の青色光L2cではなく、s偏光の青色光L2sに変換される。そして、青色光L2sは、偏光分離素子44にて反射されて、第2位相差素子RPに入射される。以上の構成によって、偏光分離素子44から第2位相差素子RPに入射される光は、青色光L2sおよび蛍光YLが混在した白色光となる。
第2位相差素子RPは、偏光分離素子44から入射される白色光をs偏光およびp偏光が混在する光、すなわち白色の照明光LWに変換する。照明光LWは、上述したコリメーター光学系110に向け出射される。
なお、本実施形態では、光源102として半導体レーザーを用いた構成を例示したが、これに限定されない。プロジェクター1の光源としては、放電型のランプや、発光素子として発光ダイオードなどを用いてもよい。発光ダイオードを用いる場合には、上述した蛍光体を備えてもよい。
1.3.重畳レンズの構成
本実施形態に係る重畳レンズ150の構成について、図3および図4を参照して説明する。図3は、重畳レンズ150を含む、光源102から液晶装置400Bまでの構成を示す模式図である。図4は、従来の重畳レンズ950を含む、光源902から液晶装置490Bまでの構成を示す模式図である。図3および図4では、色分離導光光学系を省略すると共に、模式的に照明光軸Axを直線上に配置している。また、図3では、重畳レンズ150のうち、凹レンズ151と凸レンズ152aとの組み合わせを例示するが、凹レンズ151と凸レンズ152bとの組み合わせも同様な作用を有している。なお、図3中の虚像Pについては、第2実施形態にて説明する。
本実施形態に係る重畳レンズ150の構成について、図3および図4を参照して説明する。図3は、重畳レンズ150を含む、光源102から液晶装置400Bまでの構成を示す模式図である。図4は、従来の重畳レンズ950を含む、光源902から液晶装置490Bまでの構成を示す模式図である。図3および図4では、色分離導光光学系を省略すると共に、模式的に照明光軸Axを直線上に配置している。また、図3では、重畳レンズ150のうち、凹レンズ151と凸レンズ152aとの組み合わせを例示するが、凹レンズ151と凸レンズ152bとの組み合わせも同様な作用を有している。なお、図3中の虚像Pについては、第2実施形態にて説明する。
まず、従来の重畳レンズ950を含む光学系の構成について述べる。図4に示すように、従来は重畳レンズ950が1枚であった。詳しくは、従来の光学系は、光源902、第1レンズ911および第2レンズ912から成るコリメーター光学系910、一対のマルチレンズアレイ921,922、偏光変換素子940、重畳レンズ950、フィールドレンズ390B、および液晶装置490Bを有している。
光源902から液晶装置490Bまでの構成は、本実施形態の重畳レンズ150を含む光学系と同様な配置であるが、重畳レンズ950が1枚の凸レンズである点が異なっている。なお、光源902から液晶装置490Bまでの各構成は、本実施形態の光源102から液晶装置400Bまでの構成と同様な機能を有している。そのため、従来の各構成の説明は省略する。
重畳レンズ950が1枚であることから、重畳レンズ950の主平面Fdは、重畳レンズ950と重なる。したがって、従来の重畳レンズ950では、バックフォーカスよりも焦点距離が長くなっており、小型化のためにバックフォーカスを短くするには重畳レンズ950の焦点距離を短くする必要があった。
重畳レンズ950の焦点距離を短くすると、液晶装置400Bを照明する光線の角度範囲が大きくなり、コントラストが低下する場合があった。また、重畳レンズ950の焦点距離を短くすると、液晶装置400B後段の光学系において、利用できない光が生じることにより、投射される画像の明るさの低下が発生する場合があった。
これに対して、図3に示すように、本実施形態の重畳レンズ150は、凹レンズ151と凸レンズ152aとの2枚で構成されている。詳しくは、第1光学素子としての凹レンズ151は、負のパワーを有し、一対のマルチレンズアレイ121,122から出射された照明光LWが入射される。第2光学素子としての凸レンズ152aは、正のパワーを有し、凹レンズ151から出射された照明光LWのうち、青色光成分と緑色光成分とが入射される。
重畳レンズ150は、照明光LWの進行方向に向かって、凹レンズ151、次いで凸レンズ152aが配置されており、レトロフォーカス型の光学系が採用されている。そのため、重畳レンズ150においては、主平面Fcは、凸レンズ152aにおける光の出射側、すなわち、液晶装置400B側の空間に位置する。したがって、本実施形態の重畳レンズ150では、バックフォーカスよりも焦点距離が短くなる。
これに加えて、凹レンズ151は、負のパワーを有することから、照明光LWの光束を広げる機能を持つ。すなわち、光源102から偏光変換素子140までを、従来の光源902から偏光変換素子940までよりも小型にしても、照明光LWの光束の広がりを図4の構成と同じ範囲に収めることが可能となる。
また、重畳レンズ150では、図4の構成に比べて焦点距離が短くなるため、照明領域のサイズを維持するためにマルチレンズアレイ121,122の焦点距離を短く設定する。マルチレンズアレイ121,122の焦点距離を短くすると、マルチレンズアレイ122上の光源像が小さくなる。コリメーター光学系110を小型化することでコリメーター光学系110の焦点距離が短くなっても、マルチレンズアレイ122上の光源像はマルチレンズアレイ122の各レンズ内を通過するため、光源102を小型化することなく必要な光束が確保される。
これにより、コリメーター光学系110の焦点距離を短くした場合には、プロジェクター1の輝度が維持され、また、上記の焦点距離を変えない場合には、プロジェクター1の輝度を向上させることができる。
上述した、凹レンズ151および凸レンズ152aの組み合わせによる作用および効果は、凹レンズ151および凸レンズ152bの組み合わせにおいても同様に発現する。そのため、凹レンズ151および凸レンズ152bの組み合わせによる作用および効果については、説明を省略する。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
重畳レンズ150のバックフォーカスを短縮することができる。詳しくは、従来は、重畳レンズ950が1枚で構成されていた。したがって、重畳レンズ950の主平面Fdは、重畳レンズ950と重なり、バックフォーカスよりも焦点距離が長くなっていた。これに対して、プロジェクター1では、凹レンズ151と凸レンズ152a,152bとを重畳レンズ150として用いている。すなわち、重畳レンズ150では、レトロフォーカス型の光学系が構成されている。そのため、重畳レンズ150のうち、凹レンズ151および凸レンズ152aの組み合わせでは、主平面Fcは、凸レンズ152aにおける光の出射側の空間に位置する。同様にして、凹レンズ151および凸レンズ152bの組み合わせでは、主平面は凸レンズ152bにおける光の出射側の空間に位置する。したがって、バックフォーカスよりも焦点距離が短くなり、従来の同じ焦点距離を持つ重畳レンズに比べてバックフォーカスを格段に短縮することができる。
また、凹レンズ151は、負のパワーを有するため、凸レンズ152a,152bから出射された光を拡大する機能を有している。そのため、従来と比べて、コリメーター光学系110から偏光変換素子140までを小さくすることができる。以上により、重畳レンズ150のバックフォーカスを短縮した、小型化が容易なプロジェクター1を提供することができる。
2.第2実施形態
2.1.プロジェクターの構成
本実施形態では、光変調装置である液晶装置を3個備えたプロジェクターを例示する。本実施形態に係るプロジェクター2は、第1実施形態のプロジェクター1に対して、光源を2つ備え、該光源の片方の光路に配置された重畳レンズにのみレトロフォーカス型の光学系を採用した点が異なっている。そのため、第1実施形態と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
2.1.プロジェクターの構成
本実施形態では、光変調装置である液晶装置を3個備えたプロジェクターを例示する。本実施形態に係るプロジェクター2は、第1実施形態のプロジェクター1に対して、光源を2つ備え、該光源の片方の光路に配置された重畳レンズにのみレトロフォーカス型の光学系を採用した点が異なっている。そのため、第1実施形態と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
第2実施形態に係るプロジェクター2の光学系の構成について、図5を参照して説明する。図5は、第2実施形態に係るプロジェクター2の構成を示す概略図である。
図5に示すように、プロジェクター2は、独立した2つの光源802,202を備えている。光源802は、図示しない、励起光を出射する半導体レーザー、蛍光体および波長変換部などを有し、蛍光YLを出射する。光源202は、図示しない、青色光を出射する半導体レーザーおよび蛍光体などを有し、青色光LBを出射する。青色光LBは、例えば、上述したs偏光の青色光L2sである。プロジェクター2では、蛍光YLの光路に従来の重畳レンズ950を含む従来の光学系が採用され、青色光LBの光路に第1実施形態と同様なレトロフォーカス型の重畳レンズ150が採用されている。
光源802から出射された蛍光YLは、第1レンズ911および第2レンズ912を含むコリメーター光学系910に入射される。コリメーター光学系910は、蛍光YLを平行化して、一対のマルチレンズアレイ921,922に向け出射する。一対のマルチレンズアレイ921,922にて複数の部分光束に分割された蛍光YLは、偏光変換素子940を経て従来の重畳レンズ950に向けて出射される。重畳レンズ950は、上述した通り1枚の凸レンズである。
蛍光YLは、重畳レンズ950から、ダイクロイックミラー28および反射ミラー23,29を含む色分離導光光学系へ入射される。ダイクロイックミラー28は、蛍光YLの各部分光束のうち、赤色光成分を透過させ、緑色光成分を反射させる。そして、赤色光成分、すなわち赤色光LRは、反射ミラー23で反射された後、フィールドレンズ300Rを経て液晶装置400Rを照明する。
ダイクロイックミラー28を反射された緑色光成分、すなわち緑色光LGは、反射ミラー29で反射された後、フィールドレンズ300Gを経て液晶装置400Gを照明する。
光源202から出射された青色光LBは、第1レンズ111および第2レンズ112を含むコリメーター光学系110に入射される。コリメーター光学系110は、青色光LBを平行化して、一対のマルチレンズアレイ121,122に向け出射する。一対のマルチレンズアレイ121,122にて複数の部分光束に分割された青色光LBは、偏光変換素子140を経て重畳レンズ150に向け出射される。
重畳レンズ150は、青色光LBの各部分光束を集光して、液晶装置400Bの画像形成領域の近傍に重畳させる。重畳レンズ150では、凹レンズ151と凸レンズ152aとを含むレトロフォーカス型の光学系が形成されている。重畳レンズ150から出射された青色光LBは、反射ミラー25で反射された後、フィールドレンズ300Bを経て液晶装置400Bを照明する。
ここで、本実施形態では、青色光LBの光路上にレトロフォーカス型の重畳レンズ150を配置したが、これに限定されない。重畳レンズ150は、蛍光YLの光路上に配置され、従来の重畳レンズ950が青色光LBの光路上に配置されてもよい。また、光源802,202は、半導体レーザーを備えることに限定されず、放電型のランプや、発光ダイオードおよび蛍光体などを備えていてもよい。
2.2.液晶装置における入射角特性と照度分布
次に、比較例として重畳レンズ950を採用した蛍光YLの光路と、実施例として重畳レンズ150を採用した青色光LBの光路とについて、図6から図9を参照して説明する。また、以下の説明では第1実施形態の図3も参照する。なお、以降の説明において、重畳レンズ150を採用した光学系を実施例の光学系ということもあり、重畳レンズ950を採用した光学系を比較例の光学系ということもある。
次に、比較例として重畳レンズ950を採用した蛍光YLの光路と、実施例として重畳レンズ150を採用した青色光LBの光路とについて、図6から図9を参照して説明する。また、以下の説明では第1実施形態の図3も参照する。なお、以降の説明において、重畳レンズ150を採用した光学系を実施例の光学系ということもあり、重畳レンズ950を採用した光学系を比較例の光学系ということもある。
図6は、比較例としての液晶装置における入射角特性を示す図である。図7は、実施例としての液晶装置における入射角特性を示す図である。図8は、比較例としての液晶装置における照度分布を示す図である。図9は、実施例としての液晶装置における照度分布を示す図である。
ここで、実施例および比較例は、シミュレーションに基づくものである。該シミュレーションの前提として、凹レンズ151と凸レンズ152aとの位置および曲率を、蛍光YLの光学系に対して調整している。詳しくは、図3において、重畳レンズ150における光路の出射側から見たマルチレンズアレイ122または偏光変換素子140の虚像Pが、蛍光YLの光路の場合と同じ大きさ、位置となるようにしている。なお、該シミュレーションは、偏光分離素子などを介さずに、蛍光YLを液晶装置に直接入射させる構成で実施した。
図6では、液晶装置に対する蛍光YLの入射角度を、図7では、液晶装置に対する青色光LBの入射角度を、それぞれグラデーションの濃淡で示している。図8では、液晶装置に対する蛍光YLの照度を、図9では、液晶装置に対する青色光LBの照度を、それぞれグラデーションの濃淡で示している。
図6、図7に示すように、実施例の光学系では、比較例の光学系と略同様な入射角度の分布が得られることが分かった。また、図8に示した比較例の光学系では、略矩形の液晶装置の表示領域の全面に対して、略均一な照度分布が得られている。これに対して、図9に示した実施例の光学系では、破線で示した液晶装置の表示領域Qにおいて、略均一な照度分布が得られることが分かった。
青色光LBの光路に重畳レンズ150を採用したことによって、従来の重畳レンズ950を採用した蛍光YLの光路と比較して、一対のマルチレンズアレイ121からフィールドレンズ300Bまでの距離が約35%短縮された。また、上記距離が短縮されてプロジェクター2の小型化が容易になると共に、実施例の光学系では、比較例の光学系と同等な入射角度の分布および照度分布、換言すれば照明状態が得られることが分かった。
本実施形態によれば、第1実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
2つの光源202,802を用いても、液晶装置に対する照明状態を揃えることが可能となる。そのため、むらが少なく、高い表示品質のカラー画像が投射可能なプロジェクター2を提供することができる。
3.第3実施形態
本実施形態では、光変調装置である液晶装置を3個備えたプロジェクターを例示する。本実施形態に係るプロジェクター3は、第1実施形態のプロジェクター1に対して、光源を3つ備え、3つの光源のそれぞれにレトロフォーカス型の重畳レンズ150を採用した点が異なっている。そのため、第1実施形態と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、光変調装置である液晶装置を3個備えたプロジェクターを例示する。本実施形態に係るプロジェクター3は、第1実施形態のプロジェクター1に対して、光源を3つ備え、3つの光源のそれぞれにレトロフォーカス型の重畳レンズ150を採用した点が異なっている。そのため、第1実施形態と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
第3実施形態に係るプロジェクター3の光学系の構成について、図10を参照して説明する。図10は、第3実施形態に係るプロジェクター3の構成を示す概略図である。
図10に示すように、プロジェクター3は、それぞれ独立した3つの光源202,302,402を備えている。光源202は青色光LBを出射する。光源302は緑色光LGを出射する。光源402は赤色光LRを出射する。光源202,302,402には、半導体レーザーや発光ダイオードなどの発光素子と蛍光体とが含まれる。また、光源202,302,402として放電型のランプなどを用いてもよい。
プロジェクター3では、3つの光源202,302,402に対応する光路のそれぞれに、第1実施形態と同様なレトロフォーカス型の重畳レンズ150が採用されている。すなわち、青色光LB、緑色光LG、赤色光LRの各光路上には、コリメーター光学系110、一対のマルチレンズアレイ121,122、偏光変換素子140、および凹レンズ151と凸レンズ152aとを含む重畳レンズ150が配置されている。
青色光LBは、凸レンズ152aから出射されて反射ミラー25で反射された後、フィールドレンズ300Bを経て液晶装置400Bを照明する。緑色光LGは、凸レンズ152aから出射された後、フィールドレンズ300Gを経て液晶装置400Gを照明する。赤色光LRは、凸レンズ152aから出射されて反射ミラー23で反射された後、フィールドレンズ300Rを経て液晶装置400Rを照明する。
本実施形態によれば、第1実施形態における効果に加えて、ダイクロイックミラーを省略することができる。
4.第4実施形態
本実施形態では、光変調装置である液晶装置を3個備えたプロジェクターを例示する。本実施形態に係るプロジェクター4は、第2実施形態のプロジェクター2に対して、重畳レンズ150などの構成を変更したものである。そのため、第2実施形態と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、光変調装置である液晶装置を3個備えたプロジェクターを例示する。本実施形態に係るプロジェクター4は、第2実施形態のプロジェクター2に対して、重畳レンズ150などの構成を変更したものである。そのため、第2実施形態と同一の構成部位には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
第4実施形態に係るプロジェクター4の光学系の構成について、図11を参照して説明する。図11は、第4実施形態に係るプロジェクター4の構成を示す概略図である。
図11に示すように、プロジェクター4は、独立した2つの光源802,202を備えている。光源802から液晶装置400R,400Gまでの構成、および光源202から偏光変換素子140までの構成は、第2実施形態のプロジェクター2と同一である。
プロジェクター4は、光源202から出射された青色光LBの光路上に、重畳レンズ160、偏光変換素子としての偏光ビームスプリッター30、および1/4位相差板171を備えている。詳しくは、重畳レンズ160は、負のパワーを有する第1光学素子としての凹レンズ161と、第2光学素子としての正のパワーを有する凹面ミラー162とを有している。すなわち、凹レンズ161と凹面ミラー162とによって、レトロフォーカス型の重畳レンズ160が形成されている。
凹レンズ161と凹面ミラー162との間には、偏光ビームスプリッター30および1/4位相差板171が設けられている。
光源202から出射されるp偏光の青色光LBは、コリメーター光学系110、一対のマルチレンズアレイ121,122を経て、偏光変換素子140に入射される。偏光変換素子140は、マルチレンズアレイ121によって分割された青色光LBの各部分光束を、偏光方向が揃った直線偏光であるp偏光に変換して、重畳レンズ160の凹レンズ161に向け出射する。
重畳レンズ160は、凹レンズ161と凹面ミラー162とによって、偏光変換素子140から出射された青色光LBの各部分光束を集光して、液晶装置400Bの画像形成領域の近傍に重畳させる。凹レンズ161を透過された青色光LBは、偏光ビームスプリッター30に向け出射される。
偏光ビームスプリッター30は、例えばプリズム型であって、s偏光成分を反射させ、p偏光成分を透過させる。偏光ビームスプリッター30に入射された青色光LBは、p偏光であるため、偏光ビームスプリッター30にて透過されて、1/4位相差板171に向け出射される。
1/4位相差板171は、偏光ビームスプリッター30から入射された青色光LBを円偏光に変換して、凹面ミラー162に向け出射する。凹面ミラー162は、円偏光の青色光LBを集光反射させて、1/4位相差板171に向け出射する。
凹面ミラー162で反射された円偏光の青色光LBは、1/4位相差板171よって、90°偏光方向が回転されてs偏光の青色光LBとなる。s偏光の青色光LBは、1/4位相差板171から偏光ビームスプリッター30に向け出射される。偏光ビームスプリッター30は、s偏光の青色光LBを反射させて、フィールドレンズ300Bに向け出射させる。
なお、本実施形態では、正のパワーを有する第2光学素子として、凹面ミラー162を備える構成としたが、これに限定されない。凹面ミラー162に代えて、凸レンズおよび反射板を採用してもよい。
本実施形態によれば、第2実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
凹レンズ161と液晶装置400Bとの間の距離を、さらに短縮することができる。詳しくは、光源202から出射される青色光LBの偏光方向をp偏光に揃えることにより、凹レンズ161から出射された青色光LBは偏光ビームスプリッター30に透過される。偏光ビームスプリッター30に透過された青色光LBは、1/4位相差板171に入射される。そして、1/4位相差板171を透過されることによって円偏光となり、凹面ミラー162で反射されて再び1/4位相差板171に入射される。このとき、1/4位相差板171を透過されることによって、凹レンズ161から出射された青色光LBに対して、偏光方向が90°回転したs偏光となる。そのため、該偏光は、偏光ビームスプリッター30に透過されずに反射されて、液晶装置400Bを照明する。したがって、第2光学素子が凸レンズである場合と比べて、凹レンズ161と液晶装置400Bとの間の距離が短縮され、さらに小型化が容易なプロジェクター4とすることができる。
5.第1変形例
本変形例に係るプロジェクターにおいては、第1実施形態のプロジェクター1に対して、第1光学素子としての凹レンズが有する凹面を非球面とし、第2光学素子としての凸レンズが有する凸面を非球面としている。第1光学素子および第2光学素子のうち、どちらか一方に非球面を採用してもよいが、後述する効果の観点から、第1光学素子および第2光学素子の双方に非球面を採用することが好ましい。
本変形例に係るプロジェクターにおいては、第1実施形態のプロジェクター1に対して、第1光学素子としての凹レンズが有する凹面を非球面とし、第2光学素子としての凸レンズが有する凸面を非球面としている。第1光学素子および第2光学素子のうち、どちらか一方に非球面を採用してもよいが、後述する効果の観点から、第1光学素子および第2光学素子の双方に非球面を採用することが好ましい。
なお、これと同様にして、第2実施形態または第3実施形態の重畳レンズ150において、凹レンズ151が有する凹面、および凸レンズ152aが有する凸面に、それぞれ非球面を採用してもよい。
本変形例によれば、第1光学素子および第2光学素子に非球面を採用したことから、第1光学素子および第2光学素子における収差が低減される。そのため、重畳レンズの結像性能が向上して、液晶装置の表示領域内に集光されやすくなる。これにより、液晶装置を照明する光の照度分布をさらに均一とすることができる。
6.第2変形例
本変形例に係るプロジェクターにおいては、第4実施形態のプロジェクター4に対して、第1光学素子としての凹レンズに備わる凹面を非球面とし、第2光学素子としての凹面ミラーに備わる凹面を非球面としている。後述する効果の観点から、第2光学素子の凹面および第1光学素子の凹面の双方に非球面を採用することが好ましい。
本変形例に係るプロジェクターにおいては、第4実施形態のプロジェクター4に対して、第1光学素子としての凹レンズに備わる凹面を非球面とし、第2光学素子としての凹面ミラーに備わる凹面を非球面としている。後述する効果の観点から、第2光学素子の凹面および第1光学素子の凹面の双方に非球面を採用することが好ましい。
本変形例によれば、第1光学素子および第2光学素子に非球面を採用したことから、第1光学素子および第2光学素子における収差が低減される。そのため、重畳レンズの結像性能が向上して、液晶装置の表示領域内に集光されやすくなる。これにより、液晶装置を照明する光の照度分布をさらに均一とすることができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
プロジェクターは、光源と、光源から出射された光を平行化する第1光学系と、第1光学系から出射された光を均一化する第2光学系と、第2光学系から出射された光が入射され、負のパワーを有する第1光学素子と、第1光学素子から出射された光が入射され、正のパワーを有する第2光学素子と、第2光学素子から出射された光を画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、画像光を投射する投射光学装置と、を備える。
この構成によれば、重畳レンズの焦点距離を短縮することができる。詳しくは、従来は、マルチレンズアレイであるフライアイレンズ側のリレーレンズ、すなわち重畳レンズが1枚で構成されていた。したがって、重畳レンズの主平面は、該重畳レンズと重なり、バックフォーカスよりも焦点距離が長くなっていた。これに対して、本発明では、第1光学素子と第2光学素子とを重畳レンズとして用いている。第1光学素子および第2光学素子は、レトロフォーカス型の光学系を構成しているため、該光学系の主平面は、第2光学素子における光の出射側の空間に位置する。したがって、バックフォーカスよりも焦点距離が短くなり、従来よりも重畳レンズの焦点距離を格段に短縮することができる。
また、第1光学素子は、負のパワーを有するため、第2光学系から出射された光を拡大する機能を有している。そのため、従来と比べて、光源から第2光学系までを小さくすることができる。以上により、重畳レンズの焦点距離を短縮した、小型化が容易なプロジェクターを提供することができる。また、重畳レンズのバックフォーカスを短縮した、小型化が容易なプロジェクターを提供することができる。
上記のプロジェクターにおいて、光源は、発光素子を有することが好ましい。
この構成によれば、放電型の光源と比べて、点灯までに要する時間が短縮され、プロジェクターが画像などを投射するまでの待ち時間を短縮することができる。
上記のプロジェクターにおいて、光源は、蛍光体を有することが好ましい。
この構成によれば、蛍光体によって、特定の波長の光が蛍光に変換される。すなわち、発光素子から出射された光の波長を変換して利用することができる。
上記のプロジェクターにおいて、第1光学素子は、凹面を有し、凹面は、非球面であることが好ましい。
この構成によれば、第1光学素子に備わる凹面が球面である場合と比べて、第1光学素子における収差が低減される。そのため、照度分布のばらつきを抑えて、光変調装置を照明することができる。
上記のプロジェクターにおいて、第2光学素子は、凸面を有し、凸面は、非球面であることが好ましい。
この構成によれば、第2光学素子に備わる凸面が球面である場合と比べて、第2光学素子における収差が抑えられる。そのため、照度分布のばらつきを抑えて、光変調装置を照明することができる。
上記のプロジェクターにおいて、第2光学素子は、凹面ミラーであり、第1光学素子と第2光学素子との間には、偏光変換素子および1/4位相差板が設けられることが好ましい。
この構成によれば、第1光学素子と光変調装置との間の距離を短縮することができる。詳しくは、光源から出射される光の偏光方向を揃えることにより、第1光学素子から出射された光は偏光変換素子に透過される。偏光変換素子に透過された光は、1/4位相差板に入射される。そして、1/4位相差板を透過されることによって円偏光となり、凹面ミラーで反射されて再び1/4位相差板に入射される。このとき、1/4位相差板を透過されることによって、第1光学素子から出射された光に対して、偏光方向が90°回転した偏光となる。そのため、該偏光は、偏光変換素子に透過されずに反射されて、光変調装置を照明する。したがって、第2光学素子が凸レンズである場合と比べて、第1光学素子と光変調装置との間の距離が短縮され、さらに小型化が容易なプロジェクターとすることができる。
上記のプロジェクターにおいて、凹面ミラーの凹面は、非球面であることが好ましい。
この構成によれば、凹面ミラーの凹面が球面である場合と比べて、第2光学素子における収差が抑えられる。そのため、照度分布のばらつきを抑えて、光変調装置を照明することができる。
1,2,3,4…プロジェクター、30…偏光変換素子としての偏光ビームスプリッター、102,202,302,402…光源、110…第1光学系としてのコリメーター光学系、121,122…第2光学系としての一対のマルチレンズアレイ、151…第1光学素子としての凹レンズ、152a,152b…第2光学素子としての凸レンズ、162…第2光学素子としての凹面ミラー、171…1/4位相差板、400B,400G,400R…光変調装置としての液晶装置、412…発光素子としての第1半導体レーザー、413…発光素子としての第2半導体レーザー、600…投射光学装置、LW…照明光、YL…蛍光。
Claims (7)
- 光源と、
前記光源から出射された光を平行化する第1光学系と、
前記第1光学系から出射された光を均一化する第2光学系と、
前記第2光学系から出射された光が入射され、負のパワーを有する第1光学素子と、
前記第1光学素子から出射された光が入射され、正のパワーを有する第2光学素子と、
前記第2光学素子から出射された光を画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、
前記画像光を投射する投射光学装置と、
を備えるプロジェクター。 - 前記光源は、発光素子を有する、請求項1に記載のプロジェクター。
- 前記光源は、蛍光体を有する、請求項2に記載のプロジェクター。
- 前記第1光学素は、凹面を有し、
前記凹面は、非球面である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロジェクター。 - 前記第2光学素子は、凸面を有し、
前記凸面は、非球面である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプロジェクター。 - 前記第2光学素子は、凹面ミラーであり、
前記第1光学素子と前記第2光学素子との間には、偏光変換素子および1/4位相差板が設けられる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプロジェクター。 - 前記凹面ミラーの凹面は、非球面である、請求項6に記載のプロジェクター。
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