JP6512917B2 - 追尾式レーザ干渉計および追尾式レーザ干渉計の復帰方法 - Google Patents

追尾式レーザ干渉計および追尾式レーザ干渉計の復帰方法 Download PDF

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Description

本発明は、追尾式レーザ干渉計および追尾式レーザ干渉計の復帰方法に関する。
移動体を追尾しながらその移動体の変位や位置を高精度に測定するための追尾式レーザ干渉計として、特許文献1〜3に記載のものがある。以下、特許文献1に記載されているホモダイン式のマイケルソン型のレーザ干渉計を使用した場合について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、従来の追尾式レーザ干渉計の全体構成斜視図、図2は従来の追尾式レーザ干渉計の上面視図、図3は従来の干渉計部分の概略構成図をそれぞれ示す。
図1に示すように、特許文献1の追尾式レーザ干渉計は、光源部100と、本体部200と、レトロリフレクタ300と、回路部400と、PC500とを備える。
光源部100は、周波数安定化He−Neレーザ光源101と、レンズ102と、光ファイバ103とを有する。
本体部200は、キャリッジ201と、基準球202と、変位計203と、干渉計204と、仰角用モータ205と、方位角用モータ206と、方位角回転部207と、を備える。2軸回転機構は、基準球202を中心に、方位角方向に回転する方位角回転機構および仰俯角方向に回転する仰俯角回転機構を備えている。仰俯角回転機構は、キャリッジ201と、仰俯角用モータ205と、を含んで構成される。方位角回転機構は、方位角用モータ206と、方位角回転部207と、を含んで構成される。干渉計204は、仰俯角回転機構に配置される。また、測定部が、変位計203と、干渉計204と、を含んで構成される。ベース上に2軸回転機構の各構成要素が固定され、2軸回転機構上には測定部の各構成要素が固定されている。そして基準球202はベースに固定されて、基準球202の中心が2軸回転機構の回転中心と同一となっている。
回路部400は、信号処理回路401〜403と、モータ駆動回路404、405とを備えている。
図2に示すように、特許文献1の追尾式レーザ干渉計は、基準球202とレトロリフレクタ300の間の距離の変化量ΔL(ΔL1+ΔL2)を、干渉計204および変位計203を用いて測定する。
図3に示すように、干渉計204は、コリメータレンズ222と、偏光ビームスプリッタ(PBS)230と、無偏向ビームスプリッタ(NPBS)236と、光位置検出器238と、平面鏡270と、光検出器272と、を備えている。光位置検出器238は、例えば、2次元PSD(Position Sensing Detector)もしくは4分割PD(QPD:Quadrant Photo diode)である。
以下、動作について図1から図3を用いて説明する。
干渉計204に入射するレーザビームは、周波数安定化He−Neレーザ光源101から出射され、レンズ102と光ファイバ103を介して干渉計204に入射する。干渉計204に入射したレーザビームはPBS230によって2つに分割され、一方が測長のための参照光として使用され、他方はレトロリフレクタ300に向けて出射される。レトロリフレクタ300に向けて出射されたレーザビーム104はレトロリフレクタ300で反射した後、再び干渉計204に入射する。干渉計204に再入射したレーザビーム104は、NPBS236によって2つに分割され、一方は測定光として前記参照光と干渉する。この干渉光の強度変化を光検出器272で検出し、信号処理回路401で処理して、PC500を用いてレトロリフレクタ300と干渉計204との間の変位ΔL1を計測する(図2を参照。)。
変位計203は静電容量式変位計若しくは渦電量式変位計であり、基準球202との変位を検出し、信号処理回路402で処理して、PC500を用いて基準球202と変位計203との間の変位ΔL2を計測する(図2を参照。)。PC500上でΔL1とΔL2とを加算することで、レトロリフレクタ300と基準球202との間の変位ΔLを求めることができる(図2を参照。)。
一方、NPBS236によって2つに分割されたもう一方のレーザビーム104は、レトロリフレクタ300に入射するレーザビーム104の光軸とレトロリフレクタ300の中心位置との間の距離(以下、トラッキングエラー量ΔTrと呼ぶ)を検出することができる光位置検出器238に入射する。ここで、光位置検出器238は、ΔTrを直交する2方向の成分に分けて測定することができる。例えば、図1に示すように、干渉計204から出射するレーザビーム104の光軸をZ軸として、Z軸に垂直で水平方向の軸をX軸、Z軸およびX軸と直交する軸をY軸としたときに、光位置検出器238はΔTrのX方向成分ΔTrXと、Y軸方向成分ΔTrYとを検出することができる。そのため、ΔTrXおよびΔTrYに応じた信号を、信号処理回路403を介してPC500に取り込み、ΔTrXおよびΔTrYの値に応じた制御信号をモータ駆動回路404、405に与える。与えられた制御信号に従い、モータ駆動回路404、405は仰俯角用モータ205と、方位角用モータ206とを駆動し、キャリッジ201を仰俯角方向と方位角方向に回転させて、レトロリフレクタ300の中心位置と干渉計204から出射するレーザの光軸とが一致するように制御をしてトラッキングを行う。
特開2007−057522号公報 特許第2603429号公報 米国特許第6147748号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明に代表される従来のホモダイン式の追尾式レーザ干渉計は、干渉計204とレトロリフレクタ300との間の障害物の存在などによりレーザ光が遮断されたときや、その他の理由によりレーザ光が遮断されたときには、レトロリフレクタ300の位置を追尾できなくなることがある。この場合、干渉計204を有する本体部200の位置からレーザビーム104をレトロリフレクタ300に照射でき、且つ、干渉計204内にある光位置検出器238がレトロリフレクタ300からの反射光を検出可能となるように、作業者が追尾式レーザ干渉計のところまで行き、レトロリフレクタ300の位置、あるいはレーザ干渉計204から出射されるレーザの出射方向のどちらかを調整する必要がある。また、この作業は、手動で行うために、その際の人体の移動による温度変化や振動とごみの発生などが測定環境を変化させる要因となり、高精度な測定には都合の悪いものとなる。そして、追尾式レーザ干渉計を設置後、初期調整作業をして測定を開始する際にも手動で行うために、同様の課題を有している。
そして、このような状況は特許文献1に特有なものではなく、特許文献2および3にも共通するという問題点を有していた。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、追尾式レーザ干渉計において、レーザ光が遮断される等の理由により追尾できなくなったときに追尾を自動的に復帰可能とする、あるいは、測定開始時に初期調整作業の自動化を可能とする追尾式レーザ干渉計およびその復帰方法を提供することを課題とする。
本発明の一形態に係る追尾式レーザ干渉計は、被測定体であるレトロリフレクタに向けてレーザ光を照射し、前記レーザ光と該レトロリフレクタによって戻り方向に反射されたレーザ光との干渉を利用してレトロリフレクタの変位を検出すると共に、前記反射されたレーザ光の光軸の位置の変化を用いて2軸回転機構によりトラッキングを行うようにした追尾式レーザ干渉計において、入射されるレーザビームを所定の面に沿って拡散させた拡散レーザ光を出射し、かつ、前記2軸回転機構のうち1軸の回転動作が可能な光学ユニット、を備えるものである。
また、前記光学ユニットは、前記2軸回転機構のうち前記所定の面に垂直な軸と直交する軸の回転動作に連動可能である、ようにしてもよい。
さらにまた、前記レーザビームの光軸は、前記所定の面と平行である、ようにしてもよい。
また、前記2軸回転機構は、方位角方向に回転可能な方位角回転機構および仰俯角方向に回転可能な仰俯角回転機構を備え、前記方位角回転機構は、方位角用モータと、当該方位角用モータにより回転される方位角回転部と、を備え、前記光学ユニットは、前記方位角回転部の、前記仰俯角回転機構により俯角方向に回転させた場合に前記レーザビームが入射される位置に取付けられる、ようにしてもよい。
さらにまた、前記光学ユニットは、前記レーザビームを反射させる反射ミラーと、当該反射ミラーにより反射されたレーザビームを拡散して前記拡散レーザ光として照射するシリンドリカルレンズと、を備えるようにしてもよい。
本発明の他の一形態に係る追尾式レーザ干渉計の復帰方法は、被測定体であるレトロリフレクタに向けてレーザ光を照射し、前記レーザ光と該レトロリフレクタによって戻り方向に反射されたレーザ光との干渉を利用してレトロリフレクタの変位を検出すると共に、前記反射されたレーザ光の光軸の位置の変化を用いて2軸回転機構によりトラッキングを行うようにした追尾式レーザ干渉計において、前記トラッキングの制御がされていない場合に、前記2軸回転機構上に設けられた光照射体から、前記反射されたレーザ光の光軸を含む面に沿って拡散する拡散レーザ光を出射して、該2軸回転機構のうちの所定の面に垂直な軸と直交する軸を中心として回転運動を行い、光学ユニットから、入射されるレーザビームを拡散させた前記拡散レーザ光を照射して、前記2軸回転機構のうち1軸を中心として回転運動を行い、前記レーザビームと前記反射されたレーザ光との干渉を検出する干渉計において前記拡散レーザ光を検出することにより、トラッキングの制御可能となる第1の回転角度を求めて、前記所定の面に垂直な軸と直交する軸を中心とする回転で第1の回転角度に移動し、前記第1の回転角度を維持したまま、残りの軸について回転運動を行い、前記反射されたレーザ光を検出することにより、トラッキングの制御可能となる第2の回転角度を求めて、前記残りの軸を中心とする回転で第2の回転角度に移動することで、前記トラッキングの制御を可能とするものである。
また、前記光学ユニットは、前記2軸回転機構のうち前記所定の面に垂直な軸と直交する軸を中心として回転運動を行う、ようにしてもよい。
さらにまた、前記レーザビームの光軸は、前記所定の面と平行である、ようにしてもよい。
また、前記2軸回転機構は、方位角方向に回転可能な方位角回転機構および仰俯角方向に回転可能な仰俯角回転機構を備え、前記方位角回転機構は、方位角用モータと、当該方位角用モータにより回転される方位角回転部と、を備え、前記光学ユニットは、前記方位角回転部に取付けられ、前記トラッキングの制御がされていない場合に、前記仰俯角回転機構により俯角方向に回転させて、前記レーザビームを前記光学ユニットに入射させる、ようにしてもよい。
さらにまた、前記光学ユニットは、前記レーザビームを反射させる反射ミラーと、当該反射ミラーにより反射されたレーザビームを拡散して前記拡散レーザ光として照射するシリンドリカルレンズと、を備えるようにしてもよい。
本発明によれば、レーザ光が遮断される等の理由により追尾できなくなったときに、手作業によることなく、追尾を自動的に復帰させることが可能である。また、測定開始時に初期調整作業を自動的に行うことが可能である。
従って、人の介在による環境変動を避けることができるため、より高精度で、安定な測定が可能となる。
従来の追尾式レーザ干渉計の全体構成斜視図である。 従来の追尾式レーザ干渉計の上面視図である。 従来の干渉計部分の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る追尾式レーザ干渉計の全体構成斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る光学ユニットの概略構成図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
<実施の形態1>
図4および図5を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図4は本実施形態に係る追尾式レーザ干渉計の全体構成斜視図、図5は本実施形態における光学ユニットの概略構成図をそれぞれ示している。
図4に示すように、本実施形態は、従来のホモダイン式の追尾式レーザ干渉計の主要構成要素である、光源部100と、本体部200と、レトロリフレクタ300と、回路部400と、PC500において、本実施形態の特徴的な要素である光学ユニット600が本体部200に加わる。以下、従来の構成要素については説明を省略するが、上記要素の機能と従来の構成要素の変更について説明する。
光学ユニット600は、図4に示すように、2軸回転機構の構成要素である方位角回転部207に取付けられている。光学ユニット600は、キャリッジ201を俯角方向に回転させた場合に干渉計204からのレーザビーム104が入射されるように、干渉計204の前方側の位置に配置されている。光学ユニット600は、入射される平行光線であるレーザビーム104を所定の面に沿って拡散させ、拡散したレーザ光を拡散レーザ光700として出射する。この例では、拡散レーザ光700は、Z軸に平行な面に沿って拡散したレーザ光である。拡散レーザ光700は、所定の面内で拡散するため、概ね扇形形状に拡散したレーザ光となる。光学ユニット600は、入射されるレーザビーム104の光軸と、出射する拡散レーザ光700とが同一平面上に位置するように、拡散レーザ光700を照射する。
仰俯角用モータ205を回転させてキャリッジ201を俯角方向に回転させ、キャリッジ201を所定の仰俯角に維持させる。このとき、干渉計204からのレーザビーム104が光学ユニット600へ入射される。干渉計204からのレーザビーム104が光学ユニット600を通過すると、光学ユニット600から拡散状レーザ光700が出射される。
そして、光学ユニット600は方位角回転部207に取付けられているので、拡散レーザ光700の回転は方位角用モータ206の回転に連動、即ち、Y軸周りの回転動作に連動する。従って、方位角用モータ206を回転させることにより、拡散レーザ光700を方位角方向に効率的に回転して照射することが可能になる。
キャリッジ201を所定の仰俯角に維持させた状態のまま、拡散レーザ光700を方位角方向に回転させることで、光学ユニット600の前方の領域に対して拡散レーザ光700を照射する。拡散レーザ光700を照射している間に、拡散レーザ光700の一部がレトロリフレクタ300に照射された場合、その拡散レーザ光700の一部がレトロリフレクタ300により反射され、反射されたレーザビーム(レーザ光)として、光学ユニット600に戻って入射される。このため、拡散レーザ光700をある方位角方向に回転させた時に、拡散レーザ光700の一部であるレーザビームが光学ユニット600に戻って入射された場合には、その時の拡散レーザ光700の方位から、レトロリフレクタ300が存在するおおよその方位を容易に把握することができる。
図5を参照して、光学ユニット600について説明する。なお、図5では、理解を容易とするために、キャリッジ201、干渉計204、光学ユニット600、拡散レーザ光700、レトロリフクレタ300以外の各要素については図示を省略している。
光学ユニット600は、反射ミラー601と、シリンカドリカルレンズ602と、を備えている。光学ユニット600は、干渉計204からのレーザビーム104を反射ミラー601により反射させ、シリンドリカルレンズ602に入射させる。シリンドリカルレンズ602は、シリンドリカルレンズ602から入射されるレーザビーム光104を所定の面に拡散して出射する。反射ミラー601およびシリンドリカルレンズ602は、干渉計204からのレーザビーム104の光軸と拡散レーザ光700とが同一のYZ平面上に位置するように調整して配置されている。これにより、光学ユニット600を、安価かつ簡易な構成により実現することができる。
次に、本実施形態における復帰手順について説明する。
最初に、本体部200とレトロリフレクタ300との間に、障害物等が存在してレーザビーム104が遮断されると干渉計204内の光位置検出器238で検出される光量が0となる。すると光位置検出器238から、光量0の信号が信号処理回路403を介して、PC500に送られる。PC500は、その信号に基づき、干渉計204からのレーザビーム104が遮断されたと判断して、モータ駆動回路404、405での2軸回転機構による追尾式レーザ干渉計の追尾制御(トラッキングの制御)を停止させる。同時に光検出器272の出力による変位の測定を中止する。
次に、PC500は、モータ駆動回路404により仰俯角用モータ205を回転させ、キャリッジ201を前記所定の仰俯角に回転させて停止し、その所定の仰俯角で維持させる。そして、PC500は、干渉計204からレーザビーム104を出射させて光学ユニット600に入射させ、光学ユニット600から拡散レーザ光700を出射させる。
次に、PC500は、モータ駆動回路405に信号を送り、方位角用モータ206により方位角回転部207を回転させる。方位角回転部207の回転に連動して、干渉計204から出射される拡散レーザ光700も回転する。同時に、PC500は、信号処理回路401を介して干渉計204から送られる信号の計測を開始する。
拡散レーザ光700を回転させながら照射している間に、拡散レーザ光700の一部がレトロリフレクタ300により反射された場合には、その反射された微小なレーザビームが光学ユニット600を介して干渉計204に戻り、光位置検出器238へ入射される。なお、この際の光検出器238へ入射されるレーザビームの光量はレーザビーム104に比べると小さなものであるため、電子回路403に信号増幅機能をもたせて信号ゲインを上げるようにしてもよい。なお、光検出器238は、レーザビームの光量だけでなく、レーザビームが入射した場所も検出できる。
そして、PC500は、光位置検出器238が検出した光量に対して、予め定めておいたある閾値を超える停止条件を満たした場合、その停止条件を満たす回転角度の位置(第1回転角度)で方位角の回転を停止、維持させる。
最後に、PC500はモータ駆動回路404に信号を送り、仰俯角用モータ205により仰角方向に干渉計204を回転させ、干渉計204内の光位置検出器238が光量検出可能となる回転角度の位置(第2回転角度)で停止、維持させる。干渉計204からのレーザビーム104が、レトロリフレクタ300に直接入射した場合、光位置検出器238から信号処理回路403に出力されるトラックキングエラー信号(ΔTrY)は、測定範囲内に収まる。この状態になると、干渉計204からのレーザ光は光位置検出器238の測定範囲内に調整されており、光位置検出器238により出力されるトラッキングエラー信号ΔTrX、ΔTrYを計測することで、通常の追尾式レーザ干渉計のトラッキングの制御を再開することが可能となる。
このように、PC500上では、各入力信号により追尾式レーザ干渉計の制御と復帰をすることができることから、上述したような、本体部200から出射したレーザビーム102が遮断される等の理由により追尾できなくなったときに、手動に頼ることなく、全て自動的に追尾式レーザ干渉計の復帰を可能とする。従って、同様の状況となる測定開始時の初期調整作業も自動化が可能となる。よって、人の介在による環境変動を避けることができるため、より高精度で、安定な測定が可能となる。
追尾式レーザ干渉計による変位の測定と追尾方法については、従来例と同一であるので省略する。
従って、従来のホモダイン式の追尾式レーザ干渉計に比べて、大幅な構成要素の追加と変更を要せずに、本実施形態により、従来のホモダイン式の追尾式レーザ干渉計の変位測定機能に加えて、自動的に追尾式レーザ干渉計の復帰動作を実現することが可能である。
さらに、本実施形態に係る光学ユニット600は安価かつ簡易な構成により実現でき、このような光学ユニット600を方位角回転部207に取付けて拡散レーザ光700の回転を方位角方向の回転に連動させるように構成したことで、光学ユニット600自体を独立して回転動作させるための機構を新たに用意する必要がなく、自動的な追尾式レーザ干渉計の復帰動作を安価かつ簡易な構成により実現することが可能である。
<他の実施の形態>
また、光学ユニット600の配置は、方位角回転部207上に限定されず、通常の追尾式レーザ干渉計のトラッキングの制御を妨げない位置であれば、干渉計204からのレーザビーム104が入射可能な任意の位置に配置してよい。
また、光学ユニット600による拡散レーザ光の生成方法は多数有り、本発明において、その生成方法が限定されるものではない。例えば、シリンドリカルレンズ602に代えてロッドレンズを使用してもよい。
また、上記実施形態では、基準球を用いた追尾式レーザ干渉計に適用したものであるが、基準球を用いないものであっても本発明の効果は達成できるものであり、特許文献1〜3に記載した追尾式レーザ干渉計にも本発明は適用可能であることは明らかである。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
100 光源部、
101 周波数安定化He−Neレーザ光源、
102 レンズ、
103 光ファイバ、
104 レーザビーム、
200 本体部、
201 キャリッジ、
202 基準球、
203 変位計、
204 干渉計、
222 コリメータレンズ、
230 偏光ビームスプリッタ(PBS)、
236 無偏向ビームスプリッタ(NPBS)、
238 光位置検出器、
270 平面鏡、
272 光検出器、
205 仰俯角用モータ、
206 方位角用モータ、
207 方位角回転部、
300 レトロリフレクタ、
400 回路部、
401〜403 信号処理回路、
404〜405 モータ駆動回路、
500 PC、
600 光学ユニット、
601 反射ミラー、
602 シリンドリカルレンズ、
700 拡散レーザ光

Claims (10)

  1. 光源から出力されたレーザ光を第1のレーザ光と第2のレーザ光とに分岐し、被測定体であるレトロリフレクタに向けて前記第1のレーザ光を照射し、前記第2のレーザ光と該レトロリフレクタによって戻り方向に反射された第3のレーザ光との干渉を利用してレトロリフレクタの変位を検出すると共に、前記第3のレーザ光の光軸の位置の変化を用いて2軸回転機構によりトラッキングを行うようにした追尾式レーザ干渉計において、
    前記第1のレーザを所定の面に沿って拡散させて前記レトロリフレクタに照射し、かつ、前記2軸回転機構のうち1軸の回転動作が可能な光学ユニット、
    を備えることを特徴とする追尾式レーザ干渉計。
  2. 前記光学ユニットは、
    前記2軸回転機構のうち前記所定の面に垂直な軸と直交する軸の回転動作に連動可能である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の追尾式レーザ干渉計。
  3. 前記光学ユニットによって拡散される前の前記第1のレーザの光軸は、前記所定の面と平行である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の追尾式レーザ干渉計。
  4. 前記2軸回転機構は、方位角方向に回転可能な方位角回転機構および仰俯角方向に回転可能な仰俯角回転機構を備え、
    前記方位角回転機構は、方位角用モータと、当該方位角用モータにより回転される方位角回転部と、を備え、
    前記光学ユニットは、前記方位角回転部の、前記仰俯角回転機構により俯角方向に回転させた場合に前記第1のレーザ光が入射される位置に取付けられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の追尾式レーザ干渉計。
  5. 前記光学ユニットは、
    前記第1のレーザを反射させる反射ミラーと、
    当該反射ミラーにより反射された前記第1のレーザを拡散させて前記レトロリフレクタに照射するシリンドリカルレンズと、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の追尾式レーザ干渉計。
  6. 被測定体であるレトロリフレクタに向けてレーザ光を照射し、前記レーザ光と該レトロリフレクタによって戻り方向に反射されたレーザ光との干渉を利用してレトロリフレクタの変位を検出すると共に、前記反射されたレーザ光の光軸の位置の変化を用いて2軸回転機構によりトラッキングを行うようにした追尾式レーザ干渉計において、
    前記トラッキングの制御がされていない場合に、
    前記2軸回転機構上に設けられた光照射体から、前記反射されたレーザ光の光軸を含む面に沿って拡散する拡散レーザ光を出射して、該2軸回転機構のうちの所定の面に垂直な軸と直交する軸を中心として回転運動を行い、
    光学ユニットから、入射されるレーザビームを拡散させた前記拡散レーザ光を照射して、前記2軸回転機構のうち1軸を中心として回転運動を行い、
    前記レーザビームと前記反射されたレーザ光との干渉を検出する干渉計において前記拡散レーザ光を検出することにより、トラッキングの制御可能となる第1の回転角度を求めて、前記所定の面に垂直な軸と直交する軸を中心とする回転で第1の回転角度に移動し、
    前記第1の回転角度を維持したまま、残りの軸について回転運動を行い、前記反射されたレーザ光を検出することにより、トラッキングの制御可能となる第2の回転角度を求めて、前記残りの軸を中心とする回転で第2の回転角度に移動することで、
    前記トラッキングの制御を可能とすることを特徴とする追尾式レーザ干渉計の復帰方法。
  7. 前記光学ユニットは、前記2軸回転機構のうち前記所定の面に垂直な軸と直交する軸を中心として回転運動を行う、
    ことを特徴とする請求項6に記載の追尾式レーザ干渉計の復帰方法。
  8. 前記レーザビームの光軸は、前記所定の面と平行である、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の追尾式レーザ干渉計の復帰方法。
  9. 前記2軸回転機構は、方位角方向に回転可能な方位角回転機構および仰俯角方向に回転可能な仰俯角回転機構を備え、
    前記方位角回転機構は、
    方位角用モータと、
    当該方位角用モータにより回転される方位角回転部と、を備え、
    前記光学ユニットは、前記方位角回転部に取付けられ、
    前記トラッキングの制御がされていない場合に、
    前記仰俯角回転機構により俯角方向に回転させて、前記レーザビームを前記光学ユニットに入射させる、
    ことを特徴とする請求項6乃至8いずれか1項に記載の追尾式レーザ干渉計の復帰方法。
  10. 前記光学ユニットは、
    前記レーザビームを反射させる反射ミラーと、
    当該反射ミラーにより反射されたレーザビームを拡散して前記拡散レーザ光として照射するシリンドリカルレンズと、
    を備えることを特徴とする請求項6乃至9いずれか1項に記載の追尾式レーザ干渉計の復帰方法。
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