本発明の粘着シートは、発泡体基材の片面または両面に、歪み量100%における強度−歪み曲線に基づく引張強さが6N/cm2以上である粘着剤層(A)を有する粘着シートであって、前記発泡体基材は、その流れ方向及び幅方向の平均気泡径が160μm以下であり、[流れ方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比、及び、[幅方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比が6以下であり、層間強度が10N/cm以上である発泡体基材であることを特徴とするものである。
本発明の粘着シートを構成する粘着剤層(A)としては、歪み量100%における応力−歪み曲線に基づく引張強さが6N/cm2以上であるものを使用する。
ここで、前記引張強さは、厚さ50μmの粘着剤層を積層することによって得た厚さ約400μm、標線間隔2cm及び幅1cmの粘着剤層からなる試験片を、温度23℃及び湿度50%の測定環境下で、引張試験機を用い、引張速度300mm/分で引張試験することによって測定される応力−歪み曲線(いわゆる、S−Sカーブ)において、歪み量が100%であるときの引張強さを指す。
ここで、前記引張強さが6N/cm2未満である粘着剤層を備えた粘着シートでは、優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立することができない場合がある。
前記引張強さの上限は、特に制限ないが、30N/cm2以下であることが好ましく、25N/cm2以下であることがより好ましく、20N/cm2以下であることがさらに好ましい。
前記粘着剤層(A)としては、1μm〜150μmの厚さを有するものを使用することが好ましく、5μm〜100μmの厚さを有するものを使用することが、ピール接着力及び耐衝撃性等をはじめとする粘着シートの性能をバランスよく発現させるうえでさらに好ましい。
より好ましい。
前記粘着剤層(A)は、各種粘着剤を用い形成することができる。なかでも、前記粘着剤層(A)としては、例えば、アクリル重合体(a1)、粘着付与樹脂(a2)及び架橋剤(a3)を含有する粘着剤を用いて形成される粘着剤層であることが、特定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで好ましい。
また、前記粘着剤層(A)としては、歪み量500%における応力−歪み曲線に基づく引張強さが12N/cm2以上のものを使用することが好ましく、13N/cm2以上のものを使用することがより好ましく、15N/cm2以上のものを使用することがさらに好ましく、17N/cm2以上のものを使用することがさらに好ましく、19N/cm2以上のものを使用することが特に好ましい。また、上記引張強さの上限は、70N/cm2以下であることが好ましく、65N/cm2以下のものを使用することがより好ましい。上記範囲の歪み量500%における応力−歪み曲線に基づく引張強さを有する粘着剤層を使用することによって、耐衝撃性やピール接着力をはじめ、プッシュ強度、静荷重保持力等の粘着性能の点でバランスのとれた粘着シートを得るうえで好ましい。
前記粘着剤に含まれていてもよい前記アクリル重合体(a1)としては、粘着剤層(A)の引張強さを特定範囲に設定し、その結果、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を備えた粘着剤層を形成するうえで、1〜50の範囲の酸価を有するものを使用することが好ましいく、10〜50の範囲の酸価を有するものを使用することがより好ましく、25〜40の範囲の酸価を有するものを使用することがさらに好ましい。また、前記酸価は、もっぱらカルボキシル基に由来した酸価であることが好ましい。なお、前記酸価は、前記アクリル重合体(a1)溶液中に存在する酸基を中和するのに要した水酸化カリウムのmgを指す。
また、前記アクリル重合体(a1)としては、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を備えた粘着剤層を形成するうえで、脂肪族環式構造を有するものを使用することが好ましい。
前記脂肪族環式構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、プロピルシクロヘキシル基、トリシクロ〔5,2,1,0,2,6〕デシル基、ビシクロ〔4,3,0〕−ノニル基、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデシル基、プロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデシル基、ノルボルネン基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基等が挙げられるが、なかでもシクロヘキシル基、ノルボルネン基、イソボルニル基、アダマンチル基であることが、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とを両立した粘着シートを得るうえで好ましい。
また、前記アクリル重合体(a1)としては、80万以上の重量平均分子量を有するものを使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえで好ましく、80万〜300万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、100万〜220万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが、粘着剤層(A)の引張強さを特定範囲に設定し、その結果、優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえでさらに好ましい。なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量である。
前記GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定し、ポリスチレン換算した値である。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
前記アクリル重合体(a1)としては、−15℃以下のガラス転移温度を有するものを使用することが好ましく、−45℃〜−20℃のガラス転移温度を有するものを使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえでより好ましい。なお、前記ガラス転移温度は、FOXの式によって算出される計算値を指す。
前記アクリル重合体(a1)は、前記粘着剤層(A)の形成に使用できる粘着剤の全量に対して、5質量%〜80質量%含まれることが好ましく、10質量%〜50質量%含まれることが、良好な塗工作業性を維持するうえでより好ましい。
前記アクリル重合体(a1)としては、(メタ)アクリル単量体を含むビニル単量体成分を重合することによって得られるものを使用することが好ましい。
前記ビニル単量体成分としては、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで、酢酸ビニルやスチレン等の(メタ)アクリル単量体以外のビニル単量体の含有量が5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下である、(メタ)アクリル単量体の混合物によって構成されるものであることが好ましい。
前記ビニル単量体成分としては、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで、N−ビニル−2−ピロリドン等の窒素原子を有するビニル単量体や酢酸ビニルやスチレン等の(メタ)アクリル単量体以外のビニル単量体の含有量が、前記ビニル単量体成分の全量に対して合計5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下であるものを使用することができる。
また、前記ビニル単量体成分としては、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで、前記ビニル単量体成分の全量に対する、ホモポリマーのガラス転移温度が100℃以上のアルキル(メタ)アクリレートの含有割合が合計1質量%以下であるものを使用することが好ましく、0.5質量%以下であるものを使用することがより好ましく、0.1質量%以下であるものを使用することが特に好ましい。前記ガラス転移温度が100℃以上のアルキル(メタ)アクリレートの具体例としてはメタクリル酸メチルが挙げられる。
前記ビニル単量体としては、例えば水酸基を有するビニル単量体、酸基を有するビニル単量体、アルキル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記アクリル重合体(a1)を製造する際に使用できる水酸基を有するビニル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリル、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
なかでも、前記水酸基を有するビニル単量体としては、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、4−ヒドロキシブチルアクリレートを使用することが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を使用した場合と比較して、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえより好ましい。
前記水酸基を有するビニル単量体は、前記ビニル単量体成分の全量に対して0.01質量%〜0.2質量%の範囲で使用することが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%未満の範囲で使用することがより好ましく、0.02質量%〜0.08質量%の範囲で使用することが、粘着剤層(A)の引張強さを特定範囲に設定し、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえでより好ましい。
前記アクリル重合体(a1)を製造する際に使用できる前記酸基を有するビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル単量体、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基を有する(メタ)アクリル単量体等を使用することができる。なかでも、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえより好ましい。
前記酸基を有するビニル単量体は、前記アクリル重合体(a1)の酸価が所定の好ましい範囲となる量であれば特に限定されないが、前記ビニル単量体成分の全量に対して1質量%〜30質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜15質量%の範囲で使用することより好ましく、1質量%〜7質量%の範囲で使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえでさらに好ましい。
また、前記アクリル重合体(a1)を製造する際には、脂肪族環式構造をアクリル重合体(a1)に導入するうえで、前記ビニル単量体成分として脂肪族環式構造を有するビニル単量体を使用することが好ましい。
前記脂肪族環式構造を有するビニル単量体としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を使用することが好ましく、シクロヘキシルアクリレートを使用することがより好ましい。
前記脂肪族環式構造を有するビニル単量体は、前記ビニル単量体成分の全量に対して、0.5質量%〜30質量%の範囲で使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえ好ましく、4質量%〜25質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル重合体(a1)の製造に使用可能なビニル単量体成分としては、前記したものの他に、必要に応じてその他のビニル単量体を使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、前記したなかでも、アルキル基の炭素原子数が4〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえで好ましい。
前記その他のビニル単量体として使用可能な前記アルキル(メタ)アクリレートのうち、アルキル基の炭素原子数が4〜12であるアルキル(メタ)アクリレートは、前記アクリル重合体(a1)の製造に使用するビニル単量体成分の全量に対して50質量%〜8質量%の範囲で使用することが好ましく、60質量%〜98質量%の範囲で使用することがより好ましく、70質量%〜96質量%の範囲で使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえで好ましい。
また、前記アクリル重合体(a1)の製造に使用可能なその他のビニル単量体としては、例えばアミド基を有するアクリル単量体、アミノ基を有する(メタ)アクリル単量体、イミド基を有する(メタ)アクリル単量体等の窒素原子を有する(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
前記アミド基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等を使用することができる。
前記アミノ基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記イミド基を有する(メタ)アクリル単量体としては、例えばシクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド等を使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、前記した以外に、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有ビニル単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどを効果を損なわない範囲で使用してもよい。
前記アクリル重合体(a1)は、例えば有機溶剤の存在下に、前記ビニル単量体成分を供給しそれらをラジカル重合させることによって製造することができる。具体的には、前記アクリル重合体(a1)は、前記ビニル単量体成分と重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40℃〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させることによって製造することができる。前記ビニル単量体成分は、一括して供給してもよく、分割して供給してもよい。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロキシパーオキサイド等の過酸化物や、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物等を使用することができる。前記重合開始剤の使用量は、前記ビニル単量体成分の全量に対して0.01質量%〜5質量%の範囲であることが好ましい。
本発明で使用することのできる粘着剤としては、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえで、粘着付与樹脂(a2)を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂(a2)としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系粘着付与樹脂等を使用することができる。
なかでも、前記粘着付与樹脂(a2)としては、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、石油系粘着付与樹脂及びテルペンフェノール系粘着付与樹脂からなる群より選ばれる2種以上を組み合わせ使用することが、前記アクリル重合体(a1)との相溶性に優れ、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえで好ましく、3種以上がより好ましい。
前記粘着付与樹脂(a2)の軟化点は100℃以上が好ましく、120℃〜170℃の範囲のものを使用することが、より一層優れたピール接着力とより一層優れたプッシュ強度とより一層優れた静荷重保持力を備えた粘着シートを得るうえでより好ましい。
前記粘着付与樹脂(a2)は、前記アクリル重合体(a1)100質量部に対して、5質量部〜60質量部使用することが好ましく、10質量部〜60質量部の範囲で使用することが好ましく、20質量部〜50質量部の範囲で使用することが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力を両立した粘着シートを得るうえでより好ましい。
また、前記粘着剤としては、より一層優れた凝集力を備えた粘着剤層を形成するうえで、架橋剤(a3)を含有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤(a3)としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、前記架橋剤としては、予め製造した前記アクリル重合体(a1)またはその溶液と、混合して使用しやすく、かつ、速やかに架橋反応を進行させることのできる架橋剤を使用することが好ましく、具体的には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等を使用することができる。なかでも、前記イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等を使用することが好ましい。
前記架橋剤(a3)を含有する粘着剤を用いて形成された粘着剤層(A)の架橋度合いの指標としては、粘着剤層(A)をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が挙げられる。前記ゲル分率としては、20質量%〜70質量%の範囲であることが好ましく、30質量%〜60質量%の範囲であることがより好ましく、35質量%〜55質量%の範囲であることが、より一層優れた耐衝撃性及びピール接着力等を付与するうえでより好ましい。
なお、前記ゲル分率は、下記に示す方法で測定することができる。
任意の剥離ライナーの片面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工し、100℃で3分間乾燥し、40℃で2日エージングすることによって粘着剤層を形成する。それを50mm角に切り取ったものを試料とする。
次に、上記試料の質量(G1)を測定した後、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬する。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率が求める。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
前記粘着剤としては、前記したものの他に、必要に応じてその他の成分を含有するものを使用することができる。
前記その他の成分としては、例えば可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維やバルーンやビーズ、金属、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料や染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の添加剤を使用することができる。
また、前記粘着剤としては、良好な塗工作業性を付与するうえで、前記アクリル系重合体(a1)の他に、必要に応じて溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記溶媒としては、例えば有機溶剤、水等の水性媒体等が挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えばトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等を使用することができる。
本発明の粘着シートは、例えば前記特定の発泡体基材の片面または両面に、ロールコーターやダイコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって製造することができる。また、前記粘着シートは、予め離型ライナーの表面にロールコーター等を用いて前記粘着剤を塗布し、乾燥することによって粘着剤層(A)を形成し、次いで、前記粘着剤層(A)を発泡体基材の片面または両面に貼り合せる転写法によって製造することができる。
前記発泡体基材としては、例えば携帯電子端末を構成する部品の固定に使用した場合等に優れた耐衝撃性等を発現するうえで、その流れ方向及び幅方向の平均気泡径が160μm以下であり、[流れ方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比、及び、[幅方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比が6以下であり、かつ、その層間強度が10N/cm以上である発泡体基材を使用する。また、前記特定の発泡体基材を使用することによって、優れた防水性能を付与することができる。
前記発泡体基材の流れ方向および幅方向の平均気泡径は、優れたピール接着力と非常に優れた耐衝撃性とを備えた粘着シートを得るうえで、その流れ方向および幅方向の平均気泡径が160μm以下のものを使用することが好ましく、10μm〜160μmのものを使用することがより好ましく、30μm〜150μmのものを使用することがさらに好ましく、50μm〜150μmの発泡体基材を使用することが特に好ましい。
前記発泡体基材の厚さ方向の平均気泡径は、発泡体基材の厚さによるが1μm〜150μmの範囲であることが好ましく、5μm〜100μmの範囲であることがより好ましく、10μm〜60μmの範囲であることがさらに好ましい。
また、前記発泡体基材としては、その[流れ方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比、及び、[幅方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比が、ともに6以下、より好ましくは1.2〜5.5、さらには1.2〜4である。前記範囲の比率を有する発泡体基材を使用することによって、厚さ方向の柔軟性を確保しやすいため、得られる粘着テープの追従性及びクッション性をより一層向上できることで優れた防水性を付与でき、かつ、優れた耐衝撃性及びピール接着力を付与することができる。
また、前記発泡体基材としては、発泡体基材の流れ方向の平均気泡径に対する幅方向の平均気泡径の比(幅方向の平均気泡径/流れ方向の平均気泡径)は0.25〜4の範囲であることが好ましく、0.33〜3の範囲であることがより好ましく、0.6〜1.5の範囲であることがさらに好ましく、0.7〜1.3の範囲であることが、発泡体基材の流れ方向及び幅方向の柔軟性や引張強度のばらつきを抑制できるため特に好ましい。
前記発泡体基材の幅方向、流れ方向、厚さ方向の平均気泡径は、下記の要領で測定した値を指す。
はじめに、発泡体基材を幅方向1cm及び流れ方向1cmの正方形に切断する。
次に、前記切断した発泡体基材の切断面をデジタルマイクロスコープ(商品名「KH−7700」、HiROX社製)を用いて200倍に拡大したのち、発泡体基材の幅方向及び流れ方向の切断面を撮影した。
次に、前記発泡体基材の幅方向の切断面のうち、任意の、厚さ×幅方向距離(2mm)の範囲に存在するすべての気泡の気泡径を測定し、その平均値を算出した。また、上記測定を前記切断面の任意の10か所に対して行うことによって算出された10個の平均値を、さらに平均化したものを、幅方向の平均気泡径とした。
また、前記発泡体基材の流れ方向の切断面のうち、任意の、厚さ×流れ方向距離(2mm)の範囲に存在するすべての気泡の気泡径を測定し、その平均値を算出した。また、上記測定を前記切断面の任意の10か所に対して行うことによって算出された10個の平均値を、さらに平均化したものを、流れ方向の平均気泡径とした。
前記発泡体基材としては、その層間強度が20N/cm以上、好ましくは20N/cm〜150N/cm、より好ましくは25N/cm〜100N/cm、より好ましくは25N/cm〜60N/cmの発泡体基材を使用する。前記範囲の層間強度を有する発泡体基材を使用することによって、優れた耐衝撃性と、被着体への良好な追従性とを備えた粘着シートを得ることができる。また、携帯電子機器を製造する際の歩留まりを向上させるために、仕掛かり品から粘着シートや部品等を剥がす(リワーク)場合や、完成品を修理または再生や再利用するため筐体や部品を分離、分解、解体する場合において基材の層間割れが発生した場合でも、粘着シートの剥がし易さを付与できる。
なお、上記層間強度は、以下の方法により測定することができる。層間強度を評価する発泡体基材の両面に、厚さ50μmの強粘着性(下記高速剥離試験時に被着体および発泡体基材から剥離しないもの)の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせたのち、40℃で48時間熟成し、層間強度測定用の両面粘着シートを作成する。次に、片側の粘着面を厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした幅1cm、長さ15cm(発泡体基材の流れ方向と幅方向)の両面粘着シートを、23℃及び50%RH下で厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムに2kgローラー1往復で加圧貼付し60℃で48時間静置する。23℃で24時間静置後、23℃50%RH下で厚さ50μmmのポリエステルフィルムと貼り合わせた側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張り発泡体を引き裂いた際の最大強度を測定する。
前記発泡体基材としては、例えばその25%圧縮強度が、80kPa以上のものを使用することが好ましく、80kPa〜1000kPaであるものを使用することがより好ましく、120〜700kPaのものを使用することがより好ましく、200〜600kPaのものを使用することが、凹凸形状や粗面を備えた被着体に対して好適な接着力を発現するうえでさらに好ましい。
なお、25%圧縮強度は、JISK6767に準じて測定した。25角に切断した試料を厚さ約10mmになるまで重ね合わせる。試料より大きな面積のステンレス板で試料をはさみ、23℃下で10mm/分の速度で試料を約2.5mm(もとの厚さの25%分)圧縮した時の強度を測定する。
前記発泡体基材の、流れ方向と幅方向の引張弾性率は特に限定されないが、それぞれ500N/cm2以上であることが好ましく、より好ましくは600〜1800N/cm2である。また流れ方向及び幅方向のうち引張弾性率が低い方向の引張弾性率が500〜1400N/cm2であることが好ましく、600〜1200N/cm2であることがより好ましい。この際の高い方向の引張弾性率が700〜1800N/cm2であることが好ましく、800〜1600N/cm2であることがより好ましい。また、引張試験における切断時の引張伸度は特に限定されないが、流れ方向の引張伸度が200〜1500%であることが好ましく、より好ましくは400〜1000%、さらに好ましくは620〜950%、特に好ましくは、450〜800%である。引張弾性率や引張伸度が当該範囲の発泡体基材により、発泡した柔軟な基材であっても粘着シートの加工性の悪化や貼付作業性の低下を抑制できる。また、粘着シートを剥がす際に発泡体基材の層間破壊やチギレが発生にくく、層間割れが発生した場合でも粘着シートの剥がし易さを付与できる。
なお、前述の発泡体基材の流れ方向と幅方向の引張弾性率は、JISK6767に準じて測定した。標線長さ2cm、幅1cmのサンプルを、テンシロン引張試験機を用い、23℃及び50%RHの環境下において、引張速度300mm/minの測定条件で測定した最大強度である。
前記発泡体基材の気泡構造は、独立気泡構造とすることにより、発泡体基材の切断面からの浸水を効果的に防ぐことができるため好ましい。独立気泡構造を形成する気泡の形状は、発泡体基材の厚さ方向の平均気泡径より、流れ方向や幅方向、もしくはその両方の平均気泡径が長い形状の独立気泡とすることにより、適度な追従性とクッション性を有するので好ましい。
発泡体基材の見かけ密度は特に限定されないが、層間強度や圧縮強度、平均気泡径などを上記範囲に調整し、耐衝撃性や被着体との優れた密着性の両立を実現しやすいことから、0.08〜0.7g/cm3、好ましくは0.1〜0.65g/cm3、より好ましくは0.2〜0.65g/cm3、特に好ましくは0.3〜0.6である。なお、見かけ密度は、JISK6767に準じて測定した。4cm×5cmの長方形に切断した発泡体基材を約15cm3分用意し、その質量を測定して見かけ密度を求める。
発泡体基材の層間強度や圧縮強度、および引張弾性率などは、使用する素材や発泡構造により適宜調整することができる。本発明に使用する発泡体基材の種類は、上記層間強度や25%圧縮強度、引張弾性率などを有するものであれば特に制限されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマー等からなるポリオレフィン系発泡体やポリウレタン系発泡体、アクリル系ゴムやその他のエラストマー等からなるゴム系発泡体等を使用でき、なかでも被着体表面の凹凸への追従性や緩衝吸収性等に優れた薄い独立気泡構造の発泡体基材を作製しやすいため、ポリオレフィン系発泡体を好ましく使用できる。
前記ポリオレフィン系発泡体のなかでも、ポリエチレン系樹脂を使用することで、均一な厚みで製造しやすく、また好適な柔軟性を付与しやすいため好ましい。特にポリオレフィン系樹中におけるポリエチレン系樹脂の含有量が40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂としては、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂が、分子量分布が狭く、共重合体の場合、どの分子量成分にも共重合体成分がほぼ等しい割合で導入されることから、ポリオレフィン系発泡体を均一に架橋させることができる。このため、発泡シートを均一に架橋させていることから発泡シートを必要に応じて均一に延伸させやすく、得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の厚みを全体的に均一なものとしやすいため好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂には、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂が含有されていてもよい。このようなポリオレフィン系樹脂としては、上記以外のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
このようなポリエチレン系樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを50重量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンを50重量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
また、上記ポリプロピレン系樹脂としては、特には限定されず、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを50重量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
前記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させる工程は、例えば発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを熱分解型発泡剤で発泡させる場合は、架橋されていることが好ましい。
次に、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を40重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤と発泡助剤、発泡体を黒色や白色などに着色するための着色剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを製造する工程と、この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させる工程と、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる工程と、得られた発泡シートを溶融又は軟化させ、流れ方向或いは幅方向の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートを延伸する工程を含有する方法が挙げられる。なお、発泡シートを延伸する工程は必要に応じて行われればよく、複数回行われてもよい。
そして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を架橋させる方法としては、例えば、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに電離性放射線を照射する方法、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱して有機過酸化物を分解させる方法などが挙げられ、これらの方法は併用されてもよい。
電離性放射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられる。電離性放射線の線量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体のゲル分率が前記の好ましい範囲になるように適宜調整されるが、5〜200kGyの範囲が好ましい。また、電離性放射線の照射は、均一な架橋構造を形成し、その結果、比較的均一な発泡構造を形成するうえで、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面から照射することが好ましく、その照射量を同じにすることが好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
有機過酸化物の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.01質量部〜5質量部が好ましく、0.1質量部〜3質量部がより好ましい。
発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物中における熱分解型発泡剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率に応じて適宜決定してよいが、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部〜40質量部が好ましく、1質量部〜30質量部がより好ましい。
また、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる方法としては、特には限定されず、例えば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などが挙げられ、これらは併用してもよい。なかでも熱風により加熱する方法や赤外線により加熱する方法が、ポリオレフィン系樹脂発泡体表面の外観に、表裏での差異が少ないので好ましい。
前記発泡体の延伸は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後に行ってもよいし、または、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後、発泡体基材を延伸する場合には、発泡体基材を冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて発泡体基材を延伸しても、または、発泡体基材を冷却した後、再度、発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で発泡体基材を延伸してもよい。
ここで、発泡体基材の溶融状態とは、発泡体基材を、発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の融点以上に加熱した状態をいう。また、発泡体基材の軟化とは、発泡体基材を発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の軟化点以上融点未満までの温度に加熱した状態をいう。上記発泡体基材を延伸することによって、発泡体基材の気泡を所定方向に延伸し変形させて、気泡のアスペクト比が所定範囲内となったポリオレフィン系発泡体を製造することができる。
更に、発泡体基材の延伸方向にあたっては、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの流れ方向若しくは幅方向に向かって、又は、流れ方向および幅方向に向かって延伸させる。なお、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって延伸させる場合、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって同時に延伸してもよいし、一方向ずつ別々に延伸してもよい。
上記発泡体基材を流れ方向に延伸する方法としては、例えば、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡後に長尺状の発泡シートを冷却しながら巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法、得られた発泡体基材を延伸工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡体基材を巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法などが挙げられる。
なお、前者の方法において、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって流れ方向に膨張するので、発泡体基材を流れ方向に延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による流れ方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡体基材が流れ方向に延伸されるように、発泡体基材の供給速度と巻取り速度とを調整する必要がある。
また、上記発泡体基材を幅方向に延伸する方法としては、発泡体基材の幅方向の両端部を一対の把持部材によって把持し、この一対の把持部材を互いに離間する方向に徐々に移動させることによって発泡体基材を幅方向に延伸する方法が好ましい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって幅方向に膨張するので、発泡体基材を幅方向に延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による幅方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡体基材が幅方向に延伸されるように調整する必要がある。
ここで、ポリオレフィン系発泡体の流れ方向における延伸倍率は、1.1倍〜2.0倍が好ましく、1.2倍〜1.5倍がより好ましい。
また、ポリオレフィン系発泡体基材の幅方向における延伸倍率は、1.2倍〜4.5倍が好ましく、1.5倍〜3.5倍がより好ましい。
発泡体基材は、粘着シートにおいて意匠性、遮光性や隠蔽性、光反射性、耐光性を発現させるために着色されていてもよい。着色剤は、単独、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
粘着シートに遮光性や隠蔽性、耐光性を付与する場合、発泡体基材は黒色に着色される。黒色着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、絶縁性、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、カーボンブラックが好ましい。
粘着シートに意匠性や光反射性などを付与する場合、発泡体基材は白色に着色される。白色着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、色調、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、酸化アルミニウムや酸化亜鉛が好ましい。
また、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物には、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の物性を損なわない範囲で必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、酸化亜鉛などの発泡助剤、気泡核調整材、熱安定剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の中空バルーン・ビーズ、金属粉末、金属化合物等の充填材、導電性フィラー、熱伝導性フィラーなどの公知のものを樹脂に任意に含有されていてもよい。本発明の粘着シートに使用するポリオレフィン系樹脂発泡体基材としては、適度な追従性とクッション性を維持するため、ポリオレフィン系樹脂に対して0.1質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜7質量%が好ましい。
なお、前記着色剤や熱分解性発泡剤や発泡助剤などを発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に配合する場合、色ムラや部分的な過剰発泡や発泡不足防止の観点から、押し出し機に供給する前にあらかじめ発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物や発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物と相溶性が高い熱可塑性樹脂でマスターバッチ化することが好ましい。
発泡体基材は、粘着剤層や他の層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理、易接着処理剤の塗布等の表面処理がなされていてもよい。表面処理は、ぬれ試薬によるぬれ指数が36mN/m以上、好ましくは40mN/m、さらに好ましくは48mN/mとすることで、粘着剤との良好な密着性が得られる。密着性を向上させた発泡体基材は、連続工程で粘着剤層と貼り合わせてもよい。また、密着性を向上させた発泡体基材は、一旦巻き取り加工をして保管したのち、後日、別工程で粘着剤層と貼り合わされてもよい。発泡体基材を一旦巻き取る場合は、密着性が上がった発泡体基材同士のブロッキング現象を防止するため、発泡体基材を紙やポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステルなどのフィルムなどの合い紙とともに巻き取るのが好ましく、厚さ25μm以下のポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムが好ましい。
前記発泡体基材としては1500μm以下の厚さのものを使用することが好ましく、1200μm以下の厚さのものを使用することがより好ましく、500μm以下の厚さのものを使用することが、優れたテープの加工性と被着体への優れた追従性を付与するうえでより好ましい。前記厚さの下限は、50μmであることが好ましい。
また、前記粘着シートは、前記発泡体基材及び粘着剤層の他に、必要に応じて他の層を有するものであってもよい。
前記他の層としては、例えば粘着シートの寸法安定性や良好な引張強さやリワーク適性等を付与するうえでポリエステルフィルム等のラミネート層、遮光層、光反射層、金属層等の熱伝導層が挙げられる。
本発明の粘着シートは、より一層優れた耐衝撃性とピール接着力を備えたものである。また、本発明の粘着シートは、優れた耐衝撃性とピール接着力とを備えたものである。したがって、本発明の粘着シートは、例えば貼付部位や形状等の制約によって、粘着シートの最狭部分の幅が5mm以下、好ましくは0.1mm〜3mm、より好ましくは0.5mm〜2.5mmに制限される部材の固定等に使用することができる。
前記狭幅の部材は、例えば携帯電話機等の携帯電子機器、自動車、建材、OA、家電業界などの工業用途における部材として使用されることが多い。
前記部材としては、具体的には電子端末を構成する2以上のきょう体、レンズ部材等が挙げられる。
本発明の粘着シートを用いて2以上のきょう体やレンズ部材が固定された電子機器等の物品は、落下等の衝撃によって容易に脱落等することなく、また、優れた防水性を備える。
以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明する。
[調製例1]アクリル重合体(A−1)の製造方法
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート80.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、シクロヘキシルアクリレート10質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。
次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量160万のアクリル重合体(A−1)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量であり、以下の方法で測定した。
GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値である。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
[調製例2]アクリル重合体(A−2)の製造方法
前記4−ヒドロキシブチルアクリレートの使用量を0.06質量部から0.02質量部に変更し、かつ、n−ブチルアクリレートの使用量を80.94質量部から80.98質量部に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量164万のアクリル重合体(A−2)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例3]アクリル重合体(A−3)の製造方法
前記4−ヒドロキシブチルアクリレートの使用量を0.06質量部から0.1質量部に変更し、かつ、n−ブチルアクリレートの使用量を80.94質量部から80.9質量部に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量162万のアクリル重合体(A−3)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例4]アクリル重合体(A−4)の製造方法
前記シクロヘキシルアクリレートを使用しないこと、及び、2−エチルヘキシルアクリレートの使用量を5質量部から15質量部に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量132万のアクリル重合体(A−4)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例5]アクリル重合体(A−5)の製造方法
前記アクリル酸の使用量を4質量部から2質量部に変更し、かつ、n−ブチルアクリレートの使用量を80.94質量部から97.94質量部に変更し、かつ、2−エチルヘキシルアクリレートを使用しないこと以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量164万のアクリル重合体(A−5)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例6]アクリル重合体(A−6)の製造方法
前記アクリル酸の使用量を4質量部から6質量部に変更し、かつ、n−ブチルアクリレートの使用量を80.94質量部から93.94質量部に変更し、かつ、2−エチルヘキシルアクリレートを使用しないこと以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量164万のアクリル重合体(A−6)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例7]アクリル重合体(A−7)の製造方法
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液の使用量を2質量部(固形分0.1質量%)から1質量部(固形分0.05質量%)に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量178万のアクリル重合体(A−7)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[調製例8]アクリル重合体(A−8)の製造方法
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液の使用量を2質量部(固形分0.1質量%)から10質量部(固形分0.5質量%)に変更すること以外は、調製例1と同様の方法で重量平均分子量81万のアクリル重合体(A−8)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[比較調製例1]アクリル重合体(B−1)の製造方法
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート95.9質量部、アクリル酸4質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。
次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量186万のアクリル重合体(B−1)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[比較調製例2]アクリル重合体(B−2)の製造方法
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート63.9質量部、2−エチルヘキシルアクリレート32質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温させた。
次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液2質量部(固形分0.1質量%)を添加し、攪拌下、72℃で4時間ホールドした後、75℃で5時間ホールドした。
次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量75万のアクリル重合体(B−2)溶液(不揮発分40質量%)を得た。
[実施例1]
容器に、前記アクリル重合体(A−1)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D−125(荒川化学工業株式会社製)15質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A−125(荒川化学工業株式会社製)10質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分31質量%粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)1.4質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤(p−1)を得た。
次に、離型ライナーの表面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが65μmとなるように、バーコーターを用いて前記粘着剤を塗工し、80℃で3分間乾燥させることによって粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、厚さ170μmのポリオレフィン系発泡体基材(流れ方向の平均気泡径97μm、幅方向の平均気泡径130μm、厚さ方向の平均気泡径39μm、[流れ方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]=2.5、[幅方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比=3.3、層間強度29.4N/cm、見かけ密度0.42g/cm3、25%圧縮強度391kPa、表面をコロナ処理でぬれ指数54mN/mに調整したもの)の両面に貼付し、40℃の環境下で48時間養生することによって粘着シート(P−1)を作製した。なお、前記粘着シート(P−1)が有する粘着剤層の、後述する方法で測定された引張強さは11.3N/cm2であった。
[実施例2]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−2)溶液を使用し、バーノックD−40の配合量を1.4質量部から1.6質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−2)及び粘着シート(P−2)を得た。
[実施例3]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−3)溶液を使用し、バーノックD−40の配合量を1.4質量部から1.2質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−3)及び粘着シート(P−3)を得た。
[実施例4]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−4)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−4)及び粘着シート(P−4)を得た。
[実施例5]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−5)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−5)及び粘着シート(P−5)を得た。
[実施例6]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−6)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−6)及び粘着シート(P−6)を得た。
[実施例7]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−7)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−7)及び粘着シート(P−7)を得た。
[実施例8]
前記アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、前記アクリル重合体(A−8)溶液を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−8)及び粘着シート(P−8)を得た。
[実施例9]
前記粘着付与樹脂として、前記重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D−125(荒川化学工業株式会社製)10質量部と不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂A−125(荒川化学工業株式会社製)5質量部と石油系粘着付与樹脂FTR6125(三井化学株式会社製)15質量部とを使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(p−9)及び粘着シート(P−9)を得た。
[実施例10]
前記厚さ170μmのポリオレフィン系発泡体基材の代わりに、厚さ200μmのポリオレフィン系発泡体基材(流れ方向の平均気泡径117μm、幅方向の平均気泡径159μm、厚さ方向の平均気泡径43μm[流れ方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]=2.7、[幅方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比=3.7、層間強度24.5N/cm、見かけ密度0.40g/cm3、25%圧縮強度360kPa、表面をコロナ処理でぬれ指数54mN/mに調整したもの)を使用し、かつ、乾燥後の粘着剤層の厚さを65μmから50μmに変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート(P−10)を得た。
[実施例11]
前記厚さ170μmのポリオレフィン系発泡体基材の代わりに、厚さ150μmのポリオレフィン系発泡体基材(流れ方向の平均気泡径150μm、幅方向の平均気泡径121μm、厚さ方向の平均気泡径32μm[流れ方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]=4.7、[幅方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比=3.8、層間強度26.9N/cm、見かけ密度0.51g/cm3、25%圧縮強度521kPa、表面をコロナ処理でぬれ指数54mN/mに調整したもの)を使用し、かつ、乾燥後の粘着剤層の厚さを65μmから75μmに変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート(P−11)を得た。
[比較例1]
アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、アクリル重合体(B−1)溶液を使用し、バーノックD−40の使用量を1.4質量部から1.2質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(q−1)及び粘着シート(Q−1)を得た。
[比較例2]
アクリル重合体(A−1)溶液の代わりに、アクリル重合体(B−2)溶液を使用し、バーノックD−40の使用量を1.4質量部から1.6質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着剤(q−2)及び粘着シート(Q−2)を得た。
[比較例3]
前記厚さ170μmのポリオレフィン系発泡体基材の代わりに、厚さ200μmのポリオレフィン系発泡体基材(流れ方向の平均気泡径173μm、幅方向の平均気泡径210μm、厚さ方向の平均気泡径42μm[流れ方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]=4.1、[幅方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径]の比=5.0、層間強度12.9N/cm、見かけ密度0.20g/cm3、25%圧縮強度52kPa、表面をコロナ処理でぬれ指数54mN/mに調整したもの)を使用し、かつ、乾燥後の粘着剤層の厚さを65μmから50μmに変更すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート(Q−3)を得た。
[歪み量100%及び500%における応力−歪み曲線に基づく引張強さの測定方法]
任意の剥離ライナーの片面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工し、80℃で3分間乾燥し、40℃で48時間エージングすることによって粘着剤層を形成した。次に、この粘着剤層を厚さ約400μmになるまで積層することによって、標線間隔2cm、幅1cmの試験片を作成した。
前記試験片を、温度23℃、湿度50%の測定環境下で、引張試験機を用い、引張速度300mm/分で測定される応力−ひずみ曲線(いわゆる、S−Sカーブ)から、ひずみ量が100%及び500%での引張強さを求めた。
[ゲル分率の測定方法]
表中に記載のゲル分率は、下記に示す方法で測定した。
任意の剥離ライナーの片面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤組成物を塗工し、80℃で3分間乾燥し、40℃で2日エージングすることによって粘着剤層を形成する。それを50mm角に切り取ったものを試料とした。
次に、上記試料の質量(G1)を測定した後、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬する。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率が求めた。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
[180°ピール接着力の測定方法]
温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下、実施例及び比較例で作製した粘着シートの片面に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちをした後、長さ120mm、幅20mmに裁断した。次に、もう一方の粘着剤面をステンレス板に貼付し、2kgのローラーを用い前記粘着シートの上面を1往復させ、さらに、それらを温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下に1時間静置させることによって、前記粘着シートとステンレス板とが圧着した試験片1を作製した。
次に、テンシロン剥離試験機を用い、前記試験片を構成するステンレス板を固定した状態で、前記粘着シートを引張速度300mm/minの条件で180°方向に引き剥がした際の強度を測定した。
[耐衝撃性の評価方法]
温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下、前記粘着シートを裁断して、外形2mm×20mmの粘着シート2枚を作成した。次に、厚さ2mm、幅25mm、長さ50mmの長方形のアクリル板(三菱レイヨン(株)アクリライトMR200「商標」、色相:透明)の片面の短辺側端部付近に、前記長方形の粘着シート2枚を、その幅方向の間隔が45mmとなる位置に、平行に貼付した。に貼付した。
次に、前記粘着シートの貼付面に、上記とは別の厚さ2mm、幅25mm、長さ50mmのアクリル板を貼付し、2kgのローラーを用い前記粘着シートの上面を1往復させ、さらに、それらを温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下に24時間静置させることによって試験片2を作製した。
前記試験片2を、金属製の重りをつけたステンレス製落下測定治具(合計の質量300g)に、幅25mm及び長さ50mmの両面粘着シートを用いて貼付した。前記で得た貼付物を、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下、試験片2を下向きにした状態で高さ10cmからコンクリート面に5回落下させた後に、試験片の粘着シートの剥がれや基材破壊の有無を評価した。剥がれなどが無い場合は、落下高さを前回より10cm高くして、5回落下した後の試験片の粘着シートの剥がれや基材破壊の有無を確認する。以降、剥がれや基材破壊がない場合は、落下高さを10cmずつ高くして同様に試験を繰り返し行い、最終的に試験片の粘着シートの剥がれや基材破壊が認められたときの落下高さ(cm)を測定した。
[静荷重保持力の評価方法]
温度23℃及び相対湿度50%RHの雰囲気下、外形14mm×14mmで粘着シート幅が2mmの額縁状の粘着シートの一方の粘着剤層を、厚さ2mm、外形15mm×15mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)アクリライトMR200「商標」、色相:透明)に貼付した。
次に、中心部に直径8mmの穴がある、厚さ2mm、外形65mm×30mmの長方形のステンレス板に、前記粘着シートつきアクリル板を、前記穴を塞ぐ様に貼付したのち、50N/cm2で10秒圧着して試験片とした。
温度40℃及び相対湿度50%RHの雰囲気下、前記試験片を前記アクリル板側が下になるように水平にしたのち、前記ステンレス板の短辺側の両端部を固定した。次に、前記アクリル板の中央部に400gの重りを取り付けることで、下方向に荷重した状態で放置した。
前記重りを取り付けた前記アクリル板とステンレス板との距離が、試験開始前と比較して0.2mm離れるまでの時間(分)を測定した。なお、試験開始から24時間経過しても、前記アクリル板とステンレス板との距離の増加が0.2mm未満のものは、後述する表に「1440分以上」と記載した。
[プッシュ強度]
温度23℃及び相対湿度50%RHの雰囲気下、厚さ2mmで、外形65mm×45mmの長方形のアクリル板(三菱レイヨン(株)アクリライトMR200「商標」、色相:透明)に、外形64mm×43mmの長方形で粘着シート幅が2mmの細幅からなる額縁状の粘着シートを貼付した。
次に、中心部に直径10mmの穴がある、厚さ2mm、100×150mmの長方形のABS板(住友ベークライト(株)製タフエースR EAR003、色相:ナチュラル、シボなし)に、前記粘着シートの貼付されたアクリル板を、前記アクリル板の中心と前記ABS板の中心が一致する様に貼付して、2kgローラーで1往復加圧したのち、23℃で1時間静置したものを試験片とした。
前記試験片のABS側から、ABS板の穴を通して、直径8mmのステンレス製プローブを取り付けた引張試験機でアクリル板を10mm/分で押し、アクリル板が剥がれる強度を測定した。