JP6917027B2 - ポリイミド繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Description
1. テトラカルボン酸成分とジアミン成分との反応によって得られる構造を有するポリイミドを含むポリイミド繊維であって、
前記ポリイミドが、下記式(1):
前記テトラカルボン酸成分は、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50〜85モル%含み、前記ジアミン成分は、フェノール性水酸基を含有するジアミン化合物を10モル%以上含む。)
で表される構造を有することを特徴とする、ポリイミド繊維。
前記ポリイミド溶液を、気体中でノズルから吐出し、次いで、水を50wt%以上含有する凝固浴に浸漬する工程
を含むポリイミド繊維の製造方法。
[ポリイミド]
ポリイミド繊維の製造に使用されるポリイミドは、下記式(1):
で表される化合物が挙げられる。2価の有機基としては、例えば、−CH2−、−O−、−CO−、−SO2−、−S−、−C(CH3)2−、および−C(CF3)2−等を挙げることができる。
本発明のポリイミド繊維を製造する際に、ポリイミドを調製した溶液をそのまま紡糸ドープ(紡糸液)として使用することが好ましい。ポリイミドを固体で得た後、溶媒に溶解してポリイミド溶液を製造して、紡糸ドープとして使用することも可能であるが、通常、以下に説明するとおり、テトラカルボン酸成分とジアミン成分を溶媒中で反応させて得られたポリイミド溶液を、そのまま、必要により希釈または濃縮して、紡糸ドープとして使用することが好ましい。
本発明のポリイミド繊維は、湿式紡糸法(半乾湿式紡糸法を含む)または乾式紡糸法により製造することができる。しかし、本発明の組成を用いることにより、コスト的に有利な水系の凝固浴を用いる湿式紡糸法を採用しても繊維が白化しないので、機械的特性の優れたポリイミド繊維の製造が可能になる。そのため、本発明においては湿式紡糸法が好ましく、特に、半乾湿式紡糸法が好ましい。
熱分析
試料には、ポリイミド溶液をガラス板に流延し、温度150℃で30分乾燥し、生成したフィルムをガラス板から剥離し、金属枠に固定し300℃で30分乾燥したフィルムを用いた。
熱重量分析(TGA)及び示差熱分析(DTA)には、同時測定装置として島津製作所製DTG−60を使用した。示差走査熱量分析(DSC)には、測定装置として島津製作所製DSC−60を使用した。
ガラス転移温度はエスアイアイ・ナノテクノロジー社の測定装置を使用し動的熱機械測定(DMA)より求めた。
分子量の測定は、測定装置として東ソー製HLC−83206PC Eco SECを使用した。標準ポリスチレンを基準として分子量を計算した。
引張試験を、JIS L 1095に準拠してインストロン社製の万能材料試験機33442測定装置を使用し、チャック間距離20mmで行い、弾性率、破断伸度および破断強度を測定した。
ポリイミド溶液の粘度は、BLOOK FIELD DV−E VISCOMETERを用い、30℃で測定した。
HOAB:ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン
HAB:4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル
BAPB:4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル
DADE:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
BAPPS:ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン
mBAPPS:ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
(実施例1)
0.5Lの容量の3つ口フラスコに溶媒NMP 190g、HOAB 6.33g、BAPB 12.72gを添加し撹拌した。溶解を確認したのちa−BPDA 15.03gおよびs−BPDA 5.01gを加え、生成する水をトルエンとの共沸により系外に除去しながら、180℃で4時間撹拌して、粘調ポリイミド紡糸ドープを調製した。得られた重合液の粘度は600ポイズ、重量平均分子量は13.9万であった。
表1に示したテトラカルボン酸成分とジアミン成分を用いた以外は実施例1と同様の方法でポリイミド紡糸ドープを調製した。その結果を表1a〜eに示した。
表2に示すテトラカルボン酸成分とジアミン成分を用いた以外は実施例1と同様の方法でポリイミド紡糸ドープを調製した。その結果を表2に示す。テトラカルボン酸成分としてa−BPDAのみを用いた比較例1および2では重合液の粘度が上昇せず、紡糸に適した粘調なドープが得られなかった。
特許文献3(特開2013−117015)の方法(重合法A)による重合
s−BPDA(5.84g)、HOAB(5.60g)、DADE(4.0g)、バレロラクトン(2.0g)、ピリジン(3.0g)を加え、NMP(180g)とトルエン(20g)を加えた。室温で窒素を通じながら撹拌し、10分後オイルバスを用いて反応器を180℃に加熱し、180rpm(撹拌)で40分間反応した(一段目の重合)。その後、空冷してs−BPDA(11.76g)とBAPB(7.36g)及びNMP(190g)を加え、180℃で反応した(二段目の重合)。3時間反応後、反応器をオイルバスから引き上げて反応を停止した。600ポイズのポリイミド溶液が得られた。
表3に示すテトラカルボン酸成分とジアミン成分を用いた以外は実施例1と同様の方法でポリイミド紡糸ドープを調製した。
表1に示した実施例1〜13および比較例3のポリイミド紡糸ドープを用いてポリイミド繊維を製造した。製造装置は、図1に示す紡糸装置、および図2に示す加熱延伸装置を用いた。ノズルとして、孔径300μm×5ホールを使用して、紡糸ドープを水(室温)の凝固浴に吐出した。背圧を調整して、吐出速度(V0)を1〜20m/minとし、巻取り速度(V1)を10〜100(Max)m/minで、糸切れなく連続的に巻き取れるまでV1の速度を速めた。ドラフト比(V1/V0)は、5〜20とした。
2 凝固糸
3 溶媒乾燥が済んだポリイミド繊維
4 延伸後のポリイミド繊維
10 紡糸ドープ
11 ノズル
12,13,14 ローラ
15 巻取り装置
20 凝固浴
30 加熱炉
31 ロール
32 巻取り装置
Claims (6)
- 前記テトラカルボン酸成分が、さらに、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物及び4,4’−オキシジフタル酸無水物からなる群より選ばれる化合物を含む、請求項1に記載のポリイミド繊維。
- 前記フェノール性水酸基を含有するジアミン化合物が、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニルおよび2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載のポリイミド繊維。
- ガラス転移温度が310℃以上、伸度が5%以上、引張弾性率が2GPa以上、引張強度が100MPa以上であり、太さが0.1〜50デニールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド繊維。
- 請求項1〜3のいずれか1項で定義されたポリイミドが溶解しているポリイミド溶液を用意する工程、および
前記ポリイミド溶液を、気体中でノズルから吐出し、次いで、水を50wt%以上含有する凝固浴に浸漬する工程
を含むポリイミド繊維の製造方法。 - 前記凝固液から引き取った凝固繊維を、さらに、200〜400℃の温度範囲で延伸する工程を含む、請求項5に記載のポリイミド繊維の製造方法。
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