JP6238200B2 - 照明器具 - Google Patents

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Description

本発明は、照明器具に関し、特に、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子を光源とする埋込型の照明器具に関する。
従来、埋込型の照明器具として、例えば、ダウンライトやスポットライトのように天井に埋込配設されて下方に光を照射する天井埋込型照明器具、あるいは、地中に埋込配設されて上方に光を照射する地中埋込型照明器具等が知られている。従来の埋込型照明器具として、例えば特許文献1には、ダウンライトに関する照明器具が開示されている。
特許文献1に開示された従来の照明器具は、LED光源(LEDモジュール)と、LED光源を収納する器具本体とを備える。器具本体は、LED光源の光を入射する入射口及び当該入射口から入射した光を出射する出射口を有する枠体部と、LED光源と枠体部との間に配置された円環状の反射板と、反射板と枠体部との間に配置された透光パネルとを備える。反射板は、アルミニウムからなり、LED光源からの光を内周面で反射させて、枠体部の入射口に集光させるように構成されている。
また、特許文献2には、発散性の配光特性を有するLED光源に対して、光入射面及び光出射面のいずれか一面に同心円状のブレーズ形状が形成された集光素子を有する小型の光源モジュールが開示されている。
特開2011−210621号公報 特開2011−54829号公報
特許文献1に開示された従来の埋込型の照明器具に対して、特許文献2に開示された光源モジュールを適用することにより、埋込型の照明器具においても、出射口からの光の取り出し効率を向上させ、また、高精度な配光制御が可能となると考えられる。
しかしながら、埋込型の照明器具に上記光源モジュールを搭載する場合、集光素子のサイズによっては、例えば、LED光源から集光素子へ入射した光が光出射面などの境界領域において反射することが想定される。これにより、LED光源からの出射光が集光素子の光出射面から効率よく取り出せず、上記取り出し効率を低下させてしまう。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、光の取り出し効率を向上させることが可能な照明器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る照明器具の一態様は、複数の発光素子で構成された面光源と、前記面光源からの光の出射前方に前記面光源と対向して配置され、前記面光源からの出射光を所定の方向に配光する光学部材とを備え、前記光学部材は、光入射側に、前記光学部材の光軸を中心とした同心環状の突起部を複数有し、隣り合う前記突起部の間には、同心環状の溝部が形成され、一の溝部の底部と前記面光源の発光面を含む平面との距離は、当該溝部の内周側に隣り合う他の溝部の底部と前記平面との距離より大きいことを特徴とする。
また、本発明に係る照明器具の一態様において、前記光学部材は、前記複数の突起部を外周領域に有し、前記突起部は、前記出射光を屈折させる屈折面と、当該屈折面の外周側に形成された、前記突起部へ入射した光を反射させる反射面とを有するとしてもよい。
また、本発明に係る照明器具の一態様において、前記光学部材の光出射面の外周領域は、平坦であるとしてもよい。
また、本発明に係る照明器具の一態様において、前記光軸から、より外周方向に形成された前記溝部ほど、当該溝部の底部と前記平面との距離が大きいとしてもよい。
また、本発明に係る照明器具の一態様において、第1の溝部の底部及び前記平面の間の距離と、前記第1の溝部の内周側に隣り合う溝部の底部及び前記平面の間の距離との差分は、前記第1の溝部の外周側に形成された第2の溝部の底部及び前記平面の間の距離と、前記第2の溝部の内周側に隣り合う溝部の底部及び前記平面の間の距離との差分よりも大きいとしてもよい。
本発明に係る照明器具によれば、レンズ部材での臨界角以上の光の反射が低減されるので、光の取り出し効率を向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る照明器具の概観斜視図 本発明の実施の形態に係る照明器具の分解斜視図 本発明の実施の形態に係る照明器具を、光軸を含むXZ平面で切断した場合の断面図 本発明の実施の形態に係るレンズ部材の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態に係るレンズ部材を、光軸を含むXZ平面で切断した場合の断面図 本発明の実施の形態に係る照明器具の光取り出し効率を説明する図 従来の照明器具の光取り出し効率を説明する図 本発明の実施の形態の変形例に係るレンズ部材の構造を表す断面図
以下、本発明の実施の形態に係る照明器具について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。したがって、各図同士において厳密には一致していない部分も存在する。
(実施の形態)
まず、本発明の実施の形態に係る照明器具の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る照明器具の概観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る照明器具の分解斜視図である。図3は、本発明の実施の形態に係る照明器具を、光軸を含むXZ平面で切断した場合の断面図である。
図1及び図2に示す照明器具1は、例えば、スポットライトや下方に光を照明するダウンライト等の照明器具に用いられる。
本実施の形態に係る照明器具1は、図1に示すように、筐体20と補助反射部材50とで囲まれており、図2に示すように、LED光源10と、筐体20と、反射部材30と、レンズ部材40と、補助反射部材50とを備える。照明器具1は、図2に示すように、筐体20、LED光源10、反射部材30、レンズ部材40、及び補助反射部材50がこの順で組み合わされることにより構成される。
以下、照明器具1における各構成部材について詳細に説明する。
[LED光源]
LED光源10は、発光素子を有する発光モジュールであって、所定の光を放射状に放出する。LED光源10は、白色光を放出するように構成されており、基板11と、基板11上に実装された複数のLED(ベアチップ)12と、LED12を封止する封止部材13とを備えた面光源である。なお、本実施の形態において、LED光源10の光軸は鉛直方向である。
基板11は、LED12を実装するための実装基板であって、例えば樹脂基板、セラミックス基板又は絶縁被覆されたメタルベース基板等である。また、基板11としては、例えば、平面視において矩形形状である平面を有する板状の基板を用いることができる。基板11は、筐体20内部の固定部材と反射部材30との間に固定されている。これにより、LED12が発する熱は基板11を介して筐体20に伝導する。なお、LED12が発する熱を効率良く筐体20に伝導させるために、基板11としては、上記内部部材に密着させる面に金属材料が形成された基板やメタルベース基板を用いることが好ましい。なお、図示しないが、基板11には、LED12を発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の電極端子(正電極端子及び負電極端子)が形成されている。LED光源10は、照明器具1の外部の電源ユニット(不図示)から供給された電力によって所定の光を発光する。
LED12は、発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。本実施の形態におけるLED12は、通電されれば青色光を発する青色発光LEDチップである。また、LED12は、基板11の一方の面(表面:図2及び図3では下面)にマトリクス状に複数個配置されている。LED12は、基板11にパターン形成された金属配線(不図示)やワイヤ(不図示)によって互いに電気的に接続されている。
封止部材13は、基板11上に複数のLED12を一括封止するように形成されている。封止部材13は、光波長変換材である蛍光体を含み、LED12からの光を波長変換する波長変換層として機能する。封止部材13としては、例えば、シリコーン樹脂に所定の蛍光体粒子と光拡散材とを分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。
なお、LED光源10の光出射面の大きさは、一例として直径30〜40mmである。また、LED光源10の大きさはこれに限らず、例えば、直径10mmであってもよい。
蛍光体粒子としては、LED12が青色光を発光する青色発光ダイオードである場合、白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体粒子を用いることができる。これにより、LED12が発した青色光の一部は、封止部材13に含まれる黄色蛍光体粒子によって黄色光に波長変換される。つまり、黄色蛍光体粒子は、LED12が発する青色光(励起光)によって励起され、青色光に対して補色の関係にある黄色光を蛍光発光する。そして、黄色蛍光体粒子に吸収されなかった青色光と、黄色蛍光体粒子によって波長変換された黄色光とは、封止部材13中で拡散及び混合されることにより、封止部材13から白色光となって出射される。光拡散材としては、シリカなどの粒子が用いられる。
なお、演色性を高めるために、封止部材13内に、黄色蛍光体粒子に加えて赤色蛍光粒子を混合しても構わない。また、封止部材13は、必ずしもシリコーン樹脂によって形成する必要はなく、フッ素系樹脂などの有機材のほか、低融点ガラスやゾルゲルガラス等の無機材によって形成してもよい。また、封止部材13は、全てのLED12を一括封止してもよく、また、LED12の列ごとに直線状に封止しても構わない。
[筐体]
筐体20は、照明器具1の外郭をなす筐体の一部であるとともに、LED光源10が取り付けられる取付台であり、LED光源10で発生する熱を放熱するヒートシンクである。筐体20は、金属材料を用いて略円柱状に形成されており、本実施の形態ではアルミダイカスト製である。
筐体20は、LED光源10を取り付けるための内部部材を含む。本実施の形態において、内部部材は、反射部材30とでLED光源10を挟み込んでいる。
なお、本実施の形態において、LED光源10は筐体20の内部部材と当接しているが、当該内部部材の底面に放熱基台(ヒートシンク)を載置し、LED光源10を、この放熱基台の上(下面)に固定してもよい。
なお、筐体20の上部(天井側部分)には、上方に向かって突出する複数の放熱フィンが設けられていてもよい。放熱フィンは、例えば、一方向に沿って互いに一定の間隔をあけて設けられていてもよい。これにより、LED光源10で発生する熱を効率よく放熱させることができる。
[反射部材]
反射部材30は、反射機能を有する反射板であって、LED光源10からの光が入射する開口である入射口と、当該入射口から入射した光が反射部材30から出射する開口である出射口とを有する。反射部材30は、内径が入射口から出射口に向かって漸次大きくなるように構成された円環枠状(漏斗状)であり、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の硬質の白色樹脂材料を用いて形成することができる。PBTを用いた反射部材は、耐熱性及び高反射率を有し、さらに、難燃グレードの選択が可能となる。
反射部材30の内周面は、LED光源10からの光を反射する反射面となっている。上記反射面は、入射口から入射した光を反射させて出射口から出射させるように構成されている。
なお、反射部材30は、硬質の白色樹脂材料ではなく、例えば、アルミニウム等の金属材料によって形成してもよい。あるいは、樹脂製の反射部材30の内面に、反射面として、銀やアルミニウム等の金属材料からなる金属蒸着膜(金属反射膜)を形成してもよい。
[補助反射部材]
補助反射部材50は、照明器具1の外郭をなす筐体の一部であるとともに、内面に反射面を有する略円筒状のコーン部501と、コーン部501が取り付けられる枠体本体部502とを有する。コーン部501は、金属材料を用いて成形されており、例えば、アルミニウム合金等を絞り加工またはプレス成形することによって作製することができる。枠体本体部502は、硬質の樹脂材料又は金属材料によって成形されている。補助反射部材50は、枠体本体部502が筐体20に取り付けられることによって固定されている。
コーン部501の上部には、反射部材30の内部を直接又は反射して通過したLED光源10からの光が入射する入射口が設けられている。また、コーン部501の下部には、補助反射部材50に入射した光を外部に出射させる出射口が設けられている。これら入射口及び出射口は円形状に開口されており、出射口の開口径は入射口の開口径よりも大きくなっている。また、コーン部501の内周面は、光を反射する反射面となっており、本実施の形態における反射面は、金属反射面である。上記反射面は、入射口から入射した光が当該反射面で反射して出射口から出射されるように構成されている。なお、出射口から出射する光の角度は反射面の形状によって適宜調整することができる。本実施の形態における反射面は、入射口から入射した光がほぼ鉛直下方に反射するように構成されている。
なお、コーン部501は、反射部材30から鉛直方向に所定の間隔をあけて配置されている。また、コーン部501の入射口の開口径は、後述する反射部材30の出射口の開口径と略同等となっている。
枠体本体部502の下端部には、径方向の外向きに突出するフランジが周方向に亘って一体に形成されている。
なお、本実施の形態にかかる照明器具1は、補助反射部材50を備えない構成であってもよい。本実施の形態に示すように補助反射部材50を備えることにより、照明器具1において、レンズ部材40から出射した光の一部は、補助反射部材50でさらに反射される。これにより、LED光源10から出射された光がレンズ部材40を透過した後であっても配光制御を行うことができるので、光取り出し効率をより向上することができる。
[レンズ部材]
次に、レンズ部材40について説明する。レンズ部材40は、LED光源10と対向する位置に配置され、LED光源10からの出射光を所定の方向に配光する光学部材である。レンズ部材40は、LED光源10から入射された上記出射光を光出射面から出射する。
本実施の形態におけるレンズ部材40は、反射部材30の出射口と、補助反射部材50の入射口との間に固定され、レンズ部材40の光入射側から入射したLED光源10からの光を、レンズ部材40の光入射側から出射させる。
レンズ部材40は、透光性材料を用いて形成されており、例えばPMMA(アクリル)やポリカーボネート(PC)等の透明樹脂材料、または、ガラス材料等の絶縁性を有する透明材料を用いて形成することができる。
ここで、レンズ部材40の構造について、図4及び図5を用いて詳述する。
図4は、本発明の実施の形態に係るレンズ部材の一例を示す斜視図である。図5は、実施の形態に係るレンズ部材を、光軸を含むXZ平面で切断した場合の断面図である。
図4及び図5に示すように、レンズ部材40は、光入射側に、レンズ部材40の光軸を中心とした同心状かつ円環状の突起部T1〜T4(T1は図示せず)を有している。本実施の形態では、突起部T1〜T4は、レンズ部材40入射側かつ外周領域に形成されている。一方、レンズ部材40の入射側かつ内周領域は平坦面となっている。また、レンズ部材40の光出射面402は平面となっている。
突起部T1〜T4は、それぞれ、LED光源10からの入射光を屈折させる屈折面K1〜K4と、当該屈折面の外周側に形成された、突起部T1〜T4へ入射した光を反射させる反射面R1〜R4とを有する。
上記レンズ部材40の構造により、図5に示すように、レンズ部材40の外周領域では、LED光源10から広角で入射した光Lo(Z方向成分よりもX方向成分が支配的である光)は、レンズ部材40内の突起部T2の屈折面K2で屈折透過し、反射面R2で反射されて光出射面402へと導かれる。一方、レンズ部材の内周領域では、レンズ部材40内に狹角で入射した光Li(X方向成分よりもZ方向成分が支配的である光)は、光入射面401の平坦部から入射して屈折透過し、光出射面402から略鉛直方向へと導かれる。
なお、本実施の形態に係るレンズ部材40は、同心状かつ円環状の突起部の数は4つに限定されない。また、光出射面402は、少なくとも、突起部T1〜T4が形成された外周領域と対向する領域が平坦であればよい。
ここで、本実施の形態に係るレンズ部材40は、図5に示すように、隣り合う突起部の間に、レンズ部材40の光軸を中心とした同心状かつ円環状の溝部B1〜B3が形成されている。例えば、溝部B1の底部V1とLED光源10を含む平面P0との距離X1は、溝部B1の内周側に隣り合う溝部B2の底部V2と平面P0との距離X2より大きい。
これにより、例えば、図4に示すように、本実施の形態に係るレンズ部材40内に入射した光L2は、屈折面K3で屈折透過し、反射面R3の最下部で反射して光出射面402から出射(L2G)する。これに対して、X1≦X2の関係である場合、光L2は、屈折面K3で屈折透過し、反射面R3で反射せず、反射面R3の下方を通過し、入射光が全反射してしまう角度である臨界角(光軸からの角度)以上で光出射面402に入射して全反射し、レンズ部材の側方から出射(L2B)する。
図6Aは、本発明の実施の形態に係る照明器具の光取り出し効率を説明する図であり、図6Bは、従来の照明器具の光取り出し効率を説明する図である。なお、図6Aに示された本実施の形態に係るレンズ部材40は、図5に示すように、溝部(B1〜B3)の底部(V1〜V3)と平面P0との距離(X1〜X3)は、レンズ部材40の中心から外周方向へ向かうにつれ大きくなっている。一方、図6Bに示された従来のレンズ部材540は、複数の溝部の底部と平面P0との距離は、いずれも同じである。
本発明の実施の形態に係る照明器具1では、図6Aに示すように、LED光源10から広角に出射する光成分L3l及びL3rは、レンズ部材40の光入射面401に形成された突起部の頂部付近に入射し、屈折面を通過して反射面で反射され、光出射面402で屈折して光出射面402の鉛直下方へ出射する。また、LED光源10から広角に出射する光成分L4l及びL4r(L3l及びL3rよりも狹角)は、突起部の中腹部に入射し、屈折面を通過し、内周に隣り合う突起部の反射面よりも光出射面方向(Z軸マイナス方向)へ延設された反射面で反射され、光出射面402で屈折して光出射面402の鉛直下方へ出射する。
一方、従来の照明器具では、図6Bに示すように、LED光源510から広角に出射する光成分L5l及びL5rは、レンズ部材540の光入射側に形成された突起部の頂部付近に入射し、屈折面を通過して反射面で反射され、光出射面402で屈折して光出射面402の鉛直下方へ出射する。しかし、LED光源510から広角に出射する光成分L6l及びL6r(L5l及びL5rよりも狹角)は、光入射面401の突起部の中腹部に入射し、屈折面を通過し、反射面で反射されず当該反射面の下方を通過し、光出射面402に臨界角以上で入射して全反射し、レンズ部材の側方へ出射する。
上述した、本実施の形態に係る照明器具と従来の照明器具との比較によれば、本発明の実施の形態に係る照明器具1は、LED光源10からレンズ部材40の外周方向へ広角出射された光が、臨界角以上の入射角で光出射面402に入射することが低減されるので、光の取り出し効率を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、溝部(B1〜B3)の底部(V1〜V3)と平面P0との距離(X1〜X3)は、レンズ部材40の中心から外周方向へ向かうにつれ大きくなり、隣り合う溝部間の上記距離の差はいずれも等しい構造となっている。しかしながら、本発明に係る照明器具のレンズ部材はこれに限られない。全ての溝部において、外周方向へ向かうにつれ上記距離が大きくなっている必要はなく、一部の溝部同士の関係において、より外周にある溝部の上記距離の方が大きい構造を有していればよい。この構成であっても、本発明の権利範囲であり、臨界角以上の入射角で光出射面402に入射する光成分が低減されるという効果が奏される。
[実施の形態の変形例]
図7は、本発明の実施の形態の変形例に係るレンズ部材の構造を表す断面図である。具体的には、図7は、レンズ部材の中心軸を通るXZ平面で切断した場合のレンズ部材41の断面図である。本変形例に係るレンズ部材41において、溝部の底部及び平面P0の間の距離と、当該溝部の内周側に隣り合う溝部の底部及び平面P0の間の距離との差分は、レンズ部材41の中心から外周方向へ向かうにつれ小さくなっている。例えば、図7において、溝部の底部及び平面P0の間の距離X1と、当該溝部の内周側に隣り合う溝部の底部及び平面P0の間の距離(X2)との差分(X1−X2)は、距離X4と距離X5との差分(X4−X5)よりも小さく設定されている。
図7に示すように、LED光源10から広角に出射される光L7l及びL7rは、内周に隣接する突起部の上方を通過して屈折面の下方へと到達する。これに対して、LED光源10からより広角に出射される光L8l及びL8rは、内周に隣り合う突起部の上方を通過して屈折面の中腹部へと到達するが、入射角が大きいため、内周に隣り合う突起部に妨げられて当該屈折面の下方には到達しない。さらに、本変形例において、光軸中心から外周部へ向かうにつれて、突起部の高さが高くなっている(突起部の頂点と平面P0との距離が大きい)ので、光L8l及びL8rの到達領域は制限される。このように、LED光源10から出射される光は、レンズ部材の外周に向かうほど広角となり、突起部の屈折面のより上方にしか到達しない。よって、本発明のレンズ部材の構造において、上述した隣接する溝部の底部に関する上記距離の関係は、内周に向かうほど光の取り出し効率への寄与度が高い。本変形例に係るレンズ部材41が有する溝部の構造によれば、光の取り出し効率をより効果的に向上させることが可能となる。
[効果]
本実施の形態に係る照明器具1は、複数のLED12で構成されたLED光源10と、LED光源10の出射前方にLED光源10と対向して配置され、LED光源10からの出射光を所定の方向に配光するレンズ部材40とを備える。レンズ部材40は、光入射側に、同心環状の突起部T1〜T4を有し、隣り合う突起部の間には、同心環状の溝部B1〜B3が形成されている。ここで、一の溝部の底部とLED光源10の発光面を含む平面P0との距離は、当該溝部の内周側に隣り合う溝部の底部と平面P0との距離より大きい。
これにより、LED光源10からレンズ部材40の外周方向へ広角出射された光が、臨界角以上の入射角で光出射面402に入射することが低減されるので、光の取り出し効率を向上させることが可能となる。
また、レンズ部材40は、上記複数の突起部を外周領域に有し、当該突起部は、LED光源10からの出射光を屈折させる屈折面K1〜K4と、当該屈折面の外周側に形成された、突起部へ入射した光を反射させる反射面R1〜R4とを有してもよい。
これにより、レンズ部材40の外周領域では、LED光源10から広角で入射した光を、レンズ部材40内の突起部の屈折面で屈折透過させ、反射面で反射させ、臨界角以下の入射角で光出射面402へと入射させることが可能となる。よって、光の取り出し効率を向上させることが可能となる。
また、上記外周領域と対向するレンズ部材40の光出射面402は、平坦であってもよい。
これにより、レンズ部材40内の突起部の屈折面で屈折透過し、反射面で反射されて光出射面402へ到達した光は、臨界角より小さい入射角を有するものが支配的であるので、光出射面402で全反射せずに光出射面402から出射される。よって、光の取り出し効率を向上させることが可能となる。
また、溝部B1〜B3の底部V1〜V3と平面P0との距離X1〜X3は、レンズ部材40の中心から外周方向へ向かうにつれ大きくなってもよい。
これにより、LED光源10からレンズ部材40の外周方向へ広角出射された光が、臨界角以上の入射角で光出射面402に入射することを外周領域の全域において低減できるので、光の取り出し効率をより向上させることが可能となる。
また、溝部の底部及び平面P0の間の距離と、当該溝部の内周側に隣接する溝部の底部及び平面P0の間の距離との差分は、レンズ部材41の中心から外周方向へ向かうにつれ小さくなってもよい。
これにより、隣接する溝部の底部に関する上記距離の関係は、内周に向かうほど光の取り出し効率への寄与度が高い。よって、光の取り出し効率をより効果的に向上させることが可能となる。
(その他)
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、前述した実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、前述した実施の形態では、レンズ部材40の一例として、突起部は、例えば、フレネル形状を有するレンズ(フレネルレンズ)を用いて説明しているが、この例に限られない。光入射面及び光出射面の一方の面の中央領域に、屈折または透過するレンズが形成され、当該中央領域を除く領域に全反射する多角形状のレンズである突起部が形成され、光入射面から入射した光を光出射面から出射するものであればフレネルレンズでなくてもよい。
また、前述した実施の形態及び変形例において、LED光源10は、青色LEDと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成しても構わない。
また、前述した実施の形態及び変形例において、LED12は、青色を発光するLEDを用いたが、これに限らない。LED12としては、青色以外の色を発光するLEDを用いても構わない。例えば、LED12として紫外線発光のLEDチップを用いる場合、蛍光体粒子としては、三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体粒子を組み合わせたものを用いることができる。さらに、蛍光体粒子以外の波長変換材を用いてもよく、例えば、波長変換材として、半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を用いてもよい。
また、前述した実施の形態及び変形例において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等の発光素子を用いてもよい。
また、前述した実施の形態及び変形例において、面光源としてLED光源を例示したが、複数の電球の各光源が同一面上に配置された光源を用いてもよい。
また、前述した実施の形態及び変形例において、反射部材30は、入射口から入射した光を反射するとしたが、レンズ部材40で跳ね返った光を再度出射口へと導いてもよい。つまり、レンズ部材40で反射された光を反射して、出射口から出射させてもよい。
また、前述した実施の形態及び変形例において、レンズ部材40は、光入射側に、レンズ部材40の光軸を中心とした同心状かつ円環状の突起部T1〜T4及び溝部B1〜B3を有するとしたが、当該突起部及び溝部の形状は、円環状に限定されない。円環状ではなく、方形環状など多角形環状でもよく、また、楕円環状であってもよい。つまり、上記突起部及び溝部の形状は、同心環状であればよい。
また、前述した実施の形態及び変形例において、LED光源10は、基板11上にLEDチップを直接実装してLEDチップを蛍光体含有樹脂によって一括封止したCOB(Chip On Board)型の構成としたが、これに限らない。例えば、樹脂成形されたキャビティの中にLEDチップを実装して当該キャビティ内に蛍光体含有樹脂を封入したパッケージ型のLED素子を用いて、このLED素子を基板上に複数個実装することで構成された表面実装型(SMD:Surface Mount Device)のLED光源を用いても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態及び変形例に施したもの、又は、実施の形態及び変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
1 照明器具
10、510 LED光源(光源)
11 基板
12 LED(発光素子)
13 封止部材
20 筐体
30、530 反射部材
40、41、540 レンズ部材(光学部材)
50 補助反射部材
401 光入射面
402 光出射面
501 コーン部
502 枠体本体部
B1、B2、B3 溝部
K1、K2、K3、K4 屈折面
L2、L3l、L3r、L4l、L4r、L5l、L5r、L6l、L6r、L7l、L7r、L8l、L8r、Li、Lo 光
P0 平面
R1、R2、R3、R4 反射面
T1、T2、T3、T4 突起部
V1、V2、V3 底部
X1、X2、X3、X4 距離

Claims (5)

  1. 複数の発光素子で構成された面光源と、
    前記面光源からの光の出射前方に前記面光源と対向して配置され、前記面光源からの出射光を所定の方向に配光する光学部材とを備え、
    前記光学部材は、光入射側に、前記光学部材の光軸を中心とした同心環状の突起部を複数有し、
    隣り合う前記突起部の間には、同心環状の複数の溝部が形成され、
    前記光軸から前記光学部材の外周方向に向かうほど、前記複数の溝部の各々の底部と前記面光源の発光面を含む平面との距離が大きく、
    前記複数の溝部のうち一の溝部の底部及び前記平面の距離と、前記一の溝部の内周側に隣り合う溝部の底部及び前記平面の距離との差分は、前記光軸から前記光学部材の外周方向に向かうにつれて小さい
    照明器具。
  2. 前記光学部材は、前記複数の突起部を外周領域に有し、
    前記突起部は、前記出射光を屈折させる屈折面と、当該屈折面の外周側に形成された、前記突起部へ入射した光を反射させる反射面とを有する
    請求項1に記載の照明器具。
  3. 前記光学部材の光出射面の外周領域は、平坦である
    請求項2に記載の照明器具。
  4. 前記光学部材の光出射面は、平面であり、
    前記光学部材の光入射面の内周領域は、平面である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明器具。
  5. さらに、
    前記面光源と前記光学部材との間に配置された反射部材と、
    前記光学部材の光出射側に配置された補助反射部材とを備える、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明器具。
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