JP7163724B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
(1) 毛髪化粧料用(共)重合体を0.5~50質量%含有する毛髪化粧料であって、前記毛髪化粧料用(共)重合体が、
(A)酢酸ビニル、N-ビニルラクタム、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジアルキル(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリロイルエチルジアルキルベタインからなる群より選ばれた一種以上の水溶性ビニル単量体100質量部と、
(B)下記一般式(1)で示される水酸基含有有機過酸化物0.01~10質量部と、
(C)チオグリコール酸塩類、システイン類、システイン類の塩、システアミン類、システアミン類の塩、亜硫酸塩類および2-ヒドロキシ-2-スルフィノ酢酸塩類からなる群より選ばれた一種以上の還元剤0.01~10質量部とを重合してなることを特徴とする、毛髪化粧料。
(式(1)において、Rは水素またはメチル基である。)
なお、本発明の毛髪化粧料用ビニル(共)重合体は、重合体の構造を明確かつ一般的に規定することが困難あるいは実際的ではないものであり、重合に供する組成物の規定によって物の発明を特定したものである。
毛髪化粧料用(共)重合体は、一種類の(A)水溶性ビニル単量体のホモポリマーであってよく、二種類以上の(A)水溶性ビニル単量体の共重合体であってよく、一種類以上の(A)水溶性ビニル単量体と他の単量体との共重合体であってよい。
(A)水溶性ビニル単量体は、毛髪化粧料用ビニル(共)重合体を構成する主成分である。水溶性ビニル単量体を使用することで、毛髪化粧料、特にヘアスタイリング剤として髪のまとまり感が得られる。
(A)水溶性ビニル単量体の具体例としては、(A)酢酸ビニル、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-3-メチル-2-ピロリドン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルエチルジメチルベタイン、(メタ)アクリロイルエチルジエチルベタイン、等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用して使用しても良い。
(B)水酸基含有有機過酸化物は、毛髪化粧料用ビニル(共)重合体を重合するための重合開始剤であり、有機過酸化物からなるものである。具体的には、3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルブチルヒドロペルオキシドおよび3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルプロピルヒドロペルオキシドが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種を併用して使用しても良い。
(C)還元剤は、チオグリコール酸塩類、システイン類、システイン類の塩、システアミン類、システアミン類の塩、亜硫酸塩類、2-ヒドロキシ-2-スルフィノ酢酸塩類であり、(B)水酸基含有有機過酸化物からラジカルを発生するための助剤として作用する。(C)還元剤を使用することにより、30~80℃の重合温度でも、(B)水酸基含有有機過酸化物からラジカルが発生して、毛髪化粧料用ビニル(共)重合体を重合することができる。
毛髪化粧料用(共)重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、(A)水溶性ビニル単量体に加えて、(D)その他のビニル単量体を含んでいても良い。(D)その他のビニル単量体とは、(A)成分として規定する水溶性ビニル単量体以外のビニル単量体である。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用して使用しても良い。
毛髪化粧料用ビニル(共)重合体は、髪へ塗布する際のハンドリングを良くする為、溶剤で希釈して使用される。希釈する溶媒としては、水、エタノール、液体のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
毛髪化粧料には、その効果を阻害しない範囲で、成分(A)~(D)および溶剤以外の添加剤が配合されていてもよい。添加剤としては、界面活性剤、コンディショニング剤、増粘剤、粘度調整剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、粉末成分、抗フケ用薬剤、育毛薬剤、pH調整剤、色素、香料等の1種乃至2種以上を適宜配合できる。
毛髪化粧料用ビニル(共)重合体の製造方法について、重合温度は10℃~90℃、好ましくは30℃~80℃、更に好ましくは50℃~70℃である。重合温度は高いほど早く反応が進むが、溶媒、或いは(A)水溶性ビニル単量体の沸点以上の温度で重合すると系中の(A)水溶性ビニル単量体濃度が変化して重合反応が進行しにくいため、好ましくない。
各成分の添加方法は、溶媒である水に(C)還元剤を溶解し、一方で(A)水溶性ビニル単量体と(B)水酸基含有重合開始剤を溶解し、どちらか一方、或いは双方を反応容器に連続的に滴下して重合を行うことにより得る(滴下工程)。
本重合反応において、成分(B)と成分(C)が接触すると成分(B)からラジカルが発生して重合反応が起こる。各成分の添加を一括で仕込みを行った場合、一度に多量のラジカルが発生して重合が開始されるため、重合発熱が大きくなり制御できず、不要な分岐構造、或いはビニル(共)重合体のゲル化が生じる。そのため、目的とする毛髪化粧料用ビニル(共)重合体を得ることができない。
滴下工程において、滴下時間は0.5時間~8時間、好ましくは1時間~6時間、更に好ましくは2時間~5時間である。
滴下工程終了後、0.5時間~4時間の熟成工程を行うことが好ましい。熟成工程を行うことで、重合反応が十分に進行して分子量が適切な範囲、すなわち数平均分子量Mn=10,000~50,000の毛髪化粧料用ビニル(共)重合体を得ることができる。
滴下工程後、或いは熟成工程後には、残存モノマーを低減する目的で、重合温度から+20℃~30℃で0.5時間~2時間の後反応を行うことが好ましい。
(実施例E)
重合に使用した(A)水溶性ビニル単量体、(B)水酸基含有有機過酸化物、(C)還元剤を、表1に記載する種類及び配合量に変更した。また、実施例J、Kにおいては、(D)その他のビニル単量体を配合した。これ以外は、実施例Eと同様の操作を行い、実施例F~Mおよび比較例N、Oの毛髪化粧料用(共)重合体を得た。ただし、表1に示す各配合量の数値は、「質量部」単位である。
実施例Eの毛髪化粧料用(共)重合体を15質量%と、水を40質量部と、エタノールを15質量%と、LPG(ポリエチレングリコール(♯400))を30質量%とを室温で混合し、表2に示すような実施例1の毛髪化粧料を得た。ただし、表2、表3に示す各数値は「質量%」単位である。
使用した毛髪化粧料用(共)重合体、水、エタノール、LPG(ポリエチレングリコール(♯400))を、表2、表3に記載する種類及び配合量に変更した。それ以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例2~11および比較例1~2の毛髪化粧料を得た。
(まとまり感)
毛髪化粧料をヘアスタイリング剤として使用し、以下の基準で評価した。
「○」・・・ヘアセットが良好で、ベタツキ、ゴワツキが感じられない
「×」・・・ヘアセット、ベタツキ、ゴワツキのいずれか1項目がNG
(キープ力)
「○」・・・毛髪化粧料をヘアスタイリング剤として使用した際、30℃、80%、RHの恒温恒湿槽に1時間静置した後、指で触った感覚でまとまりがある
「×」・・・毛髪化粧料をヘアスタイリング剤として使用した際、30℃、80%、RHの恒温恒湿槽に1時間静置した後、指で触った感覚でまとまりがない
比較例2では、重合開始剤として、水溶性アゾ化合物を使用したため、毛髪化粧料にキープ力がなかった。
Claims (1)
- 毛髪化粧料用(共)重合体を0.5~50質量%含有する毛髪化粧料であって、前記毛髪化粧料用(共)重合体が、
(A)酢酸ビニル、N-ビニルラクタム、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジアルキル(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリロイルエチルジアルキルベタインからなる群より選ばれた一種以上の水溶性ビニル単量体100質量部と、
(B)下記一般式(1)で示される水酸基含有有機過酸化物0.01~10質量部と、
(C)チオグリコール酸塩類、システイン類、システイン類の塩、システアミン類、システアミン類の塩、亜硫酸塩類および2-ヒドロキシ-2-スルフィノ酢酸塩類からなる群より選ばれた一種以上の還元剤0.01~10質量部とを重合してなることを特徴とする、毛髪化粧料。
(式(1)において、Rは水素またはメチル基である。)
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