JP7310154B2 - リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質が提供される。
一般式(1):LixNayNi1-a-bCoaMbO2
(一般式(1)中、0.05≦a≦0.95、0≦b≦0.60、a+b<1、0.96≦x+y≦1.20、0<y≦0.1、元素Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La及びTaから選択される少なくとも1種の元素)
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質(以下、「正極活物質」ともいう。)の一例を示した図である。図1に示すように、正極活物質1は、層状の結晶構造を有するリチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10を含有する。
正極活物質1は、層状(層状岩塩型)の結晶構造を有するリチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10を含有する。リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10は、一般式(1):LixNayNi1-a-bCoaMbO2(一般式(1)中、0.05≦a≦0.95、0≦b≦0.60、a+b<1、0.96≦x+y≦1.20、0<y≦0.1、元素Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La及びTaから選択される少なくとも1種の元素である。)で表される。また、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10は、リチウムサイトにナトリウムを含有する。
上記一般式(1)中、リチウムの量を示すxと、ナトリウムの量を示すyとの合計(x+y)は、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10中のニッケル、コバルトおよび元素Mの原子数の和(TM)に対する、リチウムおよびナトリウム(Li+Na)の原子数比[(Li+Na)/TM)]を示す。また、[(Li+Na)/TM)]は、0.96以上1.20以下である。
上記一般式(1)中、ナトリウム(Na)の量を示すyは、0<y≦0.1であり、好ましくは0.001≦y≦0.1であり、より好ましくは0.002≦y≦0.05である。
上記一般式(1)中、ニッケル(Ni)の量を示す(1-a-b)は、0<(1-a-b)≦0.95である。ニッケルの量は、要求される電池特性に応じて、適宜、調整することができる。(1-a-b)は、例えば、高い電池容量の観点から、0.5以上であってもよく、0.6以上であってもよい。
上記一般式(1)中、コバルト(Co)の量を示すaは、0.05≦a≦0.95である。aが0.05以上である場合、サイクル特性や熱安定性に優れる。また、電池容量を向上させる観点から、xは0.5以下であってもよい。
元素Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La及びTaから選択される少なくとも1種の元素である。上記一般式(1)中、元素Mの量を示すbは、0≦b≦0.60である。元素Mを含む場合(bが0を超える場合)、出力特性、熱安定性などの電池特性を向上させることができる。一方、bが0.60を超える場合、Redox反応に貢献するNiが減少するため、電池容量が低下する。例えば、元素MがAlを含んでもよい。上記一般式(1)において、元素Mに含まれるAlの含有量をb1とする場合、好ましくは0.01≦b1≦0.1である。
リチウムイオン伝導性酸化物20は、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10の表面の少なくとも一部を被覆する。
正極活物質1は、比表面積が0.3m2/g以上2m2/g以下であることが好ましい。比表面積を上記範囲とすることにより、電解液との接触を高めて出力特性や電池容量をより良好なものとするとともに熱安定性安も確保することができる。一方、比表面積が0.3m2/g未満である場合、電解液との接触が十分に得られず、出力特性や電池容量が低下することがある。また、比表面積が2m2/gを超える場合、電解液の分解が促進され熱安定性が低下するがある。
本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、図2に示すように、ニッケルコバルト複合酸化物と、リチウム化合物と、ナトリウム化合物と、を混合してリチウム混合物を得る、混合工程(S10)と、リチウム混合物を焼成して、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10を得る、焼成工程(S20)と、
リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10と、モリブデンを含む化合物と、水溶液とを混合して、加熱処理する、モリブデン被覆工程(S30)と、
を備える。
混合工程(S10)は、ニッケルコバルト複合酸化物と、リチウム化合物と、ナトリウム化合物と、を混合してリチウム混合物を得る工程である。
ニッケルコバルト複合酸化物は、ニッケルとコバルトと、任意に元素Mとを含み、それぞれの金属元素の原子数比が、Ni:Co:M=(1-a-b):a:b(0.05≦a≦0.95、0≦b≦0.60、a+b<1、元素Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La及びTaから選択される少なくとも1種の元素)で表される。
リチウム化合物としては、特に限定されず、リチウムを含む公知の化合物を用いることができ、例えば、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムなどが挙げられる。これらの中でも、残留不純物の影響が少なく、焼成温度で溶解するという観点から、炭酸リチウム、及び、水酸化リチウムの少なくとも一方が好ましい。
ナトリウム化合物としては、ナトリウムを含む化合物を用いることができ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、過炭酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
焼成工程(S20)は、上記リチウム混合物を、焼成する工程である。リチウム混合物を焼成すると、ニッケルコバルト複合酸化物にリチウム化合物中のリチウム、及び、ナトリウム化合物中のナトリウムが拡散し、層状構造を有するリチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を得ることができる。焼成条件は、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物の組成により適宜、調整できる。以下、焼成条件の一例について説明する。
モリブデン被覆工程(S30)は、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10と、モリブデンを含む化合物と、水溶液とを混合(撹拌)する、混合工程(S31)と、加熱処理する、加熱処理工程(S32)とを備えることが好ましい。
混合工程(S31)は、図3に示すように、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10と、モリブデンを含む化合物とを撹拌(混合)しながら、さらに、水又は水溶液を噴霧して混合することが好ましい。
モリブデンを含む化合物は、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10の表面に存在するリチウム化合物と反応して、モリブデンとリチウムとを形成できる化合物であればよい。モリブデンを含む化合物としては、例えば、酸化モリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウムなどが挙げられ、酸化モリブデン及びモリブデン酸の少なくとも一方が好ましく、酸化モリブデンがより好ましい。なお、モリブデンを含む化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
水又は水溶液は、モリブデンを含む化合物を溶解して、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10の表面に存在するリチウム化合物と反応させる。水溶液としては、モリブデンを含む化合物を溶解し、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物10の表面に存在するリチウム化合物と反応させることができる水溶液であればよい。水、又は水溶液としては、例えば、水、アンモニア水、苛性ソーダー水などが挙げられる。
また、混合工程(S31)では、さらに、リチウムイオン伝導性酸化物20を形成するリチウム源として、リチウム化合物を添加してもよい。リチウム化合物を添加することにより、リチウムイオン伝導性の高いLi4MoO5等のリチウムイオン伝導性酸化物20を容易に形成することができる。リチウム化合物としては、炭酸リチウム、水酸化リチウムなどを用いることができる。
加熱処理工程(S32)は、混合工程(S31)で得られた混合物を、加熱処理する工程である。加熱処理は、50℃以上200℃の範囲で1時間以上加熱処理を行うことが好ましく、100℃以上200℃以下の温度で1時間以上行うことがより好ましい。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池(以下、「二次電池」ともいう。)は、上述した正極活物質を含む正極と、負極と、非水系電解質とを備える。二次電池は、例えば、正極、負極、及び非水系電解液を備える。また、二次電池は、例えば、正極、負極、及び固体電解質を備えてもよい。また、二次電池は、リチウムイオンの脱離及び挿入により、充放電を行う二次電池であればよく、例えば、非水系電解液二次電池であってもよく、全固体リチウム二次電池であってもよい。なお、以下に説明する実施形態は例示にすぎず、本実施形態に係る二次電池は、本明細書に記載されている実施形態を基づいて、種々の変更、改良を施した形態に適用してもよい。
(正極)
まず、上記の正極活物質100、導電材および結着剤を混合し、さらに必要に応じて活性炭や、粘度調整などの目的の溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを作製する。その際、目的とする二次電池の性能に応じて、正極合材ペースト中のそれぞれの混合比は、適宜、調整することができる。例えば、溶剤を除いた正極合材の固形分を100質量部とした場合、正極活物質の含有量を60質量部以上95質量部以下、導電材の含有量を1質量部以上20質量部以下とし、結着剤の含有量を1質量部以上20質量部以下としてもよい。
負極として、金属リチウムやリチウム合金などを用いてもよい。また、負極として、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅などの金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを用いてもよい。
正極と負極との間には、必要に応じてセパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、ポリエチレンやポリプロピレンなどの薄い膜で、微少な孔を多数有する膜を用いることができる。
非水系電解質としては、非水系電解液を用いることができる。非水系電解液は、例えば、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものを用いてもよい。また、非水系電解液として、イオン液体にリチウム塩が溶解したものを用いてもよい。なお、イオン液体とは、リチウムイオン以外のカチオンおよびアニオンから構成され、常温でも液体状を示す塩をいう。
二次電池の構成は、特に限定されず、上述したように正極、負極、セパレータ、非水系電解質などで構成されてもよく、正極、負極、固体電解質などで構成されもよい。また、二次電池の形状は、特に限定されず、円筒形や積層形など、種々の形状にすることができる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極活物質1を正極に含むことにより、高出力で高い耐久性を有することができる。好ましい形態で得られた正極活物質1を、例えば、実施例で用いたような2032型コイン型電池の正極に用いた場合、低い正極界面抵抗(正極抵抗)と、サイクル試験後の高い放電容量維持率を得ることができる。
誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法による定量分析により測定した。また、ICP発光分光分析装置には、株式会社島津製作所製のICPE-9000を用いた。
(サイト占有率)
リチウムサイトのナトリウムのサイト占有率は、X線回折のリートベルト解析から求めた。また、X線回折装置(XRD)には、スペクトリス株式会社製のX‘PertPROを、リートベルト解析には、米国MDI社製のJADE-XRD解析ソフトウェアを用いた。
窒素吸着によるBET法により測定した。また、比表面積測定装置には、株式会社マウンテック製のマックソーブ1200シリーズ(流動式窒素ガス吸着法)を用いた。
得られたリチウムイオン二次電池用正極活物質の電池特性の評価は、以下のように図5に示す評価用コイン型電池CBAを作製して行った。
正極界面抵抗(正極抵抗)は、コイン型電池CBAを用いて、以下の方法で評価した。まず、コイン型電池CBAを充電電位4.0Vで充電して、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン社製、1255B)を使用して交流インピーダンス法により測定して図6に示すインピーダンススペクトル(ナイキストプロット)を得た。得られたナイキストプロットには、高周波領域と中間周波領域とに2つの半円が観測され、低周波領域に直線が観察される。このナイキストプロットに基づき、図6に示す等価回路モデルを用いてフィッティング計算して、正極界面抵抗を算出した。なお、図6における、Rsはバルク抵抗、R1は正極被膜抵抗、Rctは電解液/正極界面抵抗(界面のLi+移動抵抗)、Wはワーブルグ成分、CPE1、CPE2は定相要素を示す。なお、表1、2中、正極界面抵抗は、比較例1を1(基準)とした場合の相対値を示す。
放電容量維持率は、コイン型電池CBAを用いて、充放電サイクル試験後の容量維持率により評価した。充放電サイクル試験は、60℃の環境下で3.0-4.2Vの電圧範囲で、充電と放電を100サイクル繰り返し行った。100サイクル目の放電容量を測定して、1サイクル目の放電容量(初期放電容量)に対する100サイクル目の放電容量の百分率を容量維持率(%)として求めた。
公知の技術で得られたニッケルを主成分とする水酸化物を600℃で加熱して得られたニッケルコバルト酸化物と、リチウム化合物として水酸化リチウムと、ナトリウム化合物として炭酸ナトリウムと、を混合してリチウム混合物を得た。なお、炭酸ナトリウムは、リチウム混合物中、ナトリウムの量がニッケルコバルト酸化物に含まれるニッケル、コバルトおよびアルミニウムの原子数の合計に対して、1原子%となるように混合した。上記リチウム混合物を750℃で12時間焼成して、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を得た。
組成がLi1.03Na0.02Ni0.82Co0.15Al0.03O2となるように、リチウム混合物中のリチウム化合物及びナトリウム化合物の混合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を作製した。リチウムサイト中のナトリウム含有量は1.9%であった。また、得られたリチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を用いて電池特性を評価した。評価結果を表1に示す。
組成がLi1.00Na0.05Ni0.82Co0.15Al0.03O2となるように、リチウム混合物中のリチウム化合物及びナトリウム化合物の混合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を作製した。リチウムサイト中のナトリウム含有量は1.9%であった。また、得られたリチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を用いて電池特性を評価した。評価結果を表1に示す。
組成がLi0.95Na0.10Ni0.82Co0.15Al0.03O2となるように、リチウム混合物中のリチウム化合物及びナトリウム化合物の混合量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を作製した。リチウムサイト中のナトリウム含有量は9.0%であった。得られたリチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を用いて電池特性を評価した。評価結果を表1に示す。
参考例1で得られたリチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物(母材)と酸化モリブデンとを混合攪拌機を用いて、十分に撹拌しながら、これらの粉末表面に水をリチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物に対して8質量%噴霧した。その後、得られた混合物を150℃で1時間加熱処理を行ない、母材の表面にモリブデンを含む化合物(Mo化合物)の被覆を行い、正極活物質を得た。
正極活物質中のMoの含有量を0.25原子%とした以外は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。また、被覆されたMo化合物の形態は、Li2MoO4であった。得られた正極活物質を用いて電池特性を評価した。評価結果を表2に示す。
正極活物質中のMoの含有量を0.50原子%とした以外は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。また、被覆されたMo化合物の形態は、Li2MoO4であった。得られた正極活物質を用いて電池特性を評価した。評価結果を表2に示す。
正極活物質中のMoの含有量を0.95原子%とした以外は実施例5と同様にして正極活物質を作製した。また、被覆されたMo化合物の形態は、Li2MoO4であった。得られた正極活物質を用いて電池特性を評価した。評価結果を表2に示す。
加熱処理温度を25℃とした以外は実施例3と同様にして正極活物質を作製した。また、被覆されたMo化合物の形態は、MoO3であった。得られた正極活物質を用いて電池特性を評価した。評価結果を表2に示す。
加熱処理温度を100℃とした以外は実施例3と同様にして正極活物質を作製した。また、被覆されたMo化合物の形態は、MoO3であった。得られた正極活物質を用いて電池特性を評価した。評価結果を表2に示す。
リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物(母材)と酸化モリブデンとを混合する際に、水酸化リチウムを添加したこと以外は実施例3と同様にして正極活物質を作製した。また、被覆されたMo化合物の形態は、Li4MoO5であった。得られた正極活物質を用いて電池特性を評価した。評価結果を表2に示す。
公知の技術で得られたニッケルを主成分とする水酸化物を600℃で加熱して得られたニッケルコバルト酸化物と、リチウム化合物として水酸化リチウムとを混合し、750℃で12時間焼成し、リチウムニッケル複合酸化物(正極活物質)を得た。得られた正極活物質の組成は、Li1.05Ni0.82Co0.15Al0.03O2であった。このリチウムニッケル複合酸化物の比表面積は、0.5m2/gであった。
比較例1のリチウムニッケル複合酸化物(正極活物質)を用いて、正極活物質中のMoの含有量を0.50質量%とした以外は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。また、被覆されたMo化合物の形態は、Li2MoO4であった。得られた正極活物質を用いて電池特性を評価した。評価結果を表2に示す。
熱処理温度を25℃とした以外は比較例2と同様にして正極活物質を作製した。また、被覆されたMo化合物の形態は、MoO3であった。得られた正極活物質を用いて電池特性を評価した。評価結果を表2に示す。
表1に示されるように、参考例1~4のリチウムサイトにナトリウムを含有するリチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物では、ナトリウムを含有しない比較例1と比較して、放電容量維持率が向上した。特に、ナトリウムのサイト占有率が5%以下である参考例1~3の正極活物質では、正極界面抵抗が低減し、かつ、高い放電容量維持率を示した。
10…リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物
20…リチウムイオン伝導性酸化物
CBA…コイン型電池(評価用)
PE…正極(評価用電極)
NE…負極
SE…セパレータ
GA…ガスケット
WW…ウェーブワッシャー
PC…正極缶
NC…負極缶
Claims (10)
- リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物と、前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物の表面の少なくとも一部を被覆するリチウムイオン伝導性酸化物と、を含有するリチウムイオン二次電池用正極活物質であって、
前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物は、層状の結晶構造を有し、下記の一般式(1)で表され、かつ、リチウムサイトである3aサイトにナトリウムを含み、
X線回折によるリートベルト解析から得られる3aサイトのナトリウムのサイト占有率が0.1%以上10%以下であり、
前記リチウムイオン伝導性酸化物は、モリブデン及びリチウムを含む化合物からなる、リチウムイオン二次電池用正極活物質。
一般式(1):LixNayNi1-a-bCoaMbO2
(前記一般式(1)中、0.05≦a≦0.95、0≦b≦0.60、a+b<1、0.96≦x+y≦1.20、0<y≦0.1、元素Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La及びTaから選択される少なくとも1種の元素) - 前記リチウムイオン伝導性酸化物は、Li2MoO4、Li4MoO5、及び、Li4Mo5O17からなる群から選択される少なくとも一つを含むモリブデン酸リチウムである、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
- 前記リチウムイオン伝導性酸化物に含まれるモリブデンの量が、前記正極活物質に含まれるニッケル、コバルト、および、元素Mの原子数の合計に対して、0.1原子%以上1.0原子%以下である、請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
- リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を含有する正極活物質の製造方法であって、
ニッケルコバルト複合酸化物と、リチウム化合物と、ナトリウム化合物と、を混合してリチウム混合物を得る工程と、
前記リチウム混合物を焼成して、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を得る工程と、
前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物と、モリブデンを含む化合物と、水又は水溶液と、を混合して、加熱処理する工程と、
を備え、
前記ニッケルコバルト複合酸化物は、ニッケルとコバルトと、任意に元素Mとを含み、それぞれの金属元素の原子数比が、Ni:Co:M=(1-a-b):a:b(0.05≦a≦0.95、0≦b≦0.60、a+b<1、元素Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La及びTaから選択される少なくとも1種の元素)で表され、
前記リチウム混合物中のリチウムとナトリウムの合計量が、ニッケル、コバルト及び元素Mの合計量に対して、96原子%以上120原子%であり、かつ、ナトリウムの量が、ニッケル、コバルト及び元素Mの合計量に対して、0原子%を超え10原子%以下であり、
前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物は、層状の結晶構造を有し、かつ、リチウムサイトである3aサイトにナトリウムを含み、
X線回折によるリートベルト解析から得られる3aサイトのナトリウムのサイト占有率が0.1%以上10%以下であり、
前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物の表面を、モリブデン及びリチウムを含む化合物からなるリチウムイオン伝導性酸化物で被覆する、
リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記焼成は、700℃以上850℃以下、5時間以上15時間以下で行う、請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記水又は前記水溶液は、前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物に対して、2質量%以上10質量%以下で混合する、請求項4又は請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記加熱処理は、50℃以上200℃以下の範囲で1時間以上加熱する、請求項4~請求項6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記正極活物質に含まれるモリブデンの量が、前記正極活物質に含まれるニッケル、コバルトおよび元素Mの原子数の合計に対して、0.1原子%以上1.0原子%以下である、請求項4~請求項7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記モリブデン及びリチウムを含む化合物は、Li2MoO4、Li4MoO5、及び、Li4Mo5O17からなる群から選択される少なくとも一つを含むモリブデン酸リチウムである、請求項4~請求項8のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 正極と負極と非水系電解質とを備え、
前記正極は、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質を含む、リチウムイオン二次電池。
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