JP6503183B2 - ポリイミド積層体、電子デバイス、および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

ポリイミド積層体、電子デバイス、および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミド積層体、電子デバイス、および電子デバイスの製造方法に関する。
近年、ディスプレイをはじめとする電子デバイスのフィルム上への形成が望まれている。従来のガラス基板上に用いた電子デバイスをフィルム上に形成することができれば、軽量化やフレキシブル化が可能となり、新たな用途に用いることができる様になる。例えば、有機EL表示素子や液晶表示素子などは一般的にガラス基板上に形成されているが、ガラス基板の代替材料としてフィルムを用いることでフレキシブルディスプレイを作ることが可能となり、軽量化とともに曲面上に表示できるデバイスが作製可能となる。その他、センサー、電池、太陽電池、トランジスタ、アクチュエーターなどの分野においてもフレキシブル化が望まれている。
ガラス代替となるフィルム材料としては、耐熱性、熱寸法安定性、透明性に優れるポリイミドが有用であると考えられている。一般的にポリイミドフィルムの耐熱温度は300℃以上であり、シリコン系半導体における高温の製造プロセスに耐えうる。また、熱膨張係数が低く、高温に加熱された際の位置ずれが小さい等の特徴があり微細加工を必要とする電子デバイスの作製に於いては最も好ましいフィルムと考えられている。現在、ポリイミドを用いたフレキシブルデバイスにおいては、ガラス基板上にポリイミドフィルムを製膜し、その上に薄膜トランジスタや表示素子など全てを形成し、最後にガラス基板からポリイミドを剥離する方法が用いられている。その中でもフィルムディスプレイではEPLaR法(基板側からレーザーを照射することによって剥離する方法)が主流として用いられているが、装置導入のコストが高く、尚且つ歩留まりが低いことが問題となっている。その為、装置の導入コストが安く、歩留りの高いポリイミドフィルムを基材とする電子デバイス(ポリイミド積層電子デバイス)の作製方法が望まれている。
特許文献1においては、支持基材の上に形成したポリイミドフィルム積層体が剥離可能となるポリイミド積層体構造及びその製造方法についての記載がある。
特開2014−061685号公報
従来のポリイミドフィルムを基材とした電子デバイスの製造方法においては、上記の通りコストおよび歩留まりの点で問題がある。
特許文献1に記載された技術は柔軟な支持基材を用いているため、表面に微細加工が必要な表示デバイスを形成する際に高温に加熱されると寸法変化が起き易く微細加工が難しい問題があり、更には、電子デバイスを形成後にポリイミドフィルムを具体的に剥離する方法の記載が無く剥離の際に応力等が発生して電子デバイスの破壊等が生じると考えられる。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
1.ガラス基板、第1ポリイミド層、第2ポリイミド層の順に積層されているポリイミド積層体において、
前記第1ポリイミド層は、前記第2ポリイミド層と異なる組成のポリイミドから成り、前記第1ポリイミド層と前記第2ポリイミド層の間の剥離強度は、前記ガラス基板と前記第1ポリイミド層の間の剥離強度よりも弱いことを特徴とするポリイミド積層体。
2.前記ガラス基板、前記第2ポリイミド層、前記第1ポリイミド層の順に熱膨張係数が大きい前記1に記載のポリイミド積層体。
3.前記第1ポリイミド層は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られ、前記テトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸無水物を含み、前記ジアミンは、ジアミノジフェニルエーテルを含む前記1または2に記載のポリイミド積層体。
4.電子デバイスが前記第2ポリイミド層上に積層されている前記1〜3のいずれか1つに記載のポリイミド積層体。
5.前記4記載の電子デバイスを積層してなるポリイミド積層体を第1ポリイミド層から剥離したポリイミド積層電子デバイス。
6.第1ポリイミド溶液又は第1ポリイミド前駆体溶液をガラス基板上に塗布して第1ポリイミド層を形成し、第2ポリイミド溶液又は第2ポリイミド前駆体溶液を前記第1ポリイミド層上に塗布して第2ポリイミド層を形成し、電子デバイスを前記第2のポリイミド層上に形成し、前記第2ポリイミド層を前記第1ポリイミド層から剥離させるポリイミド積層電子デバイスの製造方法であって、前記第1ポリイミド溶液又は第1ポリイミド前駆体溶液は、前記第2ポリイミド溶液又は第2ポリイミド前駆体溶液と異なる組成のポリイミド溶液又は前駆体溶液であることを特徴とするポリイミド積層電子デバイスの製造方法。
7.前記第1ポリイミド層と前記第2ポリイミド層の間の剥離強度は、前記ガラス基板と前記第1ポリイミド層の間の剥離強度よりも弱い前記6に記載のポリイミド積層電子デバイスの製造方法。
8.前記ガラス基板、前記第2ポリイミド層、前記第1ポリイミド層の順に熱膨張係数が大きい前記6または7に記載のポリイミド積層電子デバイスの製造方法。
9.前記第1ポリイミド層は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られ、前記テトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸無水物を含み、前記ジアミンは、ジアミノジフェニルエーテルを含む前記6〜8のいずれか1つに記載のポリイミド積層電子デバイスの製造方法。
本発明のポリイミド積層体は、ガラス基板上に形成した第1ポリイミド層とその上に形成した第2ポリイミド層からなり、熱寸法安定性に優れると共に、ポリイミド界面で簡便に剥離することが出来るため、ディスプレイ、センサー、電池、太陽電池、トランジスタ、アクチュエーター等の電子デバイスを低コストかつ歩留まり良く作製することができる。
本発明の一実施形態に係るポリイミド積層体の断面図である。 本発明の一実施形態に係るポリイミド積層体の剥離方法に関する図面である。 本発明の一実施形態に係る電子デバイスを積層したポリイミド積層体の模式図である。 本発明の一実施形態に係るポリイミド積層電子デバイスの製造方法に関する模式図である。
以下において、本発明を詳しく説明する。
本願発明におけるポリイミド積層体の一例を図1に示す。ポリイミド積層体は、ガラス基板1、第1ポリイミド層2、第2ポリイミド層3が順に積層されている。
本発明におけるガラス基板は、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラスを用いることができる。特に、無アルカリガラスは不純物が少なく、熱膨張係数が小さい為、寸法安定性が高い点で好ましい。
本願発明における第1ポリイミド層とは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリイミドである。
使用するテトラカルボン酸二無水物は特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9’−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、パラテルフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、メタテルフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、4,4‘−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物等が好適に用いることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は1種類のみ用いても良く、2種類以上用いても良い。第1ポリイミド層のポリイミドは、密着強度や熱膨張係数を制御しやすい構造であるピロメリット酸無水物を用いることが特に好ましい。
第1ポリイミド層のポリイミドに使用するジアミンについても特に限定されないが、p−フェニレンジアミン、2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンジアミン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、オクタフルオロベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン等が好適に用いることができる。これらは1種類のみ用いても良く、2種類以上用いても良い。第1ポリイミド層のポリイミドは、密着強度や熱膨張係数を制御しやすい構造であるジアミノジフェニルエーテルを用いることが特に好ましい。
第1ポリイミド層は、ポリイミド溶液又は前駆体であるポリアミド酸溶液から形成される。塗布した溶液がポリイミド前駆体であるポリアミド酸の場合、イミド化する方法は特に限定はされないが、熱イミド化や、脱水剤とイミド化剤を用いる化学イミド化などを用いることができる。化学イミド化を行う場合、イミド化剤としては、特に限定されないが、3級アミンを用いることができる。脱水剤としては具体的には無水酢酸、プロピオン酸無水物、n−酪酸無水物、安息香酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物等を具体例として挙げることができる。
第1ポリイミド層は、ポリイミド溶液または前駆体溶液はスリットコーターやスピンコーターを用いた方法、キャスト法などによりガラス基板上に塗布し、ホットプレートやオーブンなどを用いて乾燥することで第1ポリイミド層が得られる。
本願発明における第2ポリイミド層とは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリイミドである。
使用するテトラカルボン酸二無水物は特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9’−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、パラテルフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、メタテルフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、4,4‘−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、N,N’−[2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−ジイル]ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキサミド)等が挙げられる。これらは1種類のみ用いても良く、2種類以上用いても良い。
第2ポリイミド層のポリイミドは熱膨張係数が低く寸法安定性に優れ、密着強度が低くなるポリイミドであることが好ましく、そのようなポリイミドを得る為には、テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、N,N’−[2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−ジイル]ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキサミド)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。
第2ポリイミド層のポリイミドに使用するジアミンについても特に限定されないが、p−フェニレンジアミン、2−メチル−1,4−フェニレンジアミン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレンジアミン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、オクタフルオロベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン等が挙げられる。これらは1種類のみ用いても良く、2種類以上用いても良い。
第2ポリイミド層のポリイミドは熱膨張係数が低く寸法安定性に優れ、密着強度が低くなるポリイミドであることが好ましく、そのようなポリイミドを得る為には、ジアミンとして、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン等を用いることが好ましい。
第2ポリイミド層は、ポリイミド溶液又は前駆体であるポリアミド酸溶液から形成される。塗布した溶液がポリイミド前駆体であるポリアミド酸の場合、イミド化する方法は特に限定はされないが、熱イミド化や、脱水剤とイミド化剤を用いる化学イミド化などを用いることができる。化学イミド化を行う場合、イミド化剤としては、特に限定されないが、3級アミンを用いることができる。脱水剤としては具体的には無水酢酸、プロピオン酸無水物、n−酪酸無水物、安息香酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物等を具体例として挙げることができる。
第2ポリイミド層は、第1ポリイミド層と第2ポリイミド層の間の剥離強度が、ガラス基板と第1ポリイミド層の間の剥離強度よりも弱いものであれば特に限定されない。また、ガラス基板、第2ポリイミド層、第1ポリイミド層の順に熱膨張係数が大きくなる様な第2ポリイミド層が好ましい。
第2ポリイミド層は、上記第2ポリイミド層を構成しうるポリイミド溶液又は前駆体溶液を、前記第1ポリイミド層上に、スリットコーターやスピンコーターを用いた方法や、キャスト法などによりポリイミド溶液または前駆体を塗布し、ホットプレートやオーブンなどを用いて乾燥することで第2ポリイミド層が得られる。
本発明における積層体を形成する第1、第2のポリイミド層の厚みは1μm〜200μmが好ましく、特に好ましくは、3μm〜100μmの範囲であることがポリイミドにより発生する応力を下げることができ、ガラス基材の反りを低減でき、残留応力により自然にポリイミド層が剥離することを避けることができるので好ましい。
本発明における第1ポリイミド層と第2ポリイミド層が異なるとは、具体的にはポリイミドを構成する酸二無水物並びに、ジアミンが、第1並びに、第2ポリイミドにおいて、同一種を同一割合で用いているポリイミドで無い場合を指す。
本発明における、前記第1ポリイミド層と前記第2ポリイミド層の間の剥離強度は、前記ガラス基板と前記第1ポリイミド層の間の剥離強度よりも弱いことが好ましく、特に、剥離強度は、JIS0237の方法に基づく90°方向の剥離強度を測定した場合において、第1ポリイミド層と第2ポリイミド層の間の剥離強度は、0.01N/cm以上、0.25N/cm以下が好ましく、0.01N/cm以上、0.20N/cm以下であることが剥離する際に電子デバイス等に影響を与えず良好に剥離できるので特に好ましい。
また、ガラス基板と第1ポリイミド層の間の剥離強度は、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層の密着強度より大きければ特に指定されないが、0.25N/cm以上であることが好ましく、特に好ましくは0.40N/cm以上があることが積層体製造プロセスにおいて剥離が生じにくいため好ましい。このような密着力を達成するために、第1ポリイミド層を構成するポリイミドには、シランカップリング剤を含有していても良い。シランカップリング剤は特に限定されないが、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが好適に用いることができる。
本発明における熱膨張係数はガラス基板、第2ポリイミド層、第1ポリイミド層の順に大きいことが好ましい。この様な順序で熱膨膨張係数が大きい場合、第1ポリイミド層と第2ポリイミド層界面に赤外線照射や加熱を行った際に、僅かな応力が生じ、剥離を容易にする。
本願発明における第1ポリイミド層の熱膨張係数は、第2ポリイミド層の熱膨張係数より大きければ特に限定されないが10〜60ppm/Kであることが好ましく、特に好ましくは、25〜60ppm/Kである。
第2ポリイミド層の熱膨張係数は第1ポリイミド層の熱膨張係数より小さければ特に限定されないが、1〜25ppm/Kであることが好ましく、第2ポリイミド層の上にデバイスを形成する際に位置ずれが小さくなるといった点から、1〜20ppm/Kであることが特に好ましい。
このような熱膨張係数に制御することで、第1ポリイミド層と第2ポリイミド層を剥離する際に応力が生じるために好ましい。
本発明においては、特に、第1ポリイミド層が、ピロメリット酸二無水物とジアミノジフェニルエーテルからなるポリイミドであることが好ましく、このポリイミドを用いることで、熱膨張係数を最適な値に制御できると共に、ガラスとの密着力を向上させることが出来るので好ましい。
ポリイミド積層体からポリイミドフィルムを剥離する方法を図2に示す。本発明における第1ポリイミド層12と第2ポリイミド層13の剥離方法は特に限定されないが、機械的に剥離する方法もしくは、ポリイミド積層体を急加熱する方法を用いることができる。特に急加熱する方法は、剥離界面に応力が生じ剥離を容易にする点で好ましい。急加熱の方法は特に限定されず、ホットプレートを用いて加熱する方法や、熱風を用いて加熱する方法、赤外線照射装置を用いて加熱する方法などが挙げられるが、フラッシュランプ等の急速加熱処理装置を用いて第1ポリイミド層12をガラス基板11を介して赤外線照射して急速加熱を行うことで剥離する方法が好ましく用いられる。本方法を用いることで瞬間的に第1ポリイミド層12と第2ポリイミド層13の界面に応力が生じ、ポリイミド界面の接着強度を急激に低下させることができるので好ましい。また本方法を用いることでポリイミドに電子デバイスを形成した後に剥離する場合においても、電子デバイスを劣化させることが無いので好ましい。
特に、本願発明において好ましく用いられるフラッシュランプ等の急速加熱処理装置は、近赤外光、中間赤外光、遠赤外光の少なくとも1つの光を含むことを特徴とする光を発生させる装置であって、特に好ましくはフラッシュランプアニール装置、赤外線ランプアニール装置、レーザーアニール装置を用いることが好ましい。本装置を用いることで、ガラス基材11を通過させて第1ポリイミド層12を効果的に加熱することが出来るので好ましい。
本発明における電子デバイスを積層したポリイミド積層体の模式図を図3に示す。ポリイミド積層体は、ガラス基板21、第1ポリイミド層22、第2ポリイミド層23、電子デバイス24が順に積層されている。尚、本発明におけるポリイミド積層電子デバイス25の一実施形態は、第2ポリイミド層23及び電子デバイス24が積層された電子デバイスである。尚、第2ポリイミド層は1層であっても良いし、多層であっても良い。具体的には、第1ポリイミド溶液又は第1ポリイミド前駆体溶液をガラス基板21上に塗布して第1ポリイミド層22を形成し、第2ポリイミド溶液又は第2ポリイミド前駆体溶液を前記第1ポリイミド層22上に塗布して第2ポリイミド層23を形成し、電子デバイス24を前記第2のポリイミド層23上に形成し、前記第2ポリイミド層23を前記第1ポリイミド層22から剥離させるポリイミド積層電子デバイス25の製造方法である。特に、本発明においては、前記第1ポリイミド溶液又は第1ポリイミド前駆体溶液は、前記第2ポリイミド溶液又は第2ポリイミド前駆体溶液と異なる組成のポリイミド溶液又は前駆体溶液であることが剥離を容易にして歩留りを向上させる上で好ましい。
本発明における、ポリイミド積層電子デバイスの具体的な製造方法に関する模式図を図4に示す。
本方法により作製された電子デバイスは、前記第2ポリイミド層33または第2ポリイミド層33上に形成された電子デバイス34を前記第1ポリイミド層32から剥離することでポリイミド積層電子デバイス35が得られる。ポリイミド積層電子デバイス35を剥離させる方法については特に限定されないが、機械的に剥離する方法もしくは、ポリイミド積層体を急加熱する方法を用いることができる。特に急加熱する方法は、剥離界面に応力が生じ剥離を容易にする点で好ましい。急加熱の方法は特に限定されず、ホットプレートを用いて加熱する方法や、熱風を用いて加熱する方法、赤外線照射装置を用いて加熱する方法などが挙げられるが、フラッシュランプ等の急速加熱処理装置を用いて第1ポリイミド層32をガラス基板31を介して赤外線照射して急速加熱を行うことで剥離する方法が好ましく用いられる。本方法を用いることで瞬間的に第1ポリイミド層32と第2ポリイミド層33の界面に応力が生じ、ポリイミド界面の接着強度を急激に低下させることができるので好ましい。また本方法を用いることでポリイミドに電子デバイスを形成した後に剥離する場合においても、電子デバイスを劣化させることが無いので好ましい。
特に、本願発明において好ましく用いられるフラッシュランプ等の急速加熱処理装置は、近赤外光、中間赤外光、遠赤外光の少なくとも1つの光を含むことを特徴とする光を発生させる装置であって、特に好ましくはフラッシュランプアニール装置、赤外線ランプアニール装置、レーザーアニール装置を用いることが好ましい。本装置を用いることで、ガラス基材31を通過させて第1ポリイミド層32を効果的に加熱することが出来るので好ましい。
本発明におけるポリイミド積層体上に形成する電子デバイスは、ディスプレイ、センサー、電池、太陽電池、トランジスタ、アクチュエーターなどが好適に挙げられる。更に、本発明におけるポリイミド積層電子デバイスとは、ディスプレイ、センサー、電池、太陽電池、トランジスタ、アクチュエーターなどをポリイミドフィルム表面に積層したポリイミド積層電子デバイスが好適に挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施形態の変更が可能である。
(特性の評価方法)
(剥離強度)
剥離強度はJISZ0237にもとづいて90度剥離強度を求めた。
(剥離性)
ガラス基材面からフラッシュランプアニール装置(菅原研究所製ES−Z5815)により急速加熱を行った後に、第2ポリイミド層の端部をカッターで切れ目を入れ、第2ポリイミド層が第1ポリイミド層から容易に剥離できた場合を○、剥離できなかった場合を×とした。
(熱膨張係数)
熱膨張係数は、ブルカーエイエックスエス社製熱機械分析装置(TMA4000)を用いて、熱機械分析により、試験片に一定荷重(膜厚1μm当たり0.5g)をかけ、昇温速度5℃/分における試験片の伸び値より、100〜300℃の範囲での平均値として、ポリイミドフィルムの線熱膨張係数を求めた。
(合成例1)
ステンレス製撹拌棒を備えた撹拌機、窒素導入管を備えた3Lのガラス製セパラブルフラスコに、重合用溶媒として脱水したN−N’ジメチルアセトアミド(以下DMAcと称する)365.00gを投入し、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下ODAと称する)を45.07g加え、氷浴中で30分間攪拌した。ODAが均一に溶解した後に、ピロメリット酸二無水物(以下PMDAと称する)を46.63g加え、反応を続けた。さらに2.44gのPMDAと11.64gのDMAcを少量加え、粘度が上昇した時点で反応を終了した。この反応溶液におけるジアミン及びテトラカルボン酸二無水物の合計の固形分濃度は20重量%であった。溶液の粘度が変化しなくなったことを確認した後にDMAcでさらに希釈し、作業しやすい粘度に調整した。本方法で得られたポリアミド酸溶液は固形分濃度が12重量%であった。本合成例で得られたポリアミド酸溶液をポリアミド酸A溶液、ポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドをポリイミドAと称する。
(合成例2)
ステンレス製撹拌棒を備えた撹拌機、窒素導入管を備えた500mLのガラス製セパラブルフラスコに、トリメリット酸無水物クロライド67.4g(0.32mmol)を入れ、酢酸エチル190gとn−ヘキサン190gからなる混合溶媒を加えて溶解させ、溶液1を調製した。更に別の容器に2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン25.6g(0.08mmol)を酢酸エチル72gとn−ヘキサン72gからなる混合溶媒を加えて溶解させ、脱酸剤としてプロピレンオキサイド9.2gを加えて溶液2を調製した。
エタノールアイスバス中で−20℃程度に冷却下で、溶液1に攪拌下溶液2を滴下して3時間攪拌し、その後室温で12時間攪拌した。析出物を濾別し、酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶媒(体積比1:1)でよく洗浄した。その後、濾別し、60℃で12時間、さらに120℃で12時間真空乾燥して収率70%で白色の生成物を得た。FT−IRにて3380cm−1(アミド基NH伸縮振動)、3105cm−1(芳香族C−H伸縮振動)、1857cm−1、1781cm−1(酸無水物基C=O伸縮振動)、1677cm−1(アミド基C=O伸縮振動)のピーク、また、H−NMRで、δ11.06ppm(s、NH、2H)、δ8.65ppm(s、フタルイミド上、3位CaromH、2H)、δ8.37ppm(フタルイミド上、5および6位CaromH、4H)、δ7.46ppm(d、中央ビフェニル上、6および6’位CaromH、2H)、δ8.13ppm(d、中央ビフェニル上、5および5’位CaromH、2H)、δ8.27ppm(s、中央ビフェニル上、3および3’位CaromH、2H)のピークを確認することができたことから、目的物であるアミド基含有テトラカルボン酸二無水物(以下酸二無水物モノマーBとする)得られたことを確認した。この化合物の融点をDSCで測定したところ、274℃であった。
ステンレス製撹拌棒を備えた撹拌機、窒素導入管を備えた、3Lのガラス製セパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン32.0g(0.10mol)を入れ、重合用溶媒として脱水したN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)296gを仕込み攪拌した後、この溶液に、上記の合成したアミド基含有テトラカルボン酸二無水物(酸二無水物モノマーB)66.8g(0.10mol)を加え、室温で24時間攪拌し、ポリアミド酸を得た。なお、この反応溶液におけるジアミン化合物及びテトラカルボン酸二無水物の仕込み濃度は、全反応液に対して25重量%となっていた。
上記溶液にDMFを加え固形分濃度を20重量%とし、イミド化触媒としてピリジンを15.8g(0.20mol)添加して、完全に分散させた。分散させた溶液中に無水酢酸を24.5g(0.24mol)を添加して攪拌し、100℃で4時間攪拌したのち、室温まで冷却した。上記ポリイミド樹脂溶液にDMFを加え固形分濃度を15重量%とし、1200gのイソプロピルアルコールをポリイミド樹脂溶液に加えた後、約30分間撹拌した。その後、ポリイミドスラリーを取り出し、更に、800gのイソプロピルアルコールを添加して完全に固形分を抽出した。900gのイソプロパノ−ルで抽出した固形分の洗浄を4回行った。そして得られた固形分を真空乾燥装置で150℃24時間真空乾燥して、ポリイミド樹脂として取り出した。
3Lパラブルフラスコ中にDMAc900gを投入し、さらに得られたポリイミド樹脂を100g添加し、固形分濃度10重量%の第2ポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド溶液をポリイミドB溶液、本構造を有するポリイミドをポリイミドBと称する。
(合成例3)
ステンレス製撹拌棒を備えた撹拌機、窒素導入管を備えた3Lのガラス製セパラブルフラスコに、重合用溶媒として脱水したDMAc1338gを投入し、パラフェニレンジアミン(以下PDAと称する)を58.48g、ODAを0.87g加え、油浴で50℃に加熱し30分間攪拌した。ODAとPDAが均一に溶解した後に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下BPDAと称する)157.19gを加え、原料が溶解したことを確認した後に溶液の濃度を約80℃に調整した。さらに一定の温度で加熱しながら攪拌を3時間続けて粘度を下げ、さらにDMAc153.8g加えて攪拌し、ポリアミド酸溶液を得た。この反応溶液におけるジアミン及びテトラカルボン酸二無水物の合計の固形分濃度は15重量%であった。
上記ポリアミド酸溶液を水浴で速やかに冷却し、溶液の温度を約50℃に調整した。次に3−アミノプロピルトリエトキシシランの1%DMAc溶液を10.9g加え5時間攪拌した。溶液の粘度が変化しなくなったことを確認した後にDMAcでさらに希釈し、作業しやすい粘度に調整した。本方法で得られたポリアミド酸溶液は固形分濃度が13wt%であった。
本合成例で得られたポリアミド酸溶液をポリアミド酸C溶液、ポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドをポリイミドCと称する。
<ポリイミド積層体の製造>
ガラス基板にはEagleXG(Corning社製)を用いた(縦×横×厚み:10cm×10cm×0.5mm)。ガラス基板は6wt%セミクリーンM−LO(横浜油脂製)で20分、超純水で10分、アセトンで20分、2−プロパノールで20分の順番に超音波洗浄を行った後に、100℃のオーブンで乾燥を行った。
(実施例1)
第1ポリイミド層にはポリイミドAを、第2ポリイミド層にはポリイミドBを用いた。
ガラス基板上にポリアミド酸A溶液をスピンコートした後に、80℃で20分、150℃で30分、300℃で1時間、400℃で1時間の条件でホットプレート上にて乾燥を行い、第1ポリイミド層を得た(20μm)。この第1ポリイミド層の上に、第2ポリイミド溶液としてポリイミドB溶液をスピンコートし、80℃で20分、150℃で1時間、300℃で1時間の条件でホットプレート上にて乾燥を行うことで、第2ポリイミド層を第1ポリイミド層の上に形成した(20μm)。この様にしてポリイミド積層体を得た。
得られたポリイミド積層体の剥離強度、剥離性、熱膨張係数を評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
<ポリイミド積層体の製造>
第1ポリイミド層にはポリイミドAを、第2ポリイミド層にはポリイミドCを用いた。
ガラス基板上にポリアミド酸A溶液をスピンコートした後に、80℃で20分、150℃で30分、300℃で1時間、400℃で1時間の条件でホットプレート上にて乾燥を行い、第1ポリイミド層を得た(20μm)。この第1ポリイミド層の上に、ポリアミド酸C溶液をスピンコートし、80℃で20分、150℃で30分、300℃で1時間、400℃で1時間の条件でホットプレート上にて乾燥を行うことで、第2ポリイミド層を第1ポリイミド層の上に形成した(20μm)。この様にしてポリイミド積層体を得た。
実施例1と同様に、得られたポリイミド積層体の剥離強度、剥離性、熱膨張係数を評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
<ポリイミド積層体の製造>
第1ポリイミド層にはポリイミドAを、第2ポリイミド層にはポリイミドAを用いた。
ガラス基板上にポリアミド酸A溶液をスピンコートした後に、80℃で20分、150℃で30分、300℃で1時間、400℃で1時間の条件でホットプレート上にて乾燥を行い、第1ポリイミド層を得た(20μm)。この第1ポリイミド層の上に、ポリアミド酸A溶液をスピンコートした後に、80℃で20分、150℃で30分、300℃で1時間、400℃で1時間の条件でホットプレート上にて乾燥を行うことで、第2ポリイミド層を第1ポリイミド層の上に形成した(20μm)。この様にしてポリイミド積層体を得た。実施例1と同様に、得られたポリイミド積層体の剥離強度、剥離性、熱膨張係数を評価した結果を表1に示す。
実施例1〜2のポリイミド積層体は、剥離することができた。このことにより、電子デバイスを積層したポリイミド積層電子デバイスを作製した際に、電子デバイスの劣化を防ぐことができ、歩留り良く生産することができることが明らかになった。これに対して比較例1記載の通り、第1ポリイミド層と第2ポリイミド層が同一の場合であって、熱膨張係数の差が無く、しかも、第2のポリイミド積層体の熱膨張係数が大きい場合においては、剥離することができず、ポリイミド積層電子デバイスを歩留り良く生産できないことが明らかになった。
1 ガラス基板
2 第1ポリイミド層
3 第2ポリイミド層
11 ガラス基板
12 第1ポリイミド層
13 第2ポリイミド層
21 ガラス基板
22 第1ポリイミド層
23 第2ポリイミド層
24 電子デバイス
25 ポリイミド積層電子デバイス
31 ガラス基板
32 第1ポリイミド層
33 第2ポリイミド層
34 電子デバイス
35 ポリイミド積層電子デバイス

Claims (6)

  1. ガラス基板、第1ポリイミド層、第2ポリイミド層の順に積層されているポリイミド積層体において、
    前記第1ポリイミド層は、前記第2ポリイミド層と異なる組成のポリイミドから成り、前記第1ポリイミド層と前記第2ポリイミド層の間の剥離強度は、0.01N/cm以上、0.25N/cm以下であり、
    前記ガラス基板と前記第1ポリイミド層との間の剥離強度は、0.25N/cm以上であり、
    前記第1ポリイミド層の熱膨張係数は、25〜60ppm/Kであり、
    前記第2ポリイミド層の熱膨張係数は、1〜20ppm/Kであり、
    前記第1ポリイミド層は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られ、前記テトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸無水物を含み、前記ジアミンは、ジアミノジフェニルエーテルを含むことを特徴とするポリイミド積層体。
  2. 前記ガラス基板、前記第2ポリイミド層、前記第1ポリイミド層の順に熱膨張係数が大きい請求項1に記載のポリイミド積層体。
  3. 電子デバイスが前記第2ポリイミド層上に積層されている請求項1または2に記載のポリイミド積層体。
  4. 請求項3に記載の電子デバイスを積層してなるポリイミド積層体を第1ポリイミド層から剥離したポリイミド積層電子デバイス。
  5. 第1ポリイミド溶液又は第1ポリイミド前駆体溶液をガラス基板上に塗布して第1ポリイミド層を形成し、第2ポリイミド溶液又は第2ポリイミド前駆体溶液を前記第1ポリイミド層上に塗布して第2ポリイミド層を形成し、
    電子デバイスを前記第2のポリイミド層上に形成し、前記第2ポリイミド層を前記第1ポリイミド層から剥離させるポリイミド積層電子デバイスの製造方法であって、
    前記第1ポリイミド溶液又は第1ポリイミド前駆体溶液は、前記第2ポリイミド溶液又は第2ポリイミド前駆体溶液と異なる組成のポリイミド溶液又は前駆体溶液であり、
    前記第1ポリイミド層と前記第2ポリイミド層の間の剥離強度は、0.01N/cm以上、0.25N/cm以下であり、前記ガラス基板と前記第1ポリイミド層の間の剥離強度は、0.25N/cm以上であり、
    前記第1ポリイミド層の熱膨張係数は、25〜60ppm/Kであり、
    前記第2ポリイミド層の熱膨張係数は、1〜20ppm/Kであり、
    前記第1ポリイミド層は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られ、前記テトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸無水物を含み、前記ジアミンは、ジアミノジフェニルエーテルを含むことを特徴とするポリイミド積層電子デバイスの製造方法。
  6. 前記ガラス基板、前記第2ポリイミド層、前記第1ポリイミド層の順に熱膨張係数が大きい請求項に記載のポリイミド積層電子デバイスの製造方法。
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