JP6719121B2 - 繊維用洗剤、ソイルリリース剤及び繊維の洗浄方法 - Google Patents

繊維用洗剤、ソイルリリース剤及び繊維の洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、繊維用洗剤、ソイルリリース剤及び繊維の洗浄方法に関する。
従来、衣服等の繊維用の洗剤として、界面活性剤を含む洗剤が用いられている。このような洗剤において界面活性剤は、大量の水中で、汚れと繊維との間に作用する物理的又は電気的相互作用を低減させるとともに、汚れと界面活性剤との間で複合体を形成し、繊維から汚れを引き離す。これにより、汚れと界面活性剤との間で形成された複合体が排出される。
このような界面活性剤を含む洗剤による洗浄は、(1)界面活性剤による汚れ又は繊維への接近、(2)界面活性剤の汚れ表面又は繊維表面への吸着、(3)界面活性剤と汚れが複合体を形成、(4)複合体の水中への分散・拡散の4段階の機構によってなされる。
このような洗浄の機構においては、繊維の分子構造又は物理構造、汚れの分子構造又は物理構造、汚れと繊維との親和性、界面活性剤と汚れとの親和性又は相互作用、界面活性剤と繊維との親和性又は相互作用、洗浄方法等、多くの要因が複合的に作用する。
現在、液体洗剤が一般的に市販されている。このような液体洗剤は、水に対する溶解度が高い界面活性剤を用いているため、油性汚れとの相互作用による洗浄能が十分とはいえない。ここで、繊維には多種多様の汚れが付着し得るが、このような汚れのうち、例えば泥、食品、血液、皮脂、油性インク、鉱物油等に含まれている疎水性物質の汚れは、上述したように、界面活性剤との相互作用が低いため洗浄しにくく、一種の界面活性剤によってあらゆる疎水性物質による汚れを洗浄できるものではない。
そこで、近年では、界面活性剤を複数種配合して、多種の汚れに対して洗浄可能な洗剤を構成していることが多い。
例えば、特許文献1には、(a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、(b)スルホン酸系陰イオン界面活性剤、(c)スルホベタイン、アミドベタイン又はカルボベタイン、これらを特定の量で配合した洗剤は、食品由来の油汚れに対して高い洗浄力を有することが報告されている。
また、特許文献2には、(A)特定のアミンオキシド型界面活性剤と、(B)特定のノニオン界面活性剤と、(C)特定のカチオン界面活性剤、これらを特定の量で配合した洗剤は、タンパク質汚れに対して高い洗浄力を有することが報告されている。
このように、汚れと界面活性剤との間の親和性又は相互作用の観点から、対象とする汚れによっては多種の界面活性剤を組み合わせる必要があり、特に、泥のような無機固体粒子又は食品に含まれる油脂のような物質が乾燥して固体状になった汚れでは界面活性剤量を多く含ませる必要がある。
また、汚れと繊維との間の親和性又は相互作用の観点から、例えば硬質表面のように表面が平面でなく凹凸を有しており、且つ複数の繊維が束なって布等の製品を構成する。繊維に汚れが付着した場合、汚れは繊維の表面の凹部や束の内部に入り込む。このように繊維組織の内部に入り込んだ汚れは、界面活性剤の作用だけでは十分に洗浄することができないこともある。
より詳細に、繊維とは、JIS L0204−1から−3の「繊維用語(原料部門)−第1部:天然繊維」、「繊維用語(原料部門)−第2部:化学繊維」、「繊維用語(原料部門)−第3部:天然繊維及び化学繊維を除く原料部門」に記載されているように「糸、織物などの構成単位で、太さに比べて十分の長さをもつ、細くてたわみやすいもの」である。このように、繊維は物理的に変化させる(折り曲げる)ことができる。また、糸等で構成されているために繊維を構成する糸自体の空隙や紡績時にできる糸と糸との空隙が生じることにより、繊維の表面にも凹凸が生じる。また、繊維を構成する糸の化学的な特徴も様々であり、種類・分子量なども多岐にわたるために、繊維表面の化学的性質も単一とは限らない(非特許文献2)。このように、繊維は、ガラス等の硬質表面と表面の状態が物理的、化学的に異なっている。
繊維と汚れの関係性から、汚れとは「繊維の表面に外部から付着したもので、繊維の美観を損ね、品質の保持に好ましくなく、また衛生上有害なために除去されなければならない異物である」とされている(非特許文献3)。このような異物は繊維表面に付着すると、繊維の特徴である折り曲げ易さと構成物質による空隙により、表面だけに留まらず、繊維の内部にまで入り込む。
汚れは、繊維と物理的に付着するだけでなく、化学的にも付着する。例えば、襟や袖に付着しやすい皮脂は油脂であるために水に溶けにくく、疎水性物質で構成される合成繊維と相互作用しやすい。そのために水に溶解しやすい界面活性剤の作用だけでは十分に洗浄することができないこともある。このような油性物質の汚れとして、皮脂、化粧品、食品油脂、色素、鉱物油等が知られ、一般的に油溶性汚れとして知られている(非特許文献3)。
また、汗、尿等の主成分は水溶性汚れと分類される。水溶性汚れの中で水溶性の物質が乾固する事で水に不溶な汚れへと変化する場合もある。一般的に、このように変化する物質として、タンパク質や澱粉等が挙げられる(非特許文献3)。
一方で、油溶性でも水溶性でもない汚れも存在する。固体粒子汚れと呼ばれる。これは、泥やすす、鉄粉等が分類される(非特許文献3)。
このように汚れには、それぞれ特有の化学的、物理的な特徴があるために、繊維内部に入り込んだ汚れを界面活性剤の作用だけでは十分に洗浄することができないこともある。
特開2015−124337号公報 特開2016−216543号公報
日本油化学会編「界面と界面活性剤―基礎から応用まで―」改定第2版 2013年 繊維学会編「業界マイスターに学ぶせんいの基礎知識−1〜−19」2014−2016年 朝倉書店 第2版「洗剤・洗浄百科事典」2012年
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、特に疎水性物質に対する優れた洗浄能を有する新たな繊維用洗剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、水を含み自発的に閉鎖小胞体(ベシクル)を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子、それらと油性物質とを含んでなる洗剤粒子及び当該洗剤粒子を分散させてなるO/Wエマルションが、繊維に付着した疎水性物質に対する高い洗浄能を有すること、それらがソイルリリース能を有すること、繊維の柔軟性低下防止能・吸水性低下防止能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1) 水を含み自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子を含む、繊維用洗剤。
(2)自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子、油性物質及び水を含み、O/W型エマルションである、繊維用洗剤。
(3)前記油性物質の融点が80℃以下である、(2)に記載の繊維用洗剤。
(4)前記油性物質が極性油である、(2)又は(3)に記載の繊維用洗剤。
(5)前記油性物質の沸点が80℃以上である、(2)〜(4)のいずれかに記載の繊維用洗剤。
(6)自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子及び油性物質を含む、繊維用洗剤。
(7)油性物質の周囲を前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子が囲み洗剤粒子を構成する、(6)に記載の繊維用洗剤。
(8)前記洗剤粒子は、水に分散させた場合の平均粒子径が50nm以上2μm以下である、(6)又は(7)に記載の繊維用洗剤。
(9)粉末状である、(6)〜(8)のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
(10)ソイルリリース能を有する、(1)〜(9)のいずれかに記載の繊維用洗剤。
(11)部分洗いのための、(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維用洗剤。
(12)全体洗いのための、(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維用洗剤。
(13)繊維製品を洗浄するための、(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維用洗剤。
(14)衣類を洗浄するための、(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維用洗剤。
(15)当該繊維用洗剤による繊維製品の洗浄後の処理として柔軟剤を用いないで、洗浄を行うための、(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維用洗剤。
(16)当該繊維用洗剤による繊維製品の洗浄後の処理として柔軟剤を用いて、洗浄を行うための、(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維用洗剤。
(17)(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維用洗剤を用いて繊維を洗浄する、繊維の洗浄方法。
(18)水を含み自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子を含む、ソイルリリース剤。
(19)自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子、油性物質及び水を含み、O/W型エマルションである、ソイルリリース剤。
(20)自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子及び油性物質を含む、ソイルリリース剤。
本発明によれば、特に疎水性物質に対する優れた洗浄能を有する新たな繊維用洗剤を提供することができる。
実施例3、8、11、13及び比較例3の洗浄後液の写真図である。 吸水性の評価に用いた装置の模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態について何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<第1の態様の繊維用洗剤>
本態様の繊維用洗剤は、水を含み自発的に閉鎖小胞体(ベシクル)を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子を含む。
自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子を繊維上の汚れに付着させた状態で、手洗いや洗濯機洗い等により物理的な力を加えると、汚れが閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子とともに繊維上から引き離され、汚れを除去することができる。したがって、このようなメカニズムによれば、従来の界面活性剤を用いる繊維用洗剤とは異なり、汚れの種類に関わらず、また例えば食品のように多成分の汚れに対しても、高い洗浄能を有することができる。
なお、上述したような閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子は、いわゆる三相乳化の乳化剤として知られるものである。ここで、「洗浄」は「乳化」より高いエネルギーを要する。より詳細に、「乳化」は、油性物質の塊を細分化して水に安定分散させるが、これに対し「洗浄」は、繊維表面に付着した油性物質の塊を細分化し、さらに繊維との付着面から完全剥離することを要するものであり、すなわち、「洗浄」は、「乳化」に比べて、油性物質と繊維との付着面から油性物質を完全剥離するためのエネルギーをさらに必要とする。したがって、乳化剤を「洗浄」に用いるためには、少なくともこのエネルギーについての課題を解決しなければならない。
ここで、従来の界面活性剤を用いた繊維用洗剤は、このような油性物質の界面張力を下げることにより、油性物質を繊維表面から引き離すものである。ただし、このようにして引き離されて一旦エマルション粒子となっても、その界面活性剤と汚れとの親和性が高いと、その界面活性剤を介して油性物質が再度繊維表面に付着して再度繊維を汚染することもある。
これに対し、本発明においては、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子を繊維用洗剤として用いる場合、界面張力が低下しないので、油の自己凝集力が働き、浮き上がってくる。それと同時に、油水界面に閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子が付着固定する。特に、後述する第2及び第3の態様の繊維用洗剤では、エマルション粒子を形成するが、このエマルション粒子同士の間、及びエマルション粒子と繊維表面の水和した汚れとの間には、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子によって構成される隔壁ができるので、油滴の被汚染物質表面への再付着が起こりにくい。このように、本発明における閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子は、汚れの繊維表面からの完全剥離を、従来の界面活性剤を用いる繊維用洗剤と異なるメカニズムにて達成するものである。そして、このような繊維用洗剤によれば、驚くべきことに、再汚染を防止することもできるのである。なお、以上のメカニズムの説明では、「乳化」との対比を明確にすべく「洗浄」の対象として油性物質のみを洗浄する場合について説明したが、「洗浄」の対象は油性物質に限られず、水性物質や固体状のものも含まれる。
(閉鎖小胞体)
本発明における閉鎖小胞体は、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成される。閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質としては、以下の一般式1で表されるポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体又は一般式2で表されるようなジアルキルアンモニウム誘導体(塩)、トリアルキルアンモニウム誘導体、テトラアルキルアンモニウム誘導体、ジアルケニルアンモニウム誘導体、トリアルケニルアンモニウム誘導体、若しくはテトラアルケニルアンモニウム誘導体のハロゲン塩の誘導体を採用するとよい。
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa、ジステアリン酸デカグリセリル、POEペンタエリストールジオレートの誘導体を採用するとよい。また、リン脂質、リン脂質誘導体としては、レシチン(天然レシチン、水添レシチン等)を用いることもできる。これらは、1種類を用いても、2種類以上を用いてもよい。
一般式1
式中、エチレンオキシドの平均付加モル数であるEは、3〜200である。このことから、Eの上限は好ましくは100であり、より好ましくは60である。Eの下限は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは20以上であり、最も好ましくは30以上である。
一般式2
式中、R及びRは、各々独立して炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基であり、R及びRは、各々独立して水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、XはF、Cl、Br、I又はCHCOOである。
また、閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質としては、リン脂質やリン脂質誘導体等を採用してもよい。リン脂質としては、以下の一般式3で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPC(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長14のDMPC(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長16のDPPC(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)を採用することができる。
一般式3
また、以下の一般式4で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPG(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH塩、炭素鎖長14のDMPG(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH塩、炭素鎖長16のDPPG(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH塩を採用することもできる。
一般式4
(重縮合ポリマー粒子)
重縮合ポリマーとしては、水酸基を有するものであれば特に限定されず、天然高分子又は合成高分子のいずれであってもよく、用途に応じて適宜選択することができる。ただし、生体安全性・環境性に優れ、且つ一般的に安価である点で、天然高分子を用いることが好ましく、中でも乳化機能に優れる点で以下に述べる糖ポリマーがより好ましい。なお、粒子とは、重縮合ポリマーが単粒子化したもの、又はその単粒子同士が連なったもののいずれをも包含する一方、単粒子化される前の凝集体(網目構造を有する)を包含しない。例えば、単粒子化される前の「多糖類」は粒子化されているものではなく、水素結合によるネットワーク構造を形成していることから、いわゆる三相乳化能を有する「重縮合ポリマーの粒子」とは、明確に異なるものである。水酸基を有する重縮合ポリマーは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
糖ポリマーは、セルロース、デンプン等のグルコシド構造を有するポリマーである。例えば、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸等の単糖類からいくつかの糖を構成要素として微生物が産生するもの、キサンタンガム、アラビアゴム、グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、フコイダン、クインシードガム、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、カードラン、ジェランガム、フコゲル、カゼイン、ゼラチン、デンプン、コラーゲン、シロキクラゲ多糖類等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、セルロース結晶体、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト重合体、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の半合成高分子等が挙げられる。また、糖ポリマーの他に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシド、アクリレート/ポリエチレングリコール型コポリマー、(メタクリル酸メトキシPEG−23/ジイソステアリン酸メタクリル酸グリセリル)コポリマー等の合成高分子等を用いることができる。これらは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
糖ポリマーとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グァーガム、又はこれらの塩を用いることが好ましく、ヒドロキシエチルセルロースを用いることがより好ましい。
本発明における閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子は、例えば、平均粒径8nm〜500nm程度であることが好ましい。これらの調製方法は、特許第3855203号等に開示されるとおり従来公知であるため、省略する。
洗剤中の閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子の含有量としては、使用方法(部分洗いか洗濯機洗いか)や洗剤の希釈の割合等により適宜設定することができ、特に限定されないが、合計で0.0001質量%以上であってよい。
本発明における繊維用洗剤の性状としては、特に限定されず、例えば、粉末状、ゲル状、液状等とすることができる。このうち、液状とする場合、例えば水等の水性液体に分散させて、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子の分散液を洗剤として用いることができる。
<第2の態様の繊維用洗剤>
自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質(ベシクル)の閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子をいわゆる三相乳化の第三相として、油性物質を含ませてなるO/W型エマルションとした繊維用洗剤を構成することもできる。
このような場合、O/W型エマルションは、水相と油相との界面に閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子が介在することで乳化状態を形成する。より具体的に、このような乳化状態においては、油性物質(油相)が滴状となり、その油相の周囲を閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子が囲んでおり一つのエマルション粒子(以下、「洗剤粒子」ということもある。)を構成する。そして、そのエマルション粒子が水(水相)に分散して、O/W型エマルションを構成して乳化状態を形成する。このような乳化状態は、得られた乳化物を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することで確認される(例えば、特許第3855203号公報)。
このようなO/W型エマルション状態においては、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子がO/W型エマルションを構成する油相に接していない面で、O/W型エマルションが汚れに接触し、ファンデルワールス力によりその汚れに吸着する。汚れが油溶性物質の場合は、汚れが油相と接触した後、油相中に溶解され、汚れを繊維上から水中へ引き離すことができる。また、汚れが不溶性物質の場合は汚れがエマルションに取り込まれ、多量の汚れを保持するとともに再度の拡散を抑制し、また、エマルション粒子と水相との比重の差がある場合には、その比重の差によって生じる浮力や沈降力、さらに外部から印加される手洗いの場合の擦りや洗濯機洗いの場合の遠心力が複合的に働き、より強い力でエマルションとともに繊維から引き離される。油溶性または不溶性の汚れが三相乳化のO/W型エマルションを構成する油相へと移動しても、三相乳化によって安定乳化できるから、再付着することなく汚れを除去することができる。
すなわち、このような繊維用洗剤によれば、少なくとも閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子の汚れに対する吸着能に基づく優れた洗浄能を有する。また、油相が汚れに対する溶解能を有する場合や、エマルション粒子と水相との比重の差がある場合には、上述したように、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子そもそもの吸着とは異なるメカニズムにより複合的に汚れを洗浄することができるのである。
(エマルション粒子)
エマルション粒子は、油性物質(油相)が滴状となり、その油相の周囲を第1の態様の繊維用洗剤と同様の閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子が囲んでなるものである。
エマルション粒子の平均粒子径としては、特に限定されないが、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、900nm以下であることがさらに好ましく、800nm以下であることが特に好ましい。上述したように、油相が汚れに対する溶解能を有する場合には、油相は大きいほど汚れを溶解、保持できるので、油相の量を大きくし、結果としてエマルション粒子の平均粒子径も大きくした方が、洗浄効率は高くなるようにも思える。しかしながら、上述したように、汚れは繊維の表面の凹部や束の内部に入り込むものでありこのような汚れを除去するためには、エマルション粒子が繊維の表面の凹部や束の内部に入り込む必要がある。このような観点からすると、エマルション粒子の粒径は所要の値以下であることが好ましい。この点、分子の集合体たる閉鎖小胞体や重縮合ポリマー粒子を用いて洗浄を行う本発明の洗剤と、分子を用いて洗浄を行う界面活性剤を用いた従来の洗剤の大きな相違点の一つである。もっとも、繊維の種類(束ね方や表面の化学的性質等)によっては、エマルション粒子の平均粒子径が大きくても繊維の表面の凹部や束の内部に入り込みやすいことがあり、このような場合には上述したように油相の量を大きくし汚れの溶解量を増加させた方が、洗浄効率が高いため、エマルション粒子の平均粒子径は2μm超であってもよい。また、エマルション粒子の平均粒子径としては、例えば50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。これにより、汚れが油性物質に溶解する場合には油性物質の溶解量を増加させることができる。ただし、エマルション粒子の平均粒径は50nm以下であってもよい。この場合、繊維の表面の凹部や束の内部により入り込みやすくなる。なお、本発明において「平均粒子径」とは、分散液(エマルション粒子の場合には、O/W型エマルション)について粒度分布測定装置FPAR(大塚電子(株)社製)を用いて動的光散乱法により測定し、Contin解析により求めた個数分布の値の値を3回測定して平均した値である。なお、繊維用洗剤には、例えば界面活性剤等、洗剤粒子以外にもエマルションを構成する成分が含まれ得るが、このような成分が含まれる場合には、このような成分も含んだ状態での平均粒子径をいう。
(閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子)
閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子としては、第1の態様の繊維用洗剤と同様のものを用いることができる。
洗剤中のエマルション粒子の含有量としては、使用方法(部分洗いか全体洗いか)や洗剤の希釈の割合等により適宜設定することができるが、例えば、合計で0.01質量%以上であってよい。
閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子の平均粒子径は、エマルション形成時では8nm〜500nm程度である。なお、重縮合ポリマー粒子及び閉鎖小胞体は、いずれか一方のみが含まれても、双方が含まれてもよい。双方が含まれる場合には、例えば、別々に乳化したエマルションを混合してよい。
(油性物質)
油性物質は、O/W型エマルション中において内相たる油相を構成する。油相としては、固体状、半固体状、液状又は混合物いずれであってもよいが、洗浄時には液状であることが好ましい。油性物質が液状であることにより、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子が吸着した汚れを溶解させ保持することができる。ただし、油性物質が固体状又は半固体状であっても、上述したとおり閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子それ自体が繊維の洗浄能を有するものであるから、当然に本発明の洗浄効果を奏する。
油性物質としては、特に限定されないが、例えば、植物性油、炭化水素油、モノエステル油、ジエステル油、トリエステル油、エーテル油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、高級脂肪酸モノグリセリド、グリコール、高級アルコール等を挙げることができる。例えば、菜種油、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール(サラスコPR−85、日清オイリオ製)、ポリエチレンポリオキシプロピレングリコール(ブラウノンP―171、青木油脂工業株式会社)、ポリオキシプロピレングリコール(Polyglycol 4000P、DOW製)等の工業的に入手できる製品を用いることができる。
以上の中でも、極性油を用いることが好ましい。ここで、「極性油」とは極性分子から構成された油剤をいう。例えば、食品汚れ等は極性油に溶解するものが多く、極性油を含むO/W型エマルションは高い洗浄作用を有する。ただし、油性物質が非極性油であっても、上述したとおり閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子それ自体が繊維の洗浄能を有するものであるから、当然に本発明の洗浄効果を奏する。
油性物質の比重としては、特に限定されないが、25℃における水との比重(1.00g/cm)の差の絶対値が、0.01g/cm以上であることが好ましく、0.02g/cm以上であることがより好ましく、0.05g/cm以上であることがさらに好ましく、0.10g/cm以上であることが特に好ましい。なお、油性物質が混合溶媒である場合、その混合溶媒の比重と水との比重の差の絶対値をいうものとする。このような絶対値が所要の値以上であることは、すなわちエマルション粒子の比重と、水の比重の差があることを意味し、これによってエマルション粒子が浮力又は沈降力を生じる。繊維状の汚れに吸着したエマルション粒子にこのような力が生じると、汚れはより繊維表面からより引き離されやすくなる。ただし、油性物質の比重と25℃における水との比重の差の絶対値が、0.01g/cm未満であっても、上述したとおり閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子それ自体が繊維の洗浄能を有するものであるから、当然に本発明の洗浄効果を奏する。
油性物質の沸点としては、特に限定されないが、例えば大気圧下で80℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましく、140℃以上であることが特に好ましい。油性物質の沸点が所要値以上であることにより、低沸点の揮発油(一般的なドライクリーニング溶剤であるフッ素系溶剤)と異なり、より安全性が高い。ただし、安全性が確保され、また洗浄水の温度が油性物質の沸点を超えない限りにおいて油性物質の沸点は80℃未満であってもよい。一方で、500℃以下、470℃以下、450℃以下、400℃以下、350℃以下、300℃以下であってよい。ただし、油性物質の沸点は500℃超であってもよい。
油性物質の融点としては、特に限定されないが、例えば−50℃以上、−20℃以上、0℃以上、10℃以上であってよい。ただし、油性物質の融点は、−50℃未満であってもよい。一方で、油性物質の融点としては、80℃以下であることが好ましい。油性物質の融点が所要値以下であることにより、O/W型エマルションにおいて洗浄時に油相が液状を維持し、汚れに対する溶媒として作用することができる。ただし、油性物質の融点は80℃超であってもよい。
以上のような繊維用洗剤は、例えば原料を混合した後、この混合物を振とう器、撹拌器、ホモジナイザー等を用いて容易に乳化状態を形成できる。
<第3の態様の繊維用洗剤>
自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子及び油性物質を含む。このような乳化状態においては、油性物質(油相)が滴状となり、その油相の周囲を閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子が囲んでおり一つの洗剤粒子を繊維用洗剤として構成することもできる。すなわち、このような繊維用洗剤は、粉末状、タブレット状等の固体状の性状とすることができる。固体状であってもその中に含まれる洗剤粒子が水に分散することで、O/W型エマルションを形成し、その結果、第2の態様の繊維用洗剤と同様の効果が奏される。
洗剤中の洗剤粒子の含有量としては、使用方法(部分洗いか全体洗いか)や洗剤の希釈の割合等により適宜設定することができるが、例えば、合計で0.01質量%以上であってよい。
洗剤粒子の平均粒子径としては、特に限定されないが、水に分散させた場合における平均粒子径が、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、900nm以下であることがさらに好ましく、800nm以下であることが特に好ましい。なお、繊維用洗剤には、例えば界面活性剤等、洗剤粒子以外にもエマルションを構成する成分が含まれ得るが、このような成分が含まれる場合には、このような成分も含んだ状態での平均粒子径をいう。
その他、閉鎖小胞体、重縮合ポリマー粒子及び油性物質としては、第2の態様の繊維用洗剤において用いたものと同様の成分を同様の組成により構成することができる。また、これらにより構成される洗剤粒子としては、第2の態様の繊維用洗剤におけるエマルション粒子と同様の成分を同様の組成により構成することができる。
このような繊維用洗剤は、例えば第2の態様の繊維用洗剤におけるO/W型エマルションをドライスプレー法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法等の従来公知の方法で乾燥させることができる。第2の態様の繊維用洗剤におけるO/W型エマルションでは、油性物質が閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子に囲まれた、いわゆる三相乳化構造を形成している。このような三相乳化構造によれば、乾燥して水を除去しても、微細な油滴構造が閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子に囲まれた構造を維持した状態で、粉末を得ることができる。なお、ドライスプレー法により乾燥させた場合には、粉末形成のためデンプン等の賦形剤を含むこととなる。
なお、上述した第1〜第3の態様の繊維用洗剤は、繊維の柔軟性低下防止能及び吸水性低下防止能を有する。ここで、「柔軟性低下防止能」とは、洗濯後の繊維の硬化を防ぎ、柔軟な状態を維持する能力をいう。「吸水性低下防止能」とは、洗濯後の繊維の吸水性低下を防ぎ高い吸水性を維持する能力をいう。本発明者らは、驚くべきことに上述した第1〜第3の態様の繊維用洗剤が柔軟性低下防止能及び吸水性低下防止能を有することを見出した。
例えば木綿や麻等、多くの天然繊維は、糖鎖から構成されるものである。したがって、その表面には水酸基が多量に露出している。洗濯後においては、天日干しを含む各種乾燥条件において、繊維が硬化することがある。この理由は、乾燥時の繊維表面の糖鎖同士が結合することや、洗濯時に繊維へ吸着した水分を介して繊維同士が水素結合することが考えられるが、一般的には後者の水分を介した繊維同士の水素結合が主であると考えられている。この作用によって形成される構造体によって、繊維の柔軟性が失われ硬化する。このような硬化を防止するため、通常、柔軟剤が用いられている。柔軟剤には、疎水性の高いアルキルカチオン系界面活性剤が含まれているが、このアルキルカチオン系界面活性剤は、その正電荷により負電荷を有する水酸基に引き寄せられ、水酸基周囲を取り囲む。そして、その後、繊維をすすいでもこのようなアルキルカチオン系界面活性剤が繊維上に残り、繊維同士の水素結合を抑制する。このような作用により、繊維が硬化することなく、柔軟な状態を維持することができる。しかしながら、このような柔軟剤を用いると、その表面には疎水性が高いアルキル鎖が露出するため吸水性が低下する。例えば、バスタオルや布巾等では、繊維には吸水性が求められるため、吸水性を低下させることは好ましくないこともある。
一方で、本態様の洗剤では、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子と繊維との疎水性相互作用によって、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子を繊維表面に吸着させることができ、これによって、上述のアルキルカチオン系界面活性剤と同様に、水酸基同士の結合を抑制できることが分かった。しかも、このように繊維表面に付着する閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子が親水性であるため、吸水性が低下しないか、低下が少なく抑えられる。
すなわち、第1〜第3の態様の繊維用洗剤は、上述した柔軟性低下防止能及び吸水性低下防止能をも有するものである。すなわち、このような洗剤で繊維を洗浄すれば、その繊維の洗浄後の処理として柔軟剤を用いないでも上記のような柔軟性低下に対する防止効果を得ることができる。一方で、その繊維の洗浄後の処理として通常の柔軟剤(例えば市販のアルキルカチオン系界面活性剤を含むもの)を用いた場合、より柔軟性低下に対する防止効果を得られるとともに、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子の親水性により吸水性が低下しないか、低下が少なく抑えられる。すなわち、このような繊維用洗剤で洗浄した場合、その洗浄の後処理として柔軟剤を使用しても、使用しなくてもよい。このような繊維用洗剤で洗浄した後の繊維製品は各種乾燥条件による硬化に対し強いものとなる。
(添加剤)
本発明の第1〜第3いずれの態様における繊維用洗剤も、添加剤を含むことができる。添加剤としては、1種類を単独で用いることも、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。また、添加剤を含まなくてもよい。
洗浄性やすすぎ性、安定性を向上させる観点から、親水性界面活性剤を使用することができる。親水性界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤のいずれを用いることもできる。ただし、親水性界面活性剤を含まなくてもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルコールの硫酸エステル塩、アルコールのアルコキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩又は脂肪酸塩が挙げられる。また、これらの塩の対イオンとしては、アルカリ金属塩、アミン類が挙げられ、具体的にはナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、又はジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば高級アルコール、アルキルフェノール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アルキルエステル又は高級アミン等にアルキレンオキシドを付加したポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン酸型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、エステル型ジアルキルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
繊維用洗剤には、ビルダーを配合することができる。ここで、「ビルダー」とは、添加剤の一部であるが、それ自身に洗浄力は無いか又はごく弱い洗浄力しか有しないにも関わらず、洗剤と共に配合されるとその洗剤能力を著しく向上させることができる成分をいう。例えば汚れの再付着防止剤、多価金属陽イオン捕捉剤、酵素、抗菌剤又はアルカリ緩衝剤等が挙げられる。なおこれらの2種以上の作用を兼ね備える添加剤も存在する。従来の界面活性剤を主成分とする洗剤製品には、通常、添加剤が含まれるが、本発明の繊維用洗剤は、添加剤を配合しなくてもよい。また、少量であってもよい。
水溶性無機化合物としては、特に限定されないが、リン酸塩(トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩、リン酸三ナトリウム等)、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩等が挙げられる。これらの塩の対イオンとしては、アルカリ金属塩、アミン類が挙げられ、具体的にはナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、又はジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
有機化合物としては、特に限定されないが、カルボン酸塩(アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、シクロカルボン酸塩、マレイン酸誘導体、シュウ酸塩等)、有機カルボン酸(塩)ポリマー(アクリル酸ポリマー及びコポリマー、多価カルボン酸(例えばマレイン酸等)ポリマー及びコポリマー、グリオキシル酸ポリマー、多糖類及びこれらの塩等)等が挙げられる。これらの塩の対イオンとしては、アルカリ金属塩、アミン類が挙げられ、具体的にはナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、又はジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
酵素を含有させることで本発明の繊維用洗剤の洗浄力をより高めることができる。酵素は基質特異性を有するために洗浄したい汚れによって適宜選択すればよいが、酵素であれば特に限定されず、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。なお、本明細書において「酵素」とは工業的に入手できる酵素製品を意味する。
抗菌剤を配合することができる。抗菌剤は、繊維上での菌の増殖を抑え、さらには微生物の分解物由来の臭いの発生を抑える効果を有する成分である。
抗菌剤としては、特に限定されないが、例えば、四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド)などのカチオン性殺菌剤、ダイクロサン、トリクロサン、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、8−オキシキノリン、ポリリジン等が挙げられる。
抗菌剤の含有量としては、特に限定されないが、例えば、繊維用洗剤100質量%に対し、0.5質量%以下、0.1質量%以下、0.02質量%以下、0.01質量%以下であってよい。本発明の閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子も抗菌作用及びその効果持続性も高いため、有機化合物の含有量は少量であっても、含有しなくてもよい。
上記成分以外に、繊維用洗剤に通常用いられるその他の成分を含有することもできる。
その他の成分としては、例えば、漂白剤、漂白活性化剤、水混和性有機溶剤、酸化防止剤、防腐剤、風合い向上剤、保存安定性向上剤、蛍光剤、パール剤、着香剤、着色剤、天然物等のエキス、消泡剤等が挙げられる。
添加剤の含有量としては、使用方法(部分洗いか全体洗いか)や洗剤の希釈の割合等により適宜設定することができる。
繊維の素材としては、特に限定されず、例えば天然繊維である植物繊維の綿、亜麻、苧麻、さらに上記以外の葉脈繊維、また、天然繊維である動物繊維においては、羊毛、モヘヤ、アルパカ、らくだ、カシミヤ、アンゴラ、ビキューナ、ラマ、シルク、天然繊維である羽毛のダウン、フェザー、天然繊維である靭皮繊維が挙げられる。一方で、化学繊維である再生繊維のレーヨン、銅アンモニア繊維のキュプラ、上記以外の再生繊維のリヨセル、半合成繊維のアセテート、トリアセテート、上記以外の半合成繊維、化学繊維である合成繊維のナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、アクリル、アクリル系、ポリプロピレン、ポリ乳酸、アラミド、上記以外の合成繊維、さらに、天然繊維と合成繊維、天然繊維と天然繊維、合成繊維と合成繊維を1種以上組み合わせた混紡繊維等が挙げられる。繊維製品品質表示規定の指定、分類の有無に関わらず、繊維製品として扱われる繊維ならばいずれであってもよい。
繊維製品としては、上述の繊維素材の全部又は一部を用いた繊維製品であれば特に限定されず、例えば織物、ニット生地及びレース生地、水着、下着及び組成繊維中における絹の混用率が50%以上の織物、たて糸又はよこ糸の組成繊維が絹のみの織物、羽織、着物、靴下、手袋、帯、足袋、ハンカチ、風呂敷、ネクタイ、羽織ひも、帯締め、床敷物、布団、テーブル掛け、タオル、手拭い、布巾、雑巾、セーター、シャツ、ズボン、ドレス、ホームドレス、ブラウス、スカート、事務服、作業服、上衣、子供用オーバーオール、ロンパース、下着、寝衣、羽織及び着物、帽子、マフラー、スカーフ、ショール、エプロン、かっぽう着、毛布、膝掛け、上掛け、布団カバー、敷布、カーテン、ベッドスプレッド、毛布カバー、枕カバー、コート等が挙げられる。
なお、上述したとおり、第1〜第3の態様の繊維用洗剤は、繊維の柔軟性低下防止能を有する。したがって、柔軟性を要求される用途に使用される繊維製品(例えば人間の皮膚に接触する用途、より具体的には、衣類、下着、ハンカチ、タオル)を洗浄しても、硬化を抑制して柔らかい状態を維持することができる。
また、上述したとおり、第1〜第3の態様の繊維用洗剤は、繊維の吸水性低下防止能を有する。したがって、吸水性を要求される用途に使用される繊維製品(例えば上述の繊維製品の中ではタオルや手拭い、布巾、雑巾等)を洗浄しても、それらの機能として本来要求される吸水性の低下を防止して、吸水性の高い状態を維持することができる。
以上のような繊維用洗剤によれば、繊維上に付着した油溶性の汚れである皮脂、化粧品、食品油脂、色素、鉱物油等、水溶性の汚れである汗、尿等、また、水溶性汚れの中で水溶性の物質が乾固する事で水に不溶な汚れへと変化するタンパク質や澱粉等、さらに、固体粒子汚れである土や泥、すす、鉄粉等に対し高い洗浄能を有する。また、生体的・環境的に安全と考えられ、家庭用洗剤にも好ましく用いることができる。
なお、本発明の繊維用洗剤は、従来の界面活性剤を用いた繊維用洗剤と比べて発泡性が低い。これは、上述したように閉鎖小胞体及び重縮合ポリマーが界面張力の低下を引き起こさないためである。従来の洗剤の発泡作用は、洗浄の対象たる繊維に対する洗浄作用を阻害し、また、洗濯洗浄においてはすすぎ等の後工程への負荷が増大するが、本発明の繊維用洗剤によればこのような発泡が抑制される。
<ソイルリリース剤>
上述した第1〜第3の態様の繊維用洗剤は、ソイルリリース能を有する。したがって、第1〜第3の態様の繊維用洗剤と同様の構成により、ソイルリリース剤として用いることができる。ここで「ソイルリリース能」とは、防汚性の一つであり、繊維に付着させることにより、その繊維に付着した汚れを除去しやすくする機能をいう。また、「同様の構成」とは、それぞれの態様の繊維用洗剤の必須の構成のことをいう。したがって、それぞれの用途に合わせて添加成分や各成分の化学種・添加量の比を変更することができる。
本発明者らは、驚くべきことに上述した第1〜第3の態様の繊維用洗剤がソイルリリース能を有することを見出した。このようなソイルリリース能は、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子と繊維との疎水性相互作用によって、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子を繊維表面に吸着させることで繊維表面を改質し、繊維と汚れが直接接触することを防ぐことにより発現されると考えられる。このようなソイルリリース能は、通常の界面活性剤には見られない。
すなわち、第1〜第3の態様の繊維用洗剤は、洗浄能を有するだけでなく、ソイルリリース能も有するので、繊維用洗剤とソイルリリース剤を兼ねて一つの成分として使用することもできる。この場合、高い洗浄効果が得られるとともに、このようにして洗浄された繊維には表面に閉鎖小胞体又は重縮合ポリマーが付着し、防汚効果を有する。ただし、ソイルリリース剤としてのみ使用するならば、単に付着させればよく、例えばO/W型エマルション(第2の態様)のように液状としてスプレーとして噴きかけてもよい。
<繊維の洗浄方法>
本発明に係る繊維の洗浄方法は、上述したいずれかの繊維用洗剤を用いて部分又は全体洗いをする方法である。具体的な使用法としては、従来市販の繊維用洗剤と同様に用いることができる。
「部分洗い」とは、主として、手洗いや洗濯機洗い等の洗浄方法によらず、食べこぼしの汚れ等の落としにくい汚れに対して、繊維用の洗剤を直接塗布して洗浄する行為をいう。一般的に、洗剤を直接塗布して手洗いを行うと、洗濯機洗いよりも汚れ落ちが高くなることが知られている。
また、「全体洗い」とは、主として、手洗いや洗濯機洗い等の洗浄方法によらず、繊維全体から汚れを取り除く行為をいう。この場合において、洗剤を水等の溶媒に溶解させて繊維を洗浄する。
汚れとしては、有機・無機、親水性・疎水性等に特に限定されず、油溶性の汚れである皮脂、化粧品、食品油脂、色素、鉱物油等、水溶性の汚れである汗、尿等、また、水溶性汚れの中で水溶性の物質が乾固する事で水に不溶な汚れへと変化するタンパク質や澱粉等、さらに、固体粒子汚れである土や泥、すす、鉄粉等であってよい。特に、本発明の繊維用洗剤は、汚れの種類によらず、洗浄することができる点で優位である。したがって、例えば食品油等の混合物(複数組成)の汚れについても除去洗浄できる。
(部分洗い)
部分洗いを行う場合、繊維用洗剤を汚染箇所に直接塗布してもよいし、繊維用洗剤を希釈した水又はお湯に繊維製品の汚染箇所を入れてもよい。また、近年、部分洗い専用の装置も販売されており、このような装置を用いてもよい。なお、第2の態様の繊維用洗剤においては、O/W型エマルションを構成している。部分洗いにおいては、手揉み等の作業により物理的な力が付与されるが、O/W型エマルション構造は破壊されず、その構造を維持することができる。
また、上述したとおり、本発明の繊維用洗剤は生体安全性を有するため、手洗いをして直接皮膚に触れても特に生体への影響はないと考えられる。
水温としては、特に限定されず、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることがさらに好ましく、25℃以上であることがさらに好ましく、30℃以上であることが特に好ましい。なお、洗浄性を高める観点から、温度は高い方が好ましく、例えば35℃以上であってもよい。なお、手洗いの場合、水温が高いと使用者が危険にさらされるために、例えば40℃以下であってもよい。
繊維用洗剤の使用量としては、特に限定されず、適宜設計することができるが、例えば汚れの面積1cmあたりに対して、1mg/cm以上であることが好ましく、2mg/cm以上であることがより好ましく、5mg/cm以上であることがさらに好ましく、10mg/cm以上であることが特に好ましい。また、繊維用洗剤の使用量としては、500mg/cm以下、100mg/cm以下、50mg/cm以下であってよい。
(全体洗い)
全体洗いを行う場合、洗濯機の洗濯槽に繊維製品とともに繊維用洗剤を添加すればよい。また、洗剤を希釈した水又はお湯に繊維製品を浸して手洗いをしてもよい。
水温としては、特に限定されず、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることがさらに好ましく、25℃以上であることがさらに好ましく、30℃以上であることが特に好ましい。なお、洗浄性を高める観点から、温度は高い方が好ましく、例えば35℃以上、40℃以上、45℃以上、50℃以上、55℃以上、60℃以上、65℃以上であってもよい。また、水温としては、例えば、80℃以下、75℃以下、70℃以下であってよい。
繊維用洗剤の使用量としては、特に限定されず、適宜設計することができるが、例えば0.3g/L以上であることが好ましく、0.5g/L以上であることがより好ましく、1.0g/L以上であることがさらに好ましく、1.5g/L以上であることが特に好ましい。また、繊維用洗剤の使用量としては、3.5g/L以下、2.5g/L以下、2.0g/L以下であってよい。
なお、上述したとおり、第1〜第3の態様の繊維用洗剤は、繊維の柔軟性低下防止能を有する。したがって、当該繊維用洗剤による繊維製品の洗浄後の処理として柔軟剤を用いてもよいし、柔軟剤を用いないでもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して、本発明についてより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
<洗浄試験>
〔試料の調製〕
[洗剤試料の原料]
(油性成分)
中鎖脂肪酸トリグリセリド(MASESTER−E6000又はMASESTER−E7000,オレオケミカル社製、以下、「MCT」という。)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ブラウノンP171,青木油脂工業株式会社製、以下、「P171」という。)
ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール(サラスコPR−85,日清オイリオ株式会社製、以下、「PR−85」という。)
オレイン酸(オレオケミカル社製、以下、「OA」という。)
ポリプロピレングリコール(PPG4000,DOWケミカル株式会社製)
ミリスチン酸イソプロピル(NIKKOL IPM−100,日光ケミカルズ株式会社製、以下、「IPM」という。)
ミリスチルアルコール(ハイノール14SS,高級アルコール株式会社製、以下、「MA」という。)
ヘキシルデカノール(リソノール16SP,高級アルコール株式会社製、以下、「HD」という。)
2−オクチルドデカノール(リソノール20SP,高級アルコール株式会社製、以下、「OD」という。)
流動パラフィン(モレスコホワイトP−55,株式会社MORESCO製、以下、「LP」という。)
ホホバ油(NIKKOL ホホバ油 S,日光ケミカルズ株式会社製、以下、「HO」という。)
(閉鎖小胞体)
POE硬化ひまし油(HCO−60,日光ケミカルズ株式会社製)
[洗剤試料の調製]
(実施例1〜13)
ビーカー中で精製水を7000rpmで撹拌しながらPOE硬化ひまし油を滴下し、撹拌した。次いで油性成分を滴下し、撹拌して実施例1〜13の洗剤試料を得た。各試料の組成は表1のとおりとした。なお、表1において、数値は質量%を示す。なお、実施例1のエマルション粒子の平均粒子径は884nm、実施例8のエマルション粒子の平均粒子径は664nmであった。
(比較例1:部分洗い試験用)
ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル(9J,丸善石油化学社製)を水に溶解させ、25wt%水溶液を調製した。
(比較例2:全体洗い試験用)
ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル(9J,丸善石油化学社製)を水に溶解させ、5wt%水溶液を調製した。
(比較例3:全体洗い試験用)
市販のファーファ液体洗剤クリアアップルブロッサム(LOT:C17.11.01D,成分:11%界面活性剤、アルカリ剤、再汚染防止剤、酵素)を用いた。なお、使用量は当該製品の使用量として記載されている0.83gとした。
(比較例4:全体洗い試験用)
市販されている洗剤であるファーファ液体洗剤クリアアップルブロッサム(LOT:C17.11.01D)を用いた。なお、使用量は実施例と同様の3gとした。
[汚染布試料]
布の素材としては、綿、混紡及び化学繊維の3種を用いた。また、汚れとしては、泥汚れ、鉱物油汚れ、食品汚れ、血液汚れ及びカレー汚れを想定して、それぞれ粘土汚染布、鉱物油汚染布、着色ライススターチ赤色汚染布、血液汚染布及びカレー汚染布を用いた。具体的には、以下に示すとおりである。なお、カレー汚れについては、特開2011−126939号公報に記載の方法にしたがい、市販のカレールーを用いてカレー溶液を作り、その中に綿(JIS L 0803準拠試験用添付白布 綿(カナキン3号))、混紡(T/Cツイル)又は化学繊維(ポリエステルトロピカル(帝人))を投入し、煮込むことにより、各汚染布試料を得た。
(粘土質(黄色)汚染布)
綿(C−S−40,CFT社製)
化学繊維(P−S−40,CFT社製)
(血液汚染布)
綿(C−S−01,CFT社製)
化学繊維(P−S−01,CFT社製)
(着色ライススターチ赤色汚染布)
綿(C−S−28,CFT社製)
化学繊維(P−S−28,CFT社製)
(鉱物油汚染布)
綿(C−S−65,CFT社製)
化学繊維(P−S−65,CFT社製)
〔評価〕
[部分洗い試験]
先ず、汚染布試料及び当該汚染布試料と同素材で汚染されていない布について、白色光度計TC−6DS/A(東京電色社製)を用いて反射率を測定した。
次に、水が滴らない程度に湿らせた各汚染布試料(面積25cm)に、実施例1〜12及び比較例1の洗剤試料を流れ出ない程度にそれぞれ汚染布1枚あたり0.3ml滴下した。この汚染布試料を揉むようにして洗浄した後、水道水を用いて、3分間流水ですすいだ。その後、脱水し平干しをして、風乾させた。
乾燥後の汚染布試料について、白色光度計TC−6DS/A(東京電色社製)を用いて反射率を測定した。なお、粘土汚染布及びカレー汚染布については、波長460nmにおける反射率を測定した。鉱物油汚染布、着色ライススターチ赤色汚染布及び血液汚染布については、波長550nmにおける反射率を測定した。
[全体洗い試験]
先ず、汚染布試料及び当該汚染布試料と同素材で汚染されていない布について、白色光度計TC−6DS/A(東京電色社製)を用いて反射率を測定した。
次に、硬水 JIS K 8122に規定する塩化カルシウム二水和物(硬度成分)約270mgを生成水に溶解して、1000mLにメスアップして硬水溶液を得た。一方で、各洗剤試料3gを精製水990mLに溶解した後、上述のようにして調製した硬水溶液10mLを加えて総量1000mLの洗剤溶液を得た。
実施例1〜3、6〜8、13及び比較例2〜4の洗剤試料それぞれについて、同汚れ・同素材の汚染布試料5枚を、30℃に調整した洗浄溶液1000mL中に浸し、かき混ぜ式洗浄力試験機(ターゴトメータ)を用いて100±5min−1の回転速度で10分間洗浄した。
洗浄終了後、含水率が質量分率200%以下になるよう脱水装置を用いて1分間脱水し、30℃に調整した水道水1000mL中に入れ、かき混ぜ式洗浄力試験機を用いて、100±5min−1の回転速度で3分間すすいだ。
その後、脱水機能を持った装置を用いて1分間脱水し、風乾し、アイロン仕上げを行った。なお、血液汚染布は血液の変性が起きるため、風乾のみとした。
乾燥後の汚染布試料について、白色光度計TC−6DS/A(東京電色社製)を用いて反射率を測定した。なお、粘土汚染布及びカレー汚染布については、波長460nmにおける反射率を測定した。鉱物油汚染布、着色ライススターチ赤色汚染布及び血液汚染布については、波長550nmにおける反射率を測定した。
[洗浄率の算出]
布の素材と汚れの種類のそれぞれの組み合わせについて、5枚の布片の洗浄率をそれぞれ以下の式(1)にて算出して求め、その平均値を各汚染布の洗浄率とした。なお、洗浄率は、洗浄により除去できた汚れの割合を示す指標であり、数値が大きいほど洗浄性能が高いことを示す。
・・・(1)
式(1)中、K/Sは、以下の式(2)で求められる値である。
・・・(2)
式(2)中、Rはそれぞれの布の反射率(%)である。なお、反射率は、東京電色社製名白色光度計TC−6DS/Aにより測定した値をいう。
〔結果〕
[部分洗い試験]
粘土汚染布、血液汚染布及び着色ライススターチ赤色汚染布についての部分洗い試験の結果を表2に示す。なお、表2において、数値は洗浄率(%)を示す。
表2〜4に示すとおり、実施例1〜12の洗剤試料は、比較例1の洗剤試料に対して高い洗浄能を示す傾向にあった。また、表2〜4には記載していないが、実施例1〜12の洗剤試料は、鉱物油汚染布及びカレー汚染布に対しても、優れた洗浄能を示した。
〔全体洗い試験〕
粘土汚染布、血液汚染布、着色ライススターチ赤色汚染布及びカレー汚染布についての全体洗い試験の結果を表5〜8に示す。なお、表5〜8において、数値は洗浄率(%)を示す。
表5〜8に示すとおり、界面活性剤を用いていない実施例1〜3、6〜8、13の洗剤試料は、界面活性剤で構成された比較例2〜4の洗剤試料と同等又はそれ以上の洗浄能を示す傾向にあった。また、表5〜8には記載していないが、実施例1〜3、6〜8、13の洗剤試料は、鉱物油汚染布に対しても、洗浄能を示した。
<ソイルリリース能試験>
〔試料の調製〕
[ソイルリリース剤試料の調製]
ソイルリリース剤試料として、実施例1、11の試料を用いた。
[布試料]
布の素材としては、以下に示す化学繊維及び化学繊維の混紡の2種を用いた。
化学繊維(ポリエステルトロピカル(帝人)、色染社購入)
化学繊維の混紡(ポリウレタン/ポリエステル(=15/85)交編、色染社購入)
〔評価〕
実施例1、11の洗剤試料3gを水道水1000mL中に添加した。5×5cmの布試料をこの洗剤試料水溶液(実施例1、11)又は水道水(比較例5)に浸漬し、30℃、100rpm、5分間撹拌処理した。その後、取り出して、1分間脱水を行った。この処理を行った布試料を20℃、65RH%下で12時間以上乾燥して、試料浸漬布を作製した。なお、比較例5として、以上の処理を施さない布を用いた。
JIS C9606 電気洗濯機に示されている「附属書4汚染布作成方法(2)汚染液に使用する材料及び分量」の人工汚垢のうち、赤黄色土とカーボンブラックを除いた油性汚垢(オレイン酸:トリオレイン:オレイン酸コレステロール:流動パラフィン:スクアレン:コレステロール=18:10:8:2:2:1の比率の混合物)を調製し、これにオイルレッド濃度が油性汚垢中で0.95質量%である人工汚垢油を調製した。次にホモジナイザーを用いてゼラチン水溶液を攪拌しながら、人工汚垢油をオイルレッド濃度が全量中で0.03質量%となるようにゼラチン水溶液に加え、攪拌することで有機汚垢液を調製した。
試料浸漬布又は水道水浸漬布に、有機汚垢液を0.5g滴下し、20℃、65RH%下で乾燥させた。その布を水道水中に5%ポリオキシエチレンアルキルエーテル水溶液3gが入った1000mLの溶液に汚垢を滴下させた布を投入した。ターゴトメータを用いて30℃、100rpm、10分間攪拌し、1分間脱水後、風乾させた。乾燥後の汚染布試料について、白色光度計TC−6DS/A(東京電色社製)を用いて波長550nmにおける反射率を測定した。
5枚の同種の布片の汚染残存率をそれぞれ以下の式(3)にて算出して求め、その平均値を各汚染布の汚染残存率(%)とした。なお、汚染残存率は、布試料に付着した汚れのうち洗浄後にもなお残っている汚れの割合を示す指標であり、数値が小さいほどソイルリリース能の効果が大きいことを示す。
・・・(3)
〔結果〕
人工汚垢のソイルリリース能試験の結果を表9に示す。なお。表9において、数値は汚染残存率(%)を示す。
表9より、実施例1及び11のソイルリリース剤試料を用いた場合、布試料に対し何ら処理をしていない比較例5に比べ、汚染残存率が低くなる繊維種が存在しており、このような繊維に対してソイルリリース能を有する。
<発泡性試験>
〔試料の調製〕
発泡性試験用試料として、実施例3、8、11、13及び比較例3の試料を用いた。
〔評価〕
硬水 JIS K 8122に規定する塩化カルシウム二水和物(硬度成分)約270mgを生成水に溶解して、1000mLにメスアップして硬水溶液を得た。一方で、各洗剤試料3gを精製水990mLに溶解した後、上述のようにして調製した硬水溶液10mLを加えて総量1000mLの洗剤溶液を得た。
実施例3、8、11、13及び比較例3の洗剤試料それぞれについて、洗浄溶液50mLをローソク瓶に入れ、このローソク瓶を30秒間手で上下に振とうを行い、10秒静置後の洗浄液の泡高を観察した。
〔結果〕
図1は、実施例3、8、11、13及び比較例3の洗浄後液の写真図である。実施例3、8、11、13の洗浄後液は、比較例3の洗浄後液に比べて発泡が少なかった。
<柔軟性低下防止能試験>
〔試料の調製〕
[前処理]
市販の綿タオル((株)リポス製、商品名:F/T リポスゴールド350匁白ボーダー34×80)15枚を、前処理専用洗剤(NSファーファ・ジャパン株式会社製;ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:9モル)25%溶液)を用いて、全自動洗濯機(HITACHI製BW−7MV)を用いて3回処理を行った(洗剤標準使用量(25g/30L)、水道水(常温)、水量50L、洗浄12分、次いで、注水すすぎ3回、脱水9分)後、前処理専用洗剤を使用せず、同様の工程(水道水(常温)、水量50L、洗浄15分、次いで、注水すすぎ3回、脱水9分)を1回行い、室温で乾燥させた。
[柔軟性低下防止処理]
前処理洗浄した綿タオル0.5kgを、二槽式洗濯機(HITACHI製PS−H35L)を用いて、実施例14の試料又は市販の洗剤にて10分間処理(実施例14の試料10g、水10L、水道水(常温))を行った後、脱水を1分間行った。次いで、それぞれの洗剤で処理した綿タオルを、市販の柔軟剤(ファーファ・トリップ ドバイ,Y16.08.10)にて5分間処理(柔軟剤3.33g、水10L、水道水(常温))を行った後、脱水を1分間行った。これらの処理の後、20℃、65%RHの恒温恒湿条件下で乾燥させた。
〔試料の評価〕
上記「柔軟性低下防止処理」において、市販の洗剤にて処理した綿タオルを対照として用い、専門パネラー5名の一対比較により判定した。各パネラーの評価基準は、以下のとおりであり、5名の点数の平均をとり、商品価値上、0.5点以上であれば、繊維に対して柔軟性の低下の防止能を有しているといえる。この結果を下記表10に示す。
(評価基準)
+2:市販の洗剤よりも明らかに良好である。
+1:市販の洗剤よりもやや良好である。
0:市販の洗剤とほぼ同じである。
−1:市販の洗剤の方がやや良好である。
−2:市販の洗剤の方が明らかに良好である。
<吸水性低下防止能試験>
〔試料の調製〕
[評価用布の前処理方法]
市販の綿金巾(金巾3号)50枚を、前処理専用洗剤(NSファーファ・ジャパン株式会社製;ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:9モル)25%溶液)により全自動洗濯機(HITACHI製BW7MV)を用いて3回処理を行った(洗剤標準使用量(25g/30L)、水道水(常温)、水量50L、洗浄12分、次いで、注水すすぎ3回、脱水9分)後、前処理専用洗剤を使用せず、同様の工程(水道水(常温)、水量50L、洗浄15分、次いで、注水すすぎ3回、脱水9分)を1回行い、室温で乾燥させた。
[吸水性低下防止処理]
前処理洗浄した綿金巾6.0gを、二槽式洗濯機(HITACHI製PS−H35L)を用いて、実施例14の試料又は市販の洗剤にて10分間処理(組成物10g、水10L、水道水(常温))を行った後、脱水を1分間行った。次いで、それぞれの洗剤で処理した綿金巾を、市販の柔軟剤(ファーファ・トリップ ドバイ,Y16.08.10)にて5分間処理(柔軟剤3.33g、水10L、水道水(常温))を行った後、脱水を1分間行った。これらの処理の後、20℃、65%RHの恒温恒湿条件下で乾燥させた。
〔吸水性の評価〕
前処理した試料から大きさ約200mm×25mmの試験片を採取した。次に、水を入れた水槽の水面上に支えた水平棒上に試験片をピンで固定した後、水平棒を降下させて、試験片の下端の20mm±2mmが水に浸せきするように調整し、そのまま10分間放置した。放置後、毛細管現象によって水が上昇した高さをスケールで測定した。図2は、吸水性の評価に用いた装置の模式図である。
上記「吸水性低下防止処理」において、何も加えなかったこと以外同条件で処理した金巾(以下、「ブランク」と言う。)において同様の試験を行い、ブランクが10分間に上昇する水の高さを対照(100%)として、N=2回の平均高さをとり、ブランクを100%とした際の数値を吸水率とした。

Claims (17)

  1. 自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子及び油性物質を含
    前記油性物質の周囲を前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子が囲み洗剤粒子を構成する、繊維用洗剤。
  2. さらに水を含み、O/W型エマルションである、請求項1に記載の繊維用洗剤。
  3. 粉末状である、請求項に記載の繊維用洗剤。
  4. 前記油性物質の融点が80℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  5. 前記油性物質が極性油である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  6. 前記油性物質の沸点が80℃以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  7. 前記洗剤粒子は、水に分散させた場合の平均粒子径が50nm以上2μm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  8. ソイルリリース能を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  9. 部分洗いのための、請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  10. 全体洗いのための、請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  11. 繊維製品を洗浄するための、請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  12. 衣類を洗浄するための、請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  13. 当該繊維用洗剤による繊維製品の洗浄後の処理として柔軟剤を用いないで、洗浄を行うための、請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  14. 当該繊維用洗剤による繊維製品の洗浄後の処理として柔軟剤を用いて、洗浄を行うための、請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維用洗剤。
  15. 請求項1〜のいずれか1項に記載の繊維用洗剤を用いて繊維を洗浄する、繊維の洗浄方法。
  16. 自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質の閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子及び油性物質を含み、
    前記油性物質の周囲を前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子が囲み洗剤粒子を構成する、ソイルリリース剤。
  17. さらに水を含み、O/W型エマルションである、請求項16に記載のソイルリリース剤。
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