JP6485342B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ、詳しくはセンサレス三相ブラシレス直流モータの駆動を制御するモータ制御装置に関する。
例えば特許文献1には、センサレス三相ブラシレス直流モータの駆動を制御する装置が開示されている。以下、センサレス三相ブラシレス直流モータをセンサレス三相BLDCモータと記載する。この装置は、センサレス三相BLDCモータの始動時における駆動電流を狙い値に制御することにより、駆動電流値の変動に起因するトルクの変動を抑制し、センサレス三相BLDCモータの始動性能の向上を図っている。
特開2008−148379号公報
しかし、上記構成においては、センサレス三相BLDCモータに流れる電流のフィードバックやロータの加速度の検出を行うための回路や制御ソフトウェアが必要であり、装置の構成が複雑化し、また、装置のコストが増加する。
そこで、構成の複雑化やコストの増加を抑えつつセンサレス三相BLDCモータの始動性能の向上を図ることができるモータ制御装置を提供する。
本発明に係るモータ制御装置は、センサレス三相BLDCモータの駆動を制御する制御装置であって、前記センサレス三相BLDCモータに流れる電流を検出する電流検出回路部と、前記センサレス三相BLDCモータの駆動電流を制御する制御回路部と、を備え、前記制御回路部により、前記センサレス三相BLDCモータの始動前において前記電流検出回路部により検出される始動前電流値に基づいて、前記センサレス三相BLDCモータの始動時における前記駆動電流を調整する。
この構成によれば、センサレス三相BLDCモータに流れる電流のフィードバックやロータの加速度の検出を行うための回路や制御ソフトウェアに依らずとも、始動前の検出電流値に基づいて始動時の駆動電流を狙い値に調整することができる。よって、構成の複雑化やコストの増加を抑えつつセンサレス三相BLDCモータの始動性能の向上を図ることができる。
本実施形態に係るモータ制御装置の構成例を示す図 モータの駆動制御例を示すフローチャート モータの始動前に電流を流した状態の一例を示す図 モータの駆動制御例を示すタイミングチャート 始動前電流値に基づき補正した駆動信号のデューティを比較する図 モータの始動時における制御波形の一例を示す図 駆動信号のデューティの補正例を示す図(その1) 駆動信号のデューティの補正例を示す図(その2) 第2実施形態に係るモータ始動前における通電パターンと始動前電流値との関係例を示す図 モータの始動時における駆動電流の制御例を示す図 第3実施形態に係るモータの始動時における駆動電流の制御例を示す図 第4実施形態に係る電流リップル制御の一例を示す図
以下、モータ制御装置に係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
図1に例示するモータ制御装置10は、インバータ回路部11と、電流検出回路部12と、制御回路部13と、ゲートドライブ回路部14とを備える。インバータ回路部11は、6個のスイッチング素子11aを3相ブリッジ接続して構成されている。インバータ回路部11には直流電源15が供給される。インバータ回路部11の各相出力端子は、ワイヤーハーネス16を介して、センサレス三相BLDCモータ17の各相固定子巻線17U,17V,17Wにそれぞれ接続されている。以下、センサレス三相BLDCモータ17を単に「モータ17」と称する。
電流検出回路部12は、抵抗18の端子電圧に基づいて、モータ17に流れる電流を検出する。制御回路部13は、マイクロコンピュータまたは論理回路などで構成されており、電流検出回路部12が検出する電流値をモニタしながらゲートドライブ回路部14に制御信号を出力する。制御回路部13が出力する制御信号は、PWM信号、ハイサイド側のスイッチング素子11aの駆動を制御するための制御信号、ローサイド側のスイッチング素子11aの駆動を制御するための制御信号などが含まれる。
ゲートドライブ回路部14は、制御回路部13から入力される制御信号に基づいて駆動信号を生成し、インバータ回路部11に出力する。インバータ回路部11は、ゲートドライブ回路部14から入力される駆動信号によりスイッチング制御される。即ち、インバータ回路部11は、ゲートドライブ回路部14が出力する駆動信号に基づいて複数のスイッチング素子11aをオン/オフすることにより駆動電流を生成し、モータ17を駆動する。
次に、モータ制御装置10によるモータ17の駆動制御例について説明する。即ち、図2に例示するように、制御回路部13は、モータ17を始動する前において、モータ17の任意の相に電流を流す(S1)。このとき、電流を流す通電相のパターンは、例えば図3に示すように、ハイサイド側とローサイド側とで異なる相に電流Iを流すパターンとする。つまり、電流を流す通電相のパターンとして、ハイサイド側とローサイド側とが同相となる組み合わせのパターンは除かれる。
そして、制御回路部13は、電流検出回路部12により、モータ17に流れる電流値を始動前電流値として検出する(S2)。このとき、制御回路部13は、電流検出回路部12が検出する電流値をモニタし、検出電流値が安定した後に、その電流値を始動前電流値として特定する。そして、制御回路部13は、始動前電流値を特定するとモータ17への通電をオフする。
そして、制御回路部13は、検出された始動前電流値に基づいて、モータ17の始動時における駆動信号のデューティを補正する(S3)。これらステップS1〜S3の処理により、始動時デューティ補正制御が構成されている。始動時デューティ補正制御は、モータ17の始動時における駆動電流を、駆動対象であるモータ17に適した狙い値に制御するために駆動信号のデューティを補正する制御である。
制御回路部13は、始動時デューティ補正制御により駆動信号のデューティを補正すると、モータ始動制御に移行する。モータ始動制御では、制御回路部13は、モータ17の位置決め制御(S4)を実行し、続いて、モータ17の他制制御(S5)を実行し、続いて、モータ17の定常制御であるセンサレス駆動制御(S6)を実行する。即ち、制御回路部13は、モータ17のロータの位置決めを行うと、モータ17の誘起電圧に基づくロータの磁極位置の検出結果に無関係に通電を行なう他制制御を行い、その後、モータ17の誘起電圧に基づくロータの磁極位置の検出結果に応じた通電を行なうセンサレス駆動制御に切り換える。
図4に例示するように、上述のモータ17の駆動制御例によれば、制御回路部13は、符号Aで示すように、モータ17の始動前において、まず、モータ17の任意の相に電流を流す。この場合、制御回路部13は、ハイサイド側のU相とローサイド側のW相の組み合わせとなる通電相パターンによりモータ17への通電を行っている。そして、制御回路部13は、符号Bで示すように、モータ17に流れる電流が安定した後、始動時電流値を特定する。そして、制御回路部13は、始動時電流値を特定すると、符号Cで示すように、モータ17への通電をオフする。そして、制御回路部13は、特定した始動時電流値に基づいて駆動信号のデューティを補正する。なお、図に示す電流モニタ値は、モータ117に実際に流れる電流値ではなく、電流検出回路部12により検出される電流値の波形を示している。
図5に例示するように、このとき、制御回路部13は、始動前電流値が比較的大きい場合、例えば所定の閾値よりも大きい場合には、駆動信号のデューティを小さくして、モータ17の始動時に生成される駆動電流を狙い値に近付ける、または、一致させるように制御する。一方、制御回路部13は、始動前電流値が比較的小さい場合、例えば所定の閾値よりも小さい場合には、駆動信号のデューティを大きくして、モータ17の始動時に生成される駆動電流を狙い値に近付ける、または、一致させるように制御する。
制御回路部13は、駆動信号のデューティを補正すると、モータ始動制御に移行してモータ17を始動する。このとき、駆動信号のデューティが補正されているため、図4に矢印D1あるいは矢印D2で示すように、始動時の駆動電流が調整されて狙い値Nに制御される。よって、位置決め制御時には、モータ17に狙い値Nの電流が流れるようになり、駆動電流値の変動に起因するトルクの変動を抑制しながらモータ17を始動することができる。なお、その後の、他制制御およびセンサレス制御においては、モータ17の回転速度の上昇により誘起電圧の振幅が増大し、駆動電流が徐々に減少していく。そして、モータ17の回転速度の上昇が止まり一定の回転速度となったときに駆動電流の減少も止まり一定の値で維持されるようになる。また、モータ始動制御においては、出力エネルギーを制御するためにいわゆるPWM制御が行われる。
図6に例示するように、モータ始動制御の位置決め制御では、制御回路部13は、ハイサイド側の任意の相のスイッチング素子11aをオンし、ローサイド側のハイサイド側で選択した相以外の相のスイッチング素子11aをオンし、その他のスイッチング素子11aをオフする。これにより、ハイサイド側とローサイド側とで異なる相に電流を流す通電相パターンにより、モータ17への通電が行われる。
この場合、制御回路部13は、位置決め制御を2回行う。1回目の位置決め制御では、例えば、ハイサイド側のU相のスイッチング素子11aおよびローサイド側のW相のスイッチング素子11aをオンし、その他のスイッチング素子11aをオフする。そして、この通電によりモータ17のロータが動いて誘起電圧が発生する。そのため、駆動電流に正弦波状の振動が発生する。その後、ロータの動作が収束するにつれて駆動電流の振幅が徐々に小さくなり、ロータが停止すると駆動電流の振動が無くなる。その後は、モータ17への印加電圧とモータインピーダンスにより決まる電流がモータ17に流れる。
次に、2回目の位置決め制御では、制御回路部13は、1回目と2回目の通電位相差が電気角で0degおよび180deg以外となるように通電相を設定する。この場合、1回目の位置決め制御における通電相は、ハイサイド側がU相、ローサイド側がW相であった。そのため、2回目の位置決め制御では、電気角で例えば60deg離れたハイサイド側がV相、ローサイド側がW相となる通電相パターンにより、モータ17への通電を行う。
次に、他制制御では、制御回路部13は、予め決められた通電相パターン、PWMデューティ、通電時間によりモータ17を通電してロータを回転させる。このとき、制御回路部13は、2回目の位置決め制御における通電相パターンによる通電状態から所望の回転方向へトルクを発生させるように通電相を設定する。この場合、2回目の位置決め制御における通電相は、ハイサイド側がV相、ローサイド側がW相であった。そのため、制御回路部13は、他制制御の初期の通電相を、電気角で例えば60deg離れたハイサイド側がV相、ローサイド側がU相となる通電相パターンに切り換えて、モータ17への通電を行う。
その後、制御回路部13は、所望の回転方向へトルクを発生させるように通電相を順次切り換えていくが、このとき、通電相の位相差が電気角で例えば60degとなるように切り換えていく。この場合、2回目の位置決め制御における通電相は、ハイサイド側がV相、ローサイド側がW相であり、他制制御の通電相は、ハイサイド側がV相、ローサイド側がU相であった。そのため、制御回路部13は、続くフェーズでは、ハイサイド側がW相、ローサイド側がU相となる通電相パターンに切り換え、続いて、ハイサイド側がW相、ローサイド側がV相となる通電相パターンに切り換えていく。その後、制御回路部13は、ロータの位置が検出できたタイミングでセンサレス制御に移行する。そして、制御回路部13は、ロータの位置を検出しながら、その検出位置に応じて通電相を切り換えてロータの回転制御を行う。なお、通電相の位相差は、電気角で0degおよび180deg以外であれば、60degに限ることなく変更することができる。
次に、駆動信号のデューティの補正例について説明する。図7に例示する第1補正例では、制御回路部13は、1つの閾値Tを基準に駆動信号のデューティを補正する。即ち、制御回路部13は、始動前電流値が所定の閾値Tより大きい場合には、駆動信号のデューティを小さくして、モータ17の始動時に生成される駆動電流を狙い値に近付ける、または、一致させるように制御する。一方、制御回路部13は、始動前電流値が所定の閾値Tより小さい場合には、駆動信号のデューティを大きくして、モータ17の始動時に生成される駆動電流を狙い値に近付ける、または、一致させるように制御する。
始動時における駆動信号のデューティ、つまり、補正後の駆動信号のデューティは、例えば下記の式(1)に基づいて、始動前電流値と閾値Tとの比に基づいて算出することができる。
始動時のデューティ=始動時のデューティ基準値×閾値/始動前電流値・・・(1)
なお、始動時のデューティ基準値は、所定の条件下、例えば、所定の電源電圧が印加されている条件下、実際の電流経路のインピーダンスの条件下などにおいて、モータ17の始動時における駆動電流が予め決められた狙い値に一致するようなデューティ比である。また、始動時における駆動信号のデューティは、例えば、始動前電流値と閾値Tの差に基づいて算出してもよい。
図8に例示する第2補正例では、制御回路部13は、2つの閾値Tmax,Tminを基準に駆動信号のデューティを補正する。即ち、制御回路部13は、始動前電流値が所定の上限閾値Tmaxより大きい場合には、駆動電流を生成するための駆動信号のデューティを小さくして、モータ17の始動時に生成される駆動電流を狙い値に近付ける、または、一致させるように制御する。一方、制御回路部13は、始動前電流値が所定の下限閾値Tminより小さい場合には、駆動信号のデューティを大きくして、モータ17の始動時に生成される駆動電流を狙い値に近付ける、または、一致させるように制御する。なお、制御回路部13は、始動前電流値が上限閾値Tmaxと下限閾値Tminとの間に収まっている場合には、駆動信号のデューティを補正することなく、そのまま維持する。即ち、始動前電流値が上限閾値Tmaxと下限閾値Tminとの間である場合には、始動時における駆動信号のデューティは、始動時のデューティ基準値となる。これにより、モータ17の始動時における駆動電流が所定の狙い範囲内に収まる。なお、この所定の狙い範囲を図8に符号Rで例示している。
モータ制御装置10によれば、モータ17に流れる電流のフィードバックやロータの加速度の検出を行うための回路や制御ソフトウェアに依らずとも、始動前の検出電流値に基づいて始動時の駆動電流を狙い値に近似あるいは一致させるように調整することができる。よって、構成の複雑化やコストの増加を抑えつつ、トルクの変動を抑制することができ、モータ17の始動性能の向上を図ることができる。
また、モータ制御装置10によれば、モータ17の始動前における実際の電流値に基づいて始動時の駆動電流を調整する。従って、例えば、モータ17、スイッチング素子11aなどといった装置内の各素子、ワイヤーハーネス16などの個体差や、温度特性に起因するインピーダンスの変化、ワイヤーハーネス16を含む電流経路の長さの違いに起因するインピーダンスの変化などに拘らず、モータ制御装置10やモータ17を含むモータ制御システム全体の構成に適した駆動電流によりモータ17を始動することができる。
また、モータ制御装置10によれば、1つの閾値Tを基準に駆動信号のデューティを補正することにより、始動時の駆動電流を一定にすることができ、モータ17の始動性能をより安定させることができる。
また、モータ制御装置10によれば、2つの閾値Tmax,Tminを基準に駆動信号のデューティを補正することにより、始動時の駆動電流を一定範囲内に収めることができ、モータ17の始動性能をより安定させることができる。
(第2実施形態)
図9に例示するように、本実施形態では、制御回路部13は、モータ17の始動前に複数の通電相パターンPuv〜Pwvによりモータ17を通電する。この場合、制御回路部13は、ハイサイド側がU相、ローサイド側がV相となる通電相パターンPuv、ハイサイド側がU相、ローサイド側がW相となる通電相パターンPuw、ハイサイド側がV相、ローサイド側がU相となる通電相パターンPvu、ハイサイド側がV相、ローサイド側がW相となる通電相パターンPvw、ハイサイド側がW相、ローサイド側がU相となる通電相パターンPwu、ハイサイド側がW相、ローサイド側がV相となる通電相パターンPwvの6パターンによりモータ17を順次通電する。そして、制御回路部13は、各通電相パターンPuv〜Pwvによる通電時にそれぞれ電流検出回路部12により検出された始動前電流値Iuv〜Iwvを検出する。
そして、図10に例示するように、制御回路部13は、始動前電流値Iuv〜Iwvの平均値を算出する。そして、制御回路部13は、算出した平均値に基づいて、モータ17の始動時における駆動電流を調整する。即ち、例えば、制御回路部13は、平均値が比較的大きい場合には、駆動信号のデューティを小さくして、モータ17の始動時に生成される駆動電流を狙い値に近付ける、または、一致させるように制御する。一方、制御回路部13は、平均値が比較的小さい場合には、駆動信号のデューティを大きくして、モータ17の始動時に生成される駆動電流を狙い値に近付ける、または、一致させるように制御する。
電流経路のインピーダンスは、厳密には、モータ17への通電相パターン、つまり、モータ17にどのように電流が流れているのかによって変動する場合がある。本実施形態によれば、複数の通電相パターンPuv〜Pwvの通電時における検出電流値Iuv〜Iwvの平均値を用いて駆動電流を補正する。そのため、異なる通電相パターンPuv〜Pwvを通電する場合に生じる電流経路のインピーダンスの変動を吸収することができ、始動時の駆動電流が狙い値から大幅にずれてしまうことを回避することができる。
(第3実施形態)
図11に例示するように、本実施形態では、制御回路部13は、モータ17の始動前に複数の通電相パターンPuv〜Pwvによりモータ17を通電する。そして、制御回路部13は、一の通電相パターンによる通電時に電流検出回路部12により検出される始動前電流値に基づいて、モータ17の始動時において同じ通電相パターンによりモータ17を通電するときの駆動電流を調整する。即ち、制御回路部13は、モータ17の始動時において、ハイサイド側がU相、ローサイド側がV相となる通電相パターンPuvにより通電するときには、モータ17の始動前において同じ通電相パターンPuvにより通電したときに検出された始動前電流値Iuvに基づいて駆動電流を調整する。
本実施形態によれば、複数の通電相パターンPuv〜Pwvの通電時における検出電流値Iuv〜Iwvを用いて、始動時において同じ通電相パターンPuv〜Pwvで通電されるときの駆動電流を補正する。そのため、異なる通電相パターンPuv〜Pwvを通電する場合に生じる電流経路のインピーダンスの変動を吸収することができ、始動時において複数の通電相パターンPuv〜Pwvによりモータ17を通電する場合において、それぞれの通電時に駆動電流が狙い値から大幅にずれてしまうことを回避することができる。
なお、制御回路部13は、始動前に検出した複数の始動前電流値Iuv〜Iwvのうち何れか1つを選択し、その始動前電流値に基づいて、始動時において異なる通電相パターンによりモータ17を通電する場合の駆動電流を調整するように構成してもよい。即ち、例えば、始動前において通電相パターンPuvの通電時に検出された始動前電流値Iuvに基づいて、始動時において通電相パターンPuvによりモータ17を通電する場合のほか、通電相パターンPuw〜Pwvによりモータ17を通電する場合の駆動電流も調整するように構成してもよい。
(第4実施形態)
図12に例示するように、本実施形態では、制御回路部13は、電流検出回路部12により始動前電流値を検出するときには、駆動電流を生成するための駆動信号の周期Tmonを所定の周期Tsenよりも短くする。なお、周期Tsenは、モータ17の始動時におけるデフォルトの駆動信号の周期、または、モータ17の定常駆動時のおける駆動信号の周期である。
モータ17に電流を流す場合には、モータ17の定格電流を超えないように駆動信号のデューティを設定する必要がある。このとき、例えば駆動信号のデューティが100%よりも小さい状態でPWM制御によりスイッチング素子11aをオン/オフさせると、オン時に電流が上昇し、この上昇の傾きはオンから時間が経つにつれて小さくなる。そして、オフになると電流が下降していき、この下降の傾きはオフから時間が経つにつれて小さくなる。よって、電流リップルVsenが発生し、電流検出回路部12による電流検知のタイミングにより、検出される電流値に電流リップルVsenによる差異が発生する。
そこで、本実施形態では、駆動信号の周期Tmonを周期Tsenよりも短くする。これにより、電流リップルVsenを電流リップルVmonまで小さくすることができ、電流リップルによる検出電流値の差異を抑制することができる。よって、本実施形態によれば、電流のリップルによる検出電流値のばらつきを抑えることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
図面中、10はモータ制御装置、12は電流検出回路部、13は制御回路部を示す。

Claims (6)

  1. モータに流れる電流を検出する電流検出回路部(12)と、
    前記モータの駆動電流を制御する制御回路部(13)と、を備え、
    前記制御回路部は、前記モータの始動前において前記電流検出回路部により検出される始動前電流値に基づいて、前記モータの始動時における前記駆動電流を調整するモータ制御装置。
  2. 前記制御回路部は、前記始動前電流値が所定の閾値より大きい場合は前記駆動電流を生成するための駆動信号のデューティを小さくし、前記始動前電流値が前記閾値より小さい場合は前記駆動信号のデューティを大きくする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御回路部は、前記始動前電流値が所定の上限閾値より大きい場合は前記駆動電流を生成するための駆動信号のデューティを小さくし、前記始動前電流値が所定の下限閾値より小さい場合は前記駆動信号のデューティを大きくし、前記始動前電流値が前記上限閾値と前記下限閾値との間である場合は前記駆動信号のデューティを維持する請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御回路部は、前記モータの始動前に複数の通電相パターンにより前記モータを通電し、各通電相パターンによる通電時にそれぞれ前記電流検出回路部により検出される複数の始動前電流値の平均値に基づいて、前記モータの始動時における前記駆動電流を調整する請求項1から3の何れか1項に記載のモータ制御装置。
  5. 前記制御回路部は、前記モータの始動前に複数の通電相パターンにより前記モータを通電し、一の通電相パターンによる通電時に前記電流検出回路部により検出される始動前電流値に基づいて、前記モータの始動時において同じ通電相パターンにより前記モータを通電するときの前記駆動電流を調整する請求項1から3の何れか1項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記制御回路部は、前記電流検出回路部により前記始動前電流値を検出するときには、前記駆動電流を生成するための駆動信号の周期を、前記モータの始動時または前記モータの定常駆動時のおける周期よりも短くする請求項1から5の何れか1項に記載のモータ制御装置。
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