JP7149089B2 - 含窒素複素環化合物およびスクアリリウム化合物の製造方法 - Google Patents

含窒素複素環化合物およびスクアリリウム化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、含窒素複素環化合物の製造方法と、スクアリリウム化合物の製造方法に関するものである。
スクアリリウム化合物は赤色~近赤外領域に吸収域を有する色素として有用であり、これまで様々な種類のスクアリリウム化合物が知られている。例えば特許文献1~3には、スクアリリウム骨格の両側にベンゼン環が結合した構造を有するスクアリリウム化合物が開示されており、特に特許文献1には、下記に示すスクアリリウム化合物が開示されている。特許文献1には当該スクアリリウム化合物の製造方法も開示され、出発原料として2,3,3-トリメチルインドレニンを用い、インドレニン骨格の窒素原子への基Rxの導入、インドレニン骨格の水素付加によるインドリン骨格への変換、インドリン骨格へのニトロ基の導入、ニトロ基のアミノ基への還元、アミノ基のアミド化、スクアリン酸との付加反応を経て、下記に示すスクアリリウム化合物が製造されている。
Figure 0007149089000001
国際公開第2014/088063号 特開2012-008532号公報 特開2015-086378号公報
しかし、特許文献1の製造方法は収率の点で改善の余地があり、特にスクアリリウム化合物の製造原料となるインドリン化合物等の含窒素複素環化合物を製造する段階でより効率的に製造できる方法があれば望ましい。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率的に含窒素複素環化合物を得ることができる含窒素複素環化合物の製造方法とスクアリリウム化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、スクアリリウム化合物の製造原料として用いることができる含窒素複素環化合物の製造方法について様々検討した。その結果、ニトロ基がベンゼン環に結合し、当該ベンゼン環に含窒素複素環が縮環した化合物に対して、当該環構造を構成する窒素原子に置換基を導入することにより、スクアリリウム化合物の製造原料として用いることができる含窒素複素環化合物を効率的に製造することができることが分かった。この際、含窒素複素環に導入する置換基の供給源としてアルデヒド化合物を用い、これを特定の水素化ホウ素化合物の共存下で反応させることにより、当該置換基を含窒素複素環化合物の環構造を構成する窒素原子に効率的に導入できることが明らかになった。
つまり、本発明は以下の発明を含むものである。
[1]下記式(1)で表される化合物を、下記式(3)で表される水素化ホウ素化合物の存在下、下記式(2)で表されるアルデヒド化合物と反応させて、下記式(4)で表される化合物を得る工程を含むことを特徴とする含窒素複素環化合物の製造方法。
Figure 0007149089000002

[式(1)~式(4)中、
とRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、またはハロゲノ基を表し、
は炭素数1~20のアルキル基を表し、
は炭素数1~6のアルキル基または炭素数2~6のアシル基を表し、
Mはアルカリ金属原子を表し、
環Aは置換基を有していてもよい5員~8員の含窒素複素環を表す。]
[2]Rは分岐状アルキル基を表す[1]に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[3]Rの分岐状アルキル基は、前記式(2)のアルデヒド化合物のホルミル基のα位、β位またはγ位で分岐している[2]に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[4]RおよびRは水素原子を表す[1]~[3]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の製造方法により前記式(4)で表される含窒素複素環化合物を得る工程を含むことを特徴とするスクアリリウム化合物の製造方法。
[6]前記含窒素複素環化合物に含まれるニトロ基をアミノ基に変換する還元工程と、
前記アミノ基をアミド基に変換するアミド化工程と、
前記アミド化工程で得られた生成物を、スクアリン酸またはその誘導体と反応させて、下記式(5)で表される構造を有するスクアリリウム化合物を得る工程をさらに含む[5]に記載のスクアリリウム化合物の製造方法。
Figure 0007149089000003

[式(5)中、R~Rおよび環Aは上記と同じ意味を表し、Rは有機基を表す。]
本発明の製造方法によれば、効率的に含窒素複素環化合物およびスクアリリウム化合物を製造することができる。
本発明の含窒素複素環化合物の製造方法は、下記式(1)で表される化合物を、下記式(3)で表される水素化ホウ素化合物の存在下、下記式(2)で表されるアルデヒド化合物と反応させて、下記式(4)で表される化合物を得る工程を含むものである。
Figure 0007149089000004
式(1)~式(4)中、R1とR2はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、またはハロゲノ基を表し、R3は炭素数1~20のアルキル基を表し、R4は炭素数1~6のアルキル基または炭素数2~6のアシル基を表し、Mはアルカリ金属原子を表し、環Aは置換基を有していてもよい5員~8員の含窒素複素環を表す。以下、式(1)で表される化合物と式(4)で表される化合物を、「含窒素複素環化合物」と称する場合がある。
本発明の製造方法によれば、式(1)の含窒素複素環化合物のベンゼン環の炭素原子に結合した窒素原子であって、当該ベンゼン環と縮環した環Aの一部を構成する窒素原子に、式(2)のアルデヒド化合物が有するR3のアルキル基を導入することができる。この際、式(3)で表される水素化ホウ素化合物を共存させることによって、式(1)の化合物から式(4)の化合物を高収率かつ高純度で得ることが可能となる。式(4)の含窒素複素環化合物は、スクアリリウム化合物の製造原料、特に赤色~近赤外領域に吸収ピークを有するスクアリリウム化合物の製造原料に好適に用いることができる。従って、本発明によれば、スクアリリウム化合物の効率的な製造が可能となる。
式(1)および式(4)の含窒素複素環化合物において、ベンゼン環に結合したニトロ基は、スクアリリウム化合物を製造する際のアミド基の前駆体として機能する。式(4)の含窒素複素環化合物のベンゼン環に結合したニトロ基をアミド基に変換することによって、当該アミド基の隣接水素原子が引き抜かれやすくなり、スクアリン酸と反応させる際に、当該水素原子の結合位置でスクアリン酸との付加反応がスムーズに進行しやすくなる。なお、式(1)の化合物は、環Aの一部を構成するアミノ基に対してメタ位の位置にニトロ基が結合していることによって、オルト位やパラ位にニトロ基が結合する場合と比べて塩基性が高まり、上記の式(1)の化合物から式(4)の化合物を合成する反応をスムーズに進行させることができる。
式(1)および式(4)の含窒素複素環化合物において、ベンゼン環に結合し、環Aの一部を構成するアミノ基は、スクアリリウム化合物としたときに、赤色~近赤外領域の吸収ピークを長波長側(例えば685nm以上)にシフトさせるように機能する。これにより、赤色領域の光線の透過率が高まり、透過光の色味が実際のものに近付くようになる。当該アミノ基は、スクアリン酸と反応させる際に、パラ位の水素原子の引き抜きを容易にして、当該水素原子の結合位置でスクアリン酸との付加反応がスムーズに進行するように寄与する。
式(1)および式(4)の含窒素複素環化合物において、環Aは、スクアリリウム化合物としたときに、赤色~近赤外領域の吸収ピークをシャープに形成するように機能する。これにより、当該吸収ピークに対応した波長域の光を選択的にカットすることが可能となる。
式(1)および式(4)の含窒素複素環化合物において、R1とR2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の環状(脂環式)アルキル基等が挙げられる。アルキル基は置換基を有していてもよく、アルキル基が有する置換基としては、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲノ基等が挙げられる。ハロゲノ基を有するアルキル基としては、モノハロゲノアルキル基、ジハロゲノアルキル基、トリハロメチル単位を有するアルキル基、パーハロゲノアルキル基等が挙げられる。ハロゲノ基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。アルキル基の炭素数は、直鎖状または分岐状のアルキル基であれば炭素数1~20が好ましく、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~8であり、さらにより好ましくは1~6であり、環状のアルキル基であれば炭素数4~10が好ましく、5~8がより好ましい。
1とR2のアルコキシ基に含まれるアルキル基の具体例は、上記のアルキル基に関する説明が参照される。
1とR2のハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。
式(1)および式(4)の含窒素複素環化合物において、R1は嵩高くない基または原子であることが好ましい。これにより、式(1)の含窒素複素環化合物と式(2)のアルデヒド化合物との反応をスムーズに進行させることができる。具体的には、式(2)のアルデヒド化合物が式(1)の含窒素複素環化合物のR1の隣接炭素原子に結合したアミノ基に接近しやすくなり、反応中間体であるカルビノールアミンあるいはイミニウムイオンの生成反応がスムーズに進行しやすくなる。その結果、式(2)のアルデヒド化合物由来の基R3を式(1)の含窒素複素環化合物のアミノ基に効率的に導入しやすくなる。R1は電子求引性基でないことが好ましく、これにより、式(1)の含窒素複素環化合物の塩基性の低下が抑えられ、式(2)のアルデヒド化合物との反応性を高めることができる。このような観点から、R1は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
式(1)および式(4)の含窒素複素環化合物において、R2は嵩高くない基または原子であることが好ましい。これにより、スクアリン酸と反応させる際の反応性を高めることができる。具体的には、式(4)の含窒素複素環化合物のニトロ基をアミド基に変換した誘導体をスクアリン酸と反応させる際に、当該アミド基と基R2の間の炭素原子(当該炭素原子には水素原子が結合している)がスクアリン酸に接近しやすくなり、スクアリン酸との反応が進行しやすくなる。R2はまた電子求引性基でないことが好ましく、これにより、式(1)の含窒素複素環化合物の塩基性の低下が抑えられ、式(2)のアルデヒド化合物との反応性を高めることができる。このような観点から、R2は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
式(1)および式(4)の含窒素複素環化合物において、環Aの5員~8員の含窒素複素環は、環構成原子として窒素原子を必須的に有し、さらに炭素原子を有することが好ましい。環Aは、芳香族複素環であってもよく、非芳香族複素環であってもよい。
環Aは、環構成原子として、窒素原子1つのみを有していてもよく、2つ以上有していてもよい。環Aは、窒素原子以外のヘテロ原子(例えば、酸素原子や硫黄原子)を環構成原子として有していてもよい。環Aの含窒素複素環としては、例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサメチレンイミン環、ヘプタメチレンイミン環、モルホリン環、チオモルホリン環、ピペラジン環等が挙げられる。なお、式(1)の含窒素複素環化合物の製造容易性や入手容易性の点から、環Aと含窒素複素環は、環構成原子として窒素原子を1つのみ有することが好ましく、それ以外の環構成原子は炭素原子から構成されることが好ましい。環Aは、非芳香族含窒素複素環であることが好ましく、ベンゼン環と縮環した炭素-炭素結合以外は、単結合により炭素原子と窒素原子または炭素原子どうしが結合して環形成していることがより好ましい。
環Aの環員数は5員~8員であり、6員以下が好ましい。これにより、スクアリリウム化合物としたときに、赤色~近赤外領域の吸収ピークをシャープなものにすることができ、当該吸収ピークの短波長側の傾斜部の傾きを吸収なものとすることができる。そのため、透過波長域と吸収波長域との境目がシャープに形成され、吸収ピークに対応した波長域の光を選択的にカットすることが可能となる。
式(1)の含窒素複素環化合物の環Aは、置換基を有していてもよい。式(4)の含窒素複素環化合物の環Aは、R3以外に置換基を有していてもよい。環Aが有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、ハロゲノ基等が挙げられる。環Aが有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノ基の具体例は、上記のR1とR2のこれらの基に関する説明が参照される。環Aが有していてもよいアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、インデニル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は、6~20が好ましく、より好ましくは6~12である。環Aが有していてもよいアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、7~25が好ましく、より好ましくは7~15である。これらの中でも、環Aが有していてもよい置換基としては、炭素数1~3のアルキル基が好ましい。環Aはまた、置換基を有しないことも好ましい。
式(1)および式(4)の含窒素複素環化合物としては、それぞれ、下記式(1-1)および式(4-1)で表される含窒素複素環化合物が好ましく挙げられる。
Figure 0007149089000005
式(1-1)および式(4-1)において、R1~R3は上記に説明した通りである。R5は、ベンゼン環に縮環した含窒素複素環を構成する炭素原子に結合する水素原子または置換基を表し、nは1~4の整数を表す。複数のR5は互いに同一であっても異なっていてもよい。R5の置換基としては、上記に説明したアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、ハロゲノ基が挙げられる。R5としては、水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子または炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。
式(2)のアルデヒド化合物は、式(1)の含窒素複素環化合物のアミノ基に基R3を導入するために用いられる。基R3が導入された式(4)の含窒素複素環化合物をスクアリリウム化合物の製造原料として用いることにより、有機溶媒や樹脂への溶解性に優れたスクアリリウム化合物を得やすくなる。このようなスクアリリウム化合物は有機溶媒や樹脂中に高濃度に含有させることが可能になるため、当該スクアリリウムに由来する吸光特性を効果的に発揮させやすくなる。
式(2)のアルデヒド化合物のR3のアルキル基の具体例は、上記のR1とR2のアルキル基に関する説明が参照される。R3のアルキル基としては、分岐状アルキルが好ましく用いられ、これによりスクアリリウム化合物の有機溶媒や樹脂への溶解性を効果的に高めることができる。この場合、R3の分岐状アルキル基の炭素数は3以上となる。一方、R3の分岐状アルキル基の炭素数の上限としては、20以下が好ましく、12以下がより好ましく、8以下がさらに好ましく、6以下がさらにより好ましい。
3の分岐状アルキル基としては、式(2)のアルデヒド化合物のホルミル基のα位、β位またはγ位で分岐しているアルキル基が好ましく用いられる。このような分岐状アルキル基を有するアルデヒド化合物としては、2-メチルプロパナール、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、2-メチルペンタナール、3-メチルペンタナール、4-メチルペンタナール、2,3-ジメチルブタナール、2-メチルヘキサナール、3-メチルヘキサナール、4-メチルヘキサナール、5-メチルヘキサナール、2-エチルペンタナール、3-エチルペンタナール、2,3-ジメチルペンタナール、2,4-ジメチルペンタナール、3,4-ジメチルペンタナール、2-エチル-3-メチルブタナール等が挙げられる。
式(1)の含窒素複素環化合物と式(2)のアルデヒド化合物との付加反応により、反応中間体としてイミニウムイオンが生成し、当該イミニウムイオンが式(3)の水素化ホウ素化合物によって還元されることで、式(1)の含窒素複素環化合物のアミノ基にアルキル基R3が導入された式(4)の含窒素複素環化合物が得られる。この際、水素化ホウ素ナトリウムと比べて還元力が弱い式(3)の水素化ホウ素化合物を用いることで、式(2)のアルデヒド化合物の還元反応を抑えて、イミニウムイオンを選択的に還元することが可能となる。
式(3)の水素化ホウ素化合物のR4のアルキル基およびアシル基に含まれるアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状または分岐状であることが好ましい。当該アルキル基は、水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置き換わっていてもよい。当該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R4のアルキル基は、炭素数1~6が好ましく、炭素数1~4がより好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましい。R4のアシル基は、炭素数1~6が好ましく、炭素数1~4がより好ましく、アセチル基またはプロピオニル基がさらに好ましい。R4としては、製造容易性や入手容易性の点から、アルキル基よりもアシル基の方が好ましく、アセチル基が特に好ましい。
式(3)の水素化ホウ素化合物のMのアルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。これらの中でも、リチウム、ナトリウムまたはカリウムが好ましく、ナトリウムがより好ましい。なお式(3)の水素化ホウ素化合物において、Mのアルカリ金属原子は、通常カチオンの形態で存在する。
式(3)の水素化ホウ素化合物としては、例えば、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、ナトリウムトリメトキシボロヒドリド、ナトリウムトリス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロポキシ)ボロヒドリド等が挙げられる。
上記の反応は、より速やかに反応を進行させる点から、カルボン酸またはスルホン酸などのブレンステッド酸の存在下で行うことが好ましい。カルボン酸としては、炭素数1~6の飽和脂肪酸を用いることが好ましい。スルホン酸としては、スルホ基に炭素数1~5の飽和脂肪酸が結合した化合物を用いることが好ましい。これらの中でも、反応後の精製が容易な点から、カルボン酸を用いることが好ましい。カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸または酪酸を用いることが特に好ましい。
上記の反応は溶媒中で行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、ヘキサン、トルエン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル等のエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらの溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
式(1)の含窒素複素環化合物と式(2)のアルデヒド化合物の使用量は、式(1)の含窒素複素環化合物1モルに対して、式(2)のアルデヒド化合物が0.8モル以上であることが好ましく、1.0モル以上より好ましく、1.2モル以上がさらに好ましく、また4.0モル以下が好ましく、3.0モル以下がより好ましく、2.5モル以下がさらに好ましい。式(3)の水素化ホウ素化合物の使用量は、式(1)の含窒素複素環化合物1モルに対して、0.8モル以上が好ましく、1.0モル以上がより好ましく、1.2モル以上がさらに好ましく、また4.0モル以下が好ましく、3.0モル以下がより好ましく、2.5モル以下がさらに好ましい。
上記の反応をカルボン酸またはスルホン酸の存在下で行う場合は、カルボン酸またはスルホン酸の使用量(カルボン酸またはスルホン酸の両方を用いる場合はその合計使用量)は、式(1)の含窒素複素環化合物1モルに対して、0.7モル以上が好ましく、0.8モル以上がより好ましく、0.9モル以上がさらに好ましく、また1.6モル以下が好ましく、1.4モル以下がより好ましく、1.2モル以下がさらに好ましい。
反応液中の式(1)の含窒素複素環化合物と式(2)のアルデヒド化合物と式(3)の水素化ホウ素化合物の合計濃度は、例えば10g/L以上が好ましく、50g/L以上がより好ましく、100g/L以上がさらに好ましく、また800g/L以下が好ましく、700g/L以下がより好ましく、600g/L以下がさらに好ましい。
上記反応を行う際の反応温度は、例えば-80℃以上が好ましく、-40℃以上がより好ましく、-20℃以上がさらに好ましく、また100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、50℃以下がさらに好ましい。反応時間は、反応の進行状況に応じて適宜調整すればよく、例えば0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましく、また24時間以下が好ましく、12時間以下がより好ましい。上記反応は、不活性ガス(例えば、窒素ガスやアルゴンガス)雰囲気下で行うことが好ましい。
上記のように反応させることにより式(1)の含窒素複素環化合物から式(4)の含窒素複素環化合物を製造することができる。本発明の製造方法によれば、式(1)の含窒素複素環化合物から式(4)の含窒素複素環化合物を製造する際の収率を、例えば90%以上とすることができ、当該収率は95%以上、97%以上、98%以上、あるいは99%以上とすることも可能である。また、副生成物が極めて少なく、式(4)の含窒素複素環化合物を高純度で得ることができる。そのため、反応後の精製操作を簡略化することが可能となる。精製操作としては、固液分離、洗浄、抽出、溶媒留去、乾燥等が挙げられる。
上記のようにして得られた式(4)の含窒素複素環化合物は、スクアリリウム化合物の製造原料として好適に用いることができる。式(1)の含窒素複素環化合物は入手が容易であるいは製造が容易であるため、当該化合物を出発原料とすることにより、スクアリリウム化合物を効率良く製造することができる。式(1)の含窒素複素環化合物としては、7-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンや6-ニトロインドリンなどが市販されている。
本発明はまた、上記のようにして式(1)の含窒素複素環化合物から式(4)の含窒素複素環化合物を得る工程を含むスクアリリウム化合物の製造方法も提供する。式(4)の含窒素複素環化合物からスクアリリウム化合物を製造する方法は特に限定されないが、式(4)の含窒素複素環化合物に含まれるニトロ基をアミノ基に変換する還元工程と、前記アミノ基をアミド基に変換するアミド化工程と、アミド化工程で得られた生成物を、スクアリン酸またはその誘導体と反応させて、スクアリリウム化合物を得る工程を含む製造方法が好適に示される。このように式(4)の化合物のニトロ基をアミド基に変換し、スクアリン酸またはその誘導体と反応させることにより、式(4)の化合物由来の含窒素複素環構造が導入されたスクアリリウム化合物を高収率で得ることができる。以下、各工程について順に説明する。
還元工程では、下記反応式に示すように、式(4)の化合物のニトロ基を還元して、式(6)で表される化合物を得る。以下、式(4)の化合物を「ニトロ化合物」と称し、式(6)の化合物を「アミノ化合物」と称する場合がある。
Figure 0007149089000006
還元工程において、式(4)のニトロ化合物の有するニトロ基をアミノ基に還元する方法としては、(1)金属+酸による還元法、(2)接触還元法、(3)金属ヒドリド化合物を用いた還元法等が挙げられる。またこれ以外に、フタロシアニン鉄(II)と硫酸鉄触媒の存在下、ニトロ基をアミノ基に還元する方法も挙げられる。
(1)の還元法では、金属として鉄、亜鉛、スズ(例えば、塩化スズ)等を用い、酸として塩酸、酢酸、塩化アンモニウム等を用い、金属を還元剤として作用させてニトロ基をアミノ基に変換させる。金属と酸の組み合わせとしては、鉄/塩酸、スズ/塩酸、亜鉛/酢酸、鉄/塩化アンモニウム、塩化スズ/塩酸等が挙げられる。
(2)の還元法は、触媒の存在下、水素によってニトロ基をアミノ基に還元する方法である。触媒としてはPd、Pt、Ni、Os等が用いられる。触媒活性成分として機能するこれらの金属は、活性炭、炭素-エチレンジアミン複合体、フィブロイン、ポリエチレンイミン等の担体に担持されていることが好ましい。水素源として、水素ガス、ヒドラジン、ギ酸アンモニウム等を用いることができる。
(3)の還元法は、金属ヒドリド化合物を用いてニトロ基をアミノ基に還元する方法である。金属ヒドリド化合物としては、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の水素化アルミニウム化合物;水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛等の水素化ホウ素化合物;水素化トリブチルスズ等の水素化スズ化合物;水素化遷移金属化合物等が挙げられる。
上記の還元法の中でも、反応時の安全性が比較的高く、また効率的に式(4)のニトロ化合物を還元して式(6)のアミノ化合物を製造できる点から、金属ヒドリド化合物である水素化ホウ素化合物を用いて還元する方法を採用することが好ましい。より好ましくは、金属塩の共存下で水素化ホウ素化合物を用いてニトロ基を還元する。この場合、水素化ホウ素化合物と金属塩から金属ホウ化物が生成し、これが還元触媒的に作用し、ニトロ基の効率的な還元を実現する。金属塩としては、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化銅、塩化スズ、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル等を用いることができ、特に塩化ニッケルを用いることが好ましい。
水素化ホウ素化合物と金属塩を用いたニトロ基の還元反応は、メタノールやエタノール等のアルコール中で行うことが好ましい。これにより高活性の金属ホウ化物(例えばNi2B)が形成されやすくなる。
水素化ホウ素化合物の使用量は、式(4)のニトロ化合物の有するニトロ基の還元収率を高める観点から、式(4)のニトロ化合物1モルに対して、1モル以上が好ましく、2モル以上がより好ましく、4モル以上がさらに好ましい。一方、水素化ホウ素化合物の使用量が多すぎると、ニトロ基の還元反応に寄与しない水素化ホウ素化合物の量が増え、また所望しない副反応が起こる懸念が生じることから、水素化ホウ素化合物の使用量は、式(4)のニトロ化合物1モルに対して、25モル以下が好ましく、20モル以下がより好ましく、15モル以下がさらに好ましい。金属塩の使用量は、水素化ホウ素化合物1モルに対して、0.05モル以上が好ましく、0.1モル以上が好ましく、また0.5モル以下が好ましく、0.4モル以下がより好ましい。
還元工程における式(4)のニトロ化合物の還元反応の反応温度は、反応条件に応じて適宜設定すればよく、例えば-80℃~60℃の間で適宜設定すればよい。反応時間は特に限定されず、反応の進行状況に応じて適宜調整すればよく、例えば0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましく、また24時間以下が好ましく、12時間以下がより好ましい。還元工程は、不活性ガス(例えば、窒素ガスやアルゴンガス)雰囲気下で行うことが好ましい。
還元工程に続いて、アミド化工程を行う。アミド化工程では、還元工程で得られた式(6)のアミノ化合物と有機カルボン酸またはその誘導体とを反応させて、アミノ基をアミド基に変換する。有機カルボン酸またはその誘導体は、有機基がカルボキシル基またはその誘導体に結合したものである。カルボン酸またはその誘導体としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、アミノ基との反応性に優れる点から、カルボン酸ハライドを用いることが好ましい。この場合、アミド化工程は、下記反応式に示すように、式(6)で表されるアミノ化合物と式(8)で表されるカルボン酸ハライドとを反応させて、式(7)で表される化合物を得るものとなる。下記式(7)および式(8)中、R6は有機基を表し、Xはハロゲノ基を表す。以下、式(7)の化合物を「アミド化合物」と称する場合がある。
Figure 0007149089000007
式(8)のカルボン酸ハライドにおいて、Xのハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。これらの中でもクロロ基が好ましい。従って、カルボン酸ハライドとしては、カルボン酸塩化物を用いることが好ましい。
式(8)のカルボン酸ハライドおよび式(7)のアミド化合物の有機基R6としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が好適に挙げられる。これらの基が導入された式(7)のアミド化合物をスクアリン酸またはその誘導体と反応させることにより、有機溶媒や樹脂への溶解性に優れたスクアリリウム化合物を得やすくなる。これにより、有機溶媒や樹脂中にスクアリリウム化合物を高濃度に含有させることができ、スクアリリウム化合物由来の吸光特性を効果的に発揮させることが可能となる。
6のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状(脂環式)のいずれであってもよい。R6のアルキル基の具体例は、上記のR1とR2のアルキル基の説明が参照される。ただし、R6のアルキル基の炭素数は20を超えるものであってもよい。R6のアルキル基の炭素数は、式(7)のアミド化合物に由来して得られるスクアリリウム化合物の有機溶剤や樹脂への溶解性を高める観点から、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、7以上がさらに好ましく、8以上がさらにより好ましく、また30以下が好ましく、25以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、18以下がさらにより好ましい。同様の観点から、R6のアルキル基は直鎖状または分岐状が好ましい。さらに、スクアリリウム化合物の耐熱性を高める観点から、R6のアルキル基は直鎖状であることがより好ましい。この場合、スクアリリウム化合物を樹脂に配合して加熱成形したり加熱硬化する際など、スクアリリウム化合物の分解を抑えることができ、加熱処理を経た樹脂硬化物中においても、スクアリリウム化合物を高濃度に存在させることが可能となる。直鎖状アルキル基としては、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基等が挙げられる。
カルボン酸ハライドの使用量は、式(7)のアミド化合物の収率を高める観点から、式(6)のアミノ化合物1モルに対して、1.0モル以上が好ましく、1.2モル以上がより好ましく、1.5モル以上がさらに好ましく、また3.0モル以下が好ましく、2.5モル以下がより好ましく、2.0モル以下がさらに好ましい。
式(6)のアミノ化合物の式(8)のカルボン酸ハライドとの反応は、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジアザビシクロウンデセン等の低求核性塩基の存在下で行うことが好ましい。低求核性塩基を共存させることにより、当該塩基とカルボン酸ハライドとの反応を抑制しつつ、式(6)のアミノ化合物の式(8)のカルボン酸ハライドとの反応により生じた酸を中和することができる。低求核性塩基の使用量は、カルボン酸ハライド1モルに対して、0.9モル以上が好ましく、1.0モル以上がより好ましく、1.2モル以上がさらに好ましく、また3.0モル以下が好ましく、2.5モル以下がより好ましく、2.0モル以下がさらに好ましい。
アミド化工程における反応は溶媒中で行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、ヘキサン、トルエン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
式(6)のアミノ化合物の式(8)のカルボン酸ハライドとの反応温度は、反応条件に応じて適宜設定すればよく、例えば-20℃~60℃の間で適宜設定すればよい。反応時間は特に限定されず、反応の進行状況に応じて適宜設定すればよく、例えば1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましく、また48時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましい。反応は、不活性ガス(例えば、窒素ガスやアルゴンガス)雰囲気下で行うことが好ましい。
アミド化工程に続いて、式(7)のアミド化合物をスクアリン酸またはその誘導体と反応させて、下記式(5)のスクアリリウム化合物を得るスクアリリウム生成工程を行う。スクアリン酸誘導体としては、スクアリン酸エステル、スクアリン酸アミド、スクアリン酸塩等を用いることができる。以下、スクアリン酸またはその誘導体を、単に「スクアリン酸」と称する。
Figure 0007149089000008
スクアリン酸の使用量は、式(7)のアミド化合物1モルに対して、0.3モル以上が好ましく、0.4モル以上がより好ましく、0.45モル以上がさらに好ましく、また1.0モル以下が好ましく、0.8モル以下がより好ましく、0.7モル以下がさらに好ましい。
式(7)のアミド化合物とスクアリン酸との反応は溶媒中で行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、ヘキサン、トルエン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
式(7)のアミド化合物とスクアリン酸との反応温度は、反応条件に応じて適宜設定すればよく、例えば50℃~180℃の間で適宜設定すればよい。当該反応は還流下で行うことが好ましい。反応時間は特に限定されず、反応の進行状況に応じて適宜設定すればよく、例えば0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましく、また24時間以下が好ましく、12時間以下がより好ましい。反応は、不活性ガス(例えば、窒素ガスやアルゴンガス)雰囲気下で行うことが好ましい。
上記のように反応させることにより、式(5)で表されるスクアリリウム化合物を得ることができる。得られたスクアリリウム化合物は、必要に応じて、ろ過、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミナカラムクロマトグラフィー、昇華、再結晶、晶析など公知の精製手段によって適宜精製してもよい。
式(5)のスクアリリウム化合物としては、R3とR6がともにアルキル基(特に炭素数3以上のアルキル基)であるものが好ましい。このようなスクアリリウム化合物は有機溶媒や樹脂への溶解性に優れるものとなる。そのため、樹脂組成物中にスクアリリウム化合物を高濃度に含有させることが可能になり、当該樹脂組成物から光学フィルターを形成する場合など、厚みを薄く形成しても、スクアリリウム化合物に由来して赤色~近赤外領域の光を好適に吸収させることができる。また、スクアリリウム化合物をセキュリティインクに使用する場合などは、インク中にスクアリリウム化合物を高濃度に含有させることができ、インクの発色性を高めることができる。
式(5)のスクアリリウム化合物は、有機溶媒や樹脂への溶解性を高める観点から、R3が分岐状アルキル基であることがより好ましい。例えばR3が直鎖状アルキル基である場合は、スクアリリウム化合物が樹脂硬化物中で可視光領域(例えば、波長500nm~600nmの範囲)に新たな吸収ピークを示す場合があるところ、R3が分岐状アルキル基であれば、そのような懸念も不要となり、樹脂硬化物中でも可視光領域の光を高い透過率で透過させることができる。一方、R6は直鎖状アルキル基であることが好ましく、これによりスクアリリウム化合物の耐熱性が高まる傾向となる。そのため、スクアリリウム化合物を樹脂に配合して加熱成形したり加熱硬化する際など、スクアリリウム化合物の分解を抑えることができ、加熱処理を経た樹脂硬化物中においても、スクアリリウム化合物を高濃度に存在させることが可能となる。R3とR6のアルキル基の好ましい炭素数などは、上記に説明した通りである。
式(5)のスクアリリウム化合物は、樹脂成分と混合して、樹脂組成物とすることができる。このようにして得られた樹脂組成物は、例えば、基材上に塗布して樹脂層を形成したり、フィルム等の樹脂成形体とすることで、赤外吸収フィルターなどの各種光学フィルターや様々な種類の光学センサーに好適に適用することができる。樹脂成形体はまた、省エネルギー用に熱線を遮断する近赤外線吸収フィルムや近赤外線吸収板、可視光および近赤外光を利用した太陽電池用材料、プラズマディスプレイパネル(PDP)やCCD用の特定波長吸収フィルター等への適用も可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(1)含窒素複素環化合物の合成
(1-1)合成例1:含窒素複素環化合物Aの合成
氷浴につけた3Lの4口平底フラスコに、窒素流通下(流量:100mL/分)、アセトニトリル510g、酢酸24.64g(0.4104mol)、7-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン73.12g(0.4104mol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド191.33g(0.9028mol)をこの順番で投入し、2枚パドル翼で約30分間撹拌した。次いで、フィードポンプを用いてイソブチルアルデヒド65.10g(0.9028mol)とアセトニトリル510gを約1時間かけて投入し、その後さらに2時間撹拌することにより、反応液を得た。これら操作時の内温は常に0℃~10℃を維持した。5Lの4口平底フラスコに、窒素流通下(流量:100mL/min)、濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液1500gおよびトルエン1500gを投入し、そこへ先に得られた反応液を全量投入し、約30分撹拌した。その後、撹拌を停止して約15分間静置したところ相分離し、有機相をフィードポンプを用いて抜き出した。抜き出した有機相に濃度3質量%の塩化ナトリウム水溶液1500gを加えて、約30分撹拌した。その後、撹拌を停止して約15分間静置し、有機相をフィードポンプを用いて抜き出した。この操作を計2回繰り返した。得られた有機相をロータリエバポレーターを用いて、バス温60℃、内圧約27kPaの条件下で溶媒を留去した。留去後の濃縮液を、バス温60℃、内圧約3kPaの条件下で撹拌しながら終夜乾燥することで、下記式(4A)に示す含窒素複素環化合物A(1-イソブチル-7-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン)を95.87g得た。含窒素複素環化合物Aの7-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンに対する収率は99.7mol%であった。
0.01gの含窒素複素環化合物Aを3gのアセトニトリルに溶解させ、得られた液を高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。この際、展開溶媒として、アセトニトリルとリン酸水溶液の混合溶媒(アセトニトリル:0.1質量%リン酸水溶液=70:30(容量基準))を用い、分離カラムとして、GLサイエンス社製のInertsil ODS-3(シリカゲル粒子径:5μm、内径3.0mm×長さ250mm)を使用した。含窒素複素環化合物Aのピーク面積から純度を算出したところ、HPLC純度は99.2%であった。
(1-2)合成例2:含窒素複素環化合物Bの合成
合成例1において、イソブチルアルデヒドの代わりに2-メチルブチルアルデヒドを用いたこと以外は、合成例1と同様の手順により、下記式(4B)に示す含窒素複素環化合物B(1-(2-メチルブチル)-7-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン)を得た。含窒素複素環化合物Bの7-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンに対する収率は99.3mol%、HPLC純度は99.1%であった。
Figure 0007149089000009
(1-3)合成例3(比較例):含窒素複素環化合物Aの合成
300mLの4口フラスコに、ジメチルホルムアミド5g、炭酸カリウム2.2g、7-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン1.43g(0.008mol)、1-ヨード-2-メチルプロパン2gを入れ、窒素流通下(10mL/min)、撹拌羽を用いて撹拌しながら80℃にて48時間反応させたが、7-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンが約30%程度残存していた。この反応液を、濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液50mLとトルエン50mLの入ったビーカーに、撹拌させながら加えた。約30分間撹拌した後、分液ロートにて有機相を抽出した。この有機相をエバポレーターにより溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)を用いて含窒素複素環化合物Aを0.5g単離した。7-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンに対する収率は27.2mol%、HPLC純度は95.8%であった。
(2)合成例4:スクアリリウム化合物Aの合成
300mLの4口フラスコに、合成例1で得られた含窒素複素環化合物Aを4.69g(0.02mol)、メタノール70g、塩化ニッケル6水和物9.51g(0.04mol)を供給し、窒素流通下(流量:10mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、氷浴下で内温を0~10℃とした。フラスコ内の温度を0℃~10℃に維持したまま、水素化ホウ素ナトリウム3.78g(0.10mol)を約2時間かけて少しずつ添加し、約2時間撹拌を継続した。得られた反応液を、イオン交換水300g中へ少しずつ投入してクエンチ操作を行った後、酢酸エチル200gを加えて約30分間撹拌し、分液ロートにて有機相を抽出した。有機相に濃度10質量%の塩化ナトリウム水溶液を200g加えて約30分間撹拌し、分液ロートにて有機相を抽出した。得られた有機相にイオン交換水200gを加えて約30分間撹拌し、分液ロートにて有機相を抽出する操作を2回行った。得られた有機相をロータリエバポレーター等を用いて終夜濃縮乾燥することで、茶褐色液体の中間体A(7-アミノ-1-イソブチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン)を3.56g得た。中間体Aの含窒素複素環化合物Aに対する収率は87.1mol%であった。
次いで、100mLの3口フラスコに、中間体Aを2.92g(0.0143mol)、テトラヒドロフランを50g入れ、窒素流通下(流量:5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、トリエチルアミンを4.34g(0.0429mol)、パルミトイルクロリドを7.86g(0.0286mol)加え、室温にて12時間反応させた。反応終了後、得られた反応液にメタノール50gを加えた後、水50gを少しずつ加えた。反応液中に黄色粒子の析出を確認した後、減圧ろ過を行った。ケーキを濃度50質量%のメタノール水溶液50gでリンスした後、真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、中間体B(7-ヘキサデシルアミド-1-イソブチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン)を5.91g得た。中間体Bの中間体Aに対する収率は95.3mol%であった。
次いで、300mLの2口フラスコに、中間体Bを2.81g(0.0064mol)、スクアリン酸0.36g(0.0032mmol)、1-ブタノール20g、トルエン20gを入れ、窒素流通下(10mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌し、かつディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流条件にて3時間反応させた。反応終了後室温まで冷却させ、析出物をろ別した。ろ別した析出物をメタノールで洗浄し、再び析出物のみをろ過して、得られたケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、スクアリリウム化合物Aを2.4g得た。スクアリン酸に対する収率は79.4mol%であった。
Figure 0007149089000010
本発明の製造方法により得られた含窒素複素環化合物は、スクアリリウム化合物の製造原料として好適に用いることができる。スクアリリウム化合物は、近赤外領域の光を吸収できる特性を利用して、近赤外線吸収フィルム、近赤外線吸収板、セキュリティインク等に用いることができる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される化合物を、下記式(3)で表される水素化ホウ素化合物の存在下、下記式(2)で表されるアルデヒド化合物と反応させて、下記式(4)で表される化合物を得る工程を含むことを特徴とする含窒素複素環化合物の製造方法。
    Figure 0007149089000011

    [式(1)~式(4)中、
    とRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素数4~10の環状アルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、またはハロゲノ基を表し、
    は炭素数~20の分岐状アルキル基を表し、
    は炭素数1~6の直鎖状または分岐状アルキル基または炭素数2~6のアシル基を表し、
    Mはアルカリ金属原子を表し、
    環Aは置換基を有していてもよい6員の非芳香族含窒素複素環を表す。]
  2. 前記Rの分岐状アルキル基は、前記式(2)のアルデヒド化合物のホルミル基のα位、β位またはγ位で分岐している請求項に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  3. 前記R とR はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1~3の直鎖状または分岐状アルキル基を表し、
    前記R は炭素数2~6のアシル基を表す請求項1または2に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  4. 前記Rおよび前記Rは水素原子を表す請求項1~3のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の製造方法により前記式(4)で表される含窒素複素環化合物を得る工程と、
    前記含窒素複素環化合物に含まれるニトロ基をアミノ基に変換する還元工程と、
    前記アミノ基をアミド基に変換するアミド化工程と、
    前記アミド化工程で得られた生成物を、スクアリン酸またはその誘導体と反応させて、下記式(5)で表される構造を有するスクアリリウム化合物を得る工程をさらに含むことを特徴とするスクアリリウム化合物の製造方法。
    Figure 0007149089000012

    [式(5)中、R~Rおよび環Aは上記と同じ意味を表し、R直鎖状または分岐状アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。]
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SETO, M. et al.,Chemical & Pharmaceutical Bulletin,2004年,Vol. 52,pp. 577-590
TAHARA, Y. et al.,Journal of the American Chemical Society ,2018年,Vol. 140,pp. 2105-2114

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