以下、図を用いて本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった向きは、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。そして、明細書に記載の構成について、その材質、形状、大きさは、この発明の範囲内で適宜変更することができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置の斜視図である。照明装置10は、着脱可能の照明ランプ11と、照明ランプ11が装着されるとともに照明ランプ11に電力を供給し照明ランプ11を点灯させる照明器具12と、を具備する。照明装置10は照明ランプ11を室内に向けて天井又は壁面に取り付けられ、照明ランプ11が点灯することによって室内空間に光を照射する。
照明器具12は、給電ソケット13と、アースソケット14と、器具本体15と、を備えている。給電ソケット13及びアースソケット14はそれぞれ器具本体15に設けられている。給電ソケット13とアースソケット14は、照明ランプ11を機械的に保持することができる。また、給電ソケット13とアースソケット14は照明ランプ11を機械的に保持と同時に、照明ランプ11と電気的に接続される。なお、アースソケット14は照明ランプ11を機械的に保持するのみであっても良い。
器具本体15は、電源ボックス16を内部に収納し、V字ばね又は継手等の取付具(図示省略)を有する筐体である。照明器具12は取付具によって天井又は壁面に取り付けられる。また、電源ボックス16はスイッチ(図示省略)と、電源装置(図示省略)とを収納した筐体である。電源装置は、外部電源から電力の供給を受け、照明ランプ11の点灯に適した電圧又は電流に変換して照明ランプ11に供給する。また、電源装置は、外部から入力される電流が交流電力である場合には、力率の改善及び直流電力に整流したりする。スイッチは、入/切を切り替えることができ、入の状態では電源装置と給電ソケット13及びアースソケット14を電源装置と電気的に接続し、切の状態では電源装置と給電ソケット13及びアースソケット14を電源装置と電気的に切断する。なお、アースソケット14が照明ランプ11を機械的に保持するのみである場合には、アースソケット14はスイッチに連動した電気的な接続/切断が行われない。
図2は、実施の形態1に係る照明ランプの斜視図である。図3は実施の形態1に係る照明ランプのA−A断面図である。なお、図2ではカバー20の一部切欠いて、カバー20内部の光源モジュール50の構成を示している。また、説明のために、照明ランプ11が照明器具12に取り付けられた時に、室内空間と対向する側を出射側、器具本体15と対向する側を器具側と称する。
実施の形態1における照明ランプ11は、カバー20と、カバー20の端部を覆う給電口金30及びアース口金40と、カバー20,給電口金30及びアース口金40によって形成されたカバー内空間70に収納される光源モジュール50と、を有している。
カバー20は、両端に開口を持つ筒状の部材である。カバー20は、ポリカーボネートやアクリル等の樹脂又はガラスなどの透光性を有する材料を用いて形成されており、樹脂材料を用いる場合は押出成型することによって形成される。光源モジュール50より発せられる光はカバー20を透過する。また、カバー20は、照明ランプ11の用途に応じて、光拡散又は光波長変換などの機能を有しても良い。
また、図3に示すように、カバー20の断面形状は略円形である。カバー20は、カバー20の外部空間に面するカバー外周面21と、カバー内空間70に面するカバー内周面22と、を有している。カバー内周面22の一部には、カバー内周面22からカバー内空間70に向かって突出した一対のカバー突起部23がカバー20の長手方向の全長にわたって延在するように形成されている。なお、実施の形態1において、カバー20の断面形状は略円形であるが、これに限らず、例えば多角形等の形状でも良く、カバー内空間70が形成されておりカバー内周面22を持つ断面形状であれば良い。
給電口金30は、導電性を有する2本の給電端子31と、インサート成形等の方法によって給電端子31が埋め込まれた、絶縁性を有する給電口金筐体32と、を備えている。給電口金30は、カバー20の一方の端部の開口を給電口金筐体32で覆うように取り付けられる。給電端子31は、給電ソケット13に機械的に接続可能である。また、給電端子31は、給電ソケット13に機械的に接続すると同時に、電気的にも接続される。
アース口金40は、導電性を有するアース端子41と、インサート成形等の方法によってアース端子41が埋め込まれた、絶縁性を有するアース口金筐体42と、を備えている。アース口金40は、カバー20の給電口金30が取り付けられていない側の端部の開口をアース口金筐体42で覆うように取り付けられる。アース端子41は、アースソケット14に機械的に接続すると同時に、電気的にも接続される。なお、アース端子41は照明ランプ11を機械的に保持する目的のみのものであっても良い。
光源モジュール50は、固体発光素子である複数のLED光源51と、長尺の平板形状でありLED光源51が実装される基板52と、基板52が設置される長尺のヒートシンク53を備えている。光源モジュール50は、LED光源51より出射される光が出射側へ出射される位置にカバー突起部23によって保持されている。
LED光源51は、基板52の長手方向に沿って並行に配列されて、基板52に複数個実装される。実施の形態1において、LED光源51には、波長が440〜480nmの青色光を発するLEDチップ上に青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化した擬似白色LEDが用いられている。なお、基板52に実装されるLED光源51の数、配置位置、種類は、照明ランプ11の用途に応じて決定されるものであり、本発明はLED光源の数、配置位置、種類は限定されない。
基板52のLED光源51が実装される面には、例えば、ダイオード、コンデンサ、ヒューズ又は抵抗等の電子部品(図示省略)が実装され、LED光源51が点灯する様に各LED光源51と各電子部品とを電気的に接続させる配線パターン(図示省略)が設けられている。つまり、基板52に実装されたLED光源51と各電子部品とは、配線パターンを介して電気的に接続されて光源回路を形成している。また、実施の形態1において、光源回路は少なくとも給電端子31と電気的に接続されており、照明ランプ11が照明器具12に装着された状態では、電源装置(図示省略)、給電ソケット13、給電端子31、光源回路(各電子部品(図示省略)およびLED光源51)の経路で点灯電力が供給されるので、LED光源51を点灯させることができる。なお、基板52の材料には、ガラスエポキシ材料、紙フェノール材料、コンポジット材料、セラミック材料、あるいはアルミニウム等の金属材料が、材料コスト、設計仕様などを勘案して選定される。実施の形態1において、基板52の厚さは1mm程度であるが、この厚さに限定されるものではない。
ここで、照明器具12のアースソケット14と照明ランプ11のアース端子40は、照明ランプ11の接地に用いたり、LED光源51に電力を供給する経路として用いたり、光源回路に対して制御信号を伝達する経路として用いたりしても良い。
ヒートシンク53は、基板52が設置される基板設置部53aと、基板52の位置決めに用いられる1対の位置決め突起部53bと、給電口金30及びアース口金40をヒートシンク53と固定させるためのねじ固定部53cと、カバー20とヒートシンク53を嵌合させるための縦嵌合突起部53d及び横嵌合突起部53eと、が一体になって構成されている。また、基板設置部53a、位置決め突起部53b、ねじ固定部53c、縦嵌合突起部53d及び横嵌合突起部53eは、それぞれヒートシンク53の長手方向の全体にわたって延在するように形成されている。ヒートシンク53はLED光源51から発生する熱を照明ランプ11外部に放散するためにカバー20に伝達する役割と、照明ランプ11の剛性を向上させる役割を有している。このため、一般的にヒートシンク53の素材には、望ましくは、熱伝導性と剛性が優れ、線膨張係数が小さい金属素材が用いられる。実施の形態1においては、ヒートシンク53はアルミニウムを用いて形成されている。
基板設置部53aは出射側の面と器具側の面を有している。基板設置部53aの出射側の面には、LED光源51が出射側を向くように基板52が設置されている。基板52の設置方法としては、実施の形態1ではシリコーン樹脂などの接着剤あるいは両面テープなどの接着部材によって接着する方法を用いている。接着剤又は接着部材は、LED光源51から発生する熱をヒートシンク53に伝達するために熱伝導性の良い材料を選択することが望ましい。なお、基板52の設置方法は、基板設置部53a及び基板52にねじ孔を設けねじ留めする方法でも良い。また、基板52と基板設置部53aの機能を一体化した構成、つまり基板設置部53aの出射側の面に基板52の配線パターンが設けられ、ダイオード、コンデンサ、ヒューズ又は抵抗等の電子部品と、LED光源51と、が基板設置部53aの出射側の面に直接設置される構成でも良い。
基板設置部53aの出射側の面において、一対の位置決め突起部53bは、基板52の短手方向の長さと略同じ長さの間隔を空けて、基板設置部53aの出射側の面から出射側に向かって、突出して形成されている。一対の位置決め突起部53bが突出する方向は、基板設置部53aの出射側の面に対してそれぞれ垂直である。基板52は一対の位置決め突起部53bの間に設置されるため、位置決め突起部53bにより、基板52を基板設置部53aに設置する際の位置決めが容易となる。
基板設置部53aの器具側の面において、基板設置部53aの短手方向の中央付近にはねじ固定部53cが器具側へ突出して形成されている。ねじ固定部53cは、給電口金30及びアース口金40を通して、カバー20の軸方向に挿入されるねじを固定するためのねじ孔53fが形成されている。ヒートシンク53は、給電口金30及びアース口金40を通して挿入されて、ねじ固定部53cにねじ込まれるねじによって、給電口金30及びアース口金40に固定されている。なお、実施の形態1のねじ固定部53cのねじ孔53fは、器具側に開口部を有しているが、ねじ固定部53bの開口部を有する断面形状は、ヒートシンク53を押出成型によって容易に製造するために長手方向の全体に渡って延在するように設けられたものである。このため、この発明において必ずしもねじ固定部53cに開口部がある必要はない。
基板設置部53aの器具側の面において、基板設置部53aの短手方向に平行な方向の両端部には、基板設置部53aに対して器具側に突出した縦嵌合用突起部53dと、基板設置部53aの短手方向に対して平行に突出した横嵌合用突起部53eが、それぞれヒートシンク53の長手方向の全体にわたって延在するように設けられている。縦嵌合用突起部53dのカバー20と対向する面と、横嵌合用突起部53eの器具側の面は、カバー内周面22に沿い、カバー20と光源モジュール50が嵌合する形状に形成されている。このように縦嵌合用突起部53dと横嵌合用突起部53eは、カバー突起部23と嵌合することができるため、光源モジュール50はカバー20に嵌合され、カバー20の中心軸に対して回転方向の移動が規制される。以下、ヒートシンク53の表面のうち、縦嵌合用突起部53dのカバー20と対向する面と、横嵌合用突起部53eの器具側の面と、のように、カバー内周面22に沿った形状であり、カバー内周面22と嵌合する面を嵌合面と称する。
ヒートシンク53の嵌合面と、カバー内周面22の嵌合面と対向する面との間には、所定の幅の間隙が設けられるよう設計されている。これは、ヒートシンク53とカバー20とは、それぞれの製造時に寸法のばらつきが生じるため、量産性を考慮して寸法のばらつきに対応できるように予め設定されている。このため、嵌合用突起部53d及び横嵌合用突起部53eは、カバー内周面22に沿った形状に形成されているが、実際の照明ランプ11では、嵌合用突起部53d及び横嵌合用突起部53eと、カバー20の間にはわずかな間隙が形成される箇所が存在する。
ヒートシンク53の長手方向に対して並行な表面、つまりヒートシンク53のカバー20の軸方向に対して並行な表面には、高反射層54が形成されている。実施の形態1における高反射層54は、ヒートシンク53の長手方向に対して並行な表面を陽極酸化させることによってアルマイト被膜を形成し、形成されたアルマイトに白色の染料で塗膜し着色した白色の着色アルマイトの層である。また、アルマイト処理被膜は約9〜10μm、白色の染料の塗膜は約16〜27μmの膜厚で高反射層を形成している。ヒートシンク53の素材であるアルミニウムの一般的な反射率は60%前後であるが、高反射層54である白色の着色アルマイトの反射率は約82%である。そのため、高反射層54は、ヒートシンク53の素材の反射率に比べて高い反射率を有する材料で形成されている。
ここでヒートシンク53の製造方法について説明する。図4は、実施の形態1に係る照明装置のヒートシンクの製造方法を示す側面図である。図5は、実施の形態1に係る照明装置のヒートシンクの製造方法を示す図4のB−B断面図である。始めに、図4(a)及び図5(a)に示すように、基板設置部53a、位置決め突起部53b、ねじ固定部53c、縦嵌合突起部53d及び横嵌合突起部53eが形成され、長手方向の長さが少なくともヒートシンク53の長手方向の長さよりも長いアルミニウム製の基材80を押出成型によって成形する。次に、図4(b)及び図5(b)に示すように、基材80の表面全体を陽極酸化させることによってアルマイト被膜を形成し、形成されたアルマイトに白色の染料を浸漬させ着色することで高反射層54を形成する。次に、図4(c)及び図5(c)のように基材80を分割することで、ヒートシンク53を作成する。そのため、切断面、つまりヒートシンク53の長手方向に対して垂直な面には高反射層54は形成されていない。最後に、図4(d)及び図5(d)のようにヒートシンク53のねじ固定部53cのねじ孔53f側の表面にねじ山を形成する。ねじ固定部53cのねじ孔53f側の表面に設けられた高反射層54は、ねじ山を形成する際に削られるため、製造されたヒートシンク53のねじ固定部53cのねじ孔53f側の表面には高反射層54は形成されていない。
次にLED光源51から発せられる光について説明する。LED光源51から発せられる光は、LED光源51より出射側に進み、カバー内部空間60を通過し、カバー内周面22に到達する。前述の通りカバー20は、透光性を有しているため、カバー内周面22に到達した光はカバー20を透過し、カバー20の外部へ出射される。しかしながら、全ての光がカバー20を透過するわけではなく、カバー内周面22に到達した光の一部は、カバー内周面22で反射されて、器具側へ進むことになる。カバー内周面22で反射された光のさらに一部は、カバー内周面22とヒートシンク53の間に形成された間隙に入射する。間隙に入射した光は、カバー20とヒートシンク53の表面との間で反射を繰り返して再び出射側へと戻される。
反射後の光の光束は反射前の光の光束よりも減衰し、その減衰率は反射率によって表される。例えば、反射率80%の物体で反射された光の光束は、反射前の光の光束の80%まで減少し、反射率60%の物体で反射された光の光束は、反射前の光の光束の60%まで減少するので、反射率が高いほど反射による光束の減少は少なくなる。実施の形態1のヒートシンク53は、長手方向に対して並行な表面にヒートシンク53の素材に比べて反射率の高い高反射層54が形成されているため、高反射層54を形成しない場合に比べて、間隙から出射側へ戻される光の光束は高くなる。さらに、間隙に入射した光はカバー20とヒートシンク53の表面との間で反射を複数回繰り返して出射側へ戻されるため、高反射層54を形成し反射率を向上させた効果は反射回数分だけ重畳して発揮され、高反射層54を形成しない場合に比べて光の利用効率は大きく向上する。
また、実施の形態1において、間隙はヒートシンク53の嵌合面と、カバー内周面22の嵌合面と対向する面との間に形成されており、間隙に入射した光は、主にヒートシンク53の嵌合面と、カバー内周面22の嵌合面と対向する面との間で反射が繰り返される。そのため、少なくとも嵌合面、つまり嵌合用突起部53d及び横嵌合用突起部53eのカバー内周面22に沿う形状の面に高反射層54を設けられれば、間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制する効果を得ることができる。
以上のように、少なくともヒートシンク53の嵌合面に、ヒートシンク53の素材の反射率よりも高い反射率の高反射層54を形成することによって、カバー20とヒートシンク53との間に形成される間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光を有効に活用することができる。このため、光の利用効率が向上することによって照明ランプ11の発光効率が向上する。
さらに、実施の形態1において、ヒートシンク53は、カバー20と接している部分も存在する。そのため、ヒートシンク53の熱がカバー20へ伝達し、カバー20外部に放熱することができるので、ヒートシンク53の冷却効率が上がる。
また、位置決め突起部53bの出射側の面と、横嵌合用突起部53eの出射側の面と、ヒートシンク53の短手方向における横嵌合用突起部53eの端面と、にも高反射層54が形成されており、カバー内周面22で反射された光は当該部位の高反射層54によって光束の減少を抑制して出射側へ戻されるため、照明ランプの発光効率を向上させることができる。
なお、実施の形態1ではヒートシンク53の素材はアルミニウムであり、高反射層54は白色の着色アルマイトの層であるが、これに限らず、ヒートシンク53の素材は金属材料であり、高反射層54はめっき又は塗装などによる表面処理によって形成された層、高反射率の樹脂又は高反射シートなどのヒートシンク53の素材よりも反射率の高い反射率を有する層であれば良い。ただし、ヒートシンク53の嵌合面は、カバー20の内部に光源モジュール50を挿入する際に、カバー内周面22と擦れてしまうため、高反射層54は容易に剥がれないようにしなければならず、表面処理によって形成される方が望ましい。特に、アルマイトはアルミニウムの素地に浸透して被膜が形成され、また耐摩耗性も向上するため、高反射層54をアルマイトの層で構成することによって、高反射層54は容易に剥がれない。
また、カバー20に使用する樹脂材料には、照明ランプ11の用途に応じて、拡散材を混ぜ込んだ樹脂材料を使用するなどの工夫を行い、拡散、反射、演色等の光学的な機能を持たせても良い。さらに、カバー20は少なくとも一部に透光性を有していれば良く、例えば、カバー20の出射側の面のみを透光性を有した樹脂材料で構成し、器具側の面は透光性を有しない材料で構成しても良い。特にカバー内周面22のヒートシンク53の嵌合面と対向する面に、カバー20に使用する樹脂材料の反射率よりも高い反射率を有するカバー側高反射層でコーティングすることによって、カバー20とヒートシンク53との間に形成された間隙に入射した光がカバー内周面22で反射する際の減衰を抑制することができるため、カバー20とヒートシンク53の間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光をさらに有効に活用することができる。
さらに、実施の形態1では、固体発光素子としてLED光源51を用いているが、これに限らず、LED光源51に変えて、レーザダイオード又は有機EL素子等の他の固体発光素子を使用しても良い。特に、有機EL素子は1つの素子で面発光できるため、複数の有機EL素子を基板52に実装する代わりに、長手方向の長さが基板52の長辺と略同様の1つの長尺な有機EL素子を基板52に実装しても良い。
また、実施の形態1では、ヒートシンク53の長手方向に対して垂直な面と、ねじ固定部53cのねじ孔53f側の表面には高反射層54は形成されていないが、例えばねじ山を形成する工程を、高反射層54を形成する工程よりも前に行い、ねじ固定部53cのねじ孔53f側の表面にも高反射層54を形成し、ヒートシンク53の長手方向に対して並行な表面全面に高反射層54を形成しても良い。さらに、ねじ山を形成する工程及び基材80を分割する工程を、高反射層54を形成する工程よりも前に行うことで、ねじ固定部53cのねじ孔53f側の表面とヒートシンク53の長手方向に対して垂直な面に高反射層54を形成し、ヒートシンク53の全表面に高反射層54を形成しても良い。
さらに、実施の形態1では、日本工業規格(JIS)C8158に定められたGX16t−5タイプの口金(給電口金30、アース口金40)を備えた照明ランプ11、及びソケット(給電ソケット13、アースソケット14)を備えた照明器具12を例示して説明したが、これに限らず、口金及びソケットは、G13タイプなど、他の形状のものを用いても良い。
なお、本発明は、実施の形態1の形状のヒートシンクを有する照明ランプ11のみではなく、カバー内周面22とヒートシンクの嵌合面が嵌合して、カバー20に光源モジュール50が保持される照明ランプ11であれば適用することが可能である。ヒートシンク53の形状を変更した場合について、実施の形態1の第1〜5の変形例の照明ランプを用いて説明する。なお、実施の形態1の第1〜7の変形例はそれぞれヒートシンクとカバー内周面22以外の要素には変更は無いため、実施の形態1の第1〜5の変形例の説明においてヒートシンクとカバー内周面22以外の説明を割愛する。
実施の形態1の第1の変形例.
図6は、実施の形態1の第1の変形例に係る照明ランプのA−A断面図である。第1の変形例では、ヒートシンク55は断面長方形の長尺の平板であり、基板52は断面の長辺側にヒートシンク55の長手方向に沿って設置される。また、カバー内周面22には、カバー内空間70へ突出した一対の出射側カバー突起部23aと、一対の器具側カバー突起部23bと、出射側カバー突起部23aと器具側カバー突起部23bの間にヒートシンク55の短手方向の端部に沿う形状のカバー嵌合溝24と、がカバー20の長手方向の全体に渡って延在するように形成されている。カバー側嵌合溝24は、カバー20の両端の開口の少なくとも一方と連通しており、カバー20の両端の開口よりヒートシンク55をカバー側嵌合溝24に沿ってカバー内空間70に挿入することができる。
実施の形態1の第1の変形例において、嵌合面に相当する面は、ヒートシンク55の短手方向の両端部付近の出射側カバー突起部23a,器具側カバー突起部23b及びカバー側嵌合溝24と対向する面が該当する。実施の形態1と同じく、カバー内周面22とヒートシンク55の間には、所定の間隙が設けられるよう設計されている。ヒートシンク55とカバー20とは、それぞれの製造時に寸法のばらつきを生じるため、量産性を考慮して寸法のばらつきに対応できるように予め設定される。このため、ヒートシンク55の嵌合面と、カバー突起部23a、器具側カバー突起部23b及びカバー側嵌合溝24と、の間にはわずかな間隙が形成される箇所が存在し、この間隙にカバー20で反射された光が入射する。
実施の形態1の第1の変形例におけるヒートシンク55は、実施の形態1のヒートシンク53と同じく、長手方向に対して並行な表面には、ヒートシンク55の素材に比べて反射率の高い高反射層54が形成されている。そのため、実施の形態1の照明ランプと同様の理由で、実施の形態1の変形例の照明ランプも、高反射層54を形成していない場合に比べて、カバー20とヒートシンク53の間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光をさらに有効に活用することができる。
また、間隙に入射した光は、主に出射側カバー突起部23a,器具側カバー突起部23b及びカバー側嵌合溝24と、ヒートシンク55の嵌合面と、の間で反射が繰り返される。このため、少なくとも嵌合面、つまり出射側カバー突起部23a,器具側カバー突起部23b及びカバー側嵌合溝24と対向する面に高反射層54を設ければ、間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制する効果を得ることができる。
実施の形態1の第2の変形例.
図7は、実施の形態1の第2の変形例に係る照明ランプのA−A断面図である。第2の変形例のヒートシンク56は、長尺であり、断面は基板52を設置する平面部56aと、カバー内周面22に沿った形に形成された円弧部56bと、を有し、平面部56aと円弧部56bに囲まれたヒートシンク内空間56cが形成されている。また、カバー内周面22には、実施の形態1と同じく、カバー突起部23がカバー20の長手方向の全体にわたって延在するように形成されている。ヒートシンク56は、カバー内空間70に挿入され、カバー突起部23と平面部56aの両端部近辺と、カバー内周面22と円弧部56bが嵌合することによって、ヒートシンク56はカバー20に保持されている。
実施の形態1の第2の変形例において、嵌合面に相当する面は、カバー突起部23と対向する平面部56aの両端部近辺の面と、円弧部56bのカバー内周面22に対向する面が該当する。実施の形態1と同じく、カバー内周面22とヒートシンク56の間には、所定の間隙が設けられるよう設計されている。これはヒートシンク56とカバー20とは、それぞれの製造時に寸法のばらつきが生じるため、量産性を考慮して寸法のばらつきに十分対応できるように予め設定される。このため、ヒートシンク56の嵌合面と、カバー内周面22の間にはわずかな間隙が形成される箇所が存在し、この間隙にカバー20で反射された光が入射する。
実施の形態1の第2の変形例におけるヒートシンク56は、ヒートシンク内空間56cに面する表面を除く長手方向に対して並行な表面には、ヒートシンク56の素材に比べて反射率の高い高反射層54が形成されている。そのため、実施の形態1の照明ランプと同様の理由で、実施の形態1の変形例の照明ランプも、高反射層54を形成していない場合に比べて、カバー20とヒートシンク53の間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光をさらに有効に活用することができる。なお、ヒートシンク内空間56cに面する表面には高反射層54が形成されない。その理由は、LED光源51からの光がヒートシンク内空間56cに入らないため高反射層54を形成しても効果が無いためである。なお、ヒートシンク56に対して高反射層54の形成する際の製造効率を優先して、ヒートシンク内空間56cに面する表面に高反射層54が形成されていても良い。
また、間隙に入射した光は、主にカバー内周面22及びカバー突起部23と、ヒートシンク56の嵌合面で反射が繰り返される。このため、少なくとも嵌合面、つまりカバー突起部23と対向する平面部56aの両端部近辺の面と、円弧部56bのカバー内周面22に対向する面に高反射層54を設ければ、間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制する効果を得ることができる。
実施の形態1の第3の変形例.
図8は、実施の形態1の第3の変形例に係る照明ランプのA−A断面図である。第3の変形例のヒートシンク57は、長尺であり、断面が基板52を設置する平面部57aと、カバー内周面22に沿った形に形成された円弧部57bと、を有している。実施の形態1の第2の変形例のヒートシンク56とは異なり、実施の形態1の第3の変形例のヒートシンク57は、中実の構造であり、ヒートシンク内空間は形成されていない。また、カバー内周面22には、実施の形態1と同じく、カバー突起部23がカバー20の長手方向の全体にわたって延在するように形成されている。ヒートシンク57は、カバー内空間70に挿入され、カバー突起部23と平面部57aの両端部近辺と、カバー内周面22と円弧部57bが嵌合することによって、ヒートシンク57はカバー20に保持されている。
実施の形態1の第3の変形例において、嵌合面に相当する面は、実施の形態1の第2の変形例と同じく、カバー突起部23と対向する平面部57aの両端部近辺の面と、円弧部57bのカバー内周面22に対向する面である。実施の形態1と同じく、カバー内周面22とヒートシンク57の間には、所定の間隙が設けられるよう設計されている。これは、ヒートシンク57とカバー20とは、それぞれの製造時に寸法のばらつきが生じるため、量産性を考慮して寸法のばらつきに充分対応できるように予め設定される。このため、ヒートシンク57の嵌合面と、カバー内周面22の間にはわずかな間隙が形成される箇所が存在し、この間隙にカバー20で反射された光が入射する。
実施の形態1の第3の変形例におけるヒートシンク57の長手方向に対して並行な表面には、ヒートシンク57の素材に比べて反射率の高い高反射層54が形成されている。そのため、実施の形態1の照明ランプと同様の理由で、実施の形態1の第3の変形例の照明ランプも、高反射層54を形成していない場合に比べて、カバー20とヒートシンク53の間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光をさらに有効に活用することができる。
また、間隙に入射した光は、主にカバー内周面22及びカバー突起部23と、ヒートシンク57の嵌合面で反射が繰り返される。このため、少なくとも嵌合面、つまりカバー突起部23と対向する平面部57aの両端部近辺の面と、円弧部57bのカバー内周面22に対向する面に高反射層54を設ければ、間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制する効果を得ることができる。
実施の形態1の第4の変形例.
図9は、実施の形態1の第4の変形例に係る照明ランプのA−A断面図である。第4の変形例のヒートシンク58は、長尺であり、基板52が設置される基板設置部58aと、基板設置部58aの両端部より出射側方向へ伸びる一対の嵌合部58bを有している。嵌合部58bの短手方向のカバー20と対向する側面はカバー内周面22に沿った形状に形成されている。また、カバー内周面22には、カバー内空間70へ突出した一対の出射側カバー突起部23aと、一対の器具側カバー突起部23bと、がカバー20の長手方向の全体にわたって延在するように形成されている。ヒートシンク58は、カバー内空間70に挿入され、出射側カバー突起部23aと嵌合部58bの出射側端面、器具側カバー突起部23bと嵌合部58bの器具側端面、及びカバー内周面22と嵌合部58の外側に面する面と、が嵌合することによって、ヒートシンク58はカバー20に保持されている。
実施の形態1の第4の変形例において、嵌合面に相当する面は、嵌合部58bの出射側端面と、嵌合部58bの器具側端面と、嵌合部58のカバー20における外側に面する面と、である。カバー内周面22とヒートシンク58の間には、所定の間隙が設けられるよう設計されている。これは、ヒートシンク58とカバー20とは、それぞれの製造時に寸法のばらつきが生じるため、量産性を考慮して寸法のばらつきに充分対応できるように予め設定される。このため、ヒートシンク58の嵌合面と、カバー内周面22、出射側カバー突起部23a及び器具側カバー突起部23bと、の間にはわずかな間隙が形成される箇所が存在し、当該間隙にカバー20で反射された光が入射する。
実施の形態1の第4の変形例におけるヒートシンク58の長手方向に対して並行な表面には、ヒートシンク58の素材に比べて反射率の高い高反射層54が形成されている。そのため、実施の形態1の照明ランプと同様の理由で、実施の形態1の第4の変形例の照明ランプも、高反射層54を形成していない場合に比べて、カバー20とヒートシンク53の間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光をさらに有効に活用することができる。
また、間隙に入射した光は、主にカバー内周面22、出射側カバー突起部23a及び器具側カバー突起部23bと、ヒートシンク58の嵌合面で反射が繰り返される。このため、少なくとも嵌合面、つまり出射側カバー突起部23aと嵌合する嵌合部58bの出射側端面と、器具側カバー突起部23bと嵌合する嵌合部58bの器具側端面と、カバー内周面22と嵌合する嵌合部58の外側に面する面と、に高反射層54を設ければ、間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制する効果を得ることができる。
実施の形態1の第5の変形例.
図10は、実施の形態1の第5の変形例に係る照明ランプのA−A断面図である。第5の変形例のヒートシンク59は、長尺であり、基板52が設置される基板設置部59aと、基板設置部59aの短辺方向の両端部より器具側方向へ伸びる一対の両端突起部59bと、基板設置部59aの短辺方向の中央部より器具側方向へ伸びる中央突起部59cと、を有している。また、カバー内周面22には、カバー内空間70へ突出した一対のカバー突起部23がカバー20の長手方向の全体にわたって延在するように形成されている。基板設置部59aの短辺の長さは、一対のカバー突起部23の間の長さと略同等であり、また両端突起部59bと、中央突起部59cのカバー内周面22に対向する面はカバー内周面22に沿った形状に形成されている。ヒートシンク59は、カバー内空間70に挿入され、カバー突起部23の先端面と基板設置部59aの短手方向の両端面、カバー突起部23の器具側の面と両端突起部59bの出射側の面、カバー内周面22と両端突起部59bのカバー内周面22と対向する面、及びカバー内周面22と中央突起部59cのカバー内周面22と対向する面がそれぞれ嵌合することによって、ヒートシンク59はカバー20に保持されている。
実施の形態1の第5の変形例において、嵌合面に相当する面は、基板設置部59aの短手方向の両端面と、両端突起部59bの出射側の面と、両端突起部59bのカバー内周面22と対向する面と、中央突起部59cのカバー内周面22と対向する面と、である。カバー内周面22とヒートシンク59の間には、所定の間隙が設けられるよう設計されている。これは、ヒートシンク59とカバー20とは、それぞれの製造時に寸法のばらつきが生じるため、量産性を考慮して寸法のばらつきに充分対応できるように予め設定される。このため、ヒートシンク59の嵌合面と、カバー内周面22と、の間にはわずかな間隙が形成される箇所が存在し、この間隙にカバー20で反射された光が入射する。
実施の形態1の第5の変形例におけるヒートシンク59の長手方向に対して並行な表面には、ヒートシンク59の素材に比べて反射率の高い高反射層54が形成されている。そのため、実施の形態1の照明ランプと同様の理由で、実施の形態1の第5の変形例の照明ランプも、高反射層54を形成していない場合に比べて、カバー20とヒートシンク53の間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光をさらに有効に活用することができる。なお、図10ではヒートシンク59の中央突起部59cの出射側を向いた面には、高反射層54が形成されていないが、中央突起部59cの出射側を向いた面にも高反射層54が形成され、ヒートシンク59の長手方向に対して並行な表面全体に高反射層54が形成されていても良い。
また、間隙に入射した光は、主にカバー内周面22と、ヒートシンク59の嵌合面で反射が繰り返される。このため、少なくとも嵌合面、つまり基板設置部59aの短手方向の両端面と、両端突起部59bの出射側の面と、両端突起部59bのカバー内周面22と対向する面と、中央突起部59cのカバー内周面22と対向する面と、に高反射層54を設ければ、間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制する効果を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、カバー20が両端に開口を持つ筒状の部材であり、カバー内空間70に光源モジュール50が保持されている照明ランプについて説明した。実施の形態2では、カバー20が断面C字状の部材であり、ヒートシンク60がカバー20より露出された状態で光源モジュール50がカバー20に保持されている照明ランプの場合について説明する。なお、ヒートシンクの形状及びカバーの形状を除く構成については、実施の形態1と同様であるため、説明を割愛する。
図11は、実施の形態2に係る照明ランプの斜視図である。図12は、実施の形態2に係る照明ランプのC−C断面図である。実施の形態2のカバー20は、両端に開口が形成され、更に長手方向に渡って開口部が形成されている断面C字型の長尺の部材である。実施の形態2のカバー20は、形状以外の点については実施の形態1のカバー20と同様である。カバー20の端部の開口は給電口金30及びアース口金40によって覆われており、長手方向に渡って形成されている開口部にはヒートシンク60によって塞がれているため、カバー20の内部には外部空間より独立したカバー内空間70が形成されている。また、カバー20は、カバー20の外部空間に面するカバー外周面21と、カバー内空間70に面するカバー内周面22と、を有している。カバー内周面22のうち、長手方向に渡って形成されている開口部付近には、カバー内空間70へ突出した一対のカバー突起部23がカバー20の長手方向の全体にわたって延在するように形成されている。
実施の形態2のヒートシンク60は、長尺形状であり、基板52を設置する平面部60aと、円弧形状の円弧部60bと、から形成されている。また、円弧部60bの一部には、一対のヒートシンク側嵌合溝60cが形成されており、ヒートシンク側嵌合溝60cとカバー突起部23が嵌合することによって、平面部60aがカバー内空間70に面するようにヒートシンク60がカバー20に保持されている。また、平面部60aはカバー内空間70に面しているため、平面部60aに設置されている基板52と、基板52に実装されているLED光源51と、はカバー内空間70に位置しており、LED光源51から発せられる光は、LED光源51より出射側に進み、カバー内空間70を通過し、カバー内周面22に到達する。実施の形態1と同様にカバー内周面22に到達した光の一部は、カバー内周面22で反射され、器具側へ進む。
実施の形態2において、嵌合面は、カバー突起部23と対向するヒートシンク側嵌合溝60cと、円弧部60bのうちヒートシンク側嵌合溝60cよりも平面部60a側に位置しカバー内周面22と対向する個所と、が該当する。また、実施の形態1と同じく、カバー内周面22とヒートシンク56の間には、所定の間隙が設けられるよう設計されている。これは、ヒートシンク59とカバー20とは、それぞれの製造時に寸法のばらつきが生じるため、異なる寸法のばらつきに充分対応できるように予め設定される。このため、ヒートシンク59の嵌合面と、カバー内周面22と、の間にはわずかな間隙が形成される箇所が存在し、この間隙にカバー20で反射された光が入射する。
ヒートシンク60の長手方向に対して平行な表面には、ヒートシンク60の素材に比べて反射率の高い高反射層54が形成されている。そのため、実施の形態1の照明ランプと同様の理由で、実施の形態2の照明ランプも、高反射層54を形成していない場合に比べて、カバー20とヒートシンク53の間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光をさらに有効に活用することができる。
また、間隙に入射した光は、主にヒートシンク60の嵌合面と、カバー内周面22及びカバー突起部との間で反射が繰り替えされる。このため、少なくとも嵌合面、つまり高反射カバー突起部23と対向するヒートシンク側嵌合溝60cと、円弧部60bのうちヒートシンク側嵌合溝60cよりも平面部60a側に位置しカバー内周面22と対向する面と、に高反射層54を設ければ、間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制する効果を得ることができる。
以上のように、ヒートシンク60がカバー20より露出された状態で光源モジュール50がカバー20に保持されている照明ランプの場合についても、少なくともヒートシンク60の嵌合面にヒートシンク60の素材に比べて反射率の高い高反射層54が形成されることによって、間隙に入射した光を有効に活用することができる。
さらに、実施の形態2のヒートシンク60は、外部空間に露出しているため、ヒートシンク60より直接外部に放熱することができるため、ヒートシンク60の冷却効率が向上する。
また、実施の形態1と同様に、カバー内周面22のヒートシンク60の嵌合面と対向する面に、カバー20に使用する樹脂材料の反射率よりも高い反射率を有するカバー側高反射層でコーティングすることによって、カバー20とヒートシンク60との間に形成された間隙に入射した光がカバー内周面22で反射する際の減衰を抑制することができるため、カバー20とヒートシンク60の間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光をさらに有効に活用することができる。
なお、本発明は、ヒートシンク60がカバー20より露出された状態で光源モジュール50がカバー20に保持されている場合においても、実施の形態2のヒートシンク60のような形状を有する照明ランプ11のみではなく、カバー内周面22とヒートシンクの嵌合面が係合することによってカバー20に光源モジュール50が保持される照明ランプであれば適応することができる。ヒートシンクの形状を変更した場合について、実施の形態2の変形例の照明ランプを用いて説明する。なお、実施の形態2の変形例はヒートシンクの形状とカバー20の形状以外の要素には実施の形態1と同様であるため、説明を割愛する。
実施の形態2の変形例.
図13は、実施の形態2の変形例に係る照明ランプのC−C断面図である。実施の形態2の変形例のカバー20は、実施の形態2と同様に、長手方向に渡って開口部が設けられた断面C字型の長尺の部材である。カバー内周面22のうち、長手方向に渡って形成されている開口部付近には、カバー内空間70へ突出した一対のカバー突起部23がカバー20の長手方向の全体に渡って延在するように形成されている。カバー突起部23は、カバー20の長手方向に対して垂直にカバー内空間70の方向へ伸びる垂直延出部23cと、カバー20の外部に向けて器具側に伸びる器具側延出部23dより形成されている。
実施の形態2の変形例のヒートシンク61も、実施の形態2のヒートシンク60と同じく、長尺形状であり、基板52が設置される平面部61aと、円弧形状の円弧部61bと、から形成されている。また、平面部61aの一部には、一対のヒートシンク側嵌合溝61cが形成されており、ヒートシンク側嵌合溝61cとカバー突起部23の器具側延出部23dが嵌合することによって、平面部61aがカバー内空間70に面するようにヒートシンク60がカバー20に保持されている。また、平面部61aのうち、ヒートシンク側嵌合溝61cよりも外周側の箇所は、カバー突起部23の垂直延出部23cと対向している。
実施の形態2の変形例において、嵌合面に相当する面は、ヒートシンク側嵌合溝60cと、平面部61aのうちヒートシンク側嵌合溝60cよりも外周側に位置し垂直延出部23cと対向する個所と、が該当する。実施の形態2と同じく、カバー内周面22とヒートシンク61の間には、所定の間隙が設けられるよう設計されている。これは、ヒートシンク59とカバー20とは、それぞれの製造時に寸法のばらつきが生じるため、異なる寸法のばらつきに充分対応できるように予め設定される。このため、ヒートシンク59の嵌合面と、カバー突起部23と、の間にはわずかな間隙が形成される箇所が存在し、この間隙にカバー20で反射された光が入射する。
ヒートシンク61は、実施の形態2のヒートシンク60と同じく、長手方向に対して並行な表面には、ヒートシンク61の素材に比べて反射率の高い高反射層54が形成されている。そのため、実施の形態2の照明ランプと同様の理由で、実施の形態2の変形例の照明ランプも、高反射層54を形成していない場合に比べて、カバー20とヒートシンク61の間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制することができ、間隙に入射した光をさらに有効に活用することができる。
また、間隙に入射した光は、主にカバー突起部23と、ヒートシンク61の嵌合面と、の間で反射が繰り返される。このため、少なくともヒートシンク61の嵌合面、つまりヒートシンク側嵌合溝60cと、平面部61aのうちヒートシンク側嵌合溝61cよりも外周側に位置しカバー突起部23の垂直延出部23cと対向している面に高反射層54を設ければ、間隙より出射側へ戻される光の光束の減少を抑制する効果を得ることができる。